JP2003266359A - 制振機能を持った搬送装置 - Google Patents

制振機能を持った搬送装置

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JP2003266359A
JP2003266359A JP2002064198A JP2002064198A JP2003266359A JP 2003266359 A JP2003266359 A JP 2003266359A JP 2002064198 A JP2002064198 A JP 2002064198A JP 2002064198 A JP2002064198 A JP 2002064198A JP 2003266359 A JP2003266359 A JP 2003266359A
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vibration
damping means
end effector
vibration damping
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Hiroshi Uno
宏 宇野
Tsuneo Tanimoto
恒夫 谷本
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Tatsumo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制振機能を持った搬送装置において、搬送時
のエンドエフェクタや搬送アームの振動、及び駆動系か
らの振動によるこれらの共振振動を抑え、搬送スピード
の向上、タクトタイムの短縮を図り、また、クリアラン
スを小さくしてユニット高さの低減を図る。 【解決手段】 固体、液体、又は、これらの混合物から
なる重りを振動体として密封し、制振手段を構成する。
アーム21,22及びエンドエフェクタ10を有する多
関節式搬送装置の振動や共振の出現状況に応じて重りの
比重を変化させる。固有振動数の適正化を行ったこれら
の制振手段1a,1b,1c,1d,1eを、振幅の大
きな場所であるエンドエフェクタや各アームの端部A,
B,C,D,Eに取り付ける。搬送装置の振動エネルギ
ーを制振手段の重りの振動運動により吸収し振動を抑制
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】液晶ガラス基板、プリント基
板、半導体基板などを搬送するエンドエフェクタやアー
ムを有する搬送装置、及び、薬液塗布、洗浄液塗布など
を行うノズルアームなどの梁部を有する装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の搬送装置の一例として液晶ディス
プレイ(LCD)用ガラス基板搬送装置を図8に示す。
この搬送装置50は、アーム51,52そして、その先
端に被搬送物を保持するフォーク状のエンドエフェクタ
10a、10bを有している。アーム全体は上下動が可
能であり、3つの関節R1,R2,R3により回転で
き、また、エンドエフェクタ10a,10bは一定直線
上を移動できるようになっている。これらの動作により
ラック60からのガラス基板Gの取り出し、あるいはラ
ック60へのガラス基板Gの収納が行われる。LCDガ
ラス基板Gは、表面洗浄、パターン形成などを行う加工
ステージ間を多数回行き来して表面処理がなされる。こ
のため、仮置きや移動のためのラックと加工ステージ間
の移し替えなどに搬送装置が使われる。
【0003】ところで、近年、液晶デイスプレイの製造
装置において、個々の液晶デイスプレイ用ガラス基板の
大型化と多面取りの傾向によって、扱うガラス基板が大
型化し、一辺が1mを超えるものも出てきている。この
ため、搬送用エンドエフェクタの長さは1.3m以上に
なり、搬送アームを含め搬送量は2m以上にもなる。こ
のため、従来の技術によりアルミなどの軽金属で作られ
ているエンドエフェクタや搬送アームは重くなり、たわ
みが大きくなって、搬送受け渡しの高さの調整にも影響
が出てきている。そして、これらの影響を解消するため
に、エンドエフェクタや搬送アームの素材をカーボンフ
ァイバやPPSなど樹脂製の軽くて強度の高い素材に変
えることで、エンドエフェクタや搬送アームは、以前よ
り格段に軽くなり、たわみ量は小さくなってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような樹脂製のエンドエフェクタや搬送アームは、非
常に振動しやすく、その振動や共振はなかなか減衰せ
ず、次の動作まで振動し続けることがある。そのため、
受け渡し動作が行えるクリアランス(高さ寸法)が小さ
い場合には、振動が収まるのを待つ必要があり、受け渡
し動作の支障になっている。また、この振動対策のため
に受け渡しのクリアランス高さ寸法を高くする場合に
は、各処理ユニット全高さも高くなり、基板の仮置き場
