JP2003261552A - プロピレンオキサイドの製造方法 - Google Patents
プロピレンオキサイドの製造方法Info
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Abstract
低差圧の状態で長期間安定的に運転できるという優れた
特徴を有するプロピレンオキサイドの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 下記の工程を含むプロピレンオキサイド
の製造方法。 酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロ
パーオキサイドを含む反応液を得る工程 精製工程:減圧状態にある蒸留塔を用いて、酸化工程ま
たはその後段に必要に応じて設置される工程を経て得ら
れたクメンハイドロパーオキサイドを含む溶液を精製す
る工程であって、該蒸留塔が、精製に供する該溶液の供
給口の下部分は棚段型式であり、該供給口の上部分は充
填塔型式である工程 エポキシ化工程:精製工程後の溶液中のクメンハイドロ
パーオキサイドとプロピレンとを反応させることにより
プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
Description
イドの製造方法に関するものである。更に詳しくは、本
発明は、クメンを酸化することによりクメンハイドロパ
ーオキサイドを含む反応液を得、該溶液を精製し、精製
後の溶液中のクメンハイドロパーオキサイドとプロピレ
ンとを反応させることによりプロピレンオキサイド及び
クミルアルコールを得るプロピレンオキサイドの製造方
法であって、該溶液の精製に用いる減圧蒸留塔が汚れに
強く、かつ低差圧の状態で長期間安定的に運転できると
いう優れた特徴を有するプロピレンオキサイドの製造方
法に関するものである。
ドロパーオキサイドを含む反応液を得、その後エポキシ
化工程で悪影響を及ぼす物質(例えば水等)を精製除去
したり、生産性向上のため該溶液に含まれるクメンハイ
ドロパーオキサイドを濃縮した後、溶液中のクメンハイ
ドロパーオキサイドとプロピレンとを反応させることに
よりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る
方法は公知である(たとえば、特開2001-270875号公報
参照。)。このとき、精製のための設備として減圧蒸留
塔が用いられる。ここで減圧蒸留塔が用いられる理由
は、クメンハイドローパーオキサイドが熱分解しやすい
物質であり、該溶液の沸点を下げて精製操作を実施する
必要があるためである。ところが、従来の方法による
と、低差圧で高性能な充填塔を採用した場合、汚れ成分
(主として塩類や重合物)により充填層の差圧が上昇し
て塔の安定的な連続運転が妨げられるという問題があっ
た。一方、汚れに強い棚段塔を採用した場合は、性能面
で充填塔に劣り、必要段数が多く、かつ運転差圧が大き
く不満足である。
本発明が解決しようとする課題は、クメンを酸化するこ
とによりクメンハイドロパーオキサイドを含む反応液を
得、該溶液を精製し、精製後の溶液中のクメンハイドロ
パーオキサイドとプロピレンとを反応させることにより
プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得るプロ
ピレンオキサイドの製造方法であって、該溶液の精製に
用いられる減圧蒸留塔が汚れに強く、かつ低差圧の状態
で長期間安定的に運転できるという優れた特徴を有する
プロピレンオキサイドの製造方法を提供する点にある。
記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法に係る
ものである。 酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロ
パーオキサイドを含む反応液を得る工程 精製工程:減圧状態にある蒸留塔を用いて、酸化工程ま
たはその後段に必要に応じて設置される工程を経て得ら
れたクメンハイドロパーオキサイドを含む溶液を精製す
る工程であって、該蒸留塔が、精製に供する該溶液の供
給口の下部分は棚段型式であり、該供給口の上部分は充
填塔型式である工程 エポキシ化工程:精製工程後の溶液中のクメンハイドロ
パーオキサイドとプロピレンとを反応させることにより
プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
とによりクメンハイドロパーオキサイドを含む反応液を
得る工程である。
気などの含酸素ガスによる自動酸化で行われる。この酸
化反応は添加剤を用いずに実施してもよいし、アルカリ
のような添加剤を用いてもよい。通常の反応温度は50
〜200℃であり、反応圧力は大気圧から5MPaの間
である。添加剤を用いた酸化法の場合、アルカリ性試薬
としては、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合
物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaH
CO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及び
(NH4)2CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩等
が用いられる。
塔を用いて、酸化工程またはその後段に必要に応じて設
置される工程を経て得られた溶液を精製する工程であっ
て、該蒸留塔が、精製に供する該溶液の供給口の下部分
は棚段型式であり、該供給口の上部分は充填塔型式であ
る工程である。
化工程で悪影響をおよぼす物質の除去であり、具体的に
は水の除去を挙げることができる。例えばエポキシ化工
程に供されるクメンハイドロパーオキサイドを含む溶液
中の水の濃度は1重量%以下であることが必要であり、
好ましくは5000重量ppm以下であることが、特開
2001-270875に記載されているが、本工程で除去される
精製の除去目的成分は水に限定されない。
ため、エポキシ化工程に供される反応液中に含まれるク
メンハイドロパーオキサイドを濃縮するものである。該
溶液中の好ましいクメンハイドロパーオキサイド濃度
は、特開平2001-270874号公報に記載されている。
置される。
ある。
される反応液中に含まれるクメンハイドロパーオキサイ
ド濃度により、下記式(1)に示される温度以下とする
ことが望ましい。 t(℃)=150−0.8×w (1) w:溶液中のクメンハイドロパーオキサイド濃度(重量
%)
ロパーオキサイドが熱分解を受けて収率が低下し、好ま
しくない副生物を生じることは、特開平2001-270874号
公報に記載されている。
較して優れた特徴を有する点は、精製される反応液中に
含まれる汚れ成分(主として塩類や重合物)により差圧
上昇の影響を受けやすい原料供給口の下部分に棚段型式
を用い、一度蒸発した成分が主となる供給口の上部分
は、棚段形式と比較して差圧が小さく高性能な充填物型
式を組み合わせたことである。
は、汚れに強くかつ低差圧の状態で長期間安定的に運転
できるのである。
のクメンハイドロパーオキサイドとプロピレンとを反応
させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアル
コールを得る工程である。
サイドと過剰量のプロピレンとを、液相中、固体触媒の
存在下に反応させることにより行われる。
率下に得る観点から、チタン含有珪素酸化物からなる触
媒が好ましい。これらの触媒は、珪素酸化物と化学的に
結合したTiを含有する、いわゆるTi−シリカ触媒が
好ましい。たとえば、Ti化合物をシリカ担体に担持し
