JP2003270859A - フルカラー画像形成用トナー - Google Patents

フルカラー画像形成用トナー

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JP2003270859A
JP2003270859A JP2002070037A JP2002070037A JP2003270859A JP 2003270859 A JP2003270859 A JP 2003270859A JP 2002070037 A JP2002070037 A JP 2002070037A JP 2002070037 A JP2002070037 A JP 2002070037A JP 2003270859 A JP2003270859 A JP 2003270859A
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binder resin
toner
wax
particles
weight
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JP2002070037A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Mikuriya
義博 御厨
Masahiro Yasuno
政裕 安野
Katsunobu Kurose
克宣 黒瀬
Masatake Inoue
雅偉 井上
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワックスの添加量を増大しても耐熱保管性や
クリーニング特性の低下および中抜け等の弊害を引き起
こすことなく、ワックス添加によるトナー特性の向上効
果を十分に発揮できるフルカラー画像形成用トナーを提
供すること。 【解決手段】 軟化点90〜110℃の第1バインダー樹脂
と、樹脂の合成時に融点70〜100℃の第1ポリオレフィン
系ワックスが内添され、軟化点が110〜135℃で且つ第1
バインダー樹脂より5℃以上高い第2バインダー樹脂とを
含むバインダー樹脂、融点120〜150℃の第2ポリオレフ
ィン系ワックスおよび着色剤を含有するトナー粒子と外
添剤とからなり、第2バインダー樹脂の含有量がバイン
ダー樹脂に対して55〜75重量%、第2バインダー樹脂の
第1ワックスの含有量が5〜8重量%、第2ワックスの含有
量がバインダー樹脂100重量部に対して0.5〜2重量部、
トナー粒子の平均円形度が0.940以上0.960未満であるオ
イルレス定着可能なフルカラー画像形成用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフルカラー画像形成
用トナー、特にオイルレス定着可能なフルカラー画像形
成用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりトナーの定着方式としては、熱
ロール定着方式等の接触加熱定着方式が広く採用されて
いる。熱ロール定着方式に使用される定着装置は、加熱
ロールと加圧ロールとを備えており、トナー像を担持し
た記録紙を、加熱ロールと加圧ロールとの圧接部(ニッ
プ部)を通過させることにより、トナー像を溶融させて
記録紙に定着させる。このように熱ロール定着方式に代
表される接触加熱定着方式では、記録紙上のトナー像に
接触加熱定着装置の加熱部材(例えば加熱ロール)の表
面を接触させて定着を行うため、加熱部材にトナー像の
一部が付着し、それが次の記録紙に転移して汚してしま
うオフセット現象を防止する必要がある。
【0003】複数色のトナーを用いてフルカラー画像を
形成する画像形成装置においては、加熱ロールや加圧ロ
ールにシリコーンオイル等の定着オイルを塗布あるいは
含浸させ、それによりオフセット現象の防止や加熱ロー
ルおよび/または加圧ロールからの記録紙の分離性の確
保を行っていた。
【0004】一方、モノクロの画像形成装置において
は、定着装置の小型化や低コスト化の観点から定着オイ
ル塗布機構を省略したり、定着オイルの塗布量を低減さ
せたオイルレスの定着装置が採用されている。オイルレ
ス定着装置を採用したモノクロ画像形成装置に使用され
る黒トナーの場合、分子量分布の広いバインダー樹脂が
採用される。そのようなバインダー樹脂を使用しワック
ス等のオフセット防止剤を添加した黒トナーでは、バイ
ンダー樹脂中の高分子量成分のゴム弾性とワックスとの
効果でオフセット現象が防止される。
【0005】しかしながら、このような黒トナーに用い
られるバインダー樹脂をオイルレス定着用のフルカラー
トナーに使用すると、透光性、発色性および光沢性等の
特性が不十分となるため、フルカラートナーにそのまま
採用することはできなかった。また、フルカラー画像形
成装置の場合、フルカラー画像を再現するために複数色
のトナーからなるトナー層を十分に溶融し混色させる必
要があった。このため、モノクロ画像形成装置における
黒トナーの定着と比較して、十分な熱と圧力とを加えて
複数色のトナーからなるトナー層を溶融させる必要があ
るので、フルカラートナーにおけるオフセット現象の防
止はモノクロ画像形成装置の黒トナーより困難であり、
また、加熱部材に対する記録紙の分離性が低下するとい
う問題も生じた。また、フルカラー用トナーは、透光
性、発色性および光沢性等の特性を満足させるため、バ
インダー樹脂として低軟化点を有するものを使用する必
要があり、トナーの耐熱保管性が不十分になり易く、高
温下で保管した場合にトナーの凝集が生じるという問題
もあった。
【0006】上述したオフセット現象や記録紙の分離性
低下の問題を解消するためにフルカラートナーにワック
スを多く添加すると、混練粉砕法による製造過程でトナ
ー中に混入する遊離ワックスやトナー粒子の表面に露出
したワックスの影響でトナーの耐熱保管性やクリーニン
グ特性(フィルミングや感光体へのトナー成分の融着
(BS)の発生)が低下するという問題が生じた。また、
感光体から中間転写体へのトナー像の転写および中間転
写体から記録紙へのトナー像の転写が良好に行われず、
得られる画像に中抜けが起こった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、ワックスの添加量を増大しても
耐熱保管性やクリーニング特性の低下および中抜け等の
弊害を引き起こすことなく、ワックス添加によるトナー
特性の向上効果を十分に発揮できるフルカラー画像形成
用トナーを提供することを目的とする。
【0008】すなわち、本発明は耐オフセット性、定着
部材(加熱部材および/または加圧部材)と記録紙との
分離性、光沢性、耐熱保管性、およびクリーニング性に
十分に優れ、中抜けが起こらないオイルレス定着可能な
フルカラー画像形成用トナーを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟化点が90〜
110℃の範囲内の第1バインダー樹脂と、樹脂の合成時
に70〜100℃の融点を有する第1ポリオレフィン系ワック
スが内添されており、軟化点が110〜135℃の範囲内で且
つ第1バインダー樹脂の軟化点より5℃以上高い第2バイ
ンダー樹脂と、120〜150℃の融点を有する第2ポリオレ
フィン系ワックスと、着色剤とを含有するトナー粒子、
およびこのトナー粒子に外添混合された外添剤からな
り、バインダー樹脂が第1バインダー樹脂と第2バインダ
ー樹脂とを含有し、第2バインダー樹脂の含有量がバイ
ンダー樹脂に対して55〜75重量%、第2バインダー樹脂
の第1ポリオレフィン系ワックスの含有量が5〜8重量
%、第2ポリオレフィン系ワックスの含有量がバインダ
ー樹脂100重量部に対して0.5〜2重量部であり、トナー
粒子の平均円形度が0.940以上0.960未満であることを特
徴とするオイルレス定着可能なフルカラー画像形成用ト
ナーに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のフルカラー画像形成用ト
ナーを構成するトナー粒子は、後で詳述する第1バイン
ダー樹脂、第2バインダー樹脂、第1ポリオレフィン系ワ
ックス、第2ポリオレフィン系ワックスおよび着色剤か
らなっており、第1ポリオレフィン系ワックスが第2バイ
ンダー樹脂の合成時に内添されている。すなわち、本発
明のトナーを構成するトナー粒子を製造するに際して
は、第1バインダー樹脂、第1ポリオレフィン系ワックス
が内添された第2バインダー樹脂、第2ポリオレフィン系
ワックス、および着色剤を用いる。
【0011】このように第1ポリオレフィン系ワックス
を第2バインダー樹脂の合成時に予め内添して用いるこ
とによって、比較的多量のワックスを用いてもワックス
のトナー粒子からの遊離を有効に防止できる。例えば、
トナーを混練粉砕法によって製造する場合において、第
1ポリオレフィン系ワックスを第2ポリオレフィン系ワッ
クスとともにトナー製造時の材料混合の工程で添加する
と、混練物の粉砕時に第1ポリオレフィン系ワックスの
みならず第2ポリオレフィン系ワックスも遊離し、分離
性、耐熱保管性、耐高温オフセット性およびクリーニン
グ性が低下し、得られる画像に中抜けが発生する。
【0012】本発明においてバインダー樹脂としては、
軟化点が90〜110℃、好ましくは95〜107℃の範囲内の第
1バインダー樹脂、および軟化点が110〜135℃、好まし
くは115〜130℃の範囲内で且つ第1バインダー樹脂の軟
化点より5℃以上、好ましくは5〜25℃、特に9〜20℃高
い第2バインダー樹脂を用いる。本発明においては第2バ
インダー樹脂の合成時に後述の第1ポリオレフィン系ワ
ックスが内添されるため、第1ポリオレフィン系ワック
スが内添された第2バインダー樹脂の軟化点が上記範囲
内であればよい。
【0013】第1バインダー樹脂の軟化点が90℃より低
いと、耐熱保管性、耐高温オフセット性、記録紙の定着
部材(例えば、定着ロール、加圧ロール等)からの分離
性(以下、単に分離性という)が低下し、問題となる。
一方、当該軟化点が110℃より高いと、得られる画像の
光沢性および定着強度が低下し、問題となる。第2バイ
ンダー樹脂の軟化点が110℃より低いと、耐熱保管性、
分離性が低下する。また、得られるトナーを非磁性一成
分現像剤として使用した場合の規制部での耐割れ性が低
下する。一方、当該軟化点が130℃より高いと、得られ
る画像の光沢性が低下する。第1バインダー樹脂と第2バ
インダー樹脂の軟化点の差が5℃未満であると、定着時
の耐オフセット性が低下し、また分離性が低下する。
【0014】第1バインダー樹脂および第2バインダー樹
脂の種類は特に制限されず、フルカラートナーの分野で
公知のバインダー樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、
(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル
系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC(環状オレフィ
ン樹脂(例えば、TOPAS-COC(Ticona社製)))等であ
ってよいが、オイルレス定着の観点から、第1バインダ
ー樹脂および第2バインダー樹脂はいずれもポリエステ
ル系樹脂を使用することが好ましい。
【0015】本発明において好ましく使用されるポリエ
ステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カル
ボン酸成分を重縮合させることにより得られたポリエス
テル樹脂が使用可能である。多価アルコール成分のうち
2価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロ
ピレン(2,2)−2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシ
エチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加
物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビ
スフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げら
れる。3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソ
ルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソル
ビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオ
ール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−
メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタン
トリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙
げられる。
【0016】また、多価カルボン酸成分のうち2価のカ
ルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル
酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼラ
イン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデ
セニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシル
コハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコ
ハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク
酸、これらの酸の無水物あるいは低級アルキルエステル
が挙げられる。
【0017】3価以上のカルボン酸成分としては、例え
ば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット
酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタ
レントリカルボン酸,1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサント
リカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−
メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサン
トリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタ
ン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリッ
ト酸、エンポール三量体酸、これらの酸の無水物、低級
アルキルエステル等が挙げられる。
【0018】また、本発明においてはポリエステル系樹
脂として、ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル
系樹脂の原料モノマーと、両方の樹脂の原料モノマーと
反応するモノマーとの混合物を用い、同一容器中でポリ
エステル樹脂を得る縮重合反応およびビニル系樹脂を得
るラジカル重合反応を並行して行わせて得られた樹脂
(以下、単に「ビニル系ポリエステル樹脂」という)も
好適に使用可能である。なお、両方の樹脂の原料モノマ
ーと反応するモノマーとは、換言すれば縮重合反応およ
びラジカル重合反応の両反応に使用し得るモノマーであ
る。即ち縮重合反応し得るカルボキシ基とラジカル重合
反応し得るビニル基を有するモノマーであり、例えばフ
マル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙
げられる。
【0019】ポリエステル樹脂の原料モノマーとしては
上述した多価アルコール成分および多価カルボン酸成分
が挙げられる。またビニル系樹脂の原料モノマーとして
は、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p
−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチ
レンまたはスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブ
チレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフ
ィン類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペン
チル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メ
チル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オ
クチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メ
タクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等のメタ
クリル酸アルキルエステル類;アクリル酸メチル、アク
リル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t
−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペ
ンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチ
ル)ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸
ウンデシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキ
ルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリロニトリ
ル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチ
ルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエー
テル等が挙げられる。ビニル系樹脂の原料モノマーを重
合させる際の重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス
イソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系またはジア
ゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、
イソプロピルパーオキシカーボネート、ラウロイルパー
オキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
【0020】第1バインダー樹脂および第2バインダー樹
脂としては上記のような各種ポリエステル系樹脂が好ま
しく使用されるが、中でも、オイルレス定着用トナーと
しての分離性および耐オフセット性をさらに向上させる
観点から、以下に示す第1バインダー樹脂および第2バイ
ンダー樹脂を使用することがより好ましい。
【0021】より好ましい第1バインダー樹脂は、上述
した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合
させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール
成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加
物を用い、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸およ
びフマル酸を用いて得られたポリエステル樹脂である。
【0022】より好ましい第2バインダー樹脂はビニル
系ポリエステル樹脂、特にポリエステル樹脂の原料モノ
マーとしてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加
物、テレフタル酸、トリメリット酸およびコハク酸を用
い、ビニル系樹脂の原料モノマーとしてスチレンおよび
ブチルアクリレートを用い、両反応性モノマーとしてフ
マル酸を用いて得られたビニル系ポリエステル樹脂であ
る。
【0023】本発明においては上述したように第2バイ
ンダー樹脂の合成時に第1ポリオレフィン系ワックスが
内添される。第2バインダー樹脂に第1ポリオレフィン系
ワックスを予め内添するには、第2バインダー樹脂を合
成する際に、第2バインダー樹脂を合成するためのモノ
マー中に第1ポリオレフィン系ワックスを添加した状態
で第2バインダー樹脂の合成を行えば良い。例えば、第2
バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂を構成する
酸モノマーおよびアルコールモノマーに第1ポリオレフ
ィン系ワックスを添加した状態で縮重合反応を行えば良
い。第2バインダー樹脂がビニル系ポリエステル樹脂の
場合には、ポリエステル樹脂の原料モノマーに第1ポリ
オレフィン系ワックスを添加した状態で、当該モノマー
を撹拌および加熱しながら、これにビニル系樹脂の原料
モノマーを滴下して重縮合反応およびラジカル重合反応
を行えばよい。
【0024】第1ポリオレフィン系ワックスは融点70〜1
00℃、好ましくは70〜90℃のポリエチレンワックスまた
はポリプロピレンワックスである。第1ポリオレフィン
系ワックスの融点が70℃より低いと、耐熱保管性、クリ
ーニング性(フィルミング・BS)が低下する。一方、当
該融点が100℃より高いと、分離性が低下する。第1ポリ
オレフィンワックスとしてポリオレフィン系ワックス以
外のもの、例えば、カルナウバワックス等の植物性ワッ
クスを用いると、当該ワックスの遊離が顕著となって、
分離性、耐熱保管性およびクリーニング性が低下する。
【0025】遊離ワックスの防止と分離性の向上の観点
からは、第1ポリオレフィン系ワックスとしてポリエチ
レンワックスを用いることが好ましい。第1ポリオレフ
ィン系ワックスとしてのポリエチレンワックスとして
は、市販のポリワックス400(東洋ペトロライト社製)
等が入手可能である。
【0026】第1ポリオレフィン系ワックスの添加量は
第2バインダー樹脂(すなわち、第2バインダー樹脂を形
成する全モノマー)に対して5〜8重量%、好ましくは5.
