JP2003269859A - 減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法 - Google Patents

減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法

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JP2003269859A JP2002067313A JP2002067313A JP2003269859A JP 2003269859 A JP2003269859 A JP 2003269859A JP 2002067313 A JP2002067313 A JP 2002067313A JP 2002067313 A JP2002067313 A JP 2002067313A JP 2003269859 A JP2003269859 A JP 2003269859A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布液が表面に塗布された基板を減圧状態で
乾燥するための減圧乾燥装置において、乾燥時の塗布液
の表面張力を均一にして、面内均一性の高い減圧乾燥処
理を行うこと。 【解決手段】 減圧排気手段を備えた減圧乾燥装置を用
いて基板を減圧乾燥する際ウェハの表面と対向するよう
に整流板を設け、当該整流板において基板の周縁部に対
向する第1の加熱部の温度が、その内側よりも高くして
減圧排気を行う構成とする。この場合、塗布液膜の側周
面からも蒸発して溶剤の蒸発が盛んに行われる基板の周
縁部と、その内側の領域との液温差を小さくしながら溶
剤を蒸発することができる。このため塗布液の表面張力
の面内でのばらつきが抑えられて膜厚の均一な塗布膜を
形成することができる。また他の構成として基板と整流
板との間に通気抵抗体を設けるようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば層間絶縁
膜、デバイスの保護膜用の塗布液あるいはレジスト液な
どが表面に塗布された基板を減圧乾燥処理し、この塗布
液を乾燥させる減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程の一つとして、層間絶縁
膜や半導体デバイスの保護膜を形成するために、所定の
塗布液を半導体ウエハなどの基板上に塗布して塗布膜を
形成する処理がある。この処理は、例えばポリイミドお
よび溶剤を含む塗布液を基板表面に塗布し、溶剤が蒸発
してポリイミド成分からなる塗布膜を形成する手法によ
り行われる。
【0003】前記塗布液に含まれる溶剤としては、揮発
性の低い溶剤例えば高沸点シンナーが使用されるので、
ウェハに塗布液を塗布した後、短時間で乾燥させるため
の減圧乾燥ユニットにて減圧乾燥処理されることが得策
である。従来の減圧乾燥ユニットは、例えば図15に示
すように蓋体11及び載置部12にて構成される密閉容
器1が設けられている。また当該蓋体11の天井部には
排気口13が設けられ、排気路例えば配管14を介して
真空ポンプ15が接続されており、密閉容器1の内部を
減圧することができるようになっている。更に密閉容器
1の内部には、塗布液からの蒸発成分がウェハW表面に
おいて均一な排気流を形成するように整流板16が昇降
可能に設けられている。
【0004】このような減圧乾燥ユニットにおいて、先
ず上述の塗布処理を終えたウェハWは載置部12に載置
され、このウェハWと対向するように整流板16が所定
の高さ位置に設定される。次いで載置部12に設けられ
た図示しない温度調整手段にてウェハWの温度を例えば
30℃に調整すると共に真空ポンプ15を作動させ、密
閉容器1内を減圧することで、整流板16とウェハWと
の間を外方側に広がる排気流を形成しながら塗布液中の
溶剤が蒸発(乾燥)し、残ったポリイミド成分により塗
布膜がウェハW表面に形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述の減圧乾
燥手法の場合、減圧乾燥処理を行う前のウェハWの周縁
部例えば基板の周縁から内側に例えば5mmに亘る領域
の塗布液の液膜は、ウェハWの表面への付着力と液体の
凝縮力との表面張力の作用により図16(a)に示すよ
うに角が丸まった状態にある。このような状態の塗布液
を減圧乾燥すると、周縁部の塗布液においては上方側に
加えて側周側の表面からも溶剤が蒸発する。即ち、その
内側の領域よりも蒸発表面積の大きい周縁部の塗布液
は、その領域の内側の領域にある塗布液よりも溶剤の蒸
発が盛んに行われる。ここで塗布液から溶剤が蒸発する
ときには、ウェハW表面の塗布液は蒸発する溶剤に気化
熱を奪われて塗布液表面の液温が低下して表面張力が大
きくなる。このような周縁部とその内側の領域との間に
生じる蒸発表面積による蒸発量の差および表面張力の差
とが相俟って塗布液は周縁部側に引き寄せられるので、
図16(b)に示すように周縁部が盛り上がった塗布膜
