JP2003041181A - 親水性コーティング組成物 - Google Patents

親水性コーティング組成物

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JP2003041181A
JP2003041181A JP2001224524A JP2001224524A JP2003041181A JP 2003041181 A JP2003041181 A JP 2003041181A JP 2001224524 A JP2001224524 A JP 2001224524A JP 2001224524 A JP2001224524 A JP 2001224524A JP 2003041181 A JP2003041181 A JP 2003041181A
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Mitsumasa Sugano
充誠 菅野
Yasushi Matsui
靖 松井
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、施工者が既設の基材表面に簡便に
施工ができ、塗膜は加熱処理等の操作を必要とせず、透
明で親水性に優れ、かつ耐水性をも具えあわせたコーテ
ィング剤を提供する。さらに、本発明は、簡単な作業で
基材表面を親水化することによって、防汚性、防曇性を
付与し得る、コーティング剤を提供する。 【解決手段】(A1)コロイダルシリカおよび/または
(A2)シリカで表面を被覆した金属酸化物のゾルから
なる(A)金属酸化物ゾル、(B)ポリアクリル酸アン
モニウム塩、(C)炭素数1〜3のアルコール類、
(D)水を主成分として含んでなる親水性コーティング
剤であって、(A)の粒子径は1〜50nm、(B)は
重量平均分子量が1万〜50万、(C)/(D)が重量
比で90/10〜30/70であることを特徴とする、
親水性コーティング剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性コーティン
グ剤に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、基材表
面を親水化することによって、防汚性、防曇性を付与す
ることのできる親水性コーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】コロイダルシリカおよびポリカルボン酸
樹脂を含有する親水性コーティング剤は従来より多数開
示されている。一般的に、塗膜の特性のうち、親水性と
耐水性は、トレードオフの関係にある。これら先行例
は、いかに双方の特性を両立させるかということを目的
として検討がなされたものであり、技術的に、いくつか
のカテゴリーに区分することができる。特開昭55−1
64264、特開昭62−27146、特開2000−
262429には、樹脂の分子内に疎水基を含有するこ
とを特徴とする組成物が開示されている。樹脂を適度に
疎水化することで、塗膜に密着性と耐水性とを発現させ
ることができる。しかし、樹脂中の疎水基の影響によっ
て親水性が低下しやすく、高度の親水性表面が得られに
くいという欠点を有する。特開昭55−99976に
は、架橋剤として反応性シラン化合物を含有した組成物
が開示されている。樹脂中の親水基が架橋剤と反応する
ことで樹脂は難溶化する。しかし、親水基が減少するこ
とになるため、上記の例と同様に親水性が低下しやす
い。また、架橋反応を促進させるために、塗膜の加熱処
理が必要である場合が多い。特開2000−33634
7には、鎖状のシリカ粒子を含有させてなる組成物が開
示されている。非球状のシリカ粒子を使用することによ
って塗膜強度を向上させている。ところが、非球状で細
長い形状のシリカ粒子で形成された塗膜は、球状のシリ
カ微粒子で形成された塗膜と比較して、白濁した外観に
なりやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、施工者が既
設の基材表面に簡便に施工ができ、塗膜は加熱処理等の
