JP2003264136A - 位置検出方法、面形状推測方法及びそれを用いた露光装置、デバイスの製造方法 - Google Patents
位置検出方法、面形状推測方法及びそれを用いた露光装置、デバイスの製造方法Info
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Abstract
低減し、広範囲の領域にわたって正確に計測する。 【解決手段】 所定のパターンが形成されたレチクル面
上の複数の点の、前記レチクル面と略垂直な方向の位置
を検出する検出手段と、前記レチクル面に垂直な方向に
所定の高さを有する枠と塵付着防止膜とを有する塵付着
防止手段とを有する位置検出装置であって、前記検出手
段は、光源からの光を前記レチクル面に導く光照射部と
前記レチクル面からの反射光を受光する受光部とを有し
ており、前記レチクル面に入射する光の入射角度が45
度以上80度以下である。
Description
子、又は液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ
工程でレチクルパターンをウエハ等の基板上に露光する
際に使用される投影露光方法、及び投影露光装置に関す
る。
ーのような一括露光型の投影露光装置の他に、ステップ
・アンド・スキャン方式のような走査型の投影露光装置
(走査型露光装置)も使用されつつある。この種の投影
露光装置の投影光学系においては、限界に近い解像力が
求められているため,解像力に影響する要因(例えば大
気圧、環境温度等)を測定して、測定結果に応じて結像
特性を補正する機構が備えられている。また、解像力を
高めるべく投影光学系の開口数が大きく設定され、その
結果として焦点深度がかなり浅くなっているため,斜入
射方式の焦点位置検出系により基板としてのウエハの表
面の凹凸のフォーカス位置(投影光学系の光軸方向の位
置)を計測し、この計測結果に基づいてウエハの表面を
投影光学系の像面に合わせ込むオートフォーカス機構が
備えられている。
チクルの変形による結像誤差も次第に無視できなくなっ
てきている。即ち、仮にレチクルのパターン面がほぼ一
様に投影光学系側に撓むと、結像位置もレチクルのパタ
ーン面が変位するのと同じ方向に変位するため、ウエハ
の位置が同じではデフォーカスが発生してしまう。ま
た、レチクルのパターン面が変形するとパターンのパタ
ーン面内の位置(投影光学系の光軸に垂直な平面内方向
の位置も変化することがあり、このようなパターンの横
ずれはディストーション誤差の要因にもなる。
すると、(a)自重変形(b)レチクルパターン面の平
坦度(c)レチクルをレチクルホルダに吸着保持する際
の接触面の平面度により発生する変形(塵の挟み込みを
含む)が考えられる。これらの要因によって生じるレチ
クルの変形量は0.5μm程度であり、このようなレチ
クルを投影光学系(投影倍率1/4倍)で投影すると、
結像面でのレチクルの変形方向に関する位置ずれが30
nmとなり無視できないほど大きくなってしまう。そこ
で、レチクルのパターン面の変形を計測し、その計測結
果に従って結像性能を補償することが考えられる。しか
し、そのレチクルの計測は、かなり高精度に行わなけれ
ばならず、レチクルパターン面の変形量は0.1μm程
度の計測精度で計測する必要がある。また、このような
レチクルの変形の状態は、レチクル毎に、更には露光装
置のレチクルホルダ毎に異なってくるため、レチクルの
変形量を正確に測定するためには、レチクルを実際に投
影露光装置のレチクルホルダに吸着保持した状態で測定
する必要がある。
装置においてより高い結像性能を得るためには、ウエハ
のみならず、レチクル側でもパターン面の形状を計測す
ることが望ましい。そこでレチクルの面形状を計測する
ために、ウエハのフォーカス位置を検出するための斜入
射方式のAFセンサーと同様の位置センサーをレチクル
ステージ側にも配置することが考えられる。
即ち投影光学系側にあることからパターン面形状を検出
するセンサーの検出光も下面側から斜入射することにな
る。ところが、この検出光はレチクルのパターン面に直
