JP2003264126A - 巻回型固体電解コンデンサ - Google Patents

巻回型固体電解コンデンサ

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JP2003264126A
JP2003264126A JP2002064829A JP2002064829A JP2003264126A JP 2003264126 A JP2003264126 A JP 2003264126A JP 2002064829 A JP2002064829 A JP 2002064829A JP 2002064829 A JP2002064829 A JP 2002064829A JP 2003264126 A JP2003264126 A JP 2003264126A
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electrolytic capacitor
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separator sheet
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Kazuhiro Suenaga
和浩 末永
Kazumasa Fujimoto
和雅 藤本
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Saga Sanyo Industry Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
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Saga Sanyo Industry Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻回型固体電解コンデンサにおいて、陽極箔
の切り口に施した酸化皮膜の強化のための加熱処理に起
因する製品歩留まりの悪さを解消する。 【解決する手段】 陰極箔2と、該弁作用を有する金属
箔の表面に酸化皮膜を形成した陽極箔1とをセパレータ
シート3を介して巻回したコンデンサ素子6に、電解
液、有機半導体、機能性高分子等の電解質を含浸させ、
該含浸済みのコンデンサ素子6を金属ケース7に収納
し、金属ケースの開口部を封止部材8にて封止した巻回
型固体電解コンデンサにおいて、前記セパレータシート
3を、炭素繊維及び/又はセラミックス繊維を含み耐熱
性に優れたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弁作用を有する金属箔
を陽極酸化させた陽極箔と陰極箔とをセパレータシート
を介して巻回してなるコンデンサ素子を用いた巻回型固
体電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】巻回型固体電極コンデンサは、図1に示
す如く、アルミニューム、タンタル、ニオブ等の弁作用
を有する金属箔の表面に酸化被膜を形成した陽極箔(1)
と陰極箔(2)をセパレータシート(3)を介してテンショ
ンをかけながら巻回してコンデンサ素子(6)を形成し、
該コンデンサ素子(6)に、電解液、有機半導体、機能性
高分子等の電解質を含浸させ、図2示す如く、電解質含
浸済みのコンデンサ素子(6)を金属ケース(7)に収納
し、該金属ケースの開口部をゴムパッキン(81)にて封止
して形成されている。陽極箔(1)上及び陰極箔(2)上か
ら突出させた陽極リード線(4)と陰極リード線(5)は、
ゴムパッキン(81)を気密に貫通している。
【0003】陽極箔(1)は、多数個分の大きさの金属箔
の表面を陽極酸化させた後、1個分づつ切り離して用い
られるため、切り口(11)に酸化皮膜は存在しない。従っ
て、陽極箔(1)をセパレータシート(3)を介して陰極箔
(2)と一緒に巻回した後、陽極箔(1)の切り口(11)に酸
化被膜を付与するための化成化が行われる。この化成化
の工程で、酸化皮膜の強化を図るために150〜300
℃での熱処理が行われる。
【0004】従来のセパレータシート(3)は、マニラ麻
等の天然繊維で形成されており、上記陽極箔(1)の切り
口(11)の化成化での熱処理によって、セパレータシート
(3)が炭化し繊維の1本1本がやせ細る。陽極箔(1)と
陰極箔(2)にはその様な現象は生じない。陽極箔(1)、
セパレータシート(3)及び陰極箔(2)は、テンションを
かけて巻回されているため、陽極箔(1)と陰極箔(2)は
セパレータシート(3)のやせた分だけ延びてしまってコ
ンデンサ素子(6)の巻きが緩くなる。このため、コンデ
ンサ素子(6)に高さ方向に巻きずれが生じたり、陽極リ
ード線(4)と陰極リード線(5)の間隔が変化してしま
う。
【0005】巻きずれによってコンデンサ素子(6)の高
さが大きくなると、金属ケース(7)内での規定高さに納
まり切らず、又、陽極リード線(4)と陰極リード線(5)
の間隔が変化すると、ゴムパッキン(81)の挿入不良が生