が形成されてしまう懸念がある。
【0006】本発明はこのような事情に基づいてなされ
たものであり、その目的は塗布液が表面に塗布された基
板を減圧状態で乾燥するための減圧乾燥装置において、
周縁部の表面張力の上昇を抑え、面内均一性の高い減圧
乾燥処理を行うことができる技術を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の減圧乾燥装置
は、塗布液が表面に塗布された基板を減圧状態で乾燥す
るための減圧乾燥装置において、基板を載置するための
基板載置部がその内部に設けられた気密容器と、前記基
板載置部に載置された基板の表面と隙間を介して対向
し、当該隙間の気体をその外方側に向かって排気するた
めに設けられ、基板と略同じかそれ以上の大きさの整流
板と、前記基板載置部に設けられ、基板の温度を調整す
るための基板温度調整手段と、前記気密容器内を減圧す
るための減圧排気手段と、を備え、前記整流板は、基板
の周縁部に対向する領域の温度が当該領域の内側の温度
よりも高くなるように温度調整するための温度調整部を
備えたことを特徴とする。
【0008】前記整流板に設けられた前記温度調整部
は、例えば基板の周縁部に対向する領域に設けるように
してもよく、例えば第1の加熱部の内側であって、第1
の加熱部に囲まれるように設けられ、第1の加熱部より
も低い温度に設定された第2の加熱部を含むようにして
もよい。また第1の加熱部と第2の加熱部との間には例
えば断熱部材が設けられていてもよい。更に整流板の下
面には、例えば断熱部に対応する第1の加熱部から第2
の加熱部に亘る温度変化を連続的にするための均熱板が
設けられていてもよい。更にまた、前記基板の周縁部
は、例えば基板の外周縁から内側に向かって10mm±
5mmに亘る領域であってもよい。
【0009】本発明によれば、減圧乾燥時において、溶
剤の蒸発の際に発生する周縁部の温度低下を抑えながら
塗布膜を形成することができる。即ち基板の周縁部の表
面張力の上昇を抑えられるので、塗布液は周縁部側に引
き寄せられず減圧乾燥処理が行われて厚みが均一な塗布
膜を形成することができる。即ち面内均一性の高い減圧
乾燥処理をすることができる。
【0010】また本発明の減圧乾燥装置は、塗布液が表
面に塗布された基板を減圧状態で乾燥するための減圧乾
燥装置において、基板を載置するための基板載置部がそ
の内部に設けられた気密容器と、前記基板載置部に載置
された基板の表面と隙間を介して対向し、基板の周縁部
に対向する領域の通気性が当該領域の内側の領域の通気
性よりも小さい通気抵抗体と、この通気抵抗体を通過し
た塗布液からの蒸発成分を含む気体をその外方側に向か
って排気するように、通気抵抗体と隙間を介して対向し
て設けられた整流板と、前記基板載置部に設けられ、基
板の温度を調整するための基板温度調整手段と、前記気
密容器内を減圧するための減圧排気手段と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0011】また基板載置部に載置された基板と通気抵
抗体との離間距離は例えば0.5mmに設定するように
してもよく、更には通気抵抗体と整流板との離間距離は
例えば0.5mmに設定するようにしてもよい。更にま
た、前記基板の周縁部は、例えば基板の外周縁から内側
に向かって10mm±5mmに亘る領域であってもよ
い。
【0012】本発明によれば、基板の周縁部の領域に対
向するように設けられた通気抵抗体に衝突して蒸発成分
の一部は塗布液の表面側に戻されるので、周縁部の領域
の塗布液から蒸発した溶剤成分は上方側に抜け難くな
る。このため溶剤成分の蒸発量が抑えられ、周縁部とそ
の内側の領域との蒸発状態の差が小さくなる。その結
果、基板の面内における塗布液の表面張力のばらつきが
抑えられるので、塗布液は周縁部側に引き寄せられず減
圧乾燥処理が行われて厚みが均一な塗布膜を形成するこ
とができる。即ち面内均一性の高い減圧乾燥処理をする
ことができる。
【0013】本発明の減圧乾燥方法は、塗布液が表面に
塗布された基板を減圧乾燥するための減圧乾燥方法にお
いて、前記基板を気密容器の内部に設けられた基板載置
部に載置する工程と、次いで基板載置部に載置された基
板の表面と隙間を介して対向するように基板と略同じか
それ以上の大きさの整流板を位置させる工程と、前記基
板載置部に載置された基板の温度を所定の温度に調整す
る工程と、続いて整流板における基板の周縁部に対向す
る領域の温度が当該領域の内側の温度よりも高くなるよ
うに温度調整する工程と、気密容器内を減圧することに
より前記隙間の気体を整流板の外方に向かって排気し、
塗布液に含まれる溶剤成分を蒸発させる工程と、を備え
たことを特徴とする。
【0014】また本発明の減圧乾燥方法は、塗布液が表
面に塗布された基板を減圧乾燥するための減圧乾燥方法
において、前記基板を気密容器の内部に設けられた基板
載置部に載置する工程と、基板載置部に載置された基板
