JP3674702B2 - 寸法精度安定階段 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、寸法変化が少なく寸法安定性に優れ、かつ側板、踏み板、蹴込み板及び側板の反りやねじれの発生が少ない寸法精度安定階段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の階段9としては、図13に示すごとく、側板91に略平行に取り付けられた踏み板92と、この踏み板92に略垂直に取り付けられた蹴込み板93とからなる箱階段が知られている。
【0003】
一方、図14に示すごとく、側板91に略水平に取り付けられた踏み板92と、この踏み板92の裏面側に取り付けられた底板94とからなる側桁階段が知られている。
なお、この側桁階段の最下段には、踏み板92に略垂直に取り付けられた蹴込み板93を有するものもある。
【0004】
そして、これらの階段9には、図15に示すごとく、踊り場95を有する「かね折れ階段」(イ)、「回り階段」(ロ)、「直通階段」(ハ)、「折返し階段」(ニ)などがある。
なお、前記踏み板92は、図16に示すごとく、側板91の内側に刻設された凹部穴90に後方より踏み板92を嵌合して、くさび97を用いて固定される。
【0005】
一方、側桁階段としては、図17に示すごとく、側板91の片側に踏み板92に突出した側端部921を有するものがある。なお、この側桁階段は、踏み板92に嵌合凹部920を有し、これを側板91に設けた水平凹部910に嵌入した接合部8を有するものがある。
【0006】
ところで、近年、木材の再利用の観点から端尺木片を有効活用した集成材96(図18、図19参照)が知られている。なお、集成材96は、階段9以外にも収納家具やカウンターなどの箱物、更には木造家屋の柱や鴨居などの構造材として多用されている。
【0007】
前記従来の階段9としては、特許文献1には、「現場での踏み板92と蹴込み板93の組付けを容易にすべく、マーキング溝を設けた側板91」が提案されている。
そして、特許文献2には、「階段の中間踊り場95の支持構造とその施工方法」が提案されている。
【0008】
一方、本出願人は、先に特許文献3により、「木材繊維が多方向に配列された集成材の小木片積層接合材を使用した踊り場部材に関する特許出願」を提案している。これは、本発明と同様に従来の集成材95とは異なり、異方向性の木材繊維51(図4、図5、図6参照)からなる集成材5やその挽材を含むランバー合板を使用することを特徴とするものである。
【0009】
また、特許文献4には、「木材繊維と平行に切断して小板片、小角片の素材を得て、これら素材を木材繊維と平行するよう多数接合する建築用の集成材」が提案されている。
そして、特許文献5には、「木材が所定強度を有しているか否かを測定し、節、割れ、腐れ等の欠陥を検出してこれらの不良木材部分を切断除去する集成材の製造方法および装置」が提案されている。
【0010】
他方、特許文献6には、「複数の木材をその木材繊維と平行して接着してなる集成材と、この集成材に沿って形成された溝に鋼材を嵌め込み接着した鋼補剛集成材」が提案されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−32479号公報
【特許文献2】
特開平7−145657号公報
【特許文献3】
特願2002−258033号公報
【特許文献4】
特開平9−123127号公報
【特許文献5】
特開平9−123108号公報
【特許文献6】
特開平10−146853号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の発明によれば、踏み板92と蹴込み板93の組付けを容易にすべく、マーキング溝を設けた側板91が提案されているに過ぎない。
また、特許文献2の発明によれば、中間踊場95の支持構造とその施工方法が提案されているに過ぎず、本発明や特許文献3の発明のごとく、異方性の木材繊維を使用した踊場部材を有する階段を提供するものではない。
【0013】
一方特許文献3の発明によれば、湿潤膨張性多孔体のくさびを使用する側板10については提案しているが、更に、このくさびを側板10に確実にしかも強固に装着させるための、くさび後方止め7については提案されていない。
【0014】
