JP2003275087A - 衣類用ハンガー - Google Patents

衣類用ハンガー

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JP2003275087A JP2002086901A JP2002086901A JP2003275087A JP 2003275087 A JP2003275087 A JP 2003275087A JP 2002086901 A JP2002086901 A JP 2002086901A JP 2002086901 A JP2002086901 A JP 2002086901A JP 2003275087 A JP2003275087 A JP 2003275087A
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movable
fixed arm
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Haruhiko Kameda
治彦 亀田
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    • A47FURNITURE; DOMESTIC ARTICLES OR APPLIANCES; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
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    • A47G25/487Hangers with clamps or the like, e.g. for trousers or skirts for clamping the trousers or skirts against the trouser-supporting bar or between trouser-supporting bars

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動アームに直接力を加えなくても同アーム
による開閉状態を自動的に切り換えられるようにして、
衣類に対する着脱作業が簡便な衣類用ハンガーを提供す
る。 【解決手段】 上方に突出するフック部2を有するハン
ガー本体6に、衣類3の襟首部分4を挿通することがで
きる差し込み部5が形成され、この差し込み部5の開口
を開閉自在に閉鎖する可動アーム7が設けられている衣
類用ハンガーにおいて、ハンガー本体6を傾けると差し
込み部5の開口が開放され、かつ、同ハンガー本体6を
元の水平状態に戻すと差し込み部5の開口が閉鎖される
ように、可動アーム7による開閉状態を切り換える切り
換え手段28を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Tシャツ、トレー
ナー、丸首セーター、ハイネック(とっくり)セーター
等の襟回りの寸法が比較的小さい衣類に対する着脱が容
易な衣類用ハンガーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような襟回りの寸法が比較的小さ
い衣類に対して通常の衣類用ハンガーを着脱する場合に
は、フック部からハンガー本体の端部まで衣類の襟首部
分を広げる必要があるため、その着脱の際に襟首部分が
伸びてしまい、衣類の生地を早期に傷めるという不都合
がある。そこで、必要以上に襟首部分を広げなくても、
Tシャツやトレーナー等の衣類を簡単に着脱できるよう
にすべく、中央部にフック部を有するハンガー本体に、
衣類の襟首部分を挿通することができる差し込み部が形
成された衣類用ハンガーが開発されている(例えば、実
開平6−52661号公報、特表平11−509755
号公報参照)。
【0003】しかし、かかる差し込み部を形成した衣類
用ハンガーでは、衣類の襟首部分を挿通し易くするため
に差し込み部の開口を余り大きくすると、衣類の肩部分
に対するハンガーの接触範囲が小さくなって衣類がずれ
落ち易くなる。このため、結局、差し込み部の開口をさ
ほど大きくすることができず、衣類の襟首部分を挿通し
難くなるという欠点がある。
【0004】そこで、衣類の襟首部分の逃げ溝として機
能する差し込み部の開口を大きくしても、衣類のずれ落
ちが発生しないようにするため、当該差し込み部の開口
を可動アームで開閉自在に閉鎖するようにした衣類用ハ
ンガーも既に提案されている(例えば、特開2001−
314304号公報参照)。すなわち、かかる可動アー
ムを有する従来の衣類用ハンガーは、差し込み部の開口
上端に可動アームの上端が上下動自在に枢着され、この
