JP2016138214A - 人工木材組成物及び人工木材成形品 - Google Patents

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純也 後藤
浅見 昌克
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Abstract

【課題】耐水性及び強度が高い人工木材を得ることができる、人工木材組成物、及び人工木材成形品を提供すること。【解決手段】本発明の人工木材組成物は、熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤及びフェノール樹脂を含むことを特徴とする。好ましくは、示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimetry:DSC)により測定した前記相溶化剤の融点が60℃以上、118℃未満である。また、本発明の人工木材成形品は、この人工木材組成物を用いて成形されることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、人工木材組成物及び人工木材成形品に関する。
熱可塑性樹脂と木粉を混練して得た組成物を所望の形状に成形して得られる人工木材は、木材の風合いを持ちつつも、木材と比較して、耐久性が高い(腐食に強い)、耐水性、耐候性、寸法安定性が高い、プラスチックのように成形が可能である、等の特徴がある。また、一度使用した人工木材を粉砕して再度成形体を製造するマテリアルリサイクルも可能であり、これまで木材が用いられてきた各種エクステリア製品、住宅用内装材等の建材、各種構造材、例えばデッキ材、手すり、枕木等として使用することができる。これら人工木材は、木材・プラスチック複合材(Wood Plastic Composite:WPC)とも呼ばれる。
また、原料となる熱可塑性樹脂や木分は必ずしもバージン材料である必要はなく、容器包装材料の廃プラスチックや建築廃材の廃木材を用いることも可能である。これら廃棄物を原料として用いた人工木材は、資源循環利用や廃棄物量の削減の観点で優れており、環境配慮型材料としての利用が広まっている。廃棄物を原料として用いた人工木材は、特に木材・プラスチック再生複合材(Wood Plastic Recycled Composite:WPRC)と呼ばれ、日本国内ではJIS A 5741「木材・プラスチック再生複合材」として、リサイクル原料の含有率、品質性能、安全性、耐久性等が標準化されている。
一般に、これら人工木材においては、熱可塑性樹脂に対する木材の配合率が高いほど、耐水性、強度が低下する傾向にある。これらの特性を向上させる目的で、相溶化剤が添加される場合が多く、ポリオレフィンをベースポリマーとする無水カルボン酸変性ポリオレフィンが広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、これら相溶化剤を利用しても、耐水性や強度はかならずしも十分ではない場合があり、例えば屋外に設置されるウッドデッキ用の建築材料等では、さらなる特性の向上が求められていた。
特開2006−131729号公報
本発明は、耐水性及び強度が高い人工木材を得ることができる、人工木材組成物、及び人工木材成形品を提供することを課題とするものである。
[1] 熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤及びフェノール樹脂を含むことを特徴とする人工木材組成物。
[2] 示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimetry:DSC)により測定した前記相溶化剤の融点が60℃以上、118℃未満である[1]に記載の人工木材組成物。
[3] 前記相溶化剤が無水カルボン酸変性ポリオレフィンである[1]又は[2]に記載の人工木材組成物。
[4] 前記無水カルボン酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸変性ポリエチレン及び無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも一種である[3]に記載の人工木材組成物。
[5] 前記フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂である[1]から[4]のいずれか一項に記載の人工木材組成物。
[6] 前記レゾール型フェノール樹脂がジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂である[5]に記載の人工木材組成物。
[7] [1]から[6]のいずれか一項に記載の人工木材組成物を用いて成形されることを特徴とする人工木材成形品。
本発明の人工木材組成物から成形された人工木材成形品は、耐水性及び強度に優れる。
本発明の人工木材組成物は、熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤及びフェノール樹脂を含むことを特徴とする。また、本発明の人工木材成形品は、この人工木材組成物を用いて成形されることを特徴とする。これにより、耐水性及び強度に優れた人工木材を得ることができる。以下、本発明の人工木材組成物及び人工木材成形品の実施形態について、詳細に説明する。
<人工木材組成物>
先ず、本発明の人工木材組成物について、詳細に説明する。本発明の人工木材組成物は、熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤及びフェノール樹脂を含むことを特徴とする。以下、各原材料について、詳細に説明する。
<熱可塑性樹脂>