他方、特許文献4の発明によれば、従来の集成材95は、木材繊維が同一方向か平行方向であるため、寸法変化が本発明において使用されている集成材5(図4〜図6)とは異なり、本発明で使用する集成材5に比較して、寸法変化が大きく寸法安定性や強度などに問題を生じる。そのため、従来の集成材95からなる踏み板92は、力桁3よりも12mm以上突出しないように使用されている。踏み板92が120mm以上、突出すると破損部を生じるからである(図2参照)。
そのため、図18〜図20に示すごとく、木材繊維96により破損部960を生じることになる。それ故、特許文献6に示すごとく、鋼材を用いて従来の集成材95を補強せざるを得ないものと推察される。
【0015】
されに付言すれば、特許文献5に示されているごとく、従来の集成材95においては、節や割れ等の不良木材部分を検出して切断除去する手段が提案されているに過ぎない。
それ故、本発明において使用されている集成材5のごとく、例えば建築廃材から選別された広葉樹堅牢木材を有効利用するものとは明らかに異なっている。
【0016】
そこで、本発明は従来の前記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、構造上強固で寸法変化が少なく寸法安定性に優れ、かつ反りやねじれが発生しない寸法精度安定階段を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明が採った手段は下記の通りである。なお、本発明を更に具体的に説明するため、実施例において使用する図面の符号を付して、以下は説明する。
【0018】
まず請求項1に記載の発明が採った手段は、少なくとも側板10と、これに略水平に取り付ける踏み板2と、これらを支持する力桁3および又は底板30とからなる階段であって、
前記側板10と踏み板2とは、寸法安定木材からなることを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するもである。
これにより、図2に示すごとく、踏み板2及び蹴込み板4が(ホ)と(ヘ)の略同一線上の面一の階段において、寸法変化が少なく、寸法安定性に優れ、かつ反りやねじれが少なく、高強度で耐久性に優れた寸法精度安定階段1を得ることが出来る。なお、反りやねじれの有無は、矢高を測定することにより判定する。
【0019】
次に、請求項2に記載の発明が採った手段は、前記寸法安定木材は木材繊維51が多方向に配列された集成材5の小木片積層接合材52、ホルマール化木材、樹脂等の注入・強化木材、挽材を含むランバー合板のいずれか又はこれらの組み合せ木材であることを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するものである。なお、前記集成材5は、図6に示すごとく、その表面に化粧張り部材55を有することが、より好ましい。
これにより、前記側板10と踏み板2との接合部8において、ランバー合板による側板10や踏み板2の伸縮や隙き間や歪みを生じることがなく、遮音性や吸音性に優れた寸法精度安定階段1を得ることが出来るからである。
しかも、隙き間や歪みが生じると音の伝導や反響が生じて、遮音性や吸音性が低下することになるからであるとも考えられる。また、化粧部材55を有する集成材5を使用することにより、集成材5の表面より水分が芯部に侵入することが少なくなる。
【0020】
そして、請求項3に記載の発明が採った手段は、前記集成材5又はランバー合板は、建築廃材から選別された広葉樹堅牢木材を含むことを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するものである。
これにより、現時点では余り積極的にリサイクル利用されていない木造建築物の廃材を有効に利用し、資源の循環利用を図ることが出来る。なお、上記廃材は、特にブナ、ケヤキ等の広葉樹堅牢木材であることが好ましい。それは、スギやヒノキ等の針葉樹木材よりも強度や硬度が優れているからである。
【0021】
請求項1に記載の発明が併せて採った手段は、前記側板10は踏み板2と、くさび6と、くさび後方止め7とを嵌入できる凹部穴101、102、103を有することを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するものである。
