JP2003264195A - 半導体装置の作製方法及びレジスト剥離装置 - Google Patents

半導体装置の作製方法及びレジスト剥離装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置の作製工程に於いて、シリコン系
半導体膜から成るTFTの活性層がレジスト剥離工程で
損傷される現象が問題となっている。この問題は、レジ
スト剥離液の吸湿作用により強アルカリ性を示すに至っ
たレジスト剥離液がシリコン系半導体膜を浸食する現象
である。本発明は、従来技術の問題点を解決することの
できる半導体装置の作製方法と作製装置(レジスト剥離
装置)を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の半導体装置の作製方法は、基体
の表面にシリコン系半導体膜を成膜する第1工程と、レ
ジストパターンをマスクにエッチング処理を行う第2工
程と、前処理として前記シリコン系半導体膜の露出面に
保護膜を成膜し、レジスト剥離液により前記レジストパ
ターンを剥離する第3の工程とを有することを特徴とし
ている。また、当該作製方法に保護膜成膜手段を備えた
レジスト剥離装置を適用することで上記問題を解決して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の作製方
法に関し、特にレジスト剥離液によるシリコン系半導体
膜のエッチング損傷を防止することのできる半導体装置
の作製方法に関する。また、本発明は、当該作製方法で
使用するレジスト剥離装置に関する。尚、本明細書で半
導体装置とは、薄膜トランジスタ(Thin-Film-Transist
or以下、TFTと略記)で回路構成される半導体装置全
般を指し、例えばアクティブマトリクス形の液晶表示装
置又は有機EL(Electro-luminescenceの略)表示装置
等の半導体表示装置をその範疇に含むものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラス基板等の透明絶縁性基板上
にTFTで回路構成されたアクティブマトリクス型の液
晶表示装置が量産され、特に最近ではアクティブマトリ
クス型の有機EL表示装置が次世代の半導体表示装置と
して注目されている。従来、これらの半導体表示装置の
構成素子であるTFTの活性層(島状の半導体層)に
は、非晶質シリコン膜が適用されてきたが、最近では電
界効果移動度の大きい多結晶シリコン膜が適用される様
になってきた。多結晶シリコン膜で構成された半導体表
示装置は、画素用トランジスタのみでなく周辺回路であ
る駆動回路も一体化できる利点を有する為、半導体表示
装置の開発に携わる各社で精力的に研究が進められてい
る。
【0003】この様な半導体表示装置の作製工程では、
レジストパターンをマスクにドライエッチング処理又は
不純物イオンのドーピング処理が行われ、これらの処理
が終了した後のレジストパターンの除去には、アッシン
グ工程又はレジスト剥離工程から成るレジスト除去処理
が行われている。
【0004】基板上のレジストパターンは、ドライエッ
チング等のプラズマ処理又は不純物イオンのドーピング
処理を経ることにより、レジストを構成する高分子とエ
ッチングガスとの反応又はドーピング不純物との反応、
更には高分子間の架橋反応が進み、レジストパターンの
表面に除去が困難な変質層が生成される。当該変質層は
耐アッシング性を有し、アッシング時間が長くなる傾向
にあり、アッシングガスである酸素に一定量の窒素や水
素を添加することでアッシング速度の向上が図られてい
る。また、アッシングガスである酸素にCF4等のハロ
ゲンガスを添加することでも、アッシング速度の向上す
ることが知られているが、レジストパターンと下地の基
板との選択比の点で下地基板が損傷する問題が有る為、
適用工程を限定して利用されている。
【0005】この様にアッシング速度の改善が図られて
いるが、アッシング工程のみでは所望のスループットで
確実にレジストパターンを除去することが困難であり、
有機系のレジスト剥離液によるレジスト剥離工程との併
用でレジストパターンの除去処理が行われている。当該
レジスト剥離工程は、アッシング処理後の基板を所定温
度(60〜90℃程度)のレジスト剥離液が充填された
処理槽に10分間程度の浸漬処理をすることで、レジス
ト剥離液による溶解作用を利用してレジストパターンを
溶解除去するものである。尚、当該レジスト剥離工程に
於いては、複数の基板を一括して処理するバッチ処理方
式と基板を1枚ずつ順次処理する枚葉処理方式がある。
枚葉処理方式は処理装置の面積効率又はレジスト剥離液
の消費量削減に有利な為、比較的大型の基板の場合に利
用されている方式である。
【0006】ところで、半導体表示装置の作製工程で
は、ソース領域又はドレイン領域又はチャネル領域の構
成領域である島状の半導体層を非晶質シリコン又は多結
晶シリコン等のシリコン系半導体膜で形成しており、こ
れらのシリコン系半導体膜から成る半導体層をドライエ
ッチング処理でパターン形成している。当該半導体層が
形成された以降のレジスト剥離工程に於いては、工程に
よってはエッチング処理により半導体層の露出部分が形
成され、当該露出部分で半導体層と有機系のレジスト剥
離液が直に接触する場合がある。半導体層とレジスト剥
離液が直に接触する場合に於いて、レジスト剥離液によ
っては、レジスト剥離液の吸湿作用によりレジスト剥離
液に数%程度の水分が含まれる場合があり、水分の含有
によりレジスト剥離液が強アルカリ性となり、シリコン
系半導体膜から成る半導体層をエッチング損傷したり、
極端な場合はエッチングにより半導体層が消失する現象
が大きな問題となっている。尚、本明細書でエッチング
損傷とは、本来、残膜すべきシリコン系半導体膜がレジ
スト剥離液によりエッチングされ、所望の残膜厚に比べ
残膜厚が薄くなる現象を示している。
【0007】この様な背景の下、当該問題の対策とし
て、レジスト剥離液材料及び半導体表示装置のプロセス
改善の視点で関連業界により様々な対策技術が公開され
ており、その主な対策技術の要旨を以下に記載する。
【0008】先ず、レジスト剥離液の材料に関する対策
技術としては、例えば、特開2000−241991号
公報に「アルカノールアミン類と糖類と水溶性有機溶媒
とベンゾトリアゾール又はその誘導体と水を含有して成
るホトレジスト用剥離液組成物、及び当該剥離液組成物
を使用したホトレジスト剥離方法」が開示されている。
また、特開2001−183849号公報に「ヒドロキ
シルアミン類と芳香族ヒドロキシ化合物とベンゾトリア
ゾール又はその誘導体と、25℃の水溶液に於ける酸解
離定数(pKa)が7.5〜13のアミン類、並びに水
溶性有機溶媒及び/又は水を含有して成るホトレジスト
用剥離液組成物、及び当該剥離液組成物を使用したホト
レジスト剥離方法」が開示されている。また、特開20
01−188363号公報に「含窒素有機ヒドロキシ化
合物と水溶性有機溶媒と水と特定のベンゾトリアゾール
系化合物を含有して成るホトレジスト用剥離液、及び当
該剥離液を使用したホトレジスト剥離方法」が開示され
ている。また、特開2001−209190号公報に
は、「一級、二級若しくは三級のアルキルアミン又は一
級、二級若しくは三級のアルカノールアミンと極性有機
溶剤と水と2,3,6−トリメチルフェノール又は2,
4−ジ−tert−ブチルフェノールの内の1種又はそれら
の混合物とを主成分とするフォトレジスト剥離剤組成
物、及び当該フォトレジスト剥離剤組成物の使用方法」
が開示されている。
【0009】また、半導体表示装置のプロセス改善に関
する対策技術としては、特開2001−308342号
公報に「基板上に形成された半導体膜の表面にオゾン含
有水を接触させて前記表面に表面酸化層を形成する工程
と、前記半導体膜上に所定パターンのマスクを形成する
工程と、前記マスクを用いてエッチング及び不純物イオ
ンのドーピングから選ばれる何れかの処理を行う工程
と、少なくとも露出した前記半導体膜の表面に前記表面
酸化層が形成されている状態で前記マスクを除去する工
程とを含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
法」が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図15は、半導体表示
装置の構成素子であるnチャネル型TFTの構造を示す
断面図及び平面図である。図15に於いて、ガラス基板
701上に所定膜厚のシリコン酸窒化膜から成る下地膜
702が堆積され、当該下地膜702の上にnチャネル
型TFTが形成されている。nチャネル型TFTは、所
定膜厚のシリコン系半導体膜から成る半導体層703
と、所定膜厚のシリコン酸化膜から成るゲート絶縁膜7
04と、所定膜厚の高融点金属膜(具体的には、W膜)
から成るゲート電極705とがガラス基板701側から
順に積層される様に形成されている。また、シリコン系
半導体膜から成る前記半導体層703には、ゲート電極
705の真下に位置する実質的に真性な領域であるチャ
ネル領域706と、チャネル領域706の両側に位置す
るn型の導電型を有するソース領域(n+領域)707
及びドレイン領域(n+領域)708とが配置されてい
る。また、TFTの表面は、無機膜から成る所定膜厚の
第1の層間絶縁膜709と、その上にアクリル樹脂膜等
の有機樹脂膜から成る第2の層間絶縁膜710とが積層
され、これらの積層膜を貫通し、ソース領域(n+領
域)707及びドレイン領域(n+領域)708に到達
する様にコンタクトホール711a,712aが各々形
成されている。各コンタクトホール711a,712a
を埋設する様に、導電性の金属配線711b,712b
がパターン形成されている。尚、第1の層間絶縁膜70
9は、シリコン系半導体膜から成る半導体層703上に
ゲート絶縁膜704を挟んでゲート電極705を形成し
た後に全面に成膜されるもので、水分やナトリウム(N
a)等のアルカリ金属の拡散を防止する機能が求められ
る為、所定膜厚の無機膜であるシリコン窒化膜又はシリ
コン酸窒化膜が好適である。一方、第2の層間絶縁膜7
10は、平坦性と透光性の点で有利なアクリル樹脂膜等
の有機樹脂膜が好適である(図15参照)。
【0011】図15に示される様なnチャネル型TFT
の各コンタクトホール711a,712aの形成工程に
於いては、ドライエッチング処理後の不要なレジストパ
ターンの除去工程で、レジストパターンと下地の有機樹
脂膜である第2の層間絶縁膜710との選択比を確保で
きない為、アッシング工程を適用することは不可能であ
る。従って、有機系のレジスト剥離液によるレジスト剥
離工程のみでレジスト除去することになるが、コンタク
トホール711a,712aの底部でシリコン系半導体
膜が露出している為、シリコン系半導体膜とレジスト剥
離液が直に接触し、接触部分からシリコン系半導体膜の
エッチング損傷が生じたり、極端な場合にはエッチング
によりシリコン系半導体膜の消失が発生する場合があ
る。コンタクトホール711a,712aの底部でシリ
コン系半導体膜のエッチング損傷が生じると、コンタク
トホール711a,712aの底部近傍でのソース領域
(n+領域)707及びドレイン領域(n+領域)70
8のシリコン系半導体膜の膜厚が変動する為、コンタク
ト抵抗のバラツキ要因となり、最終的にTFTの電気特
性のバラツキに影響することになる。また、コンタクト
ホール711a,712aの底部でシリコン系半導体膜
のエッチングによる消失が生じると、半導体装置の歩留
にも影響を及ぼすことになる。この様に、コンタクトホ
ール711a,712aの底部でのシリコン系半導体膜
のエッチング損傷やエッチング消失は、半導体装置の電
気特性や歩留に大きな影響を及ぼす為、プロセス上の大
きな問題となっている。
【0012】尚、シリコン系半導体膜のエッチング損傷
の対策技術として、例えば特開2000−241991
号公報、特開2001−183849号公報、特開20
01−188363号公報、特開2001−20919
0号公報等にシリコン系半導体膜のエッチング損傷防止
に有効な有機系のレジスト剥離液が開示されているが、
シリコン系半導体膜のエッチング損傷は対策できるが、
肝心のレジスト剥離性に問題がある場合が多く、現時点
ではレジスト剥離性能とシリコン系半導体膜のエッチン
グ損傷防止性能を共に満足するレジスト剥離液は存在し
ないと認識している。従って、半導体装置のプロセス改
善の視点で、シリコン系半導体膜のエッチング損傷防止
対策を図ることが求められている。
【0013】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
ることを課題とする。より特定すれば、本発明は、レジ
スト剥離液によるシリコン系半導体膜のエッチング損傷
を防止することのできる半導体装置の作製方法と、当該
作製方法で使用するレジスト剥離装置を提供することを
課題とする。
【0014】
【課題を解決する為の手段】上記の課題を解決する為、
半導体装置の作製方法に関する発明と当該作製方法で使
用するレジスト剥離装置に関する発明が考えられ、当該
発明の主な構成を以下に記載する。
【0015】〔半導体装置の作製方法に関する発明〕本
発明の構成は、基体の表面にシリコン系半導体膜を成膜
する第1の工程と、前記シリコン系半導体膜をパターン
形成して薄膜トランジスタの活性層となる半導体層を形
成する第2の工程と、前記半導体層を被覆する様にゲー
ト絶縁膜を堆積する第3の工程と、前記ゲート絶縁膜上
にゲート電極膜を堆積する第4の工程と、前記ゲート電
極膜をパターン形成してゲート電極を形成する第5の工
程と、一導電型の不純物元素をドーピングすることによ
り前記ゲート電極の外側に対応する前記半導体層にソー
ス領域及びドレイン領域を形成する第6の工程と、前記
ゲート電極を被覆する様に第1の層間絶縁膜を堆積する