本発明の人工木材組成物で用いられる熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えばポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS、EVA、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、アクリル系樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフイド、ポリアセタール等が挙げられる。ポリオレフィンとしては、具体的には、LLDPE(線状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)等のポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS等が好ましく、ポリオレフィンがより好ましい。また、これらは1種を用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、熱可塑性樹脂はバージン原料である必要はなく、容器包装廃棄物、家電廃棄物、産業廃棄物から再生されたリサイクル原料であっても良い。
<木粉>
本発明の人工木材組成物で用いられる木粉としては、特に限定されず、他の原料と混合、混練できる形状、大きさであれば良いが、例えば、製材工場から排出されるノコギリ屑(木屑、オガ屑)、木材チップ、廃木材の粉砕チップなどが挙げられる。また、木粉の粒度は、10〜200メッシュパス程度のもの、粒径にして20〜150μmのものが好ましい。これらは1種を用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、木粉の原料は、バージン原料である必要はなく、建築廃材等から再生したサイクル原料であっても良い。
<相溶化剤>
本発明の人工木材組成物で用いられる相溶化剤は、特に限定されるものではないが、示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimetry:DSC)により測定した融点が、60℃以上、118℃未満であるものが好ましく、80℃以上、115℃未満であるものがより好ましい。なお、本発明における相溶化剤の融点については、DSC測定における吸熱ピークトップで定義され、DSCでの測定条件としては、窒素流通雰囲気にて、5〜10℃/minの加熱速度が好適である。DSCで測定した融点が上記範囲である相溶化剤を用いることにより、熱可塑性樹脂と木粉との密着性を高め、結果として、人工木材成形品の耐水性及び強度を向上させる効果を得ることができる。
相溶化剤の融点が上記上限値未満の場合に、熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤及びフェノール樹脂を含む人工木材組成物の耐水性及び強度が向上する理由、機構は明らかではないか、以下のように推定される。
相溶化剤の融点が上記上限値未満と低い場合は、原料である熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤、フェノール樹脂を加熱して混練する際に、相溶化剤が早く溶融して熱可塑性樹脂と木粉との密着性を高めた後に、フェノール樹脂が反応して人工木材組成物が形成される。これにより、人工木材成形品の耐水性及び強度を向上させることができる。
一方、相溶化剤の融点が上記上限値以上と高い場合は、相溶化剤が溶融するよりも早くフェノール樹脂の反応が開始してしまい、その結果、相溶化剤による熱可塑性樹脂と木粉との密着性が高まらない。結果として、人工木材成形品の耐水性及び強度を向上させることができない。
また、相溶化剤の種類としては、融点が上記範囲のものであれば特に限定されるものではなく、通常、人工木材に用いられるものは、いずれも用いることができる。具体的には、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンベースポリマーとして、これを不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(単量体)の一種又は二種以上の混合物によって変性した変性ポリオレフィンが挙げられる。不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和カルボン酸、又はその誘導体、例えば、無水物、アミド、イミド、エステルなどが挙げられる。なかでも、ポリオレフィンをベースポリマーとする無水カルボン酸変性ポリオレフィンが好ましく、より好ましくは、無水マレイン酸変性ポリエチレン又は無水マレイン酸変性ポリプロピレンである。これらは1種を用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
<フェノール樹脂>
本発明の人工木材組成物で用いられるフェノール樹脂としては、特に限定されるものではなく、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂のいずれであっても良いが、熱可塑性樹脂、木粉及び相溶化剤間の密着性を高める観点から、レゾール型フェノール樹脂を含むものがより好ましい。
レゾール型フェノール樹脂としては、特に限定されるものではなく、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等をフェノール源として、苛性ソーダ、水酸化バリウム、消石灰等の塩基性触媒や酢酸亜鉛等の二価金属塩触媒の存在下でアルデヒド源と反応して得られるメチロールレゾール型フェノール樹脂及びジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂、あるいは桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性のレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、熱可塑性樹脂、木粉及び相溶化剤間の密着性をより高める観点から、フェノールをフェノール源としたジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂が特に好ましい。なお、本発明において、メチロールレゾール型フェノール樹脂とは、全結合ホルムアルデヒド中におけるメチロール基の割合が相対的に高いレゾール型フェノール樹脂を意味し、ジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂とは、全結合ホ
ルムアルデヒド中におけるジメチレンエーテル結合の割合が相対的に高いレゾール型フェノール樹脂を意味する。
本発明の人工木材組成物において、人工木材成形品の耐水性及び強度を向上させる観点で、ジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂が特に好ましい理由、機構は明らかではないか、以下のように推定される。
ジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂は、加熱よってジメチレンエーテル結合が一旦解離することでメチロール基が発生して初めて反応が開始するため、相溶化剤が溶融して熱可塑性樹脂と木粉との密着性を十分に高めた後に、ジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂が反応して人工木材組成物が形成されることとなる。これにより、熱可塑性樹脂、木粉及び相溶化剤間の密着性をより高めることができ、結果として、人工木材成形品の耐水性及び強度を高次に向上させることができる。
また、ノボラック型フェノール樹脂としては、特に限定されるものではなく、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等をフェノール源として、三弗化硼素、塩酸、硫酸等の無機酸や、蓚酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等の酸性触媒の存在下でアルデヒド源と反応して得られるノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。ノボラック型フェノール樹脂を用いる場合、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を添加して用いても良い。
フェノール樹脂の形態、形状としては、特に限定されるものではなく、固形、粉末、液状いずれの状態であっても良い。また、これらは1種を用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、フェノール樹脂としては、樹脂単独だけでなく、他の成分との混合組成物、複合化物として用いても良い。
<滑剤>
本発明の人工木材組成物においては、成形性を向上するために、各種滑剤を用いても良い。本発明の人工木材組成物に用いることができる滑剤としては、特に限定されず、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリルアルコール等の高級アルコール、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩が挙げられる。これらは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
<充填材>
本発明の人工木材組成物においては、人工木材の特性を改善するために、充填材を用いても良い。本発明の人工木材組成物に用いることができる充填材としては、特に限定されず、一般に樹脂組成物に配合されるタルク、炭酸カルシウム、マイカ、ウォラストナイト、ガラス繊維、水酸化マグネシウム、高炉スラグ、フライアッシュ等の無機充填材が挙げられる。これらは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
<人工木材組成物の製造方法>
次に、本発明の人工木材組成物の製造方法について、詳細に説明する。本発明における人工木材組成物の製造方法としては、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤及びフェノール樹脂を含む配合物を一括で混練する方法や、熱可塑性樹脂、木粉及び相溶化剤を含む配合物を混練した後、フェノール樹脂を添加してさらに混練する方法、等が挙げられるが、人工木材成形品の耐水性及び強度を向上させる観点からは、熱可塑性樹脂、木粉及び相溶化剤を含む配合物を混練した後、フェノール樹脂を添加してさらに混練する方法が好ましい。
混練に用いる混練装置としては、特に限定されるものでもないが、ヘンシェルミキサー等の高速アジテート式混練機、ニーダー等の高粘性用ブレード型混練機、単軸、多軸押出
機等、通常の人工木材組成物の製造で用いられる混練装置を用いることができる。また、これらの混練装置は、回分式混練装置であっても連続式混練装置であっても良い。
以下、本発明の人工木材組成物の製造方法の実施形態について、フェノール樹脂を後添加する方法を例に具体的に説明するが、上述のとおり、フェノール樹脂は熱可塑性樹脂、木粉及び相溶化剤を含む配合物とともに一括で混練することもできる。回分式混練装置を用いる場合は、例えば、熱可塑性樹脂、木粉及び相溶化剤を含む配合物を回分式混練装置に投入して混練した後で、フェノール樹脂を回分式混練装置に添加してさらに混練することによって、人工木材組成物を得ることができる。また、連続式混練装置を用いる場合は、例えば、連続式混練装置の原料投入口と組成物排出口との間に中間フィード口を設置して、熱可塑性樹脂、木粉及び相溶化剤を含む配合物を原料投入口から投入して混練した後に、フェノール樹脂を中間フィード口から添加し、さらに混練することによって、人工木材組成物を得ることができる。
