JP2003273459A - 面発光レーザおよびその製造方法 - Google Patents
面発光レーザおよびその製造方法Info
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Abstract
を提供する。 【解決手段】 垂直型共振器面発光レーザ100におい
て、下部および上部クラッド層114、116に挟まれ
た活性層115上に電流狭窄層117を設け、電流狭窄
層117の導電部117−1は、活性層115に向かっ
て広く形成され、かかる構成により正極の上側電極12
2から活性層115に注入される電流を均一化かつ低抵
抗化でき、しきい値電流の低減かつ低消費電力化が図れ
る。
Description
垂直方向に射出する面発光レーザ関する。近年、高速伝
送に適する光通信、光データリンク研究が盛んになって
いる。面発光レーザは光伝送のキーデバイスであり、特
に、低しきい値化、低消費電力化、低コスト化が期待さ
れることから、製品化検討が積極的に進められている。
ザの断面構成図である(従来例1)。図1を参照する
に、面発光レーザ10は、負極である下側電極11と、
n型の基板12と、n型の下側半導体多層膜反射鏡13
と、下側クラッド層14および上側クラッド層16に挟
まれた活性層15を含む共振器20と、電流狭窄層17
と、p型の上側半導体多層膜反射鏡18と、正極である
上側電極19とがこの順に積層された構造とされてい
る。
利点があるが、半導体多層膜反射鏡13、18を通して
電流を注入するため、半導体多層膜反射鏡13、18の
電気抵抗が大きく、面発光レーザ10全体の電気抵抗が
大きくなってしまう。すなわち、半導体多層膜反射鏡1
3、18は屈折率の差の大きい2つの半導体膜を交互に
積層した多層膜であり、2つの半導体膜のバンドギャッ
プ差も大きいので、バンド構造におけるヘテロ界面に多
数のスパイクができる。このスパイクがキャリア、特に
ホールの障壁となり、電気抵抗が増加する。電気抵抗が
増加すると消費電力が増加してしまい、低消費電力化が
困難となる。
面発光レーザの断面構成図である(従来例2)。図2を
参照するに、面発光レーザ30の上側電極31は、上側
多層膜反射鏡32の横に設けられており、電流の活性層
15への注入は、上側多層膜反射鏡32を介さずに行わ
れる。したがって、面発光レーザ30全体の電気抵抗
は、上側多層膜反射鏡32の電気抵抗の影響を受けなく
なるため、従来例1の面発光レーザに対して低抵抗化を
図ることができる。
ザ30において、上側電極31と活性層15との間に
は、活性層15の電流注入領域を小さくするために、電
流狭窄層17が設けられている。電流狭窄層17は、面
発光レーザ30の中心軸Z付近にある導電部17−1
と、これを囲む絶縁部17−2からなる。正極の上側電
極31から注入された電流は、電流狭窄層17の絶縁部
17−2によって導電部17−1に狭窄される。したが
って、電流を活性層15の微少な領域に集中することが
でき、レーザ発振効率を向上し、しきい値電流を低減で
きる。
層15に注入される電流の電流密度分布の計算機シミュ
レーションを行った。図3は、計算機シミュレーション
のための各層のパラメータ、すなわち組成、膜厚、ドー
ピング濃度などを示す図である。計算機シミュレーショ
ンの結果、図4に示す結果が得られた。
流密度の分布を示す図である。図4において、横軸は面
発光レーザの中心軸Zからの距離、縦軸は電流密度であ
る。また、注入電流が1mAおよび2mAの場合を示し
た。
ーザ30の中心軸Zから外に向かうにしたがって増加
し、特に、電流狭窄層17の導電部17−1と絶縁部1
7−2の境界である側壁面17−3の下方付近で最大と
なることがわかる。さらにこの現象は、注入電流が2m
Aの場合に顕著になる。これは、電流が電子狭窄層17
の側壁面17−3付近に集中し、その状態で活性層15
に注入されるためである。このような場合、基本モード
よりもしきい値利得の大きい高次モードで発振し易い状
態になる。そうすると、しきい値電流が増大し、あるい
は過剰に電流が流れてレーザ発振前に面発光レーザ30
が破損してしまうという問題が生じる。
の集中を抑制するため、電流狭窄層17の導電部17−
1およびその直上の第1のクラッド層33の一部につい
てドーピング濃度を低下させる手法が知られている。図
5は、かかる面発光レーザを構成する各層のパラメータ
を示す図である(従来例3)。なお、図3に示す従来例
2と同一の層についてパラメータの記載を省略した。
る第1のクラッド層33のドーピング濃度1×1018
cm−3に対して、電流狭窄層17のp−InAlAs
からなる導電部17−1のドーピング濃度を1×10
17cm−3に低下させ、さらに、その直上に厚さ0.