第7の工程と、前記第1の層間絶縁膜上に第2の層間絶
縁膜を成膜する第8の工程と、前記第2の層間絶縁膜上
にレジストパターンを形成する第9の工程と、前記レジ
ストパターンをマスクに前記ゲート絶縁膜と前記第1の
層間絶縁膜と前記第2の層間絶縁膜とから成る積層膜を
ドライエッチング処理しコンタクトホールを形成する第
10の工程と、有機系のレジスト剥離液により前記レジ
ストパターンを剥離する第11の工程とを備えた半導体
装置の作製方法に於いて、前記第11の工程は、前処理
として前記コンタクトホールの底部に存在する前記シリ
コン系半導体膜の露出した表面に前記レジスト剥離液に
対する保護膜を成膜することを特徴としている。
【0016】本発明の他の構成は、基体の表面にシリコ
ン系半導体膜を成膜する第1の工程と、レジストパター
ンをマスクにエッチング処理を行う第2の工程と、前処
理として前記シリコン系半導体膜の露出した表面に有機
系のレジスト剥離液に対する保護膜を成膜し、前記レジ
スト剥離液により前記レジストパターンを剥離する第3
の工程とを備えたことを特徴としている。別言すると、
基体の表面にシリコン系半導体膜を成膜する第1の工程
と、レジストパターンをマスクにエッチング処理を行う
第2の工程と、有機系のレジスト剥離液により前記レジ
ストパターンを剥離する第3の工程とを備えた半導体装
置の作製方法に於いて、前記第3の工程は、前処理とし
て前記シリコン系半導体膜の露出した表面に前記レジス
ト剥離液に対する保護膜を成膜することを特徴としてい
る。
【0017】上記構成の発明に於いて、前記基体として
は半導体装置の作製面が平坦面であるガラス基板や石英
基板のみでなく、当該作製面が曲面であるガラス体や石
英体を含み、更にはフィルム状のプラスチック基板をも
その範疇に含むものである。また、前記シリコン系半導
体膜としては、シリコンを含む非晶質半導体膜又はシリ
コンを含む非晶質半導体膜を熱処理して得られるシリコ
ンを含む多結晶半導体膜又は結晶化の助長作用を有する
触媒元素を添加した後、熱処理して得られるシリコンを
含む結晶質半導体膜が代表的であるが、シリコンを含む
半導体特性を有する薄膜であれば何でも良い。尚、本明
細書に於いては、シリコンを含む非晶質半導体膜、シリ
コンを含む多結晶半導体膜、及びシリコンを含む結晶質
半導体膜なる技術用語を区別して用いている為、各技術
用語の定義について明確にする。シリコンを含む非晶質
半導体膜とは、半導体特性を有する非晶質状態のシリコ
ンを含む半導体膜のことで、非晶質シリコン膜も当然に
含まれるが、シリコンを含む非晶質半導体膜は全て含ま
れる。例えば、SixGe1-x(0<X<1)の形式で記
載されるシリコンとゲルマニウムの化合物から成る非晶
質膜も含まれる。また、シリコンを含む結晶質半導体膜
とは、シリコンを含む非晶質半導体膜に結晶化の助長作
用を有する触媒元素を添加して得られる結晶質半導体膜
のことで、通常のシリコンを含む多結晶半導体膜と比較
し、結晶粒が概略同一方向に配向しており、高い電界効
果移動度を有する等の特徴がある為、敢えてシリコンを
含む多結晶半導体膜と区別して、シリコンを含む結晶質
半導体膜と記載している。
【0018】また、上記構成の発明に於いて、前記第1
の層間絶縁膜としては、プラズマCVD法により、膜厚
50〜300nm、好ましくは膜厚100〜200nm
のシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を堆積してい
る。第1の層間絶縁膜は、堆積後の熱処理時に膜中に存
在する水素によりTFTの活性層を水素化する目的と、
上層膜からの水分やNa元素等のアルカリ金属をブロッ
キングする目的で成膜されている。また、前記第2の層
間絶縁膜としては、膜厚0.7〜3μm、好ましくは膜
厚1〜2μmの有機樹脂膜をスピン塗布法により塗布
し、しかる後に所定の温度でベークすることにより成膜
している。第2の層間絶縁膜は、層間膜が有する電気容
量の低減と基板の平坦化を目的として成膜されており、
材料的にはアクリル樹脂膜やポリイミド樹脂膜やBCB
(ベンゾシクロブテン)樹脂膜等の有機樹脂膜が挙げら
れるが、特に透明性の点でアクリル樹脂膜が当該有機樹
脂膜の好適な一例として挙げられる。
【0019】この様な構造の層間絶縁膜(即ち、第1の
層間絶縁膜と第2の層間絶縁膜)と下地膜であるシリコ
ン酸化膜から成るゲート絶縁膜との積層膜へのコンタク
トホール形成工程に於いては、ドライエッチング処理後
の不要なレジストパターンを除去する際に、アッシング
工程を適用できない。その理由は、アッシング工程の場
合、レジストパターンと下地の有機樹脂膜から成る第2
の層間絶縁膜との間で、選択比を確保できない為であ
る。この為、有機系のレジスト剥離液によるレジスト剥
離工程のみで、当該レジストパターンの除去処理を行う
ことになる。
【0020】また、上記構成の発明に於いて、前記レジ
スト剥離液としては有機系のレジスト剥離液が一般的に
使用されており、有機系のレジスト剥離液であれば材料
的な制限は特に無いが、本発明の目的が保護膜の成膜に
よるシリコン系半導体膜のエッチング損傷の防止である
ことから、レジスト剥離液への水分混入により強アルカ
リ性を示し、シリコン系半導体膜に対しエッチング作用
を有するに至る様なレジスト剥離液の場合に、本発明は
有効である。この点で、前記レジスト剥離液としては、
レジスト剥離液への水分混入により強アルカリ性を示
し、シリコン系半導体膜に対しエッチング作用を有する
に至る様なレジスト剥離液が主な対象である。また、前
記レジスト剥離液によるレジスト剥離工程は、所定温度
(60〜90℃程度)に保持されたレジスト剥離液によ
るレジスト剥離液処理工程とレジスト剥離液を置換洗浄
する為のイソプロピルアルコール(以下、IPAと略
記)によるIPA処理工程と水洗工程とから成ってい
る。尚、IPA処理工程は省略しても弊害が無い場合に
限り省略することも可能であるが、基体の表面近傍での
水洗時のレジスト剥離液と純水との混合液の生成を防止
する作用があり、基体の表面に露出しているシリコン系
半導体膜や金属配線へのエッチング損傷防止に有利に作
用する為、一般的にはIPA処理工程を導入した方が好
ましい。
【0021】また、上記構成の発明に於いて、前記シリ
コン系半導体膜の露出部分を保護する前記保護膜として
は、レジスト剥離液の吸湿作用により強アルカリ性を示
すに至ったレジスト剥離液に対する耐浸食性が必要で、
膜厚0.5〜5nm程度のシリコン酸化膜が成膜方法の
簡便性の点で好適であるが、シリコン酸化膜に限らず、
膜厚0.5〜5nm程度のシリコン酸窒化膜やシリコン
窒化膜も適用可能である。当該シリコン酸化膜は、オゾ
ン含有水や過酸化水素水による洗浄処理で簡便に成膜で
きるし、また酸素を含む雰囲気中で紫外線を照射し、オ
ゾンを発生させることによっても簡便に成膜できる。ま
た、当該シリコン酸窒化膜は、露出したシリコン系半導
体膜の表面を直接に酸窒化処理する為、成膜方法に困難
が伴うが、基本的には窒素原子と酸素原子を含む反応性
ガスの雰囲気中、例えば窒素酸化物の雰囲気中でのプラ
ズマ処理により酸窒化処理を適用することができる。ま
た、当該シリコン窒化膜についても、窒素原子を含み酸
素原子を含まない反応性ガスの雰囲気中、例えばアンモ
ニアガス雰囲気中でのプラズマ処理により、同様に窒化
処理することが可能である。
【0022】以上の様に構成された発明によれば、エッ
チング後のレジスト剥離工程に於いて、レジスト剥離液
による剥離処理の前に、膜厚0.5〜5nm程度のシリ
コン酸化膜又はシリコン酸窒化膜又はシリコン窒化膜か
ら成る保護膜をシリコン系半導体膜の露出部分であるコ
ンタクトホールの底部に成膜することが可能である。こ
れらの保護膜は、コンタクトホール底部のシリコン系半
導体膜の表面を酸化又は酸窒化又は窒化処理することに
より成膜する為、シリコン系半導体膜の露出部分に選択
的に成膜されることになる。また、これらの保護膜は、
シリコン系半導体膜に比較し、強アルカリに対する耐浸
食性が圧倒的に大きいことが判っている。従って、本発
明は、有機系のレジスト剥離液によるコンタクトホール
底部のシリコン系半導体膜のエッチング損傷やエッチン
グによる消失を確実に防止することが可能で、半導体装
置の電気特性の安定化や歩留の向上に有効である。
【0023】〔レジスト剥離装置に関する発明〕本発明
の構成は、基体の表面にレジスト剥離液に対する保護膜
を成膜する為の成膜手段と前記基体の表面に形成されて
いるレジストパターンをレジスト剥離液により除去する
為のレジスト剥離液処理手段とを備えたことを特徴とし
ている。この場合に於いて、前記基体の表面に付着して
いる前記レジスト剥離液を洗浄する為の(IPA処理手
段及び)水洗手段と前記基体を乾燥する為の乾燥手段と
を備えたことを特徴としている。尚、IPA処理手段を
( )内に記載したのは、場合によっては当該処理手
段を省略した構成も適用可能な為である。
【0024】上記発明の構成に於いて、前記レジスト剥
離液処理手段と(前記IPA処理手段と)前記水洗手段
は、複数の基板を纏めて処理する為のバッチ処理方式の
処理槽で構成しても良いし、基板を1枚ずつ順次処理す
る為の枚葉処理方式の連続処理槽又はスピン処理部で構
成しても良い。また、前記乾燥手段は、バッチ処理方式
の乾燥手段であるスピン乾燥部又はIPA蒸気乾燥部で
構成しても良いし、枚葉処理方式の乾燥手段であるスピ
ン乾燥部又はエアーナイフ乾燥部で構成しても良い。
尚、レジスト剥離装置の各処理手段はバッチ処理方式か
又は枚葉処理方式で構成することになるが、基板処理の
都合上、バッチ処理方式と枚葉処理方式の処理手段毎の
混載は避けた方が好ましい。即ち、レジスト剥離装置の
各処理手段はバッチ処理方式で統一するか、枚葉処理方
式で統一することが装置構成上好ましい。
【0025】また、上記発明の構成に於いて、前記成膜
手段としてはシリコン酸化膜成膜部とシリコン酸窒化膜
成膜部とシリコン窒化膜成膜部が挙げられる。シリコン
酸化膜成膜部としては、オゾン含有水で基板を処理する
為のオゾン含有水処理部、又は過酸化水素水で基板を処
理する為の過酸化水素水処理部、又は酸素を含む雰囲気
中で基板に紫外線照射処理する為の紫外線照射処理部が
代表的であるが、他の構成であっても構わない。何れの
構成の処理部でも、露出したシリコン系半導体膜の表面
に膜厚0.5〜5nm程度のシリコン酸化膜を簡便な方
法で成膜することが可能である。尚、シリコン酸化膜成
膜部の具体的処理部であるオゾン含有水処理部と過酸化
水素水処理と紫外線照射処理部は、バッチ処理方式と枚
葉処理方式のどちらを適用しても良い。一方、他の成膜
手段であるシリコン酸窒化膜成膜部は、窒素原子と酸素
原子を含む反応性ガスの雰囲気中、例えば窒素酸化物の
雰囲気中で基板をプラズマ処理するプラズマ処理部で構
成されており、またシリコン窒化膜成膜部は、窒素原子
を含み酸素原子を含まない反応性ガスの雰囲気中、例え
ばアンモニアガスの雰囲気中で基板をプラズマ処理する
プラズマ処理部で構成されている。これらのプラズマ処
理部でプラズマ処理することにより、露出したシリコン
系半導体膜の表面を酸窒化処理したり窒化処理すること
ができ、膜厚0.5〜5nm程度のシリコン酸窒化膜や
シリコン窒化膜を成膜することが可能である。
【0026】尚、シリコン酸窒化膜成膜部やシリコン窒
化膜成膜部のプラズマ処理部の装置構成はバッチ処理方
式と枚葉処理方式とが考えられ、どちらの処理方式を採
用しても構わないが、他の処理手段の処理方式との統一
を図る必要がある。
【0027】以上の様に構成された発明によれば、レジ
スト剥離前の保護膜成膜工程とレジスト剥離工程とを連
続処理で行うことが可能となり、レジスト剥離工程に於
けるレジスト剥離液によるシリコン系半導体膜のエッチ
ング損傷を確実に防止できる。また、連続処理が可能な
当該レジスト剥離装置は、レジスト剥離工程の処理能力
の点でも有効である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図1
〜17に基づき具体的に説明する。
【0029】〔実施形態1〕本実施形態では、図1〜4
に基づき、TFTの作製工程であるコンタクトホールの
形成工程に本発明のレジスト剥離工程を適用した場合に
ついて記載する。尚、図1〜2はTFTの作製工程を示
す工程断面図で、図3は多結晶シリコン膜の成膜工程を
示す工程断面図、図4は触媒元素を利用して得られる結
晶質シリコン膜の成膜工程を示す工程断面図である。
【0030】先ず、ガラス基板101に、膜厚20〜2
00nm、好ましくは膜厚30〜70nmのシリコン系
半導体膜102をプラズマCVD法又は減圧CVD法に
より成膜する。本実施形態では、膜厚50nmのシリコ
ン系半導体膜102をプラズマCVD法により成膜して
いる。当該シリコン系半導体膜102の表面には、シリ
コン系半導体膜102の成膜時に図示しない膜厚5nm
以下の自然酸化膜が成膜されている(図1−A参照)。
【0031】此処で、シリコン系半導体膜102の範疇
には、既に記載した様に、シリコンを含む非晶質半導体
膜とシリコンを含む非晶質半導体膜を熱処理して得られ
るシリコンを含む多結晶半導体膜と結晶化の助長作用を
有する触媒元素を添加した後、熱処理して得られるシリ
コンを含む結晶質半導体膜とが含まれる為、各シリコン
系半導体膜102の成膜方法について図3〜4に基づき
詳細に記載する。尚、本実施形態では、シリコンを含む
非晶質半導体膜の例として非晶質シリコン膜、シリコン
を含む多結晶半導体膜の例として多結晶シリコン膜、シ
リコンを含む結晶質半導体膜の例として結晶質シリコン
膜を記載する。
【0032】多結晶シリコン膜102fは、図3に示す
様に、ガラス基板102a上に所定膜厚(例えば53n
m)の非晶質シリコン膜102bをプラズマCVD法又
は減圧CVD法で堆積し、堆積の際に表面に付着してい