5〜7重量%、より好ましくは6〜7重量%が望ましい。5
重量%より少ないと、分離性が低下する。8重量%より
多いと、耐熱保管性およびクリーニング性が低下する。
【0027】トナー粒子中における第1バインダー樹脂
と第2バインダー樹脂の含有割合は重量比(第1バインダ
ー樹脂/第2バインダー樹脂(内添ワックス重量を含
む))で25/75〜45/55、好ましくは30/70〜40/60であ
る。第2バインダー樹脂が少なすぎると分離性、耐高温
オフセット性が低下して問題となる。第2バインダー樹
脂が多すぎると光沢性、耐熱保管性が低下する。
【0028】より好ましくは上記のような重量比で使用
された第1バインダー樹脂と第2バインダー樹脂からなる
バインダー樹脂の軟化点は100〜125℃、特に105〜125℃
である。本発明においては第1バインダー樹脂と第1ポリ
オレフィン系ワックスが内添された第2バインダー樹脂
からなるバインダー樹脂の軟化点が上記範囲内であれば
よい。
【0029】第1バインダー樹脂およびワックス内添第2
バインダー樹脂のいずれも酸価は5〜50KOHmg/g、好まし
くは10〜40KOHmg/gであることが望ましい。特に、ポリ
エステル系樹脂を用いる場合このような酸価を有する樹
脂を用いることによって、各種着色剤等の分散性を向上
させるとともに、十分な帯電量を有するトナーとするこ
とができる。
【0030】第2バインダー樹脂はテトラヒドロフラン
(THF)に不溶な成分を含有していることが、耐高温オ
フセット性の観点から好ましい。ワックス内添第2バイ
ンダー樹脂中でのTHF不溶成分含有量で0.1〜15重量%、
特に0.2〜10重量%、さらに0.3〜5重量%が好適であ
る。
【0031】本発明のカラートナーに使用される第2ポ
リオレフィン系ワックスは融点が120〜150℃、好ましく
は130〜150℃のポリエチレンワックスまたはポリプロピ
レンワックスである。第2ポリオレフィン系ワックスの
融点が120℃より低いと、耐高温オフセット性が低下す
る。一方、当該融点が150℃より高いと、耐高温オフセ
ット性が低下する。
【0032】遊離ワックスの防止と耐高温オフセット性
の向上の観点からは、第2ポリオレフィン系ワックスと
してポリプロピレンワックスを使用することが好まし
い。第2ポリオレフィン系ワックスとしてのポリプロピ
レンワックスとしては、市販の550P(三洋化成社製)、
100TS(三洋化成社製)が入手可能である。
【0033】トナー粒子中における第2ポリオレフィン
系ワックスの含有量は第1バインダー樹脂と第2バインダ
ー樹脂からなる全バインダー樹脂100重量部(第2バイン
ダー樹脂に内添されるワックス重量は含まない;以下、
単に「全バインダー樹脂100重量部」という)に対して
0.5〜2重量部、好ましくは0.8〜1.8重量部が望ましい。
0.5重量部より少ないと、耐高温オフセット性が低下す
る。2重量部より多いと、耐熱保管性が低下する。
【0034】本発明で使用される着色剤としては、従来
からフルカラートナーの着色剤として使用されている公
知の顔料及び染料が使用可能である。例えば、カーボン
ブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロム
イエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッ
ド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フ
タロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ラン
プブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド
48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・
レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメ
ント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.
ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イエロー16
2、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イ
エロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメ
ント・ブルー15:3等を挙げることができる。トナー粒
子中における着色剤の含有量としては全バインダー樹脂
100重量部に対し2〜15重量部の範囲が好ましい。着色剤
は、使用される第1バインダー樹脂と第2バインダー樹脂
との混合バインダー樹脂中に分散されたマスターバッチ
の形態で使用されることが分散性の観点から好ましい。
マスターバッチの添加量は含有される着色剤の量が上記
範囲内となるような量であればよい。マスターバッチ中
の着色剤含有率は20〜40重量%が好適である。
【0035】本発明のトナーは、上記した第1バインダ
ー樹脂、第1ポリオレフィン系ワックスが内添された第
2バインダー樹脂、第2ポリオレフィン系ワックス、およ
び着色剤を従来の方法で混合、混練、粉砕、分級し、所
望の粒径を有するトナー粒子(着色樹脂粒子)を得、こ
のトナー粒子を瞬間的加熱処理した後、外添剤と混合す
ることにより得ることができる。トナー粒子の平均粒径
としては4〜10μm、好ましくは5〜9μmである。この段
階で得られる粒子は瞬間加熱処理された後でも、その粒
径分布はほとんど変わらない。
【0036】本発明においては、トナー粒子に瞬間的加
熱処理を施す前に、無機微粒子を混合処理することが好
ましい。このように瞬間加熱処理の前にトナー粒子に無
機微粒子を混合処理すること(以下、無機微粒子の前処
理と略す)によって、トナー粒子の流動性が向上し、瞬
間加熱処理を行う際の均一分散性が向上する。また、無
機微粒子の前処理によって、熱処理の際にトナー粒子同
士が凝集することを防止することができる。瞬間的加熱
処理前に添加された無機微粒子は、瞬間的加熱処理によ
ってトナー粒子表面に固着されるようになる。
【0037】上記無機微粒子としては、炭化けい素、炭
化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニ
ウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭
化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カ
ルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化
物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各
種窒化物、ホウ化ジルコニウム等のホウ化物、酸化物、
酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、シリカ、コロイダル
シリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸
マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン
酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネ
シウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベ
ントナイト等の各種非磁性無機微粒子を単独であるいは
組み合わせて用いることができる。このような無機微粒
子としてはBET比表面積が10〜350m2/gのものが使用可能
である。
【0038】本発明において使用する瞬間的加熱処理
は、熱風中にトナー粒子を圧縮空気により分散噴霧する
ことにより、トナー粒子を熱により表面改質し、所定の
円形度を達成するものである。
【0039】瞬間的加熱処理を行なう装置の概略構成図
を図1および図2を用いて説明する。図1に示す如く、熱
風発生装置101にて調製された高温高圧エアー(熱風)
は導入管102を経て熱風噴射ノズル106より噴射される。
一方、トナー粒子105は定量供給器104から所定量の加圧
エアーによって導入管102’を経て搬送され、前記熱風
噴射ノズル106の周囲に設けられた試料噴射室107へ送り
込まれる。
【0040】試料噴射室107は、図2に示す如く、中空の
ドーナツ形状をしており、その内壁には複数の試料噴射
ノズル103が等間隔に配置されている。試料噴射室107へ
送り込まれたトナー粒子は、噴射室107で拡散して均等
に分散した状態となり、引き続き送り込まれてくるエア
ーの圧力によって複数の試料噴射ノズル103から熱風気
流中へ噴射される。
【0041】また、試料噴射ノズル103の噴出流が熱風
気流を横切ることがないように試料噴射ノズル103に所
要の傾きを設けておくことが好ましい。具体的には、ト
ナー噴出流が熱風気流にある程度沿うように噴射するこ
とが好ましく、トナー噴出流と熱風気流の中心領域の流
れ方向なす角度が20〜40°、好ましくは25〜35°が好ま
しい。40°よりも広いとトナー噴出流が熱風気流を横切
るように噴射されることになり、他のノズルから噴射さ
れたトナー粒子と衝突してトナー粒子の凝集が発生し、
一方、20°よりも狭いと熱風中に取り込まれないトナー
粒子が発生し、トナー粒子の形状が不均一となる。
【0042】また、試料噴射ノズル103は複数本必要で
あり、少なくとも3本以上、4本以上が好ましい。複数本
の試料噴射ノズルを使用することによって熱風気流中へ
のトナー粒子の均一な分散が可能となり、トナー粒子1
つ1つの加熱処理を確実に行うことができる。試料噴射
ノズルから噴出された状態としては、噴出時点で広く拡
散し、他のトナー粒子と衝突することなく熱風気流全体
へ分散されることが望ましい。
【0043】このようにして噴射されたトナー粒子は高
温の熱風と瞬間的に接触して均質に加熱処理される。こ
こで瞬間的とは、処理温度並びにトナー粒子の熱風気流
中での濃度により異なるが、必要なトナー粒子の改質
(加熱処理)が達成され、かつトナー粒子同士の凝集が
発生しない時間であり、通常2秒以下、好ましくは1秒
以下がよい。この瞬間的時間は、トナー粒子が試料噴射
ノズルから噴射され、導入管102”に導入されるまでの
トナー粒子の滞留時間として表わされる。この滞留時間
が2秒を越えると合一粒子が発生しやすくなる。
【0044】次いで、瞬間加熱されたトナー粒子は直ち
に冷却風導入部108から導入される冷風によって冷却さ
れ、装置器壁へ付着したり粒子同士凝集したりすること
なく導入管102”を経てサイクロン109により捕集され、
製品タンク111に貯まる。トナー粒子が捕集された後の
搬送エアーはさらにバグフィルター112を通過して微粉
が除去された後、ブロアー113を経て大気中へ放出され
る。なお、サイクロン109は、冷却水が流れている冷却
ジャケットを設け、トナー粒子の凝集を防止することが
好ましい。
【0045】その他、瞬間的加熱処理を行うに重要な条
件としては、熱風風量、分散風量、分散濃度、処理温
度、冷却風温度、吸引風量、冷却水温度である。熱風風
量とは、熱風発生装置101により供給される熱風の風量
である。この熱風風量は、多くする方が熱処理の均一
性、処理能力を向上させる意味で好ましい。分散風量と
は、加圧エアーによって、導入管102’に送り込まれる
風量のことである。その他の条件にもよるが、この分散
風量は、押さえて熱処理した方が、トナー粒子の分散状
態が向上、安定する為好ましい。
【0046】分散濃度とは、熱処理領域(具体的にはノ
ズル吐出領域)でのトナー粒子の分散濃度をいう。好適
