JP2003273584A - 電子回路部品保持ヘッド - Google Patents

電子回路部品保持ヘッド

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JP2003273584A
JP2003273584A JP2002067709A JP2002067709A JP2003273584A JP 2003273584 A JP2003273584 A JP 2003273584A JP 2002067709 A JP2002067709 A JP 2002067709A JP 2002067709 A JP2002067709 A JP 2002067709A JP 2003273584 A JP2003273584 A JP 2003273584A
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circuit component
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JP2002067709A
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Yasutaka Hayashi
泰孝 林
Mamoru Tsuda
護 津田
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Fuji Corp
Original Assignee
Fuji Machine Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品保持軸の昇降とノズル保持部への負圧等
の供給の切換えとを連動して行う電子回路部品保持ヘッ
ドを改善する。 【解決手段】 回転体62に昇降可能に配設した複数の
部品保持軸66の各々について、可動弁子140,戻し
用弁子142,反転伝達装置144,切換操作装置を含
む切換弁装置102を設け、可動弁子140の昇降によ
りノズル保持部80への負圧,大気圧,正圧の供給を切
り換える。電子回路部品98の吸着時には部品保持軸6
6と共に可動弁子140を押し下げ、ノズル保持部80
に負圧を供給するとともに戻し用可動子142を上昇さ
せ、電子回路部品98の装着時には部品保持軸66と共
に戻し用可動子142を下降させ、可動弁子140を上
昇させてノズル保持部80への負圧の供給を断つととも
に大気に開放する。可能であれば、2つの部品保持軸6
6に同時に電子回路部品98の吸着を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路部品保持
ヘッドに関するものであり、特に、プリント配線板等の
回路基板に装着されて電子回路を構成する部品である電
子回路部品(電子回路部品を含む)を負圧により吸着し
て保持する電子回路部品保持ヘッドに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の電子回路部品保持ヘッドには、
例えば、特開2000−294990公報に記載されて
いるように、吸着ノズルが電子回路部品を吸着し、ある
いは解放する際に昇降させられるとともに、その昇降と
連動して吸着ノズルへの負圧と正圧との供給の切換えが
行われるものがある。上記公報に記載の電子回路部品保
持ヘッドは、電子回路部品をプリント配線板に装着する
ものであり、方向切換弁および2つの開閉弁を備えてい
る。方向切換弁および開閉弁の一方はヘッド本体に設け
られ、それぞれスプールを備えており、方向切換弁はス
プールの昇降により、負圧通路と正圧通路とを選択的に
吸着ノズルに接続し、開閉弁はスプールの昇降により、
負圧通路を開閉する。開閉弁の他方は、吸着ノズルを保
持する部品保持軸に設けられ、吸着ノズルを常時、負圧
通路に連通させるとともに、部品保持軸の昇降により正
圧通路を開閉するように設けられている。また、この電
子回路部品保持ヘッドは、部品保持軸を複数本備え、方
向切換弁および2つの開閉弁が複数本の部品保持軸の各
々について設けられている。
【0003】この電子回路部品保持ヘッドにおいては、
部品保持軸の昇降と吸着ノズルへの負圧と正圧との供給
の切換えが連動して行われる。電子回路部品が保持され
ない状態では、ヘッド本体に設けられた開閉弁は閉じら
れて吸着ノズルへの負圧の供給を遮断し、方向切換弁は
負圧通路を吸着ノズルに接続する切換位置にあり、部品
保持軸に設けられた開閉弁は負圧通路を開き、正圧通路
を閉じた状態にある。部品保持軸より上方に押下部材が
昇降可能に設けられており、吸着ノズルが電子回路部品
を吸着する際には、複数本の部品保持軸のうちの1本
と、その部品保持軸についてヘッド本体に設けられた開
閉弁のスプールとが押下部材により押し下げられる。そ
れにより開閉弁が開かれて負圧通路が開かれ、吸着ノズ
ルに負圧が供給される状態とされ、吸着ノズルが負圧に
より電子回路部品を吸着する。電子回路部品の吸着後、
押下部材の上昇に伴って部品保持軸のみが上昇させら
れ、開閉弁のスプールは下降位置に保たれ、吸着ノズル
に負圧が供給される状態に保たれる。電子回路部品をプ
リント配線板に装着する際には、方向切換弁のスプール
および部品保持軸が押下部材により押し下げられ、方向
切換弁により負圧通路が閉じられ、正圧通路が開かれる
とともに、部品保持軸に設けられた開閉弁が正圧通路が
開かれて吸着ノズルに接続され、吸着ノズルに正圧が供
給されて電子回路部品が積極的に解放される。そして、
押下部材の上昇に伴って部品保持軸のみが上昇し、部品
保持軸に設けられた開閉弁によって正圧通路が閉じら
れ、吸着ノズルへの正圧の供給が断たれる。ヘッド本体
に設けられた開閉弁および方向切換弁の各スプールは、
それらの下方に設けられた押上部材によって一斉に押し
上げられ、部品吸着前の位置に復帰させられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】しかしながら、上記公報に記載の電子回路部品保持
ヘッドには、問題がある。例えば、スプールの上下両側
にそれぞれ、押下部材,押上部材およびそれらを駆動す
る装置が設けられるため、機構が複雑となり、ヘッドが
大形となる。また、複数本の部品保持軸が1本ずつ電子
回路部品の吸着を行うため、時間がかかり、作業能率が
低い問題がある。
【0005】本発明は、以上の事情を背景とし、部品保
持軸の昇降と、少なくとも負圧と大気圧との切換えとが
連動して行われる電子回路部品保持ヘッドの改善を課題
としてなされたものであり、本発明によって、下記各態
様の電子回路部品保持ヘッドが得られる。各態様は請求
項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応
じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、
あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明
細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下
の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきでは
ない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場
合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければなら
ないわけではない。一部の事項のみを選択して採用する
ことも可能なのである。
【0006】なお、以下の各項において、 (1)項が請求
項1に相当し、 (6)項が請求項2に、 (7)項が請求項3
に、 (9)項が請求項4に、(10)項が請求項5に、(14)項
が請求項6にそれぞれ相当する。
【0007】(1)ヘッド本体と、下端部に吸着ノズル
を着脱可能に保持するノズル保持部を備え、前記ヘッド
本体に軸方向に昇降可能に保持された部品保持軸と、そ
の部品保持軸を昇降させる保持軸昇降装置と、前記保持
軸昇降装置による前記部品保持軸の昇降と連動して作動
し、前記ノズル保持部への少なくとも負圧と大気圧との
供給を切り換える切換弁装置とを備えた電子回路部品保
持ヘッドであって、前記切換弁装置が、前記ヘッド本体
に互いに平行にかつ自身の軸線に平行な方向に移動可能
に保持され、前記ノズル保持部への少なくとも負圧と大
気圧との供給を切り換える第一可動子および第二可動子
と、それら第一、第二可動子の間に設けられ、それら両
可動子の一方の軸方向の移動を、向きを反転させて他方
に伝達する反転伝達装置と、前記第一、第二可動子に選
択的に作用する可動子作用部材を備え、それら可動子の
一方ずつを選択的に移動させる切換操作装置とを含む電
子回路部品保持ヘッド。切換弁装置は、負圧、大気圧に
加えて正圧の供給をも切り換えるものとすることができ
る。発明の実施の形態の項において説明するように、ヘ
ッド本体に、ノズル保持部に負圧を供給する負圧通路
と、大気圧を供給する大気圧通路とが設けられるととも
に、大気圧通路に大気圧と正圧とが選択的に供給される
場合、切換弁装置は、大気圧通路に大気圧が供給される
状態では、ノズル保持部への負圧と大気圧との供給を切
り換え、正圧が供給される状態では、ノズル保持部への
負圧と正圧との供給を切り換え、それらを併せて、負圧
と大気圧と正圧との供給を切り換えることとなる。負圧
と大気圧と正圧とがそれぞれ別々の通路によって供給さ
れ、それらの供給を切換弁装置が切り換えるようにして
もよい。ノズル保持部に正圧が供給されれば、吸着ノズ
ルに保持された電子回路部品が積極的に解放される。可
動子作用部材は、保持軸昇降装置による部品保持軸の昇
降と連動して第一,第二可動子に選択的に作用して移動
させ、ノズル保持部への少なくとも負圧と大気圧との供
給を切り換えさせる。可動子作用部材が第一,第二可動
子の一方に作用し、その一方の可動子が移動させられる
とき、反転伝達装置の作用により、他方の可動子は一方
の可動子とは軸方向において反対向きに移動させられ
る。また、可動子作用部材が他方の可動子に作用し、そ
の可動子が移動させられるとき、反転伝達装置の作用に
より、一方の可動子は他方の可動子とは反対向きに移動
させられる。2つの可動子はそれぞれ、可動子作用部材
が一方の可動子に作用する場合とは逆の方向へ移動させ
られるのである。したがって、可動子作用部材が2つの
可動子に交互に1回ずつ作用すれば、切換弁装置による
少なくとも負圧と大気圧との供給の切換えが行われると
ともに、2つの可動子が切換え前の位置に復帰させられ
る。2つの可動子が、それらの軸方向の一方の側のみに
設けられた可動子作用部材によって移動させられ、切換
えを行うのであり、本項によれば、部品保持軸の昇降と
連動して作動し、ノズル保持部への少なくとも負圧と大
気圧との供給の切換えを行う切換弁装置を備えた電子回
路部品保持ヘッドを簡易にかつ小形に構成することがで
きる。
【0008】(2)前記第一可動子が、第一位置と第二
位置とに移動することにより、前記ノズル保持部をそれ
ぞれ大気圧通路および負圧通路の一方と他方とに連通さ
せる可動弁子であり、前記第二可動子が、その可動弁子
を第一位置へ戻す戻し用可動子である (1)項に記載の電
子回路部品保持ヘッド。第一可動子は、第一位置におい
てノズル保持部を大気圧通路に連通させてもよく、ある
いは負圧通路に連通させてもよく、第二位置においてノ
ズル保持部を負圧通路に連通させてもよく、あるいは大
気圧通路に連通させてもよい。本項の電子回路部品保持
ヘッドは更に正圧通路を備えていてもよい。大気圧通路
が正圧通路を兼ねるようにしてもよい。
【0009】(3)前記第一可動子が、前記ノズル保持
部を大気圧通路,負圧通路および正圧通路の少なくとも
一つに連通させる状態とその少なくとも一つから遮断す
る状態とに切り換える第一可動弁子であり、前記第二可
動子が、前記ノズル保持部を前記大気圧通路,負圧通路
および正圧通路の別の少なくとも一つに連通させる状態
とその少なくとも一つから遮断する状態とに切り換える
第二可動弁子である (1)項に記載の電子回路部品保持ヘ
ッド。本項の電子回路部品保持ヘッドは正圧通路を有す
ることは不可欠ではなく、備えていなくてもよい。ま
た、大気圧通路が正圧通路を兼ねるようにしてもよい。
第二可動弁子を更に、戻し用可動子として機能させるよ
うにしてもよい。
【0010】(4)前記第一,第二可動子が、前記部品
保持軸と平行な方向に昇降可能に前記ヘッド本体に保持
された (1)項ないし (3)項のいずれかに記載の電子回路
部品保持ヘッド。
【0011】(5)第一,第二可動子の少なくとも一方
を任意の位置に保持可能な可動子保持手段を含む (4)項
に記載の電子回路部品保持ヘッド。本項によれば、第
一,第二可動子を、少なくとも負圧と大気圧とを切り換
える位置に位置する状態に確実に保つことができる。可
動子保持手段は、種々の態様で構成される。例えば、摩
擦により可動子を保持する手段としてもよく、あるいは
機械的に保持する手段としてもよい。
【0012】(6)前記保持軸昇降装置が、前記部品保
持軸を上昇位置に向かって付勢する付勢装置と、前記部
品保持軸に作用する保持軸作用部材を備え、部品保持軸
を前記付勢装置の付勢力に抗して下降させる保持軸下降
装置とを含む (1)項ないし (5)項のいずれかに記載の電
子回路部品保持ヘッド。保持軸下降装置は保持軸作用部
材昇降装置を構成し、保持軸作用部材は保持軸下降装置
によって下降させられ、下降時に部品保持軸を下降させ
るが、保持軸下降装置による部品保持軸の下降動作が解
除されれば、保持軸作用部材は部品保持軸から離れる方
向に移動させられて上昇させられ、部品保持軸は付勢装
置の付勢により上昇位置に向かって移動させられる。 (7)前記保持軸作用部材と前記可動子作用部材とが一
体的に構成され、前記保持軸下降装置が前記切換操作装
置を兼ねる (6)項に記載の電子回路部品保持ヘッド。本
項によれば、電子回路部品保持ヘッドをより簡易にかつ
小形に構成することができる。
【0013】(8)前記ヘッド本体が前記第一可動子お
よび第二可動子の下降端位置を規定するストッパを備
え、第一可動子および第二可動子が、それら両可動子が
ストッパに当接するまでは両可動子と一体的に移動し、
当接した後は両可動子に対して相対移動して前記可動子
作用部材の余分な移動を吸収するクッション部材を備え
た(7)項に記載の電子回路部品保持ヘッド。保持軸作用
部材が可動子作用部材と一体的に構成されている場合、
可動子作用部材は保持軸作用部材と同じ距離移動する
