JP2003261772A - アスファルト組成物 - Google Patents

アスファルト組成物

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JP2003261772A JP2002207386A JP2002207386A JP2003261772A JP 2003261772 A JP2003261772 A JP 2003261772A JP 2002207386 A JP2002207386 A JP 2002207386A JP 2002207386 A JP2002207386 A JP 2002207386A JP 2003261772 A JP2003261772 A JP 2003261772A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟化点、伸度、曲げ特性、高温貯蔵安定性が
良好で、骨材把握性(骨材剥離防止性に優れる)に優れ
たアスファルト組成物を提供する。 【解決手段】 ビニル芳香族炭化水素を主体とする少な
くとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とす
る少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック
共重合体又はその水添物である成分(1)0.5〜50
重量部、アスファルト成分(2)100重量部、および
酸無水物基を少なくとも1個、又はカルボキシル基、イ
ソシアネート基、シラノール基、アルコキシシラン基、
エポキシ基から選ばれる官能基を少なくとも2個有する
架橋剤である成分(3)0.01〜5重量部からなるア
スファルト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟化点、伸度、曲げ特
性、高温貯蔵安定性が良好で、骨材把握性(骨材剥離防
止性に優れることを意味する)に優れたアスファルト組
成物に関し、更に詳しくは、ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンからなるブロック共重合体又はその水添物とア
スファルト及び特定の官能基を有する架橋剤からなるア
スファルト組成物、また、ビニル芳香族炭化水素と共役
ジエンからなり、しかも特定の官能基を含有する変性ブ
ロック共重合体又はその水添物とアスファルト及び特定
の官能基を有する架橋剤からなるアスファルト組成物、
更に、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、し
かも特定の官能基を含有する変性ブロック共重合体又は
その水添物に特定の官能基を有する架橋剤を反応させた
二次変性ブロック共重合体又はその水添物とアスファル
トからなるアスファルト組成物に関するものである。ま
た、本発明は、上記のアスファルト組成物からなる排水
性舗装用アスファルト組成物、及び該排水性舗装用アス
ファルト組成物を適用した排水性舗装道路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、アスファルト組成物は、道路舗
装、防水シート、遮音シート、ルーフィング等の用途に
広く利用されている。その際、アスファルトに種々のポ
リマーを添加して、その性質を改良しようとする試みが
多くなされている。そのポリマーの具体例としては、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーエチルアクリ
レート共重合体、ゴムラテックス、共役ジエンとビニル
芳香族炭化水素とからなるブロック共重合体等が使用さ
れている。しかしながら、近年、道路通行車両の増大、
或いは高速化といった事情に伴って、優れた強度、耐摩
耗性のアスファルト混合物、さらに、強度、耐摩耗性を
保持しつつ、こういった高速での排水性改良や騒音低減
化を目的として、開粒度の高いアスファルト混合物の要
求がますます高まっている。このため、より高い軟化点
や曲げ応力、骨材把握力などの機械的強度が必要とさ
れ、例えば上記ブロック共重合体の分子量を上げること
により改良することが試みられているが、このような方
法では高温貯蔵時貯蔵安定性が充分でなく、溶融粘度が
高くなり、道路舗装時の施工性が劣る。
【0003】このため、一般にはアロマ系オイルの添
加、硫黄や過酸化物の添加による架橋で貯蔵安定性を改
良することが行われている。例えば、特公昭57−24
385号公報には硫黄の使用が、特公平1−13743
号公報には特定構造のポリスルフィドの使用が、特開平
3−501035号公報には硫黄と加硫剤、硫黄供与体
加硫促進剤の併用が開示されている。しかしながら、ア
ロマ系オイルの添加においては、高温貯蔵安定性、溶解
時間には効果があるものの、施工後の耐流動性、耐摩耗
性、骨材把握性に問題が生じ、硫黄や過酸化物による架
橋は、高い軟化点、曲げ応力、骨材把握力が得られ、貯
蔵安定性にも効果があるものの、アスファルト組成物の
溶融粘度が著しく高くなって施工性が損なわれるという
問題が生じる。また、上記特許に記載されている特定構
造を持ったポリスルフィドは、特異な異臭により実用上
問題がある。このように、未だに満足できる結果が得ら
れておらず、軟化点、曲げ特性、骨材把握性に優れ、且
つ高温貯蔵性に優れる改質剤はこれまで見出されていな
いのが現状であり、さらなる改良が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】かかる状況下で、
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共
重合体又はその水添物とアスファルトとの組成物におい
て、軟化点、伸度、曲げ特性、高温貯蔵安定性、骨材把
握性が更に優れた組成物を提供する方法が望まれてい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ビニル芳
香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又
はその水添物とアスファルトとの組成物の特性改良につ
いて鋭意検討した結果、アスファルトとブロック共重合
体から成る組成物に特定の官能基を有する架橋剤を組み
合わせることにより、或いはアスファルトと特定の官能
基を付与したブロック共重合体から成る組成物に特定の
官能基を有する架橋剤を組み合わせることにより、更に
アスファルトと特定の官能基を含有する変性ブロック共
重合体又はその水添物に特定の官能基を有する架橋剤を
反応させた二次変性ブロック共重合体又はその水添物を
組み合わせることにより軟化点、伸度、曲げ特性、高温
貯蔵安定性が良好で、骨材把握性に優れたアスファルト
組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに
至ったものである。即ち本発明は、以下のとおりであ
る。
【0006】[1] ビニル芳香族炭化水素を主体とす
る少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエンを
主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなる
ブロック共重合体(1)又はその水添物である成分(1
−1)0.5〜50重量部、アスファルト成分(2)1
00重量部、および酸無水物基を少なくとも1個、又は
カルボキシル基、イソシアネート基、シラノール基、ア
ルコキシシラン基、エポキシ基から選ばれる官能基を少
なくとも2個有する架橋剤である成分(3)0.01〜
5重量部からなるアスファルト組成物。
【0007】[2] ブロック共重合体(1)におい
て、該重合体ブロックA及び/又は重合体ブロックBに
水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコ
キシシラン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有す
る原子団が少なくとも1個結合している変性ブロック共
重合体又はその水添物である成分(1−2)0.5〜5
0重量部、アスファルト成分(2)100重量部、およ
び酸無水物基を少なくとも1個、又はカルボキシル基、
イソシアネート基、シラノール基、アルコキシシラン
基、エポキシ基から選ばれる官能基を少なくとも2個有
する架橋剤である成分(3)0.01〜5重量部からな
る上記1に記載のアスファルト組成物。
【0008】[3] 変性ブロック共重合体又はその水
添物(1−2)に、成分(3)として酸無水物基を少な
くとも1個、又はカルボキシル基、イソシアネート基、
シラノール基、アルコキシシラン基、エポキシ基から選
ばれる官能基を少なくとも2個有する架橋剤を該官能基
1当量あたり0.3〜10モル反応させた二次変性ブロ
ック共重合体である成分(1−3)0.5〜50重量
部、およびアスファルトである成分(2)100重量部
からなる上記1または2に記載のアスファルト組成物。
【0009】本発明について、以下具体的に説明する。
本発明で使用する成分(1)、成分(1−1)、成分
(1−2)、および成分(1−3)を構成する共役ジエ
ンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体又
はその水添物のビニル芳香族炭化水素含有量は、アスフ
ァルト組成物の軟化点、伸度、曲げ特性の点で、5〜6
0重量%、好ましくは10〜55重量%、更に好ましく
は15〜50重量%の範囲で使用できる。
【0010】ブロック共重合体の製造方法としては、例
えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17
979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭
49−36957号公報、特公昭48−2423号公
報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−289
25号公報、特公昭51−49567号公報、特改昭5
9−166518号公報、特開昭60−186577号
公報などに記載された方法が挙げられる。これらの方法
で得られるブロック共重合体は、例えば下記一般式で表
されるような構造を有する。
【0011】(A−B)、 A−(B−A)、 B
−(A−B) [(B−A)m+1−X、 [(A−B)]m+1
−X [(B−A)−B]m+1−X、 [(A−B)−A]
m+1−X また、上記の方法により得られるブロック共重合体のリ
ビング末端に後述する変性剤を付加反応することにより
本発明で使用する官能基を含有する変性ブロック共重合
体が得られ、例えば下記一般式で表されるような構造を
有する。 (A−B)−Y、 A−(B−A)−Y、 B−(A−B)−Y、Y−(A−B)、 Y−(A−B)−Y、 Y−A−(B−A)−Y、 Y−B−(A−B)−Y、[(B−A)n]m+1
Y、 [(A−B)]m+1−Y、[(B−A)−B]
m+1−Y、 [(A−B)−A]m+1−Y
【0012】(上式において、Aはビニル芳香族炭化水
素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエン
を主体とする重合体である。AブロックとBブロックと
の境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、n
は1以上の正数、一般に1〜5の整数である。mは1以
上の正数、一般に1〜10の整数である。Xは例えば四
塩化ケイ素等の多価ハロゲン化有機ケイ素化合物、四塩
化スズ等の多価ハロゲン化有機スズ化合物、エポキシ化
大豆油、2〜6官能のエポキシ基含有化合物、ポリハロ
ゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ジビニルベンゼ
ン等のポリビニル化合物、炭酸ジメチル等の炭酸ジアル
