JP2003268282A - 孔版印刷用w/oエマルションインキ - Google Patents

孔版印刷用w/oエマルションインキ

Info

Publication number
JP2003268282A
JP2003268282A JP2002070926A JP2002070926A JP2003268282A JP 2003268282 A JP2003268282 A JP 2003268282A JP 2002070926 A JP2002070926 A JP 2002070926A JP 2002070926 A JP2002070926 A JP 2002070926A JP 2003268282 A JP2003268282 A JP 2003268282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
water
emulsion
resin
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002070926A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3930350B2 (ja
Inventor
Keisuke Asada
啓介 浅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP2002070926A priority Critical patent/JP3930350B2/ja
Publication of JP2003268282A publication Critical patent/JP2003268282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3930350B2 publication Critical patent/JP3930350B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏抜けが少なく、インキの保存安定性に優
れ、定着性に優れた孔版印刷用のエマルションインキ、
特に感熱孔版印刷用エマルションインキインキを提供す
ることにある。 【解決手段】 水相に水不溶性成分を含有する水相90
〜10重量%および油相10〜90重量%によって構成
される油中水型エマルションインキにおいて、水相中に
1価の陽イオンを有する電解質が含有されていること特
徴とする孔版印刷用W/Oエマルションインキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、孔版印刷用のエ
マルションインキ、特に感熱孔版印刷用エマルションイ
ンキに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連しては、例えば以下の従来
技術を挙げることができる。 (1)特開平8−73795号(東北リコー):油相中
の着色成分であるカーボンブラックの平均粒径、表面積
を規定する事で、裏移り、定着性の改善することが提案
されている。ただ、このW/Oエマルションインキによ
ると定着性、裏移りに関しては改善が見られるものの、
乾燥方法がおもに浸透であることから、両面印刷した場
合、裏面の印刷が見えること(裏抜け)に対しては実際
上支障を生じさせない程度ではあるが若干の問題があっ
た。 (2)特開平7−188598号(理想科学):水相に
顔料を添加し、油相の浸透速度を早くすることでインキ
の浸透性を早くする提案がなされている。しかし、この
タイプのインキはインキの保存安定性に対して特に高温
に保存されたときの水分離に対する安定性が不十分であ
った。 (3)特開平11−1650号(理想科学):水相中に
水不溶性顔料を含有し水相中に水可溶性マグネシウム塩
を含有しているので、水相中での顔料の分散性が高まり
エマルションの保存安定性を向上させることができる。
ただ、マグネシウムイオンにより顔料が凝集し、擦れ汚
れが悪くなる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、裏抜
けが少なく、インキの保存安定性に優れ、定着性に優
れ、ベタ埋りに優れた孔版印刷用のエマルションイン
キ、特に感熱孔版印刷用エマルションインキを提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するため種々研究を行い、水相に例えば顔料等の水
不溶性成分を含有する油中水型エマルションインキにお
いて、水相に一価の陽イオンを有する電解質を含有させ
ることにより、不溶性成分が凝集を起こさずにインキを
安定にできることを見出し本発明に到達することができ
た(請求項1)。すなわち、本発明によれば水相に水不
溶性成分を含有する水相90〜10重量%および油相1
0〜90重量%によって構成される油中水型エマルショ
ンインキにおいて、水相中に一価の陽イオンを有する電
解質が含有されていること特徴とする孔版印刷用W/O
エマルションインキが提供される。
【0005】前記本発明の効果は、電解質は顔料などの
水不溶性成分及び分散剤に吸着、固定し、分散安定性に
寄与していると考えられるが、電解質の一価の陽イオン
は前記水和相に対する電解質の作用を小さくし、かつ電
解質の安定性への効果を得ることができるためであると
推測される。
【0006】さらに、本発明者は水相中に含有させる電
解質の陰イオンが二価の陰イオンであることにより、エ