が、本項によれば、第一,第二可動子を少なくとも負圧
と大気圧との供給を切り換える位置に停止させた後も部
品保持軸を下降させることができる。したがって、部品
保持軸の作動に必要な保持軸作用部材の下降距離の方
が、第一,第二可動子の作動に必要な可動子作用部材の
下降距離より長くても、一体的な両作用部材を、部品保
持軸の作動に必要な距離下降させつつ、第一,第二可動
子にも切換え動作を正確に行わせることができる。
【0014】(9)前記ヘッド本体が、一軸線まわりに
回転する回転体であり、前記部品保持軸がその外周部に
複数本配設され、それら複数本の部品保持軸の各々に対
して前記第一、第二可動子が一対ずつ設けられた (1)項
ないし (8)項のいずれかに記載の電子回路部品保持ヘッ
ド。複数本の部品保持軸は、回転体の回転軸線を中心と
する一円周上に設けてもよく、互いに異なる円周上に設
けてもよく、一部について同一の円周上に設けてもよ
い。切換操作装置は、複数の切換弁装置に共用としても
よく、複数の切換弁装置の各々に専用に設けてもよい。
回転体は、発明の実施の形態の項において説明するよう
に、一軸線まわりに正逆両方向に任意の角度回転させら
れる回転体でもよく、一軸線まわりに一定角度ずつ間欠
回転させられる間欠回転体でもよい。前者の場合、電子
回路部品を吸着し、保持する部品保持位置と、電子回路
部品を解放する部品解放位置とは、異なっていてもよ
く、同じであって部品保持解放位置であってもよい。い
ずれの場合にも、部品保持位置,部品解放位置および部
品保持解放位置は、予め定められた位置でもよく、任意
の位置でもよく、少なくとも2つの部品保持軸について
同じ位置でもよく、全部の部品保持軸について同じ位置
でもよく、あるい異なる位置でもよい。回転体を間欠回
転体とする場合、複数の部品保持軸は、間欠回転角度と
等しい角度間隔で配設され、間欠回転体の間欠回転装置
によって間欠回転させられることにより、複数のステー
ションに順次停止させられる。これら複数のステーショ
ンは、例えば、特開平6−342998号公報に記載さ
れているように、そのうちの一つが部品保持軸が電子回
路部品を保持する部品保持位置とされ、別の一つが部品
保持軸が電子回路部品を解放する部品解放位置、例え
ば、回路基板に電子回路部品を装着する部品装着位置と
され、部品保持位置と部品装着位置とにそれぞれ、切換
操作装置が設けられる。あるいは特開平10−1636
77号公報に記載されているように、部品保持軸による
電子回路部品の保持と解放とが同じステーションにおい
て行われ、一つの部品保持解放位置において行われるよ
うにしてもよい。この場合、切換操作装置は部品保持解
放位置に設けられる。いずれの場合にも切換操作装置
は、複数の部品保持軸のそれぞれについて設けられた切
換弁装置に共用である。回転体は更に、その回転に加え
て、ヘッド移動装置としての回転体移動装置により、部
品保持軸の軸線に直角な移動平面内において移動させら
れるようにしてもよい。このように回転体に部品保持軸
が複数本設けられても、部品保持軸の各々について第
一,第二可動子が設けられ、それらが可動子作用部材に
よって選択的に移動させられることにより、複数の部品
保持軸の各々について少なくとも負圧と大気圧との供給
の切換えが確実に、かつ比較的単純な機構の切換操作装
置によって機械的に為され、作動不良等の発生の可能性
が少なくて済む。
【0015】(10)前記保持軸作用部材および前記可
動子作用部材が前記回転体の回転軸線まわりに回転可能
に設けられており、当該電子回路部品保持ヘッドが、そ
れら保持軸作用部材および可動子作用部材を、前記複数
の部品保持軸のうちの任意のものとその任意の部品保持
軸に対応する前記第一,第二可動子とに作用可能な作用
位置へ回転させる少なくとも一つの作用部材回転装置を
含む (9)項に記載の電子回路部品保持ヘッド。保持軸作
用部材と可動子作用部材とが別々に設けられている場合
には、作用部材回転装置はそれぞれについて設けられ、
両作用部材が一体的に構成されている場合には、作用部
材回転装置は一つ設けられる。本項においては、複数本
の部品保持軸が回転体の回転により、回転体の回転軸線
まわりに旋回させられ、その回転軸線を中心とする円周
上の任意の位置へ移動させられても、その回転位置へ作
用部材を移動させ、複数の部品保持軸の任意のものに選
択的に作用させ、昇降させるとともに、その部品保持軸
に対応する第一,第二可動子に選択的に作用させ、移動
させて、少なくとも負圧と大気圧との供給の切換えを行
わせることができる。保持軸作用部材および可動子作用
部材は、複数の保持軸および第一,第二可動子のそれぞ
れについて設けてもよいが、本項によれば、保持軸作用
部材および可動子作用部材を、複数の部品保持軸および
第一,第二可動子について共用し得るとともに、複数の
部品保持軸に任意の回転位置において電子回路部品の保
持,解放を行わせ、第一,第二可動子にノズル保持部へ
の少なくとも負圧と大気圧との供給の切換えを行わせる
ことができる。
【0016】(11)前記保持軸昇降装置と前記切換弁
装置とを、前記複数本の部品保持軸から選ばれた1本と
その1本に対応する前記第一,第二可動子とを作動させ
る第一モードと、前記複数本の部品保持軸から選ばれた
複数本とそれら複数本に対応する前記第一,第二可動子
とを作動させる第二モードとの少なくとも2つのモード
で制御する制御装置を含む (1)項ないし(10)項のいずれ
かに記載の電子回路部品保持ヘッド。保持軸昇降装置と
切換弁装置とを、全部の部品保持軸に対して第一モード
で制御してもよく、あるいは第二モードで制御してもよ
く、一部の部品保持軸に対しては第一モードで制御し、
一部の部品保持軸に対しては第二モードで制御してもよ
い。保持軸昇降装置と切換弁装置とが第二モードで制御
されれば、例えば、複数本の部品保持軸に同時に電子回
路部品を保持させることができ、電子回路部品の保持能
率を向上させ、電子回路部品の保持,解放のサイクルタ
イムの短縮が可能となる。
【0017】(12)前記反転伝達装置が、それぞれ前
記第一可動子および前記第二可動子と一体的に設けられ
て対をなすラック部と、前記ヘッド本体の、前記対をな
すラック部の間に位置する部分により軸線まわりに回転
可能かつ半径方向に移動不能に保持され、前記対をなす
ラック部と噛み合うピニオンとを含む (1)項ないし(11)
項のいずれかに記載の電子回路部品保持ヘッド。ピニオ
ンは、ヘッド本体に設けた軸により回転可能に支持して
もよく、軸は省略してもよい。ピニオンは対をなすラッ
ク部に噛み合うことによりヘッド本体により間接的に回
転可能かつ半径方向に移動不能に保持されるからであ
る。次項のアームについても同様である。ピニオンの回
転により2つのラック部が互いに反対方向に移動させら
れ、第一,第二可動子の一方の軸方向の移動が向きを反
転させられて他方に伝達される。本項の発明によれば、
第一,第二可動子の各軸線を結ぶ方向において反転伝達
装置をコンパクトに構成することができ、電子回路部品
保持ヘッドを小形に構成することができる。ピニオンは
正逆いずれの方向へも無限に回転することができるた
め、ピニオンの寸法,形状によってラック部の移動距離
が制限されることがなく、小形のピニオンを使用しつ
つ、対をなすラック部にそれぞれ、必要な移動距離を得
ることができるからである。
【0018】(13)前記反転伝達装置が、前記第一可
動子と前記第二可動子との各々に設けられた被係合部
と、前記ヘッド本体の前記第一可動子と前記第二可動子
との間に位置する部分によって、一軸線まわりに回動可
能かつその一軸線と直交する方向に移動不能に保持され
た被保持部、およびその被保持部から互いに逆向きに延
び出し、先端の係合部において前記第一,第二可動子の
各被係合部に相対回動可能かつ第一,第二可動子の軸方
向に実質的に移動不能に係合する一対のアームを備えた
レバーとを含む (1)項ないし(11)項のいずれかに記載の
電子回路部品保持ヘッド。レバーの回動により、第一,
第二可動子の一方の軸方向の移動が向きを反転させられ
て他方に伝達される。
【0019】(14)ヘッド本体と、それぞれ下端部に
吸着ノズルを着脱可能に保持するノズル保持部を備え、
前記ヘッド本体に軸方向に昇降可能に保持された複数本
の部品保持軸と、それら複数本の部品保持軸の任意のも
のを選択的に昇降させる保持軸昇降装置と、前記複数本
の部品保持軸の各々に対応してそれぞれ前記ヘッド本体
に保持され、前記保持軸昇降装置による前記部品保持軸
の各々の昇降と連動してそれぞれ自身の軸線に平行な方
向に移動させられて、各部品保持軸の前記ノズル保持部
への少なくとも負圧と大気圧との供給を切り換える少な
くとも一つずつの可動子を備えた複数の切換弁装置とを
備えた電子回路部品保持ヘッドであって、前記保持軸昇
降装置と前記切換弁装置とを、前記複数本の部品保持軸
から選ばれた1本とその1本に対応する前記少なくとも
一つの可動子とを作動させる第一モードと、前記複数本
の部品保持軸から選ばれた複数本とそれら複数本に対応
する複数の前記可動子とを作動させる第二モードとの少
なくとも2つのモードで制御する制御装置を含む電子回
路部品保持ヘッド。可動子は一つ設けてもよく、複数設
けてもよい。可動子を一つ設ける場合、その一つの可動
子によってノズル保持部への少なくとも負圧と大気圧と
の供給の切換えが行われる。この場合、例えば、前記特
開2000−294990公報に記載されているよう
に、可動子を、その軸方向の両側にそれぞれ設けられた
作用部材の各々によって正方向と逆方向とに移動させ、
少なくとも負圧と大気圧との供給の切換えを行わせれば
よい。可動子を複数設ける場合、前記 (2)項に記載され
ているように、複数の可動子の一つを可動弁子とし、別
の一つを戻し用可動子とするとともに、反転伝達装置を
設けてもよく、前記 (3)項に記載されているように、全
部を可動弁子としてもよい。後者の場合、それら可動弁
子の一方を戻し用可動子として機能させるとともに、反
転伝達装置を設けてもよく、あるいは、例えば、前記特
開2000−294990公報に記載されているよう
に、複数の可動弁子を、その軸方向の両側にそれぞれ設
けられた作用部材の各々によって正方向と逆方向とに移
動させるようにしてもよい。切換弁装置は、例えば、
(1)項ないし(13)項に記載の電子回路部品保持ヘッドの
切換弁装置と同様に構成してもよく、特開2000−2
94990公報に記載の電子回路部品保持ヘッドに本項
の発明を適用してもよいのである。本項の電子回路部品
保持ヘッドにおいては、保持軸昇降装置および切換弁装
置が第一モードで作用させられる場合には、複数の部品
保持軸のうちの1本およびそれに対応する可動子が移動
させられて電子回路部品が保持され、第二モードで作用
させられる場合には、複数の部品保持軸およびそれらに
対応する可動子が同時に作動させられて、複数の電子回
路部品が同時に保持され、保持が能率良く行われる。
【0020】(15)前記ヘッド本体が、一軸線まわり
に回転する回転体であり、前記部品保持軸がその外周部
に複数本配設され、それら複数本の部品保持軸の各々に
対して前記少なくとも一つずつの可動子が設けられた(1
4)項に記載の電子回路部品保持ヘッド。本項は、例え
ば、(9)項と同様に説明される。
【0021】(16)前記保持軸昇降装置が前記複数本
の部品保持軸に共通の昇降用作用部材を、前記複数の切
換弁装置が前記少なくとも一つずつの可動子に共通の切
換用作用部材をそれぞれ備え、かつ、それら昇降用作用
部材と切換用作用部材とが一体的に構成された(15)項に
記載の電子回路部品保持ヘッド。本項によれば、昇降用
作用部材および切換用作用部材が一つで済むとともに、
一体的に構成されるため、電子回路部品保持ヘッドを簡
易に構成することができる。 (17)前記一体的な昇降用作用部材および切換用作用
部材を、前記複数の部品保持軸のうちの任意の少なくと
も1本とその任意の部品保持軸に対応する前記少なくと
も一つずつの可動子とに作用可能な作用位置へ回転させ
る作用部材回転装置を含む(16)項に記載の電子回路部品
保持ヘッド。本項によれば、例えば、(10)項に記載の作
用および効果が得られる。 (18)前記制御装置が、前記作用部材回転装置を制御
することにより、前記一体的な昇降用作用部材および切
換用作用部材を前記第一モード用の作用位置と前記第二
モード用の作用位置とに選択的に回転させる作用部材回
転装置制御部を含む(17)項に記載の電子回路部品保持ヘ
ッド。換言すれば、一体的な昇降用作用部材および切換
用作用部材は、複数本の部品保持軸から選ばれた1本と
その1本に対応する前記少なくとも一つずつの可動子と
にのみ作用する状態と、複数本の部品保持軸から選ばれ
た複数本とそれら複数本に対応する複数の前記可動子と
に作用する状態とを取り得る形状を備えているのであ
る。本項によれば、比較的簡単な機構で複数の電子回路
部品の同時吸着を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態である電子回
路部品保持ヘッドを備えた電子回路部品装着システムの
一例を、図面に基づいて説明する。
【0023】本電子回路部品装着システム10は、図1
から明らかなように、ベッド12上に、基板コンベヤと
しての配線板コンベヤ14,2つの部品供給装置16お
よび部品装着装置18が設けられたものである。配線板
コンベヤ14は、回路基板の一種であるプリント配線板
20をX軸方向に平行な一直線に沿って搬入し、予め定
められた部品装着位置に停止させ、後に前記一直線に沿
って搬出する基板搬送装置である。配線板コンベヤ14
は、上記部品装着位置においてプリント配線板20を下
方から支持するとともに、移動を防止する配線板保持装
置22を備えている。
【0024】各部品供給装置16は、複数のフィーダ2
4を、各部品供給部が前記X軸に平行な方向に並ぶ状態
で保持するフィーダ保持台26を備えている。フィーダ
24は、一種類の電子回路部品を多数収容し、それら電
子回路部品を1個ずつ、予め定められた部品供給部へ送
る送り機構を備えたものであればいかなる形式のもので
も使用可能である。本実施形態においては、フィーダ保
持台26により保持される複数のフィーダ24の幅は、
例えば、供給する電子回路部品の寸法に応じて複数種類
に異ならされている。複数種類のフィーダは種類毎に複
数ずつあり、同じ種類のフィーダ24はまとめてフィー
ダ保持台26に保持されている。この際、例えば、フィ
ーダ保持台26の中央に、電子回路部品の供給数が最も
多い複数のフィーダ24が配設される。本実施形態にお
いてはフィーダ保持台26に多数のフィーダ保持部がX
軸方向に並んで設けられ、フィーダ24が保持されるよ