05μm、ドーピング濃度1×1017cm−3のp−
InGaPからなる第2のクラッド層35を設ける。図
5に示すパラメータ、すなわち、組成、膜厚、ドーピン
グ濃度を用いて、計算機シミュレーションを行い、図6
および図7に示す結果が得られた。
の分布を示す図である。図6において、注入電流が1m
Aおよび2mAの場合、さらに比較のため従来例2の結
果を併せて示した。また、図7は、面発光レーザの電圧
―電流特性および微分抵抗―電流特性を示す図である。
図7において、比較のため従来例2の結果を併せて示し
た。
ーザの中心軸から電流狭窄層17の側壁面17−3直下
付近まではほぼ一定であり、それより外側では、最大値
をとらずに減少している。したがって、この手法により
電流が側壁面17−3直下付近に集中する問題は解消で
きる。
3では面発光レーザの印加電流を増加すると、従来例2
すなわちドーピング濃度を一桁下げた第2のクラッド層
35を設けない場合に対して、電圧が増加している。す
なわち面発光レーザの微分抵抗が増加し、したがって、
面発光レーザの消費電力が増加してしまうという問題が
生じる。
第2のクラッド層35の直上の第1のクラッド層33の
ドーピング濃度を増加して低抵抗可を図る手法がある
が、自由キャリア吸収が生じるおそれがある。
に鑑み、面発光レーザの活性層への均一な電流注入を行
うとともに、同時に面発光レーザの微分抵抗の抵抗低減
を図って、低しきい値かつ低消費電力の特長を有する面
発光レーザを提供することである。
載の如く、基板と、該基板上に形成された下側多層膜反
射鏡と、該下側多層膜反射鏡上に形成された活性層と、
該活性層上に形成された電流狭窄層と、該電流狭窄層上
に形成されたクラッド層と、該クラッド層上の一部に形
成された上側多層膜反射鏡と、該クラッド層上に形成さ
れた上側電極と、該基板に形成された下側電極とよりな
る面発光レーザにおいて、前記電流狭窄層は導電部と該
導電部を囲む絶縁部とよりなり、該導電部は活性層に向
かって広がる側壁面で画成されていることにより達成さ
れる。
層の導電部を活性層に向かって広がる形状にすることに
よって、前記導電部の側壁面直下付近の活性層部分に集
中する電流を抑制し、活性層の活性領域により均一に電
流を注入することができ、かつ同時に低抵抗化を図るこ
とができる。その結果、低しきい値かつ低消費電力の面
発光レーザを実現することができる。
記載の面発光レーザにおいて、前記電流狭窄層の導電部
は活性層に向かって広がるテーパ形状の側壁面で画成さ
れている構成とすることができる。
記載の面発光レーザにおいて、前記電流狭窄層は複数層
からなり、各電流狭窄層の導電部は、活性層に向かって
広がる階段状の側壁面で画成されている構成とすること
ができる。
ら3のいずれか1項に記載の面発光レーザにおいて、前
記導電部の側壁面が膜面に垂直な方向に対してなす角θ
は、arctan(2.3)≦θ<90°を満足することが好まし
い。
ら4のいずれか1項に記載の面発光レーザにおいて、前
記電流狭窄層の導電部はAlを含む半導体よりなり、前
記絶縁部はAlを含む絶縁物よりなり、前記導電部のA
l濃度は、上方に行くほど高いことにより達成される。
層の半導体部のAl濃度に傾斜をもたせ、活性層から上
方に行くほど高くすることによって、選択酸化により形
成されるAlの酸化物からなる絶縁部の領域を上方に行
くほど拡大することができる。その結果、電流狭窄層の
導電部を上方に向かって狭く、すなわち、活性層に向か
って広く形成することができる。
ら5のいずれか1項に記載の面発光レーザにおいて、前
記活性層へ注入される電流の電流密度は、面発光レーザ
の中心軸において最大であることが好ましい。
層構造はメサを形成しており、面発光レーザの中心軸
は、このメサの中心軸となる。請求項6に記載の発明に
よれば、活性層における面発光レーザの中心軸において
注入される電流の電流密度が最大であることによって、
活性層の微小領域に電流を集中させることができ、レー
ザ発振効率を向上し、しきい値電流を低減できる。
に形成された下側多層膜反射鏡と、該下側多層膜反射鏡
上に形成された活性層と、該活性層上に形成された電流
