JP3920638B2 - 減圧乾燥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばレジスト等の塗布液が表面に塗布された基板を減圧雰囲気下で乾燥処理する減圧乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスやLCDの製造プロセスにおいては、フォトリソグラフィと呼ばれる技術により被処理基板へのレジスト処理が行われている。この処理では、先ず基板表面に所定の塗布液の塗布を行って液膜を形成し、しかる後、所定の露光マスクを用いて当該液膜を露光した後、現像処理を行って所望のパターンを得る、一連の工程により行われる。
【0003】
前記塗布液の塗布手法の一つとして、液膜を形成するレジスト成分と溶剤とを混ぜ合わせて成る塗布液(レジスト液)を、例えば半導体ウェハ(以下ウェハ)Wの上方に設けたノズルを一方向に往復させると共に、それに交差する方向にウェハWを間欠送りしながら、ノズルから塗布液をウェハW表面に吐出し、塗布液をいわゆる一筆書きの要領で塗布して行く方法がある。
【0004】
前記塗布液に含まれる溶剤としては、揮発性の低いものが使用されることや、速やかに溶剤をウェハW表面から除去して塗布膜の膜厚均一性を確保するなどの理由から、上述の方法を実施するにあたっては、ウェハWに塗布液を塗布した後、直ぐに減圧乾燥ユニットに搬入して減圧乾燥を行うことが好ましいと考えられる。図11は従来の減圧乾燥ユニットを示す図である。図中11は蓋体12及び載置部13にて構成される密閉容器11であり、蓋体12の天井部には開口部12aが形成されている。この開口部12aは排気管12bを介して真空ポンプ14と連通し、密閉容器11の内部を減圧することができるようになっている。なお16は整流板であり、基板周縁の塗布液膜が表面張力により丸くなった状態で乾燥するのを抑えるために、塗布液からの蒸発成分が基板上にある塗布液膜を押し広げながら基板の外方向に向かって流れる気流を形成させるために設けられている。このような装置において、ウェハWを載置部13に載置し、図示しない温度調節手段にてウェハWの温度を調整すると共に真空ポンプ14を作動させ、密閉容器11内を減圧することで、ウェハW表面の塗布液中の溶剤が蒸発(乾燥)して液膜が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述の液膜を形成する手法の場合、塗布液をウェハWに塗布するのに要する時間に比べて、ウェハWを減圧乾燥処理するのに要する時間の方が長く必要であり、液膜を形成するにおいては減圧乾燥処理が律速工程となりスループットが低下する。この問題を解決する手法の一つに、1台の塗布ユニットに対して複数台の減圧乾燥ユニットを備えた構成が検討されいるが、真空ポンプのコストがかなり高いことから複数台の真空ポンプ14を設けることは経済的でない。また各減圧乾燥ユニットにおける最大排気流量の合計に見合う1台の真空ポンプ14を各密閉容器11に共通に接続した場合には真空ポンプ16の大容量化によりコストが高騰する場合がある。更に排気容量の小さい真空ポンプ14を用いて共通化したのでは各々の減圧乾燥ユニットの排気流量パターン、つまりウェハWに対する減圧乾燥条件がばらつくことにより、形成される液膜の均一性が低下する懸念がある。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、複数の気密容器に対して真空排気手段を共通化し、基板表面の塗布液を乾燥させるための減圧乾燥装置において、減圧乾燥処理のスループットを高く維持し、かつ均一性の高い減圧乾燥処理を行うと共に、減圧乾燥装置のコストの高騰を抑えることができる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の減圧乾燥装置は、塗布液が塗布された基板を減圧雰囲気下に置くことにより塗布液中の溶剤を乾燥させる減圧乾燥装置において、
基板を減圧雰囲気下に置くための複数の気密容器と、
これら複数の気密容器に夫々接続された排気路と、
これら排気路に夫々設けられた流量調整部と、
前記排気路の各々に共通に接続された真空排気手段と、