る自然酸化膜102cを希フッ酸洗浄により除去し、し
かる後にファーネス炉での熱結晶化処理(多結晶シリコ
ン膜102d)とレーザー結晶化処理を経て多結晶シリ
コン膜102fを成膜する。一方、触媒元素を利用して
得られる結晶質シリコン膜102mは、図4に示す様
に、ガラス基板102g上に所定膜厚(例えば53n
m)の非晶質シリコン膜102hをプラズマCVD法又
は減圧CVD法で堆積し、堆積の際に表面に付着してい
る自然酸化膜102iを希フッ酸洗浄により除去し、オ
ゾン含有水処理により清浄な膜厚0.5〜5nm程度の
シリコン酸化膜102jを非晶質シリコン膜102h上
に成膜する。その後、非晶質シリコン膜102h(厳密
にはシリコン酸化膜102j)の全面にスピン添加法に
より結晶化の助長作用を有する触媒元素を含む溶液(以
下、触媒元素溶液と略記)を添加し、シリコン酸化膜1
02jの表面に触媒元素の含有層102kを均一に付着
させ、しかる後にファーネス炉での熱結晶化処理(結晶
質シリコン膜102l)とレーザー結晶化処理を経て結
晶質シリコン膜102mを成膜する。此処で、結晶質シ
リコン膜102mは、通常の多結晶シリコン膜102f
と比較し、結晶粒が概略同一方向に配向しており、高い
電界効果移動度を有する等の特徴がある為、本明細書で
は敢えて多結晶半導体膜102fと区別して記載してい
る。また、多結晶シリコン膜102fと結晶質シリコン
膜102mの出発材料である非晶質シリコン膜102
b,102hは、微細な結晶化領域が全く存在しない非
晶質状態のシリコン膜のことである(図3〜4参照)。
【0033】上記の様なシリコン系半導体膜102の表
面には成膜時に自然酸化膜(図示せず)が成膜されてお
り、自然酸化膜(図示せず)を希フッ酸処理により除去
する。その後、オゾン含有水で処理することにより、シ
リコン系半導体膜102の表面に膜厚0.5〜5nm程
度のシリコン酸化膜103を成膜する。当該シリコン酸
化膜103は、次に形成するレジストパターンの密着性
改善の為、及びシリコン系半導体膜102の疎水性の改
善と汚染防止の為、及びシリコン系半導体膜102の表
面の清浄度を保持することにより界面準位の低減を図る
為等の理由で成膜されるが、有機系のレジスト剥離液か
らのエッチング損傷の防止機能についても勿論有してい
る。尚、本実施形態では、膜厚0.5〜5nm程度のシ
リコン酸化膜103をオゾン含有水による処理で成膜し
ているが、過酸化水素水で処理しても良いし、酸素を含
む雰囲気中で紫外線を照射することによりオゾンを発生
させ、オゾンによる酸化作用でシリコン系半導体膜10
2の表面を酸化しても良い。その後、通常のフォトリソ
グラフィ処理により、所定寸法のレジストパターン10
4を形成する(図1−B参照)。
【0034】次に、当該レジストパターン104をマス
クにシリコン系半導体膜102とその表層膜であるシリ
コン酸化膜103をドライエッチング処理し、膜厚50
nmのシリコン系半導体膜102から成る島状の半導体
層105を形成する。この半導体層105はTFTの活
性層となる島状の領域で、後にTFTのソース領域とド
レイン領域が形成される領域である。当該半導体層10
5の形成の際、RIE型のドライエッチング装置を使用
し、エッチングガスであるCF4とO2のガス流量比が5
0:45のエッチング条件でドライエッチング処理を行
っている為、ドライエッチング処理時にレジストパター
ンの後退現象が生じ、被エッチング膜である半導体層1
05はテーパーエッチングされ、半導体層105の側壁
部には順テーパー形状が形成されている。そして、順テ
ーパー形状の半導体層105の側壁部は、エッチングガ
スに酸素が含まれている為、ドライエッチング時の側壁
保護ポリマーの付着は殆ど無く、シリコン系半導体膜の
表面が露出した状態(又は若干のシリコン酸化膜の成膜
もあり得る)になっている。尚、半導体層105をテー
パーエッチングする理由は、後工程で成膜されるゲート
絶縁膜やゲート電極膜の段差部での被覆性を改善する為
である(図1−C参照)。
【0035】次に、ドライエッチング後のレジストパタ
ーン(図示せず)を除去する為、酸素プラズマ処理であ
るアッシング処理を行う。アッシング処理は、レジスト
パターンの半分程度をアッシングするハーフアッシング
方式を採用している。この為、アッシング処理後のレジ
ストパターン(図示せず)は、半分程度に膜減りが進
み、レジストパターン形状が変形している。このアッシ
ング処理の際、順テーパー形状をしている半導体層10
5の側壁部には、シリコン系半導体膜が露出している
為、膜厚0.5〜5nm程度のシリコン酸化膜106が
成膜される。当該シリコン酸化膜106は、次工程のレ
ジスト剥離液処理時のレジスト剥離液からのエッチング
損傷を防止する機能を有している(図1−C参照)。
【0036】次に、残ったレジストパターン(図示せ
ず)を完全に除去する為、有機系のレジスト剥離液によ
るレジスト剥離工程を行う。当該レジスト剥離工程は、
レジスト剥離液処理とIPA洗浄処理と水洗処理と乾燥
処理とから成っている。レジスト剥離液処理は、60〜
90℃程度の温度に保持したレジスト剥離液で所定時間
(10分程度)処理して、レジストパターンを完全に除
去する処理である。レジスト剥離液処理の後、IPA洗
浄処理を行うことにより、基板表面に付着しているレジ
スト剥離液をIPAで置換する。当該IPA洗浄処理
は、省略しても弊害が無い場合に限り省略することも可
能であるが、基板表面近傍での水洗時のレジスト剥離液
と純水との混合液の生成を防止する作用があり、基板上
に露出しているシリコン系半導体膜や金属配線へのエッ
チング損傷防止に有利に作用する為、一般的にはIPA
洗浄処理を導入した方が好ましい。IPA洗浄処理の
後、所定時間の水洗処理を行うことにより、基板上に付
着しているIPAやレジスト剥離液を徹底的に洗浄し、
最後に基板を乾燥する。尚、当該レジスト剥離工程に於
いては、シリコン系半導体膜の露出が無い為、基本的に
本発明の発明特定事項であるシリコン系半導体膜の露出
面へのレジスト剥離液に対する保護膜の成膜処理は不要
である(図1−C参照)。
【0037】次に、当該基板を希フッ酸で所定時間洗浄
することにより、シリコン系半導体膜から成る半導体層
105の表面と側壁部に成膜されている膜厚0.5〜5
nm程度のシリコン酸化膜103,106を除去する。
その後、半導体層105を被覆する様に、膜厚30〜2
00nm、好ましくは膜厚80〜130nmのシリコン
酸化膜又はシリコン酸窒化膜から成るゲート絶縁膜10
7をプラズマCVD法又は減圧CVD法により堆積す
る。本実施形態では、膜厚100nmのシリコン酸化膜
から成るゲート絶縁膜107をプラズマCVD法で堆積
している。尚、ゲート絶縁膜107の膜厚は、後工程で
成膜する上層のゲート電極膜からの応力を回避する為、
80nm以上の膜厚が必要であることが知られており、
この点を考慮して設定した(図1−D参照)。
【0038】次に、ゲート電極用の電極材料を堆積する
為、スパッタ法により膜厚200〜600nm、好まし
くは膜厚300〜500nmのアルミニウム系合金膜、
又は高融点金属と高融点金属化合物との積層膜を堆積す
る。アルミニウム系合金膜としては、主成分のアルミニ
ウム(Al)に1〜3%程度の銅(Cu)やスカンジウ
ム(Sc)やネオジム(Nd)等を含んだ合金が挙げら
れ、高融点金属と高融点金属化合物との積層膜として
は、例えばW膜/TaN膜が挙げられる。本実施形態で
は、銅含有率が0.5%のアルミニウム系合金膜を40
nmの膜厚で堆積している。此処で堆積しているアルミ
ニウム系合金膜は、アルミニウムの比抵抗値が0〜10
0℃の温度範囲で2.5〜3.55μΩcmであること
から、電気抵抗が低いという特徴を有している。この
為、TFTで回路構成される半導体表示装置に於いて、
ゲート配線の信号遅延の抑制に有効である(図1−E参
照)。
【0039】次に、通常のフォトリソグラフィ処理によ
り所定寸法のレジストパターン(図示せず)を形成し、
しかる後にレジストパターン(図示せず)をマスクに膜
厚40nmのアルミニウム系合金膜から成るゲート電極
膜をドライエッチング処理して所定寸法のゲート電極1
08を形成する。当該ドライエッチング処理に於いて
は、RIE型のドライエッチング装置が適用され、ドラ
イエッチング処理時には、シリコン酸化膜から成るゲー
ト絶縁膜107は選択比との関係である程度の膜減りが
進み、ゲート絶縁膜109の形状に変形している。その
後、不要なレジストパターン(図示せず)を除去する
為、アッシング工程とレジスト剥離工程を行う。アッシ
ング工程とレジスト剥離工程は、既に記載した半導体層
105の形成工程と基本的に同様である(図1−E参
照)。
【0040】次に、ドーピング装置を使用して、ゲート
電極108をマスクにP(即ち、リン)元素から成る高
ドーズ量のn型不純物をドーピング処理する。当該ドー
ピング処理により、ゲート電極108の外側の領域に対
応する半導体層105に、ソース領域及びドレイン領域
として機能するn型不純物の高濃度不純物領域(n+領
域)110,111を形成する。この際、n型不純物の
高濃度不純物領域(n+領域)110,111の形成で
は、所謂スルードープ法により上層膜であるゲート絶縁
膜109を介してドーピングしている。尚、ドーピング
条件としては、イオン源にホスフィン(PH3)希釈率
3〜20%濃度のホスフィン(PH3)/水素(H2)を
使用し、加速電圧30〜90kVでドーズ量6×1014
〜1.5×1016atoms/cm2が考えられるが、本実施形
態ではホスフィン(PH3)希釈率5%濃度のホスフィ
ン(PH3)/水素(H2),加速電圧65kV,ドーズ
量3×1015atoms/cm2のドーピング条件でドーピング
している(図1−E参照)。
【0041】次に、膜厚50〜300nm、好ましくは
膜厚100〜200nmのシリコン窒化膜又はシリコン
酸窒化膜から成る第1の層間絶縁膜113を堆積する。
本実施形態では、膜厚150nmのシリコン窒化膜から
成る第1の層間絶縁膜113をプラズマCVD法により
堆積している。その後、半導体層105にドーピングさ
れたn型不純物(P元素)の熱活性化の為、ファーネス
炉に於いて、600℃−12時間の熱活性化処理を行
う。尚、当該熱活性化処理は第1の層間絶縁膜113の
堆積前に行っても良いが、ゲート電極に低電気抵抗を有
するアルミニウム系合金膜を使用しており、ゲート電極
材料の耐熱性が弱い為、第1の層間絶縁膜113の堆積
後に行う方が好ましい。当該熱活性化処理に続いて、半
導体層113のダングリングボンドを終端させる為、4
10℃−1時間の水素化処理を水素3%含有の窒素雰囲
気中で行う(図1−F参照)。
【0042】次に、第1の層間絶縁膜113の上に、膜
厚0.7〜3μm、好ましくは膜厚1〜2μmの透明有機
樹脂膜から成る第2の層間絶縁膜114を成膜する。本
実施形態では、膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜から成
る第2の層間絶縁膜114を成膜している。当該アクリ
ル樹脂膜は、スピン塗布法でアクリル樹脂膜を塗布し、
プリベークを行った後、オーブンベーク炉で熱処理する
ことにより成膜される。その後、通常のフォトリソグラ
フィ処理により、コンタクトホール形成用のレジストパ
ターン115aを形成する(図2−A参照)。
【0043】次に、レジストパターン115aをマスク
にドライエッチング処理を行い、アクリル樹脂膜から成
る第2の層間絶縁膜114とシリコン酸窒化膜から成る
第1の層間絶縁膜113、更に下側のシリコン酸化膜か
ら成るゲート絶縁膜109を貫通する様に、所定寸法の
コンタクトホール116を形成する。当該ドライエッチ
ング処理は、RIE型のドライエッチング装置を使用
し、CF4を添加した酸素プラズマ処理により第2の層
間絶縁膜114であるアクリル樹脂膜をエッチングし、
続いてCHF3プラズマ処理により第1の層間絶縁膜1
13であるシリコン酸窒化膜とゲート絶縁膜109であ
るシリコン酸化膜をエッチングしている。尚、ドライエ
ッチング処理後は、コンタクトホール116の底部に於
いて、半導体層105であるシリコン系半導体膜の表面
が露出した状態になっている。また、ドライエッチング
処理のマスクとなったレジストパターン115aは、膜
減りが大幅に進んだレジストパターン115bの形状に
変形している(図2−B参照)。
【0044】次に、ドライエッチング後のレジストパタ
ーン115bを除去する為、有機系のレジスト剥離液に
よるレジスト剥離工程を行う。レジストパターンの除去
工程は、通常アッシング工程とレジスト剥離工程とから
成っているが、当該除去工程でアッシング工程を適用す
ると、第2の層間絶縁膜114であるアクリル樹脂膜も
同時にアッシング除去される為、当該除去工程ではレジ
スト剥離工程のみでレジストパターン115bの除去処
理を行っている。従って、コンタクトホール116の底
部に露出しているシリコン系半導体膜の表面に、アッシ
ング処理によるシリコン酸化膜が成膜されることもな
い。この為、レジスト剥離液処理時に、コンタクトホー
ル116の底部に露出しているシリコン系半導体膜とレ
ジスト剥離液が直に接触することになり、レジスト剥離
液処理の前処理として本発明の発明特定事項であるレジ
スト剥離液に対する保護膜を成膜する必要がある。当該
保護膜としては、レジスト剥離液の吸湿作用により強ア
ルカリ性を示すに至ったレジスト剥離液に対する耐浸食
性が必要で、例えば膜厚0.5〜5nm程度のシリコン
酸化膜が代表例として挙げられ、本実施形態では、オゾ
ン含有水による処理で膜厚0.5〜5nm程度のシリコ
ン酸化膜117の成膜処理を行っている。また、膜厚
0.5〜5nm程度のシリコン酸化膜117の成膜処理
は、過酸化水素水による処理で成膜しても良いし、酸素
を含む雰囲気中で紫外線を照射し、オゾンを発生させる