接入射するためにそのパターンの反射率の違い(クロム
とガラスの反射率)により検出光が影響を受け、正確な
面形状を検出できなくなるという不都合が生じる。
着しないように、金属枠を介して防塵膜(ペリクル)が
張設されることがある。この場合、その金属枠に斜入射
光が遮られないように制約もあるため、あまり浅い角度
(大きな入射角)でレチクルのパターン面に検出光を照
射することはできない。
式の位置センサーの検出光入射方向によりパターン面の
位置検出可能領域には制限が加わり、パターン面のショ
ット領域全域の面形状を直接計測することは困難であ
る。
クのパターンの投影を良好に行うことを目的とするもの
である。
めに、本発明の位置検出装置は、所定のパターンが形成
されたレチクル面上の複数の点の、前記レチクル面と略
垂直な方向の位置を検出する検出手段を有する位置検出
装置であって、前記検出手段は、光源からの光を前記レ
チクル面に導く光照射部と、前記レチクル面からの反射
光を受光する受光部とを有し、前記レチクル面に入射す
る光の入射角度が45度以上であることを特徴としてい
る。
ル面上の複数の点の、前記レチクル面と略垂直な方向の
位置を検出する検出手段と、前記レチクル面に垂直な方
向に所定の高さを有する枠と塵付着防止膜とを有する塵
付着防止手段とを有する位置検出装置であって、前記検
出手段は、光源からの光を前記レチクル面に導く光照射
部と前記レチクル面からの反射光を受光する受光部とを
有しており、前記レチクル面に入射する光の入射角度が
80度以下であると尚好ましい。さらに、前記レチクル
面に入射する光の入射角度が45度以上であれば尚良
い。
めのパターンであり、前記レチクル面と略垂直な方向か
ら見たときに、前記検出光が走査方向に対して斜めに傾
いて前記レチクル面に入射するようにしても良い。ま
た、前記レチクル面と略垂直な方向から見たときに、前
記検出光が前記走査方向となす角度が20度以上70度
以下であるようにしても良い。また、略長方形の領域内
に所定のパターンが形成されたレチクル面上の複数の検
出点の、前記レチクル面と略垂直な方向の位置を検出す
る検出手段を有する位置検出装置であって、前記検出手
段が、光源からの検出光を前記レチクル面に導く光照射
部を有しており、前記レチクル面に入射する前記検出光
は、前記レチクル面と垂直な方向から見たときに、前記
長方形のいずれかの一辺と20度以上70度以下の角度
をなすことを特徴としている。
るレチクルであり、前記走査型露光装置の走査方向と直
交する方向に関して、検出点を3点以上設けるようにし
ても良い。
ターンが形成されたレチクル面上の複数の、前記レチク
ル面に対して垂直な方向の位置を検出する検出手段と、
前記レチクル面に垂直な方向に所定の高さを有する枠と
塵付着防止膜とを有する塵付着防止手段とを備える位置
検出装置であって、前記検出手段は、光源からの光を前
記レチクル面に導く光照射部と、前記レチクル面からの
反射光を受光する受光部とを有しており、前記レチクル
面に入射する光と平行な光によって、前記所定のパター
ンが形成されている領域の80%以上の領域を照射する
ことが可能であることを特徴としている。また、本発明
の面形状推測装置は、前述の位置検出装置の検出結果に
基づいて、前記レチクル面の前記検出点以外の面形状を
推測することを特徴としている。また、本発明の露光装
置は、上述の位置検出装置及び/又は上述の面形状推測
装置を備え、前記パターンを感光基板に投影露光するこ
とを特徴としている。上述の位置検出方法の検出結果及
び/又は上述の面形状推測方法の推測結果に基づいて、
前記レチクルの交換及び/又は前記レチクルの再設置を
警告する警告手段を有するようにすれば尚好ましい。
述の露光装置を用いて基板を露光する工程と、前記基板
を現像する工程とを有することを特徴としている。
例につき図面を参照して説明する。本例は、ステップ・
アンド・スキャン方式(走査型)の投影露光装置を用い
て露光を行う場合に本発明を適用したものである。図1
には、投影露光装置の主要部が示されている。同図にお
いて、レチクルRはパターン形成面を下にして紙面と直