うにされているが、それら多数のフィーダ保持部は、幅
が最小のフィーダ24をフィーダ保持台26に取り付け
ることができるピッチで等間隔に設けられており、幅が
最小のフィーダ24より大きいフィーダ24は、幅が最
小のフィーダ24の保持ピッチであるより最小保持ピッ
チより大きいピッチであって、最小保持ピッチの整数倍
のピッチでフィーダ保持台26により保持される。
【0025】部品装着装置18は、XYロボット28お
よび電子回路部品保持ヘッド30を備えている。XYロ
ボット28は、Y軸スライド32およびX軸スライド3
4を備えている。Y軸スライド32は、X軸に平行な方
向に延びており、ベッド12に支柱36を介して支持さ
れたフレーム38(位置のみを二点鎖線で示す)に固定
の図2に示す一対の案内レール40により、X軸と直交
するY軸に平行な方向に案内され、一対ずつのY軸モー
タ42および送りねじ44を含むY軸駆動装置46によ
り移動させられる。X軸スライド34は、Y軸スライド
32に固定の案内レール50に案内され、X軸モータ5
2および送りねじ54を含むX軸駆動装置56によりX
軸に平行な方向に移動させられる。Y軸モータ42およ
びX軸モータ52は共に回転角度の正確な制御が可能な
電動モータ、例えばサーボモータにより構成され、した
がって、X軸スライド34は上記X軸およびY軸により
規定されるXY座標面上の任意の位置に移動可能であ
る。
【0026】上記電子回路部品保持ヘッド(以後、保持
ヘッドと略称する)30は、図2に概略的に示すよう
に、XYロボット28のX軸スライド34に取り付けら
れており、XY座標面上の任意の位置へ移動可能であ
る。図3ないし図5に基づいて保持ヘッド30を詳細に
説明する。X軸スライド34に設けられた支持部60に
は、保持ヘッド30のヘッド本体としての回転体62が
ベアリング64により一軸線、本実施形態においては垂
直軸線まわりに回転可能に保持されており、回転体62
には、複数本、本実施形態においては8本の部品保持軸
66が、回転体62の外周部であって、その回転軸線を
中心とする一円周上に等角度間隔に配設されている。
【0027】回転体62内には、8個の軸孔68が垂直
にかつ上記一円周上に等角度間隔に設けられ、これら軸
孔68にそれぞれ部品保持軸66が、軸方向に昇降可能
かつ相対回転不能に嵌合され、保持されている。部品保
持軸66には、図5に示すように、その外周面に開口
し、軸方向に延びる溝70が設けられ、溝70に、回転
体62に設けられた係合突部72が嵌入させられてお
り、それにより部品保持軸66の回転体62に対する軸
方向の移動が許容されつつ、相対回転が阻止されてい
る。係合突部72は、本実施形態では、回転体62に保
持された係合部材ないし回転阻止部材としてのピンの先
端部により構成されている。これら8本の部品保持軸6
6はそれぞれ、その上端部に設けられた被当接部74
と、回転体62との間に配設された付勢手段の一種であ
る弾性部材としての圧縮コイルスプリング(以後、スプ
リングと略称する)76により、回転体62から上方へ
突出する向きであって、上昇位置に向かって付勢されて
いる。
【0028】8本の部品保持軸66は、それぞれ、その
回転体62から下方へ突出させられた下端部に、軸孔6
8に嵌合される部分より大径のノズル保持部80を備
え、吸着ノズル82を着脱可能に保持している。吸着ノ
ズル82は、ノズル本体84と吸着管86とを備え、ノ
ズル本体84においてノズル保持部80に設けられた嵌
合穴87に軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌
合されるとともに、付勢手段の一種である弾性部材とし
ての圧縮コイルスプリング(以後、スプリングと略称す
る)88により、ノズル保持部80から下方へ突出する
向きに付勢されている。前記スプリング76による部品
保持軸66の移動限度は、ノズル保持部80が回転体6
2の下面に当接することにより規定される。この位置が
部品保持軸66の上昇位置である。
【0029】8本の部品保持軸66のうち、隣接する2
本の部品保持軸66の各軸線間の直線距離は、本実施形
態においては、部品供給装置16のフィーダ保持台26
によるフィーダ24の最小保持ピッチより大きく、最小
保持ピッチの整数倍とされている。前述のように、部品
供給装置16は複数種類のフィーダ24を複数ずつ備え
ており、フィーダ保持台26に、最小保持ピッチの整数
倍のピッチで保持されるが、隣接する2本の部品保持軸
66の各軸線間の直線距離は、それら複数種類のフィー
ダ24のうちの少なくとも一つの種類のフィーダ24
の、フィーダ保持台26に保持された状態において隣接
する2つのフィーダ24間のピッチと一致することもあ
れば、それより大きいこともあり、それより小さいこと
もある。
【0030】回転体62は、ヘッド本体移動装置として
の回転体回転装置90によって回転させられる。回転体
回転装置90は、図4に示すように、X軸スライド34
に保持された回転体回転用モータ92,回転体回転用モ
ータ92により回転させられるギヤ94,回転体62に
固定されるとともに、ギヤ94に噛み合わされたギヤ9
6を含み、回転体62は、垂直軸線である自身の軸線ま
わりに正逆両方向へ任意の角度回転させられる。それに
より、回転体62に保持された8本部品保持軸66は、
回転体62の回転軸線まわりに回転させられ、任意の回
転位置へ回転させられる。本実施形態においては、回転
体62および回転体回転装置90が、部品保持軸66を
一軸線まわりに旋回ないし回転させる保持軸移動装置と
しての旋回駆動装置ないし回転駆動装置を構成してい
る。
【0031】吸着ノズル82は、負圧の供給により電子
回路部品98(図5参照)を吸着し、負圧の供給が遮断
され、正圧が供給されて電子回路部品98を積極的に解
放するとともに大気に連通させられる。そのため、図3
に示すように、空気通路形成部材100により負圧,大
気圧および正圧が供給され、切換弁装置102によりノ
ズル保持部80への負圧と大気圧および正圧との供給の
切換えが行われる。
【0032】空気通路形成部材100は、製造の都合
上、直径が異なる2個の円筒状部材が互いに同心にかつ
一体的に組み付けられて成り、組付け後は一体の空気通
路形成部材100として機能する。空気通路形成部材1
00の下端部は、回転体62内に同心に嵌合されるとと
もに固定され、上端部は、X軸スライド34に設けられ
た支持部106にベアリング108を介して相対回転可
能に支持されており、空気形成部材100は回転体62
と共に回転させられる。
【0033】空気通路形成部材100内には、その軸線
上に設けられ、垂直に延びる大気供給通路110および
大気供給通路110より大径の円環状の負圧供給通路1
12が同心に設けられている。これら通路110,11
2は、互いに気密を保持されている。
【0034】空気通路形成部材100の支持部106か
ら上方へ突出させられた上端部には、継手部材120が
相対回転可能に嵌合されている。継手部材120はX軸
スライド34に固定されて保持されており、大気供給通
路110は、継手部材120に設けられたポート122
および電磁方向切換弁124を経て、正圧源126、例
えば、エアポンプと大気とに接続され、負圧供給通路1
12は、継手部材120に設けられたポート130にお
いて負圧源132、例えば、バキュームポンプに接続さ
れている。大気供給通路110は、電磁方向切換弁12
4の切換えにより、正圧源126と大気とに選択的に連
通させられる。大気供給通路110は正圧供給通路でも
あるのである。なお、通路110,112および継手部
材120は、空気通路形成部材100が回転させられて
も、通路110,112とポート122,130との各
連通が保たれるように設けられている。
【0035】切換弁装置102を説明する。切換弁装置
102は、8本の部品保持軸66の各々について設けら
れている。これら8つの切換弁装置102の構成は同じ
であり、一つを代表的に説明する。切換弁装置102
は、図5に示すように、部品保持軸66に対して設けら
れた第一可動子としての可動弁子140および第二可動
子としての戻し用可動子142と、それら可動弁子14
0と戻し用可動子142との間に設けられた反転伝達装
置144と、可動弁子140と戻し用可動子142との
一方ずつを選択的に移動させる切換操作装置146とを
含む。
【0036】可動弁子140および戻し用可動子142
はそれぞれ、回転体62に設けられた嵌合穴150,1
52に、回転体62の回転軸線に平行であって、互いに
平行にかつ自身の軸線に平行な方向に移動可能に嵌合さ
れ、保持されている。可動弁子140には、その軸線上
を通り、下面と外周面とに開口する軸方向通路154
と、外周面に開口する円環状通路156とが形成されて
おり、可動弁子140は、それぞれ回転体62内に形成
された負圧通路158を閉じ、大気圧通路160を開い
て前記ノズル保持部80を大気圧通路160に連通させ
る第一位置と、大気圧通路160を閉じ、負圧通路15
8を開いてノズル保持部80を負圧通路158に連通さ
せ、負圧が供給される第二位置とに移動させられる。
【0037】負圧通路158は、一端部が前記負圧供給
通路112に連通させられ、他端部が前記軸孔68に開
口させられるとともに、その途中において嵌合穴150
と交差させられて可動弁子140が嵌合された嵌合穴1
50が負圧通路158の一部を構成している。負圧通路
158の嵌合穴150よりノズル保持部80側の部分に
フィルタ162が気密を保って設けられている。なお、
負圧通路158の、負圧供給通路112に連通させられ
た端部と嵌合穴150との間の部分は、軸孔68とは交
差せず、軸孔68から外れて設けられている。また、図
示を簡単にするために、図5等においては、負圧通路1
58は、その加工のために設けられる部分については図
示は省略されている。大気圧通路160についても同じ
である。
【0038】大気圧通路160は、一端が前記大気供給
通路110に連通させられ、他端が前記軸孔68に開口
させられるとともに、その途中において可動弁子140
が嵌合された嵌合穴150と交差して設けられている。
大気圧通路160の、大気供給通路110に連通させら
れた部分と、嵌合穴150と交差する部分との間の部分
は、軸孔68とは交差せず、軸孔68から外れて設けら
れ、大気供給通路110の嵌合穴150と交差する部分
と軸孔68に開口させられた他端との間の部分は、嵌合
穴150と交差せず、嵌合穴150から外れて設けられ
ている。前述のように、大気供給通路110は、電磁方
向切換弁124の切換えにより正圧源126と大気とに
選択的に連通させられるため、大気圧通路160には正
圧と大気圧とが選択的に供給され、大気圧通路160は
正圧通路でもある。
【0039】前記部品保持軸66には、その外周面に開
口する円環状通路170が設けられるとともに、円環状
通路170は部品保持軸66内に設けられた軸方向通路
172によってノズル保持部80に接続され、吸着ノズ
ル82に接続されている。円環状通路170は、部品保
持軸66が図5に示すように上昇位置にあっても、図1
1に示すように下降位置にあっても、負圧通路158が
円環状通と170に連通する状態に保たれるが、上昇位
置に位置する状態では大気圧通路160を遮断し、下降
位置に位置する状態では大気圧通路160が円環状通路
170に連通する状態となる長さおよび位置に設けられ
ており、後述するように、可動弁子140の昇降により
ノズル保持部80への負圧と大気圧と正圧との供給が切
り換えられるとともに、部品保持軸66によりノズル保
持部80への大気圧および正圧の供給が許容,遮断され
る。可動弁子140は、ノズル保持部80を正圧源12
6,負圧源132および大気に選択的に連通させる方向
切換弁を構成し、部品保持軸66は、大気圧通路160
を開閉する開閉弁を構成していると考えることができ
る。
【0040】なお、嵌合穴150,152は寸法精度高
く形成されており、可動弁子140および戻し用可動子
142は、嵌合穴150,152の内周面との間の摩擦
力により、軸方向において任意の位置に保持される。本
実施形態においては、嵌合穴150,152を寸法精度
高く形成し、摩擦力によって可動弁子140および戻し
用可動子142の軸方向の位置が任意の位置に保たれる
ようにした構成が可動子保持手段を構成している。
【0041】反転伝達装置144を説明する。反転伝達
装置144は、本実施形態においては、対をなすラック
部180,182と、それらラック部182と噛み合う
ピニオン184とを含んでいる。ラック部180,18
2はそれぞれ、可動弁子140と戻し用可動子142と
に一体的に、かつ可動弁子140および戻し用可動子1
42の軸方向に平行に設けられている。ピニオン184
は、回転体62の、対をなすラック部180,182の
間に位置する部分により軸線まわりに回転可能かつ半径
方向に移動不能に保持されている。本実施形態において
は、ピニオン184は、回転体62に、可動弁子140
と戻し用可動子142との各軸線を含む一平面である垂
直面に直角に嵌合された支持軸186により、それら軸
線の中間位置を通るとともに、それら軸線と直角に立体
交差し、上記垂直面に直角であって水平な軸線まわりに
回転可能かつ半径方向に移動不能に保持されている。
【0042】なお、回転体62のピニオン184が配設
される部分は、加工の都合上、複数に割って設けてもよ
いが、図5等においては、複数のヘッド本体構成部材が
組み合わされた状態が図示されている。
【0043】切換操作装置146を説明する。切換操作
装置146は、図3に示すように、可動子作用部材ない
し切換用作用部材としての押下部材200を備えてい
る。押下部材200は、前記空気通路形成部材100
に、昇降可能かつ回転体62の回転軸線まわりに回転可
能に設けられており、可動子作用部材昇降装置としての
押下部材昇降装置202により昇降させられ、可動子作
用部材回転装置としての押下部材回転装置204により
回転させられる。
【0044】空気通路形成部材100には、図3に示す
ように、スリーブ210が昇降可能かつ相対回転可能に
嵌合されるとともに、スリーブ210の外側にベアリン
グ212を介してギヤ214が回転可能に保持されてお
り、ギヤ214の下面に押下部材200が設けられてい
る。ギヤ214は、図6に示すように、前記X軸スライ
ド34に設けられた支持部216に支持された押下部材
回転用モータ218の出力軸に固定のギヤ220と噛み
合わされており、ギヤ214が回転させられることによ
り、押下部材200が回転体62の回転軸線まわりに回
転させられる。押下部材回転用モータ218,ギヤ20
