JP2003276121A - 超撥水性シート及び超撥水性シート形成用超撥水剤 - Google Patents

超撥水性シート及び超撥水性シート形成用超撥水剤

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JP2003276121A JP2002084405A JP2002084405A JP2003276121A JP 2003276121 A JP2003276121 A JP 2003276121A JP 2002084405 A JP2002084405 A JP 2002084405A JP 2002084405 A JP2002084405 A JP 2002084405A JP 2003276121 A JP2003276121 A JP 2003276121A
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Masanori Taneo
正規 種生
Keiichiro Norimoto
圭一郎 則本
Hideko Ohashi
大橋英子
Makoto Nakanishi
真 中西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な工程により得られる、超撥水性を有
し、可とう性が良く、施工時の折り曲げ性にも強い超撥
水性シート及び、それを形成するための超撥水剤を提供
すること。 【解決手段】 可とう性のあるフィルム基材の表面に、
親水性の無機物粒子と無機物の粒径よりも小さく、か
つ、平均粒径0.01〜1μmで、ガラス転移温度が−
30〜−50℃の有機物のエマルジョンの乾燥物が融着
して、硬質のコーティング膜が形成されていることを特
徴とする超撥水性シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超撥水性を付与す
ることにより防汚性、耐水性、視界確保などの機能を有
する車両、船舶、航空機などの内外ウインドーガラスや
ミラーガラスや装飾用ガラス用超撥水性フィルム、ある
いは建築用および自動車用などの内装用シートとその製
造方法に関する。また、着雪防止機能を有するパラボナ
アンテナ、住宅などの屋根表面用超撥水性フィルムとそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラス基板でなる窓材をはじめ、
金属やプラスチック等の各種建築建装資材あるいはシー
ト、布地などの表面に撥水性を付与することが行われ、
種々その性能を向上せしめるような提案、特に超撥水性
を持たせる提案がなされている。
【0003】特開平3−215570号公報に、疎水性
微粉末とシリコーン樹脂などとの混合物を塗布し、焼き
付けすることで撥水被膜を形成する方法が記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−2
15570号における疎水性微粉末とシリコーン樹脂な
どとの混合物を塗布し、200℃以上で焼き付けするこ
とで撥水被膜を形成する方法では、耐熱性の比較的低い
プラスチック基体には適用しにくい。また、このような
焼き付け硬化タイプの樹脂を用いた場合被膜に可とう性
がなく、0.1mm以上の厚膜を形成すると、クラック
が入りやすくなる。さらに、溶剤系シリコーン樹脂の使
用は、作業環境上も好ましくない。
【0005】そこで、本発明では、基体上に被覆するだ
けで、超撥水性を有し、かつ可とう性が良く、施工時の
折り曲げ性にも強い超撥水剤、及びそれを被覆して得ら
れる超撥水材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、可とう性を有する基材表面に親水性の無機
物粒子と無機物の粒径よりも小さく、かつ、平均粒径
0.01〜1μmで、ガラス転移温度が−30〜−50
℃の有機物のエマルジョンからなる乾燥物がコーティン
グされていることを特徴とする超撥水性シートを提供す
る。親水性の無機物粒子と無機物の粒径よりも小さく、
かつ、平均粒径0.01〜1μmで、ガラス転移温度が
−30〜−50℃の有機物のエマルジョンの混合物を基
材上に被覆することで、無機物表面上に有機物のエマル
ジョンの薄膜層を形成でき、それを常温もしくは比較的
低温で熱処理することによって、超撥水性を発現し、さ
らに、有機物のエマルジョンが乾燥時に強固に融着して
充分な機械強度と可とう性が発揮される超撥水性被膜を
極めて容易に作製できる。その被膜の構造は、親水性の
無機物粒子が空隙をもって集合体化し、その表面が凹凸
構造を有し、前記無機物上にコーティングされている有
機物のエマルジョン同士も融着して連結し、その表面も
微細凹凸構造を有する多段の微細凹凸構造を形成する。
さらに、有機物のエマルジョンの分子構造においても、
カルボニル基が親水性の無機物側に向くことによって最