交方向に走査可能なレチクルホルダによって真空吸着に
より保持されている。レチクル上方には露光用の光を出
力する光源1が設けられており、この光源とレチクルR
との間には照明光学系2が設けられている。レチクルを
挟んで照明光学系2の反対側には投影光学系PLを挟ん
で露光対象であるウエハWが配置されている。このウエ
ハWはウエハ全面の露光、スキャン露光、フォーカス補
正が可能なようにXYZ方向および傾きが駆動可能なウ
エハステージWSTに載置されている。
的な投影露光装置と同様である。すなわち、光源1から
射出された露光光は、照明光学系2によってレチクルR
に照射される。そして、レチクルに描画されているパタ
ーンの像は、露光光により、投影光学系PLを通じてウ
エハW上に投影される。レチクルRとウエハWは相対的
に紙面と直交方向に走査されることによりワンショット
の露光を行なうものである。
ルホルダの下側にレチクル面位置検出系が設けられてい
る。このレチクル面位置検出系はウエハの露光面を投影
光学系の結像面に合わせ込むための斜入射タイプのフォ
ーカスセンサーと同様の構成、機能を備えており、光照
射部と光検出部によって構成されている。すなわち、光
照射部からレチクルのパターン形成面に検出光を照射
し、その反射光を光検出部で検出することにより、レチ
クルの面位置を検出するものである。光照射部は、発光
ダイオードなどの光源5と、投影マーク用スリット6、
投影レンズ7を主要構成としている。光検出部は、受光
レンズ8とCCDセンサーなどのディテクタ9を主要構
成としている。ここで、レチクル走査方向(紙面と垂直
な方向)とレチクル走査方向と直交する方向(紙面の左
右方向)に複数の検出系を配置した上でこのレチクルを
走査することによりレチクル面上の複数の点(検出点)
において面位置を測定し、その測定結果からレチクル面
の面形状を計測する構成としている。
状は形状記憶部10で記憶され、さらに演算部11でレ
チクル全面の近似面を算出する。
クルのパターン面の撓みを補正する方法としては以下の
ような方法が考えられる。
に対して撓みを補正する方向に力を加えることにより、
レチクルの撓みを物理的に補正する。ここでアクチュエ
ータは圧電素子に限らないし、またボルトとナット等を
用いてレチクルに力を加えるようにしても良い。また、
レチクルの上面側及び/又は下面側に気圧を制御するこ
とができる密閉空間を設け、この空間内の圧力を制御し
てレチクルの撓みを補正するようにしても良い。
影光学系の光軸方向(Z方向)に動かしつつ走査方向に
駆動することにより、光学的に補正を行う。走査方向の
撓みに関してはウエハステージを上下に動かすことによ
り、レチクルのパターン面とウエハ表面の共役関係を良
好に保ちつつ走査露光を行い、走査方向と直交する方向
の撓みに関しては投影光学系内の光学素子を動かすこと
により像面湾曲を発生させ、撓んだレチクルのパターン
面がウエハ表面に良好に結像されるように調整しつつ走
査露光を行う。このウエハステージの調整と投影光学系
の調整の両方をリアルタイムで行いつつ走査露光を行え
れば最良であるが、両者をリアルタイムで実行するのが
困難な場合、レチクルを走査方向に関して複数の領域に
分割し、その複数の領域ごとにウエハステージの光軸方
向(Z方向)に駆動するようにすると制御が簡単にな
る。また、走査方向と直交する方向のレチクルの撓みに
関しては以下のように対処する。通常、撓んだレチクル
を投影光学系で投影すると像面が湾曲してしまう。そこ
で、投影光学系の光学素子(レンズでもミラーでも可)
を投影光学系の光軸方向に移動することによって、投影
光学系の像面湾曲を変化させて、レチクルの湾曲に起因
する像面の湾曲と、投影光学系の光学素子を移動するこ
とによって変化する像面湾曲とが相殺するように設定す
ることによって、レチクルの撓みを光学的に補正してい
る。
により、レチクル全面において、レチクルの湾曲の影響
を十分に低減することができれば、走査方向の撓みも走
査方向と直交する方向の撓みも、光学素子を動かすこと
により光学的に補正することができる。
結像面の湾曲を許容範囲内に低減できず、露光の結像性