0,214が押下部材回転装置204を構成している。
【0045】スリーブ210には、図3に示すように、
X軸スライド34に昇降可能に支持された昇降部材23
0が軸方向に相対移動不能かつ相対回転不能に係合させ
られている。昇降部材230の上端部には、被駆動部材
が一体的に設けられている。被駆動部材は、本実施形態
では、水平方向に延びる長穴234を備え、係合部材の
一種である回転係合部材たるローラ236が水平軸線ま
わりに回転可能に嵌合されている。ローラ236は、X
軸スライド34に設けられた昇降用モータ238により
回転させられる回転体240に偏心して設けられてい
る。
【0046】したがって、回転体240が回転させられ
れば、ローラ236が回転体240の回転軸線まわりに
旋回させられ、被駆動部材および昇降部材230が案内
ブロック242および案内レール244を含む案内装置
により案内されて昇降させられる。それによりスリーブ
210が昇降させられ、ギヤ214および押下部材20
0が昇降させられる。スリーブ210の昇降は、空気通
路形成部材100により案内される。上記被駆動部材,
ローラ236および昇降用モータ238等が押下部材昇
降装置202を構成している。なお、前記ギヤ220
は、図6に示すように、ギヤ214より長く、ギヤ21
4が昇降させられても、噛み合いが外れない長さとされ
ている。また、スリーブ210は、昇降部材230によ
り、昇降部材230に対しては相対回転不能に保持され
ており、空気通路形成部材100に対して、ひいては回
転体62に対しては相対回転可能である。
【0047】前記押下部材200は、可動弁子140と
戻し用可動子142との一方に選択的に作用するととも
に、部品保持軸66に作用するように構成されている。
押下部材200の一部が部品保持軸66に作用する保持
軸作用部材ないし昇降用作用部材として機能するように
構成されており、本実施形態においては、保持軸作用部
材ないし昇降用作用部材と可動子作用部材ないし切換用
作用部材とが一体的に構成されている。さらに、本実施
形態においては、一体的な保持軸作用部材および可動子
作用部材である押下部材200は、8本の部品保持軸6
6から選ばれた1本と、その1本に対応する可動弁子1
40および戻し用可動子142とにのみ作用する状態
と、8本の部品保持軸66から選ばれた複数本、例え
ば、2本と、それら2本の部品保持軸66に対応する可
動弁子140および戻し用可動子142に作用する状態
とを取り得る形状を備えている。
【0048】具体的には、図7および図8に示すよう
に、押下部材200は、保持軸作用部250と、2つず
つの可動子作用部252および切欠部254を備えてい
る。保持軸作用部250は、8本の部品保持軸66のう
ちの一つのみの被当接部74に当接することも、隣接す
る2本の部品保持軸66の各被当接部74に同時に当接
して作用することも可能な形状を有する。2つの可動子
作用部252は、図7に示すように、一方が、8本のう
ちの1本の部品保持軸66に対応して設けられた可動弁
子140に当接して作用し、他方がいずれの可動弁子1
40および戻し用可動子142にも当接しない状態と、
他方の可動子作用部252が、上記1本の部品保持軸6
6に対応して設けられた戻し用可動子142に当接して
作用し、一方の可動子作用部252がいずれの可動弁子
140および戻し用作用部142にも当接しない状態
と、図8に示すように、2つの可動子作用部252がそ
れぞれ、隣接する2本の部品保持軸66の各々に対応し
て設けられた可動弁子140に同時に当接し、作用する
状態とを取り得る形状を有し、押下部材200は可動弁
子140と戻し用可動子142とに選択的に作用する。
2つの切欠部254は、図7および図8に示すように、
上記のように2つの可動子作用部252の少なくとも一
つが可動弁子140あるいは戻し用可動子142に当接
する際に、押下部材200のその他の部分が可動弁子1
40および戻し用可動子142と干渉することが回避さ
れる形状とされている。なお、図7および図8において
は、可動弁子140が「吸」で表され、戻し用可動子が
「装」で表されている。後述するように、押下部材20
0が電子回路部品98の吸着時に可動弁子140に作用
し、装着時に戻し用可動子142に作用するからであ
る。
【0049】したがって、押下部材200が押下部材昇
降装置202により下降させられれば、押下部材200
は可動弁子140と戻し用可動子142とに選択的に係
合し、下降させるとともに、部品保持軸66に係合し、
スプリング76の付勢力に抗して下降させる。押下部材
200が押下部材昇降装置202により上昇させられれ
れば、部品保持軸66はスプリング76の付勢により、
押下部材200に追従して上昇させられる。本実施形態
においては、押下部材200および押下部材昇降装置2
02が保持軸下降装置を構成し、スプリング76と共
に、部品保持軸66を昇降させる保持軸昇降装置260
を構成している。また、押下部材200,押下部材昇降
装置202および押下部材回転装置204が切換操作装
置146を構成し、保持軸下降装置が切換操作装置14
6を兼ねている。本実施形態においては、押下部材昇降
装置202および押下部材回転装置204の駆動源を構
成する昇降用モータ238および押下部材回転用モータ
218はサーボモータにより構成されており、押下部材
200を任意の時期に任意の回転位置へ回転させて任意
の部品保持軸66,可動弁子140,戻し用可動子14
2に作用させ、任意の位置へ下降させることができる。
【0050】押下部材200は、押下部材回転装置20
4によって回転させられ、回転体62の回転軸線まわり
の任意の位置へ移動させられる。それにより、保持軸作
用部材および可動子作用部材が一体的に構成された押下
部材200は、8本の部品保持軸66のうちの任意の1
本または2本と、その任意の部品保持軸66に対応する
1対の可動弁子140および戻し用可動子142とに作
用可能な作用位置へ回転させられるとともに、その位置
において押下部材昇降装置202によって昇降させら
れ、部品保持軸66と、可動弁子140あるいは戻し用
可動子142とに作用させられる。押下部材回転装置2
04は保持軸作用部材回転装置でもあり、本実施形態に
おいては、押下部材200により構成される昇降用作用
部材および保持軸昇降装置260は、8本の部品保持軸
66に共通であり、切換操作装置146は8つの切換弁
装置102に共通であり、押下部材200により構成さ
れる切換用操作部材は、可動弁子140および戻し用可
動子142に共通であり、8つの切換弁装置102に共
通である。
【0051】本電子回路部品装着機の制御装置300を
図9に示す。制御装置300はコンピュータ302を主
体とするものであり、コンピュータ302はPU(プロ
セッシングユニット)304,ROM306,RAM3
08および入・出力ポート310およびバスライン31
2を含む。入・出力ポート310には、それぞれ駆動回
路320を介して前記Y軸モータ42等、各種アクチュ
エータが接続されており、これらがコンピュータ302
により制御されることによって、電子回路部品装着シス
テム10が自動で作動する。回転体回転用モータ92等
はいずれも、Y軸モータ42等と同様に、回転角度の正
確な制御が可能な電動モータ、例えばサーボモータによ
り構成される。
【0052】入・出力ポート310にはさらに、基準マ
ークカメラ330および部品カメラ332により取得さ
れた画像データの処理を行う画像処理コンピュータ33
4およびエンコーダ340等、各種センサおよびコンピ
ュータ等も接続されている。基準マークカメラ330お
よび部品カメラ332は、前記X軸スライド34に設け
られており、保持ヘッド30と共に移動させられる。ま
た、上記Y軸モータ42等のサーボモータの回転角度
は、回転角度検出装置としてのエンコーダにより検出さ
れ、その検出結果に基づいてY軸モータ42等が制御さ
れる。図9には、Y軸モータ42に設けられたエンコー
ダ340を代表的に示す。さらに、RAM308には、
プリント配線板20に電子回路部品98を装着するため
のプログラム等、種々のプログラムおよびデータが記憶
されている。
【0053】次に作動を説明する。本電子回路部品装着
システム10において保持ヘッド30は、部品供給装置
16から電子回路部品98を受け取ってプリント配線板
20に装着する。電子回路部品98の吸着時には、保持
軸昇降装置260と切換弁装置102とが制御装置30
0により、8本の部品保持軸66から選ばれた1本と、
その1本に対応する可動弁子140,戻し用可動子14
2を作動させる第一モードと、8本の部品保持軸66か
ら選ばれた複数本、本実施形態においては2本と、それ
ら2本に対応する可動弁子140,戻し用可動子142
を作動させる第二モードとの2つのモードで制御され、
装着時には、保持軸昇降装置260と切換弁装置102
とが制御装置300により制御され、8本の部品保持軸
66から選ばれた1本と、その1本に対応する可動弁子
140,戻し用可動子142を作動させる。
【0054】プリント配線板20に電子回路部品98を
装着する場合には、保持ヘッド30はXYロボット28
により、2つの部品供給装置16のうちの一方へ移動さ
せられ、回転体62の回転により順次部品保持位置ない
し部品吸着位置へ移動させられて電子回路部品98を吸
着する。保持ヘッド30においては、原則として、8本
の部品保持軸66の全部が電子回路部品98を受け取
り、その後、プリント配線板20へ移動して電子回路部
品98を装着する。部品吸着位置は、本実施形態では、
部品保持軸66の回転軌跡上において予め1つの位置に
設定されている。
【0055】保持ヘッド30が部品供給装置16から電
子回路部品98を受け取る際、8本の部品保持軸66の
うち隣接する2本の部品保持軸66が同時に電子回路部
品98の保持を行うことができる2つの電子回路部品9
8の吸着時には、保持軸昇降装置260および切換弁装
置102が制御装置300により第二モードで制御さ
れ、1本の部品保持軸66しか電子回路部品98を保持
することができないときには、保持軸昇降装置260お
よび切換弁装置102が第一モードで制御される。部品
保持軸66が1本で電子回路部品98を保持するか、2
本同時に電子回路部品98を保持するかは、保持ヘッド
30が部品供給装置16から電子回路部品98を取り出
す際に、取り出す電子回路部品98の種類や電子回路部
品98を供給するフィーダ24の位置等に応じて設定さ
れる。したがって、8本の部品保持軸66のうちの一部
が1本ずつ単独で電子回路部品98を保持し、別の一部
がは2本ずつ同時に電子回路部品98を保持するのに限
らず、場合によっては8本の部品保持軸66の全部が1
本ずつで電子回路部品98を保持することもあり、8本
部品保持軸66の全部が2本ずつで電子回路部品98を
保持することもある。
【0056】前述のように、隣接する2本の部品保持軸
66の各軸線間の直線距離は、本実施形態においては、
部品供給装置16のフィーダ保持台26におけるフィー
ダ24の最小保持ピッチの整数倍であって、最小保持ピ
ッチより大きくされている。そのため、保持ヘッド30
により部品供給装置16から取り出される電子回路部品
98のうち、電子回路部品98を保持するフィーダ24
の部品供給部間の距離が、隣接する2本の部品保持軸6
6の軸線間の直線距離と一致する2つのフィーダ24に
ついては、2本の部品保持軸66によってフィーダ24
から同時に取り出すことができる。これら2つのフィー
ダ24は、隣接するフィーダ24であることもあり、隣
接しないフィーダ24であることもあり、種類が同じで
あってもよく、異なっていてもよい。部品供給部間の距
離が、隣接する2本の部品保持軸66の軸線間の距離と
一致する組合わせが得られない電子回路部品98につい
ては、1本の部品保持軸66が電子回路部品98を取り
出す。例えば、隣接する2つのフィーダ24の各部品供
給部間の距離が、隣接する2本の部品保持軸66の各軸
線間の距離より大きいフィーダ24については、1本の
部品保持軸66により電子回路部品98が取り出され
る。
【0057】保持軸昇降装置260および切換弁装置1
02が第一モードで作動させられる場合を説明する。電
子回路部品98の吸着開始前には、図5に示すように、
8本の部品保持軸66はいずれも上昇位置に位置し、8
本の部品保持軸66にそれぞれ対応する可動弁子140
は第一位置に位置し、戻し用可動子142は可動弁子1
40を第一位置に位置させる位置であり、可動弁子14
0より下方の位置であって、可動弁子140を第一位置
に戻した戻し位置に位置する。そのため、負圧通路15
8は可動弁子140により閉じられ、大気圧通路160
は可動弁子140により開かれるが部品保持軸66によ
り閉じられ、ノズル保持部80は負圧供給通路158お
よび大気圧通路160のいずれからも遮断されている。
【0058】電子回路部品98の吸着時には、部品保持
軸66は、回転体62の回転により部品吸着位置へ回転
させられる。第一モードにおける部品吸着位置は、本実
施形態においては、部品保持軸66の回転軌跡上の1箇
所に設定されており、例えば、回転体62の回転軸線を
通り、Y軸に平行な一直線上に設定されている。また、
押下部材200は押下部材回転装置204により回転さ
せられ、図7(a)に示すように、吸着時作用位置へ回転
させられる。第一モード用の吸着時作用位置は、本実施
形態では、保持軸作用部250が、部品吸着位置へ移動
させられた部品保持軸66に対応する位置であって、被
当接部74の僅かに上方に位置するとともに、2つの可
動子作用部252の一方が、部品吸着位置に位置決めさ
れた部品保持軸66に対応する可動弁子140の上方に
位置し、他方が可動弁子140,戻し用可動子142の
いずれからも外れ、2つの切欠部254において戻し用
可動子142との干渉が回避される位置である。
【0059】保持ヘッド30は、部品保持軸66が回転
により部品吸着位置へ移動させられるとともに、XYロ
ボット28により電子回路部品98を供給するフィーダ
24の部品供給部上へ移動させられ、その後、押下部材
200が押下部材昇降装置202により下降させられ
る。それにより、図10(a)に示すように、押下部材2
00が部品保持軸66に当接により係合し、スプリング
76の付勢力に抗して下降させ、電子回路部品98に接
近する向きに移動させる。部品保持軸66は、図10
(b)に示すように、吸着管86が電子回路部品98に当
接した状態から更に、図11に示すように小距離下降さ
せられ、吸着ノズル82が確実に電子回路部品98に当
接させられる。この際、部品保持軸66の余分な下降は
スプリング88の圧縮により許容される。