可動アームの枢着支点に巻きバネを組み込むことによっ
て、当該可動アームを常に閉鎖方向に付勢するようにし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】差し込み部の開口を可
動アームで開閉自在に閉鎖している上記従来の衣類用ハ
ンガーでは、可動アームが巻きバネによって常に差し込
み部の開口を閉鎖する方向に付勢されているため、ハン
ガー本体を衣類に着脱する際に差し込み部を開放するた
めには、その巻きバネの弾性力に対抗して可動アームを
強制的に回動したあと、その回動状態を保持しておく必
要がある。
【0006】このため、上記従来の衣類用ハンガーを衣
類の襟首部分に着脱する場合には、可動アームを直接手
で押し下げて同アームを強制的に開放状態に保持しなが
ら、衣類の襟首部分をハンガー本体の差し込み部に挿通
する必要があり、この点で、衣類に対する着脱作業が却
って煩雑になるという欠点がある。また、従来の衣類用
ハンガーでは、可動アームの枢着支点に巻きバネを装着
する必要があるので、巻きバネが必要となる分だけ部品
点数や組み立て工数が多くなり、製造コストが高くなる
という欠点もある。更に、従来の衣類用ハンガーでは、
可動アームの枢着支点に装着した巻きバネの弾性力によ
って同アームを閉鎖状態に保持しているので、重い衣類
を掛けた場合に可動アームにかかる荷重が巻きバネの弾
性力を上回ると、可動アームが勝手に開いてしまい、こ
れによって衣類の肩部が型くずれを起こす恐れがある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑み、可動ア
ームに直接力を加えなくても同アームによる開閉状態を
自動的に切り換えられるようにして、衣類に対する着脱
作業が簡便な衣類用ハンガーを提供することを第一の目
的とする。また、本発明は、巻きバネ等の付勢部材を使
用しなくても可動アームを閉鎖状態に保持できるように
して、製造コストを低減することを第二の目的とする。
更に、本発明は、衣類から受ける荷重を利用して可動ア
ームを閉鎖方向に位置決めできるようにして、衣類の肩
部の型くずれを防止することを第三の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
べく、本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本
発明は、上方に突出するフック部を有するハンガー本体
に、衣類の襟首部分を挿通することができる差し込み部
が形成され、この差し込み部の開口を開閉自在に閉鎖す
る可動アームが設けられている衣類用ハンガーにおい
て、前記ハンガー本体を傾けると前記差し込み部の開口
が開放され、かつ、同ハンガー本体を元の水平状態に戻
すと前記差し込み部の開口が閉鎖されるように、前記可
動アームによる開閉状態を切り換える切り換え手段を設
けたことを特徴としている。
【0009】また、本発明の衣類用ハンガーは、より具
体的には、上方に突出するフック部と、このフック部か
ら左右方向一方側に向かって下方傾斜状に延びるように
当該フック部に一体に連結された固定アームと、衣類の
襟首部分を挿通できるように左右方向他方側に開口した
状態で前記固定アームに形成された差し込み部と、前記
差し込み部の開口を開閉自在となるように前記固定アー
ムに枢着され、かつ、その差し込み部を閉鎖した状態に
おいて前記フック部から左右方向他方側に向かって下方
傾斜状となるように配置される可動アームと、前記固定
アームを傾けると前記差し込み部の開口が開放され、か
つ、同固定アームを元の水平状態に戻すと前記差し込み
部の開口が閉鎖されるように、前記可動アームによる開
閉状態を切り換える切り換え手段と、を備えていること
を特徴としている。
【0010】上記の本発明によれば、切り換え手段によ
り、ハンガー本体(固定アーム)を傾けると可動アーム
が差し込み部の開口を開放し、かつ、ハンガー本体(固
定アーム)を元の水平状態に戻すと可動アームが差し込
み部の開口を閉鎖するようになっている。このため、従
来の可動アーム付きハンガーのように、ハンガー本体を
衣類に着脱する際に可動アームに力を加えて開放状態に
保持しておく必要がなく、衣類に対する着脱作業をより
簡便に行うことができる。
【0011】上記の本発明において、差し込み部の開口
が下向きになる方向に固定アームを傾斜させたときに、
可動アームを開放状態に切り換えること(後述する実施
形態の場合)にしてもよいし、また、逆に、差し込み部
の開口が上向きになる方向に固定アームを傾斜させたと
きに、可動アームを開放状態を切り換えることにしても
よい。もっとも、下向きに開口した差し込み部を衣類の