ことにより成膜しても構わない(図2−C参照)。
【0045】尚、膜厚0.5〜5nm程度のシリコン酸
化膜117以外の保護膜としては、膜厚0.5〜5nm
程度のシリコン酸窒化膜やシリコン窒化膜も候補として
挙げられる。シリコン酸窒化膜やシリコン窒化膜の成膜
は、露出したシリコン系半導体膜の表面を直接に酸窒化
処理したり窒化処理したりする為、成膜方法に困難が伴
うが、基本的には反応性ガスの雰囲気中でのプラズマ処
理により酸窒化処理や窒化処理を行うことが可能であ
る。シリコン酸窒化膜の場合は、窒素原子と酸素原子を
含む反応性ガスの雰囲気中、例えば窒素酸化物の雰囲気
中でのプラズマ処理により酸窒化処理を行うことができ
る。シリコン窒化膜の場合は、窒素原子を含み酸素原子
を含まない反応性ガスの雰囲気中、例えばアンモニアガ
スの雰囲気中でのプラズマ処理により窒化処理を行うこ
とができる。この際、プラズマ処理の温度は、成膜速度
の点では高い方が好ましいが、高すぎるとレジストパタ
ーンが変質しレジスト剥離液処理で剥離困難となること
が予想される為、100〜200℃の温度範囲でプラズ
マ処理する必要がある。
【0046】上記の様な方法で膜厚0.5〜5nm程度
のシリコン酸化膜117から成る保護膜を成膜した後、
レジスト剥離液処理を行い、ドライエッチング後のレジ
ストパターン115bを除去する。当該レジスト剥離液
処理は、60〜90℃程度の温度に保持したレジスト剥
離液で所定時間(10分程度)処理し、レジストパター
ン115bを完全に除去する処理である。此処で使用す
るレジスト剥離液としては、例えば特開2000−24
1991号公報、特開2001−183849号公報、
特開2001−188363号公報、特開2001−2
09190号公報等に開示されている様なシリコン系半
導体膜に対するエッチング損傷の少ないレジスト剥離液
の方が好ましい。但し、シリコン系半導体膜に対するエ
ッチング損傷の少ないレジスト剥離液は、肝心のレジス
ト剥離性能に問題がある場合が多く、レジスト剥離性能
とシリコン系半導体膜に対するエッチング損傷防止性能
とを共に満足する様なレジスト剥離液が好適である。レ
ジスト剥離液処理の後、IPA洗浄処理を行うことによ
り、基板表面に付着しているレジスト剥離液をIPAで
置換する。当該IPA洗浄処理は、省略しても弊害が無
い場合に限り省略することも可能であるが、基板表面近
傍での水洗時のレジスト剥離液と純水との混合液の生成
を防止する作用があり、基板上に露出しているシリコン
系半導体膜や金属配線へのエッチング損傷防止に有利に
作用する為、一般的にはIPA洗浄処理を導入した方が
好ましい。IPA洗浄処理の後、所定時間の水洗処理を
行うことにより、基板上に付着しているIPAやレジス
ト剥離液を徹底的に洗浄し、最後に基板を乾燥する(図
2−D参照)。
【0047】以上の様に、シリコン系半導体膜から成る
半導体層を有するTFTの作製工程でのコンタクトホー
ル形成工程に於いて、本発明のレジスト剥離工程を適用
することが可能である。本発明は、レジスト剥離液処理
の前処理として、シリコン系半導体膜の露出した表面に
レジスト剥離液に対する保護膜を成膜するというもので
あり、本発明の適用によりシリコン系半導体膜のレジス
ト剥離液によるエッチング損傷を確実に防止することが
可能である。従って、本発明の適用は、TFTの電気特
性の安定化及び半導体装置の歩留向上に有効である。
【0048】〔実施形態2〕本実施形態では、実施形態
1のレジスト剥離工程で使用するレジスト剥離装置につ
いて図5〜7に基づき記載する。尚、図5はレジスト剥
離装置の全体概略を示す平面図で、図6〜7は本発明の
特徴部分を成す保護膜成膜ユニットの具体的構成を示す
側面断面図である。
【0049】図5は実施形態1で記載した本発明のレジ
スト剥離工程を連続処理することのできるレジスト剥離
装置の全体概略を示す平面図で、被処理基板を1枚ずつ
連続的に処理することのできる枚葉処理方式のレジスト
剥離装置201を示している。当該レジスト剥離装置2
01は、複数の被処理基板202を収納可能(通常:2
0枚程度収納)なローダー側キャリア203と、被処理
基板202を処理する為の複数の処理ユニット204〜
208と、処理済基板209を収納可能なアンローダー
側キャリア210と、被処理基板202を搬送する為の
基板搬送ユニット(図示せず)とから成っており、ロー
ダー側キャリア203に収納された被処理基板202が
基板搬送ユニット(図示せず)により図中の矢印(→)
で示した方向に1枚ずつ順次搬送され、各処理ユニット
204〜208で処理される構成になっている。当該レ
ジスト剥離装置201の各処理ユニット204〜208
は、被処理基板202上のシリコン系半導体膜の露出し
た表面にレジスト剥離液に対する保護膜を成膜する為の
保護膜成膜ユニット204と、被処理基板202上のレ
ジストパターンを除去する為のレジスト剥離液処理ユニ
ット205と、被処理基板202上に付着しているレジ
スト剥離液をIPAで置換洗浄する為のIPA処理ユニ
ット206と、被処理基板202を水洗する為の水洗ユ
ニット207と、水洗後の被処理基板202を乾燥する
為の乾燥ユニット208とで構成されている(図5参
照)。
【0050】この様な構成のレジスト剥離装置につい
て、各処理ユニットの具体的構成を処理の流れに沿って
説明する。最初の処理ユニットである保護膜成膜ユニッ
ト204は、被処理基板202の表面に露出しているシ
リコン系半導体膜とレジスト剥離液が直に接触するのを
防止する為、シリコン系半導体膜の表面にレジスト剥離
液に対する保護膜を成膜する為の処理ユニットである。
当該保護膜としては、レジスト剥離液の吸湿作用により
強アルカリ性を示すに至ったレジスト剥離液に対する耐
浸食性が必要で、例えば膜厚0.5〜5nm程度のシリ
コン酸化膜が代表例として挙げられる。この為、保護膜
成膜ユニット204の装置構成は、図6に示す様にオゾ
ン含有水や過酸化水素水等の酸化作用を及ぼす薬液を被
処理基板202(307)上にスピン添加するスピン添
加方式301の装置構成を適用することができる。ま
た、他の装置構成として、図7に示す様に酸素を含む雰
囲気中で紫外線を照射することによりオゾンを発生さ
せ、オゾンの酸化作用により被処理基板202(40
7)上のシリコン系半導体膜の表面を酸化する紫外線照
射によるオゾン酸化方式401の装置構成としても良い
(図6〜7参照)。
【0051】スピン添加方式301の装置構成は、図6
に示す様に、具体的には処理カップ302と処理カップ
302内に配設された回転駆動軸303で軸支されたス
ピンチャック304とオゾン含有水や過酸化水素水等の
酸化作用を及ぼす薬液を供給する為の薬液供給ノズル3
05と前記薬液を処理カップ302の下側に排液する為
の排液管306とから成っており、薬液供給ノズル30
5からオゾン含有水や過酸化水素水等の酸化作用を及ぼ
す薬液がスピンチャック304上に載置された被処理基
板202(307)に供給され、当該薬液は被処理基板
202(307)上に液盛り状態で保持され、所定時間
経過後に被処理基板202(307)がスピン乾燥され
る構成となっている。また、紫外線照射によるオゾン酸
化方式401の装置構成は、図7に示す様に、具体的に
は処理チャンバ402と処理チャンバ402内に配設さ
れた基板載置ステージ403と基板載置ステージ403
の上方に位置する紫外線照射灯404と処理チャンバ4
02に酸素を含むガスを供給する為のガス供給管405
と紫外線照射灯404に電力を供給する為の電力供給ラ
イン406とから成っており、基板載置ステージ403
上に載置された被処理基板202(407)の上方に位
置する紫外線照射灯404から紫外線が照射され、同時
にガス供給管405から酸素を含むガスが処理チャンバ
402内に供給され、紫外線照射により発生したオゾン
が処理チャンバ402内に充満することにより、被処理
基板202(407)の表面のシリコン系半導体膜が表
面酸化される構成となっている(図6〜7参照)。
【0052】尚、膜厚0.5〜5nm程度のシリコン酸
化膜以外の保護膜としては、膜厚0.5〜5nm程度の
シリコン酸窒化膜やシリコン窒化膜も候補として挙げら
れる。シリコン酸窒化膜やシリコン窒化膜の成膜は、露
出したシリコン系半導体膜の表面を直接に酸窒化処理し
たり窒化処理する為、反応性ガスの雰囲気中でのプラズ
マ処理により酸窒化処理や窒化処理する保護膜成膜ユニ
ット204がある。保護膜成膜ユニット204では、窒
素原子と酸素原子を含む反応性ガスの雰囲気中、例えば
窒素酸化物の雰囲気中でのプラズマ処理によりシリコン
系半導体膜の表面を酸窒化処理し、シリコン酸窒化膜を
成膜することが可能となる。また、保護膜成膜ユニット
204では、窒素原子を含み酸素原子を含まない反応性
ガスの雰囲気中、例えばアンモニアガスの雰囲気中での
プラズマ処理によりシリコン系半導体膜の表面を窒化処
理し、シリコン窒化膜を成膜することが可能である。
【0053】次の処理ユニットであるレジスト剥離液処
理ユニット205は、被処理基板202上のエッチング
や不純物ドーピングのマスクとなった不要なレジストパ
ターンを除去する為の処理ユニットで、適用するレジス
ト剥離液としては有機系のレジスト剥離液が一般的であ
る。また、次の処理ユニットであるIPA処理ユニット
206は、被処理基板202上に付着しているレジスト
剥離液をIPAで置換洗浄する為の処理ユニットであ
る。また、次の処理ユニットである水洗ユニット207
は、被処理基板202上に付着しているレジスト剥離液
やIPAを水洗により徹底的に洗浄する為の処理ユニッ
トである。これらの処理ユニット205〜207は、当
該レジスト剥離装置201に於いては、枚葉処理方式の
処理ユニットで構成されており、具体的な装置構成とし
て連続処理槽の装置構成とスピン処理部の装置構成とが
ある(図5参照)。
【0054】特に図示しないが、レジスト剥離液処理ユ
ニット205とIPA処理ユニット206に於ける連続
処理槽の装置構成は、具体的には連続処理槽内に充填さ
れたレジスト剥離液やIPAに被処理基板202が移動
しながら浸漬され所定時間の連続処理が行われる構成と
なっている。そして、レジスト剥離液処理ユニット20
5に於いては、連続処理槽に昇温機構が付設されてお
り、連続処理槽内に充填されたレジスト剥離液は60〜
90℃程度の所定温度に保持された状態で、被処理基板
202が処理される構成となっている。また、水洗ユニ
ット207に於ける連続処理槽の装置構成は、連続処理
槽が複数の独立した処理槽に区分され、各処理槽に於い
て、被処理基板202が1枚ずつ独立にQDR(Quick-
Dump-Rinseの略)方式で水洗処理される構成となってい
る。尚、上記に記載した連続処理槽の装置構成は単なる
一例であり、他の具体的構成も考えられることは言うま
でもない(図5参照)。
【0055】また、レジスト剥離液処理ユニット205
とIPA処理ユニット206と水洗ユニット207とに
於ける枚葉処理方式のスピン処理部の装置構成は、保護
膜成膜ユニット204に於ける図6の装置構成と基本的
に同じである。レジスト剥離液処理ユニット205に於
いては、60〜90℃程度の所定温度に保持されたレジ
スト剥離液が、上方に位置する薬液供給ノズルからスピ
ンチャック上に載置された被処理基板202上に供給さ
れ、液盛り状態で所定時間保持され、所定時間後に被処
理基板202のスピン回転によりレジスト剥離液が被処
理基板202の周囲に飛散除去される構成となってい
る。IPA処理ユニット206に於いては、上方に位置
する薬液供給ノズルからスピン回転状態の被処理基板2
02上にIPAが供給され、被処理基板202上に付着
しているレジスト剥離液がIPAで置換洗浄され、所定
時間後に被処理基板202のIPAがスピン乾燥される
構成となっている。水洗ユニット207に於いては、上
方に位置する純水供給ノズルからスピン回転状態の被処
理基板202上に純水が供給され、被処理基板202上
に付着しているレジスト剥離液やIPAが純水で流水洗
浄され、その後被処理基板202がスピン乾燥される構
成となっている。尚、水洗ユニット207をスピン処理
部で構成する場合は、水洗処理の後に被処理基板202
はスピン乾燥される為、後述の乾燥ユニット208は省
略可能である(図5参照)。
【0056】次の処理ユニットである乾燥ユニット20
8は被処理基板202上に付着している少量の水分を乾
燥させる為の処理ユニットで、枚葉処理方式のエアーナ
イフ乾燥部又はスピン乾燥部で構成されている。スピン
乾燥部については、上記のスピン処理部から成る水洗ユ
ニット207と装置構成が同じである為、此処ではエア
ーナイフ乾燥部の装置構成について記載する。特に図示
しないが、エアーナイフ乾燥部から成る乾燥ユニット2
08に於いては、被処理基板202の表面にエアーナイ
フノズルからエアーブローが供給され、エアーブローに
より付着した水分が乾燥される構成となっている(図5
参照)。
【0057】ところで、上記実施形態に於いては、枚葉
処理方式のレジスト剥離装置について具体的に説明した
が、本発明のレジスト剥離装置は上記実施形態に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変
更可能であることは言うまでもない。例えば、特に図示
しないが、バッチ処理方式のレジスト剥離装置も当然に
可能である。この場合、保護膜成膜ユニットは膜厚0.
5〜5nm程度のシリコン酸化膜を成膜するバッチ処理
方式の処理ユニットとなり、例えばオゾン含有水や過酸
化水素水等の酸化作用を及ぼす薬液が充填された処理槽
内で複数の被処理基板が一括して処理される装置構成
と、酸素を含む雰囲気中で紫外線を照射することにより
オゾンを発生させ、オゾンの酸化作用により複数の被処
理基板(厳密にはシリコン系半導体膜の表面)が一括し
て酸化される装置構成とが考えられる。また、膜厚0.