【0060】電子回路部品98の受取り時には、押下部
材200は下降端位置まで下降させられ、部品保持軸6
6が下降位置へ下降させられる。押下部材200は、押
下部材昇降装置202のローラ236が最も上に位置す
る状態において上昇端位置に位置し、部品保持軸66が
上昇位置に位置することを許容し、ローラ236が最も
下に位置する状態において下降端位置に位置し、押下部
材200を下降端位置へ移動させ、部品保持軸66を下
降位置へ移動させる。部品保持軸66は、押下部材20
0が下降端位置に到達する前に電子回路部品98に当接
し、その後、スプリング88の圧縮により押下部材20
0および部品保持軸66の下降が許容され、押下部材2
00が下降端位置に至り、部品保持軸66が下降位置に
到達する。
【0061】電子回路部品98は種類によって厚さ(高
さ)が異なることがあるが、本実施形態においては、厚
さが異なっても、電子回路部品98はその上面が同じ高
さに位置する状態で吸着ノズル82によって吸着される
ようにされており、電子回路部品98の厚さを問わず、
吸着ノズル82が電子回路部品98に当接する際の部品
保持軸66の上下方向の位置は同じであり、当接後の吸
着ノズル82と部品保持軸66との相対移動距離は同じ
であり、スプリング88の圧縮量が同じにされている。
【0062】このように押下部材200が下降させら
れ、部品保持軸66が下降させられるとき、可動弁子1
40も押下部材200によって下降させられる。可動子
作用部252と可動弁子140との間の距離は、図5に
示すように、保持軸作用部250と部品保持軸66との
間の距離より長くされているため、押下部材200の下
降開始当初は可動子作用部252は可動弁子140に当
接せず、図10に示すように、押下部材200の部品保
持軸66を下降させ、吸着ノズル82を電子回路部品9
8に接近させる移動(下降)に伴って可動子作用部25
2が可動弁子140に当接により係合し、可動弁子14
0を押し下げる。それにより、ラック部180が下降さ
せられるとともにピニオン184が回転させられ、ラッ
ク部182が上方へ移動させられて戻し用可動子142
が上昇させられる。反転伝達装置144により、可動弁
子140の軸方向の移動が、向きを反転させられて戻し
用可動子142に伝達されるのである。この際、押下部
材200と戻し用可動子142との干渉は、切欠部25
4において回避される。なお、図5,図10ないし図1
3においては、理解を容易にするために、部品保持軸6
6,可動弁子140,戻し用可動子142および反転伝
達装置144が、回転体62の回転軸線と直角な方向に
おいて並んで図示され、それに合わせて押下部材200
が図示されている。
【0063】可動弁子140が下降させられるのに伴っ
て、図10(b)に示すように、円環状通路156が大気
圧通路160から外れて大気圧通路160が閉じられる
とともに、可動弁子140内に設けられた軸方向通路1
54が負圧通路158に連通する状態となり、負圧通路
158が開かれ、負圧通路158,軸方向通路154,
フィルタ162,部品保持軸66に設けられた円環状通
路170,軸方向通路172等を経て、ノズル保持部8
0が負圧源132に連通させられ、負圧が供給されて吸
着ノズル82が電子回路部品98を吸着する。
【0064】なお、負圧源132は、電子回路部品装着
システム10の運転中は、常時、負圧を供給する状態に
ある。また、電磁方向切換弁124は、電子回路部品9
8の吸着時には、大気供給通路110を大気に連通させ
る位置に切り換えられており、図10(a)に示すよう
に、負圧通路158が開かれるとともに大気圧通路16
0が閉じられる直前の状態では、大気圧通路160がノ
ズル保持部80に連通させられているが、ノズル保持部
80は大気に開放されるのみであり、正圧の供給により
電子回路部品98が吹き飛ばされたりすることはなく、
その後、負圧が供給されて電子回路部品98を吸着す
る。押下部材200が下降端位置へ到達し、部品保持軸
66が下降位置へ到達した状態では、可動弁子140は
第二位置へ移動し、戻し用可動子142は、可動弁子1
40を第二位置に移動させる位置であり、、可動弁子1
40より上方の上昇位置であって、可動弁子140を第
一位置へ戻すための戻し準備位置に位置させられる。可
動弁子140および戻し用可動子142は、部品保持軸
66の昇降と連動して昇降させられ、ノズル保持部80
への負圧と大気圧との供給の切換えが行われるのであ
る。
【0065】吸着ノズル82が電子回路部品98を吸着
した後、押下部材200が押下部材昇降装置202によ
り上昇端位置へ上昇させられる。この際、昇降用モータ
238は、押下部材200を下降させる場合と逆の方向
に回転させられる。吸着ノズル82による電子回路部品
98の受取り時には、回転体240が正逆両方向に回転
させられ、ローラ236が揺動運動させられるのであ
る。部品保持軸66はスプリング76の付勢により押下
部材200に追従して上昇させられ、図12(a)に示す
ように、上昇位置へ復帰させられる。押下部材200は
可動弁子140および戻し用可動子142から離間させ
られるが、可動弁子140および戻し用可動子142は
嵌合穴150,152の内周面との間の摩擦力により、
可動弁子140は第二位置に位置し、戻し用可動子14
2は上昇位置に位置する状態に保たれ、ピニオン184
は回転させられず、負圧通路158は開かれたままであ
り、ノズル保持部80は負圧通路158に連通させられ
た状態に保たれる。
【0066】押下部材200が上昇させられるとき、吸
着ノズル82のみが上昇させられるのであるが、部品保
持軸66に設けられた円環状通路170は軸方向に長
く、部品保持軸66が上昇位置にあっても下降位置にあ
っても円環状通路170は負圧通路158に連通した状
態に保たれ、ノズル保持部80は負圧通路158,継手
部材120等によって負圧源132に連通した状態に保
たれ、吸着ノズル82は電子回路部品98を保持し続け
る。
【0067】別の部品保持軸66が1本で電子回路部品
98を保持するとき、その部品保持軸66は回転体62
の回転により部品吸着位置へ移動させられる。また、そ
の部品保持軸66が異なるフィーダ24から電子回路部
品98を受け取るのであれば、保持ヘッド30がXYロ
ボット28により移動させられ、部品保持軸66が電子
回路部品98を供給するフィーダ24上へ移動させられ
る。押下部材200は、吸着時作用位置に位置させられ
たままであり、部品保持軸66が部品吸着位置へ到達す
る毎に下降させられ、部品保持軸66および可動弁子1
40に作用して吸着ノズル82に電子回路部品98を吸
着させる。
【0068】保持軸昇降装置260および切換弁装置1
02が第二モードで作動させられる場合を説明する。第
二モードによる電子回路部品98の吸着時における部品
吸着位置は、図8に示すように、隣接する2つの部品保
持軸66の各軸線を通る直線がX軸方向、すなわち部品
供給装置16の複数のフィーダ24の各部品供給部が並
ぶ方向に平行となる回転位置である。
【0069】保持ヘッド30においては、同時に電子回
路部品98を取り出す2本の部品保持軸66が、回転体
62の回転によって部品吸着位置に位置させられるとと
もに、XYロボット28により、電子回路部品98が取
り出される2つのフィーダ24上へ移動させられる。こ
の際、押下部材200は押下部材回転装置204によ
り、第二モードにおける吸着時作用位置ヘ回転させられ
る。この吸着時作用位置は、図8に示すように、保持軸
作用部250が同時に電子回路部品98を取り出す隣接
する2本の部品保持軸66の両方に対して、その僅かに
上方の位置に位置するとともに、2つの可動子作用部2
52が2本の部品保持軸66に対応してそれぞれ設けら
れた可動弁子140の上方に位置し、2つの切欠部25
4の一方において戻し用可動子142との干渉が回避さ
れる位置である。その状態で押下部材200が下降させ
られ、第一モードによる電子回路部品98の吸着時と同
様に部品保持軸66,可動弁子140が下降させられ
る。この際、保持軸作用部250が2本の部品保持軸6
6に同時に当接して下降させるとともに、2つの可動子
作用部252がそれぞれ同時に2本の可動弁子140に
当接して下降させ、2つの吸着ノズル82にそれぞれ負
圧が供給されて電子回路部品98を吸着する。2本の可
動弁子140の下降により、2本の戻し用可動子142
が上昇させられる。吸着後、押下部材200が上昇させ
られて2本の部品保持軸66がスプリング76の付勢に
より同時に上昇させられ、2つのフィーダ24からそれ
ぞれ電子回路部品98が取り出される。可動弁子140
および戻し用可動子142はそれぞれ、第二位置および
戻し準備位置に位置する状態に保たれる。
【0070】全部の部品保持軸66が電子回路部品98
を保持したならば、保持ヘッド30はXYロボット28
によってプリント配線板20へ移動させられ、プリント
配線板20の予め定められた部分である被装着位置に電
子回路部品98を装着する。
【0071】保持ヘッド30がプリント配線板20へ移
動させられ、電子回路部品98が搬送される際、部品保
持軸66は、図12(a)に示すように上昇位置にあり、
吸着ノズル82に吸着された電子回路部品98は、プリ
ント配線板20に既に電子回路部品98が装着されてい
ることがあっても、その電子回路部品98より上方に位
置し、衝突することなく搬送される。
【0072】8個の吸着ノズル82はそれぞれ、部品吸
着位置において電子回路部品98を吸着した後、プリン
ト配線板20への電子回路部品98の装着の前に部品姿
勢検出位置において部品カメラ332により撮像され、
その撮像データが画像処理されて電子回路部品98の保
持位置誤差が検出される。保持位置誤差、すなわち中心
位置誤差(プリント配線板20に平行な平面である水平
面内において直交する2方向における位置誤差)および
保持方位誤差のない正規の像データと比較され、中心位
置誤差ΔX,ΔYおよび保持方位誤差Δθが算出される
のである。部品姿勢検出位置は、回転体62の回転軸線
を中心とする部品保持軸66の回転軌跡上に設定され、
部品姿勢検出位置に部品カメラ332が設けられてお
り、電子回路部品98を保持した部品保持軸66は、部
品姿勢検出位置において停止させられて電子回路部品9
8が撮像される。また、プリント配線板20の水平位置
誤差ΔX′,ΔY′はプリント配線板20に設けられた
複数、例えば2個の基準マークを予め基準マークカメラ
330によって撮像することにより算出されている。
【0073】電子回路部品98の中心位置誤差ΔX,Δ
Yおよびプリント配線板20の水平位置誤差ΔX′,Δ
Y′は、保持ヘッド30の移動距離を修正することによ
り修正され、保持方位誤差Δθは回転体62を回転させ
ることにより修正される。部品保持軸66は回転体62
に相対回転不能に保持されており、回転体62を回転さ
せ、部品保持軸66を回転体62の回転軸線まわりに回
転させて吸着ノズル82の回転位置を任意に変えれば、
電子回路部品98の回転位相(軸線まわりの姿勢)を変
えることができるからである。また、電子回路部品98
の装着時の方位を吸着時の方位に対して変更するのであ
れば、やはり回転体62が回転させられる。電子回路部
品98がプリント配線板20に装着される際の方位は予
め設定されており、その方位に基づいて回転体62が回
転させられる。保持方位誤差Δθの修正および方位の変
更の両方を行うのであれば、回転体62の回転角度は、
保持方位誤差Δθが除去されるとともに、方位が変更さ
れる大きさとされる。
【0074】なお、上記のように、電子回路部品98の
保持方位誤差Δθを除去し、方位を変更するために回転
体62を回転させれば、それにより電子回路部品98の
中心位置に変化ΔX″,ΔY″が生ずる。この中心位置
変化ΔX″,ΔY″は、吸着ノズル82が電子回路部品
98を保持する際の中心位置誤差ΔX,ΔYおよびプリ
ント配線板20の水平位置誤差ΔX′,ΔY′と共に、
X軸スライド34のX軸,Y軸方向の移動距離を修正す
ることにより修正される。回転体62は、プリント配線
板20上の被装着位置への移動と並行して回転させら
れ、回転体62の回転とX軸スライド34の移動との組
み合わせにより、部品保持軸66は、電子回路部品98
が所定の方位で、プリント配線板20上の被装着位置に
対向する位置に位置決めされる。電子回路部品98の装
着は、互いに異なる複数の回転位置において行われ、複
数の部品保持軸66の装着時における回転位置は互いに
異なるのである。
【0075】回転体62が回転させられ、部品保持軸6
6が回転させられるのと並行して押下部材200が押下
部材回転装置204により回転させられ、装着時作用位
置へ回転させられる。装着時作用位置は、図7(b)に示
すように、保持軸作用部250が、次に装着されるべき
電子回路部品98を保持している部品保持軸66に対応
する位置に位置し、2つの可動子作用部252の一方
が、その部品保持軸66に対応する戻し用可動子142
に作用可能であり、他方の可動子作用部252は可動弁
子140および戻し用可動子142のいずれにも作用せ
ず、2つの切欠254において、押下部材200と可動
弁子140および隣接する部品保持軸66に対応する戻
し用可動子142との干渉が回避される位置である。上
記のように装着時における部品保持軸66の位置は一定
ではないが、押下部材回転装置204はサーボモータに
より構成された押下部材回転用モータ218を駆動源と
して構成されており、押下部材200は、電子回路部品
98を装着する部品保持軸66がいずれの回転位置へ回
転させられても、その部品保持軸66および戻し用可動
子142に対応する回転位置へ回転により移動させら
れ、それらに作用することができる。
【0076】電子回路部品98を保持して部品保持軸6
6がプリント配線板20の被装着位置上へ移動させら
れ、押下部材200が装着時作用位置へ回転させられた
後、押下部材200が下降させられる。この際、まず、
図12(b)に示すように、保持軸作用部250が部品保
持軸66に当接し、スプリング76の付勢力に抗して下
降させて配線板保持装置22に接近させ、図13(a)に
示すように、電子回路部品98をプリント配線板20上
に載置する。押下部材200は、電子回路部品98がプ
リント配線板20に当接した状態から更に小距離下降さ
せられ、電子回路部品98がプリント配線板20上に確
実に載置される。部品保持軸66の余分な下降距離はス
プリング88の圧縮により吸収される。
【0077】本実施形態においては、電子回路部品98
が装着される際のプリント配線板20の表面の高さおよ
び電子回路部品98がプリント配線板20に当接した後