じて、製品の歩留まりを悪るくする問題があった。
【0006】天然繊維のセパレータシート(3)に代え
て、ビニロン繊維、ナイロン繊維等の合成繊維のセパレ
ータを使用することも提案されている(特開2000−
82638号)が、陽極箔(1)の切り口(11)に施した酸
化皮膜を300℃程度の高い温度で熱処理した場合、上
記同様の問題が生じる。本発明は、上記問題を解決でき
る巻回型固体電解コンデンサを明らかにするものであ
る。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明は、セパレータシー
ト(3)を介して陽極箔(1)と陰極箔(2)を巻回した巻回
型電解コンデンサにおいて、セパレータシート(3)は、
炭素繊維及び/又はセラミックス繊維を含み耐熱性に優
れていることを特徴とする。
【0008】炭素繊維やセラミック繊維を含むセパレー
トシートは耐熱性に優れており、陽極箔(1)の切り口(1
1)に施した酸化皮膜の強化のために行う150〜300
℃程度熱処理温度に影響を受けることはない。従って、
従来の天然繊維や合成繊維製のセパレートシートを用い
たコンデンサの問題点、即ち、セパレータシート(3)の
炭化に起因する製品の歩留まりの悪さの問題を解決でき
る。
【0009】
【実施の形態】本発明は、セパレータシート(3)が炭素
繊維及び/又はセラミックス繊維を含むことを特徴と
し、その他の点は、従前の巻回型固体コンデンサとは、
製法、構成において特異な点はない。従って以下の説明
では、従前技術については説明を簡略或いは省略してい
る点がある。
【0010】陽極箔(1)と陰極箔(2)は、夫々アルミニ
ューム、タンタル、ニオブ等の弁作用を有する金属で形
成され、箔表面にエッチング処理が施されて表面積を増
大させている。陽極箔(1)は、更にホウ酸アンモニュー
ム等の水溶液中で電圧を印加して誘電体となる酸化皮膜
が形成されている。陽極箔(1)は、多数枚分の大きさの
ものに上記化成化処理を行ってから、1個分づつに切り
分けられる。従ってこの段階では陽極箔(1)の切り口(1
1)に酸化被膜は存在していない。
【0011】陽極箔(1)及び陰極箔(2)には、夫々の電
極を外部に接続するための陽極リード線(4)及び陰極リ
ード線(5)が、夫々超音波溶接等の公知の手段により、
アルミタブ端子(41)(51)を介して接続され、箔の長手方
向の端縁より外側に突出している。
【0012】陽極箔(1)と陰極箔(2)との間及び巻回し
たとき外側となる箔の外面に夫々セパレータシート(3)
を介装して円柱状に巻回してコンデンサ素子(6)を形成
する。セパレータシート(3)は、炭素繊維又はセラミッ
ク繊維の不織布にて形成され、耐熱性に優れていること
が本発明の特徴である。
【0013】次に、上記コンデンサ素子(6)の切り口(1
1)に化成化により酸化皮膜を形成する。更に、該酸化皮
膜を強化するために150〜300℃、実施例では28
0℃で熱処理を行う。
【0014】次に、上記コンデンサ素子(6)に、希釈剤
としてn-ブチルアルコールを含むp-トルエンスルホン酸
鉄(III)と3,4−エチレンジオキシチオフェンとを
含浸し、コンデンサ素子(6)の中での化学重合反応によ
り導電性ポリマー生成し、これを固体電解質としてセパ
レータシート(3)で保持させる。
【0015】次に、該コンデンサ素子(6)のリード線
(4)(5)をゴムパッキング(81)の貫通孔(82)(82)に挿入
し、アルミケース等金属ケース(7)に収納固定後、該金
属ケース(7)の開口部を横絞りとカールすることで封止
する。
【0016】次に、高温にて電圧を印加して陽極箔(1)
表面の酸化皮膜の損傷部を修復する目的でエージングを
行い、巻回型固体電解コンデンサとして完成させた。
【0017】表1は、本発明と従来例の、巻きずれ発生
数と、挿入不良発生数の比較表である。巻きずれ発生数
は、拡大鏡での目視によるものである。挿入不良は、コ
ンデンサ素子(6)の高さが大きくなって金属ケース(7)
にゴムパッキン(81)が正しく挿入出来ないもの、陽極端
子と陰極端子の間隔の変動により、ゴムパッキン(81)の
孔(82)(82)にリード線(4)(5)が嵌まらなかったもの或
いはゴムパッキン(81)の孔(82)(82)にリード線(4)(5)
が嵌まっても、リード線(4)(5)が平行でなかったもの
を含み、これらは商品とはならない。実施例1はセラミ
ック繊維製の、実施例2は炭素繊維製の、従来例はマニ
ラ麻製のセパレータシート(3)を用いた場合を示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1の比較結果を見ても明らかなように、
炭素繊維やセラミックス繊維からなるセパレータシート
(3)を採用することによって、150℃〜300℃の熱
処理を行ってもセパレータシート(3)が炭化することが
ないため、高温熱処理後の巻きズレの発生や陽極リード
線(4)と陰極リード線(5)との間の間隔変動に起因する
ゴムパッキング(81)の挿入不良の発生を確実に防止する
ことができる。