マルションの安定性にさらに効果があることを見出し
た。(請求項3) 前記のような効果が何故奏されるのかは、その理由は定
かではないが、二価の陰イオンは一価の陰イオンよりも
エマルション界面の乳化剤密度を高くする効果が大きく
安定性に寄与していることが考えられる。
【0007】前記電解質の水相への添加量は、水相成分
の0.01wt%以上5wt%以下が、さらに定着率を
低下させることなくエマルションを安定にする効果を奏
することができるので好ましい(請求項4)。これは電
解質の濃度が低いときにはエマルションの安定性への効
果が不十分であり、また添加量が多い場合には不溶性着
色剤が凝集し、安定性が悪化するなどの問題がある。
【0008】また、水相に含有された水不溶性成分は好
ましくはカーボンブラックであり、特にカーボンブラッ
クのpHが5以下の酸性カーボンである。pHが5以下
の酸性のカーボンブラックは表面に酸性基を有してお
り、エマルションの安定性に効果がある陰イオンの影響
を受けることなく、かつ表面電荷が高いことにより陽イ
オンの分散安定性への影響を抑えることができるためで
あると思われる(請求項5)。
【0009】前記孔版印刷用W/Oエマルションインキ
は、水相中に水溶性高分子を含有することでさらに定着
率を低下させることなくエマルションを安定にする効果
を発揮することができる。これは高分子の立体的な効果
により安定性に効果があるものと思われる(請求項
6)。また、水相中にO/W樹脂エマルションを含有す
ることで、樹脂エマルションによる定着性の効果を高く
することができる(請求項6)。
【0010】さらに、前記孔版印刷用W/Oエマルショ
ンインキは、水相中にイオン性の分散剤を含有すること
でさらに定着率を低下させることなくエマルションを安
定にする効果があることを明らかにした。これは粒子表
面のイオン濃度を高くすることで対塩析性を高くしてい
るものと思われる(請求項7)。
【0011】また更に、前記孔版印刷用W/Oエマルシ
ョンインキは、油相にも着色剤を含有することでベタ埋
まりが改善する効果があることを明らかにした。インキ
が紙に浸透する過程において最初に外相の油相が紙繊維
に接触し、その後水相が繊維に付着するが、繊維上に水
相が不均一に付着した場合においても油相成分の着色剤
が不均一部分を補うためであると思われる(請求項
8)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
きさらに詳細に説明する。本発明のW/Oエマルション
インキの水相は、水、電解質、防黴剤、水蒸発防止剤、
凍結防止剤、水溶性高分子、水中油型樹脂エマルション
(O/W樹脂エマルション)、着色剤、着色剤分散剤、
体質顔料などから構成される。また、本発明のW/Oエ
マルションインキの油相は、水不溶性成分、油性分、着
色剤分散剤、樹脂、乳化剤等から構成される。これらの
構成成分は、エマルションの形成を阻害しない公知のも
のが任意に使用可能である。水相中に含有させる水不溶
性成分とは、顔料などの着色剤、体質顔料、W/O樹脂
エマルション、高分子などの樹脂などである。
【0013】前記着色剤は各種色調の公知の顔料、分散
染料等が用いることができ、アセチレンブラック、チャ
ンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラ
ック類、アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉、弁
柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔
料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料な
どのアゾ系顔料、無金属フタロシアニン系顔料や銅フタ
ロシアニン系顔料などのフタロシアニン系顔料、アント
ラキノン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イ
ソインドリン系、ジオキサンジン系、スレン系、ペリレ
ン系、チオインジゴ系、キノフタロン系、金属錯体、な
どの縮合多環系顔料、酸性または塩基性染料のレーキ等
の有機顔料、ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油
溶性染料、蛍光顔料;等が挙げられる。特に水相中に含
有させる黒色の水不溶性成分としてはカーボンブラック
が好ましく、中でもpH5以下の酸性カーボンの使用が
乳化安定性と分散安定性の理由から有利である。
【0014】蛍光顔料としては、合性樹脂を塊状重合す
る際または重合した後に、様々な色相を発明する蛍光染
料を溶解または染着し、えられた着色塊状樹脂を粉砕し
て微細化した、所謂、合成樹脂固溶体タイプのもので、
染料を坦持する合成樹脂としては、メラミン樹脂、尿素
樹脂、スルホンアミド樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂等を染料に坦持する蛍光顔料等が上げられる。
【0015】染料は耐光性の面で問題があり不溶性着色
剤を使用するのが好ましいが、色を補う目的で不溶性着
色剤を含む相、あるいは含まない相、あるいは両相に添
加してもよい。これらの染顔料類は油相、水相また両相
に添加しても良く、単独でも2種以上混合して添加して
も良い。両相に着色剤を添加した場合、ベタ埋りが改善
される効果がある。油相、水相に分散された不溶性着色
剤の平均粒径は10〜0.1μm、好ましくは1〜0.