キル類などのカップリング剤残基又は多官能有機リチウ
ム化合物等の開始剤の残基を示す。Yは、後述する官能
基を有する原子団が結合している変性剤の残基を示す。
Yを後述するメタレーション反応で付加させる場合は、
Aブロック及び/又はBブロックの側鎖に結合してい
る。また、X又はYに結合している複数のポリマー鎖の
構造は同一でも、それぞれ異なっていても良い。)
【0013】尚、上記において、ビニル芳香族炭化水素
を主体とする重合体ブロックAとはビニル芳香族炭化水
素を50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有す
るビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロ
ック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロッ
クを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロックBと
は共役ジエンが50重量%を超える量で、好ましくは7
0重量%以上含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水
素との共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合
体ブロックを示す。共重合体ブロック中のビニル芳香族
炭化水素は均一に分布していても、又テーパー状に分布
していてもよい。又、該共重合体部分には、ビニル芳香
族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパ
ー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していて
もよい。
【0014】また、重合体ブロックA或いは重合体ブロ
ックBに共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合
体部分が含まれる場合、ビニル芳香族炭化水素含有量が
異なる共重合体部分が複数存在しても良い。本発明で使
用するブロック共重合体は、上記一般式で表されるブロ
ック共重合体の任意の混合物でもよい。尚、重合体ブロ
ックA中にビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックが
存在する場合、その割合はブロック共重合体中の全ビニ
ル芳香族炭化水素に対して50重量%以上、好ましくは
60重量%以上、またその分子量は、一般に0.5万〜
50万、好ましくは0.7〜20万であることが推奨さ
れる。
【0015】本発明において、ブロック共重合体中の共
役ジエン部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの
比率)は、後述する極性化合物等の使用により任意に変
えることができ、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを
使用した場合には、1,2−ビニル結合は一般に5〜90
%、好ましくは10〜80%、共役ジエンとしてイソプ
レンを使用した場合には、1,2−ビニル結合と3,4−ビニ
ル結合の合計量は一般に3〜80%である。但し、ブロ
ック共重合体として水添物を使用する場合のミクロ構造
は、共役ジエンとして1,3ーブタジエンを使用した場合
には、1,2−ビニル結合は好ましくは10〜80%、更
に好ましくは25〜75%であり、共役ジエンとしてイ
ソプレンを使用した場合には、1,2−ビニル結合と3,4−
ビニル結合の合計量は好ましくは5〜70%である。
【0016】本発明において、共役ジエンとは1対の共
役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−
ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタ
ジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的
なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げら
れる。これらは一つのブロック共重合体の製造において
一種のみならず二種以上を使用してもよい。又、ビニル
芳香族重合体としては、スチレン、O−メチルスチレ
ン、P−メチルスチレン、P−tert−ブチルスチレン、
1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニル
ナフタレン、ビニルアントラセン、などがあるが、特に
一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これらは
一つのブロック共重合体の製造において一種のみならず
二種以上を使用してもよい。
【0017】本発明において、ブロック共重合体の製造
に用いられる溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン
等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、或いはベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭
化水素などが使用できる。これらは一種のみならず二種
以上を混合して使用してもよい。又、ブロック共重合体
の製造に用いられる有機リチウム化合物は、分子中に1
個以上のリチウム原子を結合した化合物であり、例えば
エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピル
リチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウ
ム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム
などが挙げられる。これらは一種のみならず二種以上を
混合して使用してもよい。又、有機リチウム化合物は、
ブロック共重合体の製造において重合途中で1回以上分
割添加してもよい。
【0018】本発明において、ブロック共重合体の製造
時に、重合速度の調整、重合した共役ジエン部分のミク
ロ構造の変更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との
反応性比の調整などの目的で極性化合物やランダム化剤
を使用することができる。極性化合物やランダム化剤と
しては、エーテル類、アミン類、チオエーテル類、ホス
ホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸のカリウム塩
又はナトリウム塩、カリウムまたはナトリウムのアルコ
キシドなどが挙げられる。適当なエーテル類の例はジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルで
ある。アミン類としては第三級アミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、その他環状第三級アミンなども使用できる。ホスフ
ィン及びホスホルアミドとしては、トリフェニルホスフ
ィン、ヘキサメチルホスホルアミドなどがある。
【0019】本発明において、ブロック共重合体を製造
する際の重合温度は、一般に−10℃乃至150℃、好
ましくは30℃乃至120℃である。重合に要する時間
は条件によって異なるが、通常は48時間以内であり、
特に好適には0.5乃至10時間である。又、重合系の
雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にすることが
好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及
び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよ
く、特に限定されるものではない。更に、重合系内は触
媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純
物、例えば水、酸素、炭酸ガスなどが混入しないように
留意する必要がある。
【0020】本発明においては、ブロック共重合体を構
成する重合体ブロックA及び/又は重合体ブロックBに
水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコ
キシシラン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有す
る原子団が少なくとも1個結合している変性ブロック共
重合体又はその水添物(以後成分(1−2)と呼ぶ)を
使用することができる。かかる官能基を有する原子団が
結合しているブロック共重合体を得る方法は、ブロック
共重合体のリビング末端に官能基を有する原子団が結合
している変性剤或いは官能基を公知の方法で保護した原
子団が結合している変性剤を反応させる方法である。他
の方法としては、ブロック共重合体に有機アルカリ金属
化合物を反応(メタレーション反応)させ、ブロック共
重合体に有機アルカリ金属が付加した重合体に上記の変
性剤を反応させる方法が上げられる。後者の場合、ブロ
ック共重合体の水添物を得た後にメタレーション反応さ
せ、上記の原子団を反応させる方法が推奨される。変性
剤の種類により、変性剤を反応させた段階で一般に水酸
基やアミノ基は有機金属塩となっていることもあるが、
その場合には水やアルコール等活性水素を有する化合物
で処理することにより、水酸基やアミノ基にすることが
できる。
【0021】尚、本発明においては、ブロック共重合体
のリビング末端に変性剤を反応させる際に、一部変性さ
れていないブロック共重合体が成分(1−2)の変性ブ
ロック共重合体に混在しても良い。成分(1−2)の変
性ブロック共重合体に混在する未変性のブロック共重合
体の割合は、70%重量%以下、好ましくは60重量%
以下、より好ましくは50重量%以下であることが推奨
される。本発明において、成分(1−2)を使用したア
スファルト組成物は、ブロック共重合体又はその水添物
に結合している原子団が水酸基、エポキシ基、アミノ
基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官
能基を少なくとも1個有するため、アスファルトを構成
する成分との間の化学的な結合や水素結合等の物理的な
親和性により相互作用が効果的に発現され、また、本発
明で規定する架橋剤との間に化学的な結合を生じて本発
明が目的とする特性、特に骨材把握性に優れたアスファ
ルト組成物を得ることができる。本発明において、水酸
基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシ
シラン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原
子団として好ましい原子団は、下記一般式(1)〜(1
3)で示されるものから選ばれる原子団が上げられる。
【0022】
【化2】
【0023】(上式で、R、R〜Rは、水素又は
炭素数1〜24の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキ
シ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基か
ら選ばれる官能基を有する炭素数1〜24の炭化水素
基。Rは炭素数1〜48の炭化水素鎖、あるいは水酸
基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシ
シラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜48の
炭化水素鎖。なおR、R 〜Rの炭化水素基、及び
の炭化水素鎖中には、水酸基、エポキシ基、アミノ
