JP2003275899A - 粉粒体の成形装置、該成形装置を用いた粉粒体の成形方法、該成形方法で得られた成形体 - Google Patents

粉粒体の成形装置、該成形装置を用いた粉粒体の成形方法、該成形方法で得られた成形体

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JP2003275899A
JP2003275899A JP2002123238A JP2002123238A JP2003275899A JP 2003275899 A JP2003275899 A JP 2003275899A JP 2002123238 A JP2002123238 A JP 2002123238A JP 2002123238 A JP2002123238 A JP 2002123238A JP 2003275899 A JP2003275899 A JP 2003275899A
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molding
punch
powder
die
granular material
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Masayuki Takuma
政幸 詫間
Yoshikazu Yamashita
義和 山下
Hideto Kubo
秀人 久保
Shuji Tsuyuhara
修二 露原
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TotanKako Co Ltd
Original Assignee
TotanKako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】シワ等の発生がなく、しかも上部、下部、芯部
のかさ密度が均一な炭素質成形体とその製造方法、その
製造装置を提供する。 【解決手段】 上パンチ21と下パンチ23と炭素質粉
末24を充填するダイス32とを備え、上パンチ及び/
または下パンチの少なくともいずれか一方を上下動させ
ることによって炭素質粉末を成形する炭素質粉末の成形
装置において、上パンチ及び/または下パンチの少なく
ともいずれかに凹部25を設けたことを特徴とする。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒体の成形装
置、該成形装置を用いた粉粒体の成形方法、該成形方法
で得られた成形体に関し、さらに詳しくいえば、スジや
シワの発生がなく、表面と芯部の成形密度が差が少ない
成形体、その成形体を得るための成形装置、成形方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、炭素製品を例にとって説明す
る。炭素製品は、耐熱性、耐蝕性、熱伝導性、電気伝導
性、自己潤滑性等に優れており、冶金用、放電加工用、
半導体用、原子力用、摺動用等に広く産業に利用されて
いる。なかでも摺動性、自己潤滑性を活かした電気機械
用ブラシは様々な分野で使用されている。
【0003】以下、電気機械用ブラシを具体例として説
明する。電気機械用ブラシは、石油系あるいは石炭系の
コークス、カーボンブラック(スート)、天然黒鉛等の
原料にバインダーとなるタール、ピッチ等を配合し、混
練、再粉砕、成形、焼成、必要に応じて黒鉛化した電気
黒鉛質ブラシや炭素黒鉛質ブラシ、天然黒鉛を主とする
原料に銅、銀等の金属を混合、成形、焼結した金属黒鉛
質ブラシ、天然黒鉛にフェノール樹脂等のバインダーを
配合し、混練、再粉砕、成形、硬化した樹脂結合質ブラ
シがある。これらの電気機械用ブラシ(以下、上記ブラ
シをカーボンブラシと総称する。)は、一般直流機、圧
延機、励磁機、車両用、フォークリフト、誘導電動機、
同期電動機、三相整流子機、集電子、家庭電器用、電動
工具等の用途に供されている。
【0004】カーボンブラシを製造する場合、ブラシの
寸法に応じて大型ブラシ、小型ブラシ(以下、量産ブラ
シという。)に作り分けされている。大型ブラシの場合
は、上述した成形用粉粒体を型押し、アイソスタティッ
クプレス等の成形方法で大きなブロック状の成形体をま