所の多段化が制限されるなどの問題が出ている。
【0005】本発明は、上記の課題を解消するものであ
って、搬送時のエンドエフェクタや搬送アームの振動、
及び駆動系からの振動によるこれらの共振振動を抑え
た、大型基板対応の搬送装置を提供することを目的とす
る。これら、搬送時の振動や駆動系からの共振を抑える
ことにより、搬送スピードの向上、タクトタイムの短縮
を可能とし、また、クリアランスを小さくしてユニット
高さの低減を可能とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、請求項1の発明は、被搬送物をエンドエフェクタ
に保持して搬送する搬送装置において、エンドエフェク
タに制振手段を設けたものである。この構成の搬送装置
においては、エンドエフェクタの振動をより速く減衰さ
せることができ、搬送スピードを向上させると共に、被
搬送物の受け渡しのクリアランスに余裕を持たせること
ができる。
【0007】請求項2の発明は、被搬送物を搬送アーム
により搬送する搬送装置において、搬送アームに制振手
段を設けたものである。この構成の搬送装置において
は、搬送アームの振動をより速く減衰させることがで
き、エンドエフェクタへの振動伝達を抑え、従って、振
動搬送スピードを向上させると共に、被搬送物の受け渡
しのクリアランスに余裕を持たせることができる。
【0008】請求項3の発明は、請求項1記載又は請求
項2の発明において、制振手段を複数個有するようにし
たものである。この構成の搬送装置においては、複数の
制振手段により、より確実に振動を抑えることができ
る。
【0009】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
のいずれかに記載の発明において、1個の制振手段内
で、1個の比重の大きな個体や液体、混合物の移動によ
る振動が搬送装置の振動に対して振動遅れとなり、その
振動遅れが搬送装置の振動に対して反力として働くよう
にしたものである。この構成の搬送装置においては、制
振手段に伝わる振動のエネルギーが固体や液体、混合物
の移動による振動に費やされるため、搬送装置の振動を
抑えることができる。
【0010】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3
のいずれかに記載の発明において、1個の制振手段内
で、複数個の比重の異なる個体や液体、混合物の移動に
よる振動が、複数個の固有振動数を発生させ、この振動
が搬送装置の振動に対して反力として働くようにしたも
のである。この構成の搬送装置においては、制振手段に
伝わる複数の振動のエネルギーが複数の固有振動体の移
動による振動に費やされるため、搬送装置の振動を効率
的に抑えることができる。
【0011】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4
のいずれかに記載の発明において、各制振手段の固有振
動数が異なるようにしたものである。この構成の搬送装
置においては、搬送装置の各部位の振動のモードに応じ
て最適の固有振動数を有する制振手段を各部位に設ける
ことができるため、搬送装置の振動を効率的に抑えるこ
とができる。
【0012】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6
のいずれかに記載の発明において、制振手段が密閉され
るようにしたものである。この構成の搬送装置において
は、制振手段からの発塵が抑えられ、クリーンルームで
の使用が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態に係
る制振機能を持った搬送装置の制振手段1について、図
1を参照して説明する。図面中の共通する部材には同一
符号を付して重複説明を省略する。制振手段1は、図1
に示されるように、重り2が下部をばね3により支えら
れ、共に支柱4に上下移動自在に外挿され、密閉された
ハウジング5に収められている。ハウジング5内に形成
された空間6の上部空間長は、ばね3のストロークの倍
程度とする。このように構成された制振手段1は、搬送
装置のエンドエフェクタや搬送アームの上下振動の振幅
の大きな箇所に設置され、これらの上下振動によるエネ
ルギーにより制振手段1内の重り2が振動する。この重
り2の振動が搬送装置に発生する振動に対する負荷とな
って振動エネルギーを吸収して上下振動を減衰させるこ
とができる。
【0014】次に、本発明の第2実施形態に係る制振機
能を持った搬送装置の制振手段1について、図2を参照
して説明する。この制振手段1は、上記の制振手段1に
ばねを3を追加して重り2の両端をつった構造になって
いる。この制振手段1は、水平方向振動に対して、ま
た、上下振動に対しても用いることができる。
【0015】次に、本発明の第3乃至第5実施形態に係
る制振機能を持った搬送装置の制振手段1について、図
3を参照して説明する。まず、図3(a)に示す第3実
施形態の制振手段1は、ハウジング5の内部空間6の中