な分散濃度はトナー粒子の比重によって異なり、分級濃
度を各トナー粒子の比重で割った値が、50〜300g/m3
好ましくは50〜200g/m3で処理することが好ましい。
【0047】処理温度とは、熱処理領域での温度をい
う。熱処理領域では中心から外側に向け温度勾配が実状
存在するが、この温度分布を低減して処理することが好
ましい。装置面からは、スタビライザー等により風を安
定化層流状態で供給する事が好ましい。本発明において
は、バインダー樹脂のガラス転移点+100℃以上〜ガラ
ス転移点+300℃のピーク温度範囲で処理することが好
ましい。より好ましくはバインダー樹脂のガラス転移点
+120℃以上〜ガラス転移点+250℃のピーク温度範囲で
処理する。ここでバインダー樹脂のガラス転移点とは、
前記した第1バインダー樹脂と、第1ポリオレフィン系ワ
ックスが内添された第2バインダー樹脂との混合バイン
ダー樹脂のガラス転移点を指すものとする。なお、ピー
ク温度範囲とはトナーが熱風と接触する領域での最高温
度をいう。
【0048】第1ポリオレフィン系ワックスを第2バイン
ダー樹脂の合成時に内添することなく、第2ポリオレフ
ィン系ワックスと同様にトナー製造時の材料混合の工程
で添加すると、合一粒子が発生しやすくなる。本発明に
おいては、第1ポリオレフィン系ワックスを第2バインダ
ー樹脂の合成時に内添し、ワックスの遊離が有効に防止
されているため、瞬間的加熱処理中において合一粒子の
発生は起こり難い。合一粒子の発生をより有効に防止す
る観点からは、熱処理前の無機微粒子(特に大粒径成分
の無機微粒子)の添加量を多めに設定することが好まし
い。
【0049】冷却風温度とは、冷却風導入部108から導
入される冷風の温度である。トナー粒子は瞬間的加熱処
理後、トナー粒子の凝集あるいは合一が発生しない温度
領域まで瞬時に冷却すべく、冷却風によりガラス転移点
以下の雰囲気下に戻すことが好ましい。この為、冷却風
の温度は、25℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ま
しくは、10℃以下で冷却する。しかしながら、必要以上
に温度を下げると条件によっては結露が発生する可能性
があり、逆に副作用が生じるので注意が必要である。か
かる瞬間的加熱処理では、次に示す装置内の冷却水によ
る冷却と併せて、バインダ樹脂が溶融状態にある時間が
非常に短い為、粒子相互および熱処理装置の器壁への粒
子付着がなくなる。この結果、連続性生産時の安定性に
優れ、製造装置の清掃頻度も極端に少なくでき、また、
収率を高く安定的に制御できる。
【0050】吸引風量はブロアー113により、処理され
たトナー粒子をサイクロンに搬送する為のエアーをい
う。この吸引風量は、多くする方が、トナー粒子の凝集
性を低減させる意味で好ましい。
【0051】冷却水温度とは、サイクロン109、114なら
びに導入管102”に設けられている冷却ジャケット内の
冷却水の温度をいう。冷却水温度は、25℃以下、好まし
くは15℃以下、さらに好ましくは10℃以下である。
【0052】球形度(円形度)が高く、かつ、形状のバ
ラツキを小さく押さえる為には、さらに以下の工夫を施
すことが好ましい。
【0053】熱風気流中に供給するトナー粒子量を一
定に制御し、脈動等を発生させないこと。このために
は; (i)図1中115で使用されるテーブルフィーダーおよ
び振動フィーダー等を複数種組み合わせて使用して、定
量供給性を高める。テーブルフィーダーおよび振動フィ
ーダーを使用して、精度の高い定量供給を行うことがで
きれば、微粉砕あるいは分級工程を連結し、そのままオ
ンラインで熱処理工程にトナー粒子を供給することも可
能となる;
【0054】(ii)トナー粒子を圧縮空気で供給後、熱
風中に供給する前に、トナー粒子を試料供給室107内で
再分散させ、均一性を高める。例えば、二次エアーによ
り再分散させる、バッファ部を設けてトナー粒子の分散
状態を均一化する、または同軸二重管ノズル等で再分散
させる等の手段を採用する;
【0055】熱風気流中に噴霧供給した際のトナー粒
子の分散濃度を最適化かつ均一に制御すること。このた
めには;
【0056】(i)熱風気流中への供給は、全周方向か
ら均一に、かつ、高分散状態で投入する。より具体的に
は分散ノズルから供給する場合には、スタビライザ等を
有するノズルを使用し、個々のノズルから分散されるト
ナー粒子の分散均一性を向上させる;
【0057】(ii)熱風気流中のトナー粒子の分散濃度
を均一化する為、ノズル本数は、前記したように少なく
とも3本以上、好ましくは、4本以上とできる限り多く
し、かつ、全周方向に対して、対称形で配置する。360
度全周領域に設けられたスリット部から均一にトナー粒
子を供給してもよい;
【0058】すべての粒子に対して、均一な熱エネル
ギーがかかる様、トナー粒子が処理される領域での熱風
の温度分布がなき様制御され、かつ、熱風が層流状態に
制御されていること。このためには;
【0059】(i)熱風を供給する熱源の温度バラツキ
を低減すること; (ii)熱風供給前の直管部分をできる限り長くしたりす
る。または、熱風供給口付近に熱風を安定化させる為の
スタビライザを設けることも好ましい。さらに、図1に
例示した装置構成は、開放系であり、そのため外気と接
する方向に熱風が拡散する傾向にある為、熱風の供給口
を必要に応じて絞っても良い;
【0060】熱処理品の捕収は、熱を発生させないよ
う制御されてなること。このためには; (i)熱処理ならびに冷却されてなる粒子は、配管系
(特にアール部分)ならびに通常トナー粒子の捕収で使
用されているサイクロンで発生する熱を押さえる為、チ
ラーでの冷却をすることが好ましい。
【0061】上記のような瞬間的加熱処理を施されたト
ナー粒子は平均円形度が0.940以上0.960未満、好ましく
は0.945以上0.955以下に調節されている。トナー粒子の
平均円形度が0.940未満であると耐熱保管性が低下し、
中抜けが発生するとともに、規制部でトナー固着が発生
し現像ローラ上にスジ、ムラが生じる。また、非磁性一
成分現像剤として使用した場合の規制部での耐割れ性が
低下する。一方、平均円形度が0.960以上であるとクリ
ーニング性が低下し、中抜けが発生する。また、高温で
熱処理する必要があるためトナー粒子中でのワックスの
再凝集や表面への滲み出し、トナー粒子同士の合一が生
じ、耐熱保管性等が低下する。
【0062】瞬間的加熱処理されたトナー粒子には外添
剤が添加される。外添剤としては少なくともBET比表面
積100〜300m2/g、好ましくは150〜250m2/gの第1無機微
粒子とBET比表面積5〜30m2/g、好ましくは5〜20m2/gの
第2無機微粒子を使用する。第1無機微粒子を外添するこ
とにより、トナーの流動性が向上し、帯電の均一性が向
上するため、長期にわたって安定した耐久特性を示すよ
うになる。第2無機微粒子を外添すると、当該粒子はト
ナー粒子間にスペーサーとして存在し、トナー粒子同士
の凝集を防止するため、耐熱保管性がより向上する。
【0063】第1無機微粒子および第2無機微粒子の材料
としては前記した無機微粒子と同様の材料が使用可能で
あるが、第1無機微粒子としてはシリカを用いることが
好ましい。第2無機微粒子としてはチタン酸化合物、特
にチタン酸ストロンチウムを用いることが好ましい。
【0064】第1無機微粒子の添加量はトナー粒子に対
して0.3〜3.0重量%であることが好ましい。第2無機微
粒子の添加量はトナー粒子に対して0.3〜3.0重量%であ
ることが好ましい。
【0065】以上のようにして製造された本発明のフル
カラー画像形成用トナーは非磁性一成分現像剤または非