表面には出ることはない。上記の構造を形成することに
よって、極めて低コストで超撥水性被膜を作製でき、大
面積や長尺な部材、比較的低価格な製品への応用が可能
となる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、前記無
機物粒子は、有機物のエマルジョンの不揮発分100重
量部に対し、10〜600重量部含有するようにする。
有機物のエマルジョンの不揮発分100重量部に対し、
10〜600重量部含有することで、無機物上の全面
に、また、均一に有機物のエマルジョンの融着した薄膜
層を形成でき、前記の多段の微細凹凸構造によって、超
撥水性を発現できる。また、有機物のエマルジョンの乾
燥物の融着によって、無機物粒子同士および無機物粒子
と基材とを強固に固定することができる。
【0008】本発明の一実施態様においては、前記基材
の材質が、有機高分子であることを特徴とする超撥水性
部材を提供する。前記親水性の無機物粒子と有機物のエ
マルジョンを混合したコーティング液を基材に被覆し、
常温もしくは比較的低温で熱処理することによって、基
材の材質が、耐熱性の低い有機高分子であっても基材と
の密着性が良く、表面の耐久性の良好な超撥水性シート
を作製できる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、親水性
の無機物粒子と、無機物の粒径よりも小さく、かつ、平
均粒径0.01〜1μmで、ガラス転移温度が−30〜
−50℃の有機物のエマルジョンと、水とを含むことを
特徴とする超撥水剤であり、超撥水剤に含まれる水の量
は、固形分を100重量部としたときに20〜40重量
部であり、超撥水剤の粘度が3000〜5000mPa
・sであるようにする。そうすることで、コンマコータ
ーなどで塗工する際、基材表面に良好に被覆できる。こ
こで、粘度は、B型回転粘度計(東京計器株式会社製,
BL型)を用い、Lアダプタ、回転速度;12rpmの
測定条件により計測する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい超撥水
性シートの具体的構成例を説明する。その第一の態様に
おいては、可とう性を有する基材表面に親水性の無機物
粒子と無機物の粒径よりも小さく、かつ、平均粒径0.
01〜1μmで、ガラス転移温度が−30〜−50℃の
有機物のエマルジョンをコーティングする。
【0011】上記態様において、親水性の無機物粒子に
は、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化錫、酸化
バナジウム、酸化タングステン、酸化マグネシウム、酸
化カルシウム、酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水
酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ガ
ラス類等を利用することができる。
【0012】有機物のエマルジョンは、例えば、アクリ
ルエマルジョン、アクリルスチレンエマルジョン、アク
リルシリコーンエマルジョン、エチレン酢酸ビニルエマ
ルジョン、シリコーンエマルジョン、フッ素エマルジョ
ン、酢酸ビニルアクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマ
ルジョン、酢酸ビニルベオバエマルジョン、ウレタンア
クリル複合エマルジョン、シリカ変性アクリル共重合エ
マルジョン、スチレンアクリルウレタン複合エマルジョ
ン、エチレン酢酸ビニルアクリル複合エマルジョン、酢
酸ビニルマレート共重合エマルジョン、エチレン−ビニ
ルエステル系共重合体水性エマルジョンなどが挙げら
れ、このうちガラス転移温度が−30〜−50℃である
ものから選ばれた少なくとも一種が利用できる。これら
有機物のエマルジョンは、特に優れたバインダー機能に
加え、可塑剤などを配合しなくても柔軟性があるシート
が得られるという特徴を有する。なお、ガラス転移温度
が−30℃より高い場合、耐ひび割れ性に劣る。一方、
ガラス転移温度が−50℃より低い場合は、耐ブロッキ
ング性が劣る。ここで、有機物のエマルジョンのガラス
転移温度は、各種ホモポリマーのガラス転移温度を用
い、次の計算式により算出する。 ここで、Tg:共重合体のTg(K)、Tgi:共重合
モノマーのホモポリマーのTg(K)、Wi:共重合モ
ノマーの重量分率を示す。なお、ホモポリマーのTg
は、エマルジョン工業会基準を用いる。
【0013】有機物のエマルジョンの平均粒径は0.0
1〜1μmであることが好ましい。0.01μmより小
さい粒子をエマルジョン化することは製造上難しく、粒
径が1μmより大きいエマルジョン粒子を製造すること
も難しいが、無機物粒子表面上を均一に被覆することも
粒径が大きくなると困難となる。
【0014】可とう性を有する基材としては、例えば、