5〜5nm程度のシリコン酸窒化膜やシリコン窒化膜を
成膜する為のバッチ処理方式のプラズマ処理部から成る
保護膜成膜ユニットの装置構成も考えられ、複数の被処
理基板がサセプタやボートに載置された状態で、処理チ
ャンバ内に内挿され、反応性ガスの雰囲気中で複数の被
処理基板が一括してプラズマ処理される装置構成が挙げ
られる。尚、反応性ガスとしては、シリコン酸窒化膜を
成膜する為の反応性ガスである窒素原子と酸素原子を含
む反応性ガス(例えば窒素酸化物)と、シリコン窒化膜
を成膜する為の反応性ガスである窒素原子を含み酸素原
子を含まない反応性ガス(例えばアンモニアガス)とが
ある。
【0058】また、保護膜成膜ユニット以外の処理ユニ
ットであるレジスト剥離液処理ユニットとIPA処理ユ
ニットと水洗ユニットとしては、各々該当する処理液
(レジスト剥離液又はIPA又は純水)が充填された処
理槽から成るバッチ処理方式の処理ユニットがある。ま
た、バッチ処理方式の乾燥ユニットとしては、複数の被
処理基板を一括してスピン乾燥させるスピン乾燥部と複
数の被処理基板を一括してIPA蒸気で乾燥させるIP
A蒸気乾燥部とがある。
【0059】以上の様に構成された枚葉処理方式やバッ
チ処理方式のレジスト剥離装置によると、レジスト剥離
液処理前の保護膜成膜処理とレジスト剥離液処理とを連
続処理で行うことが可能となり、レジスト剥離工程に於
けるシリコン系半導体膜のエッチング損傷を高スループ
ットで確実に防止することができる。TFTで回路構成
される半導体表示装置の量産工程に於いては、レジスト
剥離工程に於けるシリコン系半導体膜のピンホール状の
露出は、何らかのトラブル等により予期せずに生じるこ
とが考えられ、この場合にもシリコン系半導体膜のエッ
チング損傷を高スループットで確実に防止することがで
きる。この為、本発明のレジスト剥離装置は、半導体表
示装置の量産工程に於けるTFTの電気特性の安定化及
び歩留向上に有効である。
【0060】〔実施形態3〕本実施形態では、図8〜1
4の液晶表示装置の作製工程を示す工程断面図に基づ
き、GOLD構造TFTとLDD構造TFTとを共に有
するアクティブマトリクス型の液晶表示装置の作製工程
に本発明のレジスト剥離装置を適用した場合について記
載する。尚、本実施形態の液晶表示装置は、TFTの活
性層である半導体層に触媒元素を利用して結晶化される
結晶質シリコン膜を適用し、LDD構造の画素TFTと
GOLD構造のnチャネル型又はpチャネル型駆動回路
とを有する場合を例に記載している。
【0061】先ず、ガラス基板501上にプラズマCV
D法により、各々組成比の異なる膜厚50nmの第1層
目のシリコン酸窒化膜502aと膜厚100nmの第2
層目のシリコン酸窒化膜502bを堆積し、下地膜50
2を成膜する。尚、此処で用いるガラス基板501とし
ては、石英ガラス又はバリウムホウケイ酸ガラス又はア
ルミノホウケイ酸ガラス等が有る。次に、前記下地膜5
02(502aと502b)上に、プラズマCVD法又
は減圧CVD法により、膜厚20〜200nm、好まし
くは膜厚30〜70nmの非晶質シリコン膜503aを
堆積する。本実施形態では、膜厚53nmの非晶質シリ
コン膜503aをプラズマCVD法で堆積している。こ
の際、非晶質シリコン膜503aの表面は、処理雰囲気
中に混入した空気中の酸素の影響により極薄の自然酸化
膜(図示せず)が成膜されている。尚、本実施形態では
プラズマCVD法で非晶質シリコン膜503aを堆積し
ているが、減圧CVD法で堆積しても構わない(図8−
A参照)。
【0062】ところで、非晶質シリコン膜503aの堆
積に際しては、空気中に存在する炭素、酸素及び窒素が
混入する可能性がある。これらの不純物ガスの混入は、
最終的に得られるTFTの特性劣化を引き起こすことが
経験的に知られており、前記不純物ガスの混入は結晶化
の阻害要因として作用する。従って、前記不純物ガスの
混入は徹底的に排除すべきであり、具体的には炭素及び
窒素の場合は共に5E17atoms/cm3以下に、酸素の場
合は1E18atoms/cm3以下に制御することが好ましい
(図8−A参照)。
【0063】次に、当該基板を希フッ酸で所定時間洗浄
することにより、非晶質シリコン膜503aの表面に成
膜されている自然酸化膜(図示せず)を除去する。その
後、オゾン含有水で所定時間の処理を行うことにより、
非晶質シリコン膜503aの表面に膜厚0.5〜5nm
程度の清浄な極薄のシリコン酸化膜(図示せず)を成膜
する。尚、本実施形態では、オゾン含有水の処理により
当該シリコン酸化膜(図示せず)を成膜しているが、過
酸化水素水による処理で成膜しても構わない。また、当
該シリコン酸化膜(図示せず)は、後に触媒元素溶液で
あるNi(ニッケル)元素水溶液をスピン添加法で添加
する際、Ni元素を均一に付着させる為、非晶質シリコ
ン膜503aに対する濡れ性を改善する目的で成膜され
る(図8−A参照)。
【0064】次に、非晶質シリコン膜503a(厳密に
は、極薄のシリコン酸化膜)の全面に、スピン添加法に
より結晶化の助長作用を有する触媒元素溶液であるNi
元素水溶液を添加する。本実施形態では、Ni化合物で
あるニッケル酢酸塩を純水に溶解し、重量換算で10pp
mの濃度に調整したものをNi元素水溶液として使用し
ており、非晶質シリコン膜503a(厳密には極薄のシ
リコン酸化膜)の全面にNi含有層(図示せず)を均一
に付着させている(図8−A参照)。
【0065】次に、非晶質シリコン膜503a中の含有
水素量を5atom%以下に制御する為、非晶質シリコン膜
503a中の含有水素の脱水素化処理を行う。当該脱水
素化処理は、ファーネス炉を使用して窒素雰囲気中での
450℃−1時間の熱処理により行われる。その後、フ
ァーネス炉内で550℃−4時間の熱処理を行うことに
より、非晶質シリコン膜503aの結晶化を促進し、膜
厚50nmの結晶質シリコン膜503bを成膜する。引
き続き、得られた結晶質シリコン膜503bの結晶性を
更に改善させる為、パルス発振型のKrFエキシマレー
ザー(波長248nm)照射による結晶化を行う。尚、
本明細書に於いては、触媒元素であるNi元素を利用し
て結晶化される多結晶シリコン膜を通常の多結晶シリコ
ン膜と区別する為に、結晶質シリコン膜と称している。
此処で、多結晶とせずに結晶質と称している理由は、通
常の多結晶シリコン膜と比較し、結晶粒が概略同一方向
に配向しており、高い電界効果移動度を有する等の特徴
がある為、多結晶シリコン膜と区別する趣旨である(図
8−A参照)。
【0066】次に、希フッ酸洗浄とオゾン含有水洗浄に
よる所定時間のチャネルドープ前洗浄を行い、結晶質シ
リコン膜503bの表面に膜厚0.5〜5nm程度の清
浄な極薄のシリコン酸化膜(図示せず)を再び成膜す
る。当該シリコン酸化膜(図示せず)は、チャネルドー
プ処理の際に水素イオン(イオン源であるジボラン(B2
H6)と水素との混合ガスから発生)で結晶質シリコン膜
503bがエッチングされるのを防止する為のものであ
る。その後、nチャネル型TFT及びpチャネル型TF
Tのしきい値電圧を制御する為、ドーピング装置を使用
して第1のドーピング処理であるチャネルドープ処理を
行う。チャネルドープ処理は、低ドーズ量のp型不純物
であるB(即ち、ボロン)元素を基板全面にドーピング
することで行われる。この際のドーピング条件として
は、イオン源にジボラン(B26)希釈率0.01〜1
%濃度のジボラン(B26)/水素(H2)を使用し、
加速電圧5〜30kVでドーズ量8×1013〜2×10
15atoms/cm2が考えられ、本実施例では結晶質シリコン
膜503b中のB濃度を1×1017atoms/cm3程度とす
る為、ジボラン(B26)希釈率0.1%濃度のジボラ
ン(B26)/水素(H 2),加速電圧15kV,ドー
ズ量4×1014atoms/cm2のドーピング条件でB元素を
ドーピングしている(図8−B参照)。
【0067】次に、チャネルドープ処理の前処理として
成膜した極薄のシリコン酸化膜(図示せず)を希フッ酸
で処理することにより、当該シリコン酸化膜(図示せ
ず)を除去する。その後、オゾン含有水で所定時間の処
理を行うことにより、結晶質シリコン膜503bの表面
に膜厚0.5〜5nm程度の極薄のシリコン酸化膜50
4a〜508aを再び成膜する。当該シリコン酸化膜5
04a〜508aは、次に形成するレジストパターンの
密着性改善の為、及び結晶質シリコン膜503bの疎水
性の改善と汚染防止の為、及び結晶質シリコン膜503
bの表面の清浄度を保持することにより界面準位の低減
を図る為等の理由で成膜されるが、有機系のレジスト剥
離液からのエッチング損傷の防止機能についても勿論有
している。尚、本実施形態では、膜厚0.5〜5nm程
度のシリコン酸化膜504a〜508aをオゾン含有水
による処理で成膜しているが、過酸化水素水で処理して
も良いし、酸素を含む雰囲気中で紫外線を照射すること
によりオゾンを発生させ、オゾンによる酸化作用で結晶
質シリコン膜503bの表面を酸化しても良い。その
後、通常のフォトリソグラフィ処理により、所定寸法の
レジストパターン(図示せず)を形成する(図8−B参
照)。
【0068】次に、当該レジストパターン(図示せず)
をマスクに結晶質シリコン膜503bとその表層膜であ
るシリコン酸化膜504a〜508aをドライエッチン
グ処理し、膜厚50nmの結晶質シリコン膜503bか
ら成る島状の半導体層504〜508を形成する。この
半導体層504〜508はTFTの活性層となる島状の
領域で、後にTFTのソース領域とドレイン領域が形成
される領域である。ドライエッチング処理の際、RIE
型のドライエッチング装置を使用し、エッチングガスで
あるCF4とO2のガス流量比が50:45のエッチング
条件でドライエッチング処理しており、レジスト後退方
によるテーパーエッチング処理が行われている。この
為、被エッチング膜である半導体層504〜508の側
壁部には、特に便宜上図示してないが、順テーパー形状
が形成されている(図中では便宜上矩形状で表記)。ま
た、順テーパー形状の側壁部は、エッチングガスに酸素
が含まれている為、ドライエッチング時の側壁保護ポリ
マーの付着は殆ど無く、結晶質シリコン膜503bの表
面が露出した状態(又は若干のシリコン酸化膜の成膜も
あり得る)になっている。尚、半導体層504〜508
を順テーパー形状に形成する理由は、後工程で成膜され
るゲート絶縁膜やゲート電極膜の段差部での被覆性を改
善する為である(図8−B参照)。
【0069】次に、ドライエッチング後のレジストパタ
ーン(図示せず)を除去する為、酸素プラズマ処理であ
るアッシング処理を行う。アッシング処理は、レジスト
パターンの半分程度をアッシングするハーフアッシング
方式を採用している。この為、アッシング処理後のレジ
ストパターン(図示せず)は、半分程度に膜減りが進
み、レジストパターン形状が変形している。このアッシ
ング処理の際、順テーパー形状をしている半導体層50
4〜508の側壁部には、結晶質シリコン膜503bが
露出している為、膜厚0.5〜5nm程度のシリコン酸
化膜504b〜508bが成膜される。当該シリコン酸
化膜504b〜508bは、次工程のレジスト剥離液処
理時のレジスト剥離液からのエッチング損傷を防止する
機能を有するものとがある(図8−B参照)。
【0070】次に、残ったレジストパターン(図示せ
ず)を完全に除去する為、本発明のレジスト剥離装置を
使用してレジスト剥離工程を行う。本発明のレジスト剥
離装置はレジスト剥離液処理の前に保護膜成膜処理を行
うことが可能であるが、当該レジスト剥離工程の場合
は、結晶質シリコン膜503bから成る半導体層504
〜508の表面と側面に膜厚0.5〜5nm程度のシリ
コン酸化膜504a〜508a,504b〜508bが
既に成膜されている為、半導体層504〜508に対す
る保護膜の成膜処理は不要である。この場合は、レジス
ト剥離装置の処理プログラムを保護膜成膜処理の無いプ
ログラムに変更して処理することになり、レジスト剥離
工程の一層の高スループット化を図ることが可能であ
る。従って、この場合の当該レジスト剥離装置によるレ
ジスト剥離工程の具体的処理は、レジスト剥離液処理と
IPA洗浄処理と水洗処理と乾燥処理とから成る連続処
理で処理されることになる。尚、レジスト剥離液処理の
後、連続的にIPA洗浄処理が行われるが、当該IPA
洗浄処理は省略しても弊害が無い場合に限り省略するこ
とも可能である。但し、当該IPA洗浄処理は基板表面
近傍での水洗時のレジスト剥離液と純水との混合液の生
成を防止する作用があり、水分の混入によるレジスト剥
離液の強アルカリ性化を防止する作用がある為、一般的
にはIPA洗浄処理を導入した方が好ましい(図8−B
参照)。
【0071】次に、当該基板を希フッ酸で所定時間洗浄
することにより、結晶質シリコン膜503bから成る半
導体層504〜508の表面と側壁部に成膜されている
膜厚0.5〜5nm程度のシリコン酸化膜504a〜5
08a,504b〜508bを除去する。その後、半導
体層504〜508を被覆する様に、膜厚30〜200
nm、好ましくは膜厚80〜130nmのシリコン酸化
膜又はシリコン酸窒化膜から成るゲート絶縁膜509を
プラズマCVD法又は減圧CVD法により堆積する。本
実施形態では、膜厚100nmのシリコン酸化膜から成
るゲート絶縁膜509をプラズマCVD法で堆積してい
る。尚、ゲート絶縁膜509の膜厚は、後工程で成膜す
る上層のゲート電極膜からの応力を回避する為、80n
m以上の膜厚が必要であることが知られており、この点
を考慮して設定している(図9−A参照)。
【0072】次に、ゲート電極用の電極材料を堆積する
為、スパッタ法により膜厚200〜600nm、好まし
くは膜厚300〜600nmのアルミニウム系合金膜、
又は高融点金属と高融点金属窒化物との積層膜を堆積す
る。本実施形態では、第1層ゲート電極膜510として
膜厚30nmのTaN膜を堆積し、その後第2層ゲート
電極膜511として膜厚370nmのW膜とを堆積して
いる。尚、第1層ゲート電極膜510であるTaN膜の
膜厚は、ドライエッチング時のテーパー形状領域に於け
る残膜厚の制御性、及びスルードープ法によりTaN膜
を通過させて不純物元素をドーピングする際のドーピン
グ特性の両方を考慮して設定している。また、第2層ゲ
ート電極膜511であるW膜の膜厚は、不純物元素をド
ーピングする際のW膜のチャネリング現象を防止する
為、340nm以上の膜厚が必要なことが知られてお
り、この点を考慮して設定している(図9−A参照)。
【0073】次に、通常のフォトリソグラフィ処理を行
うことにより、上記の金属積層膜上にゲート電極と保持
容量用電極とソース配線等を形成する為の所定寸法のレ
ジストパターン(図示せず)を形成する。その後、レジ
ストパターン(図示せず)をマスクに、膜厚30nmの
TaN膜から成る第1層ゲート電極膜510と膜厚37