基、シラノール基、アルコキシシラン基以外の結合様式
で、酸素、窒素、硫黄、シリコン等の元素が結合してい
ても良い。Rは水素又は炭素数1〜8のアルキル基で
ある) 上述した式(1)〜(13)の原子団に結合されている
〜Rの炭化水素基或いは炭化水素鎖は、アルキ
ル、アリール、アルカリール、アラルキル、シクロアル
キル、アルキレンから選ばれる少なくとも一種の1価又
は2価以上の炭化水素基である。
【0024】本発明において、水酸基、エポキシ基、ア
ミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれ
る官能基を少なくとも1個有する原子団が少なくとも1
個結合している成分(1−2)の変性ブロック共重合体
又はその水添物を得るために使用される変性剤として
は、下記のものが挙げられる。例えば、テトラグリシジ
ルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−
ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−
p−フェニレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジ
フェニルメタン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジル
オルソトルイジン、4,4’−ジグリシジルージフェニ
ルメチルアミン、4,4’−ジグリシジルージベンジル
メチルアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサ
ン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリプロポキシシランである。
【0025】また、γ−グリシドキシプロピルトリブト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジエチルメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペンオ
キシシランである。
【0026】また、ビス(γ−グリシドキシプロピル)
ジメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)
ジエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)
ジプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピ
ル)ジブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピ
ル)ジフェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロ
ピル)メチルメシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロ
ピル)メチルエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシ
プロピル)メチルプロポキシシラン、ビス(γ−グリシ
ドキシプロピル)メチルブトキシシラン、ビス(γ−グ
リシドキシプロピル)メチルフェノキシシラン、トリス
(γ−グリシドキシプロピル)メトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシメチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシエ
チルトリエトキシシランである。
【0027】また、ビス(γ−メタクリロキシプロピ
ル)ジメトキシシラン、トリス(γ−メタクリロキシプ
ロピル)メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
−トリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチル−トリブトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリフェノキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロ
ピル−トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチル−メチルジメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジ
メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル−エチルジエトキシシランである。
【0028】また、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチル−メチルジエトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジプロポキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チル−メチルジブトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチル−メチルジフェノキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−
ジメチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチル−ジエチルエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチル
エトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル−ジメチルプロポキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルブトキシ
シランである。
【0029】また、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチル−ジメチルフェノキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チル−メチルジイソプロペンオキシシラン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2
−イミダゾリジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダ
ゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリ
ジノン、1−メチル−3−プロピル−2−イミダゾリジ
ノン、1−メチル−3−ブチル−2−イミダゾリジノ
ン、1−メチル−3−(2−メトキシエチル)−2−イ
ミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−エトキシエチ
ル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ−(2−エト
キシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチ
ルエチレンチオウレアである。
【0030】また、N,N‘−ジエチルプロピレンウレ
ア、N−メチル−N’−エチルプロピレンウレア、1,
3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1
H)−ピリミジノン、1−シクロヘキシル−2−ピロリ
ドン、1−メチル−2−ピロリドン(N−メチルピロリ
ドン)、1−エチル−2−ピロリドン、1−プロピル−
2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−イ
ソプロピル−2−ピロリドン、1,5−ジメチル−2−
ピロリドン、1−メトキシメチル−2−ピロリドン、1
−メチル−2−ピペリドン、1,4−ジメチル−2−ピ
ペリドン、1−エチル−2−ピペリドン、1−イソプロ
ピル−2−ピペリドン、1−イソプロピル−5,5−ジ
メチル−2−ピペリドン等が挙げられる。
【0031】上記の変性剤を反応させることにより、重
合体ブロックA及び/又は重合体ブロックBに水酸基、
エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラ
ン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団
が結合している変性剤の残基が少なくとも1個結合して
いる成分(1−2)の変性ブロック共重合体又はその水
添物が得られる。変性ブロック共重合体又はその水添物
に変性剤の残基が結合している位置は特に制限されな
い。
【0032】本発明において、ブロック共重合体の水添
物又は変性ブロック共重合体の水添物は、上記で得られ
たブロック共重合体又は変性ブロック共重合体を水素添
加することにより得られる。水添触媒としては、特に制
限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、P
d、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイ
ソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)
Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセ
トン塩などの遷移金属塩と有機アルミニュウム等の還元
剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)
Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆ
る有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。
【0033】具体的な水添触媒としては、特公昭42−
8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭
63−4841号公報、特公平1−37970号公報、
特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公
報に記載された水添触媒を使用することができる。好ま
しい水添触媒としてはチタノセン化合物および/または
還元性有機金属化合物との混合物があげられる。チタノ
セン化合物としては、特開平8−109219号公報に
記載された化合物が使用できるが、具体例としては、ビ
スシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペン
タメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等
の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格
あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも
1つ以上もつ化合物があげられる。また、還元性有機金
属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属
化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化
合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等があ
げられる。
【0034】水添反応は一般的に0〜200℃、より好
ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水添
反応に使用される水素の圧力は0.1から15MPa、
好ましくは0.2から10MPa、更に好ましくは0.