の表面と隙間を介して対向し、基板の周縁部に対向する
領域の通気性が当該領域の内側の領域の通気性よりも小
さくなるように通気抵抗体を位置させる工程と、通気抵
抗体の上方側にて当該通気抵抗体と隙間を介して対向す
るように整流板を位置させる工程と、気密容器内を減圧
することにより基板の周縁部の塗布液からの蒸発成分を
通気抵抗体を通過させると供に、通気抵抗体と整流板の
隙間の気体を整流板の外方に向かって排気し、塗布液に
含まれる溶剤成分を蒸発させる工程と、を備えたことを
特徴とする。
【発明の実施の形態】先ず本発明の減圧乾燥装置を説明
する前に、当該減圧乾燥装置が組み込まれた塗布膜形成
装置の一例について図1及び図2を参照しながら説明す
る。図中21はカセットステーションであり、例えば2
5枚のウエハWを収納したカセットCを載置するカセッ
ト載置部22と、載置されたカセットCとの間でウエハ
Wの受け渡しを行うための受け渡し手段23とが設けら
れている。この受け渡し手段23の奥側には筐体24に
て周囲を囲まれる処理部S1が接続されている。処理部
S1の中央には主搬送手段25が設けられており、これ
を取り囲むように例えば奥を見て右側には複数の塗布ユ
ニット3が、左側、手前側、奥側には加熱・冷却系のユ
ニット等を多段に積み重ねた棚ユニットU1,U2,U
3が夫々配置されている。
【0015】棚ユニットU1,U2,U3は、塗布ユニ
ット3の前処理及び後処理を行うためのユニットなどを
各種組み合わせて構成されるものであり、その組み合わ
せは塗布ユニット3にて表面に塗布液が塗られたウエハ
Wを減圧雰囲気下で乾燥し、該塗布液中に含まれる溶剤
を揮発する減圧乾燥装置である減圧乾燥ユニット、ウエ
ハWを加熱(ベーク)する加熱ユニット、ウエハWを冷
却する冷却ユニット等が含まれる。なお棚ユニットU3
については、ウエハWを受け渡すための受け渡し台を備
えた受け渡しユニットも組み込まれる。また、上述した
主搬送手段25は例えば昇降及び前後に移動自在で且つ
鉛直軸周りに回転自在に構成されており、塗布ユニット
3及び棚ユニットU1,U2,U3を構成する各ユニッ
ト間でウエハWの受け渡しを行うことが可能となってい
る。
【0016】この装置のウェハWの流れについて説明す
ると、先ず外部からウェハWが収納されたカセットCが
カセット載置部22に載置され、受け渡し手段23によ
りカセットC内からウェハWが取り出され、加熱・冷却
ユニットU3の棚の一つである受け渡しユニットを介し
て主搬送手段25に受け渡される。次いでユニットU3
の一の棚の処理部内にて疎水化処理が行われた後、塗布
ユニット3にて塗布液が塗布される。その後ウェハWは
減圧乾燥ユニットに搬送され、減圧乾燥処理により塗布
膜が形成される。塗布膜が形成されたウェハWは加熱ユ
ニットで加熱された後、冷却ユニットで所定の温度に冷
却される。しかる後ウェハWはカセット載置部22上の
カセットC内に戻される。
【0017】ここで本発明に係る減圧乾燥手法の前段に
ある上述の塗布ユニット3において、例えば乾燥後に塗
布膜を形成するポリイミド成分と溶剤例えば高沸点シン
ナーとを混ぜ合わせて成る塗布液iをウェハW表面に塗
布する塗布手法の一例について図3を用いて簡単に説明
する。当該塗布手法は、いわゆるスパイラル型の塗布手
法であり、塗布ユニット3の基板処理空間内において、
基板保持部31により水平に保持されたウェハWを周方
向に回転させると供に、ウェハW表面の中心に対向する
ように設定され、塗布液iを供給するためのディスペン
スノズル31をウェハWの径方向(図中X方向)に向か
って所定の速度で移動させながら塗布液iを線状に供給
する。このようにして渦巻状のいわゆる一筆書きの要領
で塗布液iがウェハWに塗布される。
【0018】続いて本発明に係る減圧乾燥装置の実施の
形態について説明する。図4に示すようにこの減圧乾燥
装置は塗布液iが塗布された例えば8インチサイズのウ
ェハWを載置するための基板載置部である載置台4を備
えている。この載置台4には、載置されたウェハWの温
度を調整するための基板温度調整手段41例えば抵抗発
熱体からなる加熱部が埋設されていて、載置台4と基板
温度調整手段41とにより温調プレートが構成されてい
る。なお詳しくはウェハWが載置台4の表面から僅かな
隙間、例えば0.1mm程度浮いた状態で載置されるよ
うにウェハWの裏面側の周縁に対応する位置に基板保持
用の突起部42が設けられている。また載置台4にはウ
ェハWを搬入出する際、ウェハWの裏面を下方向から支
持して昇降するように基板支持ピン43が、載置台4を
上下方向に貫通し、昇降機構44により突没自在に設け
られており、ウェハWは前記主搬送手段25と基板支持
ピン43との協働作用により載置台4に載置されるよう
に構成されている。なお、図中45は基板支持ピン43
の貫通孔を介して気密容器40内の減圧状態が破られな
いようにするためのベローズである。
【0019】載置台4の上方側には、蓋体5が図示しな
い蓋体昇降機構により昇降自在に設けられている。この
