JP2003261071A - 農作業機における原動部構造 - Google Patents

農作業機における原動部構造

Info

Publication number
JP2003261071A
JP2003261071A JP2002065264A JP2002065264A JP2003261071A JP 2003261071 A JP2003261071 A JP 2003261071A JP 2002065264 A JP2002065264 A JP 2002065264A JP 2002065264 A JP2002065264 A JP 2002065264A JP 2003261071 A JP2003261071 A JP 2003261071A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
belt
transmission
body frame
machine body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002065264A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Yasuda
安田  真
Tatsuya Sakai
達哉 酒井
Hiroto Kimura
木村  浩人
Daisaku Inai
大作 稲井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2002065264A priority Critical patent/JP2003261071A/ja
Publication of JP2003261071A publication Critical patent/JP2003261071A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝動ベルトで動力伝達可能に構成してエンジ
ンと変速装置とを支持する機体フレームの機械的強度の
向上を図ることのできる農作業機の原動部構造を提供す
る。 【解決手段】 機体フレーム27に搭載したエンジン2
8と静油圧式無段変速装置33とを伝動ベルト34で動
力伝達可能に構成する。伝動ベルト34にテンション力
を付与するテンション輪41を取り付けたテンションア
ーム41Aを機体フレーム27に軸支する。テンション
アーム41Aの機体フレーム27における軸支部位に補
強フレーム44を縦向き姿勢で固着する。補強フレーム
44のフランジ部44Aと機体フレーム27とに直交す
る姿勢で補強リブ45を固着してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機や直播機あ
るいはトラクタなどの農作業機の原動部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】〔第1の従来技術〕従来、上記のような
農作業機の原動部構造においては、例えば特開2000
−199251号公報などで開示されているように、機
体フレームに搭載したエンジンと変速装置とを伝動ベル
トで動力伝達可能に構成するとともに、前記伝動ベルト
にテンション力を付与するテンション輪を取り付けたテ
ンションアームを前記機体フレームに軸支したものがあ
り、機体フレームをチャンネル状の型鋼で構成してい
た。
【0003】〔第2の従来技術〕ラジエータへの冷却水
を補給するリザーブタンクを、エンジンボンネット内で
支持するのに、機体フレーム等から専用の支柱等を立設
し、その支柱に支持ブラケットを設けて、支持ブラケッ
トにリザーブタンクを差込み装着していた。
【0004】〔第3の従来技術〕エアクリーナやバッテ
リを配置するのに、エンジンボンネット内において、ス
ペース効率よく配置することが優先されているので、エ
アクリーナやバッテリは分散して配置されることがあっ
た。
【0005】〔第4の従来技術〕エアクリーナの吸気口
はエンジンボンネット内で搭乗ステップより上方に位置
していた。
【0006】〔第5の従来技術〕エンジンを支持するの
に4つの防振機構を配置して行っているが、4つの防振
機構の剛性は全て同じものに設定されていた。
【0007】〔第6の従来技術〕例えば前記した特開2
000−199251号公報などで開示されているよう
に、エンジンと変速装置とを連動連結する伝動ベルトの
リターン経路側のベルトに作用させて、伝動ベルトの踊
り等を抑制するものはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】〔第1の従来技術につ
いて〕エンジンを搭載した機体フレームに、エンジンの
振動が伝達されるとともに、テンションプーリを取り付
