JP2003273666A - トランスコンダクタのチューニング回路 - Google Patents

トランスコンダクタのチューニング回路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作周波数の範囲が拡張され外部環境因子に
よる特性変化を低減できるトランスコンダクタのチュー
ニング回路を提供する。 【解決手段】 本発明のトランスコンダクタのチューニ
ング回路は、電源電圧にソース端子がそれぞれ接続さ
れ、そのゲート端子とそのドレイン端子が、それぞれM
OSダイオード構造となるように相互に接続された第1
MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタと、第
1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタのゲ
ート端子がそれぞれ入力端子と接続されており、その出
力信号をトランスコンダクタのチューニング制御用バイ
アス信号として出力する第1エラーアンプを備える。こ
のようなトランスコンダクタのチューニング回路によれ
ば、トランスコンダクタンスの制御範囲が拡張され、高
速制御が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトランスコンダクタ
のチューニング回路に係り、さらに詳しくは外部環境の
影響を低減しつつトランスコンダクタンスの値を高速で
制御できるトランスコンダクタのチューニング回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、集積回路の基本素子として用い
られるトランスコンダクタは製造工程、周囲温度、電源
電圧などの影響を受けてトランスコンダクタンス値が変
動する。従って、精密なトランスコンダクタンス値が要
求される回路では、トランスコンダクタンス値を一定に
保つように制御するチューニング回路が求められる。
【0003】非特許文献1には、BiCMOS素子を用
いたトランスコンダクタのチューニング回路が開示され
ている。非特許文献1に開示されたBiCMOSトラン
スコンダクタのチューニング回路の回路図を図1に示
す。図1に示すように、バイポーラトランジスタQ6
9及びMOSトランジスタM7、M10より構成される回
路は、トランスコンダクタの基本回路であって、同じ構
成の外部トランスコンダクタのトランスコンダクタンス
値を、エラーアンプA3の出力電圧VOによって制御して
いる。
【0004】
【非特許文献1】“A 20−MHz sixth−o
rder BiCMOS parasitic ins
ensitive continuous−time
filter and second−order e
qualizer optimized for di
sc−drive read channels” I
EEE J.Solid−State Circuit
s、vol.28、pp.462−470、Apri
l.1993
【0005】2つのトランスコンダクタ基本回路は、C
MFB(Common−ModeFeedback)ア
ンプの制御を受けるMOSトランジスタM5及びM8によ
ってバイアシングされ、電流差(kTΔi/2)に対応する
トランスコンダクタンス制御電圧VOをエラーアンプA3
を通して出力する。ここで、MOSトランジスタM 7
びM10に印加される電圧の差、すなわち差動入力電圧を
ΔV、電流制御比をkTとすれば、チューニング回路の
出力電圧による外部トランスコンダクタンスGmは次の
ように定義される。
【0006】
【数1】
【0007】しかしながら非特許文献1に記載のトラン
スコンダクタのチューニング回路には以下のような問題
点があった。図1に示した回路では、エラーアンプA1
の入力電圧範囲(CMR;Common Mode R
ange)の制限によって電流源1を通して流れる電流
Δiの可変範囲が狭く制限される。また、エラーアンプ
3の入力電圧範囲補償のためのCMFB回路を使用し
ていることから、構造が複雑になってしまう。また、こ
のようなチューニング回路によって、トランスコンダク
タの電圧を高速で安定的に制御しようとする場合、チュ
