JP2007239370A - 屋外用床材およびウッドデッキ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加工した無垢材の上面または下面あるいはその両方に、少なくとも、ひび割れCの防止、滑り止め、及び排水性と通気性を確保するために、所望数の溝部2または断面山形状の畝部3を、長手方向に沿って形成する。また、畝部3を、上面または下面あるいはその両方の全体にわたって複数、平担部分を設けることなく連続して形成する。さらに、これらの屋外用床材1を用いてウッドデッキ1を構成する。
【選択図】図4
Description
この床材20は、図9に示すように、乾燥させた無垢材を幅100〜150ミリ程度、厚さ20〜40ミリ程度に加工したものである。
また、通常、ウッドデッキは屋内からそのまま歩いて行けるように施工されるので、素足や靴下のみの状態でその上を歩行する場合が多い。その際、図10に示すように、ひび割れCによって発生した突起Pが足の裏Bに刺さって、怪我をしたり、靴下が破れるといった問題が発生する場合がある。
(1)屋外用床材に、ひび割れ防止剤や各種防腐剤あるいは防黴剤等を注入または塗布して耐久性を高め、これにより、基本的には耐久性に劣る針葉樹材製の屋外用床材に、従来の広葉樹に近い耐久性を付与している。
また、木材の割れ防止剤としては、例えば、シリル基含有ポリオキシアルキレン化合物を含有する液状割れ防止剤が創案されている(例えば、特許文献1参照)。
(1)ひび割れ防止剤等の薬剤は流失して早期に効果が低下するので、依然としてひび割れの危険性が大きい。また、経年変化によって白化し、見苦しくなる可能性もある。
ウッドデッキ等を構成する屋外用床材は風雨や日光に直接晒されるので、ひび割れ防止剤等の薬剤は、摩滅、溶脱、分解等によって次第にその効果が消失してしまう。
従って、薬剤の効果を持続させるためには定期的に再塗装や再処理を繰り返す必要がある。例えば、一般的なウッドデッキ用塗料は年に1回の定期的な再塗装が必要であり、これを怠ると、ひび割れが発生して急激に劣化が進んでしまう。
なお、薬剤の種類によっては雨水によって溶脱し、水質汚染等の自然環境に悪影響を与えるものもあり、特に防腐処理を行った場合には、廃棄後、長期間分解せずに残存するので環境面での問題が大きい。
高温・高圧容器による熱処理は、木材を暗く変色させる場合が多く、また、床材の耐久性に必要な成分を溶脱し易いので、好ましくない。
また、高温・高圧容器による熱処理は、木材の性質自体を改質してしまうので、ひび割れ(および反り)の防止に効果的ではあるが、専用の処理タンクを必要として、バッチ式生産方法を取らざるを得ない。このため、多くの設備投資を必要として、大量で安価な生産は困難である。従って、屋外用床材の生産価格が嵩み、現実的ではない。
キャップ等の補助部材を装着すると、外観形状が大きく変わり、床材本来の外観美を喪失してしまう。また、装着には、新たなコストが必要である。さらに、キャップ等がプラスチック製の場合には、紫外線による劣化で短期間でその効果が消滅する。
(4)表面が滑り易く、危険である。
従来の屋外用床材は、その表面が平滑であるため、雨水などで濡れると、足と床材との間に水膜が生じて滑り易くなり、危険である。ウッドデッキは、スリッパやサンダルなどの簡易な履物で歩行する場合が多いため、靴やスニーカーなどのゴム底を備えた履物で歩行する場合と異なり、容易に滑り易く、きわめて危険である。
屋外用床材でウッドデッキを施工する際、それを下地の大引の上に固定すると、当該大引との間の隙間に雨水等が浸入して停滞し、黴や腐朽の原因となる。一般にウッドデッキの耐用年数は10年程度であるが、排水性と通気性が悪いと、これより大幅に短くなる。
ウッドデッキに使用される床材は、過酷な条件下で使用されるので、割れの発生しにくい「木裏」を歩行面にして施工する必要がある。しかし、通常は表裏が同一仕上げで、木口断面が単なる長方形なので、木口を良く見ないと表裏の見分けが付き難く、施工者が誤って割れの発生し易い「木表」側を歩行面にして施工する恐れもある。
また、裏面に溝部または畝部がある場合は、床材の表裏の判別が容易となるので、施工者が誤って割れの発生し易い「木表」側を歩行面にして施工する恐れも無い。
さらに、木口から溝部等が視覚される以外は、外観上、無垢材と変わらない。従って、見栄えにも優れるといった利点もある。