央部にオリフィス7を有し、空間6に所定の量の比重の
大きな液体8を封入した構造になっている。この構成に
おいて、液体8が、搬送装置の振動(外部振動)のエネ
ルギーを吸収する振動体なっており、振動に伴い液体が
オリフィス7を流動して振動に対する反力を生じ、振動
の減衰力として作用する。
【0016】また、図3(b)に示す第4実施形態の制
振手段1は、ハウジング5の内部空間に、固体である重
り2と比重の大きな液体8を移動乃至流動可能な状態で
封入した構造になっている。この構成において、重り2
と液体8の移動による振動が外部振動の減衰力となる。
【0017】また、図3(c)に示す第5実施形態の制
振手段1は、ハウジング5の内部空間に、支柱4と上下
移動自在に支柱4に外挿された重り2とを有し、さら
に、空間6の上部下部には弾性体が内装された構造に成
っている。この構成においては、この制振手段1はイン
パクトダンパとして作用する。すなわち、外部振動に対
して重り2が空間6内で上下運動を繰り返し、上下の弾
性体9に衝突することで運動量の交換と運動エネルギー
の熱エネルギーへの変換を行い、外部振動の減衰がなさ
れる。
【0018】次に、本発明の第6実施形態に係る制振機
能を持った搬送装置の制振手段1について、図4を参照
して説明する。この制振手段1は、ハウジング5の内部
に2本の支柱4a,4b、この支柱に外挿されたばね3
a,3b、同じく支柱に外挿され下部をばねに支えられ
た重り2a,2bを備えて密閉された構造に成ってい
る。本図は、エンドエフェクタ10の先端に制振手段1
を設置した例を示している。このような構成において、
重りの密度あるいはばね定数を変えることで、ばね3a
と重り2aの振動系と、ばね3bと重り2bの振動系の
固有振動数を、エンドエフェクタ10の基本振動と1次
振動など強度の強い振動の2つにそれぞれに対応させた
ものとすることができる。これにより、効率よく搬送装
置の制振を行うことができる。
【0019】次に、本発明の第7実施形態に係る制振機
能を持った搬送装置について、図5を参照して説明す
る。この搬送装置20は、2つのアーム21,22と、
アームの先にエンドエフェクタ10を有する多段スライ
ド式搬送装置である。このような搬送装置の制振にあた
り、振動や共振の出現状況に応じて複数個の制振手段1
を振幅の大きな場所に取り付ける。通常、エンドエフェ
クタや各アームの端部の振動が大きく、端部A,B,
C,D,Eにおける振動に応じて重りの比重を変化させ
て固有振動数を変えた制振手段1a,1b,1c,1
d,1eをそれぞれ端部に取り付ける。これにより、搬
送装置全体として振動を抑えることができる。
【0020】次に、本発明の第8実施形態に係る制振機
能を持った搬送装置について、図6を参照して説明す
る。この搬送装置30は、多段スライド式搬送装置であ
り、2つのアーム31,32とエンドエフェクタ10と
を有し、アーム32は案内溝33に沿って、エンドエフ
ェクタ10は案内溝34に沿ってそれぞれ前後移動し
て、図示しない他の回転機構などと共に半導体基板など
の搬送を行うものである。エンドエフェクタ10の上下
振動を抑えるため、制振手段1fを先端に設けている。
【0021】次に、本発明の第9実施形態に係る制振機
能を持った薬液塗布ノズルについて、図7を参照して説
明する。この薬液塗布ノズル40は、アーム41にパイ
プ42が接続され、パイプ42の先端は下方に曲げられ
て吐出口43が形成されている。そして、吐出口43の
振動を抑えるために、制振手段1g、1hをそれぞれ吐
出口43近傍及びアーム41の端部に取り付けている。
薬液塗布ノスルは、薬液塗布の開始時と停止時において
薬液の圧力変化が発生し、これにより突発的な振動が発
生する。このような振動に対しては、前述の図3(c)
のインパクトダンパが効果的である。
【0022】なお、本発明は、上記構成に限られること
なく種々の変形が可能である。例えば、重りは、ばねと
結合しているのでなく互いに自由に接触と反発を繰り返
して振動体を形成するようにしてもよい。重りの振動を
ハウジングにより規制できるのであれば支柱は用いなく
てもよい。また、制振手段は、上下あるいは水平振動に
対してだけでなく、斜め方向の振動に対しても適用可能
である。また、比重を変えて重りの質量を変えるだけで
なくその体積を変えて重りの質量を変化させてもよい。
また、固体との混合物として用いる液体は、比重の大小
に限らず、粘性の大小を考慮して最適のものにすればよ
い。
【0023】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
エンドエフェクタの振動をより速く減衰させることがで
きるため、また、請求項2の発明によれば、搬送アーム
の振動をより早く減衰させることができ、駆動系からの
振動による共振を抑えると共にエンドエフェクタへの振
動の伝播を抑え、あるいは、エンドエフェクタの振動を
吸収することができるため、エンドエフェクタの振幅を
