JP4688710B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、電解コンデンサの製造方法に関するものである。
電子機器のデジタル化に伴い、電子機器に使用されるコンデンサにも、小型、大容量で高周波領域における等価直列抵抗が低いコンデンサが求められるようになっている。
このような小型、大容量で低い等価直列抵抗を有するコンデンサとして、二酸化マンガンおよび7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン錯塩等の電子伝導性固体を陰極材として用いた固体電解コンデンサがある。
また、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンおよびポリフラン等の導電性高分子を陰極材として用いた固定電解コンデンサも有望である。
そして、従来、固体電解コンデンサの製造方法として、アルミニウムおよびタンタル等の弁金属からなる陽極箔の表面に化成皮膜を形成する工程と、化成皮膜の表面にシランカップリング剤の第1の表面処理層および第1の導電性高分子層を順次形成する工程とを含む製造方法が知られている(特許文献1)。
特開平11−219860号公報
しかし、従来の固体電解コンデンサの製造方法では、誘電体酸化皮膜と固体電解質との界面の密着性が乏しいため、等価直列抵抗(ESR)が大きくなるという問題があった。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、等価直列抵抗を低減可能な電解コンデンサの製造方法を提供することである。
この発明によれば、電解コンデンサの製造方法は、電解質を含む電解コンデンサの製造方法であって、電極部材を形成する第1の工程と、シランカップリング剤を含む酸性の化成液中に電極部材を浸漬し、電極部材を電解化成処理して電極部材の表面に誘電体酸化皮膜を形成する第2の工程と、誘電体酸化皮膜に接して導電性高分子層を形成する第3の工程とを備える。
好ましくは、酸性の化成液は、シランカップリング剤とリン酸とを含む。
好ましくは、シランカップリング剤は、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトラセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、およびトリメチルクロロシランのいずれかからなる。
好ましくは、導電性高分子層は、ポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリアニリン系およびポリフラン系の導電性高分子からなる。
好ましくは、電極部材は、陽極体からなる。
好ましくは、電極部材は、陽極化成箔および陰極箔からなる。
好ましくは、電解コンデンサは、巻回式の電解コンデンサである。
この発明による電解コンデンサの製造方法においては、電極部材をシランカップリング剤を含む酸性の化成液中で電解化成処理することにより電極部材の表面に誘電体酸化皮膜を形成し、その形成した誘電体酸化皮膜の表面に導電性高分子層を形成する。そうすると、誘電体酸化皮膜の形成時には、最初、誘電体酸化皮膜が電極部材の表面に形成され、その後、シランを含む誘電体酸化皮膜が形成される。その結果、誘電体酸化皮膜と導電性高分子層との密着力が向上する。
したがって、この発明によれば、電解コンデンサの等価直列抵抗を低減できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による固体電解コンデンサの製造方法によって製造される固体電解コンデンサの構成を示す断面図である。図1を参照して、固体電解コンデンサ10は、陽極体1と、陽極体リード2と、誘電体酸化皮膜3と、導電性高分子層4と、グラファイト層5と、銀ペースト層6と、導電性接着剤7と、陰極端子8と、陽極端子9と、樹脂11とを備える。
陽極体1は、タンタルからなる。陽極体リード2は、一方端が陽極体1に植立され、他方端が陽極端子9に接続される。誘電体酸化皮膜3は、酸化タンタル(Ta)からなり、陽極体1の全表面および陽極体リード2の一部の表面に形成される。
導電性高分子層4は、ポリチオフェンからなる高分子化合物によって構成され、誘電体酸化皮膜3を覆うように形成される。この場合、陽極体リード2に接して形成された一部の誘電体酸化皮膜3は、導電性高分子層4から露出する。グラファイト層5は、陽極体リード2が形成された側を除いて導電性高分子層4を覆う。