0nmのW膜から成る第2層ゲート電極膜511とから
成る金属積層膜をドライエッチング処理する。当該ドラ
イエッチング処理により、第1層ゲート電極512c〜
515cと第2層ゲート電極512b〜515bとから
成る所定寸法のゲート電極を形成し、同時に第1層保持
容量電極516cと第2層保持容量電極516bとから
成る所定寸法の保持容量電極、第1層ソース配線用電極
517cと第2層ソース配線用電極517bとから成る
所定寸法のソース配線用電極を形成する。当該ドライエ
ッチング工程に於いて、第2層電極512b〜517b
(第2層ゲート電極512b〜515bと第2層保持容
量電極516bと第2層ソース配線用電極517bとか
ら成る電極の総称)は第1層電極512c〜517c
(第1層ゲート電極512c〜515cと第1層保持容
量電極516cと第1層ソース配線用電極517cとか
ら成る電極の総称)よりチャネル方向の寸法が短く形成
されている。また、第2層電極512b〜517bから
の露出領域に該当する第1層電極512c〜517c
は、端部に近づくにつれ徐々に薄膜化したテーパー形状
に形成されている。尚、現像後のレジストパターン(図
示せず)は、ドライエッチング時の膜減りによりレジス
トパターン512a〜517aの形状となり、ゲート絶
縁膜509はドライエッチング時の膜減りにより、ゲー
ト絶縁膜518の形状に変形している(図9−B参
照)。
【0074】次に、ドライエッチング後のレジストパタ
ーン512a〜517aを除去する為、ハーフアッシン
グ方式によるアッシング処理を行う。当該アッシング処
理でレジストパターン512a〜517aを半分程度に
アッシング除去した後、残ったレジストパターン(図示
せず)を完全に除去する為、本発明のレジスト剥離装置
を使用してレジスト剥離工程を行う。本発明のレジスト
剥離装置はレジスト剥離液処理の前に保護膜成膜処理を
行うことが可能であるが、当該レジスト剥離工程の場合
は、半導体層504〜508を被覆する様にゲート絶縁
膜518が存在している為、半導体層504〜508と
レジスト剥離液が直に接触することは通常あり得ず、保
護膜の成膜処理は不要である。この場合は、レジスト剥
離装置の処理プログラムを保護膜成膜処理の無いプログ
ラムに変更して処理することになり、レジスト剥離工程
の一層の高スループット化を図ることが可能である。従
って、この場合の当該レジスト剥離装置によるレジスト
剥離工程の具体的処理は、レジスト剥離液処理とIPA
洗浄処理と水洗処理と乾燥処理とから成る連続処理で処
理される。尚、レジスト剥離液処理の後、連続的にIP
A洗浄処理が行われるが、当該IPA洗浄処理は省略し
ても弊害が無い場合に限り省略することも可能である。
但し、当該IPA洗浄処理は基板表面近傍での水洗時の
レジスト剥離液と純水との混合液の生成を防止する作用
があり、水分の混入によるレジスト剥離液の強アルカリ
性化を防止する作用がある為、一般的にはIPA洗浄処
理を導入した方が好ましい(図10−A参照)。
【0075】次に、ドーピング装置を使用して、第1層
電極512c〜516cをマスクに第2のドーピング処
理であるP元素から成る低ドーズ量のn型不純物をドー
ピングする。当該第2のドーピング処理により、第1層
電極512c〜516cの外側の領域に対応する半導体
層504〜508にn型不純物の低濃度不純物領域(n
−−領域)519〜523が形成される。この際、低濃
度不純物領域(n−−領域)519〜523の形成に於
いては、所謂スルードープ法により上層膜であるゲート
絶縁膜518を介してドーピングしている。尚、ドーピ
ング条件としては、イオン源にホスフィン(PH3)希
釈率3〜20%濃度のホスフィン(PH3)/水素
(H2)を使用し、加速電圧30〜90kVでドーズ量
6×1012〜1.5×1014atoms/cm2が考えられる
が、本実施形態ではホスフィン(PH3)希釈率5%濃
度のホスフィン(PH3)/水素(H2),加速電圧50
kV,ドーズ量3×1013atoms/cm2のドーピング条件
でドーピングしている(図10−B参照)。
【0076】次に、通常のフォトリソグラフィ処理によ
り、不純物をドーピング処理する為のマスクであるレジ
ストパターン524〜525を形成する。当該レジスト
パターン524〜525は、GOLD構造の駆動回路6
06であるpチャネル型TFT602とLDD構造の画
素TFT604の作製領域に形成され、GOLD構造の
駆動回路606であるnチャネル型TFT601,60
3並びに保持容量605の作製領域には形成されない。
この際、GOLD構造のpチャネル型TFT602の作
製領域に於いては、レジストパターン524の端部が、
半導体層505の外側に位置する様に、即ち半導体層5
05を完全に被覆する様に形成される。また、LDD構
造の画素TFT604の作製領域に於いては、レジスト
パターン525の端部が半導体層507の内側で第1層
ゲート電極515cから所定の距離だけ外側に位置する
様に、即ち第1層ゲート電極515cの端部からLof
f領域(詳細は後の工程で説明)の分だけ外側に位置す
る様に形成される(図11−A参照)。
【0077】次に、ドーピング装置を使用して、第3の
ドーピング処理であるP元素から成る高ドーズ量のn型
不純物をドーピングする。この際、GOLD構造の駆動
回路606であるnチャネル型TFT601,603の
作製領域に於いては、第1層ゲート電極512c,51
4cの外側に対応する半導体層504,506には、既
にn型不純物の低濃度不純物領域(n−−領域)51
9,521が形成されているが、その上からn型不純物
の高濃度不純物領域(n+領域)526,528が形成
され、同時に第1層ゲート電極512c,514cの第
2層ゲート電極512b,514bからの露出領域に対
応する半導体層504,506に、n型不純物の低濃度
不純物領域(n−領域)527,529が形成される。
この様にして形成される高濃度不純物領域(n+領域)
526,528はGOLD構造のソース領域又はドレイ
ン領域としての機能を有し、低濃度不純物領域(n−領
域)527,529はGOLD構造のLov領域(ゲー
ト電極とオーバーラップしている電界緩和領域のこと)
である電界緩和領域としての機能を有することになる。
また、保持容量605の作製領域に於いても、同様にn
型不純物の高濃度不純物領域(n+領域)532と低濃
度不純物領域(n−領域)533が形成される。此処で
形成されたn型不純物の高濃度不純物領域(n+領域)
532と低濃度不純物領域(n−領域)533は、当該
領域がTFTでなく保持容量605の作製領域である
為、容量形成用電極の片側としての機能を有している
(図11−A参照)。
【0078】一方、LDD構造の画素TFT604の作
製領域に於いては、当該第3のドーピング処理により、
レジストパターン525の外側に対応する半導体層50
7にn型不純物の高濃度不純物領域(n+領域)530
が形成される。当該半導体層507には、既にn型不純
物の低濃度不純物領域(n−−領域)522が形成され
ているが、高濃度不純物領域(n+領域)530の形成
に伴い、当該低濃度不純物領域(n−−領域)522
は、高濃度不純物領域(n+領域)530と結果として
形成される低濃度不純物領域(n−−領域)531とに
区分されることになる。この様にして形成される高濃度
不純物領域(n+領域)530はLDD構造のソース領
域又はドレイン領域としての機能を有し、低濃度不純物
領域(n−−領域)531はLDD構造のLoff領域
(ゲート電極とオーバーラップしてない電界緩和領域の
こと)である電界緩和領域としての機能を有することに
なる。尚、ドーピング条件としては、イオン源にホスフ
ィン(PH3)希釈率3〜20%濃度のホスフィン(P
3)/水素(H2)を使用し、加速電圧30〜90kV
でドーズ量6×1014〜1.5×1016atoms/cm2が考
えられるが、本実施形態ではホスフィン(PH3)希釈
率5%濃度のホスフィン(PH3)/水素(H2),加速
電圧65kV,ドーズ量3×1015atoms/cm2のドーピ
ング条件でドーピングしている(図11−A参照)。
【0079】上記の高濃度不純物領域(n+領域)52
6,528,530,532と低濃度不純物領域(n−
領域)527,529,533は、上層膜を介してドー
ピングする所謂スルードープ法で形成されている。スル
ードープ法とは上層膜を介して目的物質層に不純物をド
ーピングするドーピング法のことで、上層膜の膜質と膜
厚に依存して目的物質層の不純物濃度を変化できる特徴
がある。従って、同一のドーピング条件で不純物をドー
ピングするにも拘わらず、上層膜がイオン阻止能の小さ
いゲート絶縁膜518で構成されている領域に高濃度不
純物領域(n+領域)526,528,530,532
を形成し、上層膜がイオン阻止能の大きい第1層電極
(TaN膜)512c,514c,516cとゲート絶
縁膜518との積層膜で構成されている領域に低濃度不
純物領域(n−領域)527,529,533を同時に
形成することが可能となっている(図11−A参照)。
【0080】尚、GOLD構造の駆動回路606である
nチャネル型TFT601,603の作製領域に於いて
は、上記の高濃度不純物領域(n+領域)526,52
8と低濃度不純物領域(n−領域)527,529の形
成に伴い、半導体層504,506に於ける第2層ゲー
ト電極512b,514bと重なる領域に、TFTのチ
ャネル領域が画定されることになる。また、同様にし
て、LDD構造の画素TFT604の作製領域に於い
て、半導体層507に於ける第1層ゲート電極515c
と重なる領域に、TFTのチャネル領域が画定されるこ
とになる(図11−A参照)。
【0081】次に、ドーピング処理後のレジストパター
ン524〜525を除去する為、ハーフアッシング方式
によるアッシング処理を行う。当該アッシング処理でレ
ジストパターン524〜525を半分程度にアッシング
除去した後、残ったレジストパターン(図示せず)を完
全に除去する為、本発明のレジスト剥離装置を使用して
レジスト剥離工程を行う。尚、レジスト剥離工程の詳細
は、上記のドライエッチング処理後の保護膜成膜処理の
無いレジスト剥離工程と同様である為、此処では記載を
省略する。その後、通常のフォトリソグラフィ処理によ
り、不純物をドーピング処理する為のマスクであるレジ
ストパターン534〜536を形成する。この際、当該
レジストパターン534〜536は、GOLD構造の駆
動回路606であるpチャネル型TFT602と保持容
量605の作製領域を開口する様に形成される(図11
−B参照)。
【0082】次に、ドーピング装置を使用して、第4の
ドーピング処理であるB元素から成る高ドーズ量のp型
不純物をスルードープ法でドーピングする。当該第4の
ドーピング処理により、GOLD構造の駆動回路606
であるpチャネル型TFT602の作製領域に於いて
は、第1層ゲート電極513cの外側に対応する半導体
層505に、p型不純物の高濃度不純物領域(p+領
域)537が形成される。また、第1層ゲート電極51
3cの第2層ゲート電極513bからの露出領域に対応
する半導体層505に、p型不純物の低濃度不純物領域
(p−領域)538が同時に形成される。この様にして
形成される高濃度不純物領域(p+領域)537はGO
LD構造のソース領域又はドレイン領域としての機能を
有し、低濃度不純物領域(p−領域)538はGOLD
構造のLov領域(ゲート電極とオーバーラップしてい
る電界緩和領域のこと)である電界緩和領域としての機
能を有することになる。一方、保持容量605の作製領
域に於いても、同様に、容量形成用電極の片側として機
能する高濃度不純物領域(p+領域)539と低濃度不
純物領域(p−領域)540とが形成されている(図1
1−B参照)。
【0083】ところで、pチャネル型TFT602の作
製領域に於けるp型不純物の高濃度不純物領域(p+領
域)537には、既にn型不純物の低濃度不純物領域
(n−−領域)520が形成されているが、n型不純物
の濃度以上のp型不純物がドーピングされる為、全体と
してp型の導電型を有する高濃度不純物領域(p+領
域)537が形成されることになる。また、保持容量6
05の作製領域に於いても、既にn型不純物の高濃度不
純物領域(n+領域)532と低濃度不純物領域(n−
領域)533とが形成されているが、n型不純物の濃度
以上のp型不純物がドーピングされる為、全体としてp
型の導電型を有する高濃度不純物領域(p+領域)53
9と低濃度不純物領域(p−領域)540とが形成され
ている。尚、p型不純物の高濃度不純物領域(p+領
域)537,539と低濃度不純物領域(p−領域)5
38,540は、n型不純物領域の場合と同様に、上層
膜の膜質や膜厚の違いを利用してスルードープ法により
同時に形成されている。また、この際のドーピング条件
としては、イオン源にジボラン(B26)希釈率3〜2
0%濃度のジボラン(B26)/水素(H2)を使用
し、加速電圧60〜100kVでドーズ量4×1015
1×1017atoms/cm2が考えられるが、本実施形態では
ジボラン(B26)希釈率5%濃度のジボラン(B
26)/水素(H2),加速電圧80kV,ドーズ量2
×1016atoms/cm2のドーピング条件でドーピングして
いる(図11−B参照)。
【0084】次に、ドーピング処理後のレジストパター
ン534〜536を除去する為、ハーフアッシング方式
によるアッシング処理を行う。当該アッシング処理でレ
ジストパターン534〜536を半分程度にアッシング
除去した後、残ったレジストパターン(図示せず)を完
全に除去する為、本発明のレジスト剥離装置を使用して
レジスト剥離工程を行う。尚、レジスト剥離工程の詳細
は、上記のドライエッチング処理後の保護膜成膜処理の
無いレジスト剥離工程と同様である為、此処では記載を
省略する。その後、膜厚50〜300nm、好ましくは
膜厚100〜200nmのシリコン酸窒化膜又はシリコ
ン窒化膜から成る第1の層間絶縁膜541をプラズマC
VD法により堆積する。本実施形態では、膜厚150n
mのシリコン窒化膜から成る第1の層間絶縁膜541を
プラズマCVD法により堆積している。しかる後に、半
導体層504〜508にドーピングされたn型不純物
(P元素)又はp型不純物(B元素)の熱活性化の為、
ファーネス炉に於いて、600℃−12時間の熱処理を
行う。当該熱処理は、n型又はp型不純物の熱活性化処
理の為に行うものであるが、ゲート電極の真下に位置す
るチャネル領域に存在する触媒元素(Ni元素)を前記
不純物によりゲッタリングする目的も兼ねている。尚、
第1の層間絶縁膜541の堆積前に当該熱活性化処理を
行っても良いが、ゲート電極等の配線材料の耐熱性が弱
い場合は、第1の層間絶縁膜541の堆積後に行う方が
好ましい。当該熱処理に続いて、半導体層504〜50
8のダングリングボンドを終端させる為、410℃−1
時間の水素化処理を水素3%含有の窒素雰囲気中で行う