1μmであることが望ましい。その使用量は必要量に応
じて添加することが可能であるが、通常2〜15重量%
である。
【0016】代表的なカーボンブラックとしてはMA−
100、MA−7、MA−77、MA−11、#40、
#44(以上、三菱化学社製)、Raven1100、
Raven1080、Raven1255、Raven
760、Raven410(以上、コロンビヤンカーボ
ン社製)などが挙げられる。
【0017】本発明に使用される油としては、例えば石
油系溶剤、流動パラフィン、スピンドル油、マシン油、
潤滑油、鉱物油;あまに油、トール油、とうもろこし
油、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、
大豆油、やし油等の植物油等が使用される。また、本発
明においては安全性、保存安定性を阻害しない範囲で合
成油も併用できる。
【0018】本発明で使用されるパラフィン系オイル
は、エクソンモービル石油社のガーゴオイルアークティ
ックシリーズ(1010、1022、1032、104
6、1068、1100、3032、3046、306
8など)、日石三菱社の日石スーパーオイルシリーズ
(B、C、D、Eなど)、出光興産社のダイアナプロセ
スオイル(PX−32、PX−90、PW−32、PW
−90、PW−380、PS−32、PS−90、PS
−430など)、ダイアナフレシアシリーズ(S−3
2、S−90、P−32、P−90、P−150、P−
180、P−430など)、等あげられる。
【0019】本発明で使用されるナフテン系オイルは、
環分析によるナフテン成分の炭素含有量(CN)が30
%以上、かつ芳香族成分の炭素の含有量(CA)が20
%以下、かつパラフィン成分の炭素含有量(CP)が5
5%以下である鉱物油である。前記のようなナフテン系
オイルとしては、エクソンモービル石油社のガーゴオイ
ルアークテイックオイル155および300ID、ガー
ゴオイルアークティックオイルライト及びガーゴオイル
アークティックオイルCヘビー、出光興産社のダイアナ
プロセスオイル(NP−24、NR−26、NR−6
8、NS−90S、NM−280など)、ダイアナフレ
シアシリーズ(G−6、F−9、N−28、N−90、
N−150、U−46、U−56、U−68、U−13
0、U−170、U−260)、日本サン石油社のサン
センオイルシリーズ(410、420、450、48
0、3125、4240等)等が挙げられる。
【0020】安全性の高い石油系溶剤としてはエクソン
モービル社のアイソパーシリーズ(C、E、G、H、
L、Mなど)及びエクソール(D30、D40、D8、
D11、D130など)、日石三菱社のAFソルベント
シリーズ(4号、5号、6号、7号)等があげられる。
これらの油成分は安定性を考慮した場合、3環以上の縮
合芳香族環を含む芳香族炭化水素である多環芳香族成分
が3質量%未満のものを使用する事が望ましい。
【0021】さらに、変異原性指数MIが1.0未満、
芳香族成分(%CA)が20〜55%、アニリン点が1
00℃以下であって、かつオイル全重量基準でベンゾ
[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベ
ンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテ
ン、ベンゾ[a]ピレン、ジベンゾ[a、j]アクリジ
ン等の多環芳香族の含有量がそれぞれ個々に10重量p
pm以下であり、含有量の合計量が50重量PPm以下
である、安全性の高いアロマー系オイル(特開平11−
80640)も必要であれば使用しても良い。
【0022】本発明で用いられる乳化剤は、油中水型の
エマルションを形成する目的で使用され、アニオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオ
ン界面活性剤のいずれでも良く、安定性に効果が有れば
低分子界面活性剤でも高分子界面活性剤でも、また併用
しても良い。この中でも好ましくは非イオン系界面活性
剤であり、たとえば、ソルビタンモノオレエート、ソル
ビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、
ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、
ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、などの
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセ
リルモノステアレート、デカグリセリルトリオレエー
ト、ヘキサグリセリンポリリシノレートなどの(ポリ)
グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
ット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン植
物油脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレングリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエテレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油及び高級アルコール等
があげられる。前記乳化剤は、単独あるいは2種類以上
あわせて保存安定性の高いエマルションを調製する。添
加量は通常インキ重量の0.5〜15重量%、好ましく
は1〜3重量%とすれば良い。
【0023】水相にはエマルションの形成を妨害しない
範囲で不溶性着色剤分子、防腐・防かび剤、水の蒸発抑
制剤、凍結防止剤、pH調整剤、電解質、体質顔料等を
添加できる。
【0024】油相には前記のものの他に、エマルション
の形成を妨害しない範囲で樹脂、着色剤の分散剤、体質
顔料、ゲル化剤および酸化防止剤等を添加することがで
きる。前記の乳化剤も油相に含まれる。
【0025】油相に添加される樹脂としてはロジン;重
合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジジポリ
エステル樹脂、水素化ロジンエステル等のロジン系樹
脂;ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹
脂;ロジン変性フェノール樹脂、等のロジン変性樹脂;
マレィン酸樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;環化ゴム
などのゴム誘導体樹脂;テルペン樹脂;アルキド樹脂;
重合ひまし油;等を1種または2種以上を混合して添加
して良い。これらの代表的な樹脂としては荒川化学社製
のタマノル353、タマノル403、タマノル361、
タマノル387、タマノル340、タマノル400、タ
マノル396、タマノル354、KG836、KG84
6、KG1834、KG1801等(商品名)のロジン
変性フェノール樹脂などがあげられる。