本発明の人工木材組成物の製造方法における混練温度としては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂、相溶化剤、フェノール樹脂の融点以上、木粉の分解温度以下が好ましく、通常、130℃以上、230℃以下の範囲が好ましく、より好ましくは、150℃以上、220℃以下の範囲である。混練温度を上記下限値以上とすることにより、熱可塑性樹脂や相溶化剤が溶融し、十分な混練を実現することができる。また、混練温度を上記上限値以下とすることにより、木粉が分解することによって人工木材の特性が低下するのを抑制することができる。
本発明の人工木材組成物の製造方法における混練時間としては、特に限定されるものではなく、各原料が十分に混練された状態を確保できれば良く、通常は1分以上、60分以下の範囲が好ましく、より好ましくは、5分以上、30分以下の範囲である。
<人工木材成形品>
次に、本発明の人工木材成形品について、詳細に説明する。本発明の人工木材成形品は、上述の人工木材組成物から成形されることを特徴とする。本発明における人工木材成形品の成形方法としては、特に限定されるものではないが、押し出し成形、射出成形等、通常の人工木材成形品で用いられる成形方法を用いることができる。
以下、本発明を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
<原料>
木粉として粒径150μm以下に調整した木粉、熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE、日本ポリエチレン(株)製、ノバテックLF443)、相溶化剤として相溶化剤A:マレイン酸変性直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(1)(マレイン酸変性LLDPE(1)、三菱化学(株)製、モディックM545)、フェノール樹脂としてジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製、PR−53529)、滑剤としてステアリン酸亜鉛を原料として用いた。
<相溶化剤の融点測定>
相溶化剤であるマレイン酸変性LLDPE(1)の融点は、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ製、DSC 6200)を用いた測定における吸熱ピークトップ温度から求めた。測定条件は、100cc/minの窒素雰囲気下、加熱速度10℃/minとした。融点の測定結果を表1に示す。
<人工木材組成物の製造方法>
人工木材組成物は、以下に示す原料を一括して混練する一括混練方法で製造した。木粉60質量部、LDPE36質量部、マレイン酸変性LLDPE(1)4質量部、フェノール樹脂2.5質量部、ステアリン酸亜鉛3.5質量部の配合で、全原料を乾式混合した後、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、4C150)を用いて、温度175℃、回転数50rpmで、10分加熱混練することで人工木材組成物を作製した。さらに、この人工木材組成物を粉砕機で粉砕して、ふるい分けして、粒径を2.36mm以下に調整した。
<人工木材試験片の作製方法>
粒径を2.36mm以下に調整した人工木材組成物を、長さ80mm、幅10mm、厚み40mmの金型を用いて、圧縮成形することで人工木材試験片を作製した。成形条件は、成形温度150℃、成形圧力10MPa、成形時間3分とした。
<吸水特性の評価方法>
作製した試験片の厚み寸法(a)を測定した。ついで、この試験片を90℃の熱水中で24時間保持する吸水処理を施し、室温まで冷やし試験片表面の水分を拭き取り、吸水後の厚み寸法(b)を測定した。以下の定義にて、吸水後の厚み変化率を算出した。
厚み変化率=(b−a)/a*100[%]
吸水特性の評価結果は表2に示した。
<曲げ特性の評価方法>
作製した試験片(初期)、及び吸水処理後の試験片(吸水後)を用いて、プラスチック−曲げ特性の求め方(JIS K 7171 2008)に基づき、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。支点間距離は64mm、試験速度は2mm/minとした。
曲げ特性の評価結果は表2に示した。
<比較例1>
<原料>
実施例1の原料からフェノール樹脂を除いた以外は、実施例1と同じ原料を用いた。
<人工木材組成物の製造方法>
木粉60質量部、LDPE36質量部、マレイン酸変性LLDPE(1)4質量部、ステアリン酸亜鉛3.5質量部の配合とした以外は、実施例1と同じ方法で人工木材組成物を作製し、実施例1と同じ方法で粒径を2.36mm以下に調整した。
<人工木材試験片の作製方法>
実施例1と同じ方法で人工木材試験片を作製した。
<吸水特性及び曲げ特性の評価方法>
実施例1と同じ方法で人工木材の吸水特性及び曲げ特性の評価を行った。評価結果は表2にまとめて示した。
<実施例2>
<原料>
実施例1の原料において、相溶化剤を相溶化剤B:マレイン酸変性直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(2)(マレイン酸変性LLDPE(2)、三菱化学(株)製、モディックM114)に変更した以外は、実施例1と同じ原料を用いた。
<相溶化剤の融点測定>
相溶化剤であるマレイン酸変性LLDPE(2)の融点は、実施例1で用いたマレイン酸変性LLDPE(1)と同じ方法により求めた。融点の測定結果を表1に示す。
<人工木材組成物の製造方法>