紙、合成樹脂シート、織布、不織布、ガラス繊維シー
ト、金属繊維・ガラス繊維複合シートなど各種のものが
挙げられる。特に、基材に耐熱性の低いプラスチック基
材、紙、木質系基材を選んだ場合には、熱処理すること
なく低温で超撥水性被膜が形成できる本発明が十分活用
できて好ましい。
【0015】プラスチック基材の代表的なものとして
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレ
ート、ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリウ
レタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性
樹脂のフィルム;不飽和ポリエステル樹脂、フェノール
樹脂、架橋型ポリウレタン、架橋型のアクリル樹脂、架
橋型の飽和ポリエステル樹脂など各種の熱硬化性樹脂か
ら得られる架橋フィルム等が挙げられる。
【0016】前記無機物粒子と、有機物のエマルジョン
の混合物を含むコーティング溶液を基材に塗布する方法
としては、例えばディッピング法、スピンコート法、ス
プレー法、印刷法、フローコート法、ロールコート法な
らびにこれらの併用等、既知の塗布手段が適宜採用する
ことができる。膜厚は、ディッピング法における引き上
げ速度やスピンコート法における基板回転速度などを変
化させることと塗布溶液の濃度を変えることにより制御
することができる。
【0017】前記手法によって作製した被膜の乾燥は、
前記無機物粒子と、有機物のエマルジョンの混合物を含
むコーティング溶液の溶媒は水であるため、水分を蒸発
させることによって有機物のエマルジョンは融着し、結
合する。よって、溶媒の水分を蒸発させる温度であれば
良く、常温でも多少、時間をかければ超撥水性被膜は十
分な強度を持って形成される。また、必要に応じてさら
に高い温度で乾燥させることも可能であり、量産性から
言うと基材の耐熱性の下限の温度で短時間で乾燥させれ
ば、低コストで生産できる。例えば、紙の基材の場合、
120〜170℃で数分で十分に乾燥できる。
【0018】前記無機物粒子の平均粒径が0.1μm〜
200μmであるようにすることが好ましい。0.1μ
mより小さいと、有機物のエマルジョンの粒子径とそれ
程変わらない大きさで、無機物粒子上を有機物のエマル
ジョンが均一に被覆できなくなる。また、200μmよ
り大きいと超撥水性被膜の外観が平滑でなくなるだけで
なく、凹凸構造も大きくなり、超撥水性が低下してしま
い好ましくない。
【0019】前記無機物粒子が球状粒子であるとなお良
い。球状粒子は、被膜内部および表面部に充填良く並
び、超撥水性の部分的なばらつきがない。
【0020】無機物粒子と有機物のエマルジョンの混合
物の配合は、有機物のエマルジョンの不揮発分100重
量部に対し、無機物粒子が10〜600重量部含有する
ようにする。10重量部より少ないと、無機物粒子が被
膜中に散在し、表面に微細凹凸構造を均一に形成でき
ず、超撥水性が部分的に低下してしまう。また、600
重量部より多いと、無機物上の全面に、均一に有機物の
エマルジョンが被覆されず、バインダーとしての強度が
十分でなくなる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。無機物粒子及びエマルジョンの物性測定は下
記の方法で行った。 無機物粒子の平均粒子径の測定:レーザー回折・散乱式
粒度分布測定装置(セイシン企業製レーザーマイクロン
サイザーLMS−30) エマルジョンの平均粒子径の測定:レーザー回折・散乱
式粒度分布測定装置(セイシン企業製レーザーマイクロ
ンサイザーLMS−30) エマルジョンのガラス転移温度:ホモポリマーのガラス
転移温度を用い次ぎの計算式により算出した。 Tg:共重合体のTg(K) Tgi:共重合モノマーのホモポリマーのTg(K) Wi:共重合モノマーの重量分率 なお、ホモポリマーのTgは、エマルジョン工業会基準
を用いる。
【0022】実施例1 大きさ約10mm×10mm、厚さ約50μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを中性洗剤、水すすぎ、アル
コールで順次洗浄し、乾燥したあとコーティング用基板
とした。無機物粒子として、アルミナ粒子[住友化学工
業(株)製AL−41E,平均粒子径;50μm]を用い
た。有機物のエマルジョンとして、大日本インキ化学工
業(株)製のアクリルエマルジョン、商品名ボンコート
3625,ガラス転移温度が−43℃,エマルジョンの平均
粒径;0.25μm,不揮発分59.5wt%を用い
た。
【0023】
【表1】
【0024】上記配合をそれぞれの配合比に沿って添加
し、これを約1時間室温で撹拌し、塗布液を調製した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バ