各気密容器にて行われる減圧乾燥処理時の排気流量パターンが互いに同じになるように、また気密容器の数をn(ただし、nは3以上の整数)とし、各気密容器における減圧乾燥処理時の最大排気流量をFとし、前記真空排気手段の排気容量をQとすると、Q/n<F≦Q/(n−1)となるように流量調整部を制御する流量制御部と、
(n−1)個の気密容器の間で最大排気流量Fとなるタイミングが重なり、n個の気密容器の間で最大排気流量Fとなるタイミングが重ならないように各気密容器の排気開始のタイミングを制御するタイミング制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記最大排気流量Fとなるタイミングは、例えば塗布液中の溶剤が激しく蒸発しているタイミングである。また(n−1)個の気密容器の間で最大排気流量Fとなるタイミングが重なり、残りの気密容器が待機しているときに当該残りの気密容器の排気を開始するタイミングは、例えば(n−1)個の気密容器内のいずれかの基板の中で最初に溶剤の蒸発が終了した後である。この溶剤の蒸発が終了した後であるか否かの判断は、例えば各気密容器の排気流量または圧力の検出結果に基づいて行われる構成としてもよい。
【0009】
本発明によれば、n台の気密容器に共通に接続された真空排気手段の排気容量のロス分を低減した状態で繰り返し減圧乾燥処理することができ、かつ減圧乾燥時(特に塗布液中の溶剤が激しく蒸発しているとき)の排気流量パターンを各減圧乾燥処理毎に同じにすることができる。このため減圧乾燥処理のスループットを高く維持できると共に、均一性の高い減圧乾燥処理を行うことができる。更に各々の気密容器の最大排気量Fになるタイミングを制御することにより減圧乾燥装置のコストの抑制、例えば真空ポンプの小容量化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
先ず本発明の減圧乾燥装置を説明する前に、当該減圧乾燥装置が組み込まれた塗布・現像装置の一例について図1及び図2を参照しながら説明する。図1及び図2中、21は例えば25枚の被処理基板であるウェハWが収納されたカセットCを搬入出するためのカセットステーションであり、このカセットステーション21には前記カセットCを載置する載置部21aと、カセットCからウェハWを取り出すための受け渡し手段22とが設けられている。カセットステーション21の奥側には、例えばカセットステーション21から奥を見て例えば右側には塗布・現像系のユニットU1が、左側、手前側、奥側には加熱・冷却系および減圧乾燥等のユニットを多段に積み重ねた棚ユニットU2,U3,U4が夫々配置されていると共に、塗布・現像系ユニットU1と棚ユニットU2,U3,U4との間でウェハWの受け渡しを行うための搬送アームMAが設けられている。但し図1では便宜上受け渡し手段92、ユニットU2及び搬送アームMAは描いていない。
【0011】
塗布・現像系のユニットU1においては、例えば上段には2個の現像ユニット23が、下段には2個の塗布ユニット24が設けられている。棚ユニットU2,U3,U4においては、加熱ユニット、冷却ユニットのほか、後述する減圧乾燥装置である減圧乾燥ユニット、ウェハWの受け渡しユニットや疎水化処理ユニット等が上下に割り当てされている。
【0012】
この搬送アームMAや塗布・現像系ユニットU1等が設けられている部分を処理ブロックと呼ぶことにすると、当該処理ブロックはインタ−フェイスブロック25を介して露光ブロック26と接続されている。インタ−フェイスブロック25はウェハWの受け渡し手段27により前記処理ブロックと露光ブロック26との間でウェハWの受け渡しを行うものである。
【0013】
この装置のウェハWの流れについて説明すると、先ず外部からウェハWが収納されたカセットCが載置部21aに載置され、受け渡し手段22によりカセットC内からウェハWが取り出され、加熱・冷却ユニットU3の棚の一つである受け渡し台を介して搬送アームMAに受け渡される。次いでユニットU3の一の棚の処理部内にて疎水化処理が行われた後、塗布ユニット24にて塗布液が塗布される。その後ウェハWは減圧乾燥ユニットに搬送され、減圧乾燥処理により塗布膜が形成される。塗布膜が形成されたウェハWは加熱ユニットで加熱された後、ユニットU4に設けられた冷却ユニットで所定の温度に冷却される。しかる後ユニットU4に設けられた受け渡しユニット、インターフェイスブロック25,受け渡し手段27を介して露光装置26に送られ、ここでパタ−ンに対応するマスクを介して露光が行われる。露光処理後のウェハWを受け渡し手段27で受け取り、ユニットU4に設けられた受け渡しユニットを介して処理ブロックの搬送アームMAに受け渡される。