狭窄層と、該電流狭窄層上に形成されたクラッド層と、
該クラッド層上の一部に形成された上側多層膜反射鏡
と、該クラッド層上に形成された上側電極と、該基板に
形成された下側電極とよりなる面発光レーザの製造方法
において、前記電流狭窄層を形成する工程は、Al濃度
を連続的に増大させて半導体膜を形成する工程と、少な
くとも該半導体膜をエッチングしてメサを形成する工程
と、該メサの側壁面から該半導体膜を水蒸気で熱酸化を
して電流狭窄層を形成する工程とを含むことにより達成
される。
基板上に形成された下側多層膜反射鏡と、該下側多層膜
反射鏡上に形成された活性層と、該活性層上に形成され
た電流狭窄層と、該電流狭窄層上に形成されたクラッド
層と、該クラッド層上の一部に形成された上側多層膜反
射鏡と、該クラッド層上に形成された上側電極と、該基
板に形成された下側電極とよりなる面発光レーザの製造
方法において、前記電流狭窄層を形成する工程は、Al
濃度を膜ごとに増大させて複数の半導体膜を形成する工
程と、少なくとも該半導体膜をエッチングしてメサを形
成する工程と、該メサの側壁面から該半導体膜を水蒸気
で熱酸化をして電流狭窄層を形成する工程とを含むこと
により達成される。
電流狭窄層となる半導体膜を、Al濃度を連続的あるい
は膜ごとに増大させて形成し、次いでエッチングにより
メサを形成し、水蒸気による熱酸化処理によりAlの酸
化物を形成することによって、電流狭窄層の導電部が、
活性層から上方に向かって狭く、すなわち活性層に向か
って広く形成された形状を有する電流狭窄層を形成でき
るので、簡単な製造工程により、低しきい値、低消費電
力の面発光レーザを提供することができる。
窄層の特長ある構造により、活性層への均一な電流注入
を行うとともに、同時に、面発光レーザの電気抵抗の抵
抗低減を図って、低しきい値かつ低消費電力の特性を実
現するものである。
て説明する。本実施例は、InGaAs基板上1.3μ
m帯面発光レーザに係るものである。
成図である。図8(A)は、断面構成を示す図、図8
(B)は、図8(A)に示す円内の拡大図である。
る面発光レーザ100は、基板112の底面に設けられ
た負極の下側電極111と、基板112と、前記基板1
12上に形成された多層膜反射鏡113と、前記反射鏡
113の上に形成された下部クラッド層114および上
部クラッド層116に挟まれた活性層115からなる共
振器130と、前記共振器130の上に形成され、面発
光レーザ100の中心軸付近Zの導電部117−1と前
記導電部を囲む絶縁部117−2よりなる電流狭窄層1
17と、前記電流狭窄層117の上に設けられたクラッ
ド層118と、前記クラッド層118上に形成された多
層膜反射鏡119と、前記クラッド層118上の一部に
形成されたコンタクト層120と、前記コンタクト層1
20の上に形成されたパッシベーション層121と、前
記コンタクト層120の一部と接して、パッシベーショ
ン層121上に形成された正極の上側電極122から構
成されている。前記上部クラッド層116より上方の積
層構造は、円柱状メサを形成しており、この円柱の中心
軸がほぼ面発光レーザ100の中心軸Zとなる。なお、
面発光レーザ100の中心軸は、正確には、光学的に決
まる光軸である。
mのAu膜と厚さ30nmのAuGe膜から構成され、
オーミック電極よりなる。このうち、基板112とのコ
ンタクト抵抗および密着性を高めるため、基板112側
にはAuGe膜が形成される。
2×1018cm−3のn型In0 .27Ga0.73
Asの半導体から構成される。
体多層膜から構成される。n型半導体多層膜反射鏡は、
例えば、光学的な1/4波長に対応する厚さ103.9
7nmのn型Al0.261In0.739P膜と、光
学的な1/4波長に対応する厚さ93nmのn型In
0.27Ga0.73As膜を交互に30.5対積層し
て構成されている。この積層構造はn型Al0.261
In0.739Pから始まり、この層で終わる構成とさ
れている。ドーピング濃度はいずれの層も2×1018
cm−3とされている。
層116は、例えば、厚さ187.7nmのアンドープ
のIn0.266Al0.218Ga0.516Asか
ら構成される。