ーコーターで、乾燥後の被覆層の厚みが300μmにな
るように塗布膜を形成した。続いて、室温で24時間乾
燥して、サンプルを得た。
【0025】実施例2 無機物粒子として、水酸化アルミニウム粒子[アルコア
化成(株)製B-325,平均粒子径;25μm]を用い
た。有機物のエマルジョンは実施例1と同様のものを用
いた。
【0026】
【表2】
【0027】上記配合をそれぞれの配合比に沿って添加
し、これを約1時間室温で撹拌し、塗布液を調製した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バ
ーコーターで、乾燥後の被覆層の厚みが300μmにな
るように塗布膜を形成した。続いて、室温で24時間乾
燥して、サンプルを得た。
【0028】実施例3 有機物のエマルジョンとして、大日本インキ化学工業
(株)製のスチレンアクリルエマルジョン、商品名ボン
コートCE−8210,ガラス転移温度が−33℃,エ
マルジョンの平均粒径;0.25μm,不揮発分55w
t%を用いた。無機物粒子は実施例1と同様のものを用
いた。
【0029】
【表3】
【0030】実施例1と同様にしてコーティングサンプ
ルを作製した。
【0031】比較例1 有機物エマルジョンのアクリルエマルジョンの代わり
に、溶剤系アクリルコーティング剤[三井化学(株)製
アルマテックスL-1060、ガラス転移温度:25℃、有効
成分40wt%]を用いた以外は実施例1と同様にして
コーティングサンプルを作製し、比較に用いた。
【0032】
【表4】
【0033】比較例2 有機物バインダーとして、シリコーンコーティング剤
[信越化学工業(株)製X−40−175,ガラス転移
温度:30℃、不揮発分100wt%]を用いた以外は
実施例1と同様にしてコーティングサンプルを作製し、
比較に用いた。
【0034】比較例3 有機物バインダーとして、信越化学工業(株)製シリコ
ーンアクリルエマルジョン、商品名;X−41−705
0、ガラス転移温度;20℃、エマルジョンの平均粒
径;0.1μm,不揮発分42wt%をを用いた以外は
実施例1と同様にしてコーティングサンプルを作製し、
比較に用いた。
【0035】比較例4 ポリカーボネート基板を実施例1で用いたアクリルエマ
ルジョンのみバーコーターで、乾燥後の被覆層の厚みが
50μmになるように塗布膜を形成し、室温で24時間
乾燥して、サンプルを得た。
【0036】[評価方法] (1)製膜状態の外観評価 被覆層のクラック発生有無を目視で評価した。 ○(ク
ラック無し)、△(一部クラック有り)、×(クラック
多数有り) (2)耐折り曲げ性 シートを180度折り曲げ、曲げ部分の外観を目視で評
価した。○(ひび割れ無し)、△(一部ひび割れ有
り)、×(全面ひび割れ有り) (2)撥水性評価 測定機器;協和界面科学製CA-X型、測定環境 大気中
(25℃)水滴 純水(10μl)
【0037】[実験結果] 製膜状態の外観評価結果 表5に評価結果を示す。
【0038】
【表5】
【0039】表5から明らかなように、アクリルエマル
ジョン[大日本インキ化学工業(株)の商品名ボンコー
ト3625]、スチレンアクリルエマルジョン[大日本イン
キ化学工業(株)の商品名;ボンコートCE−821
0]をそれぞれ配合した実施例1,2,3は、クラック
発生は見られないが、溶剤型アクリルコーティング剤
[三井化学(株)の商品名アルマテックスL-1060]、シ
リコーンコーティング剤[信越化学工業(株)の商品
名;X−40−175]をそれぞれ配合した比較例1,
2は多数のクラックが発生した。また、シリコーンアク
リルエマルジョン[信越化学工業(株)の商品名;X−
41−7050]を用いた比較例3は、比較例1,2に
比べ、少ないものの一部にクラックが見られる。
【0040】耐折り曲げ性の評価結果 表6に評価結果を示す。
【0041】
【表6】
【0042】耐クラック性と同様に、可塑性に優れたア
クリルエマルジョン[大日本インキ化学工業(株)の商
品名ボンコート3625]、スチレンアクリルエマルジョン
[大日本インキ化学工業(株)の商品名;ボンコートC
E−8210]をそれぞれ配合した実施例1,2,3
は、比較例1,2,3に比べ、耐折り曲げ性に優れてい
ることを示している。
【0043】撥水性評価結果 表7に測定結果を示す。
【0044】
【表7】
【0045】表7から明らかなように、有機物のエマル
ジョンと無機物粒子を配合した実施例1,2,3は超撥
水性を示しているが、溶剤系アクリルコーティング剤、
シリコーンコーティング剤を用いた比較例1,2は撥水
性が低下し、シリコーンコーティング剤を用いた比較例
2においても超撥水性を発現するまでに至っていない。
シリコーンアクリルエマルジョンを用いた比較例3は、
超撥水性を示しているが、前述の耐折り曲げ性に劣り、