けたテンションアームのテンション力の変動に基づく振
動も前記機体フレームに伝達されるので、チャンネル状
の型鋼単独で機体フレームを構成する場合には、強度が
不足することになり、機体フレームに曲げや捩じりの影
響がでていた。
【0009】〔第2の従来技術について〕リザーブタン
クを支持する支柱等を専用に設けるとすると、その為の
支柱を製造する必要があるとともに、設置の為のスペー
スを確保する必要があるところから、製造コスト面で不
利であった。
【0010】〔第3の従来技術について〕エアクリーナ
やバッテリが分散配置されていると、作業者はエアクリ
ーナが配置されている部位とバッテリーが配置されてい
る部位とに夫々出向く必要があり、メインテナンス作業
を行う場合等に作業効率がわるい面があった。
【0011】〔第4の従来技術について〕エアクリーナ
の吸気口はエンジンボンネット内で搭乗ステップよりも
高い位置にあったので、吸気口が操縦者に近い位置にな
る。その為に、吸気口から発生する吸気振動音が操縦者
の耳につき易い面があり、操縦性を悪化させていた。ま
た、地上高の高い位置にある高温の空気を吸い込むこと
になり、この点でも改善の余地があった。
【0012】〔第5の従来技術について〕伝動ベルトの
伝動力がエンジンの出力軸を通してエンジンを変速装置
に近接する方向に引き寄せるように作用する。したがっ
て、エンジンは変速装置側へ傾きを生ずることになるの
で、更に、エンジン振幅を助長することになって防振効
果が十分発揮されてなかった。
【0013】〔第6の従来技術について〕リターン経路
側ベルトは脈動が自由に許される状態にあったので、ベ
ルト上方の部材との衝突音を発生させたり、ベルト伝動
系に共振を誘発したりすることがあり、改善する余地が
あった。
【0014】本発明の目的は、上記課題を解決し、エン
ジン振動による不都合を排除しながら、メインテナンス
性が良好で、操縦環境のよい農作業機の原動部構造を提
供する点にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項1にかか
る本発明の特徴構成は、機体フレームに搭載したエンジ
ンと変速装置とをベルト式伝動機構で動力伝達可能に構
成するとともに、前記ベルト式伝動機構の伝動ベルトに
テンション力を付与するテンション輪を取り付けたテン
ションアームを前記機体フレームに軸支し、前記テンシ
ョンアームの前記機体フレームにおける軸支部位にチャ
ンネル状補強フレームを縦向き姿勢で固着するととも
に、チャンネル状補強フレームのフランジ部と前記機体
フレーム、夫々に直交する姿勢で補強リブを固着してあ
る点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0016】〔作用効果〕チャンネル状補強フレームを
縦向き姿勢で固着することによって、テンション力の変
動によって振動力を受ける機体フレームのテンションア
ーム軸支部位を補強することができ、エンジンの振動力
とテンション力の変動による振動力との合成振動力に対
する対抗力を増して、上下方向から作用する荷重に対す
る曲げ応力を高めることができる。しかも、機体フレー
ムと補強フレームとの両方に対して直交する姿勢で補強
リブを設けているので、補強フレームと補強リブとで十
字状の補強構造を構成しており、捩じりにも強い構成と
することができ、エンジンを安定して支持できる。
【0017】〔構成〕請求項2にかかる本発明の特徴構
成は、エンジンボンネットの内部に設けたラジエータの
側部に前記エンジンボンネットの内面との間隙を埋める
仕切壁を設け、この仕切壁から支持ブラケットを延出す
るとともに、前記支持ブラケットにラジエータへの冷却
水補給用のリザーブタンクを取り付けてある点にあり、
その作用効果は次の通りである。
【0018】〔作用効果〕つまり、リザーブタンクを取
り付ける支持ブラケットの取付対象として、ラジエータ
の側部と前記エンジンボンネットの内面との間隙を埋め
る仕切壁に設定したので、支持ブラケットを取り付ける
ための支柱等を新たに設ける必要もなく、かつ、その支
柱を設けるための設置スペースを確保する必要もない。
したがって、仕切壁を支持ブラケットの取付対象として
兼用化できるとともに、仕切壁自体は比較的大型の機器
であるラジエータの側部を対応した大型のものであるの
で、取付対象としての機械的強度も十分備えるものであ
る。
【0019】〔構成〕請求項3にかかる本発明の特徴構
成は、エアクリーナ及びバッテリをエンジンボンネット
の横一側方に片寄せて配置してある点にあり、その作用
効果は次の通りである。
【0020】〔作用効果〕要メインテナンス機器であ
る、エアクリーナとバッテリとをエンジンボンネットの