3から5MPaが推奨される。また、水添反応時間は通
常3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。
水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそ
れらの組み合わせのいずれでも用いることができる。本
発明に使用されるブロック共重合体又は変性ブロック共
重合体の水添物において、共役ジエン化合物に基づく不
飽和二重結合のトータル水素添加率は目的に合わせて任
意に選択でき、特に限定されない。ブロック共重合体中
の共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の70%以
上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上
が水添されていても良いし、一部のみが水添されていて
も良い。一部のみを水添する場合には、水添率が10%
以上、70%未満、或いは15%以上、65%未満、所
望によっては20%以上、60%未満にすることが好ま
しい。
【0035】更に、本発明では、水素添加ブロック共重
合体において,水素添加前の共役ジエン中のビニル結合
の水素添加率が85%以上、好ましくは90%以上更に
好ましくは95%以上であることが、熱安定性に優れた
アスファルト組成物を得る上で推奨される。ここで、ビ
ニル結合の水素添加率とは、ブロック共重合体中に組み
込まれている水素添加前の共役ジエン中のビニル結合の
内、水素添加されたビニル結合の割合を云う。
【0036】なお、ブロック共重合体又は変性ブロック
共重合体の水添物中のビニル芳香族炭化水素に基づく芳
香族二重結合の水添率については特に制限はないが、水
添率を50%以下、好ましくは30%以下、更に好まし
くは20%以下にすることが好ましい。水添率は、核磁
気共鳴装置(NMR)により知ることができる。本発明
で使用する成分(1)、成分(1−1)、成分(1−
2)、或いは成分(1−3)(以後、これらをブロック
共重合体又はその水添物等とも呼ぶ)の重量平均分子量
は、3万〜100万、好ましくは5万〜80万、更に好
ましくは7〜60万である。分子量が3万未満の場合
は、アスファルト組成物の軟化点や機械的強度が劣り、
100万を超えるとアスファルトへの溶解性が劣るため
好ましくない。
【0037】本発明において、ブロック共重合体又はそ
の水添物等における共役ジエン化合物に基づくビニル結
合含量や水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて
知ることができる。また、ブロック共重合体又はその水
添物等の分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラム
のピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定か
ら求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使
用して作成)を使用して求めることができる。
【0038】上記のようにして得られたブロック共重合
体又はその水添物等の溶液は、必要に応じて触媒残査を
除去し、ブロック共重合体又はその水添物等を溶液から
分離することができる。溶媒の分離の方法としては、例
えば重合後又は水添後の溶液にアセトンまたはアルコー
ル等の重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重
合体を沈澱させて回収する方法、ブロック共重合体又は
その水添物等の溶液を撹拌下熱湯中に投入し、スチーム
ストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、ま
たは直接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等を
挙げることができる。尚、本発明で使用するブロック共
重合体又はその水添物等には、各種フェノール系安定
剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等
の安定剤を添加することができる。
【0039】本発明のアスファルト組成物において、ブ
ロック共重合体又はその水添物等におけるブロック共重
合体として、 (1−A)1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重
合体ブロックと、1個の共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックを有するブロック共重合体又はその水添
物10〜90重量%、好ましくは20〜80重量% (1−B)少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素を主
体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックを有するブロック
共重合体又はその水添物90〜10重量%、好ましくは
80〜20重量%から成るブロック共重合体、或いは、
【0040】(1−2−A)1個のビニル芳香族炭化水
素を主体とする重合体ブロックと、1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックを有し、しかも本発明
で規定する官能基を有する原子団が結合しているブロッ
ク共重合体又はその水添物10〜90重量%、好ましく
は20〜80重量% (1−2−B)少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素
を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを有し、しか
も本発明で規定する官能基を有する原子団が結合してい
るブロック共重合体又はその水添物90〜10重量%、
好ましくは80〜20重量% から成るブロック共重合体を使用することが、軟化点と
相分離安定性のバランス性能に優れたアスファルト組成
物を得る上で推奨される。
【0041】これらのブロック共重合体の分子量(GP
Cによる測定において、標準ポリスチレン換算でのピー
ク分子量)は、成分(1−A)又は(1−2−A)が3
万〜15万、好ましくは4万〜14万、更に好ましくは
5万〜13万であり、成分(1−B)又は(1−2−
B)が10万〜30万、好ましくは12万〜28万、更
に好ましくは14万〜26万であることが、アスファル
ト組成物の軟化点と相分離安定性のバランス性能の点で
とりわけ好ましい。
【0042】本発明において、成分(1−A)および成
分(1−B)からなるブロック共重合体、又は(1−2
−A)及び(1−2−B)からなるブロック共重合体
は、例えば不活性炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合
物を重合開始剤としてスチレンを重合させ、次いで、ブ
タジエンを重合させ、さらに場合によりこれらの操作を
繰り返す方法により得られたスチレンブタジエンブロッ
クコポリマーの分子量の異なる2種類のブロック共重合
体を別々に重合して、カップリング剤或いは変性剤を反
応した後、混合させる事により得られる。その際、分子
量は有機リチウム化合物量を制御することにより調整さ
れる。各成分の混合方法は、重合反応終了後、水、アル
コール、酸などを添加して活性種を失活させた各成分の
重合溶液を所定の組成でブレンドした後、例えばスチー
ムストリッピングなどを行って重合溶媒を分離した後、
乾燥することにより得ることができる。また個別に重合
溶媒を分離、乾燥して得られたポリマーをロール等の混
練機でブレンドして得ることもできる。
【0043】また、成分(1−A)および成分(1−
B)からなるブロック共重合体、又は(1−A)或いは
(1−2−A)と(1−2−B)からなるブロック共重
合体は、上記とは別の手法によっても得ることができ
る。即ち、上記と同様な手法で、成分(1−A)を重合
した後、重合系内に上述したカップリング剤或いは変性
剤の内カップリング剤反応が可能な変性剤を有機リチウ
ム化合物に対して、所定量添加することにより得られる
共重合体生成物を成分(1−B)或いは(1−2−B)
とし、同一反応系内で所期の組成物を得る。この手法を
用いると、成分(1−B)或いは(1−2−B)のピ−
ク分子量は成分(1−A)或いは(1−2−A)のピ−
ク分子量の整数倍であり、成分(1−A)或いは(1−
2−A)と成分(1−B)或いは(1−2−B)のモノ
アルケニル芳香族化合物含有量は同じになり構造が限定
されるが、上記の方法に比ベ工業的に有利である。
【0044】次に本発明に使用される成分(2)のアス
ファルトは、石油精製の際の副産物(石油アスファル
ト)。または天然の産出物(天然アスファルト)として
得られるもの、もしくはこれらと石油類を混合したもの
などを上げることができ、その主成分は瀝青(ビチュー
メン)と呼ばれるものである。具体的にはストレートア
スファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアス
ファルト、タール、ピッチ、オイルを添加したカットバ
ックアスファルト、アスファルト乳剤などを使用するこ
とができる。これらは混合して使用しても良い。本発明
において好ましいアスファルトは、針入度が30〜30
0,好ましくは40〜200、更に好ましくは45〜1
50のストレートアスファルトである。本発明のアスフ
ァルト組成物において、ブロック共重合体又はその水添
物等の配合割合は、アスファルト100重量部に対して
0.5〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、更に
好ましくは3〜20重量部である。
【0045】本発明において、成分(3)の架橋剤は、
酸無水物基を少なくとも1個、又はカルボキシル基、イ
ソシアネート基、シラノール基、アルコキシシラン基、
エポキシ基から選ばれる官能基を少なくとも2個有する
架橋剤である。架橋剤の配合量は、成分(2)のアスフ
ァルト100重量部に対して、0.01〜5重量部、好
ましくは0.05〜5重量部、更に好ましくは0.1〜
5重量部である。とりわけ推奨される架橋剤の配合量は
0.2〜3重量部、好ましくは0.5〜2重量部であ
る。0.01重量部未満の場合にはアスファルト組成物
の機械的強度や高温貯蔵安定性が劣り、5重量部を超え
ても本発明が目的とする効果を超える効果は発現されな
い。
【0046】成分(3)の架橋剤として具体的なもの