【0014】
この後ウェハWは加熱ユニットで所定温度に加熱され、しかる後冷却ユニットで所定温度に冷却され、続いて現像ユニット23に送られて現像処理され、塗布膜のマスクパターンが形成される。しかる後ウェハWは載置部21a上のカセットC内に戻される。
【0015】
ここで本発明に係る減圧乾燥手法の前段にある上述の塗布ユニットにおいて、例えば液膜を形成するレジスト成分と溶剤とを混ぜ合わせて成る塗布液(レジスト液)REをウェハW表面に塗布する手法について図3を用いて簡単に説明する。塗布ユニットの基板処理空間内において、図示しない基板保持部により水平に保持されたウェハWの表面側に対向するように設定された塗布液の供給ノズル30を一方向(図中X方向)に往復させながら塗布液REをウェハWに供給する。この場合予定とする塗布領域外に供給されないようにウェハWの有効領域に対応する開口部を有するプレート31が設けられている。また供給ノズル30が基板の一端面から他端面に移動すると、そのタイミングに合わせて図示しない移動機構によりウェハWがそれに交差する方向に間欠送りされる。このような動作を繰り返すことにより、いわゆる一筆書きの要領で塗布液REがウェハWに塗布される。前記塗布ユニット内にウェハWが搬入されてから、塗布ユニットから搬送されるまでの時間は例えば60秒である。
【0016】
続いて本発明に係る減圧乾燥装置に用いられる減圧乾燥ユニットについて説明する。この減圧乾燥ユニットは、図4に示すように気密容器40を備えており、この気密容器40は塗布液が塗布されたウェハWを載置するための基板載置部である載置台4を備えている。この載置台4には載置したウェハWの温度を調節するための温度調節手段41例えばペルチェ素子からなる冷却部が埋設されていて、載置台4と温度調節手段41とにより温調プレートが構成されている。なお詳しくはウェハWが載置台4の表面から僅かな隙間、例えば0.1mm程度浮いた状態で載置されるようにウェハWの裏面側の周縁に対応する位置に基板保持用の突起部42が設けられている。また図示しないが載置台4にはウェハWを搬入出する際、ウェハWの裏面を下方向から支持して昇降するように基板支持ピンが、載置台4を上下方向に貫通し、昇降機構により突没自在に設けられており、ウェハWは搬送アームMAと基板支持ピンとの協働作用により載置台4に載置される構成である。
【0017】
載置台4の上方側には、蓋体5が図示しない蓋体昇降機構により昇降自在に設けられている。この蓋体5はウェハWの搬入出時には上昇し、減圧乾燥を行う時には下降して、蓋体5と載置台4とにより気密容器40を形成する構成となっている。また蓋体5の天井部には中心付近に排気口51が設けられ、この排気口51は例えばバルブ52を介して図示しない真空排気手段に配管で接続されている。
【0018】
また載置台4の上方側には、ウェハWの表面と対向するように例えばウェハW表面積よりも大きい円形状の整流板6が設けられている。この整流板6は、ウェハW表面側に配置され、その周縁部を例えば3ヵ所で支持部材61により支持されており、これら支持部材61は載置台4を貫通し、昇降ベース62を介して接続された昇降手段7により高さ調整ができるように構成されている。
【0019】
前記昇降手段7は、昇降ベース62の下方側において、ガイド部71が螺合されたボールネジ部72が配置され、モータM1及びプーリ73を含む駆動部によりボールネジ部72を回転させることにより、ガイド部71及び昇降ベース65に両端が枢支された連結体74が回転して整流板6が昇降する構成となっている。なお75は支持部材62の貫通孔を介して気密容器40内の減圧状態が破られないようにするためのベローズである。またモータM1、温度調節手段41は図示しない制御部に接続されており、ウェハWの減圧乾燥処理を行う際、その動作はこの制御部により制御される。
【0020】