ーニング回路の動作周波数範囲がこれに対応して確保さ
れる必要があるが、電流差(kTΔi/2)に対応する電圧
差がエラーアンプA3とトランジスタQ6、M5又はトラ
ンジスタQ9、M8よりなる多段増幅器を通ることで、こ
の閉ループの安定した動作周波数の範囲拡張及び周波数
補償が難しかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した問題
点を解決するためになされたもので、その目的は動作周
波数の範囲が拡張され、外部環境因子による特性変化を
低減できるトランスコンダクタのチューニング回路を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
になされた、本発明に係るトランスコンダクタのチュー
ニング回路は、ソース端子が電源電圧に接続され、ゲー
ト端子とドレイン端子がMOSダイオード構造となるよ
うに相互に接続された第1MOSトランジスタと、ソー
ス端子が前記電源電圧に接続され、ゲート端子とドレイ
ン端子がMOSダイオード構造となるように相互に接続
された第2MOSトランジスタと、前記第1MOSトラ
ンジスタのゲート端子が第1入力端子に接続され、前記
第2MOSトランジスタのゲート端子が第2入力端子に
接続され、その出力信号をトランスコンダクタのチュー
ニング制御用バイアス信号として出力する第1エラーア
ンプと、を備えていることを特徴としている。
【0010】また、前記トランスコンダクタは、前記チ
ューニング制御用バイアス信号がベース端子に入力され
るように接続され、コレクタ端子が前記第1MOSトラ
ンジスタのドレイン端子に接続された第1バイポーラト
ランジスタと、前記チューニング制御用バイアス信号が
ベース端子に入力されるように接続され、コレクタ端子
が前記第2MOSトランジスタのドレイン端子に接続さ
れた第2バイポーラトランジスタと、差動入力信号生成
部において生成された差動入力信号を入力するように接
続され、ドレイン端子が前記第1バイポーラトランジス
タのエミッタ端子に接続された第3MOSトランジスタ
と、差動入力信号生成部において生成された差動入力信
号を入力するように接続され、ドレイン端子が前記第2
バイポーラトランジスタのエミッタ端子に接続された第
4MOSトランジスタと、を備えることを特徴としてい
【0011】また、前記差動入力信号生成部は、第1入
力端子には基準電圧が入力され、第2入力端子には第1
電圧分配抵抗及び第2電圧分配抵抗が直列に接続された
第2エラーアンプと、前記電源電圧にソース端子が接続
され、ゲート端子に前記第2エラーアンプの出力端子が
接続された第5MOSトランジスタと、前記第5MOS
トランジスタのドレイン端子と前記第2エラーアンプの
第2入力端子との間に接続されたフィードバック抵抗素
子を備え、前記第3MOSトランジスタのゲート端子は
前記第5MOSトランジスタのドレイン端子と接続され
ており、前記第4MOSトランジスタのゲート端子は、
前記第1電圧分配抵抗と前記第2電圧分配抵抗との間の
ノードに接続されたこと、を特徴としている。
【0012】また、前記第2エラーアンプの出力端子と
前記第5MOSトランジスタのドレイン端子との間に接
続された周波数補償用キャパシタを備え、前記第2MO
Sトランジスタのドレイン端子に接続されトランスコン
ダクタ制御信号入力部で生成される外部制御電流に対応
して、所定比率の電流比を有する電流源を生成する電流
源生成部を備え、前記電流源生成部には、n:1の電流
比を生成するよう接続されたカスケード・カレント・ミ
ラー回路を備えることが望ましい。
【0013】また、前記トランスコンダクタ制御信号入
力部は、ドレイン端子が外部抵抗に接続され、ソース端
子は前記電源電圧に接続された第6MOSトランジスタ
と、前記外部抵抗の電圧降下信号を非反転端子に入力さ
れ、外部入力信号を反転端子に入力され、その出力端子
が前記第6MOSトランジスタのゲート端子に接続され
た第3エラーアンプと、ソース端子は前記電源電圧に接
続され、ドレイン端子は前記電流源生成部に接続され、
ゲート端に前記第3エラーアンプの出力信号を入力され