襟首部分に対して上から差し込んで行く方が、上向きに
開口した差し込み部を衣類の襟首部分に対して下から差
し込んで行くよりも、衣類に対する装着作業が簡便にな
るので、前者の方向の傾斜によって可動アームを開放状
態に切り換える方が好ましい。
【0012】一方、上記切り換え手段は、より具体的に
は、固定アームの傾斜度合いの変化に伴う部材の自重に
よる各枢着支点間の相対位置の変化によって、可動アー
ムによる開閉状態を切り換える可動リンク機構により構
成することができる。また、かかる重力で作動する可動
リンク機構は、更に具体的な構造としては、固定アーム
及び可動アームと、この両アームの下端部間に左右方向
に架設されたリンクアームと、前記リンクアームの左右
方向一端部を前記固定アームの下端部に同方向にスライ
ド自在でかつ回動自在に連結する第一支点と、前記リン
クアームの左右方向他端部を前記可動アームの下端部に
回動自在に連結する第二支点と、前記可動アームの中間
部を前記固定アームにおける差し込み部の開口下端部に
回動自在に連結する第三支点と、から構成することがで
きる。
【0013】この場合、差し込み部の開口が下向きにな
るように固定アームを傾斜させると、リンクアームが第
一支点を介して固定アームから離れる方向にスライド
し、このようにスライドしたリンクアームが重りとなっ
て第二支点を介して可動アームの下端部を押し上げ、こ
れによって可動アームが第三支点回りに開放方向に回動
して、差し込み部の開口が開放される。
【0014】また、逆に、固定アームを元の水平状態に
戻すと、自らの自重によってリンクアームが第一支点回
りに下方に回動しながら固定アームに近づく方向にスラ
イドし、このようにスライドするリンクアームが重りと
なって第二支点を介して可動アームの下端部を引き下
げ、これによって可動アームが第三支点回りに閉鎖方向
に回動して、差し込み部の開口が閉鎖される。
【0015】そして、上記のように、固定アームの傾斜
度合いの変化に伴う可動部材の自重による各枢着支点間
の相対位置の変化によって、可動アームの開閉状態を切
り換える可動リンク機構を採用した場合、巻きバネ等の
付勢部材を使用しなくても可動アームを閉鎖状態に保持
することができるようになる。このため、巻きバネが不
要となる分だけ部品点数や組み立て工数が多くなり、製
造コストを低減することができる。
【0016】一方、上記のような可動リンク機構を採用
する場合において、衣類から受ける荷重によって可動リ
ンクが開放方向に回動すると、可動リンクの傾斜度合い
が変化して衣類の肩部が型くずれを起こす可能性があ
る。この点は、固定アームと可動アームの連結点となる
第三支点を、衣類の肩部から可動アームに負荷される荷
重の作用点よりも左右方向内側に配置するようにして、
衣類の肩部からの荷重によって当該可動アームを常に閉
鎖方向に位置決めしておくことにより解決される。
【0017】また、上記のような可動リンク機構を採用
する場合においては、可動アームが閉鎖状態になったと
きに、固定アームにおける差し込み部の開口上端部に対
して交差する交差部分を当該可動アームの先端部に形成
することが好ましい。この場合、差し込み部の開口上端
部を可動アームの交差部分によって隙間なく閉鎖するこ
とができ、本発明のハンガーに掛けた衣類の肩部が差し
込み部に落ち込むのを未然に防止することができる。
【0018】また、その可動アームの交差部分として、
固定アームにおける差し込み部の開口上端部に下方から
嵌合するフォーク部を採用すれば、可動アームや固定ア
ームに捩れ変形が発生したような場合でも、可動アーム
の先端部が差し込み部の開口上端部から外れることがな
くなり、可動アームの閉鎖時に衣類が差し込み部に落ち
込むのをより確実に防止できるようになる。
【0019】上記フォーク部を可動アームの先端部に形
成する場合、固定アームにおける差し込み部の開口上端
部にフォーク部が嵌合する閉鎖状態においても、第一支
点が固定アームに形成したスライド孔の一端に到達しな
い程度の遊びを設けておけば、可動アームの閉鎖方向へ
の回動規制が当該フォーク部で行われることになるの
で、可動アームの閉鎖状態が安定化する。また、固定ア
ームにおける差し込み部の開口下縁に可動アームが重な
る開放状態においても、第一支点が固定アームに形成し
たスライド孔の他端に到達しない程度の遊びを設けてお
けば、可動アームが開放方向への回動規制が差し込み部
の開口下縁で行われることになるので、差し込み部を最
大限に開放することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の実施の形態を説明する。図1〜図5は、本発明を採用