は、次のようなものが上げられる。カルボキシル基を少
なくとも2個有する架橋剤としては、マレイン酸、フマ
ル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピ
メリン酸、スペリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジカルボン酸、カルバリル酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸
等の脂肪族カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル
ジカルボン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。
【0047】酸無水物基を少なくとも1個有する架橋剤
は、これらの架橋剤のカルボキシル基が酸無水物基の形
で結合しているものであり、かかる架橋剤としては無水
マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸などである。
酸無水物基を少なくとも2個有する架橋剤としては、
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、
5−(2,5−ジオキシテトラヒドロキシフリル)−3
−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
無水物、無水トリメリット酸混合物等が挙げられる。
【0048】イソシアネート基を少なくとも2個有する
架橋剤としてはトリレンジイソシアナート、ジフェニル
メタンジイソシアナート、多官能芳香族イソシアナート
等が挙げられる。シラノール基を少なくとも2個有する
架橋剤としては成分(1−2)の変性ブロック共重合体
を得るために使用される変性剤として記載されているシ
ラン化合物の加水分解物等が挙げられる。アルコキシシ
ラン基を少なくとも2個有する架橋剤としてはビス−
(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルファ
ン、エトキシシロキサンオリゴマーの他、成分(1−
2)の変性ブロック共重合体を得るために使用される変
性剤として記載されているシラン化合物等が挙げられ
る。
【0049】さらに、エポキシ基を少なくとも2個有す
る架橋剤としてはエチレングリコールジグリシジル、プ
ロピレングリコールジグリシジル、テレフタル酸ジグリ
シジルエステルアクリレートの他、成分(1−2)の変
性ブロック共重合体を得るために使用される変性剤とし
て記載されているエポキシ化合物等が挙げられる。特に
好ましい架橋剤は、無水マレイン酸、1,2,4,5−
ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(無水ピロメリット
酸)、トリレンジイソシアナート、テトラグリジジル−
1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−(3
−トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルファン等
である。なお、本発明において、ブロック共重合体又は
その水添物を構成する重合体ブロックA及び/又は重合
体ブロックBに水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノ
ール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を少な
くとも1個有する原子団が少なくとも1個結合している
ブロック共重合体又はその水添物でない成分(1)を使
用する場合、本発明の架橋剤には多官能性モノマー型架
橋剤(具体的にはメタクリル酸の高級エステル類、多官
能性ビニルモノマー類、キノンジオキシム類、ビスマレ
イミド類など)は含まない。
【0050】本発明においては、重合体ブロックA及び
/又は重合体ブロックBに水酸基、エポキシ基、アミノ
基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官
能基を少なくとも1個有する原子団が少なくとも1個結
合しているブロック共重合体又はその水添物である成分
(1−2)に、前記の成分(3)を予め反応させた二次
変性ブロック共重合体(本発明では成分(1−3)と規
定)を成分(2)と配合してアスファルト組成物とする
ことができる。成分(1−2)に成分(3)を予め反応
させる場合、成分(1−2)に結合されている官能基1
当量あたり、成分(3)が0.3〜10モル、好ましく
は0.4〜5モル、更に好ましくは0.5〜4モルであ
る。
【0051】成分(1−2)と成分(3)を予め反応さ
せる方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法
が利用できる。例えば、溶融混練方法や各成分を溶媒等
に溶解又は分散混合して反応させる方法などが挙げられ
る。溶融混練方法としては、バンバリーミキサー、単軸
スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、
多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融
混練方法が適用できる。また、各成分を溶媒等に溶解又
は分散混合して反応させる方法においては、溶媒として
は各成分を溶解又は分散するものであれば特に制限はな
く、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素
などの炭化水素系溶媒の他、含ハロゲン系溶媒、エステ
ル系溶媒、エーテル系溶媒などが使用できる。かかる方
法において各成分を反応させる温度は、一般に−10〜
150℃、好ましくは30〜120℃である。反応に要
する時間は条件によって異なるが、一般に3時間以内で
あり、好ましくは数秒〜1時間である。特に好ましい方
法は、成分(1−2)を製造した溶液中に成分(3)を
添加して反応させて二次変性ブロック共重合体を得る方
法が推奨される。
【0052】このようにして得られた成分(1−3)を
成分(2)と配合してアスファルト組成物とする場合、
成分(2)100重量部に対して、更に成分(3)を
0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜5重量部、
更に好ましくは0.1〜5重量部配合することができ
る。成分(1−3)を使用したアスファルト組成物は、
水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコ
キシシラン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有す
る変性ブロック共重合体又はその水添物に、酸無水物基
を少なくとも1個、又はカルボキシル基、イソシアネー
ト基、シラノール基、アルコキシシラン基、エポキシ基
から選ばれる官能基を少なくとも2個有する架橋剤を反
応させた二次変性ブロック共重合体又はその水添物を使
用するため、アスファルトを構成する成分との間の化学
的な結合や水素結合等の物理的な親和性により相互作用
が効果的に発現され本発明が目的とする特性、特に骨材
把握性に優れたアスファルト組成物を得ることができ
る。
【0053】更に、本発明においては成分(4)として
硫黄を併用して更に特性を向上させることが出来る。本
発明で使用される成分(4)の硫黄は、粉末硫黄、沈降
硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶製性硫黄、不
活性硫黄などであり、その他に塩化硫黄、二硫化硫黄、
モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジス
ルフィド、高分子多硫化物などの硫黄含有化合物などを
使用することができる。また硫黄と併用して、架橋促進
剤を使用することでき、スルフェンアミド系架橋促進
剤、グアニジン系架橋促進剤、チウラム系架橋促進剤、
アルデヒド・アミン系、アルデヒド・アンモニア系、チ
アゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系、ザン
テート系などが必要に応じた量使用される。
【0054】架橋促進剤の具体例としては、ジフェニル
・グァニジン、n−ブチルアルデヒド−アニル縮合品、
ヘキサメチレン・テトラミン、2−メルカプトベンゾチ
アゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・
スルフェンアミド、チオカルバニリド、テトラメチルチ
ウラム・モノスルフィド、ジメチル・ジチオカルバミン
酸ナトリウム、イソプロピル・キサントゲン酸亜鉛など
が挙げられる。成分(4)の硫黄の使用量は、成分
(2)のアスファルト100重量部に対して、0.01
〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、更に好
ましくは0.1〜2重量部である。また架橋促進剤を使
用する場合、その使用量は、成分(2)のアスファルト
100重量部に対して、0.01〜10重量部、好まし
くは0.05〜5重量部、更に好ましくは0.1〜2重
量部である。これらの使用量は、目的とする作用効果を
発現させるために上記の範囲で選定される。
【0055】本発明においては、本発明が目的とする性
能の更なる性能向上のため必要に応じてシランカップリ
ング剤を使用することができる。シランカップリング剤
の具体例としては、ビス−[3−(トリエトキシシリ
ル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−
(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、
ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テト
ラスルフィド、3−メルカプトプロピル−トリメトキシ
シラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−トリエトキシシリルプロピルーN,Nージメチ
ルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキ
シシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシランである。