の部品保持軸66の下降距離、すなわちスプリング88
の圧縮量は、電子回路部品98の厚さに関係なく一定と
され、電子回路部品98をプリント配線板20に押し付
ける押付力は一定とされている。そのため、電子回路部
品98の厚さによって部品保持軸66の下降距離および
下降位置が異ならされ、電子回路部品98が厚いほど部
品保持軸66の下降距離が短く、装着時の下降位置が高
くなる。
【0078】電子回路部品98の装着時には、押下部材
200の下降距離は、電子回路部品98の厚さに応じて
予め設定されており、押下部材200は設定距離下降さ
せられた状態で停止させられる。そのため、押下部材2
00の停止時におけるローラ236の回転位置は部品保
持軸66に応じて異なるが、部品保持軸66が下降させ
られ、電子回路部品98がプリント配線板20に当接さ
せられる際、部品保持軸66の下降速度は、ほぼ0に減
速される。部品保持軸66の下降速度は、昇降用モータ
238の回転速度と、ローラ236と被駆動部材の長穴
234との係合位置とによって決まる。昇降用モータ2
38はサーボモータにより構成されており、部品保持軸
66の下降位置がいずれであっても、下降速度がほぼ0
に減速された状態で電子回路部品98がプリント配線板
20に当接するように昇降用モータ238の回転速度が
制御され、電子回路部品98が損傷等を生ずることな
く、プリント配線板20に装着される。
【0079】このように電子回路部品98がプリント配
線板20に載置されるとき、切換弁装置102により、
ノズル保持部80への負圧の供給が遮断され、大気に開
放されるとともに、正圧が供給されるようにされる。図
12(a)に示すように、保持軸作用部250と部品保持
軸66との間の距離よりも、可動子作用部252と戻し
用可動子142との間の距離の方が大きく、押下部材2
00の下降開始当初は可動子作用部252は戻し用可動
子142に当接しない。そして、図12(b)に示すよう
に、押下部材200の吸着ノズル82を配線板保持装置
22に接近させる移動に伴って可動子作用部252が戻
し用可動子142に当接により係合し、戻し用可動子1
42を押し下げて下降させる。
【0080】戻し用可動子142が下降させられ、ラッ
ク部182が下降させられれば、ピニオン184が回転
させられ、図12(b)に示すように、ラック部180が
上昇させられて可動弁子140が上昇させられ、第一位
置へ戻される。それにより、図13(a)に示すように、
可動弁子140内に設けられた軸方向通路154が負圧
通路158から外れて負圧通路158が閉じられ、ノズ
ル保持部80への負圧の供給が断たれる。それと共に大
気圧通路160が、可動弁子140に設けられた円環状
通路156に連通する状態となり、大気圧通路160が
開かれ、ノズル保持部80が大気圧通路160に連通さ
せられて大気に解放される。
【0081】前述のように、電子回路部品98の厚さに
応じて押下部材200の下降距離が異なるため、可動弁
子140の第一位置ないし上昇位置および戻し用可動子
142の下降位置ないし戻し位置は、電子回路部品98
の種類によって異なるが、可動弁子140の円環状通路
156は軸方向に長くされている。そのため、図13
(a)に示すように、電子回路部品98の厚さが大きく、
可動弁子140の第一位置が低くても、図13(b)に示
すように、電子回路部品98の厚さが小さく、可動弁子
140の第一位置が高くても、ノズル保持部80が大気
圧通路160に連通させられた状態が得られる。また、
円環状通路170も軸方向に長く、部品保持軸66の下
降位置如何によらず、ノズル保持部80を大気圧通路1
60に連通させた状態に保つ。
【0082】ノズル保持部80が大気圧通路160に連
通させられた状態において電磁方向切換弁124が、大
気圧通路160を正圧源126に連通させる状態に切り
換えられ、ノズル保持部80に正圧が供給される。ノズ
ル保持部80の負圧通路158との連通が遮断された後
も、回路内、すなわち負圧通路158の可動弁子140
より吸着ノズル82側の部分,軸方向通路172,嵌合
穴87および吸着ノズル82内等にはまだ負圧が残って
いるが、正圧の供給により回路内の圧力が短時間で大気
圧にされ、吸着ノズル82による電子回路部品98の保
持が積極的に解放されるのである。
【0083】正圧の供給は、電子回路部品98の種類
(厚さ)に応じて適切なタイミングで行われる。正圧供
給のタイミングが早ければ、吸着ノズル82に供給され
た電子回路部品98が落下する恐れがあり、吸着ノズル
82に正圧が供給され続ければ、プリント配線板20上
に載置された電子回路部品98が吹き飛ばされる恐れが
ある。そのため、本実施形態においては、次に説明する
ように、吸着ノズル82が上昇させられ、吸着管86が
電子回路部品98から離間させられる際には、正圧の供
給は終了し、吸着ノズル82内は大気圧となっているタ
イミングで正圧の供給が行われる。正圧の供給は、部品
保持軸66の下降と対応して行われる。電子回路部品9
8の装着時には、部品保持軸66は電子回路部品98の
厚さに応じた距離、下降させられるため、厚さが大きい
ほど部品保持軸66の下降距離が短く、正圧の供給タイ
ミングが早くされるのである。また、正圧の供給は極く
短時間行われ、電磁方向切換弁124は、大気圧通路1
60を正圧源126に連通させる状態に短時間、切り換
えられ後、大気に連通させる状態に切り換えられる。部
品保持軸66が電磁方向切換弁124の切換位置、すな
わち正圧供給位置へ到達したことは、昇降用モータ23
8の回転角度からわかる。
【0084】部品保持軸66が設定距離下降させられ、
電子回路部品98がプリント配線板20に載置された状
態で昇降用モータ238が停止させられ、部品保持軸6
6の下降が停止させられる。停止後、昇降用モータ23
8が部品保持軸66の下降時とは逆方向に回転させら
れ、回転体240が逆方向に回転させられて押下部材2
00が上昇端位置へ上昇させられるとともに、部品保持
軸66がスプリング76の付勢により上昇させられ、吸
着ノズル82が電子回路部品98から離間させられる。
【0085】部品保持軸66の上昇開始当初、部品保持
軸66のみが上昇し、スプリング88が伸張し、吸着ノ
ズル82が部品保持軸66と一体的に上昇する状態とな
った後、吸着ノズル82が上昇させられて電子回路部品
98から離間させられる。この際、上述のように、吸着
ノズル82内は大気圧となっており、吸着ノズル82の
離間時に吸着ノズル82内に負圧が残っていて電子回路
部品98を持ち帰ったり、あるいは正圧によって吹き飛
ばされることがなく、電子回路部品98が確実に解放さ
れてプリント配線板20に装着される。
【0086】その後、部品保持軸66の円環状通路17
0が大気圧通路160から外れるまで、ノズル保持部8
0は大気圧通路160に連通した状態に保たれる。さら
にその後、円環状通路170が大気圧通路160から外
れれば、ノズル保持部80は、大気から遮断される。負
圧通路158は可動弁子140によって閉じられてお
り、ノズル保持部80は、負圧源132からも遮断され
た状態に保たれる。そのため、電子回路部品98がプリ
ント配線板20に装着されて吸着ノズル82の吸着端開
口が開かれても負圧が漏れることはない。
【0087】押下部材200は上昇端位置まで上昇させ
られ、部品保持軸66はスプリング76の付勢により上
昇位置ヘ移動させられるが、可動弁子140と戻し用可
動子142とはそれぞれ、嵌合穴150,152の内周
面との間の摩擦により、電子回路部品98の厚さに応じ
た押下部材200の下降距離に応じた高さの第一位置で
ある上昇位置と、それに対応する戻し位置である下降位
置とに位置する状態に保たれる。
【0088】次にプリント配線板20に装着される電子
回路部品98は、同様に、回転体62の回転と保持ヘッ
ド30の移動との組合わせにより、保持位置誤差が修正
されるとともに、所定の方位でプリント配線板20の被
装着位置上に位置決めされる。また、押下部材200は
押下部材回転装置204により回転させられ、次に電子
回路部品98を装着する吸着ノズル82を保持した部品
保持軸66およびそれに対応する戻し用可動子142に
作用する装着時作用位置へ移動させられ、押下部材20
0の下降により部品保持軸66を下降させるとともに戻
し用可動子142を下降させ、電子回路部品98をプリ
ント配線板20に載置させるとともに、ノズル保持部8
0への負圧と大気圧との供給を切り換えさせる。
【0089】全部の吸着ノズル82が電子回路部品98
をプリント配線板20に装着したならば、保持ヘッド3
0は2つの部品供給装置16の一方へ移動させられ、フ
ィーダ24から電子回路部品98を取り出す。電子回路
部品98を吸着した全部の吸着ノズル82が電子回路部
品98をプリント配線板20に装着すれば、反転伝達装
置144の作用により、可動弁子140は第一位置に復
帰させられており、押下部材200が下降させられるこ
とにより部品保持軸66および可動弁子140が下降さ
せられ、吸着ノズル82がフィーダ24から電子回路部
品98を取り出す。
【0090】前述のように、電子回路部品98の装着時
における押下部材200の下降距離は電子回路部品98
の厚さに応じて異なっており、電子回路部品98の吸着
時には、部品保持軸66は一定の上昇位置に位置する
が、可動弁子140および戻し用可動子142はそれぞ
れ、電子回路部品98の厚さに応じた第一位置および下
降位置に位置している。可動弁子140は第一位置に位
置させられているが、上昇端位置に位置するとは限らな
いのである。しかし、電子回路部品98の吸着時には押
下部材200は下降端位置まで下降させられるため、可
動弁子140が上昇端位置に位置しなくても支障はな
い。押下部材200が下降する途中で、可動弁子140
が上昇端位置に位置する場合より遅い時期に押下部材2
00が可動弁子140に当接し、切換弁装置102に切
換えを行わせる。
【0091】このように本実施形態においては、複数の
部品保持軸66の各ノズル保持部80への負圧と大気圧
との供給の切換えが、部品保持軸66の昇降と連動して
可動弁子140,戻し用可動子142が昇降させられ、
切換弁装置102が連動して作動することにより行われ
る。この切換えは、複数の部品保持軸66の各々につい
て設けられた可動弁子140および戻し用可動子142
が、サーボモータにより構成される昇降用モータ238
の駆動力によって移動させられることにより、機械的に
行われるため、電子回路部品98の種類に応じた切換え
動作を行うことができるとともに、切換えが電気的に行
われる場合に比較して動作不良の可能性が少なくて済
む。
【0092】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、制御装置300の押下部材回転装置20
4を制御することにより、押下部材200を第一モード
用の吸着時作用位置と、第二モード用の吸着時作用位置
とに選択的に回転させる部分が作用部材回転装置制御部
を構成している。
【0093】上記実施形態において反転伝達装置144
は、1対のラック部180,182およびピニオン18
4を含んで構成されていたが、第一,第二可動子との各
々に設けられた被係合部と、ヘッド本体に設けられたレ
バーとを含んで構成してもよい。その実施形態を図14
に基づいて説明する。なお、反転伝達装置以外の構成
は、前記実施形態と同じであり、同じ作用をなす構成要
素には同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省略
する。
【0094】本実施形態の電子回路部品保持ヘッド40
0において複数の部品保持軸66の各々について設けら
れた切換弁装置408は、可動弁子410および戻し用
可動子412,反転伝達装置414,切換操作装置41
6を含む。可動弁子410および戻し用可動子412
は、回転体62に設けられた嵌合穴418,420に互
いに平行にかつ自身の軸線に平行な方向であって、部品
保持軸66と平行な方向に移動可能に嵌合され、保持さ
れている。嵌合穴418,420は段付状を成し、その
大径穴部に可動弁子410および戻し用可動子412が
嵌合され、大径穴部と小径穴部との間の肩面422,4
24がそれぞれストッパを構成し、可動弁子410およ
び戻し用可動子412の各下降端位置を規定する。
【0095】可動弁子410には、軸方向の中間部に、
その外周面に開口する円環状溝426が設けられてお
り、この円環状溝426によって、回転体62内に設け
られた負圧通路434と大気圧通路436とが選択的に
開かれ、円環状溝426の両側のランド428,430
において負圧通路434と大気圧通路436とがそれぞ
れ閉じられる。負圧通路434は、一端が負圧供給通路
112に連通させられ、他端が軸孔68に開口させられ
るとともに、可動弁子410が嵌合された嵌合穴418
と交差して設けられている。大気圧通路436は、一端
が大気供給通路110に連通させられ、他端が軸孔68
に開口させられるとともに、嵌合穴418と交差して設
けられている。なお、本実施形態においては、大気供給
通路110と負圧供給通路112とは、負圧通路434
および大気圧通路436の構成の都合上、負圧供給通路
112が空気通路形成部材100の中心に設けられ、大
気供給通路110が横断面形状が円環状を成し、負圧供
給通路112の外側に設けられている。
【0096】可動弁子410内には、ロッド450が軸
方向に相対移動可能に嵌合されるとともに、可動弁子4
10から上方へ突出させられた上端部と可動弁子410
との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材とし
ての圧縮コイルスプリング(以後、スプリングと略称す
る)452により上方へ付勢されている。スプリング4
52の付勢によるロッド450の移動限度は、ロッド4
50の下端部に設けられた大径のストッパ部454が可
動弁子410に当接することにより規定される。
【0097】戻し用可動子412についても同様に、そ
の内部にロッド460が軸方向に相対移動可能に嵌合さ
れるとともに、圧縮コイルスプリング462により上方
に付勢され、ストッパ部464によって移動限度が規定
されている。
【0098】可動弁子410および戻し用可動子412
にはそれぞれ、可動弁子410および戻し用可動子41
2の軸線から外れた位置に、その外周面に開口し、軸線
と直角に立体交差する向きに貫通する切欠470,47
2が設けられ、被係合部を構成しており、切欠470,
472にそれぞれ係合させられたレバー474と共に反
転伝達装置414を構成している。
【0099】レバー474は、その長手方向の中間部に