した衣類用ハンガー1の第一実施形態を示している。こ
のうち、図1及び図2は、同ハンガー1の全体構造を示
し、図3は、同ハンガー1を各構成部品に分解した場合
の部品図を示している。これらの各図に示すように、本
実施形態の衣類用ハンガー1は、上方に突出するフック
部2と衣類3の襟首部分4を挿通することができる差し
込み部5を有するハンガー本体6と、その差し込み部5
の開口を開閉自在に閉鎖する可動アーム7と、この可動
アーム7を開閉させるためのリンクアーム8と、を備え
ている。これらのハンガー本体6と各アーム7,8は、
すべて硬質プラスチック等の合成樹脂材料により構成さ
れている。
【0021】このうち、ハンガー本体6は、フック部2
から左右方向一方側(図1では右側)に向かって下方傾
斜状に延びるように当該フック部2に一体に連結された
固定アーム9と、衣類3の襟首部分4を挿通できるよう
に左右方向他方側(図1では左側)に開口した状態で固
定アーム9に形成された前記差し込み部5と、を備えて
いる。本実施形態の固定アーム9は、右側に向って下方
に傾斜する上下一対の上アーム部10と下アーム部11
とから構成されている。この両アーム部10,11は、
これらによって左側に開口する細長いほぼV字枠形状が
形成されるように、右側端部において互いに一体に連結
されていて、この両アーム部10,11よりなるV字枠
形状の内側空間によって前記差し込み部5が構成されて
いる。
【0022】なお、本実施形態では、差し込み部5の開
口をできるだけ広くして衣類3の襟首部分4を差し込み
易くするため、その開口の長さ(上下アーム部10,1
1の先端部間の距離)は可動アーム7の全長のほぼ半分
程度となるように設定されている。また、ハンガー本体
6の基端部(差し込み部5の開口とは反対側の端部)を
衣類3の襟首部分4に通す際に、衣類3の肩部25を差
し込み部5にできるだけ深く差し込むことによって襟首
部分4を伸ばす必要がないようにするため、差し込み部
5の底部からハンガー本体6の右縁までの長さが通常の
衣類3の襟幅よりも小さくなるように設定されている。
【0023】また、V字枠形状の固定アーム9を構成す
る上下アーム部10,11は、衣類3から受ける荷重に
耐え得る程度の強度を確保すべく、かつ、開口を可及的
に広く取るため、当該V字枠形状の底側となる右端部分
が最も太くなっており、この部分から先端側(図1の左
側)に至るに従って徐々に先細りとなる形状に形成され
ている。固定アーム9の右端部分(上下アーム部10,
11の交差部分)の外側には、右側にほぼ半円状に膨ら
むように湾曲した棒状材よりなる第一連結部12が一体
に突設され、この第一連結部12の先端部に、左右方向
に長いスライド孔13を内部に有する一対のスライドブ
ラケット14が設けられている。
【0024】そして、かかるスライドブラケット14の
スライド孔13に、リンクアーム8の長手方向一端部
(図1の右側端部)に一体に形成された第一ピン(第一
支点)15を嵌め込むことにより、当該リンクアーム8
の一端部が固定アーム9の下端部に対して左右方向にス
ライド自在でかつ回動自在に連結されている。なお、ス
ライドブラケット14のスライド孔13は、後述する可
動アーム7のフォーク部24Aが上アーム部10に引っ
掛かる閉鎖状態(図1の状態)や、可動アーム7の上半
部分が下アーム部11に重なる開放状態(図2の状態)
においても、第一ピン15が当該スライド孔13の各端
部に到達しない程度の遊びを有している。
【0025】前記フック部2は、上側にほぼ半円状に膨
らむように湾曲した引っ掛け部分16と、この引っ掛け
部分16から下方に延びる垂直部分17とを有してお
り、この垂直部分17の下端部が固定アーム9を構成す
る上アーム部10の先端部に一体に連結されている。な
お、フック部2の垂直部分17と上アーム部10の先端
部との間で形成されるコーナー部分は、補強フランジ1
8によって補強されている。
【0026】前記可動アーム7は、長手方向中央部が最
も太くかつ同方向端部側に向かって次第に先細り状とな
るように形成された棒状材よりなる。この可動アーム7
の下端部には、左側にほぼ半円状に膨らむように湾曲し
た棒状材よりなる第二連結部19が形成され、この第二
連結部19の先端部に、丸孔を内部に有する一対の回動
ブラケット20(図3参照)が設けられている。かかる
回動ブラケット20の丸孔には、リンクアーム8の長手
方向他端部(図1の左側端部)に一体に形成された第二
ピン(第二支点)21が回動自在に嵌め込まれており、
これにより、当該リンクアーム8の他端部が可動アーム
7の下端部に対して回動自在に枢着されている。
【0027】可動アーム7の中央部下縁側には、中心部