る第7MOSトランジスタと、を備えることを特徴とし
ている。また、第3エラーアンプの非反転端子と前記第
6MOSトランジスタのゲート端子との間に接続された
周波数補償用キャパシタを備えることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づいて、
本発明の望ましい実施の形態を詳述する。図2は本発明
に係るトランスコンダクタのチューニング回路を示す回
路図である。図2によると、トランスコンダクタのチュ
ーニング回路は第1エラーアンプA2、第1MOSトラ
ンジスタM4及び第2MOSトランジスタM7を備える。
【0015】チューニング部21の第1MOSトランジ
スタM4のソース端子は、電源電圧VCCに接続されてお
り、ゲート端子とドレイン端子はMOSダイオード構造
として作動するよう相互に接続されている。また、第2
MOSトランジスタM7も第1MOSトランジスタM4
対称構造で接続されている。したがって、第2MOSト
ランジスタM7のソース端子も電源電圧VCCに接続され
ており、ゲート端子とドレイン端子はMOSダイオード
構造にて作動するよう相互に接続されている。また、エ
ラーアンプA2は非反転入力端子及び反転入力端子がそ
れぞれ第1MOSトランジスタM4と第2MOSトラン
ジスタM7のゲート端子と接続されている。
【0016】次に、チューニング部21の出力電圧VO
をバイアス信号として入力されるトランスコンダクタ2
3は、第1バイポーラトランジスタQ3、第2バイポー
ラトランジスタQ6、第3MOSトランジスタM2及び第
4MOSトランジスタM5を備える。第1バイポーラト
ランジスタQ3及び第2バイポーラトランジスタQ6は第
1エラーアンプA2の出力信号をチューニング制御用バ
イアス信号として、それぞれベース端子に入力されるよ
う接続されている。また、第1バイポーラトランジスタ
3及び第2バイポーラトランジスタQ6のコレクタ端子
は、それぞれ第1MOSトランジスタM2及び第2MO
SトランジスタM5のドレイン端子と接続されている。
【0017】また、第3MOSトランジスタM2及び第
4MOSトランジスタM5のドレイン端子は、第1バイ
ポーラトランジスタQ3及び第2バイポーラトランジス
タQ6のエミッタ端子と接続され、第3MOSトランジ
スタM2及び第4MOSトランジスタM5のゲート端子に
は、差動入力信号生成部25において生成された差動信
号がそれぞれ入力される。
【0018】次に、差動入力信号生成部は差動信号を生
成できる多様な回路が適用可能であり、本実施の形態に
適用された差動入力信号生成部25では、反転端子に基
準電圧Vrefが入力され、非反転端子に第1電圧分配抵
抗R2及び第2電圧分配抵抗R 3が直列に接続された第2
エラーアンプA1を備えている。差動入力信号生成部2
5の第5MOSトランジスタM1は電源電圧VCCにソー
ス端子が接続されており、ゲート端子に第2エラーアン
プA1の出力端子が接続されている。また、第5MOS
トランジスタM1のドレイン端子と第2エラーアンプA1
の非反転入力端子間にはフィードバック抵抗素子R1
接続されている。なお、符号C1で表記されたキャパシ
タは周波数補償用である。
【0019】この差動入力電圧生成部25の第5MOS
トランジスタM1のドレイン端子における電圧V2は第3
MOSトランジスタM2のゲート端子に印加され、第1
電圧分配抵抗R2と第2電圧分配抵抗R3との間のノード
Eにおける電圧信号V1は第4MOSトランジスタM5
ゲート端子に印加される。
【0020】次に、トランスコンダクタ23の出力端か
ら出力される電流を制御するための出力電流可変部27
は電流源28と、トランスコンダクタ制御信号入力部2
9を備える。また、電流源28として適用されたカスケ
ード電流ミラー部は、トランスコンダクタ制御信号入力
部29において発生する外部制御電流iexに応じてn:
1の電流比を有する電流が流れるように、第2MOSト
ランジスタM7のドレイン端子に接続されている。
【0021】次に、トランスコンダクタ制御信号入力部
29は第6MOSトランジスタM13及び第7MOSトラ
ンジスタM12、外部抵抗Rex、第3エラーアンプA3