これにより、前記くさび6は、その後方において、くさび後方止め7により確実に固定されることになる。
【0022】
請求項1に記載の発明が併せて採った手段は、前記くさび6及び又はくさび後方止め7が、吸着剤、吸湿剤、水分移動防止剤のいずれかを含有する湿潤膨張性多孔体であることを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するものである。
これにより、上記くさび6および又はくさび後方止め7は、空気中の水分(湿分)を吸収することにより、その体積が膨張して踏み板2及びくさび6等を側板10の凹部穴100等に密着させると共に、強固に相互を固定することが出来る。
【0023】
そして、他の発明が採った手段は、前記階段は少なくとも側板10と踏み板2と該踏み板2に略垂直に取付ける蹴込み板4と、これらを支持する力桁3および又は底板30とからなり、前記側板10は、踏み板2と、蹴込み板4と、くさび6とくさび後方止め7とを嵌入出来る凹部穴101、102、103を有することを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するものである。
【0024】
これにより、図10に示すごとく、踏み板2の両端部で、蹴込み板4よりも水平方向に突出した踏み板突出部211を有する階段において、寸法変化が少なく、寸法安定性に優れ、かつ反りやねじれが少なく、高強度で耐久性に優れた寸法精度安定階段1を得ることが出来る。
【0025】
次に、他の発明が採った手段は、前記凹部穴101、102、103は、木材繊維51が多方向に配列された集成材5の小木片積層接合材52、ホルマール化木材、樹脂等の注入・強化木材、挽材を含むランバー合板のいずれか又はこれらの組み合せ木材であることを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するものである。
これにより、前記側板10と、踏み板2と、蹴込み板4との接合部8において、寸法変化による側板10、踏み板2、蹴込み板4の伸縮や隙き間や歪みを生じることがなく、遮音性や吸音性に優れた寸法精度安定階段1を得ることが出来る。
【0026】
そして、他の発明が採った手段は、前記集成材5又はランバー合板は建築廃材から選別された広葉樹堅牢木材を含むことを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するものである。
これにより、現時点では余り積極的にリサイクル利用されていない木造構造建築物の廃材を有効利用し、資源の循環利用を図ることが出来る。なお、上記廃材は、特にブナ、ケヤキ等の広葉樹堅牢木材であることが好ましい。それは、スギやヒノキ等の針葉樹木材よりも強度や硬度が優れているからである。
【0027】
他の発明が採った手段は、前記側板10は踏み板2と、嵌入6と、くさび後方止め7と蹴込み板4とを嵌入出来る凹部穴101、102、103、104を有することを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するものである。
これにより、前記くさび6は、その後方において、くさび後方止め7により確実に固定されることが出来る。
【0028】
他の発明が採った手段は、前記くさび6および又はくさび後方止め7が、吸着剤、吸湿剤、水分移動防止剤のいずれかを含有する湿潤膨張性多孔体であることを特徴とする寸法精度安定階段1を提供するものである。
これにより、上記くさび及び又はくさび後方止め7は、空気中の水分(湿分)を吸収することにより体積が膨張して踏み板2、蹴込み板4、くさび6、くさび後方止め7を側板10に密着させると共に、強固に相互を固定することが出来る。
【0029】
【実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例および図面に基づいて、図面の符号を用いて具体的に説明する。
請求項1に記載の発明によれば、前記側板10と踏み板2又は側板10、踏み板2、蹴込み板4は寸法安定木材からなる寸法精度安定階段1を提供するものである。
【0030】
前記寸法安定木材としては、例えば図4〜図6に示すごとく、木材繊維51が多方向に配列された集成材5の小木片積層接合材であって、建築廃材から選別された樹種、大きさ、経過年数別の木材より、特に広葉樹木を更に選別して一定の大きさの矩形の挽材を作成し、これらを積層し、接合した集成材5(図4、図5参照)を更にその表面に化粧部材55で被覆した集成材5(図6参照)を使用することが好ましい。