分に丸孔を有する扇形状の支持ブラケット22が形成さ
れている。かかる支持ブラケット22の丸孔には、前記
固定アーム9を構成する下アーム部11の先端部に一体
に形成された第三ピン(第三支点)23が回動自在に嵌
め込まれており、これにより、当該可動アーム7の中央
部が固定アーム9の先端部に回動自在に枢着されてい
る。また、本実施形態では、可動アーム7の上半部分
(第三ピン23から上端までの部分)の長さは、固定ア
ーム9側の差し込み部5の開口とほぼ同じかそれよりや
や大きくなっており、しかも、当該可動アーム7の上端
部には、上アーム部10の先端部(固定アーム9におけ
る差し込み部5の開口上端部)に対して交差する交差部
分24が形成されている。
【0028】この可動アーム7の交差部分24は、より
具体的には、上アーム部10の先端部固定アームに対し
て下方から嵌合するように係脱自在に引っ掛かる二股の
フォーク部24Aよりなる。前記スライド孔13は、上
アーム部10の先端部にフォーク部24Aが嵌合する閉
鎖状態においても、第一支点15が当該スライド孔13
の右端に到達しない程度の遊びを有している。また、同
スライド孔13は、固定アーム9における差し込み部5
の開口下縁(下アーム部11の上縁)に可動アーム7が
重なる開放状態においても、第一支点15が当該スライ
ド孔13の左端に到達しない程度の遊びを有している。
【0029】このため、可動アーム7を第三ピン23回
りに反時計方向に回動させると、フォーク部24Aが上
アーム部10の先端部に引っ掛かった時点でその回動が
規制され、このとき、可動アーム7はフック部2から左
右方向他方側に向かって下方傾斜状となるように配置さ
れ、かかる可動アーム7の上半部分によって差し込み部
5の開口が閉鎖されるようになっている(図1の状
態)。他方、可動アーム7を第三ピン23回りに時計方
向に回動させると、フォーク部24が上アーム部10の
先端部から離脱してから、可動アーム7の上半部分が下
アーム部11の上縁に衝突した時点でその回動が規制さ
れ、これにより、差し込み部5の開口が開放されるよう
になっている(図2の状態)。
【0030】また、前記した通り、本実施形態では、ス
ライド孔13の各端部に遊びが設けられているので、可
動アーム7の閉鎖方向への回動規制がフォーク部24A
において行われ、これによって可動アーム7の閉鎖状態
が安定化するとともに、可動アーム7可動アームが開放
方向への回動規制が差し込み部の開口下縁において行わ
れ、これによって差し込み部5を最大限に開放すること
ができる。
【0031】図1及び図2に示すように、下アーム部1
1の先端部は、扇形状の一対の支持ブラケット22間に
挟まれた状態で可動アーム7に枢着されている。このた
め、可動アーム7が上下揺動する際に、その上半部分が
固定アーム9に対してぶれることがなく、上アーム部1
0や下アーム部11に適切に沿った状態で可動アーム7
の開閉状態を切り換えることができる。可動アーム7
は、第三ピン23より下側の下半部分の方が同ピン23
よりも上側の上半部分よりも重くなる形状に形成するこ
とにより、リンクアーム8の第二ピン21からの荷重を
受けるまでもなく、可動アーム7を常に閉鎖方向に付勢
することができ、閉鎖状態におけるハンガー本体6の形
状をより安定化させることができる。
【0032】また、本実施形態では、可動アーム7にお
ける第三ピン23の取付位置は、衣類3の肩部25から
可動アーム7に負荷される荷重の作用点(図5の点P)
よりも左右方向内側に配置されている。このため、ハン
ガー本体6に装着された衣類3の肩部25から受ける荷
重によっても当該可動アーム7が閉鎖方向に付勢され、
閉鎖状態におけるハンガー本体6の形状をより安定化さ
せることができる。このように、本実施形態の衣類用ハ
ンガー1では、衣類3から受ける荷重を利用して可動ア
ーム7を閉鎖方向に位置決めしているので、衣類3を掛
けた状態においてハンガー本体6の形状が崩れることが
なく、衣類3の肩部25の型くずれを防止することがで
きる。
【0033】前記リンクアーム8は、前記第一ピン15
と第二ピン21が各端部にそれぞれ一体に突設された左
右方向に長い棒状材よりなり、この棒状材の長手方向両
端部には、ズボンやタオル等の縁部を保持するためのク
リップ部26が一体に形成されている。このリンクアー
ム8は、第一ピン15を固定アーム9側のスライドブラ
ケット14に左右方向にスライド自在でかつ回動自在に
連結するとともに、第二ピン21を可動アーム7側の回
動ブラケット20に回動自在に連結することにより、そ
れら両アーム7,9の下端部間に左右方向に架設されて
いる。
【0034】このため、本実施形態の衣類用ハンガー1