n0.45Ga0.55Asからなる歪量子井戸活性層
から構成される。厚さは、例えば8nmである。活性層
115は、前記下部および上部クラッド層114,11
6とともに内部共振器130を構成する。
ド層118は、例えば、厚さ103.97nmのドーピ
ング濃度が1×1018cm−3のp型In0.756
Ga 0.254Pから構成される。
1nmのドーピング濃度が1×10 19cm−3のp型
In0.27Ga0.73Asから構成される。
と半導体層の多層膜から構成され、例えば、光学的な1
/4波長に対応する厚さ101.6nmのSi膜と光学
的な1/4波長に対応する厚さ224.1nmのSiO
2膜とを交互に4.5対重ねて構成される。ただし、S
i膜とSiO2膜の物理的な膜厚は、それぞれの屈折率
に応じて変化しており、異なった値となっている。
さが300nmのSiO2から構成される。
Auおよび厚さ160nmのAuZnを形成して熱処理
により合金化した膜の上に、厚さ200nmのTi膜、
厚さ300nmのPt膜、厚さ1000nmのAu膜を
この順に積層して構成される。
mの導電部117−1と絶縁部117−2から構成され
ている。これらのうち、導電部117−1は、例えば、
ドーピング濃度が1×1018cm−3のp型の半導体
から構成されている。一方、絶縁部117−2は、例え
ば、前記導電部117−1を酸化したものから構成され
ている。
くほど増大する構成となっている。例えば、導電部11
7−1が、直下の上部クラッド層116に接する部分は
In 0.258Al0.605Ga0.137Asであ
り、上方に行くにしたがってGaがAlに置換されてい
き、直上のクラッド層118に接する部分では、In
0.258Al0.742Asとなっている。そして、
絶縁部117−2は、例えば、この導電部117−1が
酸化したものである。
1と絶縁部117−2との側壁面117−3は、膜面に
垂直な方向に対して傾きθをもって、活性層115に向
かって広がるテーパ形状となっている。なお、膜厚方向
に対する側壁面の傾きはarctan(2.3)≦θ<90°が好
ましい。本実施例では、側壁面117−3が上部クラッ
ド層116と接する部分の面発光レーザの中心軸Zから
の距離R1を、2.25μmとし、側壁面117−3が
クラッド層118と接する部分の面発光レーザの中心軸
Zからの距離R2を、2.50μmとした。つまりθ
は、arctan(0.25/0.1)=arctan(2.3)とし
た。
ュレーションにより求めた活性層115に注入される電
流の電流密度分布を示す図である。図9において、注入
電流が1mAおよび2mAの場合、さらに比較のため従
来例3の結果を併せて示した。また、図10は、本実施
例の構成に基づいて、シミュレーションにより求めた面
発光レーザの電流―電圧特性および微分抵抗―電流特性
を示す図である。図10において、比較のため従来例3
の結果を併せて示した。
ーザ100の中心軸Zから膜面方向の距離を横軸、電流
密度を縦軸としたものである。図9を参照するに、面発
光レーザ100の中心軸Zにおいて電流密度は最大値を
とり、中心軸Zから電流狭窄層117の側壁面117−
3までの距離R2である2.50μm付近まではほぼ一
定で、その外側で急激に減少した。従来例2と比較する
と、中心軸Zにおける電流密度は増加し、電流狭窄層1
17の側壁面117−3直下における電流密度のピーク
はなかった。したがって、注入される電流の電流密度が
均一となり、基本モードで発振させることができ、すな
わちより低いしきい値電流で発振させることができる。
100の微分抵抗値は従来例3より、0.3mA以上で
低減されている。すなわち面発光レーザ100の消費電
力を低く抑制することができる。
かつ低消費電力の面発光レーザを実現することができ
る。
造工程を図11および図12を用いて説明する。
ング濃度が2×1018cm−3のn型In0.27G
a0.73Asの基板112上に、有機金属気層成長
(MOCVD)法により、多層膜反射鏡113を厚さ1
03.97nm、ドーピング濃度が2×1018cm
−3のn型Al0.261In0.739P膜と厚さ9
3nmのn型In0.27Ga0.73As膜を30.