銀ペースト層6は、陽極体リード2が形成された側を除いてグラファイト層5を覆う。導電性接着剤7は、銀ペースト層6上に形成され、陰極電極8を銀ペースト層6に接続する。陰極端子8は、一方端が導電性接着剤7上に形成され、他方端が樹脂11に接して形成される。陽極端子9は、一方端が陽極体リード2に接続され、他方端が樹脂11に接して形成される。樹脂11は、陰極端子8および陽極端子9の一部を除いて、陽極体1、陽極体リード2、誘電体酸化皮膜3、導電性高分子層4、グラファイト層5、銀ペースト層6、導電性接着剤7、陰極端子8および陽極端子9を封止する。
図2は、図1に示す固体電解コンデンサ10の製造方法を説明するための工程図である。図2を参照して、一連の動作が開始されると、タンタルの金属粉末に陽極体リード2を植立して加圧成形し、かつ、焼結して陽極体を形成する(工程(a)参照)。
その後、陽極体1および陽極体リード2を0.02wt%のリン酸水溶液と1.0wt%のシランカップリング剤との混合液30中に浸漬し、混合液30中に浸漬された電極21,22間(電極22には、陽極リード2を接続)に直流電源20からの直流電圧を印加して陽極体1および陽極体リード2を電解化成処理し(工程(b)参照)、陽極体1の全表面および陽極体リード2の一部表面にTaからなる誘電体酸化皮膜3を形成する(工程(c)参照)。
シランカップリング剤は、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトラセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、およびトリメチルクロロシランのいずれかからなる。そして、シランカップリング剤の濃度は、1.0wt%に限らず、0.01〜10.0wt%の範囲であればよく、0.1〜1.0wt%の範囲が好ましい。
そして、誘電体酸化皮膜3が形成された陽極体1および陽極体リード2をシランカップリング剤と1−ブタノールとの混合液40に浸漬して前処理(プレコート処理)を行なう(工程(d)参照)。これにより、誘電体酸化皮膜3の表面に表面処理層31が形成される。
その後、表面処理層31が形成された誘電体酸化皮膜3/[陽極体1および陽極体リード2]を3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄(III)と1−ブタノ−ルとの混合液50に浸漬して誘電体酸化皮膜3上に導電性高分子層4を形成する(工程(e)参照)。この場合、p−トルエンスルホン酸鉄(III)は、酸化剤として機能する。
工程(e)は、詳細には、工程(e−1)と、工程(e−2)と、工程(e−1)および工程(e−2)を複数回繰返す工程とからなる。すなわち、誘電体酸化皮膜3が形成された陽極体1および陽極体リード2を3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄(III)と1−ブタノ−ルとの混合液50に浸漬し(工程(e−1)参照)、その後、誘電体酸化皮膜3が形成された陽極体1および陽極体リード2を混合液50から引き上げて大気中で熱処理する(工程(e−2)参照)。そして、工程(e−1),(e−2)を複数回繰返す。
これによって、導電性高分子層4が誘電体酸化皮膜3を覆うように形成される(工程(f)参照)。
その後、グラファイト層5、銀ペースト層6、陰極端子8および陽極端子9を順次形成し、樹脂11によってモールドして固体電解コンデンサ10を完成する(工程(g)参照)。
なお、グラファイト層5は、グラファイト粒子懸濁液を導電性高分子層4/誘電体酸化皮膜3/陽極体1に塗布または導電性高分子層4/誘電体酸化皮膜3/陽極体1をグラファイト粒子懸濁液に浸漬する工程と、その後、大気中で乾燥する工程とを複数回繰返すことによって形成される。
表1は、従来の製造方法および本発明による製造方法によって作製した固体電解コンデンサの等価直列抵抗の比較を示す。
Figure 0004688710
なお、表1は、従来例および本発明の各々において、300個の試料の等価直列抵抗の平均値を示す。
表1に示す結果から、本発明による製造方法によって作製した固体電解コンデンサは、従来の製造方法によって作製した固体電解コンデンサよりも等価直列抵抗が低い。
表2は、従来の製造方法および本発明による製造方法によって作製した固体電解コンデンサの漏れ電流歩留まりの比較を示す。
Figure 0004688710
なお、表2は、従来例および本発明の各々において、300個の試料の漏れ電流歩留まりの平均値を示す。