【0026】樹脂の重量平均分子量は定着性及び印刷適
性から3万〜15万が好ましく、より好ましくは5.5
万〜15万であり、さらにこれらの樹脂は日石0号ソル
ベントに対し溶解性を有するトレランスが1g/g以上
(1gの樹脂に1g以上の0号ソルベントが相溶可能で
ある)の樹脂が好ましい。また、油相中に樹脂を添加す
る場合の樹脂使用量は、インキのコストおよび印刷適正
から油相の2〜50重量%、より好ましくは5〜20重
量%である。樹脂の重量平均分子量が低い場合及び添加
量が少ない場合には定着性への効果が小さいこと、また
重量平均分子量が高すぎたり、樹脂の添加量が多い場合
にはインキの粘度が高くなり、ドラム後端からインキが
漏れるなどの印刷適性の問題が生じる。
【0027】本発明に使用されるアルキド樹脂は油脂と
多塩基酸と多価アルコールから構成される。油脂として
はヤシ油、パーム油、オリーブ油、ひまし油、米糠油、
綿実油等のヨウ素か80以下の不乾性油あるいは半乾性
油およびこれらの脂肪酸が挙げられるが、大豆油、アマ
ニ油、キリ油等の乾性油もアルキド樹脂のヨウ素価が8
0以下の範囲では一部使用しても良い。
【0028】多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、テトラヒドロフタル酸等の飽和多塩基酸、およびマ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無
水シトラコン酸等の不飽和多塩基酸が使用できる。多価
アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジグリセ
リン、トリグリセリン、ペンタエリスリット、ジペンタ
エリスリット、マンニット、ソルビット等が使用でき
る。
【0029】アルキド樹脂の油長は油脂中の脂肪酸がト
リグリセライドで存在したときの樹脂中の重量%で示さ
れる。アルキド樹脂は分散安定性、および皮膜形成によ
る版銅スクリーンの目詰まり等の問題から、油長60〜
90、ヨウ素価80以下であることが好ましい。アルキ
ド樹脂の重量平均分子量は好ましくは3万未満、より好
ましくは1万以下のものが好ましい。
【0030】着色剤の分散剤としてはエマルションの形
成を阻害しないものであれば任意のものが使用でき、前
記の乳化剤用非イオン性界面活性剤及び水溶性高分子も
使用することができる。分散剤としてはソルビタンセス
キオレートなどのソルビタン脂肪酸エステル、ヘキサグ
リセリンポリリシノレートなどのポリグリセリン脂肪酸
エステル、などの非イオン性界面活性剤、アルキルアミ
ン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、ス
チレン−無水マレイン酸系共重合高分子化合物、ポリカ
ルボン酸エステル型高分子化合物、脂肪族系多価カルボ
ン酸、高分子ポリエステルのアミン塩類、エステル型ア
ニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミ
ン塩類、長鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエステル
の塩ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、
アルキルスルホカルボン酸塩類、α−オレフィンスルホ
ン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸塩類、ポリエチレ
ンイミン、アルキロールアミン塩、及びアルキド樹脂な
どの不溶性着色剤分散能を有する樹脂などもあげられ
る。この他にもインキの保存安定性を阻害しない範囲で
あればイオン性界面活性剤、両性界面括性剤なども挙げ
られる。またゼネカ社製のソルスパーズシリーズ(商品
名:S3000、S5000、S9000、S1324
0、S13940、S16000、S17000、S2
0000、S24000、S28000、S3184
5、S31850、S32550、S34750、S4
1090、S53095)などを用いても良い。
【0031】水相に添加する着色剤分散剤としては、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンポリグリセリン脂肪酸エステルなどのHLB
が7から14の範囲の非イオン界面活性剤や水溶性の高
分子等を使用しても良いが、特にイオン性の分散剤が好
ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、
アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルフォ
ン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルリン酸塩、アルキルアンモニウム塩、レシチ
ン、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ラウリル硫酸
ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル
硫酸塩、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ナ
フタレンスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメ
チルタウリン塩、β−ナフタレンスルフォン酸ホルマリ
ン縮合物のナトリウム塩などのナフタレンスルフォン酸
ホルマリン縮合物、ポリカルボン酸高分子界面活性剤、
脂肪族系多価カルボン酸、高分子ポリエステルのアミン
塩類、のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両
性界面活性剤などの低分子或いは高分子界面活性剤が挙
げられる。
【0032】これらの分散剤は単独または2種類以上混
合して添加すれば良く、高分子及び樹脂以外の着色剤分
散剤の添加量は着色剤重量の40重量%以下、好ましく
は2〜35重量%とすれば良い。アルキド樹脂は高分子
量の樹脂を添加するときに不溶性着色剤の分散安定性に
効果があるが、アルキド樹脂を単独または他の分散剤と
併用して使用する場合の樹脂の添加量は不溶性着色剤1
重量部に対して0.05重量部以上であることが好まし
い。水相に添加する分散剤に関しても単独または2種類
以上混合して添加すればよく、添加量は着色剤の50重
量%以下、好ましくは0.1から20重量%、さらに好
ましくは1から10%である。但し、高分子系の分散剤
の場合には分散剤以外に紙への固着剤としての作用もあ
るので分散剤としての添加量以上添加しても良い。
【0033】ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化
してインキの保存安定性、定着性、流動性を向上させる
役割をもち、本発明のインキに添加されるゲル化剤とし
ては油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。こ
のような化合物を例示すると、Li、Na、K、Al、
Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の
金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オ
リゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニウム
等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテ
ン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、エ
チルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート
等の有機キレート化合物等が挙げられる。これらのゲル
化剤は、1種または2種類以上を油相に添加すれば良
く、その添加量は油相中の樹脂の15重量%以下、好ま
しくは5〜10重量%である。
【0034】油相に添加される酸化防止剤は、ジブチル
ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロ
キシアニソール等であり、これらの添加によって油相中
のバィンダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインキ
の粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はイン
キ中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重
量%である。なお酸化防止剤は単独でも2種類以上を混
合して使っても良い。
【0035】また、インキ中には粘度調整のために体質
顔料も添加できる。インキ中に添加される体質顔料とし
ては白土、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、ケイソ
ウ土、カオリン、マイカ、水酸化アルミニゥム等の無機
微粒子およびポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシ
ロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、等の有機微
粒子またはこれらの共重合体からなる微粒子が挙げられ
る。具体的な例としてはアエロジル200、アエロジル
R972等(日本アエロジル社)、NEW D ORB
EN(白石工業社)、BEN−GEL、S−BEN、O
RGANITEなど(豊順洋行社)、TIXOGELシ
リーズ(VP、DS、GB、VG、EZ−100な
ど)、OPTIGEL(日産ガードラー触媒社)などが
挙げられる。これらは油相、水相また両相に添加しても
良く。添加量はインキに対して0.1〜50重量%が好
ましく、より好ましくは1〜5重量%である。
【0036】エマルションインキの油相または水相ある
いは両相に、保湿や増粘及び不溶性着色剤、体質顔料の
分散および固着、乳化安定性のために水溶性高分子やO
/W樹脂エマルションを添加しても良い。
【0037】水溶性高分子としては具体的には下記の天
然または合成高分子が添加される。例えば、デンプン、
マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガント
ガム、アラビアガム、ブルラン、デキストラン、キサン
タンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等
の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデ
ンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデン
プン等の半合成高分子;アクリル酸樹脂およびポリアク
リル酸ナリウムなどの中和物、アルキル変性アクリル酸
樹脂、ポリビニルイミド、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル
アミド、ポリN−アクリロイルピロリジンやポリN−イ
ソプロピルアクリルアミドなどのポリN−アルキル置換
アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニル
メチルエーテル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
スチレン−アクリル酸共重合体及びこれらをアルキル基
で部分的に疎水した高分子、またアクリルアミド系ポリ
マーおよびアクリル系のポリマーに関しては置換基を部
分的にアルキル基で疎水化した共重合タィプのポリマー
でも良い。またポリエチレンとポリプロピレンまたはポ
リブチレンのABやABAタイプのブロックコポリマー
を用いることができる。これらの水溶性高分子は単独で
も2種類以上混合しても良く、インキに含まれる水の2
5重量%以下、好ましくは0.5〜15重量%が添加さ
れる。これらの樹脂の重量平分子量は好ましくは200
0〜100万、より好ましくは5000〜30万、さら
により好ましくは1万〜15万である。
【0038】O/W樹脂エマルションとしては合成高分
子でも天然高分子でもよい。高分子としては酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、塩化
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−
アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン
等が挙げられる。天然のものとしては油相に添加できる
高分子等が挙げられる。これらは油中水型エマルション
インキの安定性を阻害しない範囲であれば2種類以上を
併用してもよく、また分散方法も分散剤、保護コロイ
ド、界面活性剤を添加していてもよい。また合成方法は
乳化重合法、懸濁重合法あるいはソープフリー乳化重合
によって合成することができる。
【0039】これらのO/W樹脂エマルションの最低造
膜温度は40℃以下であることが望ましい。エマルショ
ンの安定性と両立させるため分散安定剤としてラウリル
硫酸ナトリウム、ジポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルリン酸ナトリウム、トリポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤は
両性界面活性剤の使用しているもの、あるいは過硫酸カ
リウムや過硫酸アンモニウムなどの樹脂粒子がマイナス
に帯電する開始剤を用いて合成したものが望ましい。し
かし界面活性剤を使用した場合にはエマルション系に影
響する場合があるので、後者の重合開始剤を用いたソー
プフリー乳化重合法より合成した樹脂エマルションが望
ましい。また、このO/W樹脂エマルションのゼータ電
位は好ましくは−1〜−200mV、より好ましくは−
10〜−50mVであることが好ましい。また樹脂エマ
ルションの粒子径は0.1〜30μm、好ましくは0.