横一側方に片寄せて配置してあるので、その横一側方に
出向けば、エアクリーナとバッテリとのメインテナンス
作業を行うことができ、エンジンボンネットの両側方に
亘って動き回らねばならない煩雑さを解消できる。
【0021】〔構成〕請求項4にかかる本発明の特徴構
成は、エンジンボンネット内に設けたエアクリーナの吸
気口を走行機体に備えた前車輪の駆動軸近傍で運転部の
乗降ステップより下方に配置してある点にあり、その作
用効果は次の通りである。
【0022】〔作用効果〕つまり、吸気口が比較的地上
高の低い位置に設けてあるので、吸気口が操縦者より従
来構成に比べて遠い位置になり、吸気口の発する吸気振
動音が操縦者の耳障りなものでなくなる。これによっ
て、操縦環境を良くすることができる。しかも、下方の
低温空気を吸気できるので、密度の大きな低温空気をエ
ンジンに供給でき、過給効果によるエンジン出力の向上
を期待できる。
【0023】〔構成〕請求項5にかかる本発明の特徴構
成は、複数箇所に配置した防振機構でエンジンを機体フ
レームに搭載するとともに、エンジンと変速装置とをベ
ルト伝動機構で伝動連結し、前記防振機構のうち前記変
速装置に近接して配置した第1防振機構の剛性を、前記
第1防振機構を挟んで前記変速装置から遠い位置に配置
した第2防振機構の剛性より大きくしてある点にあり、
その作用効果は次の通りである。
【0024】〔作用効果〕エンジンが変速装置側に傾倒
しようとしても、第1防振機構の剛性が高く設定されて
いるので、その第1防振機構で踏ん張ることができ、エ
ンジンの傾倒を阻止することができる。しかも、両方の
防振機構の剛性を高くしているわけではないので、夫々
の防振機構が受け持つ荷重に応じた剛性及び振動機能を
設定でき、全体として振動機能も維持されている。
【0025】〔構成〕請求項6にかかる本発明の特徴構
成は、機体フレームに搭載したエンジンと変速装置とを
ベルト式伝動機構で動力伝達可能に構成するとともに、
前記ベルト式伝動機構の伝動ベルトの駆動経路側ベルト
に作用するテンション輪と、前記伝動ベルトのリターン
経路側ベルトに作用するベルト押えとを配置し、前記ベ
ルト押えを前記エンジンのリアエンドプレートに取付支
持してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0026】〔作用効果〕つまり、ベルト押えの配置に
よって、伝動ベルトのリターン経路側ベルトの脈動を押
えることができ、その伝動ベルトの脈動によって影響を
受けてエンジンと変速装置を含む全体の伝動系が共振す
ることを抑制できる。しかも、ベルト押えはエンジンの
リアエンドプレートに取り付けてあるので、ベルト押え
はエンジンと同じ振動系に属することになり、ベルト押
えは伝動ベルトの脈動が起こった場合のみ作用すること
になり、不必要にベルトを押えることがなく、伝動ベル
トの回転作動に影響を与えることはない。
【0027】
【発明の実施の形態】図1には農作業機の一例である乗
用型田植機の全体側面が、図2にはその全体平面が示さ
れており、この田植機は、乗用型に構成された走行機体
1の後部に、油圧シリンダ2の作動で昇降揺動するリン
ク機構3を介して10条植え用の苗植付装置4を昇降自
在に連結し、かつ、補助作業装置の一例である10条施
肥用の施肥装置5を搭載することによって、10条植え
のミッドマウント施肥仕様に構成されている。
【0028】走行機体1は、その前部に配設される原動
部6からの走行用動力を左右の前車輪7及び後車輪8に
伝達する四輪駆動形式に構成され、その中央部には、左
右の前車輪7に操向操作可能に連係されたステアリング
ホイール9や運転座席10などを備えるとともに搭乗ス
テップ11が敷設された運転部12が形成され、原動部
6の左右には、運転部12に対する機体前方位置からの
乗降を可能にする乗降ステップ13が搭乗ステップ11
と同じ高さ位置に敷設配備されている。
【0029】苗植付装置4は、機体の走行に伴って4つ
の整地フロート14が苗植え付け箇所を前もって整地す
る一方で、原動部6からの作業用動力が左右のフィード
ケース15に伝達され、それらのフィードケース15か
らの分配動力で、10条分のマット状苗を載置可能な苗
載台16が左右方向に一定ストロークで往復駆動される
とともに、10基のロータリ式の植付機構17が、その
苗載台16の下端から苗を所定量ずつ取り出して圃場に
植え付ける植え付け作動を行うように構成されている。
【0030】図3及び図4に示すように、苗植付装置4
は、4条分の植え付けが可能な左植付部4Aと6条分の
植え付けが可能な右植付部4Bとに2分割可能で、か
つ、それらの各植付部4A,4Bが第1縦軸芯P1及び
第2縦軸芯P2周りに揺動操作可能に構成されており、
