JPH07279380A

JPH07279380A - 床構造

Info

Publication number: JPH07279380A
Application number: JP10348594A
Authority: JP
Inventors: Masatoshi Omura; 正敏大村
Original assignee: Noda Corp
Current assignee: Noda Corp
Priority date: 1994-04-07
Filing date: 1994-04-07
Publication date: 1995-10-27
Anticipated expiration: 2013-05-25
Also published as: JP2756642B2

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】合板基板に変わる基材を使用し、しかも釘打ち
が容易で固定した後の実嵌合も良好に行なうことができ
る床板を提供する。【構成】床下地上に捨て貼り用板２を設け、その表面に
本実を有する床板を釘打ち固定した床構造において、表
裏部に内部より比重の高い高比重層を有する木質繊維板
を用い、その側面の低比重層に雄実凸部１１と雌実凹部
１２が形成されたものを床板とし、該床板１の雄実凸部
１１あるいは雌実裏面側凸部上面から裏部高比重層を貫
いて捨て貼り用板に釘打ち固定されている床構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は住宅における床下地上に
形成する床構造に関する。

【０００２】

【従来技術】従来住宅の床構造として、根太あるいはフ
リーアクセスフロアの脚部等の床下地上に捨て貼り用板
を全体に張った後、その表面に合板を基板とする床板を
糊と釘を併用して床板側面の雄実上面内側に釘打ちする
ことにより床板を固定し、次いで隣接する床材の雌実を
前記雄実に嵌合させ同様に雄実を釘打ち固定することに
より床面を形成するものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、合板を基板と
する床材の雄実部に釘打ちを行うと実部表面に釘頭が残
ってしまい隣接する床材との実嵌合においてこの釘頭が
引っ掛かり嵌合を良好に行なうことができない。また、
床材の実形成時、雄実表面または裏面に露出する位置に
ある単板の繊維方向が実の長さ方向と直交する場合、切
削加工による刃の方向と単板の繊維方向が直交すること
となり実表面にささくれが生じ易く加えて釘打ちにより
この表面単板に繊維方向に沿った割れが生じ一段と実の
嵌合を行ないにくいものとしていた。

【０００４】さらに、この床材の基板として用いる合板
は、天然木材を薄く剥ぎ取った単板を積層接着し製造す
るため、天然資源の枯渇問題が世界的に大きく取り上げ
られ、原材料である原木を伐採することが困難になると
共に、原木の質が低下することによって、単板に使用す
る良質の単板を多量に得ることが難しくなり、品質の良
い基板を多量に市場に供給することが困難となる。この
問題は今後ますます深刻化することが予測され、床材基
板として合板の代替え品の提供が熱望されている。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】本発明は、このような
問題点に鑑み合板基板に変わる基材を使用し、しかも釘
打ちが容易で固定した後の実嵌合も良好に行なうことが
できる床板を提供すべく鋭意研究を重ねた結果到達した
ものである。

【０００６】すなわち本発明は、床下地上に捨て貼り用
板を設け、その表面に本実を有する床板を釘打ち固定し
た床構造において、表裏部に内部より比重の高い高比重
層１３，１４を有する木質繊維板を用い、その側面の低
比重層に雄実凸部１１と雌実凹部１２が形成されたもの
を床板１とし、該床板１の雄実凸部１１あるいは雌実裏
面側凸部１２ａ上面から裏部高比重層１４を貫いて捨て
貼り用板２に釘打ち固定されている床構造である。

【０００７】本発明によれば、床板１としてその表裏部
に内部より比重の高い高比重層１３，１４を有する木質
繊維板を用い、その側面に低比重層に雄実凸部１１と雌
実凹部１２が形成されたものを用い、側面の低比重層に
形成された雄実凸部１１あるいは雌実裏面側凸部１２ａ
上面から比重の高い裏部高比重層１４を貫いて釘打ち固
定することにより、釘４の打ち込みの部分が比重が低
く、繊維方向を持たない均質な材料であるため、釘打ち
が容易で割れを生ずることなく釘打ちができ、しかも表
面に釘頭が残ることなく容易に基材内部まで釘４を打ち
込むことができる。

【０００８】さらに、この釘４は裏部高比重層１４を貫
いて打ち込まれるため、この裏部高比重層１４による釘
保持力が優れており、釘打ちにより確実に床板１を固定
することができるものである。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の床構造の断面図の一例を示す
ものであり、床下地の根太３の上面に合板、木質繊維
板、木削片板、単板積層板、挽板等の捨て貼り用板２が
密設され、根太３に釘着固定および／または糊で固定さ
れている。

【００１０】また、この捨て貼り用板２の表面に、側面
に本実が形成された床板１が雄実上面に釘打ちされ、必
要に応じて糊と併用して捨て貼り用板２に固定されたも
のである。床下地としては、根太３の他にフリーアクセ
スフロアの脚部等も挙げられる。

【００１１】本発明の床板１は、図２に示すように表裏
部に内部より比重の高い表部高比重層１３および裏部高
比重層１４を有する一体成形により得られた木質繊維板
を用い、その木口面に本実を形成したものである。そし
て木質繊維板の木口面の低比重層に雄実凸部１１および
雌実凹部１２を形成したものを用い、雄実凸部１１上面
から裏部高比重層１４を貫いて釘４を打ち込む。