5〜5μmである。
【0040】水相に添加される防腐・防かび剤は、エマ
ルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加
され、エマルションを長期保存する場合は防腐防かび剤
を添加するのが望ましい。その添加量は、インキ中に含
まれる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重
量%とするのが良い。また防腐・防かび剤としてはサリ
チル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p
−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物お
よびその塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢酸
等が使用され、これらは単独でも2種類以上混合して使
っても良い。
【0041】水の蒸発防止剤と凍結防止剤は兼用可能で
あり、これらの目的で添加される薬品はエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等
のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、ブイタノール、イソブタノール等の低級飽和一価
アルコール;グリセリンやソルビトール等の多価アルコ
ール;等である。これらの薬品は1種または2種以上を
添加すれば良く、その添加量はインキ中の水重量の15
重量%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0042】水相に添加されるpH調整剤は、アンモニ
ア、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミ
ルアミン、水酸化ナトリウム等であり、必要時にはこれ
らのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つこ
とができる。水相のpHが前記範囲からはずれると、増
粘剤用水溶性高分子が添加されている場合にはその効果
が損なわれる等の問題がある。またpH一定に保つため
緩衝剤を添加してもよく、緩衝剤としてはエチレンジア
ミン四酢酸やAldrich社のTrizmabas
e、4−モルホリノエタンスルホン酸(MES)及び4
−モルホリノプロペンスルホン酸(MOPS)などが挙
げられる。緩衝剤の添加量は水相成分の約0.05〜
0.1重量%の範囲で用いればよい。
【0043】水相に添加される電解質としては、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属などの陽イオンと、陰イオン
としてはクエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、
酢酸イオン、塩素イオン、ホウ酸イオン等からなる電解
質が使用できる。しかし、水相に添加されている水不溶
性顔料、体質顔料、O/W樹脂エマルションなどの凝集
防止とエマルションの安定性を両立させるための陽イオ
ンとしては、一価のリチウムイオン、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン等が望ましい。従ってここで添加さ
れる電解質としては、硫酸リチウム、硫酸カリウム、硫
酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリ
ウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、塩化リチウム等が好ましく、その
添加量は水相の0.01wt%〜5wt%、好ましくは
0.1〜2.0重量%である。またエマルションの安定
性と粉体の分散安定性に影響しない範囲では二価の陽イ
オンの電解質を併用しても良い。
【0044】上記のほか、本発明の孔版印刷用油中水型
エマルションインキには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラ
ムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上が
り防止のために油相にワックスを添加することができ
る。また、水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナト
リウム等を添加して、水溶性高分子添加による高粘度化
を更に増進させることがでる。さらに、水相に防錆剤や
消泡剤を添加して印刷の際に印刷機がインキによって錆
たり、インキが泡立つことを防止することができる。こ
れらの添加剤は、孔版印刷用インキに添加されている公
知のものを必要に応じて添加すれば良く、その添加量は
従来品の場合と同程度でよい。
【0045】本発明のインキは印刷を目的にしているた
め不溶性着色剤を使用しているが、不溶性着色剤を添加
しない場合であっても、体質顔料やW/O樹脂エマルシ
ョンを水相に含有する場合には、同様な作用により安定
性への効果がある。
【0046】本発明のエマルションインキは、従来のエ
マルションインキ製造時と同様にして油相及び水相液を
調整し、この両方を公知の乳化機内で乳化させてインキ
とすればよい。すなわち、着色剤、乳化剤及び必要に応
じて添加される樹脂等の添加物を良く分散させた油相を
調整し、これに着色剤、防防腐・防かび剤や水溶性高分
子等が必要に応じて添加されている水溶液を徐々に添加
して乳化すれば良い。
【0047】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。なお、以下に記す部は重量部である。
【0048】(実施例1〜11及び比較例1〜3)油相
に不溶性着色剤を含有するW/Oエマルションインキは
着色剤、オイル、不溶性着色成分分散剤を3本ロールで
練肉することで不溶性着色剤分散体の調整を行い、この
不溶性着色剤分散体(以後、不溶性着色剤分散体)に乳
化用界面活性剤、オイルと樹脂等のワニスを加え油相と
し、これに水、凍結防止剤、抗菌剤、電解質あるいは水
溶性樹脂などからなる水相を加え乳化することにより孔
版印刷機用W/Oエマルジョンインキとした。必要に応
じ体質顔料などの他の成分を加えても良い。
【0049】水相に不溶性着色剤を含有するW/Oエマ
ルションインキは、不溶性着色剤、水溶性高分子、水を
加えボールミルを用い24時間攪拌して不溶性着色剤水
