JP2003261742A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

フェノール樹脂成形材料

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JP2003261742A JP2002060519A JP2002060519A JP2003261742A JP 2003261742 A JP2003261742 A JP 2003261742A JP 2002060519 A JP2002060519 A JP 2002060519A JP 2002060519 A JP2002060519 A JP 2002060519A JP 2003261742 A JP2003261742 A JP 2003261742A
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phenolic resin
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Satoru Kawamura
哲 河村
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的特性、機械的特性を損なうことなく、
ハンダ付着性に優れ、かつ金属腐食性の低いフェノール
樹脂成形材料を提供する。 【解決手段】 レゾール型フェノール樹脂、アミン系硬
化剤及び酸化マグネシウムを必須成分として含有するこ
とを特徴とするフェノール樹脂成形材料であり、好まし
くはレゾール型フェノール樹脂100重量部に対して、
アミン系硬化剤0.05〜2重量部、酸化マグネシウム
1〜20重量部を配合する。また、レゾール型フェノー
ル樹脂としてジメチレンエーテルレゾール型フェノール
樹脂とメチロールレゾール型フェノール樹脂を併用する
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール樹脂成
形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、硬化剤としてヘキサメチレンテト
ラミンを使用しないレゾール型フェノール樹脂成形材料
の硬化助剤として、一般的に消石灰が使用されてきた。
これらのレゾール型フェノール樹脂成形材料は、アンモ
ニアの発生やイオン性不純物の存在が問題となる電子部
品用途等に使用されてきたが、それら電子部品の更なる
高集積化に伴い、成形品から抽出されるイオン性不純物
の低減要求が近年高まりつつある。また、基板への表面
実装部品用途等においては、小型化に伴う端子間距離の
短縮により、ハンダディップ工程で発生するハンダの成
形品への付着が問題となってきた。
【0003】消石灰を硬化助剤として用いた場合は、消
石灰の溶解によるイオン性不純物の発生が避けられず、
電子部品に使用される電線の劣化を招くと同時に、高温
のハンダディップ工程においては消石灰から結晶水がガ
ス化して脱離することにより成形品表面に微細なクラッ
クを発生させ、物理的にハンダを付着させる要因となっ
ていると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気的特
性、機械的特性を損なうことなく、ハンダ付着性に優
れ、かつ金属腐食性の低いフェノール樹脂成形材料を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)記載の本発明により達成される。 (1)レゾール型フェノール樹脂、アミン系硬化剤及び
酸化マグネシウムを必須成分として含有することを特徴
とするフェノール樹脂成形材料。 (2)前記レゾール型フェノール樹脂100重量部に対
して、前記アミン系硬化剤0.05〜2重量部を配合す
る上記(1)に記載のフェノール樹脂成形材料。 (3)前記レゾール型フェノール樹脂100重量部に対
して、前記酸化マグネシウム1〜20重量部を配合する
上記(1)または(2)に記載のフェノール樹脂成形材
料。 (4)前記レゾール型フェノール樹脂が、フェノール核
結合官能基がメチレン基、メチロール基、及びジメチレ
ンエーテル基より構成され、各官能基のモル比率がそれ
ぞれ、20〜50%、10〜20%、及び40〜60%
であるジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂を
含有するものである上記(1)ないし(3)のいずれか
に記載のフェノール樹脂成形材料。 (5)前記レゾール型フェノール樹脂が、フェノール核
結合官能基がメチレン基、メチロール基、及びジメチレ
ンエーテル基より構成され、各官能基のモル比率がそれ
ぞれ、30〜50%、30〜70%、及び0〜20%で
あるメチロールレゾール型フェノール樹脂を含有するも
のである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のフ
ェノール樹脂成形材料。 (6)前記レゾール型フェノール樹脂全体に対して、前
記ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂が30
〜90重量%含有されているものである上記(4)に記
載のフェノール樹脂成形材料。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明のフェノール樹脂成
形材料(以下、「成形材料」という)について詳細に説
明する。本発明の成形材料は、レゾール型フェノール樹
脂、アミン系硬化剤及び酸化マグネシウムを必須成分と
して含有することを特徴とするものである。
【0007】本発明の成形材料に配合されるアミン系硬
化剤としては特に限定されないが、例えばエチレンジア
ミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、
トリエチレンテトラミン(TETA)、メンセンジアミ
ン(MDA)、4,4−ジアミノジフェニルメタン(D
DM)、メタフェニレンジアミン(DPDA)、ジアミ
ノジフェニルスルフォン(DDS)、トリエチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビスシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−1(DBU)、ピラゾー
ル、ベンゾトリアゾール、トリアゾールなどが挙げられ
る。また、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイ
ミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2
−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4’−ジア
ミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル
−(1’)]エチル−s−トリアジン、2−メチルイミ
ダゾール・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾ
ール・トリメリット酸付加物等のイミダゾール系化合物
も使用できる。なお、前記アミン系硬化剤の中には、1
種類の化合物内に、1級、2級、3級アミノ基が2種以
上共存するものもあるが、他のアミン系硬化剤と同様こ
れらも使用することができる。また、保存安定性の向上
を図るため他の化合物と塩を形成しているものも同様に
使用することができる。これらの中でもイミダゾール系
化合物を用いた場合は、レゾール型フェノール樹脂との
熱安定性が良く、また窒素が環状骨格に取り込まれてい
ることから化学的に安定している等の理由で好ましいと
考えられる。
【0008】本発明の成形材料に配合される酸化マグネ
シウムとしては特に限定されないが、焼成度、粒度、表
面積および添加量を調整することで硬化性を調整するこ
とができる。また、成形材料に配合する際の粒度は10
0メッシュパス程度以下であることが好ましい。粒度が
100メッシュを越えるようになると、小型電子部品を
成形した場合に薄肉部における偏りや外観の低下につな
がることがある。
【0009】アミン系硬化剤の配合量は特に限定されな
いが、レゾール型フェノール樹脂100重量部に対して
0.05〜2重量部であることが好ましく、さらに好ま
しくは0.05〜0.8重量部である。アミン系硬化剤
をかかる範囲内の配合量として、酸化マグネシウムと併
用することにより、従来の成形品と同等の硬化性を得る
ことができ、さらに、他の特性を損なうことなく金属腐
食性を軽減し、耐ハンダ付着性を向上させることができ
る。
【0010】また、酸化マグネシウムの配合量も特に限
定されないが、レゾール型フェノール樹脂100重量部
に対して、1〜20重量部であることが好ましい。さら
に好ましくは5〜15重量部である。これにより、適正
な硬化度および射出成形時のシリンダー内熱安定性を向
上させることができる。
【0011】本発明の成形材料では、レゾール型フェノ
ール樹脂の硬化のために、一般的に用いられている消石
灰のかわりに、アミン系硬化剤と酸化マグネシウムとを
併用することを特徴とする。酸化マグネシウムは消石灰
と比較すると水溶性が極めて小さく、成形材料中あるい
は成形品中においてイオン性不純物が溶出しにくい性質
を有する。このため、成形品を電子部品に用いた場合で
も、イオン性不純物による金属腐食性を低減させること
ができる。そして、アミン系硬化剤については、少量を
酸化マグネシウムと併用することにより、消石灰を用い
た場合と同等の硬化性を発現できる。これは、アミン系
硬化剤が強アルカリ性であることが理由の一つと考えら
れ、電子部品に使用された場合の金属腐食性に対して
も、影響が非常に小さいという利点がある。さらに、ア
ミン系硬化剤と酸化マグネシウムとの併用により、成形
品のハンダディップ工程における成形品へのハンダ付着
を低減させることができる。ハンダ付着のメカニズムに