表2に示す結果から、本発明による製造方法によって固体電解コンデンサを作製することにより、漏れ電流歩留まりが98.2%まで向上した。
表3は、従来の製造方法および本発明による製造方法によって作製した固体電解コンデンサの耐圧の比較を示す。
Figure 0004688710
なお、表3における耐圧の平均値は、従来例および本発明の各々において、30個の試料の平均値を示す。
表3に示す結果から、本発明による製造方法によって固体電解コンデンサを作製することにより、耐圧の平均値が54.6Vから56.7Vまで向上し、耐圧の最小値が50.3Vから53.1Vまで向上した。
表4は、誘電体酸化皮膜3を形成するときのシランカップリング剤の濃度による等価直列抵抗の変化を示す。
Figure 0004688710
なお、表4における「化成後シラン浸漬」とは、誘電体酸化皮膜3を形成するときにリン酸水溶液にシランカップリング剤を添加せずに誘電体酸化皮膜3を形成し、その後、シランカップリング剤と1−ブタノールとの混合液40によって前処理した試料を示す。
シランカップリング剤の濃度を10wt%,5wt%,1wt%と減少させるに伴って等価直列抵抗が小さくなる。したがって、シランカップリング剤の濃度は、1wt%〜10wt%の範囲では、低い方がよい。
このように、誘電体酸化皮膜3を形成するときにリン酸水溶液にシランカップリング剤を添加して電解化成処理を行なうことにより、固体電解コンデンサの等価直列抵抗、漏れ電流歩留まりおよび耐圧を向上させることができる。
これは、次の理由による。誘電体酸化皮膜3を形成するとき、電圧が混合液30に印加され、シランカップリング剤は、酸性溶液(=リン酸水溶液)中でより加水分解されるので、陽極体1および陽極リード2上に最初に誘電体酸化皮膜3が形成され、その後、シランが誘電体酸化皮膜3中に取り込まれる。その結果、誘電体酸化皮膜3と、誘電体酸化皮膜3上に形成された導電性高分子層4との密着力が向上するからである。
上記においては、混合液30,50は、3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびp−トルエンスルホン酸鉄(III)を有機溶媒(=1−ブタノール)で希釈した混合液からなると説明したが、この発明においては、これに限らず、混合液30,50は、3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびp−トルエンスルホン酸鉄(III)を純水で希釈した混合液、または3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびp−トルエンスルホン酸鉄(III)を有機溶媒および純水の混合溶媒で希釈した混合液からなっていてもよい。
また、上記においては、導電性高分子層4は、ポリチオフェンからなる高分子化合物によって構成されると説明したが、この発明においては、これに限らず、導電性高分子層4は、ポリピロール、ポリアニリンおよびポリフランのいずれかからなる高分子化合物によって構成されていてもよい。
さらに、上記においては、陽極体1は、タンタルからなると説明したが、この発明においては、これに限らず、陽極体1は、アルミニウムおよびニオブ等からなっていてもよく、一般的には、弁金属からなっていればよい。
[実施の形態2]
図3は、実施の形態2による電解コンデンサの製造方法によって製造される電解コンデンサの構成を示す斜視図である。また、図4は、図3に示す電解コンデンサの構成を示す断面図である。図3および図4を参照して、電解コンデンサ100は、陽極化成箔101と、陰極箔102と、セパレータ紙103と、巻止テープ104と、リードタブ端子106〜109と、陽極リード線111,112と、陰極リード線113,114と、ケース115と、ゴムパッキン116と、座板117とを備える。
なお、電解コンデンサ100は、たとえば、固体電解質を含む電解コンデンサである。
陽極化成箔101は、2枚の陽極化成箔101a,101bからなる。そして、2枚の陽極化成箔101a,101bの各々は、表面が化成処理されたアルミニウム箔からなる。したがって、2枚の陽極化成箔101a,101bの各々は、その表面が凹凸化され、凹凸表面に酸化皮膜を有する。
陰極箔102は、2枚の陰極箔102a,102bからなる。そして、2枚の陰極箔102a,102bの各々は、アルミニウム箔からなる。セパレータ紙103は、4枚のセパレータ紙103a〜103dからなる。
