JP2003260807A - 記録ヘッド - Google Patents

記録ヘッド

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JP2003260807A
JP2003260807A JP2002065328A JP2002065328A JP2003260807A JP 2003260807 A JP2003260807 A JP 2003260807A JP 2002065328 A JP2002065328 A JP 2002065328A JP 2002065328 A JP2002065328 A JP 2002065328A JP 2003260807 A JP2003260807 A JP 2003260807A
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wire
recording head
distance
area
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JP2002065328A
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Susumu Taga
進 多賀
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドット抜けを抑制し、プラテンギャップ設定
のばらつきを吸収して、印字品質を高品質に維持する。 【解決手段】 ワイヤを記録ヘッド18から突出させる
距離が所定距離以上となるコア44の断面積をワイヤを
当該記録ヘッド18から突出させる距離が所定距離未満
となるコア44の断面積よりも大きくする。さらにワイ
ヤを当該記録ヘッド18から突出させる距離が所定距離
以上となるコア44に対応するワイヤレバー部46を構
成するアーマチュア46Bの当該コア44に対向する面
の面積をワイヤを当該記録ヘッド18から突出させる距
離が所定距離未満となるコアに対応するワイヤレバー部
46Bを構成するアーマチュア46Bの当該コアに対向
する面の面積よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドに係
り、特にドット抜けを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】記録装置には、記録ヘッドをプラテンの
軸方向に走行させる間に、この記録ヘッドにおける複数
のワイヤをインクリボンを介して、円柱形状を有する丸
プラテンの周面に接線方向に沿って配置されたシートに
打ち付け、このシートに画像を記録するドットインパク
トプリンタがある。
【0003】このドットインパクトプリンタの記録ヘッ
ドは、複数のコアが一体成形されたフレームを有し、コ
アに巻回されたコイルに通電されることにより磁気吸引
力を発生する。そして、発生した磁気吸引力によりコア
に対向して配置されているワイヤレバー部のアーマチュ
アを吸引する。
【0004】アーマチュアが吸引されるとワイヤレバー
部は所定の回動軸を支点として回動され、アーマチュア
に一体に形成されているワイヤレバーを回動させる。
【0005】これによりワイヤレバーの先端に固着され
ているワイヤが記録ヘッドのノーズ先端部から突出して
画像を記録することとなっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
記録ヘッドにおいては、各ワイヤの突出距離は各ワイヤ
間でほぼ同一となっており、限界があった。
【0007】一方、丸プラテンは円柱形状を有している
ため、丸プラテンの周面の接線方向(主走査方向)に沿
って直線的に配置されているワイヤが丸プラテンの周面
に至るまでの距離はワイヤ毎に異なっていた。特にいわ
ゆる上下ピン(例えば、9ピン構成の場合、第1番ピン
と第9番ピン)丸プラテンの周面から最も遠いこととな
っていた。
【0008】従って、非印字時のワイヤ先端から丸プラ
テンまでの距離であるプラテンギャップは、上下ピンが
ドット抜けを起こさないような値に設定されていた。
【0009】そして、このプラテンギャップの調整は、
ドットインパクトプリンタのユーザに委ねられており、
手動あるいは自動で行うにしても、調整は必ずしも最良
な状態となるわけではない。
【0010】この結果、プラテンギャップを大きく取り