これによって、左右の植付部4A,4Bを作業可能な前
向き姿勢で連結する作業姿勢と、左右の植付部4A,4
Bに分割してその機体横外側方への張り出し量を減少さ
せる横向き姿勢に変更する格納姿勢とに姿勢を切り換え
られるようになっている。尚、図3及び図4に示す符号
18は、リンク機構3の後端に連結された固定フレーム
であり、符号19は、固定フレーム18の左右両端に第
1縦軸芯P1周りに揺動可能に支持されるとともに、そ
の遊端に対応する植付部4A,4Bが第2縦軸芯P2周
りに揺動可能に連結された揺動フレームである。
【0031】図1及び図2に示すように、施肥装置5
は、機体の走行に伴って各整地フロート14に装備され
た総数10個の作溝器20が施肥溝を形成する一方で、
原動部6からの作業用動力で5基の繰出機構21が肥料
ホッパ22内の肥料を所定量ずつ繰り出し、電動式の施
肥ファン23の作動で各繰出機構21にて繰り出された
肥料を案内ホース24を介して対応する作溝器20に向
けて圧送することで、圃場における植え付け苗の横側方
箇所に肥料を埋没するように構成されている。
【0032】図1、図5及び図6に示すように、原動部
6は、前後向きに配設された左右一対の主フレーム25
の前端にミッションケース26を連結し、ミッションケ
ース26から前方に向けて延設された前部フレーム27
に、水冷式3気筒のディーゼルエンジン28をその出力
軸28aが左右向きになる姿勢で防振機構を構成する4
つのマウントゴム29を介して搭載支持し、エンジン2
8とその後方に立設されたハンドルポスト30との間
に、冷却用の電動ファン31を備えたラジエータ32を
前後向きに立設配備し、そのラジエータ32の後方に位
置するミッションケース26の左側部に、静油圧式無段
変速装置33をその入力軸33aが左右向きになる姿勢
で連結し、エンジン28の出力軸28aと静油圧式無段
変速装置33の入力軸33aとを回転無端帯としてのベ
ルト式伝動機構34を介して伝動可能に連結することに
よって構成されている。
【0033】防振機構としてのエンジン28の搭載用マ
ウントゴム29は、後方側に位置して静油圧式無段変速
装置33に近い側に位置する二つのものを第1防振機構
29Aとし、前方側で静油圧式無段変速装置33より遠
い側に位置するものが第2防振機構29Bとして、その
第1防振機構が第2防振機構よりも硬度の高いものを使
用している。これはベルト伝動機構34によって静油圧
式無段変速装置33側にエンジン28が倒れを生じるこ
とを阻止するためである。ただし、外見上では前後のマ
ウントゴム29は区別を付けることはできないので、組
間違いを回避するために、前側のマウントゴムにはゴム
の周囲にマークが施してある。
【0034】図5に示すように、静油圧式無段変速装置
33に対するチャージ油を供給するポート33Aをその
静油圧式無段変速装置33の下面に設けてある。これ
は、静油圧式無段変速装置33への供給ポートとしては
側面にもあるが、その面はラジエータ32との隣接面に
あたるために、その側面ポート33Bには蓋をして、下
方の供給ポート33Aよりチャージ油を導入することに
した。側面ポート33Bは場合によっては、オイルフィ
ルタを装着する場合もある。このような構成を採ること
によって、静油圧式無段変速装置33とラジエータ32
とを近接して配置することができるのである。
【0035】また、静油圧式無段変速装置33とラジエ
ータ32とを近接配置してはいるが、ラジエータ用の電
動ファン31が静油圧式無段変速装置33側に位置して
いるために、ラジエータ32と静油圧式無段変速装置3
3の間に僅かな隙間を介して埃等が吸い上げられること
があったので、図6に示すように、ラジエータ32と静
油圧式無段変速装置33の下方に遮蔽板53を設けてい
る。
【0036】図6 及び図7に示すように、ラジエータ3
2の前方でエンジンボンネット56内の右側に、リザー
ブタンク46、その前方にエアクリーナ47、及び、そ
れらのさらに右横側方にバッテリ48が配置されてい
る。これらは、いずれもメインテナンス頻度が高いもの
であるので、メインテナンス作業の能率を上げるために
集中して配置してある。図11〜図13に示すように、
リザーブタンク46は、ラジエータ32の側面とエンジ
ンボンネット56の内面との間に設けてある仕切壁49
より延出させた支持ブラケット50に上方から差し込み
装着して支持してあり、支持ブラケット50を取り付け
るために専用の支持部材を必要としない構成を採ってい
る。
【0037】エアークリーナ47の更に前方側には、オ
ルタネータ51が設けてあり、メインテナンス時におい
て、オルタネータ51を駆動する伝動ベルト52に手指
が巻き込まれないように、そのオルタネータ51を取り