では、図2に示すように、差し込み部5の開口が下向き
になるように固定アーム9を傾斜させると、リンクアー
ム8が第一ピン15を介して固定アーム9から離れる方
向にスライドし、このようにスライドしたリンクアーム
8が重りとなって第二ピン21を介して可動アーム7の
下端部を押し上げ、これによって可動アーム7が第三ピ
ン23回りに時計方向に回動して、差し込み部5の開口
が開放されるようになっている。
【0035】また、逆に、図1に示すように、固定アー
ム9を元の水平状態に戻すと、自らの自重によってリン
クアーム8が第一ピン15回りに下方に回動しながら固
定アーム9に近づく方向にスライドし、このようにスラ
イドするリンクアーム8が重りとなって第二ピン21を
介して可動アーム7の下端部を引き下げ、これによって
可動アーム7が第三ピン23回りに反時計方向に回動し
て、差し込み部5の開口が閉鎖されるようになってい
る。
【0036】しかして、本実施形態の衣類用ハンガー1
では、上記固定アーム9、可動アーム7及びリンクアー
ム8と、これらの端部同士を互いに回動自在に連結する
第一〜第三ピン15,21,23とにより、ハンガー本
体6(固定アーム9)の傾斜度合いの変化に伴う可動部
材の自重(本実施形態ではリンクアーム8の自重)によ
る各ピン15,21,23間の相対位置の変化によっ
て、可動アーム7による開閉状態を切り換えるための可
動リンク機構27が構成されている。
【0037】また、本実施形態の衣類用ハンガー1で
は、リンクアーム8の自重で可動アーム7を開閉する上
記可動リンク機構27によって、差し込み部5の開口が
下向きとなるように固定アーム8を傾けると差し込み部
5の開口が開放され、かつ、同固定アーム9を元の水平
状態に戻すと差し込み部5の開口が閉鎖されるように、
可動アーム7による開閉状態を切り換える切り換え手段
28が構成されていることになる。
【0038】次に、図4及び図5を参照しつつ、上記構
成を有する衣類用ハンガー1の使用方法と作用を説明す
る。まず、本実施形態の衣類用ハンガー1を襟回り寸法
が比較的小さいTシャツなどの衣類3に装着するには、
図4(a)に示すように、差し込み部5の開口が下向き
となるようにハンガー本体6を傾斜させて、前記可動リ
ンク機構27による切り換え機能によって可動アーム7
を開放状態に切り換え、この状態で、衣類3の襟首部分
4をハンガー本体6の差し込み部5の奥まで挿通する。
【0039】次に、図4(b)に示すように、ハンガー
本体6の基端部(差し込み部5の開口とは反対側の端
部)を衣類3の襟首部分4に挿通し、その後、図5に示
すように、ハンガー本体6を元の水平状態に戻したあ
と、フック部2を物干し竿等に引っ掛けて当該ハンガー
1を吊り下げるようにすればよい。なお、本実施形態の
衣類用ハンガー1を衣類3から取り外すには、上記と逆
の手順を踏めばよい。
【0040】このように、本実施形態のハンガー1によ
れば、ハンガー本体6を傾けると可動アーム7が差し込
み部5の開口を自動的に開放し、かつ、ハンガー本体6
を元の水平状態に戻すと可動アーム7が差し込み部5の
開口を自動的に閉鎖するようになっているので、従来の
可動アーム付きハンガーのように、ハンガー本体6を衣
類に着脱する際に可動アーム7に直接力を加えて開放状
態に保持しておく必要がなく、衣類3に対する着脱作業
をより簡便に行うことができる。
【0041】また、本実施形態のハンガー1によれば、
固定アーム9の傾斜度合いの変化に伴うリンクアーム8
の自重による各ピン15,21,23間の相対位置の変
化によって、可動アーム7の開閉状態を切り換える可動
リンク機構27を採用しているので、巻きバネ等の付勢
部材を使用しなくても可動アーム7を閉鎖状態に保持す
ることができ、この点で製造コストを低減できるという
利点がある。
【0042】図6〜図8は、本発明を採用した衣類用ハ
ンガー1の第二実施形態を示している。本実施形態のハ
ンガー1と前記第一形態のハンガー1との相違は、主と
して、可動アーム7の先端部に設けられた交差部分24
の点にあり、その他の構造は第一実施形態の場合とほぼ
同様である。従って、以下においては、その相違点に係
る構造について説明し、第一実施形態と共通する部分に
ついては、図面に同一符号を付してその詳細説明を省略
することとする。
【0043】本実施形態の交差部分24は、可動アーム
7の先端部を同アーム7の厚さ方向(図8の紙面貫通方
向)に偏心させることによって段差状に形成された棒状
部24Bよりなる。この棒状部24Bは、可動アーム7
が閉鎖状態になったときに上アーム部10の先端部と交
差するが(図6参照)、このとき、当該棒状部24B
は、上アーム部10の先端部の側面に当接するだけであ