【0020】本発明の実施に際し、セパレータシート
(3)は、上記の炭素繊維のみ或いはセラミック繊維のみ
に限らず、炭素繊維とセラミック繊維の複合繊維、炭素
繊維及び/又はセラミックス繊維とマニラ麻、絹等の天
然繊維との複合繊維、或いは、炭素繊維及び/又はセラ
ミックス繊維とナイロン、ビニロン等の合成繊維との複
合繊維にて形成しても可く、要は炭素繊維又はセラミッ
ク繊維を含み、150〜300℃の熱処理に対して、製
品歩留まりに影響する様な変化を生じないものであれば
可い。
【0021】又、金属ケース(7)の開口を封止するため
の部材は、ゴムパッキン(81)に限らず、エポキシ樹脂
等、他の材質の封止部材(8)を用いることが出来るのは
勿論である。
【0022】実施例は、電解質にポリチオフェン系の機
能性高分子を用いたラジアルタイプの電解コンデンサで
あるが、電解質にポリチオフェン系の機能性高分子を用
いた巻回縦型チップタイプの電解コンデンサに実施して
も同様な効果を得ることができる。又、電解質にはポリ
ピロール系、ポリアリニン系電解質にはポリピロール
系、ポリアリニン系等のその他の機能性高分子、電解
液、TCNQ(7.7.8.8.テトラシアノキノジメ
タン)錯塩を用いても同様な効果が得られる。
【0023】上記実施例の説明は本発明を説明するため
のものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或いは該範囲を減縮する様に解すべきではない。本
発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範
囲に記載の技術的範囲内で、種々の変形が可能であるこ
とは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻回型固体電解コンデンサ素子の斜面図であ
る。
【図2】巻回型固体電解コンデンサの断面図である。
【符号の説明】
(1) 陽極箔 (2) 陰極箔 (3) セパレータシート (4) 陽極リード線 (5) 陰極リード線 (6) コンデンサ素子 (7) 金属ケース (8) 封止部材 (81) ゴムパッキン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 和雅 佐賀県杵島郡大町町大字福母217番地 佐 賀三洋工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極箔(2)と、該弁作用を有する金属箔
    の表面に酸化皮膜を形成した陽極箔(1)とをセパレータ
    シート(3)を介して巻回したコンデンサ素子(6)に、電
    解液、有機半導体、機能性高分子等の電解質を含浸さ
    せ、該含浸済みのコンデンサ素子(6)を金属ケース(7)
    に収納し、金属ケース(7)の開口部を封止部材(8)にて
    封止した巻回型固体電解コンデンサにおいて、前記セパ
    レータシート(3)は、炭素繊維及び/又はセラミックス
    繊維を含み耐熱性に優れていることを特徴とする巻回型
    固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 セパレータシート(3)は、炭素繊維及び
    /又はセラミックス繊維とマニラ麻、絹等の天然繊維と
    の複合繊維にて形成されている請求項1に記載の巻回型
    固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 セパレータシート(3)は、炭素繊維及び
    /又はセラミックス繊維とナイロン、ビニロン等の合成
    繊維との複合繊維にて形成されている請求項1に記載の
    巻回型固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 有機半導体はTCNQ(7.7.8.
    8.テトラシアノキノジメタン)錯塩であることを特徴
    とする請求項1乃至3の何れかにに記載の巻回型固体電
    解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 高機能性高分子はポリチオフェン系、ポ
    リピロール系、ポリアニリン系等であることを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れかに記載の巻回型固体電解電解
    コンデンサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007132708A1 (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Panasonic Corporation アルミ電解コンデンサ
US7663864B2 (en) * 2005-11-22 2010-02-16 Sanyo Electric Co., Ltd. Electrolytic capacitor

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