ついては明確ではないが、ハンダディップ時に成形品表
面に発生するクラックが物理的にハンダを引っ掛けるこ
とが一因であると推測されている。消石灰を用いた場合
では、ハンダディップ時の熱により成形品の表面近傍に
おいてさらに硬化が進行することにより、成形品表面の
硬度が上がり、かつ硬化により発生した縮合水がガス化
して表面から放出され、これによりクラックが発生する
と考えられる。本発明の成形材料では、消石灰のかわり
にアミン系硬化剤と酸化マグネシウムとを用いることに
より、ハンダディップ時の熱による過硬化を抑え、成形
品の表面硬度の上昇や縮合水の発生を低減させることが
できる。この結果、クラックの発生を低減させ、ハンダ
付着性を向上させることができると考えられる。
【0012】本発明の成形材料に用いられるレゾール型
フェノール樹脂(以下、「レゾール樹脂」という)とし
ては特に限定されない。レゾール樹脂は、フェノール核
結合官能基がメチレン基、メチロール基、及びジメチレ
ンエーテル基より構成されるものである。これら官能基
の比率によりレゾール樹脂は一般にジメチレンエーテル
型レゾールフェノール樹脂(以下、「ジメチレンエーテ
ル型レゾール樹脂」という)およびメチロール型レゾー
ルフェノール樹脂(以下、「メチロール型レゾール樹
脂」という)の2つに大別される。これらの各官能基の
比率については特に限定されないが、ジメチレンエーテ
ル型レゾール樹脂がそれぞれ、20〜50%、10〜2
0%、及び40〜60%であり、メチロール型レゾール
樹脂がそれぞれ、30〜50%、30〜70%、及び0
〜20%であることが好ましい。これにより、前記レゾ
ール樹脂の有するそれぞれの性質を効果的に発現させる
ことができる。本発明の成形材料に用いられるレゾール
樹脂は、上記のジメチレンエーテル型レゾール樹脂およ
びメチロール型レゾール樹脂を、単独又は混合して用い
ることができる。一般的には、メチロール型レゾール樹
脂の割合が高くなるにつれて成形品の耐熱性は高くなる
が剛直な構造のため脆くなる傾向があり、一方、ジメチ
レンエーテル型レゾール樹脂の割合が高くなるにつれ成
形品の耐熱性は低くなるが靭性のある成形品となる傾向
がある。そのためこれらの樹脂の割合は成形品の使用条
件に最適なものを選ぶことができる。
【0013】本発明の成形材料においては、特に限定さ
れないが、レゾール樹脂全体に対して、ジメチレンエー
テル型レゾール樹脂が30〜90重量%であることが好
ましい。これにより、特に電子部品として用いたとき、
耐ハンダリフロー性、耐ハンダディップ性と、機械的強
度とのバランスに優れた成形品を得ることができる。ま
た、前記ジメチレンエーテル型レゾール樹脂とメチロー
ル型レゾール樹脂の、GPC測定によるフェノール換算
の数平均分子量は特に限定されないが、それぞれ、40
0〜700、300〜500であることが好ましい。こ
れにより、成形材料製造時の作業性を良好にし、かつ充
填性に優れた成形品を得ることができる。本発明の成形
材料においては、以上説明した成分のほかにも、本発明
の目的及び効果を損なわない範囲において、ノボラック
型フェノール樹脂やその他のレゾール型フェノール樹脂
を併用してもよく、これらの場合も本発明に含まれる。
この場合、樹脂成分全体に対する前記レゾール樹脂の配
合量は50重量%以上であることが好ましい。
【0014】また、本発明の成形材料には、以上のよう
なレゾール樹脂、アミン系硬化剤および酸化マグネシウ
ムのほかにも、通常無機基材及び/または有機基材が配
合される。さらに、成形材料として一般に用いられる可
塑剤や離型剤等を用いることができる。これらの配合物
や添加物を用いる場合は特に限定されないが、例えば、
金属腐食性を低減させた成形品を得ることを目的とする
場合は、水に難溶性であり、かつイオン性不純物の少な
いものを用いることが好ましい。一方、ハンダディップ
時のハンダ付着性を低減させた成形品を得ることを目的
とする場合は、500℃以下で結晶水を放出する無機基
材や、吸湿している配合物または添加物の使用は避ける
ことが好ましい。
【0015】本発明の成形材料は、通常の方法により製
造することができる。すなわち、前記原材料を所定量配
合し、リボンブレンダーやプラネタリミキサーなどを用
いて予備混合した後、加熱ロールや二軸混練機を用いて
溶融混練し、これをさらに造粒化するか、冷却後粉砕・
分級などの操作を経て成形材料とすることができる。ま
た、アミン系硬化剤などは必要に応じて溶剤で希釈また
は溶解した後、他の原材料と混合・混練することもでき
る。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0017】[ジメチレンエーテル型レゾール樹脂の合
成]還流コンデンサー撹拌機、加熱装置、真空脱水装置
を備えた反応釜内に、フェノール(P)とホルムアルデ
ヒド(F)とをモル比(F/P)=1.7で仕込み、こ
れに酢酸亜鉛をフェノール100重量部に対して0.5