【0056】また、3−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタ
クリロキシプロピル、メチルジメトキシシラン、3−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタク
リロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチ
ル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−
2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリ
エトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデ
ン)プロピルアミン、N−フェニルー3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルト
リエトキシシラン等があげられる。
【0057】好ましいシランカップリング剤は、シラノ
ール基又はアルコキシシランを有すると同時にメルカプ
ト基又は/及び硫黄が2個以上連結したポリスルフィド
結合を有するものであり、その例としてはビス−[3−
(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィ
ド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]
−ジスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)
−エチル]−テトラスルフィド、3−メルカプトプロピ
ル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピル
−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィ
ド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾール
テトラスルフィドなどがあげられる。シランカップリン
グ剤の配合量は、成分(2)のアスファルト100重量
部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.0
5〜10重量部、更に好ましくは0.1〜5重量部が推
奨される。
【0058】本発明においては、骨材把握性の点から必
要に応じてアニオン系、カチオン系及びノニオン系界面
活性剤等を使用することができる。界面活性剤の具体例
としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、モノアミ
ン化合物、ジアミン化合物、ポリアミン化合物、ポリエ
チレンオキサイドとポリプロピレンオキサイド共重合オ
リゴマーなどが挙げられる。その他、酸性有機リン酸化
合物、酸性有機リン酸化合物と無機リン酸化合物との混
合物、多価カルボン酸又はその無水物、脂肪族リン酸エ
ステル、ステアリルフォスフェート等の高級アルコール
のリン酸エステル、高級アルコールとリン酸化アルコー
ルとの混合物、没食子酸又はその誘導体、トール油脂酸
又はその誘導体、ポリアルキレンポリアミンと脂肪酸の
縮合物、液状エポキシ、無水マレイン酸グラフト変性P
E、無水マレイン酸グラフト変性PP、無水マレイン酸
グラフト変性SBS、無水マレイン酸グラフト変性SE
BS、無水マレイン酸グラフト変性SEPSなどを使用
することができる。
【0059】本発明においては、必要に応じて任意の添
加剤を配合することができる。添加剤の種類は,熱可塑
性樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるもの
であれば特に制限はない。例えば,炭酸カルシウム,炭
酸マグネシウム,水酸化マグネシウム、硫酸カルシウ
ム,硫酸バリウム、シリカ、クレー、タルク、マイカ、
ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ア
ルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ス
ラッグウール、ガラス繊維などの無機充填剤,カ−ボン
ブラック,酸化鉄等の顔料,ステアリン酸,ベヘニン
酸,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム,ステ
アリン酸マグネシウム,エチレンビスステアロアミド等
の滑剤,離型剤である。
【0060】また、パラフィン系プロセスオイル、ナフ
テン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラ
フィン、有機ポリシロキサン,ミネラルオイル等の軟化
剤・可塑剤,ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン
系熱安定剤等の酸化防止剤,ヒンダードアミン系光安定
剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤,難燃剤,帯電
防止剤,有機繊維,ガラス繊維,炭素繊維,金属ウィス
カ等の補強剤,着色剤、その他添加剤或いはこれらの混
合物等「ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジ
ェスト社編)などに記載されたものが挙げられる。
【0061】上記のようにして得られた本発明のアスフ
ァルト組成物は、排水性舗装用として好適に利用でき
る。特に本発明のアスファルト組成物は高温貯蔵安定
性、伸度、低温曲げ特性、骨材把握性に優れる点を生か
して交通量の多い道路、高速道路、交差点やカーブ地点
などの自動車の過重がかかりやすい道路などの排水性舗
装道路におけるバインダーとして利用できる。本発明の
アスファルト組成物を利用した排水性舗装道路は、耐わ
だち掘れ性、透水性、交通騒音低減性、低温時にひび割
れしにくいなどの低温特性に優れる。なお、本発明のア
スファルト組成物は、排水性舗装道路と同様の機能が要
求される透水性舗装道路にも利用でき、本発明の範囲に
含まれる。
【0062】一般にアスファルト舗装は、適当な粒度分
布を有する祖骨材(砕石)、細骨材(砂、砕砂)石粉等
の混合物にアスファルトバインダーを加熱状態で混合し
たアスファルト混合物を敷き均し、ローラー等で転圧し
て施工されるが、排水性舗装は降雨時の滞水防止のため
の排水性、連続した水膜の除去による走行安全性の確
保、エンジン音やタイヤと路面との接触にからむ騒音等
の交通騒音低減などの機能を発揮させるために、通常の
アスファルト混合物に比較して非常に多くの連続した空
隙を有する配合となっている。本発明のアスファルト組
成物は、排水性舗装層の空隙率が5〜35%、好ましく
は10〜30%、更に好ましくは12〜28%の排水性
舗装として好適である。排水性舗装層の空隙率は、「舗
装試験法便覧別冊(暫定試験方法)」(社団法人 日本
道路協会発行)等に記載された方法で求めることができ
る。
【0063】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。尚、以下の実施例において、ブロッ
ク共重合体及びその水添物等の特性、アスファルト組成
物の物性の測定は、次のようにして行った。 A.ブロック共重合体及びその水添物等の特性の測定 1)スチレン含有量 紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262
nmの吸収強度より算出した。 2)ビニル結合及び水添率 核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)
を用いて測定した。
【0064】3)分子量 GPC〔装置はウォーターズ社製で、ポリスチレン系ゲ
ルを充填剤〕で測定し、溶媒にはテトラヒドロフランを
用い、測定条件は、温度35℃で行った。分子量は、ク
ロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチ
レンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピー
ク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分
子量である。尚、クロマトグラム中にピークが複数有る
場合の分子量は、各ピークの分子量と各ピークの組成比
(クロマトグラムのそれぞれのピーク面積比より求め
る)から求めた平均分子量をいう。
【0065】4)未変性ブロック共重合体の割合 シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに変性した成
分が吸着する特性を応用し、変性ブロック共重合体と低
分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液について、
上記3)で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレ
ンに対する変性ブロック共重合体の割合と、シリカ系カ
ラムGPC〔装置はデュポン社製:Zorbax〕で測定した
クロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する変性ブロ
ック共重合体の割合を比較し、それらの差分よりシリカ
カラムへの吸着量を測定した。未変性ブロック共重合体
の割合は、シリカカラムへ吸着しなかったものの割合で
ある。
【0066】B.水添触媒の調製 窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン
1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十
分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモ
ルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日
間反応させた。
【0067】C.アスファルト組成物の各種測定 1)軟化点(リング&ボール法) JIS−K 2207に準じ、規定の環に試料を充填
し、グリセリン液中に水平に支え、試料の中央に3.5
gの球を置き、液温を5℃/minの速で上昇させたと
き、球の重さで試料が環台の底板に触れた時の温度を測
定した。 2)溶融粘度 180℃でブルックフィールド型粘度計により測定し
た。 3)針入度 JIS−K 2207に準じ、恒温水浴槽で25℃に保
った試料に規定の針が5秒間に進入する長さを測定し