セパレータ紙103a、陽極化成箔101a、セパレータ紙103b、陰極箔102a、セパレータ紙103c、陽極化成箔101b、セパレータ紙103dおよび陰極箔102bが順次積層され、その積層されたセパレータ紙103a、陽極化成箔101a、セパレータ紙103b、陰極箔102a、セパレータ紙103c、陽極化成箔101b、セパレータ紙103dおよび陰極箔102bは巻回される。そして、巻回されたセパレータ紙103a、陽極化成箔101a、セパレータ紙103b、陰極箔102a、セパレータ紙103c、陽極化成箔101b、セパレータ紙103dおよび陰極箔102bの端が巻止テープ104によって止められる。これによってコンデンサ素子105が形成される。
コンデンサ素子105においては、陽極化成箔101a、セパレータ紙103bおよび陰極箔102aは、1個のコンデンサ素子105aを構成し、陽極化成箔101b、セパレータ紙103dおよび陰極箔102bは、1個のコンデンサ素子105bを構成する。
リードタブ端子106は、陽極化成箔101aに接続され、リードタブ端子107は、陽極化成箔101bに接続さる。また、リードタブ端子108は、陰極箔102aに接続され、リードタブ端子109は、陰極箔102bに接続される。
陽極リード線111,112は、それぞれ、リードタブ端子106,107に接続され、陰極リード線113,114は、それぞれ、リードタブ端子108,109に接続される。
ケース115は、アルミニウムからなり、コンデンサ素子105、リードタブ端子106〜109、陽極リード線111,112および陰極リード線113,114を収納する。ゴムパッキン116は、コンデンサ素子105およびリードタブ端子106〜109をケース115内に封止する。座板117は、陽極リード線111,112および陰極リード線113,114を固定する。なお、陽極リード線111,112および陰極リード線113,114は、コンデンサ素子105がケース115内に収納されると、座板117に沿って折り曲げられる。
図5は、図4に示すA方向から見た電解コンデンサ100の平面図である。図5を参照して、座板117は、略長方形の平面形状を有し、切欠部117A〜117Dを有する。そして、陽極リード線111,112および陰極リード線113,114は、それぞれ、座板117の切欠部117A〜117Dに嵌合するように座板117の面内方向へ折り曲げられる。
そして、折り曲げられた2本の陽極リード線111,112および2本の陰極リード線113,114は、電解コンデンサ100の端子として使用される。従って、電解コンデンサ100は、4端子構造を有する電解コンデンサである。
電解コンデンサ100の作製方法について説明する。図6、図7および図8は、それぞれ、図3に示す電解コンデンサ100の製造方法を示す第1から第3の工程図である。図6を参照して、一連の動作が開始されると、大きなサイズを有するロール状のアルミニウム箔120を準備し(工程(a)参照)、その準備したロール状のアルミニウム箔120の表面にエッチング処理を施す。
その後、ロール状のアルミニウム箔120を0.02wt%のリン酸水溶液と1.0wt%のシランカップリング剤との混合液30中に浸漬し、混合液30中に浸漬された電極21,22間に直流電圧を印加してロール状のアルミニウム箔120を電解化成処理し(工程(b)参照)、アルミニウム箔120の全表面にTaからなる誘電体酸化皮膜3を形成する。そして、電解化成処理を行ったアルミニウム箔を裁断して所定の寸法(長さLおよび幅W)を有するアルミニウム箔を2枚切り出し、2枚の陽極化成箔101a,101bを作製する。
そして、陽極化成箔101a,101bの作製方法と同じ方法によって所定の寸法(長さLおよび幅W)を有する2枚の陰極箔102a,102bを作製する。また、所定の寸法(長さLおよび幅W+α)を有するセパレータ紙を4枚裁断してセパレータ紙103a〜103dを作製する。
その後、陽極リード線111,112をそれぞれリードタブ端子106,107に接続し、陰極リード線113,114をそれぞれリードタブ端子108,109に接続する。そして、リードタブ端子106,107をそれぞれ陽極化成箔101a,101bの中央部に接続し、リードタブ端子108,109をそれぞれ陰極箔102a,102bの中央部に接続する。
そうすると、2枚の陽極化成箔101a,101b、2枚の陰極箔102a,102bおよび4枚のセパレータ紙103a〜103dを図6に示す態様で配置し、支点FLCを中心にして2枚の陽極化成箔101a,101b、2枚の陰極箔102a,102bおよび4枚のセパレータ紙103a〜103dを時計回り(または反時計周り)に回転させて2枚の陽極化成箔101a,101b、2枚の陰極箔102a,102bおよび4枚のセパレータ紙103a〜103dを巻き取る(図7の工程(c)参照)。これにより、コンデンサ素子105が作製される。