ず成形し、その成形体から所望するのブラシ素材を切り
出している。
【0005】量産ブラシを製造する場合は、予め、超硬
等を複数箇所ブラシ寸法に見合った中抜き加工を施した
ダイスを準備し、このダイスに粉粒体を充填し上パンチ
と下パンチによって加圧成形(自動成形)してブラシ素
材を製造している。(図5乃至図7参照)図中、矢印は
加圧方向、黒く塗りつぶした部分は成形用粉粒体及び成
形体を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、大型ブラ
シ、量産ブラシの何れを製造する場合にもブラシ素材の
表面にシワやスジが発生する場合がある。
【0007】ブラシ素材にシワやスジが発生すると、外
観不良ということで外観検査に合格しないばかりか、極
端な場合には、その後の硬化、焼成、黒鉛化等の熱処理
によってシワやスジが亀裂(以下、クラックという場合
がある。)に進展してしまう。仮に、クラック等が発生
しない場合でも上部と下部、芯部におけるかさ密度が均
一でなく、強度も低く、カーボンブラシとして適さな
い。かさ密度が不均一なカーボンブラシは、上部、下
部、芯部のかさ密度が均一なカーボンブラシに比べて片
摩耗を起こしやすく、整流性能も悪く、ブラシ寿命も短
いという欠点がある。
【0008】そこで、本発明は炭素質材料以外の材料も
含め、成形体表面にシワやスジがなく、しかも上部、下
部、芯部のかさ密度が均一な成形体、その製造装置、そ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らはシワやスジが発生する原因を調査した
ところ、粉粒体の成形時、換言すれば加圧成形時にシワ
やスジが発生することを突き止めた。
【0010】さらに、成形工程について詳細に調査した
ところ、ダイスに充填した成形用粉粒体は空気を含んで
おり、この空気の排除が不十分であると、シワやスジが
発生することが明らかになった。また、得られた成形体
のかさ密度も低く(いわゆる低かさ密度品)、しかも成
形体の芯部、上部、下部でのかさ密度のばらつきが大き
いことも判明した。
【0011】また、粉粒体を例えば型押し成形等の手段
で成形する場合、成形用粉粒体中に含まれる結合剤成分
により成形用粉粒体が充填用容器に固着して固着物(以
下、バリということがある。)となってしまう。このバ
リが十分に除去できないと、その後の成形品すべてにバ
リが影響しシワやスジ等になることが判明した。
【0012】そこで、本発明者らは上述したシワやスジ
がなく、しかも均一なかさ密度を有する成形体を得るた
めに鋭意検討を加えた結果、パンチ及び/又はダイスに
成形時の空気を逃がす部分を設けることによって成形品
のシワやスジを防止できることを知見し、本発明を完成
したものである。
【0013】すなわち、本発明の請求項1に係る発明
は、粉粒体を充填するダイスと粉粒体を加圧するパンチ
とを有し、前記パンチによってダイスに充填された粉粒
体を加圧成形する粉粒体の成形装置において、前記ダイ
ス及び/又はパンチの少なくともいずれかに凹部を形成
したことを要旨とする。
【0014】請求項1に係る発明をさらに詳細に説明す
る。まず成形に供される粉粒体については、炭素粉末
(結晶化の余り発達していない非晶質炭素、例えばガラ
ス状炭素)、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末(フラーレン
(金属内包フラーレンを含む)、カーボンナノチュー
ブ、膨張黒鉛、熱分解炭素等の結晶化の発達した黒
鉛)、炭素繊維、黒鉛繊維、金属粉末、合金粉末、金属
繊維、合金繊維、セラミック粉末、セラミック繊維、有
機高分子、無機高分子、有機繊維、無機繊維等のうちか
ら選ばれる少なくとも1種又はこれらの2種以上を組み
合わせた材料が例示でき、粒子の大きさ、繊維の長さ等
については特に限定されるものではない。
【0015】次に、請求項1に係る成形装置について説
明する。請求項1に係る粉粒体の成形装置の縦断面図を
図1に示す。成形装置は、粉粒体14を上方向から下向
きに加圧するパンチ11と、製品形状に加工され粉粒体
を充填可能なダイス12とを有している。パンチ11の
先端部分(粉粒体14と接触する側)には粉粒体14の
成形時の空気を排除できるように凹部13が設けられて