操作を必要とせず、透明で親水性に優れ、かつ耐水性を
も具えあわせたコーティング剤を提供することを目的と
する。さらに、本発明は、簡単な作業で基材表面を親水
化することによって、防汚性、防曇性を付与し得る、コ
ーティング剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、シリカゾル
と、ポリアクリル酸アンモニウム塩とを含有させること
により、成膜性に優れ、塗布後短時間で耐水性を有する
塗膜が得られることを見出し、本発明に至った。すなわ
ち、本発明は、(A)粒子径が1〜50nmのコロイダ
ルシリカ、またはシリカで表面を被覆した、粒子径が1
〜50nmの金属酸化物ゾル、(B)親水性高分子とし
て、分子量が1万〜50万のポリアクリル酸アンモニウ
ムを塗膜構成要素として含有することを特徴とする。本
発明のコーティング剤は、界面活性剤の添加を特に必要
としないため、塗膜がくり返し水に曝されても、親水性
が低下することがない。
【0005】
【発明の実施の形態】金属酸化物ゾル (A)成分は、基材表面を被覆し、親水化することを目
的に使用される。(A)成分として用いられる金属酸化
物ゾルは、(A1)コロイダルシリカ、および/また
は、(A2)シリカで表面を被覆した金属酸化物ゾルが
用いられる。本発明の他の態様によれば、(A1)、
(A2)成分に加えて、(A3)シリカで表面を被覆し
ない金属酸化物ゾルを含むこともできる。
【0006】本発明において利用可能な他の金属酸化物
ゾルとしては、例えば、Si,Al,Fe,Ti,Z
r,Mg,Nb,Ta,W,Sn,Zn,Ceなどの金
属の酸化物が挙げられる。金属酸化物は1種類を単独で
用いても、複数の混合ゾルで用いても良い。また、複数
の金属成分の複合酸化物も利用できる。
【0007】なかでも光触媒性金属酸化物は、抗菌性、
有害物質除去性などの機能を塗膜に付与するために使用
することができる。光触媒性金属酸化物としては、アナ
ターゼ型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチ
ル型酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロ
ンチウムが挙げられる。さらに、導電性や熱線吸収機能
を付与するため、アンチモンドープ酸化スズなどのドー
ピング金属酸化物を使用することもできる。
【0008】該金属酸化物ゾルは、水を分散媒とした水
分散性ゾルや、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ールまたはエチレングリコールなどの水溶性溶剤に金属
酸化物をコロイド状に分散させたオルガノゾルが利用で
きる。
【0009】水分散性ゾルは、ポリアクリル酸塩と均一
に混合させるために、塩基性のものを使用することが望
ましい。特にアンモニア、アミン類を分散剤として含有
したものが好適に利用できる。アンモニアを分散剤とし
て含有する水分散性ゾルを使用することで、コーティン
グ剤の基材へのぬれ性、塗膜の耐水性を得ることができ
る。
【0010】該金属酸化物ゾルの粒径は1〜50nmが
好ましく、より好ましくは1〜30nmであり、更に好
ましくは2〜20nmである。粒径が上記範囲にあるこ
とで、十分な被膜強度が得られ、また塗膜の白濁などの
外観不良を有効に防止できる点で好ましい。
【0011】本発明において利用可能なコロイダルシリ
カ(A1)としては、アンモニアを分散剤として含有す
る水分散性コロイダルシリカや、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコールまたはエチレングリコールなどの
親水性溶剤にシリカをコロイド状に分散させたオルガノ
ゾルが挙げられる。
【0012】(A2)成分としては、上記金属酸化物の
表面をシリカで被覆したゾルをが用いられる。上記の金
属酸化物の表面をシリカで被覆する方法は、公知の技術
を利用すれば良く、特に限定されない。
【0013】(A3)成分の配合量は、(A1)および
/または(A2)に対して、200重量%以下である。
200重量%を超えると、塗膜の耐水性が劣ることがあ