(図12−A参照)。
【0085】次に、前記第1の層間絶縁膜541の上
に、膜厚0.7〜3μm、好ましくは膜厚1〜2μmのア
クリル樹脂膜から成る第2の層間絶縁膜542を成膜す
る。本実施形態では、膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜
から成る第2の層間絶縁膜542を成膜している。当該
アクリル樹脂膜の成膜は、スピン塗布法でアクリル樹脂
膜を塗布した後、オーブンベーク炉で熱処理することに
より成膜される。その後、通常のフォトリソグラフィ処
理により、アクリル樹脂膜から成る第2の層間絶縁膜5
42上に所定寸法のコンタクトホールを形成する為のレ
ジストパターン543aを形成する(図12−B参
照)。
【0086】次に、レジストパターン543aをマスク
に、アクリル樹脂膜から成る第2の層間絶縁膜542と
シリコン窒化膜から成る第1の層間絶縁膜541とシリ
コン酸化膜から成るゲート絶縁膜518の積層膜をドラ
イエッチング処理する。当該ドライエッチング処理によ
り、第2の層間絶縁膜542と第1の層間絶縁膜541
とゲート絶縁膜518とを貫通する様に、所定寸法のコ
ンタクトホール544が形成される。この際、当該ドラ
イエッチング処理工程に於いては、酸素とCF 4のガス
流量比が19:1のガス混合条件でのドライエッチング
処理により第2の層間絶縁膜542であるアクリル樹脂
膜がエッチングされ、酸素とCF4のガス流量比が1:
1のガス混合条件でのドライエッチング処理により第1
の層間絶縁膜541であるシリコン窒化膜がエッチング
され、CHF3ガスによるドライエッチング処理により
ゲート絶縁膜518であるシリコン酸化膜がエッチング
処理される。この様に、ドライエッチング処理の最終段
階で、CHF3ガスプラズマが適用されている為、コン
タクトホール544の底部に存在する結晶質シリコン膜
503bから成る半導体層504〜508に対し高選択
比のドライエッチング処理が実現されている。また、ド
ライエッチング後に於いては、レジストパターン543
aは酸素(厳密には5%のCF4含有)プラズマ処理で
大幅に膜減りが進んだ結果、レジストパターン543b
の形状に変形している。尚、コンタクトホール544
は、n型不純物の高濃度不純物領域(n+領域)52
6,528,530及びp型不純物の高濃度不純物領域
(p+領域)537,539、更にはソース配線として
機能するソース配線用電極517bc(第1層ソース配
線用電極517cと第2層ソース配線用電極517bと
で構成)に接続する様に形成されている(図13−A参
照)。
【0087】次に、ドライエッチング処理後の不要なレ
ジストパターン543bを除去する為、本発明のレジス
ト剥離装置を使用してレジスト剥離工程を行う。此処で
は、第2の層間絶縁膜542に有機系のアクリル樹脂膜
が適用されている為、レジスト除去処理にアッシング工
程を導入することができず、レジスト剥離工程のみでレ
ジストパターンの除去処理を行っている。本発明のレジ
スト剥離装置は、レジスト剥離液処理の前に膜厚0.5
〜5nm程度のシリコン酸化膜から成る保護膜の成膜処
理を行うことが可能で、当該レジスト剥離工程に於いて
は、保護膜成膜処理を有する処理条件でレジスト剥離工
程を処理することになる。当該レジスト剥離装置による
レジスト剥離工程は、レジスト剥離液処理前の保護膜成
膜処理とレジスト剥離液処理とIPA洗浄処理と水洗処
理と乾燥処理とから成っており、レジスト剥離液処理前
の保護膜成膜である膜厚0.5〜5nm程度の極薄のシ
リコン酸化膜成膜処理とレジスト剥離液処理とを連続処
理で行うことが可能である。従って、レジスト剥離液処
理前に、コンタクトホール544の底部に露出している
結晶質シリコン膜503bから成る半導体層504〜5
08の表面にレジスト剥離液に対する保護膜545であ
る膜厚0.5〜5nm程度の極薄のシリコン酸化膜を成
膜することができ、レジスト剥離液による結晶質シリコ
ン膜503bのエッチング損傷を高スループットで確実
に防止することが可能である。尚、此処で使用するレジ
スト剥離液としては、例えば特開2000−24199
1号公報、特開2001−183849号公報、特開2
001−188363号公報、特開2001−2091
90号公報等に開示されている様な結晶質シリコン膜に
対するエッチング損傷の少ないレジスト剥離液の方が好
ましい。但し、結晶質シリコン膜に対するエッチング損
傷の少ないレジスト剥離液は、肝心のレジスト剥離性能
に問題がある場合が多く、レジスト剥離性能とシリコン
系半導体膜に対するエッチング損傷防止性能とを共に満
足する様なレジスト剥離液が好適で、当該レジスト剥離
液を適用することが好ましい。また、レジスト剥離液処
理の後、連続的にIPA洗浄処理が行われるが、当該I
PA洗浄処理は省略しても弊害が無い場合に限り省略す
ることも可能である。但し、当該IPA洗浄処理は基板
表面近傍での水洗時のレジスト剥離液と純水との混合液
の生成を防止する作用があり、基板上に露出している結
晶質シリコン膜や金属配線へのエッチング損傷防止に有
利に作用する為、一般的にはIPA洗浄処理を導入した
方が好ましい(図13−B参照)。
【0088】次に、スパッタ前洗浄として希フッ酸処理
を行い、コンタクトホール544の底部に露出している
結晶質シリコン膜503b表面の保護膜(シリコン酸化
膜)545を除去する。その後、Ti(100nm)/
Al(350nm)/Ti(100nm)の3層膜から
成る金属積層膜をスパッタ法により堆積する。尚、当該
金属積層膜に於いて、膜厚100nmの1層目のTi膜
はコンタクト抵抗の低抵抗化とシリコンとアルミニウム
の相互拡散を防止する目的で堆積され、膜厚100nm
の3層目のTi膜はアルミニウム配線表面のヒロックを
防止する目的で堆積されている。金属積層膜を堆積した
後、通常のフォトリソグラフィ処理により、金属積層膜
上に所定寸法の配線形成用のレジストパターン(図示せ
ず)を形成する(図14−A参照)。
【0089】次に、塩素系のエッチングガスを使用して
ドライエッチング処理を行うことにより、所定寸法の金
属積層膜配線546〜551と接続電極552,55
4,555とゲート配線553とを同時に形成する。金
属積層膜配線546〜551は、駆動回路606の高濃
度不純物領域(n+領域)526,528と高濃度不純
物領域(p+領域)537とに電気的に接続する様に形
成されている。また、接続電極552は、画素TFT6
04の高濃度不純物領域(n+領域)530とソース配
線として機能する第2層ソース配線用電極517bとを
電気的に接続する様に形成されている。また、接続電極
554は、画素TFT604の高濃度不純物領域(n+
領域)530と電気的に接続する様に形成されており、
接続電極555は保持容量605の高濃度不純物領域
(p+領域)539と電気的に接続する様に形成されて
いる。また、ゲート配線553は、画素TFT604の
複数の第2層ゲート電極515bを電気的に接続する様
に形成されている。ドライエッチング処理の後、不要な
レジストパターン(図示せず)を除去する為、本発明の
レジスト剥離装置を使用してレジスト剥離工程を行う。
此処では、第2の層間絶縁膜542に有機系のアクリル
樹脂膜が適用されている為、レジスト除去処理にアッシ
ング工程を導入することができず、レジスト剥離工程の
みでレジストパターンの除去処理を行っている。尚、レ
ジスト剥離工程の詳細は、上記のドライエッチング処理
後のレジスト剥離工程と同様である為、此処では記載を
省略する(図14−A参照)。
【0090】次に、膜厚80〜130nm、好ましくは
膜厚100〜120nmの透明導電膜であるITO(In
dium−Ti−Oxideの略)膜をスパッタ法により堆積す
る。本実施形態では、膜厚110nmのITO膜をスパ
ッタ法により堆積している。その後、通常のフォトリソ
グラフィ処理により、所定寸法の画素電極用のレジスト
パターン(図示せず)を形成する。しかる後、関東化学
(株)製の商品名「ITO−04N」のエッチング液を
使用して、ウェットエッチング処理を行う。当該ウェッ
トエッチング処理により、ITO膜から成る所定寸法の
画素電極556が接続電極554,555に接続される
様に形成される。画素電極556は、接続電極554を
介して、画素TFT604のソース領域又はドレイン領
域として機能する高濃度不純物領域(n+領域)530
と電気的に接続されており、更に接続電極555を介し
て、保持容量605の高濃度不純物領域(p+領域)5
39とも電気的に接続されている。ウェットエッチング
処理の後、不要なレジストパターン(図示せず)を除去
する為、本発明のレジスト剥離装置を使用してレジスト
剥離工程を行う。此処では、第2の層間絶縁膜542に
有機系のアクリル樹脂膜が適用されている為、レジスト
除去処理にアッシング工程を導入することができず、レ
ジスト剥離工程のみでレジストパターン(図示せず)の
除去処理を行っている。尚、レジスト剥離工程の詳細
は、上記のドライエッチング処理後の保護膜成膜処理の
無いレジスト剥離工程と同様である為、此処では記載を
省略する(図14−B参照)。
【0091】以上の様に、アクティブマトリクス型液晶
表示装置のレジスト剥離工程に本発明のレジスト剥離装
置を適用することにより、レジスト剥離液による結晶質
シリコン膜から成る半導体層のエッチング損傷を高スル
ープットで確実に防止することが可能である。尚、レジ
スト剥離工程によっては、結晶質シリコン膜の露出が全
く有り得ない工程もあり、レジスト剥離装置の処理プロ
グラムを保護膜成膜処理の無いプログラムに変更して処
理することが可能である。この様に本発明のレジスト剥
離装置は、レジスト剥離工程により保護膜成膜処理の有
無をプログラム設定で簡単に変更可能で、高スループッ
トを維持した状態で、結晶質シリコン膜から成る半導体
層のエッチング損傷を確実に防止することが可能であ
る。尚、本実施形態に於いては、アクティブマトリクス
型液晶表示装置の作製方法について具体的に説明した
が、アクティブマトリクス型の有機EL表示装置の作製
方法にも適用可能であることは言うまでもない。
【0092】〔実施形態4〕本実施形態では、本発明の
レジスト剥離工程やレジスト剥離装置を適用して作製さ
れる半導体表示装置を組み込んだ電子機器の具体例につ
いて記載する。当該半導体表示装置としては、アクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置及びEL表示装置等があ
り、様々な電子機器の表示部に適用されている。此処で
は、半導体表示装置が表示部に適用された電子機器の具
体例を図16〜18に基づき記載する。
【0093】尚、半導体表示装置が表示部に適用された
電子機器としては、ビデオカメラとデジタルカメラとプ
ロジェクター(リア型又はフロント型)とヘッドマウン
トディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)とゲーム機
とカーナビゲーションとパーソナルコンピュータと携帯
情報端末(モバイルコンピュータ,携帯電話,電子書籍
等)等が挙げられる。
【0094】図16−Aは、本体1001と映像入力部
1002と表示装置1003とキーボード1004とで
構成されたパーソナルコンピューターである。当該表示
装置1003及び他の回路に、本発明の半導体表示装置
を適用することができる。
【0095】図16−Bはビデオカメラであり、本体1
101と表示装置1102と音声入力部1103と操作
スイッチ1104とバッテリー1105と受像部110
6とで構成される。当該表示装置1102及び他の回路
に、本発明の半導体表示装置を適用することができる。
【0096】図16−Cはモバイルコンピュータ(モー
ビルコンピュータ)であり、本体1201とカメラ部1
202と受像部1203と操作スイッチ1204と表示
装置1205とで構成される。当該表示装置1205及
び他の回路に、本発明の半導体表示装置を適用すること
ができる。
【0097】図16−Dはゴーグル型ディスプレイであ
り、本体1301と表示装置1302とアーム部130
3とで構成される。当該表示装置1302及び他の回路
に、本発明の半導体表示装置を適用することができる。
【0098】図16−Eはプログラムを記録した記録媒
体(以下、記録媒体と略記)に用いるプレーヤーであ
り、本体1401と表示装置1402とスピーカー部1
403と記録媒体1404と操作スイッチ1405とで
構成される。尚、この装置は記録媒体としてDVD及び
CD等が用いられ、音楽鑑賞又はゲーム又はインターネ
ットに利用可能である。当該表示装置1402及び他の
回路に、本発明の半導体表示装置を適用することができ
る。
【0099】図16−Fは携帯電話であり、表示用パネ
ル1501と操作用パネル1502と接続部1503と
表示部1504と音声出力部1505と操作キー150
6と電源スイッチ1507と音声入力部1508とアン
テナ1509とで構成される。表示用パネル1501と
操作用パネル1502は、接続部1503で接続されて
いる。表示用パネル1501の表示部1504が設置さ
れている面と操作用パネル1502の操作キー1506
が設置されている面との角度θは、接続部1503に於
いて任意に変えることができる。尚、当該表示部150
4に、本発明の半導体表示装置を適用することができる
(図16参照)。
【0100】図17−Aはフロント型プロジェクターで
あり、光源光学系及び表示装置1601とスクリーン1
602とで構成される。当該表示装置1601及び他の
回路に、本発明の半導体表示装置を適用することができ
る。
【0101】図17−Bはリア型プロジェクターであ
り、本体1701と光源光学系及び表示装置1702と
ミラー1703〜1704とスクリーン1705とで構
成される。当該表示装置1702及び他の回路に、本発
明の半導体表示装置を適用することができる。
【0102】尚、図17−Cは、図17−Aに示された
光源光学系及び表示装置1601と図17−Bに示され
た光源光学系及び表示装置1702に於ける構造の一例
を示した図である。光源光学系及び表示装置1601,
1702は、光源光学系1801とミラー1802,1
804〜1806とダイクロイックミラー1803と光
学系1807と表示装置1808と位相差板1809と
投射光学系1810とで構成される。投射光学系181
0は、投射レンズを備えた複数の光学レンズで構成され
る。この構成は、表示装置1808を3個使用している
為、三板式と呼ばれている。また、同図の矢印で示した
光路に於いて、光学レンズ及び偏光機能を有するフィル
ム又は位相差を調整する為のフィルム又はIRフィルム
等を適宜に配設しても良い。
【0103】図17−Dは、図17−Cに於ける光源光
学系1801の構造の一例を示した図である。本実施例
に於いては、光源光学系1801はリフレクター181