いる。パンチに凹部13を設けることによって粉粒体を
加圧成形する際の空気が凹部13に取り込まれれ、パン
チ11が元の位置に戻った際に凹部13に取り込まれた
空気を成形装置の外に排除することが可能となる。その
結果、空気の排除が十分行えるので成形体の成形密度が
向上するだけでなく、粉粒体の上部、下部、芯部におけ
る成形密度も均一化させることができる。凹部の形状は
特に限定されるものでなく、円形状、楕円形状、三角形
状、四角形状等の凹部の形状が例示できる。
【0016】請求項2に係る発明は、パンチが、上パン
チ及び下パンチからなる粉粒体の成形装置を要旨とす
る。請求項2に係る発明の模式図を図2に示す。上部か
ら下方向に加圧する上部パンチ21と、下部から上方向
に加圧する下パンチ23とダイス22とを有する粉粒体
の成形装置である。図2は下パンチ23の先端部分に四
角形状の凹部25を設けた図である。上パンチ21と下
パンチ23で粉粒体を圧縮するので空気の排除が十分に
できるので一方向から加圧する場合よりも成形密度が上
がり、しかも成形体の上部、下部、芯部における成形密
度を均一化できる。しかも成形体中に残存した空気がほ
とんどないので成形直後の成形体に成形割れ(クラッ
ク)が発生することもない。凹部25は上パンチ21、
下パンチ23、ダイス22の少なくとも1種以上に設け
ることができる。例えば、上パンチ21と下パンチ23
の両方でも良い。またダイス22の一部分(粉粒体と接
触しない部分)に凹部を形成することも可能である。要
は粉粒体中の空気を排除するという技術思想が存在する
ものは本発明の範疇に属するものである。凹部の形状は
特に限定されるものでなく、円形状、楕円形状、三角形
状、四角形状等の凹部の形状が例示できる。
【0017】請求項3に係る発明は、凹部を形成したパ
ンチを要旨とする。請求項3に係る発明は、粉粒体から
空気の排除を防止する目的で凹部を形成するものであ
る。凹部の形状は特に限定されるものでなく、円形状、
楕円形状、三角形状、四角形状等の凹部の形状が例示で
きる。本請求項に係るパンチを用いて粉粒体を成形する
ことによりこれによって、粉粒体に含まれる空気の排除
が十分にでき、成形品の成形密度も向上し、しかも成形
品の上部、下部、芯部における成形密度を均一化でき
る。しかも成形体中に残存した空気がほとんどないので
シワやスジだけでなく成形直後の成形品に成形割れ(ク
ラック)が発生することがない。
【0018】請求項4に係る発明は、凹部が溝であるこ
とを特徴とする粉粒体成形装置用パンチを要旨とする。
請求項4に係る発明は、粉粒体からの空気の排除を円滑
にする目的で溝を形成するものである。すなわち、成形
中であっても絶えず空気を除去できる。したがって、成
形密度も向上し、しかも成形品の上部、下部、芯部にお
ける成形密度を均一化できる。しかも成形体中に残存し
た空気がほとんどないので成形品にシワやスジ、クラッ
クが発生することがない。溝の形状は特に限定されるも
のでなく、U字形状、半円形状、V字形型、角型形状
(底部が平らな形状)等の溝が例示できる。図3はこの
請求項2に係る下パンチ33を組み込んだ成形装置の模
式図である。
【0019】請求項5に係る発明は、溝が加圧方向に対
して傾斜を有したパンチを要旨とする。請求項5に係る
発明は、粉粒体への空気の排除を行う目的で溝を形成し
たので円滑に空気を除去できる。成形体中に残存した空
気がほとんどないので成形密度が向上し、しかも成形品
の上部、下部、芯部における成形密度を均一化でき、シ
ワやスジが発生するのも併せて防止できる。また、成形
直後の成形体に成形割れ(クラック)がほとんど発生し
ない。また、溝を成形方向に対して傾斜を有するように
設けたので空気の成形装置外への排除だけでなく、ダイ
スの成形面に固着した粉粒体の固着物を溝部分で除去す
ることが可能になる。つまり、加圧方向は常に定まった
方向(上下方向)であるが、傾斜を持たせた溝で加圧成
形方向と異なる方向の力を加えることにより固着物が除
去できるようになる。したがって、ダイスの成形面が常
に清潔に保たれる。溝の傾斜角度は加圧方向に対して1
°〜30°であることが好ましく、溝の加圧方向に対す
る傾斜角度が1°よりも小さいと上述した効果がなく、
固着物を除去することができない。また、溝の加圧成形