以上のように構成された減圧乾燥ユニットは、複数台例えば3台が既述の例えば棚ユニットU2あるいはU4内に重ねて割り当てられて設けられている。更に全ての減圧乾燥ユニット内にウェハWが存在していて(塞がっていて)、塗布ユニットからウェハWが搬送された場合は当該ウェハWを一旦載置しておくために3段の減圧乾燥ユニットの例えば上段側あるいは下段側に、バッファ部としてのウェハW載置部が設けられる。
【0021】
この実施の形態は、複数台の気密容器40をいかにして運転するかという点に特徴があるが、その説明の前に1台の気密容器40がどのような動作を行うかについて図5および図6を用いて述べておく。先ず時刻t1において、蓋体5が上昇した状態で既述の手法にて塗布液が塗布されたウェハWが搬送アームMAにより搬入され、更に基板支持ピンとの協働作用により載置台4に載置される。次いで昇降手段7により整流板6が待機位置まで下降し、蓋体5が下降してウェハWの周囲を囲む気密容器40が形成される。続いて整流板6が下降して、整流板6下面がウェハW表面から例えば1mm離れた第1の高さ位置L1あるいは整流板6下面がウェハW表面から例えば5mm離れた第2の高さ位置L2に設定される。このとき温度調節手段41によりウェハW温度が所定の温度、例えば15℃に設定され、バルブ52が開いて、図示しない真空排気手段により所定の排気流量V1で減圧排気が開始され、気密容器40内の圧力Pは大気圧雰囲気P0から急速に低下する。
【0022】
しかる後、気密容器40内にあった空気の殆どが排出され、時刻t1から例えば30秒後の時刻t2には気密容器40内の圧力がP1になる。このときバルブ52により排気流量Vが増やされ、また整流板6が第2の高さ位置L2に設定されている場合には、整流板6が下降して第1の高さ位置L1に設定される。次いでウェハW表面の塗布液RE中の溶剤が激しく蒸発し始める時刻t3において排気流量VはV2に設定され、図6(a)に示すように蒸発した成分によりウェハW表面と整流板6との僅かな隙間を外側方向に向かって流れる気流が形成される。このとき溶剤が沸騰して塗布膜の表面を粗くするのを抑えるために排気流量VはV2に保持されて、気密容器40内の圧力Pは溶剤の蒸気圧手前付近にて緩やかに低下する。
【0023】
このまま減圧乾燥を続けると、ウェハW周縁の膜厚が高くなった状態で乾燥してしまう場合があるので、気密容器40内の圧力Pが所定の圧力になると(図中t4)で図6(c)に示すように整流板6が第2の高さ位置L2、整流板6下面がウェハW表面から例えば5mm離れた高さ位置まで上昇して、整流板6とウェハWとの隙間を広げることにより、前記気流が塗布液を押し広げる力が弱められる。しかる後t3から例えば120秒が経過した時刻t5には溶剤の殆どが蒸発し、ウェハW表面に塗布液に含まれるレジスト成分からなるレジスト膜(塗布膜)が形成されると、気密容器40内に残存する蒸発した溶剤雰囲気及び空気が排気されて再度気密容器40内の圧力Pが急速に低下し始める。このときの圧力P2になるとバルブ52により排気流量Vが減らされ、時刻t6において排気流量V1に設定される。更に圧力が低下して、時刻t7において所定の圧力P3になるとバルブ52を閉じて減圧排気が停止される。しかる後気密容器40には図示しない給気手段によりパージ用の気体例えば窒素等の不活性ガスが供給され、時刻t8には気密容器40の圧力Pが大気雰囲気P0まで復帰され、ウェハWが搬出されて減圧乾燥処理が終了する。前記気密容器40内にウェハWが搬入されてから、気密容器40から搬送されるまでの時間は例えば240秒である。
【0024】
続いて減圧乾燥装置の運転について説明する。当該減圧乾燥装置は、例えば2〜5から選択されるn台の上述の気密容器40を備えた構成とされるが、ここでは気密容器40a(40b、40c)を3台備えた構成について図7を用いて説明する。先ず前記3台の気密容器40a(40b、40c)の各々の排出口51a(51b、51c)には、圧力計81a(81b、81c)、流量計82a(82b、82c)、流量調整部である流量調整バルブ83a(83b、83c)および各気密容器40a(40b、40c)間の圧力差が均等圧になるように各気密容器40a(40b、40c)間での給排気がされるのを防止するための逆止弁84a(84b、84c)が排気路85a(85b、85c)を介して接続されており、更にこれらの排気路85a(85b、85c)には、真空ポンプ86が共通に接続されている。なお、逆止弁84a(84b、84c)は真空ポンプ86の直近に設けるのが好ましい。