小さくすることができ、基板受け渡し高さ(クリアラン
ス)を小さくすることができる。これにより、基板加工
ステージや基板ラックのユニット高さを低くすることが
できる。また、急停止、急発進などの大きな速度変化に
対する耐振動性能が増すため、及び、振動が治まるまで
の待ち時間が短縮されるため、搬送スピードを上げ、タ
クトタイムを短縮することができ、基板処理時間を短縮
することができる。
【0024】請求項3の発明によれば、複数の制振手段
を用いるため、より確実に振動を抑えることができる。
また、請求項4の発明によれば、制振手段に伝わる振動
のエネルギーを固体や液体、混合物の移動による振動で
吸収するため、搬送装置の振動を効率的に抑えることが
できる。
【0025】また、請求項5の発明によれば、複数の振
動のエネルギーを1個の制振手段内の複数の固有振動体
の移動により吸収するので、制振に対する制振手段の多
様性が増すため、また、請求項6の発明によれば、搬送
装置の各部位の振動のモードに応じて最適の固有振動数
を有する制振手段を各部位に設けることができるため、
搬送装置の振動を効率的に抑えることができる。
【0026】請求項7の発明によれば、制振手段からの
発塵が抑えることができ、クリーンルームにおいて制振
手段を適用して搬送装置を使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による制振手段の断面
図。
【図2】 本発明の第2実施形態による制振手段の断面
図。
【図3】 (a)は、本発明の第3実施形態、(b)
は、第4実施形態、(c)は、第5実施形態による各制
振手段の断面図。
【図4】 本発明の第6実施形態による制振手段をエン
ドエフェクタに適用したI−I正面断面図、II−II側面断
面図、及びIII−III平面断面図。
【図5】 本発明の第7実施形態による制振手段を適用
した多段スライド式搬送装置の外観側面図。
【図6】 本発明の第8実施形態による制振手段を適用
した多段スライド式搬送装置の外観斜視図。
【図7】 本発明の第9実施形態による制振手段を適用
した薬液塗布ノズルの側面図外観図。
【図8】 従来及び本発明が適用される搬送装置と搬送
の様子を示す外観斜視図。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h
制振手段 2,2a,2b 重り 3,3a,3b ばね 8 液体 10,10a,10b エンドエフェクタ 21,22,31,32,41,51,52 アーム 20,30,50 搬送装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/68 H01L 21/68 A Fターム(参考) 3C007 AS01 AS24 AS25 BS06 BS15 CU02 CY31 HT35 NS12 3J048 AA05 AC04 AD07 BE04 BF08 BF09 BF11 CB22 5F031 CA02 CA05 CA20 GA02 GA43 MA23 MA26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被搬送物をエンドエフェクタに保持して
    搬送する搬送装置において、 前記エンドエフェクタに制振手段を設けたことを特徴と
    する搬送装置。
  2. 【請求項2】 被搬送物を搬送アームにより搬送する搬
    送装置において、 前記搬送アームに制振手段を設けたことを特徴とする搬
    送装置。
  3. 【請求項3】 制振手段を複数個有することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の搬送装置。
  4. 【請求項4】 1個の制振手段内で、1個の比重の大き
    な個体や液体、混合物の移動による振動が搬送装置の振
    動に対して振動遅れとなり、その振動遅れが搬送装置の
    振動に対して反力として働くことを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれかに記載の搬送装置。
  5. 【請求項5】 1個の制振手段内で、複数個の比重の異
    なる個体や液体、混合物の移動による振動が、複数個の
    固有振動数を発生させ、この振動が搬送装置の振動に対
    して反力として働くことを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれかに記載の搬送装置。
  6. 【請求項6】 各制振手段の固有振動数が異なることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の搬
    送装置。
  7. 【請求項7】 制振手段が密閉されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の搬送装
    置。
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