人工木材組成物は、以下に示す原料を分割して混練する分割混練方法で製造した。木粉50質量部、LDPE36質量部、マレイン酸変性LLDPE(2)4質量部、ステアリン酸亜鉛3.5質量部を乾式混合して組成物Aを調整した。次いで、木粉10質量部、ジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂2.5質量部を乾式混合して組成物Bを調整した。ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、4C150)を用いて、組成物Aを温度175℃、回転数50rpmで、5分加熱混練した後、ジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂を含む組成物Bを添加し、さらに10分加熱混練することで人工木材組成物を作製した。その後、実施例1と同じ方法で粒径を2.36mm以下に調整した。
<人工木材試験片の作製方法>
実施例1と同じ方法で人工木材試験片を作製した。
<吸水特性及び曲げ特性の評価方法>
実施例1と同じ方法で、人工木材の吸水特性及び曲げ特性の評価を行った。評価結果を表2にまとめて示した。
<比較例2>
比較例1の原料において、相溶化剤を相溶化剤B:マレイン酸変性直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(2)(マレイン酸変性LLDPE(2)、三菱化学(株)製、モディックM114)に変更した以外は、比較例1と同じ方法で人工木材組成物の製造、粒径の調整及び人工木材試験片の作製を行い、比較例1と同じ方法で人工木材の吸水特性及び曲げ特性の評価を行った。評価結果を表2にまとめて示した。
<実施例3>
実施例2の原料において、相溶化剤を相溶化剤C:マレイン酸変性直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(3)(マレイン酸変性LLDPE(3)(Nantong Sunny PolymerNew Material Technology製、CMG5904)に変更した以外は、実施例2と同じ方法で、人工木材組成物の製造、粒径の調整及び人工木材試験片の作製を行い、実施例2と同じ方法で相溶化剤の融点、人工木材の吸水特性及び曲げ特性の評価を行った。評価結果を表1、表2にまとめて示した。
<比較例3>
比較例1の原料において、相溶化剤を相溶化剤C:マレイン酸変性直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(3)(マレイン酸変性LLDPE(3)(Nantong Sunny PolymerNew Material Technology製、CMG5904)に変更した以外は、比較例1と同じ方法で人工木材組成物の製造、粒径の調整及び人工木材試験片の作製を行い、比較例1と同じ方法で人工木材の吸水特性及び曲げ特性の評価を行った。評価結果を表2にまとめて示した。
<参考例>
木粉として粒径150μm以下に調整した木粉、熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレンLDPE(日本ポリエチレン(株)製ノバテックLF443)、滑剤としてステアリン酸亜鉛を原料として、木粉60質量部、LDPE40質量部、ステアリン酸亜鉛3.5質量部の配合とした以外は、実施例1と同じ方法で人工木材組成物の製造、粒径の調整及び人工木材試験片の作製を行い、比較例1と同じ方法で人工木材の吸水特性及び曲げ特性の
評価を行った。評価結果を表2にまとめて示した。
表2より、実施例に示した熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤及びフェノール樹脂を含む人工木材は、比較例に示したフェノール樹脂を含まない人工木材と比較して、吸水特性においては厚み変化率が小さくなり耐水性が向上すること、ならびに、曲げ特性においては初期及び吸水後の曲げ強度及び曲げ弾性率が向上することがわかる。さらに、実施例1及び比較例1との対比から明らかなように、相溶化剤の融点が112℃である場合、すなわち118℃未満である場合、フェノール樹脂を分割混練せず、全原料を一括混練した場合であっても、フェノール樹脂を含むことによる効果が顕著に発現し、吸水特性及び曲げ特性が大きく向上することがわかる。
本発明の人工木材組成物から成形された人工木材成形品は、耐水性及び強度に優れる。
このため、各種エクステリア製品、住宅用内装材等の建材、各種構造材、例えばデッキ材、手すり、枕木等として使用することができる。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂、木粉、相溶化剤及びフェノール樹脂を含むことを特徴とする人工木材組成物。
  2. 示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimetry:DSC)により測定した前記相溶化剤の融点が60℃以上、118℃未満である請求項1に記載の人工木材組成物。
  3. 前記相溶化剤が無水カルボン酸変性ポリオレフィンである請求項1又は2に記載の人工木材組成物。
  4. 前記無水カルボン酸変性ポリオレフィンが、無水マレイン酸変性ポリエチレン及び無水マレイン酸変性ポリプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項3に記載の人工木材組成物。
  5. 前記フェノール樹脂がレゾール型フェノール樹脂である請求項1から4のいずれか一項に記載の人工木材組成物。
  6. 前記レゾール型フェノール樹脂がジメチレンエーテルレゾール型フェノール樹脂である請求項5に記載の人工木材組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の人工木材組成物を用いて成形されることを特徴とする人工木材成形品。
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