能に支障があると判断した場合、制御系12を通じてレ
チクルステージRSTに信号を送り、レチクルの交換、
再設置を促す機能を有している。
ついて説明する。
面位置検出系の動作を説明する。光源5から射出された
光は、投影マーク用スリット6を通過し投影レンズ7に
よってレチクルのパターン面付近で集光する。そして、
レチクルのパターン面で反射された光は、受光レンズ8
を通してディテクタ9上で再び集光する。このレチクル
面付近で集光する位置を検出点とし、検出点をスキャン
方向と直交する方向に複数設ける。この状態でレチクル
を走査しつつ一定のピッチで検出点の面位置検出を行
い、その結果からレチクル面の面形状を計測する。さら
に具体的に面形状を検出する方法を説明する。面位置検
出系においては図2のように光照射系5からの検出光が
破線で描かれているレチクル面に斜入射され、反射され
た光が光受光部9に入射する。その検出光をCCDセン
サー等で取り込むと図3(i)のような波形が検知で
き、波形の重心位置を位置情報とすることでレチクル面
上の検出点の位置を検出する。例えば図2の実線で描か
れているようにレチクルパターン面が撓んでいたとする
とそのレチクル面から反射されて光検出系に入射する検
出光は図2の実線で描かれた矢印の方向にシフトするこ
とになる。その際、検出系5,9で検知される検出波形
(重心位置)は図3(ii)のようにパターン面形状に
応じて、もとの波形位置からシフトすることになる。そ
れぞれの波形の重心がシフトする量から、検出点のZ方
向(レチクル面と垂直な方向)の位置を検出する。
るときに、検出光がパターンが形成されている部分(ク
ロムが塗布されている部分)とパターンが形成されてい
ない部分(クロムが塗布されておらず、レチクル基板で
あるガラスが剥き出しになっている部分)との両方に照
射される場合、検出光で取り込まれる波形が崩れてしま
う現象が起きることが有る。このことにより検出点(パ
ターン面)のZ方向の位置を誤計測してしまう。具体的
には、図4に示す検出光照射部(図4の下側の図中の四
角で囲った部分)に検出光が当たった場合、検出光はレ
チクル面に斜入射し、その光がパターン形成部とパター
ンが形成されていない部分の両方に照射されると、両者
の反射率差(クロムとガラスの反射率差)により、レチ
クル面で反射されて光受光部に取り込まれる検出光の波
形が崩れてしまう。その波形の崩れにより波形の重心が
変化してしまい、レチクル面上の検出点の位置を誤計測
する原因となる。具体的には、図4の下側の図におい
て、四角で囲んだ領域に検出光が当たった場合、ガラス
の方がクロムよりも反射率が低いため、図4の上側の図
のように反射光の波形が崩れてしまい、波形の重心が
(本来重心があるべき位置よりも)左側にずれてしま
う。このような誤計測を防ぐ、もしくは計測誤差を小さ
くするための対応策が必要である。
たその原因となるパターンの反射率比(クロムの反射率
/ガラスの反射率)の関係を示したのが図5である。図
5から、入射角度を大きくしていくと、クロムとガラス
の反射率比が小さくなり、計測誤差も小さくなることが
分かる。露光装置のレチクルパターン面の検出におい
て、各検出点の計測誤差は0.1μm程度以内に抑える
必要がある。図5において、検出光のパターン面への入
射角度を45°以上にすれば、クロムとガラスの反射率
比を低く抑えることができ、計測誤差0.1μm以内と
いう上記の性能を満足することができることがわかる。
いたが、このガラスは、石英、フッ素ドープ石英、蛍石
等であっても構わない。また、ガラス、石英、フッ素ド
ープ石英、蛍石に反射防止膜等を塗布した上にクロムで
パターンを形成したものをレチクルとしていても構わな
い。
と計測精度はよくなるが、実際の露光装置に用いるレチ
クルには図1に示すように金属枠4を介して塵付着防止
膜(ペリクル)3が張設されることがあり、検出光のパ
ターン面への入射角の設定範囲には制約があるのが実情
である。例えば、図6はパターン面に入射する検出光を
スキャン方向と直交する方向と平行にした場合である。
この場合に、パターン面への検出光の入射角度をθ1
0、θ11、θ12と3種類想定した。それぞれの入射