5対交互に重ねて形成する。n型Al0.261In
0.739P膜から堆積を始めてこの膜で堆積を終わ
る。その上に、MOCVD法により、厚さ187.7n
mのアンドープのIn0 .266Al0.218Ga
0.516Asの下部クラッド層114、厚さ8nmの
アンドープのIn0.45Ga0.55Asの活性層1
15、厚さ187.7nmのアンドープのIn
0.266Al0.218Ga0.516Asの上部ク
ラッド層116を形成する。
流狭窄層117となる厚さ122.94nm、ドーピン
グ濃度が1×1018cm−3のp型InAlGaAs
の半導体層125を形成する。堆積の始めにはIn
0.258Al0.605Ga0 .137Asが堆積す
るように構成ガスを供給し、GaをAlに置換するよう
に構成ガスの流量を変化させ、堆積の終了時にはIn
0.258Al0.742Asが堆積するようにする。
3.97nmのドーピング濃度が1×1018cm−3
のp型In0.756Ga0.254Pのクラッド層1
18を形成し、その上に、厚さ651nmのドーピング
濃度が1×1019cm−3のp型In0.27Ga
0.73Asのコンタクト層120を形成する。
いは電子線リソグラフィにより直径15μm、厚さ30
0nmのSiO2のマスク126を形成する。
エッチング(RIE)などにより、塩素ガスを使って、
上部クラッド層116の上面が現れるまでエッチングす
る。これにより円柱状メサが形成される。なお、この円
柱状メサの中心軸が、この面発光レーザの中心軸とな
る。
グにより現れた上部クラッド層116の上面をSiO2
でマスクして、円柱状メサの側壁面より図11(B)に
示すp型のInAlGaAsの半導体層125の熱酸化
を行う。熱酸化は、窒素をキャリアガスとした水蒸気雰
囲気で、流量を1l/min、酸化温度460℃、5時
間で行う。これにより、上述したように、この半導体層
125はAl濃度が上方に行くにしたがって増加してい
るため、これに対応して選択酸化される部分すなわち絶
縁部が、上方に行くにしたがって膜外側から中心に入り
込むように形成され、導電部117−1が活性層115
から上方に行くほど狭くなるように形成される。したが
って、絶縁部117−2と酸化されずに残った導電部1
17−1との側壁面117−3は、膜面に垂直な方向に
対して傾きθをもって、活性層115に向かって広がる
テーパ形状に形成される。
ク126および上部クラッド層116の上面のSiO2
のマスクをCF4を使ったRIEにより除去する。そし
て、フォトリソグラフィと硫酸−過酸化水素系エッチャ
ントにより、コンタクト層120の円柱状メサの中心と
あわせた直径5μmの円形の部分120−1を選択エッ
チングする。
00nmのSiO2膜のパッシベーション膜121を形
成し、フォトリソグラフィによるパターニングと緩衡フ
ッ酸溶液によるエッチングにより、先にエッチングした
コンタクト層120の円形の部分120−1のSiO2
膜をエッチングする。次いで、厚さ1.5μmのレジス
ト127を形成し、フォトリソグラフィによるパターニ
ングにより、円形の部分120−1をエッチングする。
そして、電子ビーム蒸着法により、多層膜反射鏡119
を光学的な1/4波長に対応する厚さのSi膜とSiO
2膜とを交互に4.5対重ねて形成する。Si膜から堆
積を始めてこの膜で堆積を終わる。
ラフィによるパターニングと緩衡フッ酸溶液によるエッ
チングにより、多層膜反射鏡119の周囲および上部ク
ラッド層上のパッシベーション膜121の堆積物を除去
する。次いで、パッシベーション膜121の一部をパタ
ーニング、エッチングして、コンタクト層を露出させ
る。
クして、コンタクト層120の露出している部分に、厚
さ15nmのAu膜および厚さ160nmのAuZn膜
を蒸着し、430℃5分間の熱処理を行い、合金化処理
を行う。さらに、パッシベーション膜121のマスクを
リフトオフし、厚さ200nmのTi膜、厚さ300n
mのPt膜、厚さ1000nmのAu膜をこの順に積層
して上側電極122を形成する。
μmになるまで研磨し、厚さ30nmのAuGe膜、厚
さ150nmのAu膜を基板112の裏面にこの順に積
層して、下側電極111を形成する。