【0031】
これにより前記木材繊維51が多方向に配列された集成材が得られ、更に当該集成材5の表面が化粧部材55により被覆されているため、集成材5の表面より芯部へ空気中の水分が浸透し移動することがなくなる。
そのため、集成材5の内部において、水分や熱が移動することが著しく減少し、寸法変化が小さくなり結果として本発明が向上し、反りやねじれを発生しない集成材5が得られることになる。
【0032】
これに対し、従来の集成材95は、前記特許文献4に開示されているごとく、木材繊維が略同一方向で、しかも繊維相互が平行であるため、木材繊維の伸縮に応じて寸法変化が大きくなる。その結果、集成材95は反りやねじれを生じたり、図18〜図20に示すごとく、接合部において破損し易くなる。
【0033】
なお、前記木材繊維51は、一般に木目が平行で年輪に直角方向に切断した柾目や板目に平行して存在する樹木の成長方向であり、一般に長い束を形成していると考えられている。
そのため、本発明において使用される集成材5は、木材繊維51が多方向に配列され一方向のみに伸縮されることがないものと考えられる。
【0034】
ここで注目すべきことは、本発明で使用する集成材5は、木材繊維51が相互に交叉するよう配列され、一定の方向に配向することがない異方向性の木材繊維51を有することである(図4〜図6参照)。
また、集成材5が、例えばアピトン、ミズナラ、ブナ、ケヤキ、カバ、シオジ、タモ、ニレ等の広葉樹木からなる場合においては、針葉樹木に比較して組織が緻密で、強度や硬度が平均して2〜3割位優れることになる。
【0035】
前記化粧部材55としては、例えば突板、塩化ビニルシート、ウレタン樹脂塗膜、ラワン薄板等がある。
また、前記本発明からなる小木片積層接合材52としては、例えば板厚さが15〜25mmで、タテ30〜100mm、ヨコ15〜50mm位の矩形のものであることが好ましい。
これにより前記集成材5は、含水率が15〜30%の小木片積層接合材52になるよう乾燥しておくことにより、使用中においても20〜40%の含水率を保つことが可能となる。
【0036】
また、前記寸法安定木材としては、例えばホルマール化木材、樹脂等の注入・強化木材、挽材を含むランバー合板のいずれか又はこれらの組み合せ木材であることが好ましい。
上記ホルマール化木材としては、その木材繊維51の水酸基架橋結合の一部がホルムアルデヒドによりホルマール化されているため、木材繊維中の親水基の減少に伴い、木材繊維51中の含水率もこれに相応して減少し、その結果寸法変化が小さくなり、前記集成材5と同様に、寸法安定性が優れ、反りやねじれが少なくなるものと考えられる。
【0037】
前記寸法変化としては、前記集成材5と同様に、異方向性の木材繊維51を有する本発明を芯材としており、その他添え心板、表板、裏板等に本発明又はラワン等の単板が用いられているものがある。そのため、各種の合板の中でも特に寸法変化が小さく寸法安定性に優れ、反りやねじれが少ないものと考えられる。
【0038】
前記樹脂等の注入・強化木材としては、例えば良く乾燥した木材に溶融のパラフィンを加熱しながら注入したもの、或いは乾燥した木材中にフェノール樹脂を加熱しながら注入したもの、又はこれらのものを圧密化木材とした硬化木材などがある。
前記硬化木材は寸法安定性に優れるほか、強度や電気的性質も改善され、木材繊維51を直交ないしは木材繊維51を多方向に配列したものが寸法安定性が優れ、反りやねじれが少なくなる。
【0039】
前記くさび6および又はくさび後方止め7としては、例えば吸着剤、吸湿剤、水分移動防止剤のいずれかを含有する湿潤膨張性多孔体であることが好ましい。ここで湿潤膨張性多孔体とは、水分を吸収して膨張する多孔体のことである。
上記吸着剤としては、例えば活性白土、活性炭、ゼオライト、ベントナイト等の微粉を用いることが出来る。なお、多孔体としては、例えば竹材片、針葉樹木片、合成樹脂発泡体等の合成木材片等がある。
また、上記吸湿剤としては、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、マグネシア(苦土)等の微粉末を用いることが出来る。