【００１２】このような構成により、床板１が一定の繊
維方向を持たない均質な木質繊維板であるため木質単板
に釘を打ったときに生ずる繊維方向に沿った割れ等が生
ずることなく、しかも木質繊維板の低比重層であるため
容易に釘を打ち込むことができ、雄実凸部１１の表面に
釘頭が残らないよう内部まで釘を打ち込むことができ
る。

【００１３】また、釘を打ち込むことにより釘周囲の比
重が上がることとなるが低比重層に釘を打ち込むため釘
周囲の比重の上昇を雄実凸部１１内で吸収することがで
き釘を打ち込んだ周囲に盛り上がりが生ずることもな
い。

【００１４】さらに裏部高比重層１４を貫いて釘が打ち
込まれているため裏部高比重層１４による優れた釘保持
力により確実に床板１を固定することができるものであ
る。

【００１５】このような床板１に用いる木質繊維板の全
体比重は０．４〜０．９ｇ／ｃｍ^３であり、表裏部に形
成された高比重層１３，１４はその比重が平均して０．
８〜１．４ｇ／ｃｍ^３の範囲であり、その内部の低比重
層は、０．４〜０．７５ｇ／ｃｍ^３の範囲であり、高比
重層は低比重層に比べ少なくとも０．１ｇ／ｃｍ^３以上
好ましくは０．２〜０．８ｇ／ｃｍ^３の比重差を有する
ようにする。

【００１６】この範囲以下であると実部へ釘打ちの際に
実部に割れが生じたり、また裏部高比重層による釘保持
力が十分に得られず好ましくない。すなわち、高比重層
と低比重層との比重差が小さくなるにつれ、釘４を打ち
込み易く、しかも釘保持力が優れるという効果が低下し
てしまう。

【００１７】また床板１の表面には必要に応じ化粧単
板、化粧紙、化粧合成樹脂シート等の化粧シートを貼着
し、あるいは柄模様や着色塗装等によって任意化粧を施
してなる化粧層１５を設けることができる。

【００１８】また、図３は本発明の別の実施例を示すも
のであり、雌実の裏面側凸部１２ａを表面側凸部１２ｂ
より長く形成し、裏面側凸部１２ａの上面から裏部高比
重層１４を貫いて釘打ち固定した床構造を示すものであ
る。

【００１９】このように雌実の裏面側凸部１２ａに釘打
ち固定する場合においても、雌実部を木質繊維板の低比
重層に形成することにより、雌実裏面側凸部１２ａの表
面側が低比重層となり、雌実裏面側凸部１２ａの表面に
割れ等を生じることなく、釘打ちを良好に行なうことが
でき、雌実裏面側凸部１２ａの表面に釘頭が残らないよ
う内部まで釘を打ち込むことができると共に、裏部高比
重層１４による優れた釘保持力により確実に床板１を固
定することができるものである。

【００２０】

【考案の効果】本発明の床構造は、床下地上に釘着固定
した捨て貼り用板２に、床板１を釘打ち固定した床構造
において、表裏部に内部より比重の高い高比重層１３，
１４を有する木質繊維板の側面の低比重層に雄実凸部１
１と雌実凹部１２が形成されたものを床板１とし、該床
板１の雄実凸部１１あるいは雌実裏面側凸部１２ａ上面
から裏部高比重層１４を貫いて捨て貼り用板２に釘打ち
固定されている構造により、一定の繊維方向を持たず均
質な木質繊維板を床板１として用いるため、切削加工に
より本実を形成する際にささくれが生ずることなく寸法
精度の高い本実を形成することができる。

【００２１】さらに木質単板に釘を打ったときに生ずる
繊維方向に沿った割れ等が生ずることなく、しかも釘を
打ち込む雄実凸部１１あるいは雌実裏面側凸部１２ａ上
面が木質繊維板の低比重層であるため容易に釘を打ち込
むことができ、実の表面に釘頭が残らないよう内部まで
釘を打ち込むことができる。

【００２２】また釘を内部まで打ち込んでも釘の打ち込
み部周囲が盛り上がることもない。このため隣接する床
板１との実の嵌合も良好に行なうことができる。さらに
裏部高比重層１４による優れた釘保持力により確実に床
板１を固定することができるものである。また、床板１
として用いる木質繊維板は単板として使用できない欠点
のある原木を小さく破砕あるいは解繊したものを用いて
得られるものであるため、資源の有効利用となり自然破
壊の防止に役立つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明床構造の断面図、

【図２】雌実、雄実部分の拡大断面図、

【図３】他の実施例の拡大断面図、

【符号の説明】

１：床板、２：捨て貼り用板、３：根太、４：釘、１
０：床板基板、１１：雄実凸部、１２：雌実凹部、１２
ａ：雌実裏面側凸部、１２ｂ：雌実表面側凸部、１３：
表部高比重層、１４：裏部高比重層、１５：化粧層。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】床下地上に捨て貼り用板を設け、その表
面に本実を有する床板を釘打ち固定した床構造におい
て、表裏部に内部より比重の高い高比重層を有する木質
繊維板を用い、その側面の低比重層に雄実凸部と雌実凹
部が形成されたものを床板とし、該床板の雄実凸部ある
いは雌実裏面側凸部上面から裏部高比重層を貫いて捨て
貼り用板に釘打ち固定されていることを特徴とする床構
造。