るので好ましくない。(A3)成分のより好ましい配合
量は、(A1)および/または(A2)に対して、15
0重量%以下である。さらに好ましくは、100重量%
以下である。
【0014】金属酸化物ゾルは、本発明のコーティング
剤中に、不揮発分として、0.04〜5重量%、特に
0.1〜1重量%含有するのが好ましい。上記範囲とす
ることで、下記方法での塗布により、光干渉縞のない均
一な塗膜が得られる。
【0015】ポリアクリル酸アンモニウム 本発明のコーティング剤は、(B)成分として、ポリア
クリル酸アンモニウムを含んでなる。ポリアクリル酸の
アンモニウム塩は、水に可溶であるにもかかわらず、上
記のコロイダルシリカと組み合わせることによって、自
然乾燥下、乾燥直後であっても、耐水性を有する塗膜が
得られる。ナトリウム塩、カリウム塩を使用すると、コ
ーティング剤がはじかれやすくなるだけでなく、得られ
た塗膜は耐水性が低くなりやすいので、好ましくない。
【0016】(B)成分のポリアクリル酸は、アクリル
酸からなるホモポリマーであって、分子中に疎水鎖を含
まないことが好ましい。すなわち、モノマーとして、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸エ
ステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヒドロキ
シエチル等のメタクリル酸エステル類、スチレン等のビ
ニル芳香族類等を含有しないことが好ましい。分子中に
含まれる疎水鎖の量が増えるにつれて、塗膜の水との接
触角が高くなる傾向にある。また、疎水鎖を少量含む樹
脂の場合、塗布直後の塗膜の接触角が低くても、塗膜を
水に濡らすと親水性が低下する。分子中に疎水鎖を含ま
ないことで、親水性に優れた塗膜を得ることが可能とな
る。
【0017】(B)成分のポリアクリル酸の最適分子量
は1万〜50万である。より好ましい分子量の範囲は5
万〜30万である。分子量が1万未満では、塗膜の耐久
性が劣るので好ましくない。また、分子量が50万を超
えると、液剤の粘性が増し、作業性が低下するために好
ましくない。
【0018】本発明のコーティング剤は、(A)成分と
(B)成分との配合比を、不揮発分の重量比で、(A)
/(B)=30/70〜99/1の範囲とする。(A)
/(B)がこの範囲よりも小さいと、すなわち、(A)
成分が少ないと、塗膜の耐水性が劣ることがある。ま
た、(A)/(B)がこの範囲よりも大きい、すなわ
ち、(A)成分が多いと、塗膜が高度の親水性を発現し
にくくなったり、液の安定性、濡れ性が悪くなることが
ある。配合比のより好ましい範囲は、(A)/(B)=
40/60〜95/5であり、さらに好ましくは50/
50〜90/10である。
【0019】分散媒 本発明のコーティング剤の分散媒は、(C)水溶性アル
コールと(D)水との混合溶媒である。(C)成分とし
ては、炭素数1〜3のアルコール、すなわち、メタノー
ル、エタノール、変性アルコール、1−プロパノール、
2−プロパノールが挙げられる。該アルコールは、単独
か、あるいは2種類以上を混合して使用することができ
る。
【0020】(C)成分と(D)成分との配合比は、重
量比で(C)/(D)=90/10〜30/70の範囲
であることが好ましい。(D)成分がこの範囲よりも少
ないと、(B)成分が溶解しなくなるので好ましくな
い。また、(D)成分がこの範囲よりも多いと、コーテ
ィング剤の濡れ性が悪くなり、はじかれやすくなるので
好ましくない。(C)/(D)のより好ましい範囲は8
5/15〜35/65であり、さらに好ましくは80/
20〜40/60である。
【0021】本発明のコーティング剤は、さらに(E)
成分として、プロピレングリコールモノアルキルエーテ
ル{アルキル基は炭素数1〜3である}を含むことがで
きる。(E)成分は上記アルコールよりも沸点が高いた
め、レベリング性の向上や蒸発速度の調整を行なうこと
が可能となる。また、アルキル基の炭素数1〜3とする
ことによって濡れ性を低下させることなく、透明な塗膜
を得ることが可能となる。
【0022】本発明のコーティング剤におけるプロピレ