た。
【0068】4)伸度 JIS−K 2207に準じ、試料を形枠に流し込み、
規定の形状にした後、恒温水浴内で4℃に保ち、次に試
料を5cm/minの速度で引っ張ったとき、試料が切
れるまでに伸びた距離を測定した。 5)接着強さ 帆布にトルエンに溶かしたアスファルト組成物をコータ
ーで帆布上にアスファルト組成物を塗布し、室温乾燥1
時間後、70℃オーブンで7分間乾燥させ、完全にトル
エンを蒸発させた。次に、アスファルト組成物を塗布し
た帆布を被着体である表面が平滑な御影石と共に70℃
オーブンに1時間入れ、取り出し後速やかに荷重1kg
のローラーで2回圧着した。そして、23℃の恒温室で
帆布と御影石の180℃剥離試験を行い、接着強さを測
定した。
【0069】6)低温曲げ特性 20mm×20mm×120mmの形枠にアスファルト
組成物を流し込み、余剰分をカットし、−20℃の低温
槽に4時間以上養生後、速やかに取り出しスパンは80
mm、積荷速度100mm/min、2点支持中央積荷
方式で曲げ応力を測定した。 7)高温貯蔵安定性(分離特性) アスファルト組成物作製直後、内径50mm、高さ13
0mmのアルミ缶にアスファルト組成物をアルミ缶の上
限まで流し込み、180℃のオーブン中に入れ、24時
間後取り出し自然冷却させた。次に室温まで下がったア
スファルト組成物を下端から4cm、上端から4cmの
アスファルト組成物を採取し、それぞれ上層部と下層部
の軟化点を測定し、その軟化点差を高温貯蔵安定性の尺
度とした。
【0070】D.排水性舗装混合物の特性の測定 6号砕石を約85重量%、砕砂を約10重量%、石粉を
約5重量%用い、空隙率が約20%になるように配合設
計された骨材を混合して170℃で加熱し、これにバイ
ンダーとして加熱溶融したアスファルト組成物を5重量
%添加して170℃で混合し、空隙率が約20%の排水
性舗装混合物を作製して下記の特性を測定した。 1)カンタブロ試験 「舗装試験法便覧別冊(暫定試験方法)」(社団法人
日本道路協会発行)に記載されたカンタブロ試験方法に
準じて測定した。養生温度は0℃。試験温度は18℃。 2)ホイールトラッキング試験 「舗装試験法便覧別冊(暫定試験方法)」(社団法人
日本道路協会発行)に記載されたホイールトラッキング
試験方法に準じて測定した。試験温度は60±0.5
℃。
【0071】
【実施例1〜2、および比較例1〜3】攪拌機及びジャ
ケット付きのオ−トクレ−ブを洗浄,乾燥,窒素置換
し,予め精製したスチレン15重量部を含むシクロヘキ
サン溶液(濃度20重量%)を投入した。次いでn−ブ
チルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加
し,70℃で1時間重合した後,予め精製したブタジエ
ン70重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量
%)を加えて70℃で1時間重合し、安息香酸エチルで
カップリングさせ、ブロック共重合体Iを得た。
【0072】得られたブロック共重合体Iは分析の結
果、スチレン量30%、(1−A)の量が25重量%、
(1−B)の量が75重量%、ビニル結合量が15%、
平均分子量が12.6万であった。このように得られた
該ブロック共重合体Iを用い、表1記載の材料及び配合
処方に従い以下の試験を行った。750ミリリットルの
金属缶にストレートアスファルト60−80〔日本石油
(株)製〕を400g投入し、180℃のオイルバスに
金属缶を充分に浸す。次に、所定量のブロック共重合体
Iと架橋剤を溶融状態にし攪拌しているアスファルトの
中に少量づつ投入する。完全投入後5000rpmの回
転速度で90分間攪拌してアスファルト組成物を調整し
た。その特性を表1に示す。なお、架橋剤には1,2,
4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物を用いた。
【0073】
【実施例3、および比較例4】実施例1で使用したブロ
ック共重合体Iを表1の配合処方に従いストレートアス
ファルトの種類をストレートアスファルト80−100
〔日本石油(株)製〕を使用する以外は実施例1と同様
の方法、同じ架橋剤を用いて、アスファルト組成物を調
整した。その特性を表1に示す。
【0074】
【実施例4、および比較例5】実施例1と同様の方法で
重合した後、変性剤として1,3−ビス(N,N’−ジ
グリルジルアミノメチル)シクロヘキサンを重合に使用
したn−ブチルリチウムに対して当モル反応させた。得
られた変性ブロック共重合体IIは分析の結果、スチレ
ン量29%、(1−2−A)の量が29重量%、(1−
2−B)の量が71重量%、ビニル結合量が15%、平
均分子量が13.6万、未変性ブロック共重合体の割合
は23%であった。このように得られた変性ブロック共
重合体IIを用い、表2記載の材料及び配合処方に従い
実施例1と同様の方法、同様のストレートアスファルト
及び架橋剤を用いて、アスファルト組成物を調整した。
その特性を表2に示す。
【0075】
【実施例5】実施例1と同様の方法で重合した後、変性
剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
を重合に使用したn−ブチルリチウムに対して当モル反
応させた。得られた変性ブロック共重合体IIIは分析
の結果、スチレン量30%、(1−A)と(1−2−
A)の合計量が30重量%、(1−2−B)の量が70
重量%、ビニル結合量が15%、平均分子量が13.4
万、未変性ブロック共重合体の割合は24%であった。
このように得られた変性ブロック共重合体IIIを用
い、表2記載の材料及び配合処方に従い実施例1と同様
の方法、同様のストレートアスファルト及び架橋剤を用
いて、アスファルト組成物を調整した。その特性を表2
に示す。
【0076】
【実施例6、および比較例6】実施例1と同様の方法で
重合したブロック共重合体に、上記記載の水添触媒をポ
リマー100重量部当たりTiとして100ppm添加
し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を1時
間行った。得られたブロック共重合体IVは分析の結
果、スチレン量30%、(1−A)の量が29重量%、
(1−B)の量が71重量%、平均分子量が13万、水
添率95%であった。このように得られた該ブロック共
重合体IVを用い、表2記載の材料及び配合処方に従い
実施例1と同様の方法、同様のストレートアスファルト
及び架橋剤を用いて、アスファルト組成物を調整した。
その特性を表2に示す。
【0077】
【実施例7、および比較例7】実施例1と同様の方法で
重合した後、変性剤として1,3−ビス(N,N’−ジ
グリルジルアミノメチル)シクロヘキサンを重合に使用
したn−ブチルリチウムに対して当モル反応させて変性
ブロック共重合体を得た後、実施例6と同じ水添触媒を
使用して同様の方法で水添反応を行った。得られた水添
変性ブロック共重合体Vは分析の結果、スチレン量30
%、(1−A)と(1−2−A)の合計量が30重量
%、(1−2−B)の量が70重量%、平均分子量が1
4万、水添率95%、未変性ブロック共重合体の割合は
23%であった。このように得られた水添変性ブロック
共重合体Vを用い、表2記載の材料及び配合処方に従い
実施例1と同様の方法、同様のストレートアスファルト
及び架橋剤を用いて、アスファルト組成物を調整した。
その特性を表2に示す。
【0078】
【実施例8、および比較例8】攪拌機及びジャケット付
きのオ−トクレ−ブを洗浄,乾燥,窒素置換し,予め精
製したスチレン18重量部を含むシクロヘキサン溶液
(濃度20重量%)を投入した。次いでn−ブチルリチ
ウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し,70℃
で1時間重合した後,予め精製したブタジエン65重量
部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を加え
て70℃で1時間重合した。その後、更に、予め精製し
たスチレン17重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度
20重量%)を加えて70℃で1時間重合した。次に、
重合に使用したn−ブチルリチウム1当量に対してN−
メチルピロリドンを1モル反応させて、変性ブロック共
重合体VIを得た。得られた変性ブロック共重合体VI
は分析の結果、スチレン量35%、ビニル結合量が15
%、平均分子量が16万、未変性ブロック共重合体の割
合は20%であった。このように得られた変性ブロック
共重合体VIを用い、実施例1と同じ方法で表3記載の
材料及び配合処方に従い試験を行った。その特性を実施
例8として表3に示す。また、N−メチルピロリドンを
反応させない以外は上記と同様の方法でブロック共重合
体VIIを得た。このように得られた該ブロック共重合
体VII用い、実施例1と同じ方法で表3記載の材料及
び配合処方に従い試験を行った。その特性を比較例8と
して表3に示す。
【0079】
【比較例9】攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ−
ブを洗浄,乾燥,窒素置換し,予め精製したブタジエン
を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入し
た。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレン
ジアミンを添加し,70℃で1時間重合した。得られた
重合体VIIは分析の結果、ビニル結合量が15%、平
均分子量が18万であった。このように得られた該重合
体を用い、実施例1と同じ方法で表3記載の材料及び配
合処方に従い試験を行った。その特性を表3に示す。
【0080】
【実施例9】架橋剤として1,2,4,5−ベンゼンテ
トラカルボン酸二無水物の代わりに無水マレイン酸を2
重量部使用する以外は実施例4と同じ方法でアスファル
ト組成物を調整した。その特性を表4に示す。
【0081】
【実施例10】変性ブロック共重合体IIに、該変性ブ
ロック共重合体に結合する官能基1当量あたり2.1モ
ルの無水マレイン酸を配合して30mmφ二軸押出機で
200℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練
し、変性ブロック共重合体IIの二次変性ブロック共重
合体(二次変性ブロック共重合体a)を得た。次にブロ
ック共重合体Iの代わりに二次変性ブロック共重合体a