そして、上記水分移動防止剤としては、例えばポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、重炭酸ソーダ等を用いることが出来る。
【0040】
前記吸着剤は、特にゼオライトやベントナイト等の粘土鉱物の微粉末を使用した場合には、冬期などにおいて空気中の水分(湿度)が少なくなり乾燥した状態においても一旦吸着された水分は容易に遊離することがなく、膨潤したくさび6やくさび後方止め7は容易に元の状態に戻ることなく、膨潤状態が長期に保持される。これは、粘土鉱物の結晶水として空気中の水分が取り込まれるものと考えられるからである。
【0041】
前記くさび6および又はくさび後方止めとしては、例えば竹材、針葉樹木材、プラスチック発泡体(合成木材の一種)などを使用することが出来る。これらの素材は、多孔質体で、前記吸着剤、吸湿剤、水分移動防止剤を多量に含浸し含有量する特性を有するものだからである。そして、前記くさび後方止めは、図1、図8、図11、図12に示すごとく、くさび6の後方より当該くさび6を強固に固定するものである。これは、従来のくさび97は吸着剤、吸湿剤、水分移動防止剤で処理されておらず、当該くさび97は多数の釘を使用して固定するものであり、その作用効果や施工性の点において本発明のものとは顕しく差異がある(図16参照)。
【0042】
本発明においては、階段としては、例えば図2に示すごとく、踏み板2と蹴込み板4とを側板10に取付ける、いわゆる面一階段(実施例1)と、例えば図10に示すごとく、踏み板2のみが水平方向の端部210において踏み板突出部211を有する階段(実施例2)と、一端部210のみにおいて踏み板突出部211を有する階段とがある。そして、これらの階段においては、特に踏み板2と蹴込み板4とを支える力桁3および又は底板30(図示略)とにより構成される。
【0043】
以上の説明のように、本発明は特許文献1〜6に記載された発明と異なり、まず側板10、踏み板2或いは蹴込み板4に寸法安定木材を使用し、かつ側板10と踏み板2と蹴込み板4の接合部8は凹部穴101、102、103及びくさび6、くさび後方止め7を介して強固な接合部8が形成される。
これにより側板10、踏み板2、蹴込み板4の寸法変化は小さくなり寸法安定性や強度に優れると共に、反りやねじれを生じることがなくなる。また、くさび6やくさび後方止め7には、吸着剤等が含有されるため、湿潤膨張性多孔体を形成し側板10、踏み板2、蹴込み板4を強固に接合することが出来る。したがって、これらの接合部8においては、寸法安定性が優れ、反りやねじれ及び隙き間や歪み等の欠陥を生じることがない。
【0044】
以下、本発明の好ましい実施例について、図面を用いて具体的に説明する。(実施例1)
本例の寸法精度安定階段1は、図1〜図3に示すごとく、少なくとも側板10と、これに略水平に取付ける踏み板2と、これらを支持する力桁および又は底板(図示略)とからなる階段である。
そして、前記側板10と踏み板2と蹴込み板4は、図4〜図6に示すごとく、木材繊維51が多方向に配列された集成材5の多方向に配列52からなる集成材5により構成される。なお、踏み板2は、図7に示すごとく、その裏面21において、断面形状が扁平な略三角形又は略U字状の長さがlのくさび挿入ガイド20を有する。
【0045】
前記集成材5は、図5及び図6に示すごとく、例えば木材繊維51が多方向に配列された挽材の短形木片をレゾルシノール・フェノール樹脂を使用して冷圧プレスにより積層接合したものである。
そして、図6に示すごとく、上記集成材5は、その表面に階段化粧部材55として突板を貼着し、更にその表面ウレタン樹脂塗料を塗布した化粧張り集成材50を特に本例の寸法精度安定階段1を製造する。
【0046】
次に、くさび6としては、図1の下方に示すごとく、板厚さが最小3mmから最大8mmの断面形状が扁平な略三角形状を呈する四辺形の湿潤膨張性多孔体を使用する。ここで、湿潤膨張性多孔体としては、ゼオライトやベントナイト等の吸着剤を竹材の多孔体に注入圧入したものを使用する。一方、ウレタン樹脂発泡体からなる合成木材に水分移動防止剤としての前記ポリイソシアネートを含浸した湿潤膨張性多孔体も作成する。
そして、本例の寸法精度安定階段1には、上記2種類の湿潤膨張性多孔体を、図1の下方に示すごとく、断面形状が略三角形状を呈するくさび6と、断面形状が略正方形で1辺が約8mmのくさび後方止め7を併用する。