設けられた被保持部としてのボス部476と、ボス部4
76から互いに逆向きに延び出させられた1対のアーム
478,480とを備えている。回転体62の可動弁子
410と戻し用可動子412との間に位置する部分には
軸482が嵌合されて固定され、ボス部476が回動可
能に嵌合されている。ボス部476は、回転体62の可
動弁子410と戻し用可動子412との間に位置する部
分により、一軸線、本実施形態においては、可動弁子4
10および戻し用可動子412の各軸線を含む垂直面に
直角で、2つの軸線の中間位置を通る水平軸線まわりに
回動可能にかつその回動軸線と直交する方向に移動不能
に保持されている。
【0100】アーム478,480の各先端部にはそれ
ぞれ、係合部484,486が設けられている。係合部
484,486は、円板状をなし、可動弁子410,戻
し用可動子412の各切欠470,472に相対回動可
能に嵌合されている。アーム478,480は、係合部
484,486において切欠470,472に相対回動
可能かつ可動弁子410,戻し用可動子412の軸方向
に移動不能に係合させられているのである。切換操作装
置416は、前記切換操作装置146と同様に構成され
ており、説明を省略する。
【0101】なお、回転体62のレバー474が配設さ
れる部分は、加工の都合上、複数に割って設けてもよい
が、図14においては、複数のヘッド本体構成部材が組
み合わされた状態が図示されている。
【0102】本実施形態において電子回路部品保持ヘッ
ド400による電子回路部品98の吸着,装着は、前記
実施形態と同様に行われる。以下、部品保持軸66が1
本で電子回路部品98を吸着し、装着する場合を代表的
に説明する。電子回路部品98の吸着時には、部品保持
軸66は上昇位置にあり、可動弁子410は上昇端位置
であって第一位置にあり、大気圧通路436を開き、戻
し用可動子412は肩面424に当接した下降端位置で
あって戻し位置にある。
【0103】そして、押下部材回転装置204によって
第一モードにおける吸着時作用位置に位置決めされた押
下部材200が押下部材昇降装置202によって下降さ
せられ、まず、部品保持軸66が下降させられ、その下
降の途中で可動子作用部252が可動弁子410に嵌合
されたロッド450に当接する。可動弁子410が肩面
422に当接するまでは、スプリング452は圧縮され
ず、ロッド450は可動弁子410と一体的に下降させ
られる。それにより、円環状溝426が大気圧通路43
6から外れ、大気圧通路436が閉じられるとともに、
円環状溝426が負圧通路434に連通し、負圧通路4
34が開かれてノズル保持部80に負圧が供給され、吸
着ノズル82が電子回路部品98を負圧により吸着す
る。
【0104】可動弁子410は、部品保持軸66が下降
位置へ到達する前に肩面422に当接し、下降端位置に
おいて停止させられ、ちょうど円環状溝426において
負圧通路434を開く。可動弁子410の下降端位置が
第二位置である。可動弁子410の停止後も押下部材2
00は下降させられ、部品保持軸66を下降位置へ移動
させるが、この押下部材200の余分な下降は、ロッド
450がスプリング452を圧縮しつつ可動弁子410
に対して下降することにより吸収される。可動弁子41
0が停止し、部品保持軸66のみが下降させられるが、
部品保持軸66に設けられた円環状溝170は軸方向に
長く、ノズル保持部80に負圧が供給される状態に保た
れる。このように可動弁子410が下降させられるのに
伴ってレバー474が回動させられ、可動弁子410の
移動が向きを反転させられて戻し用可動子142に伝達
され、戻し用可動子412がロッド460と共に上昇さ
せられる。
【0105】電子回路部品98の吸着後、押下部材20
0が上昇させられれば、部品保持軸66のみが上昇させ
られ、嵌合穴418,420の内周面との間の摩擦力に
より、可動弁子410は第二位置に位置する状態に保た
れ、戻し用可動子412は上昇端位置であって、戻し準
備位置に位置する状態に保たれる。戻し用可動子412
の戻し準備位置は、可動弁子410の下降端位置が肩面
422により規定されることにより規定される。部品保
持軸66が上昇させられても、軸方向に長い円環状通路
170により、負圧通路434はノズル保持部80に連
通する状態に保たれ、吸着ノズル82は電子回路部品9
8を保持し続ける。
【0106】電子回路部品98のプリント配線板20へ
の装着時には、押下部材200が装着時作用位置へ回転
させられるとともに下降させられ、まず、部品保持軸6
6が下降させられる。そして、下降の途中において可動
子作用部252が戻し用可動子412のロッド460に
当接し、戻し用可動子412が肩面424に当接するま
ではロッド460および戻し用可動子412が一体的に
下降する。それによりレバー474が回動させられて可
動弁子410が上昇させられ、円環状溝426が負圧通
路434から外れ、負圧通路434がランド430によ
り閉じられてノズル保持部80への負圧の供給が遮断さ
れる。戻し用可動子412は、肩面424に当接する下
降端位置であって戻し位置まで下降させられ、停止させ
られる。その状態では可動弁子410が第一位置へ移動
し、円環状溝426がちょうど大気圧通路436に一致
してこれを開き、ノズル保持部80を大気圧通路436
に連通させ、大気に開放するとともに正圧が供給される
ようにされる。可動弁子410の第一位置は、戻し用可
動子412の下降端位置が肩面424に当接することに
より規定される。
【0107】本実施形態においては、プリント配線板2
0に装着される電子回路部品98は、種類が異なっても
その厚さはほぼ同じ厚さを有し、いずれの電子回路部品
98についても、部品保持軸66が同じ高さに下降した
状態でプリント配線板20に当接し、スプリング88が
同じ量、圧縮されるようにされている。そのため、押下
部材昇降装置202は、部品装着時においても、押下部
材200を下降端位置まで下降させるようにされてお
り、部品保持軸66は、押下部材200の下降端位置へ
の下降により決まる下降端位置まで下降させられる。
【0108】戻し用可動子412は、部品保持軸66が
下降端位置へ到達する前に肩面424に当接し、可動弁
子410が第一位置に到達する。押下部材200は、戻
し用可動子412が下降端位置へ到達した後も下降させ
られ、部品保持軸66を下降させて電子回路部品98を
所定の押付力でプリント配線板20に装着する。この押
下部材200の余分な下降は、ロッド460がスプリン
グ462を圧縮しつつ戻し用可動子412に対して下降
することにより吸収される。本実施形態においては、ロ
ッド450,460およびスプリング452,462が
クッション部材を構成している。
【0109】本保持ヘッド400においても、可動弁子
410が第一位置へ到達し、ノズル保持部80が大気圧
通路436に連通させられた後、適切なタイミングで電
磁方向切換弁124の切換えが行われ、ノズル保持部8
0に極く短時間、正圧が供給されて電子回路部品98が
積極的に解放され、吸着ノズル82が上昇させられて電
子回路部品98から離間させられるときには、吸着ノズ
ル82が大気に開放されるとともに、内部の圧力が大気
圧になっているようにされる。
【0110】電子回路部品98の装着後、押下部材20
0が上昇させられて部品保持軸66が上昇させられ、吸
着ノズル82が上昇させられる。部品保持軸66の上昇
に伴って円環状通路170が大気圧通路436から外
れ、ノズル保持部80が大気からも負圧源132からも
遮断される。
【0111】押下部材200は、前記実施形態と同様
に、電子回路部品98の吸着時には、1つあるいは2つ
の部品保持軸66に当接して押し下げ、電子回路部品9
8の装着時には1つの部品保持軸66に当接して押し下
げ、電子回路部品98の吸着時の下降時には、可動弁子
410のロッド450(保持軸昇降装置260および切
換操作装置416が制御装置により第一モードで制御さ
れるときには1つのロッド450、第二モードで制御さ
れるときには2つのロッド450)に当接して押し下げ
るが、戻し用可動子412のロッド460と干渉せず、
装着時の下降時には、電子回路部品98を装着する部品
保持軸66に対応する戻し用可動子412のロッド46
0には当接して押し下げるが、可動弁子410のロッド
450および電子回路部品98を装着しない部品保持軸
66の戻し用可動子のロッド460には当接しない形状
を備えたものとされている。
【0112】このように可動弁子410および戻し用可
動子412の各下降端位置を規定するとともに、クッシ
ョン部材を設ければ、例えば、可動弁子410を第一位
置と第二位置とに正確に停止させ、ノズル保持部80へ
の負圧と大気圧との供給の切換えが正確に行われるとと
もに、部品保持軸66には必要な昇降距離が確保され、
吸着ノズル82に確実に電子回路部品98を吸着させ、
プリント配線板20に装着させることができる。
【0113】なお、電子回路部品98の装着時に、押下
部材200を下降端位置より上側の位置であって、予め
設定された位置まで下降させて部品保持軸66を設定さ
れた装着時の下降端位置へ下降させるようにしてもよ
い。この場合、押下部材昇降装置202の回転体240
を逆方向に回転させて押下部材200を上昇させる。ま
た、プリント配線板に装着される電子回路部品98の種
類が異なり、厚さが複数種類に異なる場合には、前記実
施形態と同様に、電子回路部品98の装着時に部品保持
軸66を電子回路部品98の厚さに応じた位置へ下降さ
せるようにしてもよい。この場合、電子回路部品98の
厚さによって部品保持軸66の下降端位置が異なるが、
いずれの電子回路部品98についても、電子回路部品9
8がプリント配線板に当接する前に可動弁子410が第
一位置へ到達するようにされ、その後の部品保持軸66
の下降は、ロッド450がスプリング452を圧縮して
可動弁子410に対して下降することにより許容され
る。また、正圧の供給タイミングは、電子回路部品98
の厚さに応じて設定される。
【0114】上記各実施形態においては、2本の可動子
のうちの一方が可動弁子とされ、他方が戻し用可動子と
されていたが、2本の可動子を両方共に可動弁子として
もよい。その実施形態を図15に基づいて説明する。な
お、上記実施形態の構成要素と同様の作用を成す構成要
素には、同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省
略する。
【0115】本実施形態の電子回路部品保持ヘッド50
0の切換弁装置502は、第一可動弁子504,第二可
動弁子506,反転伝達装置508および切換操作装置
510を備えている。第一,第二可動弁子504,50
6は、回転体62に設けられた嵌合穴512,514に
軸方向に移動可能に嵌合され、回転体62により、部品
保持軸66と平行な方向に昇降可能に保持されている。
第一,第二可動弁子504,506は、嵌合穴512,
514との間の摩擦力により軸方向の位置が任意の位置
に保たれる。
【0116】第一可動弁子504は、円環状通路156
が設けられていないことを除いて、前記可動弁子140
と同様に構成されており、回転体62内に設けられた負
圧通路158を開閉し、ノズル保持部80を負圧通路1
58に連通させる状態と、負圧通路158から遮断する
状態とに切り換える。第二可動弁子506は、前記戻し
用可動子142の外周面に円環状通路520が設けられ
た寸法,形状を有し、大気圧通路160は嵌合穴514
と交差して設けられ、第二可動弁子506は大気圧通路
160を開閉し、ノズル保持部80を大気圧通路160
に連通させる状態と、大気圧通路160から遮断する状
態とに切り換える。大気圧通路160には、電磁方向切
換弁124の切換えにより正圧も供給されるため、大気
圧通路160は正圧通路でもあり、第二可動弁子506
は、ノズル保持部80を正圧通路および大気圧通路に連
通させる状態と、それから遮断する状態とに切り換える
作用も為すと考えられる。反転伝達装置508および切
換操作装置510は、前記反転伝達装置144および切
換操作装置146と同様に構成されており、説明を省略
する。
【0117】保持ヘッド500による電子回路部品98
の吸着,装着は、前記実施形態と同様に行われる。部品
保持軸66が1本で電子回路部品98の吸着,装着を行
う場合を代表的に説明すれば、吸着開始前には、図15
(a)に示すように、第一可動弁子504は負圧通路15
8を閉じ、第二可動弁子506は大気圧通路160を開
いた状態にある。吸着ノズル82が電子回路部品98を
部品供給装置16から受け取る際には、部品保持軸66
は部品吸着位置へ移動させられ、押下部材200は第一
モードにおける吸着時作用位置へ回転させられる。そし
て、押下部材200が下降させられることにより、図1
5(b)に示すように、部品保持軸66が下降させられ、
電子回路部品98に接触させられるとともに、第一可動
弁子504が下降させられ、負圧通路158が軸方向通
路154に連通させられる。第一可動弁子504がノズ
ル保持部80を負圧通路158に連通させるのであり、
ノズル保持部80に負圧が供給されて電子回路部品98
を吸着する。
【0118】第一可動弁子504の下降に伴って、反転
伝達装置508の作用により第二可動弁子506が上昇
させられ、大気圧通路160が円環状通路520から外
れるとともに、第二可動弁子506の円環状通路520
が設けられていない部分により閉じられてノズル保持部
80との連通を断たれ、ノズル保持部80に負圧のみが
供給される。部品保持軸66が下降位置まで下降させら
れて電子回路部品98を吸着したならば、押下部材20
0が上昇させられ、部品保持軸66のみがスプリング7
6の付勢により上昇させられ、ノズル保持部80には負
圧が供給され続ける。
【0119】電子回路部品98をプリント配線板20に
装着する際には、押下部材200が装着時作用位置へ回
転させられるとともに下降させられる。そして、部品保
持軸66を押し下げるとともに、第二可動弁子506を
押し下げる。それにより電子回路部品98がプリント配
線板20に装着されるとともに、第一可動弁子504が
反転伝達装置508の作用により上昇させられ、軸方向
通路154が負圧通路158から外れて負圧通路158
を閉じ、ノズル保持部80への負圧の供給を断つ。それ
に対し、第二可動弁子506は円環状通路520におい
て大気圧通路160を開く状態となり、ノズル保持部8
0が大気に連通させられるとともに、所定のタイミング
で正圧が供給されて吸着ノズル98が電子回路部品98
を積極的に開放する。装着後、部品保持軸66が上昇さ
せられるとき、吸着ノズル98が上昇させられて電子回