1と光源1812とレンズアレイ1813〜1814と
偏光変換素子1815と集光レンズ1816とで構成さ
れる。尚、同図に示した光源光学系1801は単なる一
例であり、当該構成に限定されないことは言うまでもな
い。例えば、光源光学系1801に、光学レンズ及び偏
光機能を有するフィルム又は位相差を調整するフィルム
又はIRフィルム等を適宜に付設しても良い(図17参
照)。
【0104】図18−Aは、単板式の例を示したもので
ある。同図に示した光源光学系及び表示装置は、光源光
学系1901と表示装置1902と投射光学系1903
と位相差板1904とで構成される。投射光学系190
3は、投射レンズを備えた複数の光学レンズで構成され
る。同図に示した光源光学系及び表示装置は、図17−
Aと図17−Bに於ける光源光学系及び表示装置160
1,1702に適用できる。また、光源光学系1901
は、図17−Dに示した光源光学系を使用しても良い。
尚、表示装置1902にはカラーフィルター(図示しな
い)が付設されており、表示映像のカラー化が図られて
いる。
【0105】図18−Bに示した光源光学系及び表示装
置は図18−Aの応用例であり、カラーフィルターを付
設する代わりに、RGBの回転カラーフィルター円板1
905を適用して表示映像をカラー化している。同図に
示した光源光学系及び表示装置は、図17−Aと図17
−Bに於ける光源光学系及び表示装置1601,170
2に適用できる。
【0106】図18−Cに示した光源光学系及び表示装
置は、カラーフィルターレス単板式と呼ばれている。こ
の方式は、表示装置1916にマイクロレンズアレイ1
915を付設し、ダイクロイックミラー(緑)1912
とダイクロイックミラー(赤)1913とダイクロイッ
クミラー(青)1914とを適用して表示映像をカラー
化している。投射光学系1917は、投射レンズを備え
た複数の光学レンズで構成される。同図に示した光源光
学系及び表示装置は、図17−Aと図17−Bに於ける
光源光学系及び表示装置1601,1702に適用でき
る。また、光源光学系1911としては、光源の他に結
合レンズ及びコリメーターレンズを用いた光学系を適用
しても良い(図18参照)。
【0107】以上の様に、本発明は、その適用範囲が極
めて広く、アクティブマトリクス型の液晶表示装置及び
EL表示装置等の半導体表示装置を組み込んだ様々な電
子機器に適用可能である。
【0108】
【発明の効果】本発明の効果について、以下に列記す
る。第1の効果は、レジスト剥離工程に於いて、レジス
ト剥離液によるTFTのシリコン系半導体膜のエッチン
グ損傷を確実に防止できることである。第2の効果は、
TFTのシリコン系半導体膜のエッチング損傷を確実に
防止できる為、TFTの電気特性の安定化と半導体装置
の歩留向上にも有効なことである。第3の効果は、本発
明のレジスト剥離装置を適用することにより、第1の効
果と第2の効果を維持した状態で、レジスト剥離工程の
高スループット化を図ることが可能なことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 TFTの作製工程を示す工程断面図である。
【図2】 TFTの作製工程を示す工程断面図である。
【図3】 多結晶シリコン膜の成膜工程を示す工程断面
図である。
【図4】 触媒元素を利用して得られる結晶質シリコン
膜の成膜工程を示す工程断面図である。
【図5】 レジスト剥離装置の全体概略を示す平面図で
ある。
【図6】 保護膜成膜ユニットの具体的構成を示す側面
断面図である。
【図7】 保護膜成膜ユニットの具体的構成を示す側面
断面図である。
【図8】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製
工程を示す工程断面図である。
【図9】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製
工程を示す工程断面図である。
【図10】アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製
工程を示す工程断面図である。
【図11】アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製
工程を示す工程断面図である。
【図12】アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製
工程を示す工程断面図である。
【図13】アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製
工程を示す工程断面図である。
【図14】アクティブマトリクス型液晶表示装置の作製
工程を示す工程断面図である。
【図15】nチャネル型TFTの構造を示す断面図及び
平面図である。
【図16】半導体表示装置を組み込んだ電子機器の例を
示す概略図である。
【図17】半導体表示装置を組み込んだ電子機器の例を
示す概略図である。
【図18】半導体表示装置を組み込んだ電子機器の例を
示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/768 H01L 21/30 572B 5F110 29/786 21/90 C Fターム(参考) 2H088 FA16 FA18 FA21 FA24 MA20 2H092 JA25 JA34 JA37 JA46 JB01 JB56 JB57 KA04 KA05 KA12 KA18 KB22 MA05 MA08 MA10 MA13 MA15 MA18 MA22 MA23 MA25 MA27 MA30 NA11 NA29 4M104 BB02 BB14 BB32 BB36 CC01 CC05 DD08 DD16 DD18 DD20 DD23 DD37 DD65 DD91 EE03 EE14 EE16 FF17 FF18 FF22 GG09 HH15 5F033 HH08 HH09 HH10 HH18 HH19 HH21 HH32 HH38 JJ01 JJ08 JJ18 KK01 MM05 MM13 NN06 NN07 PP15 QQ08 QQ09 QQ10 QQ11 QQ13 QQ34 QQ37 QQ58 QQ65 QQ73 QQ94 RR04 RR06 RR08 RR21 SS13 SS15 SS22 SS25 VV15 WW02 WW03 XX09 XX16 5F046 MA10 5F110 AA26 BB02 BB04 CC02 DD02 DD03 DD15 DD17 EE01 EE04 EE06 EE14 EE44 FF02 FF04 FF30 FF32 GG02 GG13 GG22 GG25 GG32 GG33 GG34 GG45 GG47 GG51 GG52 HJ01 HJ04 HJ12 HJ23 HL03 HL04 HL12 HL14 HL23 HL26 HM15 NN03 NN04 NN22 NN24 NN27 NN35 NN36 NN73 PP01 PP03 PP04 PP10 PP23 PP29 PP34 PP35 QQ04 QQ11 QQ24 QQ28

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体の表面にシリコン系半導体膜を成膜す
    る第1の工程と、前記シリコン系半導体膜をパターン形
    成して薄膜トランジスタの活性層となる半導体層を形成
    する第2の工程と、前記半導体層を被覆する様にゲート
    絶縁膜を堆積する第3の工程と、前記ゲート絶縁膜上に
    ゲート電極膜を堆積する第4の工程と、前記ゲート電極
    膜をパターン形成してゲート電極を形成する第5の工程
    と、一導電型の不純物元素をドーピングすることにより
    前記ゲート電極の外側に対応する前記半導体層にソース
    領域及びドレイン領域を形成する第6の工程と、前記ゲ
    ート電極を被覆する様に第1の層間絶縁膜を堆積する第
    7の工程と、前記第1の層間絶縁膜上に第2の層間絶縁
    膜を成膜する第8の工程と、前記第2の層間絶縁膜上に
    レジストパターンを形成する第9の工程と、前記レジス
    トパターンをマスクに前記ゲート絶縁膜と前記第1の層
    間絶縁膜と前記第2の層間絶縁膜とから成る積層膜をド
    ライエッチング処理しコンタクトホールを形成する第1
    0の工程と、有機系のレジスト剥離液により前記レジス
    トパターンを剥離する第11の工程とを備えた半導体装
    置の作製方法に於いて、前記第11の工程は、前処理と
    して前記コンタクトホールの底部に存在する前記シリコ
    ン系半導体膜の露出した表面に前記レジスト剥離液に対
    する保護膜を成膜することを特徴とする半導体装置の作
    製方法。
  2. 【請求項2】請求項1に於いて、前記保護膜として、シ
    リコン酸化膜を成膜することを特徴とする半導体装置の
    作製方法。
  3. 【請求項3】請求項2に於いて、前記シリコン酸化膜
    は、オゾン含有水で処理することにより成膜することを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】請求項2に於いて、前記シリコン酸化膜
    は、過酸化水素水で処理することにより成膜することを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】請求項2に於いて、前記シリコン酸化膜
    は、酸素を含む雰囲気中での紫外線照射によるオゾン処
    理で成膜することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】請求項1に於いて、前記保護膜として、シ
    リコン酸窒化膜を成膜することを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
  7. 【請求項7】請求項6に於いて、前記シリコン酸窒化膜
    は、窒素原子と酸素原子を含む反応性ガスの雰囲気中で
    プラズマ処理することにより成膜することを特徴とする
    半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】請求項6に於いて、前記シリコン酸窒化膜
    は、窒素酸化物の雰囲気中でプラズマ処理することによ
    り成膜することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】請求項1に於いて、前記保護膜として、シ
    リコン窒化膜を成膜することを特徴とする半導体装置の
    作製方法。
  10. 【請求項10】請求項9に於いて、前記シリコン窒化膜
    は、窒素原子を含み酸素原子を含まない反応性ガスの雰
    囲気中でプラズマ処理することにより成膜することを特
    徴とする半導体装置の作製方法。
  11. 【請求項11】請求項9に於いて、前記シリコン窒化膜
    は、アンモニアガスの雰囲気中でプラズマ処理すること
    により成膜することを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  12. 【請求項12】請求項7又は8又は10又は11に於い
    て、100〜200℃の処理温度で前記プラズマ処理を
    行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  13. 【請求項13】請求項1に於いて、前記第1の層間絶縁
    膜として、膜厚50〜300nm、好ましくは膜厚10
    0〜200nmのシリコン酸窒化膜又はシリコン窒化膜
    を堆積することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  14. 【請求項14】請求項1に於いて、前記第2の層間絶縁
    膜として、膜厚0.7〜3μm、好ましくは膜厚1〜2
    μmのアクリル樹脂膜を成膜することを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  15. 【請求項15】基体の表面にレジスト剥離液に対する保
    護膜を成膜する為の成膜手段と、前記基体の表面に形成
    されているレジストパターンをレジスト剥離液により除
    去する為のレジスト剥離液処理手段とを備えたことを特
    徴とするレジスト剥離装置。
  16. 【請求項16】請求項15に於いて、前記基体の表面に
    付着している前記レジスト剥離液を洗浄する為の水洗手
    段と前記基体を乾燥する為の乾燥手段とを備えたことを
    特徴とするレジスト剥離装置。
  17. 【請求項17】請求項15に於いて、前記基体の表面に
    付着している前記レジスト剥離液を洗浄する為のイソプ
    ロピルアルコール処理手段及び水洗手段と、前記基体を
    乾燥する為の乾燥手段とを備えたことを特徴とするレジ
    スト剥離装置。
  18. 【請求項18】請求項15に於いて、前記成膜手段は、
    オゾン含有水処理部から成るシリコン酸化膜成膜部で構
    成されていることを特徴とするレジスト剥離装置。
  19. 【請求項19】請求項15に於いて、前記成膜手段は、
    過酸化水素水処理部から成るシリコン酸化膜成膜部で構
    成されていることを特徴とするレジスト剥離装置。
  20. 【請求項20】請求項15に於いて、前記成膜手段は、
    酸素を含む雰囲気中で紫外線照射処理する紫外線照射処
    理部から成るシリコン酸化膜成膜部で構成されているこ
    とを特徴とするレジスト剥離装置。
  21. 【請求項21】請求項15に於いて、前記成膜手段は、
    窒素原子と酸素原子を含む反応性ガスの雰囲気中でプラ
    ズマ処理するプラズマ処理部から成るシリコン酸窒化膜
    成膜部で構成されていることを特徴とするレジスト剥離
    装置。
  22. 【請求項22】請求項15に於いて、前記成膜手段は、
    窒素酸化物の雰囲気中でプラズマ処理するプラズマ処理
    部から成るシリコン酸窒化膜成膜部で構成されているこ
    とを特徴とするレジスト剥離装置。
  23. 【請求項23】請求項15に於いて、前記成膜手段は、
    窒素原子を含み酸素原子を含まない反応性ガスの雰囲気
    中でプラズマ処理するプラズマ処理部から成るシリコン
    窒化膜成膜部で構成されていることを特徴とするレジス
    ト剥離装置。
  24. 【請求項24】請求項15に於いて、前記成膜手段は、
    アンモニアガスの雰囲気中でプラズマ処理するプラズマ
    処理部から成るシリコン窒化膜成膜部で構成されている
    ことを特徴とするレジスト剥離装置。
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