蓋体5はウェハWの搬入出時には上昇し、減圧乾燥を行
う時には下降して、蓋体5と載置台4とにより気密容器
40を形成する構成となっている。また蓋体5の天井部
の中心付近には排気口51が設けられ、この排気口51
は排気路例えば配管52を介して減圧排気手段である真
空ポンプ53が接続されており、その途中にはバルブ5
4、気密容器40内の圧力調整部55が設けられてい
る。
【0020】また載置台4の上方側には、この載置台4
に載置されたウェハWの表面と対向するように温度調整
部を含む例えばウェハWと略同じかそれ以上の大きさに
形成された例えば厚さ5mmの円形状の整流板6が設け
られている。ここでいうウェハWと略同じ大きさとは、
例えばウェハWのデバイス形成領域をカバーしている大
きさではあるがウェハWよりも若干小さい場合などを指
す。整流板6について詳しくは図5に示すように、少な
くともウェハWの周縁部例えばウェハWの外周縁からそ
の内側に向かって例えば幅10mmに亘る領域に対向す
るように第1の加熱部61例えばリング状の面状ヒータ
ーが設けられている。また第1の加熱部61の内側に
は、その外周縁を当該第1の加熱部61に囲まれるよう
に第2の加熱部62例えば円形状の面状ヒーターが設け
られている。ここで各面状ヒーターは、前記形状に形成
された抵抗発熱体をアルミニウム板により上下から挟ん
だサンドイッチ構造として構成される。
【0021】更に前記第1の加熱部61の内周縁と第2
の加熱部62の外周縁との間には、例えば幅5mmのリ
ング状の断熱部材63が設けられ、第1の加熱部61の
外周縁を囲うように例えば幅5mmのリング状の断熱部
材64が設けられている。ここで断熱部材63、64に
は、例えばグラスウールが用いられる。更に整流板6の
下面には、各加熱部に加熱される領域の温度を面内で均
熱化するための均熱板65例えば厚さ0.1mmのアル
ミニウム箔が被着されている。更にまた、整流板6の上
面側には外装プレート66が設けられている。
【0022】説明を図4に戻すと、前記整流板6は外装
プレート66を例えば3ヵ所で支持部材67により支持
されている。これら支持部材67は蓋体5を貫通してお
り、そのうち一の支持部材67aはボールネジ機構を用
いた昇降手段68に接続され、残りの支持部材67は整
流板6が左右にズレないように位置合わせ用のガイドバ
ーとしての役割を有する。当該昇降手段68により整流
板6が昇降し、所定の高さ位置に高精度で調整ができる
ように構成されている。
【0023】また図中の7は制御部であり、この制御部
7はウェハWの減圧乾燥処理を行う際、第1の加熱部6
1、第2の加熱部62を後述のようなシーケンスで所定
の温度に夫々制御する機能、および昇降手段68、圧力
調整部55を夫々制御する機能を有する。
【0024】このような減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥
を行う工程について図6、図7を用いて説明する。図6
に示すように、先ず時刻t1において、蓋体5が上昇し
た状態で、既述の手法にて塗布液iが塗布されたウェハ
Wが主搬送手段25により搬入され、更に基板支持ピン
43との協働作用により載置台4に載置される。次いで
蓋体5が下降してウェハWの周囲を囲む気密容器40が
形成される。続いて整流板6が下降して、整流板6の下
面がウェハWの表面から例えば2mm離れた高さ位置L
1に設定される。またウェハWは、基板温度調整手段4
1により裏面側から加熱されて所定の温度、例えばクリ
ーンルームの設定温度である23℃よりも高い温度、例
えば30℃に設定される。次いでバルブ52が開いて真
空ポンプ53により減圧排気が開始されると供に、第1
の加熱部61と第2の加熱部62の加熱動作が行われ、
第1の加熱部61は例えば90℃に、第2の加熱部62
は例えば30℃に夫々設定される。このとき気密容器4
0内の圧力Pは大気圧雰囲気P0から急速に低下する。
【0025】しかる後、時刻t1から例えば30秒後の
時刻t2には気密容器40内の圧力がP1になり、ウェ
ハW表面の塗布液i中の溶剤が激しく蒸発し始め、蒸発
した成分によりウェハW表面と整流板6との僅かな隙間
を中心側から外方側に向かって流れる排気流が形成され
る。ここで溶剤が沸騰して塗布膜の表面を粗くするのを
抑えるために気密容器40内の圧力Pは圧力調整部55
により調整されて溶剤の蒸気圧手前付近にて緩やかに低
下する。
【0026】このように溶剤が激しく蒸発しているとき
の塗布液iおよび整流板6の表面の温度を示したのが図
7である。図7(a)はウェハWと整流板6の縦断面図
であり、この断面図に対応する位置の温度を示した温度
分布図が図7(b)、(c)であり、図中の実線は塗布
液iの温度を、一点斜線は整流板6の表面の温度を示
す。先ず図7(b)に示すように、加熱動作中の整流板
6においては、第1の加熱部61および第2の加熱部6
2の熱は隣接する均熱板65に伝熱されて、各加熱部6
1、63毎に均熱化される。当該均熱板65の表面は、