磁性二成分現像剤のいずれの現像剤としても使用され得
る。フルカラー画像形成装置の小型化の観点からキャリ
アを使用しないことが好ましいため、本発明のトナー
は、撹拌機構等の省略により現像装置の小型化が可能な
非磁性一成分現像剤として使用することが好ましい。非
磁性一成分現像方式を採用する場合、キャリアを使用し
ないため、現像ローラ等の現像剤担持体に圧接配置され
た規制部材との摩擦によってトナーを帯電させるが、本
発明のトナーはそのような摩擦によって割れ難く、優れ
た耐われ性や移動性を有している。
【0066】以上のような本発明のトナーからなるトナ
ー像を定着させるに際しては、加熱部材と該加熱部材に
圧接して配置された加圧部材または加圧加熱部材との圧
接部に、トナー像を担持した記録紙(例えば、用紙)を
通過させることを含む定着方法を採用することが好適で
あり、特に加熱部材からの用紙の分離を有効に達成する
観点から圧接部のニップ構成が上に凸となっていること
が好ましい。さらに加熱部材は用紙と加熱部材との分離
性のさらなる向上の観点から、表面がフッ素系樹脂、例
えばPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体)、ポリ四フッ化エチレン、ポリ
フッ化ビニリデンから形成されていることが好ましい。
【0067】そのような定着方法を採用した定着装置と
して、例えば図3に概略的に示す定着装置を好ましく用
いることができる。図1の定着装置は加熱部材として加
熱ローラ11、加圧部材として加圧ローラ12を用いてい
る。詳しくは、加熱ローラ11、加熱ローラに圧接される
加圧ローラ12、定着後のシートを加熱ローラから分離す
るための分離爪13、加熱ローラ表面をクリーニングする
ためのクリーニングウェブ14、クリーニングウェブが巻
回されたウェブローラ15、クリーニングウェブを巻き取
る巻取りローラ16を備えている。加熱ローラ11は、通常
アルミ芯金17上に弾性体層18および表層19を有してお
り、アルミ芯金内部にヒーター20を備えている。加圧ロ
ーラ12は、通常、アルミ芯金21上に弾性体層22および表
層23を有している。弾性体層(18,22)の材質は特に制
限されないが、好ましくはシリコーンゴムである。表層
(19,23)の材質は特に制限されないが、好ましくはフ
ッ素系樹脂、特にPFAである。図1において加熱ローラ11
と加圧ローラ12の圧接部には、加熱ローラ側(上側)に
凸形状となるニップ24が形成されている。当該圧接部
に、トナー像26を担持した記録シート25を図中右から左
に通過させることによって定着が行われる。
【0068】
【実施例】(ワックス内添ポリエステル樹脂(樹脂1〜
3、6、7、および9〜18)の製造)ビニル系樹脂の単量体
として、表1に示す量のスチレンおよびブチルアクリレ
ート及び重合開始剤(ジクミルパーオキサイド)を滴下
ロートに入れた。次にポリエステルの単量体として、表
1に示す量のアルコール成分および酸成分、重合開始剤
(ジブチルパーオキシド)及び表1に示したワックスを
表1に示す添加量(全モノマーに対する重量%)で温度
計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー、および
窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに入
れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に加熱撹拌しつ
つ、滴下ロートより予め作製しておいたビニル系樹脂の
単量体及び重合開始剤を時間をかけて滴下した。その
後、一定の温度に保持したまま付加重合反応を熟成させ
た後、再び昇温して縮重合反応を行わせた。そして、こ
の反応の進行は、酸価を測定することにより追跡した。
所定の酸価に達した時点でそれぞれ反応を終了させて室
温まで冷却し、ワックス内添ポリエステル樹脂を得た。
得られた各ポリエステル樹脂は1mm以下に粗砕したもの
を以下のトナーの製造で用いた。なお、ここで得られた
ポリエステル樹脂の物性は、表2に示す通りのガラス転
移温度(Tg)、軟化点(Tm)、酸価、水酸価およびテト
ラヒドロフラン(THF)不溶成分含有量を有する。
【0069】(ワックスを内添しないポリエステル樹脂
(樹脂4、5および8)の製造)温度計、ステンレス製撹
拌棒、流下式コンデンサー、および窒素導入管を取り付
けたガラス製4つ口フラスコに、表1に示す量のアルコ
ール成分および酸成分を重合開始剤(ジブチル錫オキシ
ド)とともに入れた。これをマントルヒーター中におい
て窒素気流下にて、撹拌加熱しながら加熱することによ
り反応させた。そして、この反応の進行は、酸価を測定
することにより追跡した。所定の酸価に達した時点でそ
れぞれ反応を終了させて室温まで冷却し、ポリエステル
樹脂を得た。得られた各ポリエステル樹脂は1mm以下に
粗砕したものを以下のトナーの製造で用いた。なお、こ
こで得られたポリエステル樹脂の物性は、表2に示す通
りのガラス転移温度(Tg)、軟化点(Tm)、酸価、水酸
価およびテトラヒドロフラン(THF)不溶成分含有量を
有する。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】ワックスについての詳細を表3に示す。
【表3】
【0073】(顔料マスターバッチの製造)ワックスが
内添されていないこと以外、各実施例または比較例で使
用されるバインダー樹脂と同様の樹脂とC.I.Pigment Re
d 57-1(富士色素社製)とを重量比で7:3の割合で加圧
ニーダーに仕込み、120℃で1時間混練した。冷却後、ハ
ンマーミルで粗粉砕し、顔料含有率30重量%の顔料マス
ターバッチを得た。
【0074】(実施例1)表4に示す割合の第1および第
2バインダー樹脂からなるバインダー樹脂100重量部
(内添ワックスの重量を含む)に対して、C.I.Pigment
Red 57-1を4重量部含有相当のマスターバッチと、1重量
部の酸化型低分子量ポリプロピレン(100TS:三洋化成
社製、酸価3.5)をヘンシェルミキサーで十分混合した
後、2軸押し出し混練機(PCM-30:池貝鉄工社製)の排
出部を取り外したものを使用して、溶融混練し、得られ
た混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷却
ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その
後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径1
0〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:
日本ニューマチックエ業社製)で粗粉分級しながら粉砕
した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス
型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使
用して行い着色樹脂粒子を得た。
【0075】この着色樹脂粒子100重量部に対して、疎
水性シリカ(TS-500:キャボジル社製:BET比表面積225m
2/g)1.0重量部と、疎水性シリカ(AEROSIL 90G;日本
アエロジル社製)のヘキサメチレンジシラザン処理品;
BET比表面積65m2/g、pH6.0、疎水化度65%以上)1.0重
量部を添加し、ヘンシェルミキサーで(周速40m/sec、6
0秒間)混合処理した後、図1に示す装置により、以下
の条件で熱による表面改質を行い平均円形度0.951、体
積平均粒径7.5μmのマゼンタトナー粒子を得た。