方向に対する傾斜角度が30°を超えるとやはりダイス
内面の付着物の除去が困難になるので好ましくない。溝
の加圧成形方向に対する傾斜角度は対して5°〜20°
であることがさらに好ましい。なお、溝の長さを調節す
ることによって粉粒体を加圧成形している最中であって
も空気を外部に排除することが可能となる。なお、溝を
形成するパンチは下パンチだけとする必要はなく、上パ
ンチに傾斜をつけた溝を設けても差し支えない。上パン
チと下パンチの両方でも良い。溝の形状は特に限定され
るものでなく、U字形状、半円形状、V字形状、角型形
状(底部が平らな形状)等の溝が例示できる。図4はこ
の請求項に係る下パンチ43を組み込んだ成形装置の模
式図である。
【0020】請求項6に係る発明は、パンチとの接触面
に凹部を形成した粉粒体成形装置用ダイスを要旨とす
る。請求項6に係る発明は、粉粒体からの空気を排除す
る目的で凹部を形成するものである。凹部の形状は特に
限定されるものでなく、円形状、楕円形状、三角形状、
四角形状等の凹部の形状が例示できる。このダイスを用
いて粉粒体を成形することによって、粉粒体に含まれる
空気を成形装置外に十分に排除できるので成形密度が向
上し、しかも成形品の上部、下部、芯部における成形密
度を均一化できる。しかも成形体中に残存した空気がほ
とんどないので成形直後の成形品にスジやシワ、成形割
れ(クラック)が発生することがない。
【0021】請求項7に係る発明は、凹部が溝であるダ
イスを要旨とする。請求項7に係る発明は、粉粒体から
の空気の排除を円滑にする目的で溝を形成するものであ
る。したがって、このダイスを用いて粉粒体を成形する
ことによって成形品の成形密度も向上し、しかも成形品
の上部、下部、芯部における成形密度を均一化できる。
しかも成形体中に残存した空気がほとんどないのでシワ
やスジもなく、成形直後の成形品に成形割れ(クラッ
ク)が発生することがない。溝の形状は特に限定される
ものでなく、U字形状、半円形状、V字形型、角型形状
(底部が平らな形状)等の溝が例示できる。
【0022】本発明の請求項8に係る発明は、前記パン
チでダイス内の粉粒体を成形する際に、当該パンチと当
接する端面から遠ざかる方向に側面逃げを形成するとと
もに、端面に近い部分の側面に溝部を設けて当該成形用
粉粒体を成形することを要旨とする。即ち、粉粒体を充
填乃至成形終了するまでの間に抱き込んだ空気を極力少
なくして成形することによって、成形品にシワやスジ、
成形割れ(クラック)が発生するのを防止できるだけで
なく、得られた炭素質成形体の成形密度を向上でき、し
かも成形体の芯部と上部、下部における成形密度の差も
少なくでき、成形密度を均一にすることができる。
【0023】請求項9に係る発明は、成形品の表面のか
さ密度を芯部のかさ密度で除した値が1.00〜1.0
2で、且つ表面にシワやスジがない粉粒体を成形した成
形体であることを要旨とする。上述した粉粒体の成形装
置及び成形方法により成形体における芯部の成形密度と
表面の成形密度の差は1.00〜1.02とすることが
できるとともに、表面にシワやスジの発生がない成形体
とすることができる。特に、0.5mm以上の幅のスジ
が防止できる。
【0024】
【発明の作用】本発明では、上パンチ、ダイス、下パン
チの少なくとも1つ以上に凹部、溝を形成することによ
り、粉粒体(充填粉)に含まれる空気を十分に除去でき
るようになるので得られた成形品中における芯部の成形
密度と表面の成形密度をほぼ均一にできる。また、成形
品にシワやスジ、成形割れ(クラック)が発生しないよ
うにすることができる。また上パンチ、ダイス、下パン
チの少なくとも1つ以上に加圧成形方向に対して傾斜を
有した凹部、溝を形成したので、空気の加圧成形装置外
への除去だけでなく、ダイスの側面に固着した粉粒体の
固着物を溝部分で欠きとることが可能になり、ダイス内
面が常に清潔に保たれる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (1)粉粒体の調製:平均粒子径が40μmの人造黒鉛
粉末100重量部に、熱硬化性樹脂と硬化剤25重量部
を加えて、混練した混練物を平均粒子径200μmに粉
砕し、樹脂結合質カーボンブラシ成形用粉末を準備し