重量部添加した。この反応系のpHを5.5に調整し、
還流反応を3時間行った。その後、真空度100Torr、
温度100℃で2時間水蒸気蒸留を行って未反応フェノ
ールを除去し、さらに、真空度100Torr、温度115
℃で1時間反応させ、ジメチレンエーテル型レゾール樹
脂を得た。
【0018】メチロール型レゾール樹脂及び前記の方法
で合成したジメチレンエーテル型レゾール樹脂につい
て、NMRによってフェノール核結合官能基の比率を求
め、ガスクロマトグラフィーにより遊離フェノール量,
GPCにより数平均分子量を求めた。特性を表1に示
す。
【0019】
【表1】
【0020】[成形材料の作製] <実施例1>表2に示したように、メチロール型レゾー
ル樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂、ノボラッ
ク型フェノール樹脂を用い、硬化剤及び硬化助剤として
2−メチルイミダゾールと酸化マグネシウムとを配合
し、これに木粉、焼成クレーおよび離型剤・顔料を加
え、これらを80℃の2軸ロールで約5分間混練し、シ
ート状にして取り出し冷却した後顆粒状に粉砕して成形
材料を得た。 <実施例2>表2に示したように、メチロール型レゾー
ル樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂、ノボラッ
ク型フェノール樹脂を用い、硬化剤及び硬化助剤として
2−メチルイミダゾールと酸化マグネシウムとを配合
し、これにパルプ、焼成クレーおよび離型剤・顔料を加
え、これらを80℃の2軸ロールで約5分間混練し、シ
ート状にして取り出し冷却した後顆粒状に粉砕して成形
材料を得た。 <実施例3>表2に示したように、メチロール型レゾー
ル樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂を用い、硬
化剤及び硬化助剤として2−メチルイミダゾールと酸化
マグネシウムとを配合し、これに焼成クレーおよび離型
剤・顔料を加え、これらを80℃の2軸ロールで約5分
間混練し、シート状にして取り出し冷却した後顆粒状に
粉砕して成形材料を得た。 <実施例4>表2に示したように、メチロール型レゾー
ル樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂を用い、硬
化剤及び硬化助剤として1,8−ジアザビスシクロ
(5,4,0)ウンデセン−1と酸化マグネシウムとを
配合し、これに焼成クレーおよび離型剤・顔料を加え、
これらを80℃の2軸ロールで約5分間混練し、シート
状にして取り出し冷却した後顆粒状に粉砕して成形材料
を得た。 <比較例1>表2に示したように、メチロール型レゾー
ル樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂、ノボラッ
ク型フェノール樹脂を用い、硬化助剤として消石灰を配
合し、これに木粉、焼成クレーおよび離型剤・顔料を加
え、これらを80℃の2軸ロールで約5分間混練し、シ
ート状にして取り出し冷却した後顆粒状に粉砕して成形
材料を得た。 <比較例2>表2に示したように、メチロール型レゾー
ル樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂、ノボラッ
ク型フェノール樹脂を用い、硬化助剤として消石灰を配
合し、これにパルプ、焼成クレーおよび離型剤・顔料を
加え、これらを80℃の2軸ロールで約5分間混練し、
シート状にして取り出し冷却した後顆粒状に粉砕して成
形材料を得た。 <比較例3>表2に示したように、メチロール型レゾー
ル樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂を用い、硬
化助剤として消石灰を配合し、これに焼成クレーおよび
離型剤・顔料を加え、これらを80℃の2軸ロールで約
5分間混練し、シート状にして取り出し冷却した後顆粒
状に粉砕して成形材料を得た。
【0021】[評価用サンプルの成形]実施例及び比較
例で得られた成形材料を用い、金型温度175℃、硬化
時間3分間で、移送成形により評価用サンプルを成形し
た。
【0022】[特性評価] 1.曲げ強さ、シャルピー衝撃強度、絶縁抵抗:JIS
K6911に準じて測定した。 2.電食断線試験:成形品中のイオンが電位差のある金
属に引き寄せられることにより発生する金属腐食を評価
した。図1に示したようなテストピース(12.7mm
×12.7mm×127mm)を前記条件で成形し、温
度85℃、湿度85%雰囲気下で250Vを印加して、
電線が腐食により破断するまでの時間を測定した。電線
として使用しているのはφ0.1mmの裸銅線であり、
破断は目視で確認した。 3.耐ハンダ付着性:127mm×12.7mm×1m
mtの試験片を500℃のハンダに3秒間浸漬し、取り
出した成形品表面に目視で確認できるハンダが付着して
いないものを◎、付着はするが冷却後手で触ると簡単に
取れるものを○、冷却後も成形品にハンダが固く密着し