付けているブラケット51Aより保護カバー(図示せ
ず)を延出する。また、オルタネータ51の下方には、
エンジン用のオイルフィルタ55が設けてあるが、前部
フレーム27の下方より手を入れてオイルフィルタ55
を取替えるように構成してある。
【0038】図7に示すように、エアークリーナ47の
吸気管47Aはラジエータ32の上方を迂回して一旦後
方に位置させた状態から下方に延出されており、その吸
気口47Bを前車軸の近傍で搭乗ステップ11の下方に
位置させている。これによって、吸気口47Bを運転座
席10より離れたところでかつ搭乗ステップ11で遮蔽
することができるので、エアーを吸入する際に発せられ
る吸気振動音の運転者への影響を抑えることができる。
【0039】つまり、出力軸延出方向の長さが出力軸直
交方向の長さよりも長くなる3気筒の大型エンジン28
を、その長手方向を左右向きにした状態で走行機体1の
前部に搭載することから、その長手方向を前後向きにし
て搭載する場合に比較して、走行機体1の前部に形成さ
れる原動部6の前後長さを短くすることができて、搭乗
運転部12からの機体前下方の作業地に対する見通しを
良くすることができるようになっており、もって、条合
わせなどの作業性の向上を図れるようになっている。
又、原動部6の前後長さが短くなる分、機体の全長を短
くすることができて機体旋回時に要する旋回スペース
(圃場では枕地)の縮小化を図れるようになっている。
【0040】しかも、その長手方向が左右向きになるよ
うに搭載した大型エンジン28の後方に電動ファン31
を備えたラジエータ32を配設することから、長手方向
を左右向きとしたエンジン28の左右一側方にその出力
で駆動される冷却ファンを配設し、更に、その横外側方
にラジエータを立設する場合に発生する、走行機体1の
前部に形成される原動部6の左右長さが長くなり過ぎ
て、搭乗運転部12からの機体前下方の作業地に対する
見通しが悪くなる、といった不都合や、乗降ステップ1
3の左右幅が狭くなって搭乗運転部12に対する機体前
方位置からの乗降が行い難くなる、といった不都合を招
くことなく、エンジン28の冷却を良好に行えるように
なっている。
【0041】図5及び図6に示すように、静油圧式無段
変速装置33の入力軸33aには、その入力軸33aと
一体回転することで機体左外側方の外気を静油圧式無段
変速装置33に向けて流動させる冷却ファン35が外嵌
装着されており、これによって、静油圧式無段変速装置
33の冷却を効果的に行えるようになっている。又、ラ
ジエータ32の後方にミッションケース26が配設され
ていることによって、静油圧式無段変速装置33を冷却
した後の冷却排風が、ラジエータ32に備えた電動ファ
ン31の吸引側となるラジエータ32の後方を流動する
ようになり、その一部が電動ファン31の作動によって
他の外気とともに静油圧式無段変速装置33よりも高温
のエンジン28やラジエータ32に供給されるようにな
ることから、エンジン28やラジエータ32に供給する
冷却風量を増加させることができ、もって、エンジン2
8の冷却をより効果的に行えるようになっている。尚、
静油圧式無段変速装置33の入力軸33aに冷却ファン
35とともに装着されるベルト式伝動機構34の入力プ
ーリには、冷却風の流動を促進させる通気口34aが形
成されている。
【0042】図5〜7に示すように、エンジン28にお
いて、その出力軸28aが突出する側となる左側の端面
には、その端面が後向きになる姿勢でエンジン28を配
設した場合にミッションケース連結用として使用される
リアエンドプレート36が備えられており、このリアエ
ンドプレート36には、エンジン28と電動ファン31
との間に形成される縦長の空間を有効利用して縦向き姿
勢で配設されたマフラ37が連結されている。
【0043】つまり、強度の高いリアエンドプレート3
6をマフラ37の支持フレームとして有効利用すること
ができて、マフラ37を高い支持強度で支持できるよう
になることから、マフラ専用の支持フレームを新たに設
けることによる部品点数の増加や組み付けが困難になる
不都合を招くことなく、機体のピッチングなどの影響を
受けてマフラ37や排気管38が揺動することを防止で
き、もって、マフラ37や排気管38が揺動してエンジ
ン28やラジエータ32などの他物に接当することに起
因した異音の発生やそれらの破損を回避できるようにな
っている。又、電動ファン31からの冷却風をマフラ3
7や排気管38に供給できることから、それらの冷却を
効果的に行えるようになっている。
【0044】ベルト伝動機構34に対するテンション輪
41及びベルト押え42の支持構造について説明する。
図5〜図9に示すように、ベルト伝動機構34の駆動経