たもの、共沈法やゾルゲル法で珪素酸化物と複合したも
の、あるいはTiを含むゼオライト化合物などをあげる
ことができる。
イドロパーオキサイドを触媒に接触させることで行われ
る。反応は、溶媒を用いて液相中で実施される。溶媒
は、反応時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ反
応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなけれ
ばならない。溶媒は使用されるハイドロパーオキサイド
溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たと
えばクメンハイドロパーオキサイドがその原料であるク
メンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加
することなく、これを溶媒の代用とすることも可能であ
る。その他、有用な溶媒としては、芳香族の単環式化合
物(たとえばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、オ
ルトジクロロベンゼン)及びアルカン(たとえばオクタ
ン、デカン、ドデカン)などがあげられる。
であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、
反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。
一般に圧力は100〜10000kPaであることが有
利である。
有利に実施できる。大規模な工業的操作の場合には、固
定床を用いるのが好ましい。また、回分法、半連続法、
連続法等によって実施できる。反応原料を含有する液を
固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混合物
には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含まれ
ていない。
ンハイドローパーオキサイドを含む反応液をアルカリ水
溶液および/または水で洗浄する工程である。
のとおりである。洗浄すべき反応液に、アルカリ水溶液
および/または水を添加して混合し、その後油層と水層
に分離する設備を有する工程である。本工程に供給され
るアルカリ水溶液は、NaOH、KOHのようなアルカ
リ金属化合物の水溶液や、アルカリ土類金属化合物又は
Na2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩
又はアンモニア及び(NH4)2CO3、アルカリ金属炭
酸アンモニウム塩等の水溶液が用いられ、酸化反応器に
直接添加してもよいし、反応の後に添加してもよい。添
加するアルカリの当量としては、洗浄すべき反応液に含
まれる酸の当量に対して1〜5倍とするのが一般的であ
る。装置としては、一般的な混合装置や油水分離装置を
用いることができる。特開2001-270874号公報に記載さ
れている温度以下とすることが望ましい。操作圧力は大
気圧から5MPaの間である。
メンを酸化することによりクメンハイドロパーオキサイ
ドを含む反応液を得、該反応液に含まれるクメンハイド
ロパーオキサイドを精製し、該精製後の反応液中のクメ
ンハイドロパーオキサイドとプロピレンとを反応させる
ことによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコール
を得るプロピレンオキサイドの製造方法であって該溶液
の精製に用いる減圧蒸留塔が汚れに強く、かつ低差圧の
状態で長期間安定的に運転できるという優れた特徴を有
するプロピレンオキサイドの製造方法を提供することが
できた。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の工程を含むプロピレンオキサイド
の製造方法。 酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロ
パーオキサイドを含む反応液を得る工程 精製工程:減圧状態にある蒸留塔を用いて、酸化工程ま
たはその後段に必要に応じて設置される工程を経て得ら
れたクメンハイドロパーオキサイドを含む溶液を精製す
る工程であって、該蒸留塔が、精製に供する該溶液の供
給口の下部分は棚段型式であり、該供給口の上部分は充
填塔型式である工程 エポキシ化工程:精製工程後の溶液中のクメンハイドロ
パーオキサイドとプロピレンとを反応させることにより
プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程 - 【請求項2】 下記の工程を含むプロピレンオキサイド
の製造方法。 酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロ
パーオキサイドを含む反応液を得る工程 洗浄工程:酸化工程で得た反応液をアルカリ水溶液およ
び/または水で洗浄する工程 精製工程:減圧状態にある蒸留塔を用いて、洗浄工程ま
たはその後段に必要に応じて設置される工程を経て得ら
れたクメンハイドロパーオキサイドを含む溶液を精製す
る工程であって、該蒸留塔が、精製に供する該溶液の供
給口の下部分は棚段型式であり、該供給口の上部分は充
填塔型式である工程 エポキシ化工程:精製工程後の溶液中のクメンハイドロ
パーオキサイドとプロピレンとを反応させることにより
プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
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JP2002061612A JP4096582B2 (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | プロピレンオキサイドの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005030359A1 (ja) * | 2003-09-25 | 2005-04-07 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 溶液から目的物質を回収する方法 |
WO2018021271A1 (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-01 | 住友化学株式会社 | プロピレンオキサイドの製造方法 |
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2002
- 2002-03-07 JP JP2002061612A patent/JP4096582B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPWO2018021271A1 (ja) * | 2016-07-29 | 2019-05-09 | 住友化学株式会社 | プロピレンオキサイドの製造方法 |
US10807961B2 (en) | 2016-07-29 | 2020-10-20 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Method for producing propylene oxide |
RU2738231C2 (ru) * | 2016-07-29 | 2020-12-09 | Сумитомо Кемикал Компани, Лимитед | Способ для производства пропиленоксида |
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