相分散液を作成し、これに凍結防止剤、抗菌剤を加え水
相とし、あらかじめ作成しておいたオイル、乳化用界面
活性剤、ワニス、などからなる油相に前記水相を攪拌混
合し乳化することで孔版印刷用エマルションインキとし
た。必要に応じ体質顔料などの他の成分を加えても良
い。
【0050】油相と水相の両相に不溶性着色剤を含有す
るインキは、油相、水相のそれぞれの不溶性着色剤分散
液を作成し、そして油相に水相を攪拌混合し乳化するこ
とで孔版印刷用エマルションインキとした。必要に応じ
体質顔料などの他の成分を加えても良い。インキの粘度
は攪拌条件によっても調節可能であり、システムにあっ
た粘度であれば良く特に規定はないが、ずり速度20s
-1の時の粘度が2〜40Pa・sが望ましく、好ましく
は10〜30Pa・sであることが望ましい。
【0051】O/W樹脂エマルションは開始剤に過硫酸
カリウム(3.0mol%)、アクリル酸エステルモノ
マー300gを水3000g中で350rpmの速度で
攪拌しながら70℃で48時間反応しラテックスを合成
し、反応終了後エバポレータで水分を蒸発させ固形分濃
度を50wt%にした。O/W樹脂エマルションのゼー
タ電位は三田村理研工業(株)製モデル5−17を使用
し顕微鏡法による電気泳動の測定から求めた。
【0052】前記実施例1〜11及び比較例1〜3のイ
ンキ処方を表1〜2に示し、また、下記評価方法による
評価結果を表3〜4に示した。 (エマルションインキの評価)これらのインキを用い、
市販のリコー製孔版印刷機(JP5000)で十分印刷
を行ってインキを印刷機内にいきわたらせた後、印刷し
た。保存安定性はインキを60℃に60日間保存したと
きのインキの変質状態を評価し、油分離、水分離、粘度
変化などの変質が著しいものを×、変質の無いものを◎
として、×△○◎の4段階で評価した。裏抜けは、印刷
されたべた部分の裏面側を目視にて評価し、裏抜けがひ
どいものを×、比較的少ないものを◎とし、×△○◎の
4段階で評価した。定着性は印刷後、24時間乾燥放置
した印刷物を手で触ったときの汚れ具合を評価し、汚れ
の多いものを×、汚れの少ないものを◎とし、×△○◎
の4段階で評価した。ベタ埋りは印刷サンプルを目視に
より評価し、ベタ埋りの良いものを◎、悪いものと×と
し、×△○◎の4段階で評価した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】表1〜表4より、以下のような評価結果が
得られた。 1.実施例1と比較例1、比較例2、比較例3から一価
の陽イオンの電解質を使用したことによる。保存安定
性、定着性、裏抜けへの効果が明らかである。 2.実施例1と実施例2から二価の陰イオンの保存安定
性への効果が明らかである。 3.実施例1、実施例3、実施例4から電解質の濃度の
保存安定性、定着性への効果が明らかである。 4.実施例1、実施例5、実施例11から水溶性樹脂の
定着性への効果があきらかである。 5.実施例1と実施例6からイオン性の分散剤の定着性
への添加効果が明らかである。 6.実施例1と実施例2、実施例8、実施例9から酸性
カーボンブラックの定着性への効果が明らかである。 7.実施例5、実施例7、実施例10から樹脂エマルシ
ョンの定着性への効果が明らかである。 8.実施例10と比較例2から、油相に着色剤を含有し
たことで裏抜けとベタ埋りの効果が明らかである。
【0058】
【発明の効果】本発明により裏抜けが少なく、インキの
保存安定性に優れ、定着性に優れた孔版印刷用のエマル
ションインキ、特に感熱孔版印刷用エマルションインキ
インキを得ることができた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水相に水不溶性成分を含有する水相90
    〜10重量%および油相10〜90重量%によって構成
    される油中水型エマルションインキにおいて、水相中に
    一価の陽イオンを有する電解質が含有されていること特
    徴とする孔版印刷用W/Oエマルションインキ。
  2. 【請求項2】 陽イオンがアルカリ金属であることを特
    徴とする請求項1に記載の孔版印刷用W/Oエマルショ
    ンインキ。
  3. 【請求項3】 電解質が二価の陰イオンからなることを
    特徴とする請求項1または2に記載の孔版印刷用W/O
    エマルションインキ。
  4. 【請求項4】 電解質の添加量が水相成分の0.01w
    t%以上5wt%以下であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の孔版印刷用W/Oエマルション
    インキ。
  5. 【請求項5】 水不溶性成分がpH5以下の酸性カーボ
    ンブラックであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の孔版印刷用W/Oエマルションインキ。
  6. 【請求項6】 水相中に水溶性高分子および/またはO
    /W樹脂エマルションを含有する特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の孔版印刷用W/Oエマルションイ
    ンキ。
  7. 【請求項7】 水相中にイオン性の分散剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の孔版印
    刷用W/Oエマルションインキ。
  8. 【請求項8】 油相に着色剤を含有することを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載の孔版印刷用W/Oエ
    マルションインキ。
JP2002070926A 2002-03-14 2002-03-14 孔版印刷用w/oエマルションインキ Expired - Lifetime JP3930350B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002070926A JP3930350B2 (ja) 2002-03-14 2002-03-14 孔版印刷用w/oエマルションインキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002070926A JP3930350B2 (ja) 2002-03-14 2002-03-14 孔版印刷用w/oエマルションインキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003268282A true JP2003268282A (ja) 2003-09-25