すぎると、画像記録時にワイヤがシートに到達せずドッ
ト抜けを起こし、印字品質の劣化を招いてしまうという
問題点があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、ドット抜けを抑
制し、プラテンギャップ設定のばらつきを吸収して、印
字品質を高品質に維持することが可能な記録ヘッドを提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、コアに巻回されたコイルに通電し、前記コアに発生
する磁気吸引力によってワイヤレバー部を駆動し、ワイ
ヤを突出させる記録ヘッドは、断面積が互いに異なる複
数種類の前記コアと、対応する前記コアに対向する面の
面積を当該コアの前記断面積に応じて異ならせた複数種
類のアーマチュアと、を備えたことを特徴としている。
【0013】上記構成によれば、コアの断面積およびア
ーマチュアのコアに対向する面の面積に応じて磁気吸引
力、ひいては、ワイヤの突出状態(突出距離および突出
力)を容易に制御できる。
【0014】この場合において、当該記録ヘッドは、前
記ワイヤを円筒形状を有する丸プラテンに向けて突出さ
せるものであり、前記丸プラテン表面までの突出距離が
比較的長い前記ワイヤに対応する前記コアの断面積およ
び前記アーマチュアの前記対向する面の面積を前記丸プ
ラテン表面までの突出距離が比較的短い前記ワイヤに対
応する前記コアの断面積および前記アーマチュアの前記
対向する面の面積よりも大きく設定するようにしてもよ
い。
【0015】また、コアに巻回されたコイルに通電し、
前記コアに発生する磁気吸引力によってワイヤレバー部
を駆動し、ワイヤを突出させる記録ヘッドにおいて、複
数の前記コアを有し、前記ワイヤを当該記録ヘッドから
突出させる距離が所定距離以上となるコアの断面積をC
A1とし、前記ワイヤを当該記録ヘッドから突出させる
距離が所定距離以上となるコアに対応する前記ワイヤレ
バー部を構成するアーマチュアの当該コアに対向する面
の面積をAA1とし、前記ワイヤを当該記録ヘッドから
突出させる距離が所定距離未満となるコアの断面積をC
A2とし、前記ワイヤを当該記録ヘッドから突出させる
距離が所定距離未満となるコアに対応する前記ワイヤレ
バー部を構成するアーマチュアの当該コアに対向する面
の面積をAA2とした場合に、 CA1>CA2 AA1>AA2 とすることを特徴としている。
【0016】上記構成によれば、ワイヤを当該記録ヘッ
ドから突出させる距離が所定距離以上となるコアおよび
ワイヤレバー部の組み合わせにおいて、ワイヤの駆動力
をワイヤを当該記録ヘッドから突出させる距離が所定距
離未満となるコアおよびワイヤレバー部の組み合わせよ
りも大きくすることができる。
【0017】この場合において、 CA1/AA1≒CA2/AA2 としてもよい。
【0018】また、記録ヘッドは、円筒形状を有する丸
プラテンに対向させて用いられるものであり、前記所定
距離は、複数の前記ワイヤのうち少なくとも非突出時の
ワイヤ先端から前記丸プラテンまでの距離が最も遠いワ
イヤに対応させて定めるようにしてもよい。
【0019】さらに、前記所定距離を複数定めるように
してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0021】図1は、本発明に係る記録装置の一実施の
形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ
本体を示す斜視図である。図2は、図1のプリンタ本体
を示す側断面図である。
【0022】ドットインパクトプリンタ10は、記録ヘ
ッド18の多数の記録ワイヤ35(図3)を、インクリ
ボン31(図2)を介してシートSに打ち付けてドット
を記録することにより、文字を含む画像を印刷する。こ
こで、シートSは、単票紙や連続紙などの普通紙の他
に、通帳や葉書、封筒などである。特に、上記単票紙は
単票複写紙を含み、連続紙は連続複写紙を含む。
【0023】ドットインパクトプリンタ10は、大別す
ると、図1に示すように、プリンタ本体11、プッシュ
トラクタユニット12、排出ユニット13、シート供給
ガイド34(図2参照)、図示しないアッパーケース及
びロアケースを備えている。
【0024】プリンタ本体11は、挿入されたシートS
に対して文字を含む画像を印刷する。 プッシュトラク