第1の加熱部61が形成する領域である周縁部が90℃
に、また第2の加熱部62が形成する領域である周縁部
の内側にある領域が30℃になる。ここで断熱部材63
により第1の加熱部61と第2の加熱部62とが熱的に
分離されているので温度制御で互いが干渉するのが抑え
られ、当該断熱部材63に対応する部位の均熱板65の
温度は、周縁部の温度と前記内側の領域の温度とに亘る
温度勾配が形成される。
【0027】このような温度分布が形成された整流板6
からの輻射熱を受けてウェハWの塗布液iは加熱され、
周縁部にある塗布液iは第1の加熱部61の輻射熱を受
けて例えば35〜40℃に、周縁部の内側にある領域は
第2の加熱部62の輻射熱を受けて例えば27〜30℃
になる。そして溶剤の蒸発が進むにつれて整流板6の表
面温度は放熱により低下していき、また塗布液iは気化
熱を奪われて液温が低下し、蒸発が盛んな周縁部の液温
が中央部よりも速く低下する。
【0028】このようにして溶剤の蒸発が進み、溶剤の
殆どが蒸発し終わる例えば時刻t4には、図7(c)に
示すように、整流板6の周縁部の温度は35〜40℃
に、整流板6の周縁部の内側にある領域の温度は25℃
になり、また塗布液iにおける周縁部の内側にある領域
は例えば25℃になり、塗布液iの周縁部はその内側の
領域と同じか僅かに低い温度例えば25℃になる。その
後ウェハW表面に塗布液iに含まれるポリイミド成分か
らなる塗布膜が形成されると、気密容器40内に残存す
る蒸発した溶剤雰囲気及び空気が排気されて再度気密容
器40内の圧力がP2から急速に低下し、時刻t4にお
いて所定の圧力P3になるとバルブ52を閉じて減圧排
気が停止される。しかる後気密容器40には図示しない
給気手段によりパージ用の気体例えば窒素等の不活性ガ
スが供給され、時刻t5には気密容器40の圧力Pが大
気雰囲気P0まで復帰され、ウェハWが搬出されて減圧
乾燥処理が終了する。
【0029】このような実施の形態においては、周縁部
の温度が高く、その内側の領域の温度が低く設定された
整流板6の輻射熱によりウェハW表面の塗布液iが加熱
される。即ち周縁部の塗布液iは、その内側の領域の溶
剤の蒸発状態の違いにより生じる液温差に見合うよう
に、予め高めの温度に設定される。このような場合であ
っても、蒸発面積の大きい周縁部は内側の領域よりも蒸
発が盛んに行われ気化熱により塗布液の温度が低下す
る。しかし、予め周縁部の液温を高めに設定してあるの
で従来のように周縁部と内側の領域との温度差を大きく
しながら塗布膜を形成するのではなく、溶剤の蒸発が進
むにつれて周縁部と中央部との液温差を小さくしながら
塗布膜を形成することができる。このため周縁部と内側
の領域との間で塗布液iの表面張力が均一になり、周縁
部の塗布液iは内側にある液を引き寄せることなく、あ
るいは引き寄せたとしてもその程度が小さい状態で塗布
膜を形成することができる。その結果、膜厚の均一性の
高い塗布膜を形成することができる。
【0030】またこの実施の形態においては、上述のよ
うに輻射熱によりウェハWの上方側から加熱する構成に
限られず、図8に示すように例えば基板温度調整手段4
1に第1の加熱部61および第2の加熱部62の役割を
割り当てた構成としてもよい。この場合であってもウェ
ハWを介して塗布液は加熱され、周縁部の温度がその内
側の温度よりも高くすることができ、上述の場合と同様
の効果を得ることができる。
【0031】続いて本発明の減圧乾燥装置の他の実施の
形態について図9を用いて説明する。なお減圧乾燥装置
の他の構成であって上述の実施の形態と重複するものに
ついては、図中に同じ符号を付すことで説明を省略す
る。この実施の形態の減圧乾燥装置は、塗布液から蒸発
した溶剤成分をその裏面側に通過することができるウェ
ハWと略同じかそれ以上の大きさの厚さ例えば10mm
の円形状の通気抵抗体8が、載置台に載置されたウェハ
Wの表面と対向するように支持部材81に支持された状
態で昇降手段82により昇降可能に設けられており、制
御部7により制御される構成である。ここで通気抵抗体
8には、例えばセラミックスから選択される材質が用い
られる。また通気抵抗体8の上方側には、例えばウェハ
Wと同じかそれ以上の大きさの例えば厚さ3mmの円形
状の整流板9が昇降手段68により昇降可能に設けられ
ている。
【0032】前記通気抵抗体8は、少なくともウェハW
の周縁部例えばウェハWの外周縁からその内側に向かっ
て例えば幅10mmに亘る領域に対向するようにリング
状の第1の通気抵抗体83を備えている。この第1の通
気抵抗体83の内側には、その外周縁を当該第1の通気
抵抗体83に囲まれるように他の通気抵抗体例えば円形
状の第2の通気抵抗体84が設けられている。ここで第
1の通気抵抗体83および第2の通気抵抗体84は、例
えば空隙率の違う部材を用いて第1の通気抵抗体83が
第2の通気抵抗体84よりも通気性が小さくなるように
構成される。
【0033】この場合、図10に示すように、先ず通気
抵抗体8がウェハWの表面との離間距離L2例えば0.