【0076】(表面改質処理の条件) 現像剤供給部;テーブルフィーダー+振動フィーダー 分散ノズル;4本(全周に対して、各90度の対称形配
置) 噴出角度;30度 熱風風量;800L/min 分散風量;55L/min 吸引風量;-1200L/min 分散濃度;100g/m3 処理温度;200℃ 滞留時間;0.5秒 冷却風温度;15℃ 冷却水温度;10℃
【0077】更にこのトナー粒子100重量部にBET比表面
積225m2/gの疎水性シリカ微粒子(TS-500;キャボジル
社製)0.5重量部及びBET比表面積9m2/gのチタン酸スト
ロンチウム微粒子0.5重量部を加えてヘンシェルミキサ
ーにて周速40m/sにて3min混合した後、目開き106μmの
篩で篩って実施例1のトナーを得た。
【0078】(実施例2〜15及び比較例1〜15)第1バイ
ンダー樹脂及び第2バインダー樹脂の種類および混合比
率、ワックス種類並びに添加量、ならびに熱処理温度等
を表4または表5に記載したように変更したこと以外、実
施例1と同様にして各実施例及び比較例のトナーを得
た。
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】<耐熱保管性>トナー10gを50℃の高温下
に24時間放置後、そのトナーを目視で確認することによ
り行なった。 ○:凝集トナーがなく、全く問題なかった; △:軽い軟凝集が存在するが、軽い力ですぐ解れ、実用
上問題なかった; ×:強い凝集塊が存在し、容易には解れず、実用上問題
があった。
【0082】<定着分離テスト>非磁性一成分現像方式
のフルカラープリンタLP-3000C(エプソン社製)を用い
て、A4縦通紙で先端5mmに幅36mmのべた帯画像(付着量5
g/m2)を印字した未定着画像を作成した。この未定着画
像を以下の定着装置を用いて様々な定着温度で定着さ
せ、分離可能/非オフセット温度域を求めた。当該温度
域は、加熱ローラからの紙の分離が良好に行われ、かつ
オフセット現象が発生しない定着温度範囲をいう。使用
ペーパー及び通紙方向は、分離性に不利な64g/m2紙のY
目の縦通紙で行った。定着装置周速は120mm/secであっ
た。
【0083】定着装置は図3に示す装置であって、フッ
素系表層剤構成のソフトローラタイプのものである。詳
しくは、加熱ローラ11は、外径40mmで、アルミ芯金17上
にシリコーンゴムからなる厚さ1.5mmの弾性体層18およ
びPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体)表層19を有しており、アルミ芯金
内部にヒーター20を備えている。加圧ローラ12は、外径
35mmで、アルミ芯金21上にシリコーンゴムからなる厚さ
3mmの弾性体層22およびPFA表層23を有している。加熱ロ
ーラ11と加圧ローラ12の圧接部には、加熱ローラ側に凸
形状となるニップ(ニップ幅7mm)24が形成されてい
る。図3の装置はさらに定着後のシートを加熱ローラ11
から分離するための分離爪13、加熱ローラ11表面をクリ
ーニングするためのクリーニングウェブ14、クリーニン
グウェブが巻回されたウェブローラ15、クリーニングウ
ェブを巻き取る巻取りローラ16を備えた構成としたが、
定着オイルは使用せずに実験を行った。 ○:分離可能/非オフセット温度域が50℃以上 △:分離可能/非オフセット温度域が30℃以上50℃未満 ×:分離可能/非オフセット温度域が30℃未満
【0084】<画像光沢度測定方法>光沢度の測定に
は、光沢度計(GM-060;ミノルタ社製)を用いた。フル
カラープリンタLP-3000C(エプソン社製)を用いて、1.
5cm×1.5cmのべタ画像(付着量2.0mg/cm2)を印字した
未定着画像を作成した。この未定着画像を図3の定着装
置を用いて定着温度160℃で定着し、それぞれの画像の
光沢度を測定した。光沢度が、30以上のものを○、20以
上30未満のものを△(実用上問題ない)、20未満のもの
を×(実用上問題あり)とした。
【0085】<高温オフセット性評価方法>フルカラー
ブリンタLP-3000C(エプソン社製)を用いて、ハーフト
ーン画像を印字した未定着画像を作成した。この未定着
画像を図3の定着装置を用いて、定着温度を130℃〜190
℃の範囲において5℃刻みで変化させながら未定着画像
の定着を行い、画像のオフセットの状態を目視で評価
し、高温オフセットが発生する温度を評価した。この高
温オフセット発生温度が160℃以上のものを○、155℃以
上160℃未満のものを△(実用上問題ない)、155℃未満
のものを×(実用上問題あり)とした。
【0086】<クリーニング性>フルカラープリンタLP
-3000C(エプソン社製)の定着装置を図3の定着装置に
変更した改造機を用いて、B/W比6%の所定のプリントパ
ターンをN/N環境下(23℃、45%)で連続印字した。N/N
環境下の初期及び2000枚連続印字後(耐久後)に、感光
体および中間転写ベルト上を目視で観察評価した。判断
基準は以下の通りである。 ○;感光体上および中間転写体上にはフィルミングおよ
びBSの発生がなく、全く問題なかった。 △;感光体上および中間転写体上、どちらか片方でフィ
ルミングおよびBSの発生が見られたが、画像上には見え
ず、実用上問題なかった。 ×;感光体上および/または中間転写体上にフィルミン
グおよびBSの発生があり、画像上でも確認でき、実用上
問題があった。
【0087】<転写中抜け>クリーニング性の評価方法
と同様に連続印字し、N/N環境下の初期及び2000枚連続
印字後(耐久後)の印字画像を目視により観察し、中抜
けを評価した。判断基準は以下の通りである。なお、紙
上へのトナー付着量はバイアスの設定を変えて1.0mg/cm
2(±0.1)となるように設定している。 ○;画像上に中抜けの発生はなかった。 △;画像上に中抜けが発生しているものの、実用上問題
なかった。 ×;写画像上に中抜けが多数発生しており、実用上問題
があった。
【0088】<規制不良>クリーニング性の評価方法と
同様に連続印字し、N/N環境下の初期及び2000枚連続印
字後(耐久後)に、現像装置の現像ローラ上の現像剤の
状態および印字画像を目視により観察し評価した。判断
基準は以下の通りである。 ○;現像ローラ上にスジ、ムラの発生がなかった。 △;現像ローラ上にスジ又はムラが若干発生していた
が、画像としては実用上問題がなかった。 ×;現像ローラ上にスジ又はムラが発生していたり、規
制ブレード又は現像ローラにトナー固着が発生してお
り、画像として実用上問題があった。
【0089】
【表6】
【0090】
【表7】
【0091】物性値等の測定方法について <ガラス転移点(Tg)>示差走査熱量計(DSC-200:セ
イコー電子社製)を用い、測定する試料10mgを精密に秤
量して、これをアルミニウムパンに入れ、リファレンス
としてアルミナをアルミニウムパンに入れたものを用
い、昇温速度30℃/minで常温から200℃まで昇温させた
後、これを冷却し、昇温速度10℃/minで20〜120℃の間
で測定を行い、この昇温過程で30〜90℃の範囲における
メイン吸熱ピークのショルダー値をTgとした。 <樹脂/トナー軟化点(Tm)>フローテスター(CFT-50
0;島津製作所製)を用い、測定する試料1.5gを秤量
し、h1.0mm×φ1.0mmのダイを使用し、昇温速度3.0℃/m
in、予熱時間180秒、荷重30kg、測定温度範囲80〜140℃
の条件で測定を行い、上記の試料が1/2流出したときの
温度を軟化点とした。
【0092】<Mn、Mw>ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(807-IT型;日本分光工業社製)を用いて測
