JP5028733B2 - プロピレンオキサイドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレンオキサイドの製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、クメンから得られるクメンハイドロパーオキサイドを酸素キャリヤーとして用いてプロピレンをプロピレンオキサイドに変換し、かつ該クメンを繰り返し使用することができ、しかも各工程の反応容積を有効に活用することができ、不要な有機酸の生成を抑えることができるという優れた特徴を有するプロピレンオキサイドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エチルベンゼンのハイドロパーオキサイドを酸素キャリヤーとして用いてプロピレンを酸化し、プロピレンオキサイド及びスチレンを得るプロセスはハルコン法として知られている。この方法によると、プロピレンオキサイドと共にスチレンが必然的に副生されるため、プロピレンオキサイドのみを選択的に得るという観点からは不満足である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題は、クメンから得られるクメンハイドロパーオキサイドを酸素キャリヤーとして用いてプロピレンをプロピレンオキサイドに変換し、かつ該クメンを繰り返し使用することができ、しかも各工程の反応容積を有効に活用することができ、不要な有機酸の生成を抑えることができるという優れた特徴を有するプロピレンオキサイドの製造方法を提供する点に存するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法に係るものである。
酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロパーオキサイドを得る工程
エポキシ化工程:クメンハイドロパーオキサイドを含むクメン溶液とプロピレンとを、液相中、固体触媒の存在下に反応させることにより、プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
水素化分解工程:固体触媒の存在下、エポキシ化工程で得たクミルアルコールを水素化分解することによりクメンを得、該クメンを酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
シクロヘキサノール除去工程:上記の工程のうちの少なくとも一つの工程又は上記の各工程を結ぶ少なくとも一ケ所において、シクロヘキサノールを系外へ除去する工程
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化工程は、クメンを酸化することによりクメンハイドロパーオキサイドを得る工程である。クメンの酸化は、通常、空気や酸素濃縮空気などの含酸素ガスによる自動酸化で行われる。この酸化反応は添加剤を用いずに実施してもよいし、アルカリのような添加剤を用いてもよい。通常の反応温度は50〜200℃であり、反応圧力は大気圧から5MPaの間である。添加剤を用いた酸化法の場合、アルカリ性試薬としては、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及び(NH42CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩等が用いられる。
【0006】
本発明のエポキシ化工程は、酸化工程で得たクメンハイドロパーオキサイドとプロピレンとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程である。エポキシ化工程は、目的物を高収率及び高選択率下に得る観点から、チタン含有珪素酸化物からなる触媒の存在下に実施することが好ましい。これらの触媒は、珪素酸化物と化学的に結合したTiを含有する、いわゆるTi−シリカ触媒が好ましい。たとえば、Ti化合物をシリカ担体に担持したもの、共沈法やゾルゲル法で珪素酸化物と複合したもの、あるいはTiを含むゼオライト化合物などをあげることができる。
【0007】
本発明において、エポキシ化工程の原料物質として使用されるクメンハイドロパーオキサイドは、希薄又は濃厚な精製物又は非精製物であってよい。
【0008】
エポキシ化反応は、プロピレンとクメンハイドロパーオキサイドを触媒に接触させることで行われる。反応は、溶媒を用いて液相中で実施できる。溶媒は、反応時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用されるハイドロパーオキサイド溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえばクメンハイドロパーオキサイドがその原料であるクメンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。その他、有用な溶媒としては、芳香族の単環式化合物(たとえばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン)及びアルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)などがあげられる。
【0009】
エポキシ化反応温度は一般に0〜200℃であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。一般に圧力は100〜10000kPaであることが有利である。
【0010】