この真空ポンプ86は、各減圧乾燥ユニットにおける予定とする最大排気流量F例えば先の流量V2と、この最大排気流量Fで運転される減圧乾燥ユニットの許容される重なる台数、この例では2台とに基づいて決められる排気能力Qを有するものが用いられる。また前記流量計82a(82b、82c)と流量調整バルブ83a(83b、83c)は、この流量計82a(82b、82c)により検知される流量が設定された流量になるように流量調整バルブ83a(83b、83c)の開度を調整する機能を有するコントローラ87a(87b、87c)に夫々接続されて流量調整部88a(88b,88c)が構成される。
【0025】
また当該減圧乾燥装置は、流量制御部91とタイミング制御部92からなる制御部9を備えている。91は所望の流量パターンに基づいて、流量調整部88により排気流量、例えば最大排気流量FがQ/3<F≦Q/2の範囲で設定される流量に制御する機能を有している。またタイミング制御部92は、他の気密容器40a(40b、40c)に設けられた圧力計81a(81b、81c)により検知される圧力、あるいはバルブ83a(83b、83c)の開閉の結果に基づいて後述するシーケンスにより当該気密容器40a(40b,40c)の減圧排気を開始するタイミング、即ちバルブ52a(52b,52c)を開けるタイミングを制御する機能を備えている。このタイミングを制御する機能とは、例えば3台の気密容器40a(40b,40c)において、2台(n−1台)の気密容器の間で前記最大排気流量Fとなるタイミングの重なりを許し、3台(n台)の気密容器の間で前記最大排気流量Fとなるタイミングが重なることを禁止する機能を有する。
【0026】
続いて上述の減圧乾燥装置において、繰り返し減圧乾燥処理する場合の工程について図8および図9を用いて説明する。なお、図8は各々の気密容器40a(40b、40c)における圧力Pと排気流量Vの経時変化の一例を示すものである。ここで3台の減圧乾燥ユニットを夫々1号機、2号機および3号機とすると、先ず1号機において既述の減圧乾燥処理が開始される。つまり図9のステップS1に示すように前段の塗布ユニットにて塗布を終えたウェハWを気密容器40a内に搬入して蓋体5aを閉じる。この場合2号機および3号機は待機中であるのでステップS2に示すように他の一台の気密容器は動作中ではないと判定されてシーケンスはステップS6に進み、1号機の流量調整バルブ83aを開いて既述のようにして減圧乾燥を行う。なお既述したようにウェハWを搬入してから、減圧乾燥処理を行って搬出するまでの、つまり1枚のウェハWの減圧処理に要する時間においては、最大排気流量Fに設定されている時間は、その前後に要する時間よりもかなり長い時間が必要である。
【0027】
次いで待機中の2号機に塗布済みのウェハWが搬入され、上述の1号機の場合と同様にステップS1に示すように蓋体5bを閉じる。この場合、1号機の減圧乾燥が開始されているのでステップS2において、他の一台の気密容器が動作中と判定され、次いでステップS3に示すように他の一台の気密容器40aの圧力計81aの圧力検出値が溶剤が激しく蒸発しているときの圧力よりも低い所定の圧力、例えば既述のP2以下であるか否か判定される。この例ではP2よりも高いので、続いてステップS4示すように、更に他の一台の気密容器が動作中であるかが判定される。このとき3号機は待機中であるため、更に他の一台の気密容器は動作中でないと判定されてシーケンスはステップS6に進み、2号機の流量調整バルブ83bを開いて減圧乾燥処理が行われる。
【0028】
続いて待機中の3号機に塗布済みのウェハWが搬入され、ステップS1に示すように蓋体5cを閉じる。このとき1号機も2号機も減圧乾燥中であって、溶剤が激しく蒸発している状態であるから気密容器内の圧力はP2よりも高い。従ってシーケンスはステップS2、S3、S4、S5と進み更にステップS2に戻るサイクルである。このため3号機は待機状態となる。しかる後1号機のウェハW表面の塗布液中の溶剤の蒸発が終了して圧力P2以下となるのでステップS3から抜け出してステップS6に進み、3号機の流量調整バルブ83cを開いて減圧乾燥処理が行われる。
【0029】