路側ベルト34Bに作用するテンション輪41は、チャ
ンネル製前部フレーム27のウエブ面27Aに横向き軸
芯周りに揺動自在に枢支されたテンションアーム41A
に回転自在に軸支してあり、そのテンションアーム41
Aは、前記したウエブ面27Aに設けてある支持ピン4
1Bとの間に架け渡されたコイルスプリング41Cで、
テンション力を強くする方向に付勢されている。
【0045】図8 及び図9に示すように、テンションア
ーム41Aを回転自在に支持した前部フレーム27の背
面側となる内面に、チャンネル状補強フレーム44のウ
エブ面44Bを当接する状態でかつ縦向き姿勢で固着し
てあり、テンションアーム41Aの取付部位を補強して
いる。この補強フレーム44の両フランジ面44A,4
4Aと前部フレーム27とに直交する姿勢で機体前後方
向に沿って板状補強リブ45,45を、前記した両フラ
ンジ面44A,44Aと前部フレーム27とに亘って固
着している。以上のように、補強フレーム44と補強リ
ブ45との補強効果によって、前部フレーム27の機械
的強度が改善され、エンジン28の振動やベルト伝動機
構34の振動等に起因する前部フレーム27を含むエン
ジン28の搭載フレームの曲げ捩じれ剛性を確保し、ベ
ルト等の振動を抑えることができる。
【0046】ベルト伝動機構34のリターン経路側ベル
ト34Aに対しては、ベルト押え42が設けてあり、こ
のベルト押え42が、ベルト34Aのテンション力が変
動することによってベルト34Aが波打ち現象を起こし
て脈動しても、ベルト34Aの上方に位置する乗降ステ
ップ13に衝撃的に接触することを阻止する機能を発揮
する。ベルト押え42は、丸棒材を屈曲形成してループ
状に成形したものであり、作用部42Aにおいてベルト
34Aに沿って丸棒材を姿勢設定している。また、基端
部42Bにおいては、エンジン28のリアエンドプレー
ト36に沿って丸棒材を形成し、丸棒状の基端部42B
を、板状ブラケット43を介してリアエンドプレート3
6に取り付けてある。エンジン28の駆動プーリと同じ
振動系に属するリアエンドプレート36にベルト押え4
2を取り付けてあるので、エンジン28の振動とは異な
る振動数でベルト34Aが共振したときのみベルト押え
42が作用することになり、適切なタイミングで作用さ
せることができる。
【0047】図5〜8に示すように、エンジン28を支
持する4つのマウントゴム29のうち、エンジン28の
出力軸28a側を支持する2つのマウントゴム29は、
リアエンドプレート36に、その外側面から外方に向け
て延設された前後一対の支持ステー39を介して取り付
けられ、その反対側を支持する2つのマウントゴム29
は、エンジン28に、その前後壁の各右端部から前後に
向けて延設された支持ステー40を介して取り付けられ
ている。
【0048】つまり、エンジン28に、その前後壁の左
右両端から前後に向けて延設した支持ステーにマウント
ゴムを取り付ける場合に比較して、エンジン28の出力
軸28a側を支持するマウントゴム29をその出力軸2
8aの先端側に更に寄せた状態で配設することができ、
これによって、エンジン28の出力軸延出方向での支持
スパンを大きくすることができて、エンジン28をより
安定した支持状態で搭載できるようになっている。
【0049】又、エンジン28の出力軸28a側を支持
するマウントゴム29がベルト式伝動機構34の近くに
配設された状態となり、これによって、エンジン28の
出力軸28a側を静油圧式無段変速装置33に向けて変
位させる捻り力として作用するようになるベルト式伝動
機構34のベルト張力に抗する支持力が向上するように
なっており、その結果、深田での走行などのようにエン
ジン28に大きい負荷が作用することでベルト式伝動機
構34のベルト張力が強くなる状態であってもそのベル
ト張力でエンジン28の出力軸28a側が静油圧式無段
変速装置33に向けて大きく振れる虞を抑制することが
できて、その振れに起因して、ベルト式伝動機構34で
のベルトスリップによる伝動不良が発生することを抑制
できるようになっている。
【0050】しかも、本来よりミッションケース連結用
としてエンジン28に備えられているリアエンドプレー
ト36を有効利用して、エンジン28の出力軸28a側
を支持するマウントゴム29を取り付けるようにしてい
ることから、そのマウントゴム29を取り付けるための
取付部を鋳造形成されるエンジン28の側壁に新たに形
成する必要がなく、その分、構成の簡素化を図れるよう
になっている。
【0051】ヘッドライト54の構成について説明す
る。図5に示すように、ヘッドライト54のバック面を
エンジンボンネット56成形時に一体で形成し、そのバ
ック面に銀色塗装を施してリフレクタ部54Aとする。