備える。この第6MOSトランジスタM13のドレイン端
子は、外部抵抗Rexと接続されており、ソース端子は電
源電圧VCCと接続されている。また、第3エラーアンプ
3は、外部抵抗Rexの電圧降下信号を非反転端子に入
力され、外部入力信号Viを反転端子に入力されるよう
接続されており、その出力端子が第6MOSトランジス
タM13及び第7MOSトランジスタM12のゲート端子と
接続されている。また、第7MOSトランジスタM12
ソース端が電源電圧VCCと接続されており、ドレイン端
子は電流源28の一端と接続されている。なお、図面に
おいて、符号C3で表記されたキャパシタは周波数補償
用である。
【0022】次に、本実施の形態における、トランスコ
ンダクタのチューニング回路の動作について詳しく説明
する(図2参照のこと)。
【0023】初めに、差動入力電圧生成部25において
発生した電圧V1、V2はトランスコンダクタ23に入力
電圧として入力される。また、外部基準抵抗Rexと制御
電圧Viによって発生する制御電流iexは、第2MOS
トランジスタM7を通って流れる、制御電流iexに対し
てn:1の電流比を有するΔiを発生する。第1MOS
トランジスタM4を通して流れる電流i1及び第2MOS
トランジスタM7を通して流れる電流i3は、第1エラー
アンプによって同一な値を有するよう制御される。エラ
ーアンプA2はΔi/Δvに比例する出力電圧VOを発生
する。ここで、ΔvはV1とV2との差を表している。
【0024】第1MOSトランジスタM4及び第2MO
SトランジスタM7は、自己バイアスするようにゲート
端子とドレイン端子が相互に接続されている。従って、
第1エラーアンプA2は第1MOSトランジスタM4及び
第2MOSトランジスタM7のゲート電圧差を検出し
て、i1、i2が同一な値に保たれるように、第1バイポ
ーラトランジスタQ3及び第2バイポーラトランジスタ
6のベース電圧を制御する。また、電流i1、i2の電
流量が少ない場合、第1エラーアンプA2に電源電圧V
CCから第1MOSトランジスタM4及び第2MOSトラ
ンジスタM7の閾値電圧を差し引いた低い電圧が入力さ
れるので、第1エラーアンプA2として、電源電圧VCC
に近い入力制限範囲を有する、後記して説明するnMO
S入力差動増幅器が用いられる。
【0025】ここで、第1エラーアンプA2として用い
られるnMOS入力差動増幅器の回路図の例を図3に示
す。図3の回路図において31a、31bは、第1エラ
ーアンプA2のそれぞれ入力端子に該当し、32は出力
端子に該当する。また、図2に示したチューニング回路
において、増幅機能を果たすトランジスタ対(第1バイ
ポーラトランジスタQ3及び第1MOSトランジスタM4
または第2バイポーラトランジスタQ6及び第2MOS
トランジスタM7からなるトランジスタ対)は、MOS
ダイオード構造をなし、よって図1に示したQ6、M5
たはQ9、M8による増幅度よりMOSダイオード構造に
よる増幅度の方が低くなる。
【0026】従って、第1エラーアンプA2と、第1バ
イポーラトランジスタQ3及び第1MOSトランジスタ
4もしくは第2バイポーラトランジスタQ6及び第2M
OSトランジスタM7で形成された閉回路の周波数特性
は、第1エラーアンプA2のみによって決定される。そ
れ故、高周波領域において動作し、決められた位相マー
ジンを持つエラーアンプを、第1エラーアンプA2とし
て使用すれば、チューニング回路全体が、広い周波数帯
域において動作可能となる。また、このようなチューニ
ング回路は制御電流Δiを用いてトランスコンダクタン
スの値を制御するようになっており、n:1の割合を持
つ電流源を使用することで広範囲の調整が可能である。
すなわち、入力制御電圧Viまたはスイッチ(図示せず)
を使用してn:1の電流比を変えることによって、高速
のトランスコンダクタ制御が可能である。
【0027】次に、本実施の形態のトランスコンダクタ
チューニング回路の外部環境要因に対する影響を説明す
る。トランスコンダクタ23の第3及び第4MOSトラ
ンジスタM2、M5のゲートに入力される電圧V1、V2
次式で表せる。
【0028】
【数2】
【数3】