一方、1号機では処理済みのウェハWが搬送され、次のウェハWが搬入される。この時点では2号機、3号機においてウェハW表面の溶剤が激しく蒸発している状態なので、同様にして待機状態となり、2号機の圧力がP2まで低下した状態で排気が開始される。以下同様にこのような工程が繰り返される。
【0030】
上述の実施の形態によれば、3台の減圧乾燥ユニットの各々の最大排気流量F(V2)の3倍よりも真空ポンプ86の排気容量Qが小さくなるような関係(Q<3F、つまりQ/3<F)に設定しているため、3台の減圧乾燥ユニットに夫々真空ポンプ86を接続する場合よりも小さい容量の真空ポンプを用いることができ、従って真空ポンプ86を共通化したことにより真空ポンプ86のコストの低下を図ることができる。更に真空ポンプ86の排気容量Qが最大排気流量F(V2)の2倍以上となるような関係(2F≦Q、つまりF≦Q/2)に設定しているため、2倍の減圧乾燥ユニットの最大排気流量F(V2)がオーバラップした状態で運転でき、従って1台の減圧乾燥ユニットを用いた場合よりもスループットが向上する。またいずれの減圧乾燥ユニットについても最大排気流量F(V2)を確保できるので、各減圧乾燥ユニットの間で排気パターンを揃えることができ、各ウェハWの間で処理のばらつきが少なく、液膜の均一性の高い処理を行うことができる。なお、この発明において減圧乾燥ユニットの台数は、減圧乾燥に要する時間と塗布ユニットから送られてくるウェハWの搬入のタイミング間隔との関係で決まり、例えば上述の実施の形態において減圧乾燥ユニットを2台あるいは4台以上とすると不都合が生じる。2台の場合には、最大排気流量Fをオーバラップさせようとすると真空ポンプ86の排気流量を2F以上としなければならず、これでは2台夫々に真空ポンプ86を設けることと差がなくなってしまう。逆に4台以上の場合は、1台が遊んでしまう状態(いずれのタイミングでも使用されない状態)となる。従って上述の実施の形態よりも塗布処理の時間が短くなっていくと4台が最適な領域になってくる。
【0031】
また他の実施の形態として、4台の気密容器40a(40b、40c、40d)を備えた構成とし、最大排気流量FをQ/4<F≦Q/3の範囲で設定すると共に、最大排気流量Fとなるタイミングの重なりが3台(n−1台)までにしてもよい。この場合の各々の気密容器40a(40b、40c、40d)の圧力Pと排気流量Vの経時変化の一例を図10に示す。このような構成であっても4台の気密容器40a(40b、40c、40d)の各々に共通に接続された真空ポンプ86により繰り返し減圧乾燥処理することができ、上述の場合と同様の効果が得られる。
【0032】
更に他の実施の形態として、5台の気密容器40a(40b、40c、40d、40e)を備えた構成とし、最大排気流量FをQ/5<F≦Q/4の範囲で設定すると共に、最大排気流量Fとなるタイミングの重なりが4台(n−1台)までにしてもよく、あるいは最大排気流量FをQ/5<F≦Q/3の範囲で設定すると共に、この最大排気流量Fとなるタイミングの重なりが3台までにしてもよい。このような構成であっても5台の気密容器40a(40b、40c、40d、40e)の各々に共通に接続された真空ポンプ86により繰り返し減圧乾燥処理することができ、上述の場合と同様の効果が得られる。
【0033】
更にまた他の実施の形態として、2台の気密容器40a、40bを備えた構成とし、最大排気流量FをQ/2<F≦Qの範囲で設定すると共に、最大排気流量Fとなるタイミングの重なりが1台(n−1台)までにしてもよい。この場合には、最大排気流量Fの重なりは許されないが、その前後でのタイミングにおいて重なりが許されるのでスループットが高くなるという効果は得られ、特に処理枚数が多くなればトータルの処理時間は1台の場合よりも短くなる。
【0034】
本発明においては上述の気密容器40の数に限られず、例えば6〜10台で構成するようにし、例えば最大排気流量Fとなるタイミングの重なりがm台例えばm=n/2よりも大きい整数からn−1以下の範囲の中から選択される整数台にすると共に、最大排気流量FをQ/n<F≦Q/mの範囲で設定するようにしてもよい。この場合においても上述の場合と同様の効果を得ることができる。また図9に示すシーケンスにおいて、例えばステップS3、ステップS5の判定は圧力に基づいてなされる構成に限られず、例えば流量計82a(82b、82c)が最大流量F以下であるか否かにより判定してもよい。
【0035】