ングリコールモノアルキルエーテルの添加量は、0.5
〜5.0重量%とするのが好ましい。この範囲内である
と、塗布・乾燥時に均一になりやすく、より均一な薄膜
が得られるとともに、塗布後の乾燥の時間が適当であ
り、また、塗膜の強度や耐水性が損なわれない。
【0023】本発明のコーティング剤は、他の水溶性溶
剤を含むことができる。他の水溶性溶剤としては、例え
ば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエー
テル類、エチレングリコール、プロピレングリコールな
どのグリコール類、アセトン、ジメチルケトンなどのケ
トン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテ
ル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル・アセ
テートなどのエステル類、アセトニトリル、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
【0024】本発明のコーティング剤における分散媒の
添加量は、99.95重量%以下とするのが好ましく、
より好ましくは90.0〜99.7重量%である。この
範囲にすることで、ハジキ現象が起こりにくくなり、よ
り均一な塗膜が得られる。
【0025】コーティング剤の最適pH 本発明のコーティング剤は、pHを8以上11未満とす
る。この範囲内にすることで、本剤の基材表面への濡れ
性が良好となる。pHは、ポリアクリル酸アンモニウム
に含まれるアンモニアや、コロイダルシリカに含まれる
分散剤によって、この範囲内に収まることが望ましい
が、一般的なpH調整剤を使用しても良い。
【0026】任意成分 本発明のコーティング剤は、必要により界面活性剤、増
粘剤、防腐剤、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、キレート剤、消泡剤などを混合または併用しても
良い。さらに、本発明のコーティング剤は、LPG、ジ
メチルエーテルや、窒素、炭酸ガス、空気などの圧縮ガ
スを共に封入してエアゾールスプレーとすることもでき
る。
【0027】基材 本発明のコーティング剤が適用される基材の好ましい例
としては、乗物筺体や建築構造物などの塗装表面、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの樹脂表面、
木材などの有機基材表面、建物や乗物の窓ガラス、浴
室、洗面所、自動車の鏡、眼鏡等のレンズ、各種計器盤
のカバーガラスなどのガラス、鏡、レンズおよび、石材
などの無機基材表面などが挙げられる。
【0028】塗布方法 本発明のコーティング剤の基材表面への塗布方法として
は、均一に塗布できる方法を適宜選択して用いることが
できる。例えば、ローラータッチ法、バーコーター法、
スプレー法、刷毛塗り、スポンジ塗り、布帛、紙などに
含浸させて塗り広げる方法などが挙げられる。これらの
方法で適量を塗布した後、乾燥によって塗膜を形成す
る。乾燥は自然乾燥でも強制乾燥であっても良い。
【0029】作用 上記方法で形成された塗膜の表面は、高い親水性を有す
るので、水滴が形成されず、防曇性を付与することがで
きる。さらに、親油性成分を含む塵芥を付着させにくい
効果も有するので、防汚性も発現する。また、塗膜は耐
水性を有するので、水や蒸気に繰り返し曝しても親水性
を長期にわたって持続することができる。本発明のコー
ティング剤を塗布して得られる塗膜は透明性に優れ、表
面が平滑であるので、自動車等乗物の車体外板に塗布し
ても、その意匠性を損なうことがない。コーティング剤
には樹脂成分を配合しているため、塗装面の傷を埋めて
目立ちにくくし、光沢を増大させる効果も有する。
【0030】
【実施例】実施例1〜3、比較例1〜5 表1に示した成分を種々の割合で混合して、親水性コー
ティング剤を調製した。 評価試験 上記の実施例および比較例で得られた各種コーティング
剤について、以下の評価試験を行なった。結果を表1に
示す。
【0031】(液の濡れ性)上記コーティング剤を不織