またさらに、例えば、この屋外用床材を大引の上に取付けた場合、両者の間に侵入した雨水が、溝部や畝部の谷間を通って排水され、かつ通気性が保たれるので、黴が発生し難く、また腐朽し難い。
また、溝部2を形成したことによって、例えば、この屋外用床材1を大引11の上に取付けた場合に、両者の間に侵入した雨水がこの溝部2から良好に排水され、かつ通気性が良くなるので、黴が発生し難く、腐り難い。
なお、床板の強度と外観を重視して溝部2の幅を1mm未満とすると、毛管現象によって水が停滞し、排水性および通気性が低下して好ましくない。また、逆に幅を5mm以上とすると、排水性および通気性は良好に保たれるものの、強度不足を生じる恐れがあるので好ましくない。
また、裏面に溝部2がある場合は、床材1の表裏の判別が容易となるので、施工者が誤って割れの発生し易い「木表」側を歩行面にして施工する恐れも無い。
これも針葉樹造林木を加工した無垢材であり、その下面の全体にわたって、長手方向に沿って畝部3を形成し、それを多数、幅方向に特に平担部分を設けることなく連続して形成したものである。
多数の畝部3を形成したことによって応力を分散させることができるので、ひび割れCの発生を防止することができる。また、例えば、大引11等の上に取付けた場合は、排水性と通気性を良好に保つことができるので、黴が発生したり、腐朽するといった事態を防止することができる。
また、裏面に畝部3がある場合は、床材1の表裏の判別が容易となるので、施工者が誤って割れの発生し易い「木表」側を歩行面にして施工する恐れも無い。
これは、針葉樹造林木を加工した無垢材の上面の全体に、長手方向に沿って畝部3を形成し、それを多数、幅方向に特に平担部分を設けることなく連続して形成したものである。畝部3は5〜10mmの間隔で設け、その深さは2〜5mmとしている。
これは、針葉樹造林木である無垢材の上面の全体に、長手方向に沿って畝部3を形成し、それを多数、幅方向に特に平担部分を設けることなく連続して形成すると共に、下面に、3本の溝部2を、同じく長手方向に形成したものである。
これは、針葉樹造林木である無垢材の上面および下面の全体にわたって、長手方向に沿って畝部3を形成し、それを多数、幅方向に特に平担部分を設けることなく連続して形成したものである。
この屋外用床材1は、上面と下面の両方に形成した畝部3によって、ひび割れCを効果的に防止することができる。また、ひび割れCによって生じた突起Pが、上面に形成した畝部3の上端から突出するのを阻止して、足の裏Bに突き刺さるのを防止することができる。さらに、下面に形成した畝部3によって、例えば、この床材1を大引11の上に取付けた際に、両者の間に侵入した雨水を畝部3間の谷間4から効果的に排水することができ、これにより、黴の発生を防止し、また、腐朽するのを防止することができる。
このウッドデッキ10は、前記した本発明の第一実施形態に係る屋外用床材1を、床面板1aおよび幕板1bとして使用し構成したものである。従って、それらの下面(幕板1bでは内側面)には3本の溝部2が形成されている。なお、床面板1aは大引11の上に木ネジ12で固定し、幕板1bは床面板1aの小口と大引11の側面に固定している。
1a 床面板
1b 幕板
2 溝部
3 畝部
4 谷間
10 ウッドデッキ
11 大引
12 木ネジ
20 屋外用床材
C ひび割れ
P 突起
B 足の裏
h 断面高さ
Claims (4)
- 無垢材で構成された屋外用の床材であって、
その上面または下面あるいはその両方に、少なくとも、ひび割れの防止、滑り止め、及び排水性と通気性を確保するために、所望数の溝部を、長手方向に沿って形成したことを特徴とする屋外用床材。 - 無垢材で構成された屋外用の床材であって、
その上面または下面あるいはその両方に、少なくとも、ひび割れの防止、滑り止め、及び排水性と通気性を確保するために、所望数の断面山形状の畝部を、長手方向に沿って形成したことを特徴とする屋外用床材。 - 前記畝部を、上面または下面あるいはその両方の全体にわたって複数、平担部分を設けることなく連続して形成したことを特徴とする請求項2に記載の屋外用床材。
- 請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の屋外用床材を用いて構成したことを特徴とするウッドデッキ。
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