角度の検出光がそれぞれ所定のNAを持っていることを
考え合わせると、図6のように入射角度が大きいほど、
位置検出可能領域がペリクルから遠ざかっていることが
分かる。
レチクルのパターン面をパターン面に垂直な方向から見
た図であり、金属枠とはペリクルの枠のことでありここ
では金属としたが、金属以外で枠を形成していても構わ
ない。また、ショット領域とは、レチクル上で投影する
パターンが形成されている領域のことである。ここで、
検出光のパターン面への入射角度がもっとも小さいθ1
2の場合、図7における検出領域1,2,3のすべての
領域が検出可能である。次に2番目に入射角度が小さい
θ11の場合、検出領域2,3の領域が検出可能であ
る。最後にもっとも入射角度が大きいθ10の場合検出
領域3の領域だけが検出可能である。
面への入射角度は45度以上にしないと所望の計測精度
が得られないが、入射角度が大きすぎると、パターン面
内の検出可能領域が小さくなってしまい、ショット領域
全域を位置検出することができなくなってしまうことが
分かった。
わずにショット領域全域の面形状を知るための方法とし
て、検出領域内の複数の検出点における計測結果に基づ
いてショット領域内のレチクル面の形状を近似計測する
ことが考えられる。
面の近似計測において重要な検討要素となる検出スパン
(検出点間の間隔)、検出点数と、レチクルの撓み面を
近似する際の精度との関連性について説明する。
なレチクルの撓み面を想定する。そして、ここでは位置
検出を行う点を3点とし、その3点の検出点における検
出結果に基づいてレチクルパターン面の近似面を描いて
いる。このとき、実際のレチクルの撓みのレンジをR
真値、近似した撓み面のレンジをR計測とする。(ここ
ではショット領域を撓み評価領域とし、ショット領域内
での面位置の最大値、最小値のレンジをRと定義してい
る。)。さらに図10(ii)には3点の検出点の検出
スパンを図10(i)よりも大きくした場合を、図10
(i)と同じように示している。この結果から、検出ス
パンが小さいときよりも、検出スパンが大きいときの方
が、レチクルパターン面の近似面の形状が、実際のレチ
クルパターンの形状に近いことが分かる。つまり、検出
点数が決まっている場合、検出スパンは大きい方が近似
面の精度が上がることが分かった。
(i)とほぼ同じ領域内に検出点を配置しているが、そ
の検出点の数を増やした場合である。ここで、図10の
(i)と図10(iii)とを比較すると、検出点検出
点検出点数が少ないときよりも、検出点数が多い場合の
方が、レチクルパターン面の近似面の形状が、実際のレ
チクルパターン面の形状に近いことが分かる。つまり、
検出する領域(検出可能領域)が同じ場合、検出点数を
増やした方が、レチクルパターン面の近似面の形状が実
際のパターン面の形状に近いことが分かる。検出点検出
点検出点以上のように実際のレチクル撓み面を精度よく
計測するためには検出点数を増やす、もしくは検出スパ
ンを大きくしてレチクル撓み面を近似計測することが必
要である。そこで各検出点での計測誤差を0.1μm以
内とし、検出点(3点以上)、検出スパン(検出光のパ
ターン面への入射角度や入射方向により制限があるが、
ここではショット領域内で設けることができる最大スパ
ンとする)を設定してレチクル面形状を近似計測した。
そのときの検出可能領域(対ショット領域)と前述した
レチクル撓みのレンジ差(R計測−R真値)の関係を図
11に示した。これによるとレチクル面形状を近似計測
するときに検出領域がショット領域の80%以上であれ
ばレンジ差を0.1μm以下にできることが分かる。
計測システム構成例を以下に示す。実際のレチクル面形
状検出においてレチクル面の非走査方向には検出装置の
実装上の制約があり、多くの検出点を構成できない場合
がある。逆にスキャン方向には検出点を増やすことは、
計測ピッチを小さくすることにより可能である。そのた
め図12にあるようにレチクル面の検出領域の非走査方
向は検出スパンを大きくし(検出点数に限りがあるた
め)、走査方向は検出点数を増やすことによりレチクル