を用い、架橋剤を添加しない以外は実施例1と同じ方法
でアスファルト組成物を調整した。そのアスファルト組
成物の特性を表4に示す。
【0082】
【実施例11】攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ
−ブを洗浄,乾燥,窒素置換し,予め精製したスチレン
15重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量
%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメ
チルエチレンジアミンを添加し,70℃で1時間重合し
た後,予め精製したブタジエン70重量部を含むシクロ
ヘキサン溶液(濃度20重量%)を加えて70℃で1時
間重合し、さらに、予め精製したスチレン15重量部を
含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を加えて7
0℃で1時間重合した。次に、このようにして得られた
リビング共重合体に変性剤として1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノンを重合に使用したn−ブチルリチウ
ムに対して当モル反応させた。得られた変性ブロック共
重合体IXは分析の結果、スチレン量30%、ビニル結
合量が17%、平均分子量が12万、未変性ブロック共
重合体の割合は15%であった。このように得られた変
性ブロック共重合体IX、ストレートアスファルト80
−100及び架橋剤として無水マレイン酸を用い、表4
記載の配合処方に従って実施例1と同様の方法でアスフ
ァルト組成物を調整した。その特性を表4に示す。
【0083】
【実施例12】変性ブロック共重合体IXの溶液に無水
マレイン酸を変性ブロック共重合体IXに結合する官能
基1当量あたり3.5モルを添加して約60℃で30分
間反応させて変性ブロック共重合体IXの二次変性ブロ
ック共重合体(二次変性ブロック共重合体b)を得た。
次に変性ブロック共重合体IXの代わりに二次変性ブロ
ック共重合体bを用い、架橋剤を添加しない以外は実施
例11と同じ方法でアスファルト組成物を調整した。そ
のアスファルト組成物の特性を表4に示す。
【0084】
【実施例13】架橋剤としてトリレンジイソシアネート
を使用する以外は実施例1と同じ方法でアスファルト組
成物を調整した。その特性を表4に示す。
【0085】
【実施例14】変性ブロック共重合体IXと同様の方法
で得たスチレン量が25%、ビニル結合量が13%、平
均分子量が13万、未変性ブロック共重合体の割合が2
5%の変性ブロック共重合体Xの溶液に無水マレイン酸
を変性ブロック共重合体Xに結合する官能基1当量あた
り1モル添加して約60℃で30分間反応させて変性ブ
ロック共重合体Xの二次変性ブロック共重合体(二次変
性ブロック共重合体c)を得た。次に、100質量部の
ストレートアスファルト60−80〔日本石油(株)
製〕、8質量部の二次変性ブロック共重合体c、硫黄
(金華印微粉硫黄、鶴見化学工業(株)製)0.1質量
部からなるアスファルト組成物を得た。その特性を表4
に示す。
【0086】
【実施例15、および比較例10】実施例11で使用し
た変性ブロック共重合体IXと同様の方法で重合及び変
性反応を行い、スチレン量30%、ビニル結合量が15
%、平均分子量が11万、未変性ブロック共重合体の割
合が32%の変性ブロック共重合体を得た。次に、この
変性ブロック共重合体の溶液に該変性ブロック共重合体
に結合する官能基1当量あたり1モルの無水マレイン酸
を添加して約60℃で30分間反応させて二次変性ブロ
ック共重合体dを得た。次に、100質量部のストレー
トアスファルト60−80〔日本石油(株)製〕と、8
質量部の二次変性ブロック共重合体dからなるアスファ
ルト組成物を得た。得られたアスファルト組成物の特性
及びそのアスファルト組成物を配合した排水性舗装混合
物の特性を表5に示す。(実施例15) 上記の二次変性ブロック共重合体dの代わりに変性剤を
反応させなかった未変性ブロック共重合体を使用し、実
施例15と同様の方法でアスファルト組成物及び排水性
舗装混合物を調製した。それらの特性を表5に示す。
(比較例10) なお、上記の実施例において使用した各重合体には、安
定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロッ
ク共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し
た。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
【発明の効果】本発明のアスファルト組成物は、軟化
点、伸度、曲げ特性、高温貯蔵安定性が良好で、骨材把
握性(骨材剥離防止性に優れることを意味する)に優れ
たアスファルト組成物に関するものである。本発明のア
スファルト組成物は、かかる特性を生かして道路舗装用
途、ルーフィング・防水シート用途、シーラント用途、
遮音シート等の用途に利用することができる。特に、本
発明のアスファルト組成物は排水性舗装用アスファルト
組成物として有用であり、排水性舗装道路に好適に利用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 95/00 C08L 53:02 53:02) Fターム(参考) 2D051 AA02 AA08 AF01 AF10 AG01 AG04 AG14 AG20 AH02 AH03 EA06 EB06 4J002 AG001 BP012 FD146 GL00 4J100 CA31 HA61 HC39 HC43 HC51 HC57 HC78 HG02 JA67

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素を主体とする少な
    くとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とす
    る少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック
    共重合体(1)又はその水添物である成分(1−1)
    0.5〜50重量部、アスファルト成分(2)100重
    量部、および酸無水物基を少なくとも1個、又はカルボ
    キシル基、イソシアネート基、シラノール基、アルコキ
    シシラン基、エポキシ基から選ばれる官能基を少なくと
    も2個有する架橋剤である成分(3)0.01〜5重量
    部からなるアスファルト組成物。
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体(1)において、該重
    合体ブロックA及び/又は重合体ブロックBに水酸基、
    エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラ
    ン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団
    が少なくとも1個結合している変性ブロック共重合体又
    はその水添物である成分(1−2)0.5〜50重量
    部、アスファルト成分(2)100重量部、および酸無
    水物基を少なくとも1個、又はカルボキシル基、イソシ
    アネート基、シラノール基、アルコキシシラン基、エポ
    キシ基から選ばれる官能基を少なくとも2個有する架橋
    剤である成分(3)0.01〜5重量部からなる請求項
    1に記載のアスファルト組成物。
  3. 【請求項3】 ブロック共重合体又はその水添物である
    成分(1−2)において、成分(3)として酸無水物基
    を少なくとも1個、又はカルボキシル基、イソシアネー
    ト基、シラノール基、アルコキシシラン基、エポキシ基
    から選ばれる官能基を少なくとも2個有する架橋剤を該
    官能基1当量あたり0.3〜10モル反応させた二次変
    性ブロック共重合体である成分(1−3)0.5〜50
    重量部、およびアスファルトである成分(2)100重
    量部からなるアスファルト組成物。
  4. 【請求項4】 変性ブロック共重合体又はその水添物で
    ある成分(1−2)が、下記(1)〜(13)から選ば
    れる官能基を少なくとも1個有する原子団が少なくとも
    1個結合している変性ブロック共重合体又はその水添物
    である請求項2または3に記載のアスファルト組成物。 【化1】 (上式で、R、R〜Rは、水素又は炭素数1〜2
    4の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミノ
    基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官
    能基を有する炭素数1〜24の炭化水素基。Rは炭素
    数1〜48の炭化水素鎖、あるいは水酸基、エポキシ
    基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から
    選ばれる官能基を有する炭素数1〜48の炭化水素鎖。
    なおR、R 〜Rの炭化水素基、及びRの炭化水
    素鎖中には、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノー
    ル基、アルコキシシラン基以外の結合様式で、酸素、窒
    素、硫黄、シリコン等の元素が結合していても良い。R
    は水素又は炭素数1〜8のアルキル基である)
  5. 【請求項5】 硫黄成分(4)を、成分(2)のアスフ
    ァルト100重量部に対して0.01〜10重量部配合
    してなる請求項1〜4のいずれかに記載のアスファルト
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のアスフ
    ァルト組成物から構成される、排水性舗装層の空隙率が
    5〜35%の排水性舗装に適した排水性舗装用アスファ
    ルト組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載のアスフ
    ァルト組成物を配合してなる排水性舗装道路。
  8. 【請求項8】 排水性舗装層の空隙率が5〜35%であ
    る請求項7に記載の排水性舗装道路。
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