JP2003276007A - 木製無垢材およびその反り抑制方法 - Google Patents

木製無垢材およびその反り抑制方法

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JP2003276007A
JP2003276007A JP2002080225A JP2002080225A JP2003276007A JP 2003276007 A JP2003276007 A JP 2003276007A JP 2002080225 A JP2002080225 A JP 2002080225A JP 2002080225 A JP2002080225 A JP 2002080225A JP 2003276007 A JP2003276007 A JP 2003276007A
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Seiichi Ito
誠一 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反りを確実に、しかも簡易に抑制、防止できる
木製無垢材を提供する。 【解決手段】本発明は、原材である樹木の導管(1)を
穿孔(2)により少なくとも部分的に切断したことを特
徴とする木製無垢材である。反りの主原因である導管が
穿孔によって切断される結果、使用環境を問わず、木製
無垢材の反りが有効に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反りを抑制、防止
できるフローリング材等の木製無垢材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】原材である樹木は、芯側と樹皮側とで含
水率が相違する。このため、その樹木を十分に乾燥させ
ないで製材した板材は、乾燥するに従ってその樹皮側を
内側とした反りを生じる。これまでは、この反りを防止
するために、原材を長期間自然乾燥したり、高価な乾燥
設備を用いて人工乾燥を行ったりしてきた。特に、柱等
に用いられる角材は、芯部を十分に乾燥させることが困
難である。そこで、その芯部に軸方向の乾燥孔を穿設し
たり、裏面等から複数の孔を穿設することにより、その
乾燥を促進させて、反りや割れを防止してきた。これに
関する開示は、例えば、特開昭48−65728号公報
や実開平3−67891号公報等にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、木製品(木
製板材等)は、いくら十分に乾燥させた原材を用いたと
しても、湿度の変化等に応じて水分を吸収、放出して、
やはり反りを生じる。特に、日本のように、四季があ
り、湿度や温度の変化の激しい環境で使用される木製品
は、反り等の歪みを生じ易い。例えば、フローリング材
の場合なら、湿度や温度の変化に応じて、床面の持上が
りや隙間等を発生させ易い。勿論、薄くスライスした木
片を、その繊維(導管)方向を互いに直交等させて積層
したような合板を用いれば、その反りを抑制、防止する
ことも可能である。しかし、多くの合板は、化学物質か
らなる接着剤等を使用して形成されている。このため、
その接着剤等から微量ながら有害ガスが放出され、それ
を内装材に使用した場合、シックハウス症候群等を生じ
得るといった問題がある。
【0004】このような事情の下、接着剤等を使用せ
ず、反りを生じない、質感に優れた無垢の板材(以降、
これを「木製無垢材」という)等の使用が現在非常に望
まれている。そこで、実用新案登録第3077204号
公報では、木製無垢材の反りを防止するために、その裏
面に反り防止溝を設けることを提案している。しかし、
本発明者が試したところ、その反り防止溝を設けたとし
ても、やはり、反りが生じた。つまり、反り防止溝の、
反りに対する抑制、防止効果は十分ではなかった。ま
た、実開昭55−159108号公報には、金属棒を板
材に挿入して、その高剛性を利用して反りを強制的に防
止しようとしたものを提案している。しかし、この方法
では、金属棒やその組付工程が余分に必要となり、その
分製造コストが高くなり、また、全体的な重量も増加し
てしまう。
【0005】このように、単板からなる木製無垢材の反
り防止は、相当困難であった。仮に、反り防止ができた
としても、非常に高価なものとなり、価格競争の激しい
現在で実用的ではない。その結果、これまで、フローリ
ング材等に木製無垢材がほとんど使用されなかったのが
実情である。本発明は、このような事情に鑑みて為され
たものであり、簡易に低コストで反り等を有効に防止で
きる木製無垢材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はこの