パターン面の面形状を精度良く近似することが考えられ
る。その際、それぞれの検出方向(スキャン方向、スキ
ャン方向と直交する方向)において、適当な検出光の入
射方向φ(レチクルのパターン面と垂直な方向から見た
ときの、スキャン方向とパターンに入射する検出光のな
す角度)を設定することにより直接検出できる領域を広
げるようにすれば、さらにパターン面の近似面の精度が
上がるものと考えられる。そこで、入射方向φと検出可
能領域との関連性について以下に検討した。
明図である。図8、9にあるように検出光の入射角度
θ、入射方向φ、開口数θNA、金属枠の大きさ内枠
(Pxin×Pyin)、外枠(Pxout×Pyou
t)、全ショット領域(Pxshot×Pysho
t)、金属枠高さh、レチクルパターン面の最大検出領
域(X×Y)とすると、X方向における金属枠の内枠か
ら最大検出領域(検出可能領域)の端までの距離a、Y
方向における金属枠の内枠から最大検出領域(検出可能
領域)の端までの距離bは次の式で表される。
の入射角度による検出可能領域を図示したのが図13で
ある。ここでは、図6と同様θ10、θ11、θ12
(θ10>θ11>θ12)という3種類の入射角度を
想定し、それぞれの入射角度について検出可能領域を検
討した。図13から、入射角度がθ12の時(入射角度
がもっとも小さいとき)、検出領域1,2,3すべての
領域(ショット領域全域)が検出可能であり、入射角度
がθ11の時、検出領域2,3の領域(ショット領域の
約80%)が検出可能であり、入射角度がθ10の時、
検出領域3のみ(ショット領域の約50%)が検出可能
である。つまり、θ10は入射角度が大きすぎるため、
ショット領域のうちの約50%の領域にしか検出点を設
けられないため、所望の近似面の精度(0.1μm以
下)を得ることができないことが分かる。
ン面の形状を推測(近似)するためには、検出光のパタ
ーン面への入射角度が45度以上(レチクルの基板がガ
ラスで、そのガラス基板上にクロムでパターンを描いた
場合)であり、尚且つ、レチクルのショット領域のうち
80%以上の領域に検出点を設けることができるような
入射角度、入射方向で検出光をレチクルのパターン面に
入射させる必要がある。
を146mm、Pxoutを124mm、Pyoutを
150mm、Pxshotを108mm、Pyshot
を134mm、hを6.3mmとしたとき、ショット領
域内の検出可能領域が80%以上になる場合について計
算を行った。その結果が図14である。図中のIは、各
々の検出点における検出誤差が0.1μm以下となるた
めの条件、II及び斜線部は、ショット領域のうち80%
以上が検出可能領域となるための条件である。尚、この
結果は、入射方向45度の線に関して線対称な結果とな
るため、入射方向45度以上の領域に関してはここでは
割愛した。この図14より、入射角度は45度以上80
度以下にすると、所望の精度でパターン面の近似面を推
測できることが分かる。この45度以上80度以下とい
う入射角度は、ガラス基板上にクロムでパターンを形成
した場合、及び金属枠やショット領域を上記のような数
値に設定した場合に限らず、他の様々な状況において適
用可能である。具体的には、レチクルの基板がガラスで
なくても良いし、パターンを形成する材料がクロムでな
くても良い。また、金属枠の高さ、内枠の大きさ及びシ
ョット領域の大きさが上記の設定した数値と異なるもの
であっても、レチクル及び金属枠(ペリクル)を用いる
場合、上記のような入射角度を設定するのが好ましいと
考えられる。これは下記の検出光の入射方向φに関して
も同様のことが言える。
にわたって直接計測できない状況で、検出光の入射方向
φを0度より大きく90度より小さい角度に設定するこ
とにより、スキャン方向においては直接検出できない領
域が大きくなるものの、非スキャン方向はショット領域
の全てにわたり直接計測できる(検出領域X:108〜
120mm、Y:107〜108mm)。この検出領域
において、レチクル面形状の近似計測精度が向上するよ
うに検出点数、検出スパンを適宜設定してもよい。
90度より小さい)に設定した場合においてショット領