5mmの高さ位置に設定され、次いで整流板9が通気抵
抗体8の上面と離間距離L3例えば0.5mmの高さ位
置に設定されて減圧乾燥処理が行われる。
【0034】この実施の形態では、ウェハWの周縁部の
塗布液から蒸発した溶剤成分は、通気抵抗体に衝突して
塗布液の表面側に戻されるので、上方側に抜けて排気さ
れる割合がその内側の領域よりも小さい。このため周縁
部の領域においては、その内側の領域に比べて塗布液i
の表面から上方に至る蒸発量が抑えられ、周縁部とその
内側の領域との蒸発状態の差が小さくなる。その結果、
ウェハWの面内における表面張力のばらつきが抑えられ
て減圧乾燥処理がなされるので周縁部の塗布膜が盛り上
がる現象が緩和されて、膜厚の面内均一性が高くなる。
なお、離間距離L2、L3は0.5mmであるが、発明
を分かり易くするため図10では実際よりも広く書いて
いる。
【0035】またこの実施の形態においては、第1の通
気抵抗体83および第2の通気抵抗体84を含む通気抵
抗体8を設ける構成に限られず、第2の通気抵抗体64
の通気抵抗をゼロにする構成、あるいは第1の通気抵抗
体63の通気抵抗を無限大にする構成でもよく、この場
合も基板(ウェハW)の周縁部に対向する領域の通気性
が当該領域の内側の通気性よりも小さいに相当するもの
である。その一例を挙げると、図11(a)に示すよう
に第1の通気抵抗体63のみを含むリング状の通気抵抗
体8を設けて、いわば第2の通気抵抗体64の通気抵抗
をゼロにする構成であってもよく、または図11(b)
に示すように第1の通気抵抗体83と同じ形状のいわば
通気抵抗が無限大である邪魔板85を設ける構成であっ
てもよい。このような構成としても、周縁部の領域の塗
布液iの表面から上方に至る溶剤成分の濃度勾配が緩や
かになって周縁部の内側の領域との蒸発の状態の差が小
さくなり上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0036】更にまた、この実施の形態においては離間
距離L2、L3は0.5mmに限られず、0.5〜30
mmの範囲内で設定してもよい。ここで離間距離L2、
L3をどのように設定するかは、使用する塗布液iの成
分に応じて予め実験を行って決めておくのが好ましい。
【0037】また本発明の他の実施の形態として、例え
ば塗布ユニット3において所定の液温の塗布液を塗布
し、減圧乾燥装置に搬入されるウェハWの塗布液の液温
が、基板温度調整手段41の設定温度よりも例えば3〜
5℃低い温度例えば25〜27℃に設定するようにして
もよい。
【0038】この場合、図12(a)に示すように、ウ
ェハWが搬入される前に基板温度調整手段41の加熱動
作を行い、載置台4と基板温度調整手段41とにより構
成される温調プレートを予め前記設定温度例えば30℃
に調製しておき、その後ウェハWを搬入して減圧乾燥処
理が行われる。
【0039】この実施の形態では、図12(b)に示す
ように、搬入されたウェハWの塗布液には、ウェハWを
介して温調プレートからは面内で略均一に熱が伝わって
加熱されるが、周縁部の塗布液は表面張力により角が丸
まっていて液量が少ないので、内側の領域の塗布液より
も高い温度に上昇する。このように周縁部とその内側の
領域との液温差が形成された状態で減圧乾燥がなされ、
減圧乾燥時において蒸発が盛んな周縁部と蒸発が盛んで
ない内側の領域との液温差を小さくしながら塗布膜を形
成することができるので上述の場合と同様の効果が得ら
れる。
【0040】更に本発明においては、ウェハWの温度を
当該減圧乾燥装置が設けられる例えばクリーンルームの
温度よりも低く設定してもよい。この場合、熱的には整
流板の冷却動作を行うことになるが、このような場合で
あっても塗布液iの表面張力を面内均一にすることがで
きるので膜厚の均一な塗布膜を得ることができる。
【0041】更にまた、本発明にあっては被処理基板に
半導体ウエハ以外の基板、例えばLCD基板、フォトマ
スク用レチクル基板の減圧乾燥処理にも適用でき、また
層間絶縁膜やデバイスの保護膜以外の例えばレジスト膜
の形成にも適用できる。
【0042】
【実施例】続いて本発明の効果を確認するために行った
実施例について説明する。 (実施例1)本例は、第1の実施の形態の減圧乾燥装置
を用いて塗布液が塗布されたウェハWの減圧乾燥処理を
行った実施例1である。先ず8インチサイズ(直径20
0mm)のウェハWの表面に図3に記載の塗布手法にて
ポリイミドおよび高沸点シンナーを含む塗布液を塗布し
た。次いで当該ウェハWを減圧乾燥装置に搬入し、蓋体
5を下降して気密容器40を形成した後、基板温度調整
手段41によりウェハWを加熱して23℃に設定すると
供に、整流板6をウェハWの表面との隙間が10mmに
なる高さ位置に設定した。続いて第1の加熱部61を1
00℃に、第2の加熱部62を23℃に夫々設定すると
供に、真空ポンプを作動させて減圧乾燥処理を行った。
【0043】(実施例2)本例は、第1の加熱部61を