布[クラフレックス クリーンワイパー DD−39
0、クラレ製]に含浸させ、予め洗浄、乾燥した黒色自
動車用塗装鋼板(70mm×150mm)の表面に塗り
広げた。なお、コーティング剤は不織布の重量に対して
300重量%の含浸率で含浸させた。塗布直後のコーテ
ィング剤の基材への濡れ性を目視で観察した。 ○:良好な濡れ性を示した △:ややはじいた ×:はじいた
【0032】(塗膜外観)上記液の濡れ性試験で作製し
た試料について、常温で溶媒を乾燥(〜5分)させた
後、塗膜の外観を目視で観察した。 ○:透明でかつ平滑な塗膜が得られた △:やや白濁した/やや光沢が低下した ×:白濁した/光沢が低下した
【0033】(親水性)上記液の濡れ性試験で作製した
試料について、塗膜を室温で1時間乾燥させた後、水と
の接触角を測定した。接触角は接触角計(CX−15
0、協和界面科学製)を用い、マイクロシリンジから試
料表面に水滴を滴下した後、30秒後に測定した。
【0034】(水洗後の親水性)上記液の濡れ性試験と
同様に作製した試料について、塗膜を室温で1日乾燥さ
せた後、水との接触角を測定した。各試料の接触角はす
べて、上記親水性試験の結果と同等であることを確認し
た。次いで、流水(水道水全開)に1分間さらし、風乾
させた後の接触角を測定した。表1には流水にさらした
後の接触角を示した。
【0035】(防曇性)上記コーティング剤を不織布
[クラフレックス クリーンワイパーDD−390、ク
ラレ製]に含浸させ、予め洗浄、乾燥したソーダライム
ガラス板(100mm×100mm)の表面に塗り広げ
た。なお、コーティング剤は不織布の重量に対して30
0重量%の含浸率で含浸させた。塗膜を室温で1日乾燥
させた後、塗膜に呼気をかけて表面の曇り発生の有無を
目視で確認した。 ○:曇が発生しなかった △:うっすらと、または部分的に曇が発生した ×:全面に曇が発生した
【0036】
【表1】
【0037】表1の注 1):(A)成分、(B)成分については、不揮発分の
重量部。 A1−1:2−プロパノールに分散したシリカゾル[粒
子径10nm以下、シリカ含有量10重量%] B1:ポリアクリル酸アンモニウム水溶液[A−30、
東亜合成製、重量平均分子量10万、樹脂分含有量30
重量%] B2:ポリアクリル酸ナトリウム水溶液[DL−52
2、東亜合成製、重量平均分子量20万、樹脂分含有量
30重量%] B3:ウレタン樹脂エマルジョン[ユーコートUWS−
145、三洋化成工業製、樹脂分含有量35重量%] B4:アクリル酸エステル共重合体アンモニウム塩水溶
液[A−93、東亜合成製、重量平均分子量20万、樹
脂分含有量31重量%]
【0038】表1から明らかなように、シリカゾルとポ
リアクリル酸アンモニウムとを組み合わせることによっ
て親水性に優れた塗膜を形成することができた。ポリア
クリル酸アンモニウムはそれ単独では被膜を形成しない
が、シリカゾルと混合することにより、耐水性を備えた
塗膜を形成した。ポリアクリル酸アンモニウム塩の代わ
りにナトリウム塩を使用した比較例3では、塗膜が水に
溶解して接触角が測定できなかった。その他の樹脂とシ
リカゾルとの組み合わせでは、初期親水性が良好であっ
ても塗膜を水洗処理した後は親水性が低下した。
【0039】実施例4〜6、比較例6〜9 表2に示した成分を種々の割合で混合して、親水性コー
ティング剤を調製した。得られたコーティング剤を不織
布[クラフレックス クリーンワイパー DD−39
0、クラレ製]に含浸させ、予め洗浄、乾燥した黒色自
動車用塗装鋼板(70mm×150mm)の表面に塗り
広げた。なお、コーティング剤は不織布の重量に対して
300重量%の含浸率で含浸させた。塗布直後のコーテ
ィング剤の基材への濡れ性を目視で観察したところ、い
ずれも良好だった。
【0040】評価試験 各種コーティング剤を塗装鋼板に塗布して得られた試料
について、以下の評価試験を行なった。結果を表2に示
す。
【0041】(塗膜外観)実施例1〜3、比較例1〜5
と同様の方法で評価した。 (親水性)実施例1〜3、比較例1〜5と同様の方法で
評価した。 (耐水性)親水性試験で使用した試料について、水道水