また、ランプ54B自体は、そのリフレクタ部54Aに
設けた孔を介してエンジンボンネット56内部より装着
できるようにし、表側のレンズ部54Cは表側から装着
するようにして、リフレクタ部をエンジンボンネット5
6で兼用化している。これによりランプ54Bの交換も
容易に行える。
【0052】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態
を列記する。 (1) 農作業機としては、直播機やトラクタあるいは
草刈機などであってもよい。 (2) 防振機構29としては、ゴム単独のものではな
く、バネ等と複合したものでもよい。 (3) 伝動ベルトを掛ける対象としては、変速装置と
して静油圧式無段変速装置33を備えないギヤ式等のミ
ッションケースを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】苗植付装置を作業姿勢に切り換えた状態を示す
乗用型田植機の概略平面図
【図4】苗植付装置を格納姿勢に切り換えた状態を示す
乗用型田植機の概略平面図
【図5】原動部の構成を示す要部の縦断側面図
【図6】原動部の構成を示す要部の横断平面図
【図7】エンジン支持構造を示す要部の右側面図
【図8】ベルト式伝動機構を示す側面図
【図9】テンションアームの支持構造を示す平面図
【図10】図8における平面図
【図11】リザーブタンクの取付状態を示す平面図
【図12】図11における側面図
【図13】リザーブタンクの取付前状態を示す分解斜視
【符号の説明】 1 走行機体 27 機体フレーム 28 エンジン 29 防振機構 29A 第1防振機構 29B 第2防振機構 32 ラジエータ 33 変速装置 34 ベルト式伝動機構 34B 駆動経路側伝動ベルト 34A リターン経路側伝動ベルト 36 リアエンドプレート 41 テンション輪 41A テンションアーム 42 ベルト押え 44 補強フレーム 44A フランジ面 45 補強リブ 46 リザーブタンク 47 エアークリーナ 48 バッテリ 49 仕切壁 50 支持ブラケット 56 エンジンボンネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 浩人 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 (72)発明者 稲井 大作 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 3D003 AA01 BB13 CA18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体フレームに搭載したエンジンと変速
    装置とをベルト式伝動機構で動力伝達可能に構成すると
    ともに、前記ベルト式伝動機構の伝動ベルトにテンショ
    ン力を付与するテンション輪を取り付けたテンションア
    ームを前記機体フレームに軸支し、前記テンションアー
    ムの前記機体フレームにおける軸支部位にチャンネル状
    補強フレームを縦向き姿勢で固着するとともに、チャン
    ネル状補強フレームのフランジ部と前記機体フレーム、
    夫々に直交する姿勢で補強リブを固着してある農作業機
    の原動部構造。
  2. 【請求項2】 エンジンボンネットの内部に設けたラジ
    エータの側部に前記エンジンボンネットの内面との間隙
    を埋める仕切壁を設け、この仕切壁から支持ブラケット
    を延出するとともに、前記支持ブラケットにラジエータ
    への冷却水補給用のリザーブタンクを取り付けてある農
    作業機の原動部構造。
  3. 【請求項3】 エアクリーナ及びバッテリをエンジンボ
    ンネットの横一側方に片寄せて配置してある農作業機の
    原動部構造。
  4. 【請求項4】 エンジンボンネット内に設けたエアクリ
    ーナの吸気口を走行機体に備えた前車輪の駆動軸近傍で
    運転部の乗降ステップより下方に配置してある農作業機
    の原動部構造。
  5. 【請求項5】 複数箇所に配置した防振機構でエンジン
    を機体フレームに搭載するとともに、エンジンと変速装
    置とをベルト伝動機構で伝動連結し、前記防振機構のう
    ち前記変速装置に近接して配置した第1防振機構の剛性
    を、前記第1防振機構を挟んで前記変速装置から遠い位
    置に配置した第2防振機構の剛性より大きくしてある農
    作業機の原動部構造。
  6. 【請求項6】 機体フレームに搭載したエンジンと変速
    装置とをベルト式伝動機構で動力伝達可能に構成すると
    ともに、前記ベルト式伝動機構の伝動ベルトの駆動経路