また、本発明の減圧乾燥装置においては、逆止弁84a(84b、84c)を設ける構成に限られず、既述のように各気密容器40a(40b、40c)間の圧力差による給排気、つまり後行の減圧乾燥が進んでいない圧力の高い気密容器内の空気が、先行の減圧乾燥が進んで圧力が低い気密容器に流入するの抑制するものであればよく、例えば圧力調整バルブと、圧力計81a(81b、81c)の検出値に基づいて圧力制御バルブの開度を制御するコントローラを備えた圧力制御部を設ける構成であってもよい。更に本発明は、被処理基板に半導体ウエハ以外の基板、例えばLCD基板、フォトマスク用レチクル基板の減圧乾燥処理にも適用できる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の気密容器に共通に接続された真空排気手段を備え、基板表面の塗布液を乾燥させるための減圧乾燥装置において、減圧乾燥処理のスループットを高く維持し、かつ均一性の高い減圧乾燥処理を行うと共に、減圧乾燥装置のコストの高騰を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る減圧乾燥装置を組み込んだ塗布装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る減圧乾燥装置を組み込んだ塗布装置の一例を示す平面図である。
【図3】減圧乾燥処理の対象となる塗布液膜を形成する様子を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に用いられる一の気密容器を示す縦断面図である。
【図5】上記の気密容器の減圧乾燥の様子を示す説明図である。
【図6】上記の気密容器の減圧乾燥の様子を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る減圧乾燥装置を示す説明図である。
【図8】上記の実施の形態の減圧乾燥装置の減圧乾燥の様子を示す説明図である。
【図9】上記の実施の形態の減圧乾燥装置の減圧乾燥開始を判断するシーケンスを示す説明図である。
【図10】他の実施の形態の減圧乾燥装置の減圧乾燥の様子を示す説明図である。
【図11】従来の減圧乾燥装置を示す説明図である。
【符号の説明】
W ウェハ
4 載置台
40 気密容器
41 温度調節手段
5 蓋体
6 整流板
7 昇降手段
81a 圧力計
82a 流量計
83a 流量調整バルブ
84a 逆止弁
86 真空ポンプ
9 制御部

Claims (4)

  1. 塗布液が塗布された基板を減圧雰囲気下に置くことにより塗布液中の溶剤を乾燥させる減圧乾燥装置において、
    基板を減圧雰囲気下に置くための複数の気密容器と、
    これら複数の気密容器に夫々接続された排気路と、
    これら排気路に夫々設けられた流量調整部と、
    前記排気路の各々に共通に接続された真空排気手段と、
    各気密容器にて行われる減圧乾燥処理時の排気流量パターンが互いに同じになるように、また気密容器の数をn(ただし、nは3以上の整数)とし、各気密容器における減圧乾燥処理時の最大排気流量をFとし、前記真空排気手段の排気容量をQとすると、Q/n<F≦Q/(n−1)となるように流量調整部を制御する流量制御部と、
    (n−1)個の気密容器の間で最大排気流量Fとなるタイミングが重なり、n個の気密容器の間で最大排気流量Fとなるタイミングが重ならないように各気密容器の排気開始のタイミングを制御するタイミング制御部と、を備えたことを特徴とする減圧乾燥装置。
  2. 最大排気流量Fとなるタイミングは、塗布液中の溶剤が激しく蒸発しているタイミングであることを特徴とする請求項1記載の減圧乾燥装置。
  3. (n−1)個の気密容器の間で最大排気流量Fとなるタイミングが重なり、残りの気密容器が待機しているときに当該残りの気密容器の排気を開始するタイミングは、(n−1)個の気密容器内のいずれかの基板の中で最初に溶剤の蒸発が終了した後であることを特徴とする請求項2記載の減圧乾燥装置。
  4. 溶剤の蒸発が終了した後であるか否かの判断は、各気密容器の排気流量または圧力の検出結果に基づいて行われることを特徴とする請求項3記載の減圧乾燥装置。
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