域とペリクル内枠までにあるパターン描画されていない
領域に検出点を設けてもよい。
射方向が、パターン面と垂直な方向から見たときに、ス
キャン方向に対して20度以上70度以下の角度をなす
ように構成すると、ショット領域内に対して検出可能領
域の割合がさらに上がり、近似面の精度をさらに上げる
ことが可能になる。
出された面位置情報は形状記憶系10で記憶される。そ
してその面位置情報をもとに演算部11でレチクル全面
での面形状を近似して算出する。そのとき、露光の結像
性能を低下させるほどの面形状が算出された場合、走査
方向の撓み情報はウエハステージに送られスキャン露光
時のフォーカス駆動量が良好となるように補正が行なわ
れる。または、このレチクルの面形状計測結果から露光
の結像性能に支障があると判断した場合、制御系12を
通じてレチクルステージRSTに信号を送り、レチクル
の交換、もしくはレチクルの再設置を促す機能を有して
いる。
て検出点は3点に限定する必要は無く、1点、2点でも
構わないし、4点以上の検出点を設けても構わない。ま
た、本実施例においては、レチクルの基板としてガラス
を用い、そのガラス基板上にクロムを塗布してパターン
を形成したが、レチクルの基板や塗布する材料は勿論別
の材料を用いても構わない。
て本発明を適用したが、走査型以外の露光装置に本発明
を適用しても構わない。走査型露光装置以外の露光装置
に適用した場合、上記の実施例において、スキャン方向
と定義していた方向は、レチクルにおいてパターンが形
成されている実質的に長方形のショット領域のいずれか
一辺と置き換えれば良い。
(所謂スキャナー)、或いは通常のステッパーと呼ばれ
る露光装置に適用することは可能である。さらに、その
ような露光装置によりウエハを露光する工程と、公知の
装置を用いて現像する工程等を有するデバイスの製造方
法に適用することも可能である。
パターン面による計測誤差を小さくするために検出光に
偏光を用いてもよい。その際には、前述と同じように計
測精度が小さくなるような検出光の入射角度、入射方向
を決定するものとする。
用した露光装置)において、複数の検出点における位置
検出の結果から及び/又は複数の検出点における位置検
出の結果に基づいたパターン面形状(位置)の推測結果
から、露光を行う際に結像性能に支障を及ぼすことが必
至な場合は、レチクルの交換、レチクルの再設置等を促
す警告機能を備えるようにすれば、パターン面の撓みや
平面度の悪さによる露光性能の悪化に伴う歩留りの低下
を未然に防ぐことができる。
出方法によれば、計測光の入射角度を45〜80°に設
定することによりレチクル面上に描画されているパター
ンに起因する検出点ごとの検出誤差を抑えることが可能
であり(例えば0.1μm以下)、また同時に検出光を
斜め方向(スキャン方向に対して)から入射させること
によりレチクル面形状を近似計測する際に必要な検出点
設置可能領域をスキャン、非スキャン両方向において広
範に確保することができ(ショット領域に対して80%
以上)、レチクル面近似計測誤差も抑えることができる
(0.1μm以下)。これにより露光すべきショット領
域全面における面形状情報を高精度に得ることができ
る。
法により得られた結果から、ベストフォーカス,ディス
トーションが良好となるようにウエハステージ駆動量制
御にフィードバックすることにより良好な結像性能が得
られる。さらに、露光の結像性能に支障があると判断さ
れた場合、レチクルの交換、再設置を促す警告機能が備
えられているため、たわみや平面度変化により発生する
不良を未然に防止する効果がある。
す図である。
を示す図である。
(i)基準状態(ii)Z変位がありレチクルパターン
に影響を受けていない状態(iii)Z変位がありレチ
クルパターンに影響を受けている状態
検出光波形の重心変化を示す図である。
(クロムの反射率/ガラスの反射率)、パターンに起因
する計測誤差のそれぞれの関係を示す図である。
きくなるにつれて(θ12<θ 11<θ10)、検出領
域が小さくなる様子を示す検出断面と検出面図である。
角度θ12、θ11、θ10(θ12<θ11<