【0029】ここでR1=R2=RであればV2−Vref=V
ref―V1となり、第3MOSトランジスタM2及び第4
MOSトランジスタM5のゲート端子には、基準電圧V
refを中心に同一の変量を有する電圧がそれぞれ印加さ
れる。この場合、第3MOSトランジスタM2及び第4
MOSトランジスタM5のゲートに印加される電圧の差
(ΔV)を求めると次式で表せる。
【0030】
【数4】
【0031】一方、トランスコンダクタのチューニング
回路の出力電圧VOを外部トランスコンダクタ回路に用
いる例を図4に示す。なお、図2に示した要素と同一機
能を果たす要素は同一番号で表記する。
【0032】図4において、符号55で表記された部分
はチューニング対象となる外部トランスコンダクタ回路
である。まず、第1エラーアンプA2の出力電圧とバイ
ポーラトランジスタのベース-エミッタ間電圧VBEとの
差(Vo−VBE)をVO'と定義し、各素子のバイアス電流
(i1、i2、iext)を求めると次式のように表せる。
【0033】
【数5】
【数6】
【数7】
【0034】ここで、式(5)ないし式(7)において
kはMOSトランジスタの電流式定数、VTは閾値電圧
である。また、MOSトランジスタM2、M5、Mext
オーミック領域で動作し、同サイズの第3MOSトラン
ジスタM2及び第4MOSトランジスタM5、すなわち同
じチャネル変調の要素が用いられる。上記の式から第3
MOSトランジスタM2及び第4MOSトランジスタM5
のゲート入力電圧差(V2−V1)=ΔVに対する電流差
(Δi)を求めると次式で表せる。
【数8】 Δi=i1−i3=k(V2−V1)V’0=kΔVV’0 ・・・(8)
【0035】従って、式(8)からVO'は次のように定
義される。
【0036】
【数9】
【0037】これにより外部MOSトランジスタMext
のトランスコンダクタンスgmextを求めると次式で表せ
る。
【数10】gmext=kextV’0 ・・・(10)
【0038】前記式(10)に式(9)のVO'を代入す
ると次式となる。
【0039】
【数11】
【0040】ここで、式(11)においてWext/
ext、W/Lはそれぞれ外部MOSトランジスタ
ext、第3及び第4MOSトランジスタM2、M5のサ
イズ比である。
【0041】式(11)から外部MOSトランジスタM
extのトランスコンダクタンスはMOSトランジスタの
サイズ比、制御電流Δi、制御電圧ΔVによって決まる
ことが分かる。従って、電源電圧、工程、温度などの因
子は外部トランスコンダクタ55のトランスコンダクタ
ンスに影響を与えない。
【0042】次に、このような特性を有するトランスコ
ンダクタのチューニング回路についてチューニング電流
gm(x軸)を可変させながらトランスコンダクタンスg
m(y軸)の変化を測定したグラフを図5に示す。図5に
示すように、第3MOSトランジスタM2及び第4MO
SトランジスタM5がオーミック領域で動作する400
μA/Vまでは均一な特性が得られている。
【0043】また図6は、図2のチューニング回路にお
いてΔi(igm)を高速で変化させた時の出力電圧VO
測定した図である。図6に示すように、広い周波数範囲
について安定した出力を提供できることがわかる。
【0044】また図7は、図2に示したトランスコンダ
クタ23の代りに交差対構造のトランスコンダクタを適
用したチューニング回路を示した回路図である。図7に
示した回路図によると、トランスコンダクタ33は交差
対構造を有する基本交差対トランスコンダクタ部が対称
に第1MOSトランジスタM5及び第2MOSトランジ
スタM13に接続されている。第1基本交差対トランスコ
ンダクタ部は第1MOSトランジスタM5のドレイン端
子とコレクタ端子が接続された第1バイポーラトランジ
スタQ4と、第1バイポーラトランジスタQ4のエミッタ
端子にコレクタ端子が接続された第2バイポーラトラン
ジスタQ3を備える。また、電源電圧VC Cとドレイン端
子が接続された第3MOSトランジスタM7と、第3M
OSトランジスタM7のソース端子にドレイン端子が接
続された第4MOSトランジスタM6を備える。
【0045】第1バイポーラトランジスタQ4と第2バ