シートに適用するバインダーとしては好ましくない。ま
た、アクリルエマルジョンのみをコーティングした比較
例4も高い撥水性を示していない。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、基体上に被覆するだけ
で、超撥水性を有し、かつ可とう性が良く、施工時の折
り曲げ性にも強い超撥水剤、及びそれを被覆して得られ
る超撥水材を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の超撥水性被膜の表面及び断面のS
EM観察像である。
【図2】 SEM観察などにより推定した超撥水性被膜
の構造モデルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋英子 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 中西 真 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA01B AA01H AA19 AK01A AK01B AK25 AK42 AL05B AT00A CA30 DE01B DE04B EH46 EH462 EJ42 EJ422 EJ86 EJ862 GB31 GB33 JA05B JB05B JB06 JK17A JM01B JM02B YY00B 4J038 CC021 CF021 CG001 DG001 DL031 HA006 HA146 HA266 HA376 HA456 HA486 KA08 KA09 MA08 MA10 MA13 MA14 NA04 NA05 NA07 PB05 PB07 PC03 PC08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可とう性を有する基材の表面に、親水性
    の無機物粒子と無機物の粒径よりも小さく、かつ、平均
    粒径0.01〜1μmで、ガラス転移温度が−30〜−
    50℃の有機物のエマルジョンの乾燥物がコーティング
    されていることを特徴とする超撥水性シート。
  2. 【請求項2】 前記無機物粒子と、有機物のエマルジョ
    ンの混合物を含むコーティング溶液を基材に塗布して、
    被膜を形成し、これを熱処理することなく常温で乾燥す
    ることを特徴とする請求項1に記載の超撥水性シート。
  3. 【請求項3】 前記無機物粒子の平均粒径が0.1μm
    〜200μmであることを特徴とする請求項1,2に記
    載の超撥水性シート。
  4. 【請求項4】 前記無機物粒子が球状粒子であることを
    特徴とする請求項1〜3に記載の超撥水性シート。
  5. 【請求項5】 前記無機物粒子は、有機物のエマルジョ
    ンの不揮発分100重量部に対し、10〜600重量部
    含有することを特徴とする請求項1〜4に記載の超撥水
    性シート。
  6. 【請求項6】 前記基材の材質が、有機高分子であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の超撥水性シート。
  7. 【請求項7】 親水性の無機物粒子と、無機物の粒径よ
    りも小さく、かつ、平均粒径0.01〜1μmで、ガラ
    ス転移温度が−30〜−50℃の有機物のエマルジョン
    と、水とを含むことを特徴とする超撥水剤。
  8. 【請求項8】 前記超撥水剤は、可とう性を有する基材
    表面に塗布して、被膜を形成し、これを熱処理すること
    なく常温で乾燥することを特徴とする請求項7に記載の
    超撥水剤。
  9. 【請求項9】 前記無機物粒子の平均粒径が0.1μm
    〜200μmであることを特徴とする請求項7,8に記
    載の超撥水剤。
  10. 【請求項10】前記無機物粒子が球状粒子であることを
    特徴とする請求項7〜9に記載の超撥水剤。
  11. 【請求項11】前記無機物粒子は、有機物のエマルジョ
    ンの不揮発分100重量部に対し、10〜600重量部
    含有することを特徴とする請求項7〜10に記載の超撥
    水剤。
  12. 【請求項12】前記基材の材質が、有機高分子であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の超撥水剤。
  13. 【請求項13】前記超撥水剤に含まれる水の量は、固形
    分を100重量部としたときに20〜40重量部であ
    り、超撥水剤の粘度が3000〜5000mPa・sで
    あることを特徴とする請求項7〜12に記載の超撥水
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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