その後、リードタブ端子106〜109、陽極リード線111,112および陰極リード113,114が接続されたコンデンサ素子105に対して、切り口化成と150℃〜300℃の熱処理とを行い(図7の工程(d)参照)、混合液をコンデンサ素子105に含浸させる。この混合液は、重合によって導電性高分子となるモノマーと、酸化剤溶液としてのp−トルエンスルホン酸第二鉄アルコール溶液との混合液である。
そして、熱化学重合することによって、コンデンサ素子105の両電極間に導電性高分子層を形成する(図8の工程(e)参照)。これによって、コンデンサ素子105は、電解質を含むことになる。この電解質は、たとえば、ポリチオフェン系、ポリピロール系およびポリアニリン系の導電性高分子または7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯塩からなる固体電解質である。電解質がコンデンサ素子105に含浸すると、コンデンサ素子105にゴムパッキン116を挿入し、ゴムパッキン116を挿入したコンデンサ素子105をケース115内に収納固定する(図8の工程(f)参照)。
引続いて、ケース115の開口部に対して横絞りとカールを施してゴムパッキン116およびコンデンサ素子105を封止し(図8の工程(g)参照)、エージング処理を行なう。その後、コンデンサ素子105のカール面に座板117を挿入し、陽極リード線111,112および陰極リード線113,114に対して電極端子としてのプレス加工および折り曲げを行なう(図8の工程(h)参照)。これによって、電解コンデンサ100が完成する。
図9は、陽極化成箔101a,101b、陰極箔102a,102bおよびセパレータ紙103a〜103dの巻き取り方法を示す図である。電解コンデンサ100は、次の方法によって作製されてもよい。上述した方法と同じ方法により2枚の陽極化成箔101a,101bと、2枚の陰極箔102a,102bとを作製する。
その後、長さLおよび幅W+αを有する2枚のセパレータ紙103a,103cと、長さ2Lおよび幅W+αを有する1枚のセパレータ紙103eとを作製する。そして、陽極リード線111,112をそれぞれリードタブ端子106,107に接続し、陰極リード線113,114をそれぞれリードタブ端子108,109に接続する。引き続いて、リードタブ端子106,107をそれぞれ陽極化成箔101a,101bの中央部に接続し、リードタブ端子108,109をそれぞれ陰極箔102a,102bの中央部に接続する。
そうすると、2枚の陽極化成箔101a,101b、2枚の陰極箔102a,102bおよび3枚のセパレータ紙103a,103c,103eを図9に示す態様で配置し、支点FLCを中心にして2枚の陽極化成箔101a,101b、2枚の陰極箔102a,102bおよび3枚のセパレータ紙103a,103c,103eを時計回り(または反時計回り)に回転させて2枚の陽極化成箔101a,101b、2枚の陰極箔102a,102bおよび3枚のセパレータ紙103a,103c,103eを巻き取る。これにより、コンデンサ素子105が作製される。
その後、上述した方法と同じ方法によって、電界コンデンサ100を作製する。図9に示す方法で電界コンデンサ100を作製した場合、巻回されたセパレータ紙103eは、セパレータ紙103b,103dを構成する。
電解コンデンサ100の作製においては、陽極化成箔101a,101bおよび陰極箔102a,102bは、アルミニウム箔をリン酸水溶液とシランカップリング剤との混合液30中で電解化成処理して作製されるので、陽極化成箔101a,101bおよび陰極箔102a,102bの作製時には、誘電体酸化皮膜が最初にアルミニウム箔の表面に形成され、その後、シランを含む誘電体酸化皮膜が形成される。そして、電解化成処理後、陽極化成箔101a,101bおよび陰極箔102a,102bの表面には、混合液(=重合によって導電性高分子となるモノマーと、酸化剤溶液としてのp−トルエンスルホン酸第二鉄アルコール溶液との混合液)をコンデンサ素子105に含浸させるときに導電性高分子層が形成されるので、誘電体酸化皮膜と導電性高分子層との密着力が向上する。その結果、電解コンデンサ100の等価直列抵抗を低くでき、漏れ電流歩留まりおよび耐圧を向上できる。