イポーラトランジスタQ3が相互接続されたノードFに
は、第4MOSトランジスタM6のゲート端に接続され
ており、第2バイポーラトランジスタQ3のベース端は
第3MOSトランジスタと第4MOSトランジスタとの
間のノードGにそれぞれ交差的に接続されている。
【0046】第1バイポーラトランジスタQ4のベース
には基準電圧Vrefが入力され、第3MOSトランジス
タM7のゲート端子には第1エラーアンプA2の出力信号
Oが入力される。第2基本交差対トランスコンダクタ
部は第1基本交差対トランスコンダクタ部と対称構造で
形成されており、差動入力信号生成部25から出力され
る信号V2が入力されるよう接続されている。
【0047】このような交差対構造を持つトランスコン
ダクタ33は、第1バイポーラトランジスタQ4のベー
ス端に入力される基準バイアス電圧Vrefと第1エラー
アンプA2の出力信号VOとの差に対応する信号により第
5MOSトランジスタM2のドレイン-ソース間電圧が決
められる。したがって、交差対構造を有するトランスコ
ンダクタ33は第5MOSトランジスタM2のゲート-ソ
ース間電圧が入力電圧Viの大きさを問わず一定に保た
れる。この周波数特性及び制御範囲が改善されたチュー
ニング回路は、高周波、広範囲可変増幅器及びフィルタ
に適用することができる。
【0048】なお、本発明は以上述べたような実施の形
態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において
自由に変形して実施可能である。
【0049】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明によれば、トラ
ンスコンダクタンスの制御範囲が拡張され、高速制御が
可能なトランスコンダクタのチューニング回路を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のトランスコンダクタのチューニング回路
を示す回路図。
【図2】本発明の一実施例によるトランスコンダクタの
チューニング回路を示す回路図。
【図3】図2のエラーアンプに適用されるnMOS差動
増幅器の例を示す回路図。
【図4】図2のチューニング回路の出力を外部トランス
コンダクタに適用する例を示す回路図。
【図5】図2の回路について電源電圧、周波数、温度を
可変させながら測定したトランスコンダクタンスを示す
グラフ。
【図6】図2の回路に出力電流Δiを高速で可変させる
時チューニング回路の出力電圧VOを測定したグラフ。
【図7】本発明の他の実施例によるトランスコンダクタ
のチューニング回路を示す回路図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 趙 啓 ▲玉▼ 大韓民国 京畿道 龍仁市 水枝邑 プン ドックチョン里 珍山マウル 三星 5t h アパート 501−1301 (72)発明者 李 政 ▲艮▼ 大韓民国 ソウル特別市 江西区 禾谷6 洞 1130−7 秘苑 villa 2− 301 Fターム(参考) 5J500 AA01 AC02 AC04 AC15 AC62 AF10 AF19 AH02 AH10 AH17 AH18 AH19 AH25 AH29 AK02 AK05 AK09 AK12 AM11 AT02 AT06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランスコンダクタのトランスコンダクタ
    ンスを制御するためのトランスコンダクタのチューニン
    グ回路であって、 ソース端子が電源電圧に接続され、ゲート端子とドレイ
    ン端子がMOSダイオード構造となるように相互に接続
    された第1MOSトランジスタと、 ソース端子が前記電源電圧に接続され、ゲート端子とド
    レイン端子がMOSダイオード構造となるように相互に
    接続された第2MOSトランジスタと、 前記第1MOSトランジスタのゲート端子が第1入力端
    子に接続され、前記第2MOSトランジスタのゲート端
    子が第2入力端子に接続され、その出力信号をトランス
    コンダクタのチューニング制御用バイアス信号として出