    側ベルトに作用するテンション輪と、前記伝動ベルトの
    リターン経路側ベルトに作用するベルト押えとを配置
    し、前記ベルト押えを前記エンジンのリアエンドプレー
    トに取付支持してある農作業機の原動部構造。
JP2002065264A 2002-03-11 2002-03-11 農作業機における原動部構造 Pending JP2003261071A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002065264A JP2003261071A (ja) 2002-03-11 2002-03-11 農作業機における原動部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002065264A JP2003261071A (ja) 2002-03-11 2002-03-11 農作業機における原動部構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003261071A true JP2003261071A (ja) 2003-09-16

Family

ID=28671219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002065264A Pending JP2003261071A (ja) 2002-03-11 2002-03-11 農作業機における原動部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003261071A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101427451B1 (ko) * 2011-07-13 2014-08-11 주식회사 만도 전동식 동력 보조 조향장치의 벨트 장력 조절기 및 이를 구비한 전동식 동력 보조 조향장치
JP2015223870A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 株式会社クボタ 作業機
JP6993071B2 (ja) 2018-09-20 2022-01-13 ダイハツ工業株式会社 内燃機関

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101427451B1 (ko) * 2011-07-13 2014-08-11 주식회사 만도 전동식 동력 보조 조향장치의 벨트 장력 조절기 및 이를 구비한 전동식 동력 보조 조향장치
JP2015223870A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 株式会社クボタ 作業機
CN111492765A (zh) * 2014-05-26 2020-08-07 株式会社久保田 作业机
JP6993071B2 (ja) 2018-09-20 2022-01-13 ダイハツ工業株式会社 内燃機関

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6226816B2 (ja) 作業機
JP2019000070A (ja) 作業車両
US20060096269A1 (en) Windrower cab mounting and suspension system
JP3862674B2 (ja) 乗用型移植機
JP2003261071A (ja) 農作業機における原動部構造
JP5486451B2 (ja) 作業車
JP2002036887A (ja) 農作業機
JP3599479B2 (ja) 乗用型移植機
JP5889147B2 (ja) 作業機
JP4200652B2 (ja) 作業車両の燃料タンク支持枠構造
JP5710875B2 (ja) 乗用型農作業機
JP2008087490A (ja) 作業車
JP2501280Y2 (ja) 農作業車の原動部構造
JPH09300985A (ja) 乗用型移植機
JP7224236B2 (ja) 水田作業機
JP3934187B2 (ja) 走行農作業機
JP4002029B2 (ja) 田植機
JP6482797B2 (ja) 乗用型草刈機
JP2004141098A (ja) 乗用田植機の機体フレーム構造
JP5174075B2 (ja) 乗用型作業機
JPH10276542A (ja) コンバインの刈取部伝動構造
JP4432304B2 (ja) 移動農機
KR102082279B1 (ko) 작업기 및 이앙기
JP2002337553A (ja) 田植機
JP3118714B2 (ja) 乗用型田植機