実施例1と異なる設定温度にしたときの実施例2であ
る。ここで第1の加熱部61を70℃に設定し、その他
は実施例1と同じくして減圧乾燥処理を行った。
【0044】(実施例3)本例は、第1の加熱部61を
実施例1および実施例2と異なる設定温度にしたときの
実施例3である。ここで第1の加熱部61を50℃に設
定し、その他は実施例1と同じくして減圧乾燥処理を行
った。
【0045】(比較例1)本例は、第1の加熱部61お
よび第2の加熱部62の加熱動作なかったときの比較例
1である。当該加熱を行わないことを除いては実施例1
と同様の処理を行った。
【0046】(実施例1および比較例1の考察)実施例
1および比較例1により形成された塗布膜の膜厚の状態
を図13に示す。この結果から明らかなように、実施例
1により形成された塗布膜は、周縁部の塗布膜の盛り上
がりが加熱を行わなかった比較例1よりも少ない。即
ち、整流板6の加熱動作を行うことで周縁部とその内側
の領域との塗布液の表面張力の差が緩和されて減圧乾燥
処理を行えることが確認された。
【0047】(実施例1、実施例2および実施例3の考
察)実施例1、実施例2および実施例3により形成され
た塗布膜の膜厚の状態を図14に示す。この結果から明
らかなように、形成される塗布膜の周縁部の盛り上がり
は第1の加熱部61の設定温度が高くなるにつれて緩和
され、より好ましい設定温度は70〜100℃であるこ
とが確認された。なお本発明においては、設定温度は1
00℃よりも高く設定してもよいが、周縁部の膜厚低下
が考えられるとの理由により100℃以下にすることが
好ましい。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、塗布液が
表面に塗布された基板を減圧状態で乾燥するための減圧
乾燥装置において、乾燥時の塗布液の表面張力を均一に
して、面内均一性の高い減圧乾燥処理を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る減圧乾燥装置を組み込んだ塗布装
置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る減圧乾燥装置を組み込んだ塗布装
置の一例を示す平面図である。
【図3】減圧乾燥処理の対象となる塗布液の液膜を形成
する様子を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る減圧乾燥装置
を示す縦断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る減圧乾燥装置に用いら
れる整流板を示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態に係る減圧乾燥装置の減圧乾
燥工程を示す工程図である。
【図7】第1の実施の形態に係る減圧乾燥装置の減圧乾
燥時の温度分布を説明する説明図である。
【図8】第1の実施の形態の他の温度調整部を説明する
説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る減圧乾燥装置
を示す縦断面図である。
【図10】第2の実施の形態に係る減圧乾燥装置を用い
て減圧乾燥したときの塗布膜の状態を示す説明図であ
る。
【図11】第2の実施の形態の他の通気抵抗体を用いて
減圧乾燥したときの塗布膜の状態を示す説明図である。
【図12】第3の実施の形態の減圧乾燥手法を示す説明
図である。
【図13】本発明の効果を確認するために行った実施例
を示す特性図である。
【図14】本発明の効果を確認するために行った実施例
を示す特性図である。
【図15】従来の減圧乾燥装置を示す説明図である。
【図16】従来の減圧乾燥装置を用いたときの塗布膜の
状態を示す説明図である。
【符号の説明】
W ウェハ 4 載置台 40 気密容器 41 基板温度調整手段 5 蓋体 51 排気口 53 真空ポンプ 6 整流板 61 第1の加熱部 62 第2の加熱部 63 断熱部材 68 昇降手段 7 制御部 8 通気抵抗体 83 第1の通気抵抗体 84 第2の通気抵抗体 9 整流板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 9/00 F26B 9/00 A 21/00 21/00 C (72)発明者 北野 高広 東京都港区赤坂五丁目3番6号 TBS放 送センター東京エレクトロン株式会社内 Fターム(参考) 3L113 AA01 AB06 AC23 AC55 AC67 BA34 DA24 4D075 BB24X BB56 BB93 CA47 DA06 DB14 DC22 EA07 EA45 EB39 4F042 AA02 AA07 AB00 BA06 DB01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液が表面に塗布された基板を減圧状