(溜水)に5分間さらし、風乾させた後の塗膜の状態を
観察した。 ○:塗膜の剥離、溶解はなかった △:一部剥離あるいは溶解した ×:完全に剥離あるいは溶解した
【0042】
【表2】
【0043】表2の注 1):(A)成分、(B)成分については、不揮発分の
重量部。 A1−2:水分散シリカゾル[スノーテックスNXS、
日産化学製、シリカ含有量15重量%、分散剤;アンモ
ニア] A2−1:シリカで被覆されたアナターゼ型酸化チタン
ゾル[STS−200、石原産業製、TiO2/SiO
2=50/50(重量比)、金属酸化物含有量5重量
%] A3−1:アナターゼ型酸化チタンゾル[A−6、多木
化学製、酸化チタン含有量6重量%、分散剤;アンモニ
ア、分散媒;水] A3−2:酸化スズゾル[S−8、多木化学製、酸化ス
ズ含有量8重量%、分散剤;アンモニア、分散媒;水] A3−3:シリカ・アルミナ複合酸化物ゾル[USSB
−120、触媒化成工業製、シリカ15重量%、アルミ
ナ6重量%、分散剤;Na、分散媒;水] A3−4:アルミナゾル[シーアイ化成工業製、アルミ
ナ含有量15重量%、分散媒;1−プロパノール]
【0044】実施例4,6は、金属酸化物にシリカゾル
を配合していたため、塗膜は高い親水性と耐水性が得ら
れた。また、シリカで表面を被覆した酸化チタンゾルを
配合した実施例5も同様に良好な結果が得られた。一
方、その他の金属酸化物を配合した比較例7〜9につい
ては、塗膜の親水性あるいは耐水性が得られなかった。
比較例6はコーティング剤が不安定で塗布不可能だっ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明の親水性コーティング剤は、シリ
カゾルとポリアクリル酸アンモニウムを含有するので、
樹脂、塗装体、ガラスなどの表面に、簡便な方法で耐水
性を有する親水性被膜を形成させ、防汚性および防曇性
を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CG101 HA216 HA446 JA17 JA20 JA25 JA32 JC11 KA04 KA06 KA08 KA12 KA20 LA03 LA04 MA14 NA05 NA06 NA11 NA24 PA18 PC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)粒子径が1〜50nmの金属酸化物
    ゾル、(B)ポリアクリル酸アンモニウム、(C)炭素
    数1〜3のアルコール類、(D)水を含んでなる親水性
    コーティング剤であって、 (A)が、(A1)コロイダルシリカおよび/または
    (A2)シリカで表面を被覆した金属酸化物のゾル、 (C)/(D)が重量比で90/10〜30/70であ
    ることを特徴とする、親水性コーティング剤。
  2. 【請求項2】(B)が、重量平均分子量1万〜50万で
    あることを特徴とする、請求項1に記載の親水性コーテ
    ィング剤。
  3. 【請求項3】(A)成分として、さらに(A3)シリカ
    で表面を被覆していない金属酸化物を含むことを特徴と
    する、請求項1または2に記載の親水性コーティング
    剤。
  4. 【請求項4】(A)はアンモニアを分散剤として含有す
    る水分散性ゾル、または水溶性溶剤に分散したオルガノ
    ゾルであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    に記載の親水性コーティング剤
  5. 【請求項5】(A)成分と(B)成分との配合比を、不
    揮発分の重量比で、(A)/(B)=30/70〜99
    /1の範囲である、請求項1〜4のいずれかに記載の親
    水性コーティング剤。
  6. 【請求項6】さらに、(E)プロピレングリコールモノ
    アルキルエーテル{アルキル基は炭素数1〜3である}
    を0.5〜5重量%含有する請求項1〜5のいずれかに
    記載の親水性コーティング剤。
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