【0047】
一方、側板10は、図1に示すごとく、踏み板2の嵌入用凹部穴101と、これと略直交する蹴込み板4の嵌入用凹部穴102と、嵌入6の嵌入用凹部穴103と、くさび後方止め7の嵌入用凹部穴104とからなる凹部穴100を有する。凹部穴100の深さは約10mmである。
そして、側板10は、図3に示すごとく、凹部穴100が階段状に多数連設された略平行四辺形状の集成材5からなる階段用部材を形成する。
【0048】
このようにして構成した側板10及びこれは刻設した凹部穴100、踏み板2、くさび6及びくさび後方止め7は、次のようにして組み立てられる。
図1に示すごとく、まず踏み板2の嵌入用凹部穴101には踏み板2端部挿入部211(図2)を嵌入する。次に、蹴込み板4の嵌入用凹部穴101には踏み板2端部挿入部211(図2)を嵌入する。次に、蹴込み板4の嵌入用凹部穴102には、蹴込み板4の端部挿入部を嵌入する。
なお、上記踏み板2の嵌入用凹部穴101と蹴込み板4の嵌入用凹部穴102は、その深さが約10mmであるため、踏み板2の端部挿入部211及び蹴込み板4の端部挿入部は、凹部穴100内において、それぞれ約10mm位を嵌入できた。なお、前記踏み板2と蹴込み板4とは、予め嵌合穴105,106を介して接合しておくことも出来る。
【0049】
そして、図8に示すごとく、踏み板2の裏面側においては、まずくさび6を(ト)の方向より前方(矢印方向)に向けて打設するように前進させる。その後、蹴込み板4を同様にして次に、くさび6を(チ)の方向より右方向又は左方向(矢印方向)に向けて、それぞれ水平移動させる。
その後、凹部穴100内において、嵌入6を前進させた後、くさび後方止め7を(リ)の方向より右方向又は左方向(矢印方向)に向けて、それぞれ水平移動させて、前記踏み板2の後方において、踏み板2を強固に固定するよう打設する。
【0050】
そして、最後に、上記凹部穴100内に嵌入した踏み板2、蹴込み板4、くさび6及びくさび後方止め7に隣接するよう力桁3および又は底板30を配設する。ここで、まず底板30を凹部穴100に隣接するよう仮設しておき、その後底板30を配設した後、力桁3を配設する。これにより、踏み板2と蹴込み板4との接合部で隙き間や歪みのない寸法精度安定階段1を得ることが出来た。
【0051】
(実施例2)
本例は、図9〜図11に示すごとく、実施例1における側板10に代えて側板11としたものである。そして、この階段は、踏み板2のみが水平両方向に突出した踏み板突出部211を有する(図10参照)。
また、凹部穴110は、図11に示すごとく、踏み板2の嵌入用凹部穴111と、くさび6の嵌入用凹部穴112と、くさび後方止め7の嵌入用凹部穴113と、蹴込み板4の嵌入用凹部穴114を有するものである。これにより、本例の寸法精度安定階段1は、実施例1に比較して、更に簡便に組み立てることが出来る。なお、その他の構成は実施例1と同様とした。
【0052】
(実施例3)
本例は、図12に示すごとく、実施例2における側板11の凹部穴110を扁平な略台形状のものにしたものである。その他の構成は、実施例1及び2と同様とした。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、請求項1〜請求項3に記載された技術的特徴事項(発明)により構成されている。そのため、次に示すような諸々の効果を奏する。
【0054】
まず、請求項1に記載の発明によれば、踏み板2及び蹴込み板4が(ホ)と(ヘ)との略同一線上の面一の階段において寸法変化が少なく、寸法安定性に優れ、かつ反りやねじれが少なく、高強度で耐久性に優れた寸法精度安定階段1を得ることが出来る。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記側板10と踏み板2との接合部8において、寸法変化による側板10の伸縮や隙き間や歪みを生じることがなく、遮音性や吸音性に優れた寸法精度安定階段1を得ることが出来る。
【0055】
次に、請求項3に記載の発明によれば、現点では余り積極的にリサイクル利用されていない木造建築物の廃材を有効に利用し資源の循環利用を図ることが出来る。
また、併せて請求項1に記載の発明によれば、前記くさび6は、その後方において、くさび後方止め7により確実に固定されることになる。