    力する第1エラーアンプと、 を備えることを特徴とするトランスコンダクタのチュー
    ニング回路。
  2. 【請求項2】前記トランスコンダクタは、 前記チューニング制御用バイアス信号がベース端子に入
    力されるように接続され、コレクタ端子が前記第1MO
    Sトランジスタのドレイン端子に接続された第1バイポ
    ーラトランジスタと、 前記チューニング制御用バイアス信号がベース端子に入
    力されるように接続され、コレクタ端子が前記第2MO
    Sトランジスタのドレイン端子に接続された第2バイポ
    ーラトランジスタと、 差動入力信号生成部において生成された差動入力信号を
    入力するように接続され、ドレイン端子が前記第1バイ
    ポーラトランジスタのエミッタ端子に接続された第3M
    OSトランジスタと、 差動入力信号生成部において生成された差動入力信号を
    入力するように接続され、ドレイン端子が前記第2バイ
    ポーラトランジスタのエミッタ端子に接続された第4M
    OSトランジスタと、 を備えることを特徴とする請求項1に記載のトランスコ
    ンダクタのチューニング回路。
  3. 【請求項3】前記差動入力信号生成部は、 第1入力端子には基準電圧が入力され、第2入力端子に
    は第1電圧分配抵抗及び第2電圧分配抵抗が直列に接続
    された第2エラーアンプと、 前記電源電圧にソース端子が接続され、ゲート端子に前
    記第2エラーアンプの出力端子が接続された第5MOS
    トランジスタと、 前記第5MOSトランジスタのドレイン端子と前記第2
    エラーアンプの第2入力端子との間に接続されたフィー
    ドバック抵抗素子を備え、 前記第3MOSトランジスタのゲート端子は前記第5M
    OSトランジスタのドレイン端子と接続されており、 前記第4MOSトランジスタのゲート端子は、前記第1
    電圧分配抵抗と前記第2電圧分配抵抗との間のノードに
    接続されたこと、 を特徴とする請求項2に記載のトランスコンダクタのチ
    ューニング回路。
  4. 【請求項4】前記第2エラーアンプの出力端子と前記第
    5MOSトランジスタのドレイン端子との間に接続され
    た周波数補償用キャパシタを備えること、 を特徴とする請求項3に記載のトランスコンダクタのチ
    ューニング回路。
  5. 【請求項5】前記第2MOSトランジスタのドレイン端
    子に接続されトランスコンダクタ制御信号入力部で生成
    される外部制御電流に対応して、所定比率の電流比を有
    する電流源を生成する電流源生成部を備えること、 を特徴とする請求項4に記載のトランスコンダクタのチ
    ューニング回路。
  6. 【請求項6】前記電流源生成部は、n:1の電流比を生
    成するよう接続されたカスケード・カレント・ミラー回
    路を備えること、 を特徴とする請求項5に記載のトランスコンダクタのチ
    ューニング回路。
  7. 【請求項7】前記トランスコンダクタ制御信号入力部
    は、 ドレイン端子が外部抵抗に接続され、ソース端子は前記
    電源電圧に接続された第6MOSトランジスタと、 前記外部抵抗の電圧降下信号を非反転端子に入力され、
    外部入力信号を反転端子に入力され、その出力端子が前
    記第6MOSトランジスタのゲート端子に接続された第
    3エラーアンプと、 ソース端子は前記電源電圧に接続され、ドレイン端子は
    前記電流源生成部に接続され、ゲート端に前記第3エラ
    ーアンプの出力信号を入力される第7MOSトランジス
    タと、 を備えることを特徴とする請求項5に記載のトランスコ
    ンダクタのチューニング回路。
  8. 【請求項8】前記第3エラーアンプの非反転端子と前記
    第6MOSトランジスタのゲート端子との間に接続され
    た周波数補償用キャパシタを備えること、 を特徴とする請求項7に記載のトランスコンダクタチュ
    ーニング回路。
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