エポキシ化反応は、スラリー又は固定床の形の触媒を使用して有利に実施できる。大規模な工業的操作の場合には、固定床を用いるのが好ましい。また、回分法、半連続法、連続法等によって実施できる。反応原料を含有する液を固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混合物には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含まれていない。
【0011】
本発明の水素化分解工程は、エポキシ化工程で得たクミルアルコールを水素化分解することによりクメンを得、該クメンを酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程である。すなわち、水素化分解により、酸化工程で用いたクメンと同一のものが再生される。水素化分解反応は、通常、クミルアルコールと水素とを触媒に接触させることで行われる。反応は、溶媒を用いて液相又は気相中で実施できる。溶媒は、反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用されるクミルアルコール溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえばクミルアルコールが、生成物であるクメンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。その他、有用な溶媒は、アルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)や、芳香族の単環式化合物(たとえばべンゼン、エチルベンゼン、トルエン)などがあげられる。水素化分解反応温度は一般に0〜500℃であるが、30〜400℃の温度が好ましい。一般に圧力は100〜10000kPaであることが有利である。水素化分解反応は、スラリー又は固定床の形の触媒を使用して有利に実施できる。触媒としては水素化能を有するいずれの触媒を用いることができる。触媒の例としてはコバルト、ニッケル、パラジウム等の8A族金属系触媒、銅、亜鉛等の1B族及び2B族金属系触媒をあげることができるが、副生成物を抑制する観点からいえば銅系触媒を用いることが好ましい。銅系触媒としては銅、ラネー銅、銅・クロム、銅・亜鉛、銅・クロム・亜鉛、銅・シリカ、銅・アルミナ等があげられる。本発明の方法は、回分法、半連続法又は連続法によって実施できる。反応原料を含有する液又はガスを固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混合物には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含まれていない。
【0012】
本発明においては、水素化分解工程から酸化工程へリサイクルされるクメン中のシクロヘキサノールの濃度が5重量%以下であることが好ましい。シクロヘキサノールは水素化分解工程においてフェノールの核水添反応によって生成する化合物である。フェノールは主にエポキシ化工程においてクメンハイドロパーオキサイドの分解反応により生成する化合物である。シクロヘキサノールは系内蓄積成分であり、リサイクルを続ければ濃度が経時的に増加し、各工程の反応有効容積が減少されると共に、酸化工程において一部が酸化されて不要な有機酸になるといった不都合が生じる。反応容積の有効利用及び副生成物の抑制を考慮すると、酸化工程へリサイクルされるクメン中のシクロヘキサノールの濃度を本発明の範囲内に抑える必用がある。シクロヘキサノールの濃度を抑える方法としては、核水添反応が進行しにくい水素化分解反応条件を選択する方法の他、蒸留、抽出等によりシクロヘキサノールの全て又は一部を本発明の工程からなる系外へ除去する方法、反応により別の化合物へ変換する方法、吸着剤等により濃度を減少させる方法等をあげることができる。系外へ除去する場合、シクロヘキサノールを除去する工程(以下、「シクロヘキサノール除去工程」と記すことがある。)は、酸化工程、エポキシ化工程及び水素化分解工程の少なくとも各工程内又は各工程を結ぶ少なくとも一ケ所において、通常、蒸留、抽出等により実施できるが、酸化工程の前において蒸留除去を行うことが、副生成物の濃度を低レベルに抑制するし、かつ有効成分のロスを少なくする観点から好ましい。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、クメンから得られるクメンハイドロパーオキサイドを酸素キャリヤーとして用いてプロピレンをプロピレンオキサイドに変換し、かつ該クメンを繰り返し使用することができ、しかも各工程の反応容積を有効に活用することができ、不要な有機酸の生成を抑えることができるという優れた特徴を有するプロピレンオキサイドの製造方法を提供することができた。

Claims (1)

  1. 下記の工程を含み、
    下記の水素化分解工程から下記の酸化工程へリサイクルされるクメン中のシクロヘキサノールの濃度が5重量%以下である
    プロピレンオキサイドの製造方法。
    酸化工程:クメンを酸化することによりクメンハイドロパーオキサイドを得る工程
    エポキシ化工程:クメンハイドロパーオキサイドを含むクメン溶液と過剰量のプロピレンとを、液相中、固体触媒の存在下に反応させることにより、プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
    水素化分解工程:固体触媒の存在下、エポキシ化工程で得たクミルアルコールを水素化分解することによりクメンを得、該クメンを酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
    シクロヘキサノール除去工程:上記の工程のうちの少なくとも一つの工程又は上記の各工程を結ぶ少なくとも一ケ所において、シクロヘキサノールを系外へ除去する工程
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