    態で乾燥するための減圧乾燥装置において、 基板を載置するための基板載置部がその内部に設けられ
    た気密容器と、 前記基板載置部に載置された基板の表面と隙間を介して
    対向し、当該隙間の気体をその外方側に向かって排気す
    るために設けられ、基板と略同じかそれ以上の大きさの
    整流板と、 前記基板載置部に設けられ、基板の温度を調整するため
    の基板温度調整手段と、 前記気密容器内を減圧するための減圧排気手段と、を備
    え、 前記整流板は、基板の周縁部に対向する領域の温度が当
    該領域の内側の温度よりも高くなるように温度調整する
    ための温度調整部を備えたことを特徴とする減圧乾燥装
    置。
  2. 【請求項2】 整流板に設けられた前記温度調整部は、
    基板の周縁部に対向する領域に設けられた第1の加熱部
    を含むことを特徴とする請求項1記載の減圧乾燥装置。
  3. 【請求項3】 整流板に設けられた前記温度調整部は、
    第1の加熱部の内側であって、第1の加熱部に囲まれる
    ように設けられ、第1の加熱部よりも低い温度に設定さ
    れた第2の加熱部を含むことを特徴とする請求項2記載
    の減圧乾燥装置。
  4. 【請求項4】 第1の加熱部と第2の加熱部との間には
    断熱部材が設けられていることを特徴とする請求項3記
    載の減圧乾燥装置。
  5. 【請求項5】 整流板の下面には、断熱部の温度変化を
    連続的に変化させるための均熱板が設けられていること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の減圧
    乾燥装置。
  6. 【請求項6】 塗布液が表面に塗布された基板を減圧状
    態で乾燥するための減圧乾燥装置において、 基板を載置するための基板載置部がその内部に設けられ
    た気密容器と、 前記基板載置部に載置された基板の表面と隙間を介して
    対向し、基板の周縁部に対向する領域の通気性が当該領
    域の内側の領域の通気性よりも小さい通気抵抗体と、 この通気抵抗体を通過した塗布液からの蒸発成分を含む
    気体をその外方側に向かって排気するように、通気抵抗
    体と隙間を介して対向して設けられた整流板と、 前記基板載置部に設けられ、基板の温度を調整するため
    の基板温度調整手段と、 前記気密容器内を減圧するための減圧排気手段と、を備
    えたことを特徴とする減圧乾燥装置。
  7. 【請求項7】 基板載置部に載置された基板と通気抵抗
    体との離間距離は0.5〜30mmに設定されることを
    特徴とする請求項6記載の減圧乾燥装置。
  8. 【請求項8】 通気抵抗体と整流板との離間距離は0.
    5〜10mmに設定されることを特徴とする請求項6ま
    たは7記載の減圧乾燥装置。
  9. 【請求項9】 前記基板の周縁部は、基板の外周縁から
    内側に向かって10mm±5mmに亘る領域であること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の減圧
    乾燥装置。
  10. 【請求項10】 塗布液が表面に塗布された基板を減圧
    乾燥するための減圧乾燥方法において、 前記基板を気密容器の内部に設けられた基板載置部に載
    置する工程と、 次いで基板載置部に載置された基板の表面と隙間を介し
    て対向するように基板と略同じかそれ以上の大きさの整
    流板を位置させる工程と、 前記基板載置部に載置された基板の温度を所定の温度に
    調整する工程と、 続いて整流板における基板の周縁部に対向する領域の温
    度が当該領域の内側の温度よりも高くなるように温度調
    整する工程と、 気密容器内を減圧することにより前記隙間の気体を整流
    板の外方に向かって排気し、塗布液に含まれる溶剤成分
    を蒸発させる工程と、を備えたことを特徴とする減圧乾
    燥方法。
  11. 【請求項11】 塗布液が表面に塗布された基板を減圧
    乾燥するための減圧乾燥方法において、 前記基板を気密容器の内部に設けられた基板載置部に載
    置する工程と、 基板載置部に載置された基板の表面と隙間を介して対向
    し、基板の周縁部に対向する領域の通気性が当該領域の
    内側の領域の通気性よりも小さくなるように通気抵抗体
    を位置させる工程と、 通気抵抗体の上方側にて当該通気抵抗体と隙間を介して
    対向するように整流板を位置させる工程と、 気密容器内を減圧することにより基板の周縁部の塗布液
    からの蒸発成分を通気抵抗体を通過させると共に、通気
    抵抗体と整流板の隙間の気体を整流板の外方に向かって
    排気し、塗布液に含まれる溶剤成分を蒸発させる工程
    と、を備えたことを特徴とする減圧乾燥方法。
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