り、同先端部の下面に当接して可動アーム7の閉鎖運動
を規制する機能は備えていない。
【0044】このため、本実施形態のハンガー1では、
第一ピン15がスライド孔13の右端に当接した時点
で、可動アーム7の閉鎖方向への回動が規制されるよう
になっている。このような可動アーム7のストッパー機
能を有していない棒状部24Bよりなる交差部分24で
あっても、差し込み部5の開口上端部を可動アーム7の
交差部分24によって隙間なく閉鎖することができるの
で、ハンガー1に掛けた衣類3の肩部25が差し込み部
5に落ち込むのを未然に防止することができる。なお、
本実施形態では、一対の支持ブラケット22のうちの片
方だけが扇形に形成されており、この点でも、第一実施
形態の場合と相違している。
【0045】本発明は、上記各実施形態のハンガー1に
限定されるものではない。例えば、可動アームの開放時
における安定性が悪くなる点で、上記各実施形態の衣類
用ハンガー1よりも劣ることになるが、第一実施形態の
ハンガー1において、リンクアーム8を省略し、可動ア
ーム7の自重のみによってその開閉状態を切り換えるよ
うにすることもできる。また、切り換え手段28は、ハ
ンガー本体6の傾きに対応して可動アーム7の開閉状態
を切り換える機能を有しておればよく、部材の自重を利
用した前記可動リンク機構27以外の作動原理を採用す
ることにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ハンガー本体ないし固定アームの傾きに対応して可動ア
ームによる開閉状態が自動的に切り換わるようになって
いるので、ハンガー本体を衣類に着脱する際に可動アー
ムに力を加えて開放状態に保持しておく必要がなく、衣
類に対する着脱作業をより簡便に行うことができる。
【0047】また、本発明によれば、巻きバネ等の付勢
部材を使用しなくても可動アームを閉鎖状態に保持する
ことができるので、巻きバネが不要となる分だけ部品点
数や組み立て工数を少なくでき、製造コストを低減する
ことができる。更に、本発明によれば、衣類から受ける
荷重を利用して可動アームを閉鎖方向に位置決めするよ
うにしたので、衣類を掛けた状態においてハンガー本体
の形状が崩れることがなく、衣類の肩部の型くずれを防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用した第一実施形態に係る衣類用ハ
ンガーの正面図であり、可動アームによって差し込み部
の開口が閉鎖されている状態を示す。
【図2】同衣類用ハンガーの正面図であり、可動アーム
によって差し込み部の開口が開放されている状態を示
す。
【図3】同衣類用ハンガーを各構成部品に分解した場合
の正面図である。
【図4】同衣類用ハンガーを使用する際の動作説明図で
あり、(a)はハンガー本体の差し込み部に衣類の襟首
部分を挿通した状態、(b)はハンガー本体の基端部を
衣類の襟首部分を通して肩部に挿通した状態を示す。
【図5】同衣類用ハンガーで衣類を吊り下げた場合の正
面図である。
【図6】本発明を採用した第二実施形態に係る衣類用ハ
ンガーの正面図であり、可動アームによって差し込み部
の開口が閉鎖されている状態を示す。
【図7】同衣類用ハンガーの正面図であり、可動アーム
によって差し込み部の開口が開放されている状態を示
す。
【図8】同衣類用ハンガーを各構成部品に分解した場合
の正面図である。
【符号の説明】
1 衣類用ハンガー 2 フック部 3 衣類 4 襟首部分 5 差し込み部 6 ハンガー本体 7 可動アーム 8 リンクアーム 9 固定アーム 15 第一ピン(第一支点) 21 第二ピン(第二支点) 23 第三ピン(第三支点) 24 交差部分 24A フォーク部 25 肩部 27 可動リンク機構 28 切り換え手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀田 治彦 兵庫県神戸市中央区籠池通4−1−50 フ ァミール青谷601 Fターム(参考) 3K099 AA03 AA07 BA04 BA13 CA49 CA62 CA63 CB06 CB51

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に突出するフック部(2)と、 このフック部(2)から左右方向一方側に向かって下方
    傾斜状に延びるように当該フック部(2)に一体に連結
    された固定アーム(9)と、 衣類(3)の襟首部分(4)を挿通できるように左右方
    向他方側に開口した状態で前記固定アーム(9)に形成
    された差し込み部(5)と、 前記差し込み部(5)の開口を開閉自在となるように前