レーザ100が形成される。
内でAl組成に傾斜を設けて、導電部と絶縁部との側壁
面が膜面に垂直な方向に対して所定の傾きを有する構成
としたが、異なったAl組成を有する複数の半導体膜を
重ねる構成としてもよい。
導体膜を重ねて、複数の電流狭窄層を含む本発明の面発
光レーザの第2実施例について説明する。
図である。図13(A)は、断面構成を示す図、図13
(B)は図13(A)に示す円内の拡大図である。図
中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符
号を付し、説明を省略する。
かる面発光レーザ200は、負極である下側電極111
と、n型である基板112と、多層膜反射鏡113と、
下部クラッド層114および上部クラッド層116に挟
まれた活性層115からなる共振器130と、前記共振
器130の上に形成され、2層が積層された電流狭窄層
217A,Bと、クラッド層118と、多層膜反射鏡1
19と、コンタクト層120と、パッシベーション層1
21と、正極の上側電極122とが含む構成とされてい
る。
層を積層した構成とされ、上部クラッド層116上に、
電流狭窄層217A,Bがこの順に積層されている。
nmの導電部217A−1および絶縁部217A−1か
らなり、導電部217A−1は、例えば、ドーピング濃
度が1×1018cm−3のp型のIn0.258Al
0.605Ga0.137Asからなる。電流狭窄層2
17Bは、厚さ20nmの導電部217B−1および絶
縁部217B−1からなり、導電部217B−1は、例
えば、ドーピング濃度が1×1018cm−3のp型の
In0.256Al0.744Asからなる。また、絶
縁部217A−2、217B−2は、それぞれ、前記導
電部217A−1、217B−1の材料が選択酸化され
た酸化物から構成されている。
A−1、217B−1と絶縁部217A−2、217B
−2との側壁面217A−3、217B−3の面発光レ
ーザ200の中心軸Zからの距離R3、R4は、距離R
3が距離R4より大きい関係を有する。すなわち、活性
層115に近い導電部217A−1は、活性層115か
ら遠い導電部217B−1に対して、広く形成されてい
る。したがって、電流狭窄層217A、Bは活性層に向
かって広がった形状となっている。
の電流狭窄層217A、Bにより構成される電流狭窄構
造の側壁面が、膜面に垂直な方向に対する傾きθは、以
下のように定義する。すなわち、それぞれの電流狭窄層
217A、Bの側壁面217A−3、217B−3の膜
厚1/2の位置を結んだ線と膜面に垂直な方向に対する
傾きをθとする。
ョンにより、活性層115に注入される電流の電流密度
分布および微分抵抗―電流特性を求めたところ第1実施
例と同様の結果が得られた。
場合であるが、2層に限定されず、3層以上でもよい。
また、多層膜反射鏡119は、誘電体層と半導体層の多
層膜に限られず、例えば、半導体多層膜、誘電体多層膜
などであってもよい。
を説明する。なお、第1実施例で説明した部分に対応す
る部分は、説明を省略する。
て、第1実施例と異なる工程は、電流狭窄層217を形
成する工程である。
により電流狭窄層217Aとなる厚さ102.94n
m、ドーピング濃度が1×1018cm−3のp型のI
n0. 258Al0.605Ga0.137Asの半導
体層を形成し、その上に電流狭窄層217Bとなる厚さ
20nm、ドーピング濃度が1×1018cm−3のp
型のIn0.256Al0.744Asの半導体層を形
成する。
り、これらの製造工程により本実施例の半導体レーザ2
00が形成される。
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、他の波長の面発光レーザに適用可能であり、
特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内にお
いて、材料などの変更、種々の変形が可能である。
に、本発明によれば、活性層上の電流狭窄層の構造を、
その導電部の側壁面が活性層に向かって広がる形状にす
ることによって、活性層の活性領域に電流を均一に注入
することができ、同時に低抵抗化を図ることができる。