路部品98から離間させられる。
【0120】反転伝達装置は、流体によって、第一,第
二可動子の一方の軸方向の移動を、向きを反転させて他
方に伝達する装置としてもよい。その実施形態を図16
に基づいて説明する。本実施形態の電子回路部品保持ヘ
ッド550の切換弁装置552においては、前記保持ヘ
ッド500と同様に、2本の可動子がいずれも可動弁子
とされている。但し、第一,第二可動弁子554,55
6はそれぞれ、円環状通路558,560および円環状
通路558,560に隣接するランド562,564に
よって負圧通路568と大気圧通路570とをそれぞれ
開閉するようにされている。
【0121】第一,第二可動弁子554,556はそれ
ぞれ、回転体62に設けられた有底の嵌合穴574,5
76に昇降可能に嵌合されており、それら嵌合穴57
4,576の底面と第一,第二可動弁子554,556
との間の部分は流体室の一種である液室578,580
とされるとともに、液通路582によって連通させられ
ている。これら液室578,580および液通路582
には、流体の一種であり、流動性のある液体が充填され
ており、本実施形態においては、液室578,580お
よび液通路582が反転伝達装置584を構成してい
る。切換操作装置は、前記実施形態の切換操作装置14
6と同様に構成されており、押下部材200のみを図示
する。
【0122】本電子回路部品保持ヘッド550において
電子回路部品98の吸着時には、押下部材200によっ
て部品保持軸66および第一可動弁子554が押し下げ
られ、円環状通路558によって負圧通路568が開か
れ、ノズル保持部80が負圧通路568に連通させら
て、吸着ノズル82が電子回路部品98を吸着する。第
一可動弁子554の下降は、液室578内の液体が液通
路582を通って液室580に流入することにより許容
されるとともに、液室580への液体の流入により第二
可動弁子556が上昇させられ、ランド564において
大気圧通路570を閉じ、ノズル保持部80を大気圧通
路570から遮断する。
【0123】電子回路部品98の装着時には、押下部材
200の下降によって部品保持軸66および第二可動弁
子556が押し下げられ、円環状通路560によって大
気圧通路570が開かれ、ノズル保持部80を大気圧通
路570に連通させる。第二可動弁子556の下降は、
液室580内の液体が液通路582を通って液室578
に流入することにより許容され、その流入により第一可
動弁子554が上昇させられる。それにより、ランド5
62によって負圧通路568が閉じられ、ノズル保持部
80が負圧通路568から遮断されて負圧の供給が断た
れるとともに、第二可動弁子556によって円環状通路
560が開かれることにより、ズル保持部80が大気に
連通させられるとともに、正圧が供給されるようにされ
る。
【0124】なお、保持軸昇降装置と切換弁装置とが、
第一モードと第二モードとの少なくとも2つのモードで
制御される場合、1本の部品保持軸に対して可動弁子を
一つ設けるのみでもよい。例えば、図1ないし図13に
示す実施形態において戻し用可動子142および反転伝
達装置を省略するとともに、回転体62の下側に、可動
弁子140を第二位置から第一位置に復帰させる復帰装
置を設ける。例えば、特開2000−294990公報
に記載の電子回路部品保持ヘッドにおけるように、可動
弁子の下端部を、可動弁子が第二位置へ移動した状態に
おいてヘッド本体から下方へ突出させて、その突出端部
に作用部を設け、その作用部を押上部材を有する押上装
置によって押し上げるようにする。
【0125】また、可動子保持手段は、可動子と、可動
子が嵌合される嵌合穴との一方に、Oリング等の摩擦部
材を設けることにより構成してもよい。
【0126】さらに、図1ないし図13,図15および
図16にそれぞれ示す実施形態においても、クッション
部材およびストッパを設けてもよい。
【0127】また、図14に示す実施形態においてクッ
ション部材およびストッパを省略してもよい。その場
合、例えば、2つの可動子のうちの一方を可動弁子と
し、他方を戻し用可動子とし、可動弁子に円環状溝を2
つ設け、それぞれに負圧通路と大気圧通路とを開かせる
とともに、軸方向において適宜の長さを有するものとす
る。例えば、電子回路部品の厚さが異なっても、電子回
路部品の装着時に、ノズル保持部を大気圧通路に連通す
る状態に保つ長さとする。また、レバーの一対のアーム
の各長さを、部品保持軸と共に2つの可動子を下降させ
るのに足る腕の長さを有するものとする。
【0128】さらに、図14に示す実施形態におけるよ
うに、反転伝達装置を被係合部およびレバーを含む装置
とする場合にも、2つの可動子を両方共に可動弁子とし
てもよい。
【0129】また、部品吸着位置は、複数本の部品保持
軸のうちの2つ以上の部品保持軸について異ならせても
よい。その場合、部品吸着位置を異にする複数本の部品
保持軸については、昇降用作用部材および切換用作用部
材の第一モード用の作用位置および第二モード用の作用
位置が互いに異なることとなる。
【0130】さらに、電子回路部品保持ヘッドにおいて
部品保持軸に電子回路部品を保持させる場合、全部の部
品保持軸について1本ずつで電子回路部品を保持させて
もよく、全部の部品保持軸について複数本ずつ、例え
ば、2本ずつで電子回路部品を保持させるようにしても
よい。保持軸昇降装置および切換弁装置を、第一モード
と第二モードとのいずれか一方のみで制御し、作動させ
るのである。
【0131】また、保持軸昇降装置および切換弁装置
が、電子回路部品の解放時、例えば、装着時に第一モー
ドと第二モードとの少なくとも2つのモードで制御され
るようにしてもよい。複数本の部品保持軸によって同時
に電子回路部品が解放(装着)されるようにしてもよい
のである。
【0132】さらに、本発明は、少なくとも1本の部品
保持軸が設けられた部品保持ヘッドがヘッド移動装置に
より、X軸方向とY軸方向との少なくとも一方において
任意の位置へ移動させられ、電子回路部品の吸着,解放
(例えば、装着)を行う電子回路部品保持ヘッドにも適
用することができる。本発明は、電子回路部品装着シス
テムの部品保持ヘッド以外の作業システム、例えば、電
子回路部品を搬送する電子回路部品搬送システムの部品
保持ヘッドに適用することができる。
【0133】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電子回路部品保持ヘッ
ドを備えた電子回路部品装着システムを概略的に示す平
面図である。
【図2】上記電子回路部品装着システムのXYロボット
の要部を示す平面図である。
【図3】上記電子回路部品保持ヘッドを示す側面図(一
部断面)である。
【図4】上記電子回路部品保持ヘッドの回転体回転装置
を示す側面図である。
【図5】上記電子回路部品保持ヘッドの部品保持軸およ
びそれに対して設けられた可動弁子等を示す側面図(一
部断面)である。
【図6】上記電子回路部品保持ヘッドの切換操作装置の
押下部材および押下部材回転装置を示す正面図である。
【図7】上記電子回路部品保持ヘッドの複数の部品保持
軸が1本で電子回路部品の吸着および装着を行う際の押
下部材の位置を示す平面図である。
【図8】上記電子回路部品保持ヘッドの複数の部品保持
軸が2本同時に電子回路部品の吸着を行う際の押下部材
の位置を示す平面図である。
【図9】前記電子回路部品装着システムを制御する制御
装置を概略的に示すブロック図である。
【図10】電子回路部品の吸着時における部品保持軸,
可動弁子および戻し用可動子の作動を説明する図であ
る。
【図11】電子回路部品の吸着時における部品保持軸,
可動弁子および戻し用可動子の作動状態であって、部品
保持軸が下降端位置に到達した際の状態を説明する図で
ある。
【図12】電子回路部品の搬送時および装着開始時にお
ける部品保持軸,可動弁子および戻し用可動子の状態を
示す図である。
【図13】電子回路部品の装着時における部品保持軸,
可動弁子および戻し用可動子の作動状態であって、電子
回路部品がプリント配線板に載置された際の状態を電子
回路部品の大きさに応じて説明する図である。
【図14】本発明の別の実施形態である電子回路部品保
持ヘッドの部品保持軸および切換弁装置を示す側面図
(一部断面)である。
【図15】本発明の別の実施形態である電子回路部品保
持ヘッドの部品保持軸および切換弁装置を示すととも
に、吸着ノズルによる電子回路部品の吸着状態を示す側
面図(一部断面)である。
【図16】本発明の別の実施形態である電子回路部品保
持ヘッドの部品保持軸および切換弁装置を示すととも
に、吸着ノズルによる電子回路部品の吸着状態を示す側
面図(一部断面)である。
【符号の説明】
30:電子回路部品保持ヘッド 62:回転体 6
6:部品保持軸 76:圧縮コイルスプリング 8
0:ノズル保持部 82:吸着ノズル 90:回転
体回転装置 98:電子回路部品 102:切換弁
装置 140:可動弁子 142:戻し用可動子
144:反転伝達装置 146:切換操作装置
158:負圧通路 160:大気圧通路 180,
182:ラック部 184:ピニオン 200:押
下部材 202:押下部材昇降装置 204:押下
部材回転装置 250:保持軸作用部 252:可
動子作用部 254:切欠部 260:保持軸昇降
装置 300:制御装置 400:電子回路部品保持ヘッド 408:切換弁装
置 410:可動弁子 412:戻し用可動子
414:反転伝達装置 416:切換操作装置 4
22,424:肩面 434:負圧通路 436:
大気圧通路 450:ロッド 452:圧縮コイルスプリング
460:ロッド 462:圧縮コイルスプリング
470,472:切欠 474:レバー 478,480:アーム 484,486:係合部
500:電子回路部品保持ヘッド 502:切換弁
装置 504:第一可動弁子 506:第二可動弁
子 508:反転伝達装置 510:切換操作装置
550:電子回路部品保持ヘッド 552:切換
弁装置 554:第一可動弁子 556:第二可動
弁子 578,580:液室 582:液通路
584:反転伝達装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッド本体と、 下端部に吸着ノズルを着脱可能に保持するノズル保持部
    を備え、前記ヘッド本体に軸方向に昇降可能に保持され
    た部品保持軸と、 その部品保持軸を昇降させる保持軸昇降装置と、 前記保持軸昇降装置による前記部品保持軸の昇降と連動
    して作動し、前記ノズル保持部への少なくとも負圧と大
    気圧との供給を切り換える切換弁装置とを備えた電子回
    路部品保持ヘッドであって、 前記切換弁装置が、 前記ヘッド本体に互いに平行にかつ自身の軸線に平行な
    方向に移動可能に保持され、前記ノズル保持部への少な
    くとも負圧と大気圧との供給を切り換える第一可動子お
    よび第二可動子と、 それら第一、第二可動子の間に設けられ、それら両可動
    子の一方の軸方向の移動を、向きを反転させて他方に伝
    達する反転伝達装置と、 前記第一、第二可動子に選択的に作用する可動子作用部
    材を備え、それら可動子の一方ずつを選択的に移動させ
    る切換操作装置とを含むことを特徴とする電子回路部品
    保持ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記保持軸昇降装置が、 前記部品保持軸を上昇位置に向かって付勢する付勢装置
    と、 前記部品保持軸に作用する保持軸作用部材を備え、部品
    保持軸を前記付勢装置の付勢力に抗して下降させる保持
    軸下降装置とを含むことを特徴とする請求項1に記載の
    電子回路部品保持ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記保持軸作用部材と前記可動子作用部
    材とが一体的に構成され、前記保持軸下降装置が前記切
    換操作装置を兼ねることを特徴とする請求項2に記載の
    電子回路部品保持ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ヘッド本体が、一軸線まわりに回転
    する回転体であり、前記部品保持軸がその外周部に複数
    本配設され、それら複数本の部品保持軸の各々に対して
    前記第一、第二可動子が一対ずつ設けられたことを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子回路部
    品保持ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記保持軸作用部材および前記可動子作
    用部材が前記回転体の回転軸線まわりに回転可能に設け
    られており、当該電子回路部品保持ヘッドが、それら保
    持軸作用部材および可動子作用部材を、前記複数の部品
    保持軸のうちの任意のものとその任意の部品保持軸に対
    応する前記第一,第二可動子とに作用可能な作用位置へ
    回転させる少なくとも一つの作用部材回転装置を含むこ
    とを特徴とする請求項4に記載の電子回路部品保持ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 ヘッド本体と、 それぞれ下端部に吸着ノズルを着脱可能に保持するノズ
    ル保持部を備え、前記ヘッド本体に軸方向に昇降可能に
    保持された複数本の部品保持軸と、 それら複数本の部品保持軸の任意のものを選択的に昇降
    させる保持軸昇降装置と、 前記複数本の部品保持軸の各々に対応してそれぞれ前記
    ヘッド本体に保持され、前記保持軸昇降装置による前記
    部品保持軸の各々の昇降と連動してそれぞれ自身の軸線
    に平行な方向に移動させられて、各部品保持軸の前記ノ
    ズル保持部への少なくとも負圧と大気圧との供給を切り
    換える少なくとも一つずつの可動子を備えた複数の切換
    弁装置と を備えた電子回路部品保持ヘッドであって、 前記保持軸昇降装置と前記切換弁装置とを、前記複数本
    の部品保持軸から選ばれた1本とその1本に対応する前
    記少なくとも一つの可動子とを作動させる第一モード
    と、前記複数本の部品保持軸から選ばれた複数本とそれ
    ら複数本に対応する複数の前記可動子とを作動させる第
    二モードとの少なくとも2つのモードで制御する制御装
    置を含むことを特徴とする電子回路部品保持ヘッド。
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