定した。カラムを40℃に保ちながら、キャリア溶液とし
てテトラヒドロフランを1kg/cm2で流し、測定する試料3
0mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、この溶液0.5mg
を上記のキャリア溶媒と共に装置内に導入して、ポリス
チレン換算により求めた。
【0093】<酸価>10mgの試料をトルエン50mlに溶解
し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッド
の混合指示薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリ
ウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/
アルコール溶液の消費量から算出した値である。 <水酸価>水酸価は、秤量された試料を無水酢酸で処理
し、得られたアセチル化合物を加水分解し、遊離する酢
酸を中和するために必要な水酸価化カリウムmgで表し
た。
【0094】<THF不溶分含有量>THF不溶分(重量%)
はテトラヒドロフランを溶媒とした10時間のソックスレ
ー抽出により測定した。 <ワックスの融点>ASTM D127に基づいて測定した。
【0095】<合一粒子の含有割合>得られた各トナー
における合一粒子の含有割合(個数%)をフロー式粒子
像分析装置(FPIA-2000;東亜医用電子株式会社製)を
用いて測定した。この装置は、投入されたトナーから任
意に選択された約3000個のトナー粒子を1個ずつ撮影
し、各撮影像から個々のトナー粒子の粒径を測定し、そ
れらを所定の粒径範囲ごとに各撮影像をクラスわけする
機能を備えている。本装置を用い、以下の手順で測定し
た。
【0096】まず、粒径10μm以上20μm未満のクラス
(クラス5)の全粒子数の約1.5割にあたる数の撮影像の
中から合一粒子の数をカウントし、このカウント数から
クラス5に含まれる全粒子中の合一粒子の数を算出し
た。同様に、粒径5μm以上10μm未満のクラス(クラス
6)の全粒子数の約1割にあたる数の撮影像の中から合
一粒子の数を算出した。
【0097】また、粒径20μm以上40μm未満のクラス
(クラス4)に含まれるトナー粒子は、全て合一粒子で
あると見なした。そして、これらのクラス4、5、6に含
まれる上述の合一粒子数、並びにこれらのクラス4、5、
6に含まれる全粒子数から、クラス4、5、6に占める合一
粒子の個数割合を下記式によって求め、これを合一粒子
含有割合(個数%)とした。なお、選択する撮影像の数
は上記に限定されるものではなく、それぞれのクラスに
含まれる合一粒子の数を換算できればよいものとする。 合一粒子含有割合(個数%)=100×{クラス4の全粒子
数+(クラス5の全粒子数/選択されたクラス5の撮影像
の数×クラス5の合一粒子数)+(クラス6の全粒子数/選
択されたクラス6の撮影像の数×クラス6の合一粒子
数)}/(クラス4+クラス5+クラス6)の全粒子数
【0098】
【発明の効果】本発明により、ワックスの添加量を増大
しても耐熱保管性やクリーニング特性の低下および中抜
け等の弊害を引き起こすことなく、ワックス添加による
トナー特性の向上効果を十分に発揮できるフルカラー画
像形成用トナーを提供できる。すなわち、本発明によ
り、耐オフセット性、定着部材(加熱部材および/また
は加圧部材)と記録紙との分離性、光沢性、耐熱保管
性、およびクリーニング性に十分に優れ、中抜けが起こ
らないオイルレス定着可能なフルカラー画像形成用トナ
ーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 瞬間的加熱処理を行なうための装置の概略構
成図を示す。
【図2】 図1の装置における試料噴射室の概略水平断
面図を示す。
【図3】 実施例で使用した定着装置の概略構成図を示
す。
【符号の説明】
101:熱風発生装置、102、102’、102”:導入管、103:
試料噴射ノズル、104:滞留した粉体、105:トナー粒
子、106:熱風噴射ノズル、107:噴射室、108:冷却風
導入部、109:サイクロン、111:製品タンク、112:バグ
フィルター、113:ブロアー、114:コニカル部、115:
フィダー、11:加熱ローラ、12:加圧ローラ、13:分離
爪、14:クリーニングウェブ、15:ウェブローラ、16:
巻取りローラ、17:芯金、18:弾性体層、19:表層、2
0:ヒーター、21:芯金、22:弾性体層、23:表層、2
4:ニップ、25:記録シート、26:トナー像。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒瀬 克宣 東京都港区高輪二丁目16番29号丸高高輪ビ ル エフ・アンド・エム・イメージング・ テクノロジー株式会社内 (72)発明者 井上 雅偉 東京都港区高輪二丁目16番29号丸高高輪ビ ル エフ・アンド・エム・イメージング・ テクノロジー株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 AA15 AA21 CA13 CA14 CA21 CB07 CB13 EA03 EA07 EA10 FA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化点が90〜110℃の範囲内の第1バイン
    ダー樹脂と、樹脂の合成時に70〜100℃の融点を有する
    第1ポリオレフィン系ワックスが内添されており、軟化
    点が110〜135℃の範囲内で且つ第1バインダー樹脂の軟
    化点より5℃以上高い第2バインダー樹脂と、120〜150℃
    の融点を有する第2ポリオレフィン系ワックスと、着色
    剤とを含有するトナー粒子、およびこのトナー粒子に外
    添混合された外添剤からなり、バインダー樹脂が第1バ
    インダー樹脂と第2バインダー樹脂とを含有し、第2バイ
    ンダー樹脂の含有量がバインダー樹脂に対して55〜75重
    量%、第2バインダー樹脂の第1ポリオレフィン系ワック
    スの含有量が5〜8重量%、第2ポリオレフィン系ワック
    スの含有量がバインダー樹脂100重量部に対して0.5〜2
    重量部であり、トナー粒子の平均円形度が0.940以上0.9
    60未満であることを特徴とするオイルレス定着可能なフ
    ルカラー画像形成用トナー。
  2. 【請求項2】 前記バインダー樹脂の軟化点が100〜125
    ℃であることを特徴とする請求項1記載のフルカラー画
    像形成用トナー。
  3. 【請求項3】 前記第1ポリオレフィン系ワックスがポ
    リエチレンワックスであり、前記第2ポリオレフィン系
    ワックスがポリプロピレンワックスであることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載のフルカラー画像形成用
    トナー。
  4. 【請求項4】 前記外添剤が、少なくともBET比表面積1
    00〜300m2/gの第1無機微粒子とBET比表面積5〜30m2/gの
    第2無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜3
    の何れか1項に記載のフルカラー画像形成用トナー。
  5. 【請求項5】 前記トナーが非磁性一成分トナーである
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のフル
    カラー画像形成用トナー。
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