    記固定アーム(9)に枢着され、かつ、その差し込み部
    (5)を閉鎖した状態において前記フック部(2)から
    左右方向他方側に向かって下方傾斜状となるように配置
    される可動アーム(7)と、 前記固定アーム(9)を傾けると前記差し込み部(5)
    の開口が開放され、かつ、同固定アーム(9)を元の水
    平状態に戻すと前記差し込み部(5)の開口が閉鎖され
    るように、前記可動アーム(7)による開閉状態を切り
    換える切り換え手段(28)と、 を備えていることを特徴とする衣類用ハンガー。
  2. 【請求項2】 切り換え手段(28)は、差し込み部
    (5)の開口が下向きになる方向に固定アーム(9)を
    傾斜させたときに可動アーム(7)を開放状態に切り換
    える機能を有している請求項1に記載の衣類用ハンガ
    ー。
  3. 【請求項3】 切り換え手段(28)は、固定アーム
    (9)の傾斜度合いの変化に伴う部材の自重による各枢
    着支点(15,21,23)間の相対位置の変化によっ
    て、可動アーム(7)による開閉状態を切り換える可動
    リンク機構(27)により構成されている請求項1又は
    2に記載の衣類用ハンガー。
  4. 【請求項4】 可動リンク機構(27)は、固定アーム
    (9)及び可動アーム(7)と、この両アーム(7,
    9)の下端部間に左右方向に架設されたリンクアーム
    (8)と、このリンクアーム(8)の左右方向一端部を
    前記固定アーム(9)の下端部に同方向にスライド自在
    でかつ回動自在に連結する第一支点(15)と、前記リ
    ンクアーム(8)の左右方向他端部を前記可動アーム
    (7)の下端部に回動自在に連結する第二支点(21)
    と、前記可動アーム(7)の中間部を前記固定アーム
    (9)における差し込み部(5)の開口下端部に回動自
    在に連結する第三支点(23)と、から構成されている
    請求項3に記載の衣類用ハンガー。
  5. 【請求項5】 第三支点(23)は、衣類(3)の肩部
    (25)から可動アーム(7)に負荷される荷重の作用
    点よりも左右方向内側に配置されている請求項4に記載
    の衣類用ハンガー。
  6. 【請求項6】 可動アーム(7)は、同アーム(7)が
    閉鎖状態になったときに、固定アーム(9)における差
    し込み部(5)の開口上端部に対して交差する交差部分
    (24)を先端部に有している請求項4又は5に記載の
    衣類用ハンガー。
  7. 【請求項7】 可動アーム(7)の交差部分(24)
    は、固定アーム(9)における差し込み部(5)の開口
    上端部に下方から嵌合するフォーク部(24A)よりな
    る請求項6に記載の衣類用ハンガー。
  8. 【請求項8】 第一支点(15)を支持する左右方向に
    長いスライド孔(13)が固定アーム(9)の下端部に
    形成され、このスライド孔(13)は、固定アーム
    (9)における差し込み部(5)の開口上端部にフォー
    ク部(24A)が嵌合する閉鎖状態においても、第一支
    点(15)が当該スライド孔(13)の一端に到達しな
    い程度の遊びを有している請求項7に記載の衣類用ハン
    ガー。
  9. 【請求項9】 第一支点(15)を支持する左右方向に
    長いスライド孔(13)が固定アーム(9)の下端部に
    形成され、 このスライド孔(13)は、固定アーム(9)における
    差し込み部(5)の開口下縁に可動アーム(7)が重な
    る開放状態においても、第一支点(15)が当該スライ
    ド孔(13)の他端に到達しない程度の遊びを有してい
    る請求項4〜8のいずれかに記載の衣類用ハンガー。
  10. 【請求項10】 上方に突出するフック部(2)を有す
    るハンガー本体(6)に、衣類(3)の襟首部分(4)
    を挿通することができる差し込み部(5)が形成され、
    この差し込み部(5)の開口を開閉自在に閉鎖する可動
    アーム(7)が設けられている衣類用ハンガーにおい
    て、 前記ハンガー本体(6)を傾けると前記差し込み部
    (5)の開口が開放され、かつ、同ハンガー本体(6)
    を元の水平状態に戻すと前記差し込み部(5)の開口が
    閉鎖されるように、前記可動アーム(7)による開閉状
    態を切り換える切り換え手段(28)が設けられている
    ことを特徴とする衣類用ハンガー。
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