JP3930350B2 JP3930350B2 (ja) 2007-06-13

Family

ID=29201358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002070926A Expired - Lifetime JP3930350B2 (ja) 2002-03-14 2002-03-14 孔版印刷用w/oエマルションインキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3930350B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005146279A (ja) * 2003-11-10 2005-06-09 Gr Advanced Materials Ltd エマルションインク
JP2005306973A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用エマルションインキ
JP2006124464A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用エマルションインキ
JP2006131773A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用エマルジョンインキ
JP2006152284A (ja) * 2004-11-05 2006-06-15 Gr Advanced Materials Ltd エマルションインク
JP2008106144A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用エマルジョンインキ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005146279A (ja) * 2003-11-10 2005-06-09 Gr Advanced Materials Ltd エマルションインク
JP2005306973A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用エマルションインキ
JP4520767B2 (ja) * 2004-04-20 2010-08-11 東北リコー株式会社 孔版印刷用エマルションインキ
JP2006124464A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用エマルションインキ
JP2006131773A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用エマルジョンインキ
JP2006152284A (ja) * 2004-11-05 2006-06-15 Gr Advanced Materials Ltd エマルションインク
JP2008106144A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用エマルジョンインキ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3930350B2 (ja) 2007-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4080080B2 (ja) 孔版印刷用油中水型エマルションインキ
JP4080121B2 (ja) 孔版印刷用油中水型エマルションインキ
US6156109A (en) Water-in-oil type emulsion ink for stencil printing
US20040194658A1 (en) Water-in-oil type emulsion ink for stencil printing
JP2009270070A (ja) 孔版印刷用エマルションインキ
JP4845457B2 (ja) 孔版印刷用エマルジョンインキ
JP3930350B2 (ja) 孔版印刷用w/oエマルションインキ
JP4801370B2 (ja) 孔版印刷用エマルションインキ
JP4050443B2 (ja) 孔版印刷用油中水型エマルションインキ
JP4860908B2 (ja) 孔版印刷用エマルションインキ
JP4845421B2 (ja) 孔版印刷用エマルションインキ
JP2007070559A (ja) 孔版印刷用w/o型エマルションインキ
JP4777525B2 (ja) 孔版印刷用w/oエマルションインキ
JP5526550B2 (ja) 孔版印刷用油中水型エマルションインキの製造方法及び孔版印刷用油中水型エマルションインキ
JP2012012485A (ja) 孔版印刷機用w/o型エマルションインキ
JP4856301B2 (ja) 孔版印刷システム
JP2000053903A (ja) 孔版印刷用w/o型エマルションインキ
JP4875234B2 (ja) 孔版印刷用w/oエマルションインキ
JP2004182864A (ja) 孔版印刷用w/o型エマルションインキ
JP4510404B2 (ja) 孔版印刷用w/o型エマルションインキ
JP2001106952A (ja) 孔版印刷用油中水型エマルションインキ
JPH11310740A (ja) 孔版印刷用油中水型エマルションインキ
JP2008106144A (ja) 孔版印刷用エマルジョンインキ
JP2006124464A (ja) 孔版印刷用エマルションインキ
JP4878088B2 (ja) 孔版印刷用w/o型エマルションインキ

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040213

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3930350

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100316

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140316

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140316

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term