その結果、低しきい値、低消費電力の面発光レーザを実
現することができる。
大させて半導体膜を形成し、積層後の熱酸化処理により
前記形状の電流狭窄層を形成できるので、簡単な製造工
程により、低しきい値、低消費電力の面発光レーザを実
現することができる。
の断面構成図である。
(従来例2)の断面構成図である。
流特性を示す図である。
ある。
―電流特性を示す図である。
(その一)を示す図である。
(その二)を示す図である。
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 基板と、該基板上に形成された下側多層
膜反射鏡と、該下側多層膜反射鏡上に形成された活性層
と、該活性層上に形成された電流狭窄層と、該電流狭窄
層上に形成されたクラッド層と、該クラッド層上の一部
に形成された上側多層膜反射鏡と、該クラッド層上に形
成された上側電極と、該基板に形成された下側電極とよ
りなる面発光レーザにおいて、 前記電流狭窄層は導電部と該導電部を囲む絶縁部とより
なり、該導電部は活性層に向かって広がる側壁面で画成
されていることを特徴とする面発光レーザ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の面発光レーザにおい
て、 前記電流狭窄層の導電部は活性層に向かって広がるテー
パ形状の側壁面で画成されていることを特徴とする面発
光レーザ。 - 【請求項3】 請求項1に記載の面発光レーザにおい
て、 前記電流狭窄層は複数層からなり、各電流狭窄層の導電
部は、活性層に向かって広がる階段状の側壁面で画成さ
れていることを特徴とする面発光レーザ。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
面発光レーザにおいて、 前記導電部の側壁面が膜面に垂直な方向に対してなす角
θは、arctan(2.3)≦θ<90°を満足することを特徴
とする面発光レーザ。 - 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
面発光レーザにおいて、 前記電流狭窄層の導電部はAlを含む半導体よりなり、
前記絶縁部はAlを含む絶縁物よりなり、前記導電部の
Al濃度は、上方に行くほど高いことを特徴とする面発
光レーザ。 - 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
面発光レーザにおいて、 前記活性層へ注入される電流の電流密度は、面発光レー
ザの中心軸において最大であることを特徴とする面発光
レーザ。 - 【請求項7】 基板と、該基板上に形成された下側多層
膜反射鏡と、該下側多層膜反射鏡上に形成された活性層
と、該活性層上に形成された電流狭窄層と、該電流狭窄
層上に形成されたクラッド層と、該クラッド層上の一部
に形成された上側多層膜反射鏡と、該クラッド層上に形
成された上側電極と、該基板に形成された下側電極とよ
りなる面発光レーザの製造方法において、 前記電流狭窄層を形成する工程は、Al濃度を連続的に
増大させて半導体膜を形成する工程と、少なくとも該半
導体膜をエッチングしてメサを形成する工程と、該メサ
の側壁面から該半導体膜を水蒸気で熱酸化をして電流狭
窄層を形成する工程とを含むことを特徴とする面発光レ
ーザの製造方法。 - 【請求項8】 基板と、該基板上に形成された下側多層
膜反射鏡と、該下側多層膜反射鏡上に形成された活性層
と、該活性層上に形成された電流狭窄層と、該電流狭窄
層上に形成されたクラッド層と、該クラッド層上の一部
に形成された上側多層膜反射鏡と、該クラッド層上に形
成された上側電極と、該基板に形成された下側電極とよ
りなる面発光レーザの製造方法において、 前記電流狭窄層を形成する工程は、Al濃度を膜ごとに
増大させて複数の半導体膜を形成する工程と、少なくと
も該半導体膜をエッチングしてメサを形成する工程と、
該メサの側壁面から該半導体膜を水蒸気で熱酸化をして
電流狭窄層を形成する工程とを含むことを特徴とする面
発光レーザの製造方法。
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