なお、上記においては、電解コンデンサ100は、固体電解質を含むと説明したが、この発明においては、これに限らず、電解コンデンサ100は、液体電解質を含んでいてもよい。すなわち、電解コンデンサ100は、固体電解質および液体電解質のいずれかからなる電解質を含んでいればよい。
また、上記においては、陽極化成箔101および陰極箔102は、アルミニウム箔からなると説明したが、この発明においては、これに限らず、陽極化成箔101および陰極箔102は、タンタルおよびニオブ等の弁金属を用いて作製された弁金属酸化物蒸着箔、単金属窒化物蒸着箔、複合金属窒化物蒸着箔およびカーボン箔等であってもよい。
この発明においては、陽極体1は、「電極部材」を構成し、陽極化成箔101,101a,101bおよび陰極箔101,101a,101bは、「電極部材」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、等価直列抵抗を低減可能な電解コンデンサの製造方法に適用される。
この発明の実施の形態1による固体電解コンデンサの製造方法によって製造される固体電解コンデンサの構成を示す断面図である。 図1に示す固体電解コンデンサの製造方法を説明するための工程図である。 実施の形態2による電解コンデンサの製造方法によって製造される電解コンデンサの構成を示す斜視図である。 図3に示す電解コンデンサの構成を示す断面図である。 図4に示すA方向から見た電解コンデンサの平面図である。 図3に示す電解コンデンサの製造方法を示す第1の工程図である。 図3に示す電解コンデンサの製造方法を示す第2の工程図である。 図3に示す電解コンデンサの製造方法を示す第3の工程図である。 陽極化成箔、陰極箔およびセパレータ紙の巻き取り方法を示す図である。
符号の説明
1 陽極体、2 陽極体リード、3 誘電体酸化皮膜、4 導電性高分子層、5 グラファイト層、6 銀ペースト層、7 導電性接着剤、8 陰極端子、9 陽極端子、10 固体電解コンデンサ、11樹脂、20 直流電源、21,22 電極、30,40,50 混合液、31 表面処理層、101,101a,101b 陽極箔、102,102a,102b 陰極箔、103,103a〜103e セパレータ紙、104 巻止テープ、105 コンデンサ素子、106〜109 リードタブ端子、100 電解コンデンサ、111,112 陽極リード線、113,114 陰極リード線、115 ケース、116 ゴムパッキン、117 座板、117A〜117D 切欠部、118 陽極端子、119 陰極端子。

Claims (7)

  1. 電解質を含む電解コンデンサの製造方法であって、
    電極部材を形成する第1の工程と、
    シランカップリング剤を含む酸性の化成液中に前記電極部材を浸漬し、前記電極部材を電解化成処理して前記電極部材の表面に誘電体酸化皮膜を形成する第2の工程と、
    前記誘電体酸化皮膜に接して導電性高分子層を形成する第3の工程とを備える電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記酸性の化成液は、前記シランカップリング剤とリン酸とを含む、請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記シランカップリング剤は、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトラセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、およびトリメチルクロロシランのいずれかからなる、請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記導電性高分子層は、ポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリアニリン系およびポリフラン系の導電性高分子からなる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記電極部材は、陽極体からなる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記電極部材は、陽極化成箔および陰極箔からなる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記電解コンデンサは、巻回式の電解コンデンサである、請求項6に記載の電解コンデンサの製造方法。
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