た。この成形用粉末をホッパーに投入した。 (2)粉粒体の成形装置の製作 (2−1)下パンチの作製:長さ30mm、幅6.5m
m、高さ91mmの下パンチの上部両面に、加圧成形方
向と10°の角度を有し、幅1mm、幅と幅との間(ピ
ッチ)が1.2mm、長さ15mm、溝の深さが0.1
mmのU字形状の溝を設けた超硬製の下パンチを作製し
た。なお、上パンチは高さが56mmで長さと幅は下パ
ンチと同じ寸法のものを製作した。 (2−2)ダイスの作製:直径200mm、厚さ70m
mの超硬製のダイスを準備し、このダイスに下パンチの
加圧成形面と同じ形状の貫通孔(30mm×6.5m
m)を4箇所設けたダイスを準備した。 (2−3)上記上パンチとダイスと下パンチを自動粉末
加圧成形装置に取り付けて成形品を製造した。 (3)上記(1)で調製された樹脂結合質カーボンブラ
シ成形用粉末をホッパーからダイスに充填し、上パンチ
と下パンチを上下動させて一度に4個の樹脂結合質カー
ボンブラシ素材(寸法:6.5mm×11mm×30m
m)に加圧成形した。なお、成形品がテーブル上に押し
出せるように下パンチの位置を調整しておいた。テーブ
ル上の成形品は図示しない搬送器具により別の場所へ搬
送される。本実施形態では連続的に加圧成形できる装置
について説明したが、連続式でない(バッチ式)の加圧
成形装置に本発明を適用することも可能である。また、
この実施形態では下パンチにのみ溝を形成する場合を例
示したが上パンチ、ダイスに上述した溝が形成できるこ
とはいうまでもない。さらに、本発明は縦型の自動成形
装置について述べたが、本発明の技術思想は横型の自動
成形装置に適用できることはいうまでもない。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づき具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0027】(実施例1)平均粒子径が40μmの人造
黒鉛粉末100重量部に、熱硬化性樹脂25重量部を加
えて、混練した混練物を平均粒子径200μmに粉砕
し、樹脂結合質カーボンブラシ成形用粉粒体を準備し
た。この炭素質成形用粉粒体を発明の実施の形態の欄で
説明した連続式自動粉末加圧成形装置で一度に4個成形
した。
【0028】(実施例2)下パンチだけでなく上パンチ
も上述したU字形状の溝を形成した連続式自動粉末加圧
成形装置を製作し、実施例1で使用した樹脂結合質カー
ボンブラシ用粉末を1度に4個成形した。
【0029】(比較例1)上パンチ、ダイス、下パンチ
の何れにも溝を形成しない連続式自動粉末加圧成形装置
を用い、実施例1で使用したレジン系カーボンブラシ用
粉末を1度に4個成形した。
【0030】実施例1、実施例2、比較例で得られた樹
脂結合質カーボンブラシ素材(各4個ずつ)について外
観(シワやスジの発生状況)を目視確認した。また、成
形品の芯部の成形密度、上部、下部の成形密度(各4個
の平均値)を求めた。さらに、ダイスの成形面に固着物
があるかどうかを調査した。結果を表1に纏めて示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から溝を下パンチ又は上パンチに形成
した加圧成形装置を用いて炭素質粉末を成形した実施例
1、実施例2の樹脂結合質カーボンブラシ素材は、シ
ワ、スジの発生がなく、カーボンブラシ素材の上部、下
部、芯部での成形密度が均一でばらつきが少ないことが
わかる。また、ダイスの成形面に付着物がないこともわ
かる。一方、比較例のカーボンブラシ素材は、約0.5
mmの幅のシワ等がカーボンブラシ基材に発生している
ことがわかる。また、溝をつけていない上パンチ、ダイ
ス、下パンチを組み込んだ成形装置を用いて成形した樹
脂結合質カーボンブラシ素材の上部、下部、芯部での成
形密度は均一でなくばらつきが大きいことがわかる。ま
た、ダイスの成形面に約0.3mm〜0.5mm程度の
付着物がいくつも付着していた。また、実施例1及び比
較例1で得られたカーボンブラシ素材の模式図を図8、
図9に示す。
【0033】以上のことから本発明の製造装置を用いる
ことによってシワやスジの発生がなくカーボンブラシ素
材の成形密度も均一で、ダイス成形面への付着物もなく