そして、併せて請求項1に記載の発明によれば、前記くさび6および又はくさび後方止め7は、空気中の水分(湿分)を吸収することにより、その体積が膨張して踏み板やくさび6等を側板10の凹部穴100等に密着させると共に、強固に相互を固定することが出来る。
【0056】
他の発明によれば、踏み板2の両端部210で、蹴込み板4よりも水平方向に突出した踏み板突出部211を有する階段において、寸法変化が少なく、寸法安定性に優れ、かつ反りやねじれが少なく高強度で耐久性に優れた寸法精度安定階段1を得ることが出来る。
以上、本発明によれば、側板10、踏み板2、蹴込み板4が寸法安定木材により構成されているため、寸法変化や遮音性や吸音性に優れ、反りやねじれや接合部8の隙き間や歪みが発生しない寸法精度安定階段1を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る寸法精度安定階段の側板における凹部穴の拡大側面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る寸法精度安定階段の踏み板と蹴込み板の面一階段の斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係る寸法精度安定階段の側板における凹部穴の一部側面図である。
【図4】実施例1において使用される集成材の接合状態を示す斜視図である。
【図5】実施例1で使用される集成材の木材繊維が多方向に配列された状態を示す斜視図である。
【図6】実施例1で使用される集成材を化粧部材により被覆した状態を示す斜視図である。
【図7】実施例1で使用される踏み板の裏面側の状態を示す断面図である。
【図8】実施例1で使用される踏み板の裏面側の施工手順を示す平面図である。
【図9】実施例2に係る寸法精度安定階段の側板における一部側面図である。
【図10】実施例2に係る寸法精度安定階段の踏み板突出部を有する階段の斜視図である。
【図11】実施例2に係る寸法精度安定階段の凹部穴のみの拡大側面図である。
【図12】実施例3に係る寸法精度安定階段の凹部穴のみの拡大側面図である。
【図13】従来の箱階段の一部斜視図である。
【図14】従来の側桁階段の一部斜視図である。
【図15】従来の階段における踊り場の各種態様を示す平面図である。
【図16】従来の階段の踏み板の取付け状態を示す裏面側の斜視図である。
【図17】従来の階段の踏み板の取付け状態を示す正面側の斜視図である。
【図18】従来の集成材の破損状態を示す説明図である。
【図19】従来の集成材を使用した階段の破損状態を示す説明図である。
【図20】従来の階段における集成材を使用した踏み板の取付け状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 寸法精度安定階段
10 側板
100、110、120 凹部穴
101 踏み板嵌入用凹部穴
102 蹴込み板嵌入用凹部穴
103 くさび嵌入用凹部穴
104 くさび後方止め嵌入用凹部穴
2 踏み板
3 力桁
4 蹴込み板
5 集成材
51 木材繊維
52 小木片積層接合材
6 くさび
7 くさび後方止め

Claims (3)

  1. 少なくとも側板と、これに略水平に取り付ける踏み板と、前記側板と前記踏み板の連結に用いられるくさびと、くさび後方止めとからなる階段であって、
    前記側板と踏み板とは、寸法安定木材からなり、
    前記側板は、前記踏み板と、前記くさびと、前記くさび後方止めとを嵌入できる凹部穴を有し、
    前記くさびは断面形状が扁平な略三角形状となっており、前記側板には該くさびの前記側板への打ち込みをガイドするくさび挿入ガイドが設けられ、
    前記くさび及び前記くさび後方止めは、吸着剤、吸湿剤、水分移動防止剤のいずれかを含有する湿潤膨張性多孔体であることを特徴とする寸法精度安定階段。
  2. 寸法安定木材は、木材繊維が多方向に配列された集成材の小木片積層接合材、ホルマール化木材、樹脂等の注入・強化木材、挽材を含むランバー合板のいずれか又はこれらの組み合せ木材であることを特徴する請求項1に記載の寸法精度安定階段。
  3. 集成材又はランバー合板は、建築廃材から選別された広葉樹堅牢木材を含むことを特徴とする請求項2に記載の寸法精度安定階段。
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