課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、
木製無垢材に現れた、原材である樹木の導管を切断する
ことを思いつき、本発明を完成させるに至った。 (木製無垢材)すなわち、本発明の木製無垢材は、原材
である樹木の導管を穿孔により少なくとも部分的に切断
したことを特徴とする。本発明者の長年の経験と研究に
より、木製無垢材が反る主な原因は、導管にあることを
見いだした。そして、この導管を部分的にでも切断する
ことにより、木製無垢材は、その反りを維持または保持
する力を実質的に失い、反りの発生が抑制、防止され
る。また、穿孔の加工前に、木製無垢材が多少の反りを
発生させていたとしても、その穿孔を設けることにより
その反りが解消されて、木製無垢材は元の平らな状態に
戻る。
【0007】このように本発明では、木製無垢材の反り
を生じるメカニズムに基づいて、根本的な解決策を図っ
たため、加工直後は勿論、その以降も、木製無垢材の反
りを長年にわたって抑制、防止できるようになった。こ
の点、従来のように、乾燥を促進してその反りを抑制す
ることに主眼が置かれていたものと本発明とは本質的に
異なる。前述したように、乾燥をいくら促進させたとし
ても、その後の使用環境に応じて反りが生じることに変
わりなく、根本的な解決策とはなり得ないからである。
【0008】(木製無垢材の反り抑制方法)前述したよ
うに、本発明者は、既に反りが生じているものに穿孔す
ると、短時間の内に木製無垢材の反りが減少して、元の
平らな状態に回復することを見いだした。そこで、本発
明は、上記穿孔を設けた木製無垢材に限らず、例えば、
既存の木製無垢材に穿孔を穿設することで、木製無垢材
の反りを抑制、防止する方法と考えることもできる。す
なわち、本発明は、木製無垢材に穿孔を設ける穿設工程
を行うことより、原材である樹木の導管を該穿孔により
少なくとも部分的に切断して該木製無垢材の反りを抑制
することを特徴とする木製無垢材の反り抑制方法と、把
握しても良い。なお、ここでいう反りの「抑制」には、
木製無垢材の反りを解消して、元の平らな状態にそれを
回復させる場合をも含む。また、本明細書でいう「導
管」とは、樹木の年輪(樹木が1年毎に成長して結成さ
れたもの)を指す。なお、この年輪は木材の切口に現れ
るため、導管の切断すべき方向等は、この年輪をみれば
直ぐに解る。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、実施形態を挙げ、本発明を
より詳しく説明する。 (1)木製無垢材 木製無垢材は、その用途や材質は問わない。用途の一例
を挙げるなら、フローリング材、羽目板、腰板または木
質カウンター材、建具材、天井材等がある。また、材質
の一例を挙げると、杉、檜、松、欅、ナラ、花梨、チー
ク、桜等である。本発明は、木製無垢材の反りを生じる
メカニズム自体を破壊するため、湿度の多少を問わず、
いずれの環境で使用されても、その木製無垢材はほとん
ど反りを生じることはない。本発明は、単板を対象とし
ているため、それを内装材に用いると、合板のように接
着剤による有害ガスの放出等の問題を生じることもなく
好適である。さらに、木製無垢材の用途に応じて、各々
を接続するための接続部分(例えば、凹凸等のジョイン
ト)を側端面等に設けても良い。
【0010】(2)穿孔および穿設工程 本発明でいう穿孔は、例えば、木製無垢材の側端面等か
ら穿設されるものである。穿設の方法や角度、また、穿
孔の位置や数等は、導管を切断するものである限り特に
は問わない。木製無垢材中における導管の出現形態(模
様)は、原材やその製材方法により様々であるため、個
々の木製無垢材毎に適宜選択すれば良い。もっとも、効
率的に導管を切断するには、導管に対して略直角に側面
から穿孔を設けると好適である。また、穿孔の数やその
孔径は、木製無垢材の要求強度や厚さ等により選定され
るものである。勿論、穿孔の数が少なく、その孔径が小
さい程、木製無垢材の強度が維持され、加工も比較的容
易である。ここで、本発明者が確認したところ、数mm
程度の細孔を数個設ける程度でも木製無垢材の反りが有
効に抑制された。従って、本発明は、木製無垢材の反り
を抑制しつつ、その強度確保や工数低減をも図ることが
十分に可能である。
【0011】本発明の穿孔は、貫通孔が好ましいが、有
底の穿孔でも良い。有底の穿孔とする場合は、例えば、
両側から(つまり、対向して)、穿設位置を交互に縦方
向へずらせて穿設すれば良い。こうすれば、導管を全幅
で切断することができる。なお、穿設工程は、ドリルを
使用してもできるが、例えば、半導体レーザ、YAGレ
ーザ等のレーザを使用すれば、比較的深い細孔を容易に
穿設することができる。また、本発明の穿孔自体には、