比較例に比べて優れたものであることが判る。
【0034】
【発明の効果】本発明では、上パンチ、ダイス、下パン
チの少なくとも1つ以上に凹部(溝)を形成した加圧成
形装置を用いたので、カーボンブラシ素材(炭素質基
材)へのシワやスジの発生がなく、成形密度も均一で、
ダイス成形面への付着物もないという効果を有する。こ
のことは、炭素質粉末の成形だけでなく、その他の例え
ば金属やセラミック等の粉粒体の成形にも適用でき産業
に寄与する影響は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】上方向から下方向にパンチでダイス内の粉粒体
を成形している断面模式図である。
【図2】下パンチに凹部を設けた本発明に係る炭素質成
形体の製造装置の模式図である。
【図3】下パンチに溝を設けた本発明に係る炭素質成形
体の製造装置の模式図である。
【図4】加圧成形方向に対して傾斜を有する溝を下パン
チに設けた炭素質成形体の製造装置の模式図である。
【図5】カーボンブラシ成形用粉末を自動加圧成形装置
に充填した状態を示す図である。
【図6】カーボンブラシ成形用粉末を自動加圧成形して
いる状態を示す模式図である。
【図7】カーボンブラシ成形用粉末を自動加圧成形し終
えて成形品を得た状態を示す模式図である。
【図8】本発明に係るスジのない樹脂結合質ブラシの模
式図である。
【図9】比較例で製造されたスジを有する樹脂結合質ブ
ラシの模式図である。
【符号の説明】
11 パンチ 12 ダイス 13 凹部 14 粉粒体 21 上パンチ 22 ダイス 23 下パンチ 24 粉粒体 25 凹部 26 テーブル 27 下パンチ取付台 31 上パンチ 32 ダイス 33 下パンチ 34 粉粒体 35 溝 36 テーブル 37 下パンチ取付台 41 上パンチ 42 ダイス 43 下パンチ 44 粉粒体 45 傾斜を有する溝 46 テーブル 47 下パンチ取付台 91 スジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 露原 修二 香川県三豊郡財田町財田上1335−22 東炭 化工株式会社内 Fターム(参考) 4G054 AA05 BA02 BA42 4K018 CA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉粒体を充填するダイスと粉粒体を加圧
    するパンチとを有し、前記パンチによってダイスに充填
    された粉粒体を加圧成形する粉粒体の成形装置におい
    て、前記ダイス及び/又はパンチの少なくともいずれか
    に凹部を形成したことを特徴とする粉粒体の成形装置。
  2. 【請求項2】 パンチが、上パンチ及び下パンチからな
    るものであることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体
    の成形装置。
  3. 【請求項3】 凹部を形成したことを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の粉粒体成形装置用パンチ。
  4. 【請求項4】 凹部が溝であることを特徴とする請求項
    3に記載の粉粒体成形装置用パンチ。
  5. 【請求項5】 前記溝が加圧方向に対して傾斜を有して
    いることを特徴とする請求項4に記載のパンチ。
  6. 【請求項6】 パンチとの接触面に凹部を形成したこと
    を特徴とする請求項1に記載の粉粒体成形装置用ダイ
    ス。
  7. 【請求項7】 凹部が溝であることを特徴とする請求項
    6に記載のダイス。
  8. 【請求項8】 前記パンチでダイス内の粉粒体を成形す
    る際に、当該パンチと当接する端面から遠ざかる方向に
    側面逃げを形成するとともに、端面に近い部分の側面に
    溝部を設けて当該成形用粉粒体を成形することを特徴と
    する粉粒体の成形方法。
  9. 【請求項9】 表面の成形密度を芯部の成形密度で除し
    た値が1.00〜1.02で、且つ表面にスジやシワが
    ないことを特徴とする粉粒体を成形した成形体。
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