ているものを×とした。
【0023】実施例と比較例の成形材料の配合と、成形
品評価結果を表2に示す。なお、成形材料の配合量を示
す数値は全て「重量部」を表す。
【0024】
【表2】
【0025】[表の注] (1)メチロール型レゾール樹脂:住友ベークライト製
PR−51723 (2)ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト
製 A−1082 (3)酸化マグネシウム:協和化学製 キョーワマグ3
0 (4)パルプ:日本製紙製 KCフロック (5)木粉:100メッシュパス (6)焼成クレー:USクレー製 SP33 (7)離型剤:ステアリン酸 (8)顔料:カーボンブラック
【0026】表2から、実施例1、2はレゾール樹脂、
アミン系硬化剤及び酸化マグネシウムを配合し、有機基
材として木粉またはパルプ、無機基材として焼成クレー
を配合した成形材料であり、この成形品は、アミン系硬
化剤及び酸化マグネシウムのかわりに消石灰を配合した
比較例1、2の成形材料の成形品と比べ、電食断線時間
が長くなり、対ハンダ付着性が向上した。また、実施例
3はレゾール樹脂、アミン系硬化剤及び酸化マグネシウ
ムを配合し、無機基材として焼成クレーを配合した成形
材料であり、同様に比較例3と比べて同じ効果を付与す
ることができた。
【0027】
【発明の効果】本発明は、レゾール型フェノール樹脂、
アミン系硬化剤及び酸化マグネシウムを必須成分とする
フェノール樹脂成形材料であり、これを成形してなる成
形品は、電気的特性、機械的特性および耐ハンダ付着性
に優れ、かつ金属腐食性の低いものである。従って、本
発明の成形材料はハンダディップ工程を必要とする電子
部品用に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電食断線試験方法を示す概略側面図
【符号の説明】
1 試験用成形品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レゾール型フェノール樹脂、アミン系硬
    化剤及び酸化マグネシウムを必須成分として含有するこ
    とを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
  2. 【請求項2】 前記レゾール型フェノール樹脂100重
    量部に対して、前記アミン系硬化剤0.05〜2重量部
    を配合する請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】 前記レゾール型フェノール樹脂100重
    量部に対して、前記酸化マグネシウム1〜20重量部を
    配合する請求項1または2に記載のフェノール樹脂成形
    材料。
  4. 【請求項4】 前記レゾール型フェノール樹脂が、フェ
    ノール核結合官能基がメチレン基、メチロール基、及び
    ジメチレンエーテル基より構成され、各官能基のモル比
    率がそれぞれ、20〜50%、10〜20%、及び40
    〜60%であるジメチレンエーテル型レゾールフェノー
    ル樹脂を含有するものである請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のフェノール樹脂成形材料。
  5. 【請求項5】 前記レゾール型フェノール樹脂が、フェ
    ノール核結合官能基がメチレン基、メチロール基、及び
    ジメチレンエーテル基より構成され、各官能基のモル比
    率がそれぞれ、30〜50%、30〜70%、及び0〜
    20%であるメチロールレゾール型フェノール樹脂を含
    有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の
    フェノール樹脂成形材料。
  6. 【請求項6】 前記レゾール型フェノール樹脂全体に対
    して、前記ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹
    脂が30〜90重量%含有されているものである請求項
    4に記載のフェノール樹脂成形材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016138214A (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 住友ベークライト株式会社 人工木材組成物及び人工木材成形品

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JP2016138214A (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 住友ベークライト株式会社 人工木材組成物及び人工木材成形品

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