θ10)で入射させたときの検出領域の違いを示す図で
ある。
を斜入射させた時の検出領域の違いを示す図である。
を斜入射させたとき、非スキャン方向における金属枠の
内枠から最大検出領域の端までの距離a、金属枠の内枠
から最大検出領域の端までの距離bを示す図である。
定し、3点(or5点)でそのレチクル面を近似計測し
たときの近似レチクル撓み面(撓み量:R計測)との比
較の様子を示す図である。(I)検出点数が3点の場合
(II)3点の検出スパンを大きくした場合(III)
検出点数を5点にした場合
測面と実際のレチクル面の撓みレンジ差(R計測−R
真値)と、検出可能領域/ショット領域の関係を示した
図である。
レチクル面上を計測するときの検出概略図である。
10(θ12<θ11<θ10)、スキャン方向に対し
て入射方向45°の方向から斜入射させたときの検出領
域の違いを示す図である。
1μm以内である場合の入射角度、入射方向の範囲を示
した図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 所定のパターンが形成されたレチクル面
上の複数の点の、前記レチクル面と略垂直な方向の位置
を検出する検出手段を有する位置検出装置であって、前
記検出手段は、光源からの光を前記レチクル面に導く光
照射部と、前記レチクル面からの反射光を受光する受光
部とを有し、前記レチクル面に入射する光の入射角度が
45度以上であることを特徴とする位置検出装置。 - 【請求項2】 所定のパターンが形成されたレチクル面
上の複数の点の、前記レチクル面と略垂直な方向の位置
を検出する検出手段と、前記レチクル面に垂直な方向に
所定の高さを有する枠と塵付着防止膜とを有する塵付着
防止手段とを有する位置検出装置であって、前記検出手
段は、光源からの光を前記レチクル面に導く光照射部と
前記レチクル面からの反射光を受光する受光部とを有し
ており、前記レチクル面に入射する光の入射角度が80
度以下であることを特徴とする位置検出装置。 - 【請求項3】 前記レチクル面に入射する光の入射角度
が45度以上であることを特徴とする請求項2に記載の
位置検出装置。 - 【請求項4】 前記パターンが走査型露光を行うための
パターンであり、前記レチクル面と略垂直な方向から見
たときに、前記検出光が走査方向に対して斜めに傾いて
前記レチクル面に入射することを特徴とする請求項1乃
至3いずれか1項記載の位置検出装置。 - 【請求項5】 前記レチクル面と略垂直な方向から見た
ときに、前記検出光が前記走査方向となす角度が20度
以上70度以下であることを特徴とする請求項4記載の
位置検出装置。 - 【請求項6】 略長方形の領域内に所定のパターンが形
成されたレチクル面上の複数の検出点の、前記レチクル
面と略垂直な方向の位置を検出する検出手段を有する位
置検出装置であって、前記検出手段が、光源からの検出
光を前記レチクル面に導く光照射部を有しており、前記
レチクル面に入射する前記検出光は、前記レチクル面と
垂直な方向から見たときに、前記長方形のいずれかの一
辺と20度以上70度以下の角度をなすことを特徴とす
る位置検出装置。 - 【請求項7】 請求項1乃至6いずれか1項記載の位置
検出装置の検出結果に基づいて、前記レチクル面の前記
検出点以外の面形状を推測することを特徴とする面形状
推測装置。 - 【請求項8】 前記1乃至6いずれか1項記載の位置検
出装置及び/又は請求項7記載の面形状推測装置を備
え、前記パターンを感光基板に投影露光することを特徴
とする露光装置。 - 【請求項9】 請求項1乃至6いずれか1項に記載の位
置検出方法の検出結果及び/又は請求項7に記載の面形
状推測方法の推測結果に基づいて、前記レチクルの交換
及び/又は前記レチクルの再設置を警告する警告手段を
有することを特徴とする請求項8記載の露光装置。 - 【請求項10】 請求項8又は9記載の露光装置を用い
て基板を露光する工程と、前記基板を現像する工程とを
有することを特徴とするデバイスの製造方法。
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