木製無垢材の乾燥促進効果もあるが、あくまでも本来の
目的は導管の切断による反り防止である。従って、穿設
後に、一旦導管が切断されると、その穿孔に防虫剤等を
注入、充填しても、その後の使用によって木製無垢材が
再び反ることはない。そして、防虫剤等を木製無垢材に
注入、充填することで、その虫食い被害を抑制、防止で
きる。特に、その被害が比較的多いフローリング材に適
用すると好適である。使用する防虫剤は、原材の種類や
使用環境で異なるが、例えば、現在最も多い害虫である
ヒラタキクイムシ用の防虫剤である。
【0012】(3)その他 本発明の反り防止手法に、従来の反り防止手法を組合わ
せても良い。特に、表面と裏面との間での温度差が生じ
易い床暖房用フローリング材等には、裏面側に数条の反
り防止溝を追加すると、より良い。
【0013】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。本発明に係る一実施例である木製無垢材1
0を図1に示した。この木製無垢材10は、からなる縦
1820x横150x厚さ12mmの床暖房用フローリ
ング材である。そして、図1からも解るように、その表
面には、縦方向に延びる原材の年輪模様が形成されてい
る。この年輪により形成される繊維層1が本発明でいう
導管に相当する。そして、厚さ15mmの一側面から横
幅方向に(つまり、繊維層1が延びる縦方向に対して直
角に)、φ3mmのドリルで貫通した穿孔2を約200
mm間隔で穿設した(穿設工程)。また、その穿孔2
は、反りを生じ易い樹皮側、つまり後述する凸部4の上
側(表面側)に穿設した。なお、図1では、便宜上、3
本の穿孔2のみを示した。
【0014】また、木製無垢材10の下面には、3条の
反り防止溝3を設けた。その両側面には、木製無垢材1
0を組合わせるときの嵌合を為す凸部4および凹部5を
形成した。さらに、穿孔2には、防虫剤を注入した。そ
して、この本発明の木製無垢材は、湿度等に関係なく、
反りを生じなかった。また、既に反りを生じているナラ
材またはチーク材からなる縦900x横90x厚さ9m
mの端切れに、その厚さ9mmの側面から孔径3mmの
貫通した穿孔を200mm間隔で穿設して、本発明の効
果確認試験を行った。すると、一日放置しただけで、元
の平らな状態に回復することが確認された。このように
本発明は、従来行われていた長期間の乾燥工程と比較す
れば分るように、正に画期的な反り防止手段であること
が明らかとなった。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、簡易に木製無垢材の反
りを確実に抑制、防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である木製無垢材を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 繊維層(導管) 2 穿孔 3 反り防止溝 4 凸部 5 凹部 10 木製無垢材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原材である樹木の導管を穿孔により少なく
    とも部分的に切断したことを特徴とする木製無垢材。
  2. 【請求項2】前記穿孔は、前記導管に対して略直角に側
    面から設けられている請求項1記載の木製無垢材。
  3. 【請求項3】さらに防虫剤が、前記穿孔に注入されてい
    る請求項1または2に記載の木製無垢材。
  4. 【請求項4】フローリング材、羽目板、腰板または木質
    カウンター材のいずれかである請求項1〜3のいずれか
    に記載の木製無垢材。
  5. 【請求項5】木製無垢材に穿孔を設ける穿設工程を行
    い、 原材である樹木の導管を該穿孔により少なくとも部分的
    に切断して該木製無垢材の反りを抑制することを特徴と
    する木製無垢材の反り抑制方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006322217A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Nice Corp 見切り部材および腰パネル構造
JP2007239370A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Wood One:Kk 屋外用床材およびウッドデッキ
JP2014124800A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Mywood 2 Kk 歪除去圧密材及びその製造装置、その製造方法

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