タユニット12は、シート供給ガイド34と択一的に用
いられるものである。そして、プッシュトラクタユニッ
ト12は、プリンタ本体11に着脱自在に装着され、シ
ートSである連続用紙を搬送し、後述するシート搬送機
構部23(図2参照)へ送り出す。
【0025】排出ユニット13は、プリンタ本体11に
着脱自在に装着され、印刷後のシートSである連続紙ま
たは単票紙を後述のシート搬送機構部23からプリンタ
10外へ引き出すものである。
【0026】シート供給ガイド34は、プッシュトラク
タユニット12と択一的に用いられるものである。そし
て、シート供給ガイド34は、プリンタ本体11に着脱
自在に装着され、シートSとしての単票紙を1枚ずつ
(または1綴りずつ)シート搬送機構部23へ供給す
る。
【0027】アッパーケースおよびロアケースは、プリ
ンタ本体11の上方、下方をそれぞれ覆う。
【0028】プリンタ本体11は、大別すると、ベース
フレーム14、シート案内フレーム15(図2参照)、
左サイドフレーム16、右サイドフレーム17、印刷機
構部20およびシート搬送機構部23、ボトムシート供
給口32および制御基板部33を備えている。
【0029】ベースフレーム14、シート案内フレーム
15、左サイドフレーム16および右サイドフレーム1
7は、本体フレームとして機能している。
【0030】印刷機構部20は、記録ヘッド18および
キャリッジ19を備えている。
【0031】記録ヘッド18は、多数の記録ワイヤ35
(図3では、一本の記録ワイヤ35のみを示す。)を備
え、これらの記録ワイヤ35の突出方向の前方にインク
リボン31が位置するようにされている。
【0032】キャリッジ19は、キャリッジガイド軸2
4に摺動自在に挿通されると共に、記録ヘッド18を搭
載する。
【0033】キャリッジガイド軸24がプラテン21と
平行に配置されることから、キャリッジ19は、これら
のプラテン21及びキャリッジガイド軸24の軸方向と
一致する主走査方向に移動(走行)可能に設けられる。
【0034】シート搬送機構部23は、プラテン21、
シート案内22及びピンチローラ25(図2参照)を備
えている。
【0035】上記構成において、ベースフレーム14お
よびシート案内フレーム15は、図2に示すようにほぼ
平行配置され、ベースフレーム14およびシート案内フ
レーム15の両端に左サイドフレーム16、および右サ
イドフレーム17がそれぞれ立設して固定されている。
【0036】また、左サイドフレーム16および右サイ
ドフレーム17の後方部、上方部のそれぞれには、プッ
シュトラクタユニット12を装着可能な図示しないトラ
クタユニット装着部が設けられている。同様に左サイド
フレーム16および右サイドフレーム17の後方部、上
方部のそれぞれには、排出ユニット13を装着可能な図
示しない排出ユニット装着部が設けられている。
【0037】さらに左サイドフレーム16と右サイドフ
レーム17との間には、図1に示すように、キャリッジ
ガイド軸24が架け渡されて回動可能に枢支され、プラ
テン21が架け渡されて回転自在に設けられている。
【0038】シート案内22は、左サイドフレーム16
と右サイドフレーム17との間に配設されて、シート案
内フレーム15に嵌合して固定されている。
【0039】ボトムシート供給口32は、ベースフレー
ム14とシート案内フレーム15との間に開口して形成
されて、プリンタ10の下方からシート搬送機構部23
内へシートSを供給する。
【0040】制御基板部33は、例えばプリンタ本体1
1の後方におけるシート案内フレーム15の下方に配置
される。そして、制御基板部33は、制御装置として機
能し、プラテン21、プッシュトラクタユニット12及
び排出ユニット13の駆動制御、キャリッジ19の走行
制御および記録ヘッド18の記録ワイヤ35による記録
動作の制御を行う。
【0041】次にドットプリンタ10の概要動作を説明
する。
【0042】図2に示すように、プッシュトラクタユニ
ット12のトラクタベルト26の回転により、このトラ
クタベルト26のピン27の作用で、連続紙は、シート
搬送機構部23のシート案内22に案内される。
【0043】シート案内22とプラテン21との間に形
成されるシート搬送経路28を経てプラテン21の前方
へ向かい、矢印α方向に送給される。一方、プッシュト
ラクタユニット12の非動作時においては、シート供給
ガイド34から単票紙が1枚ずつ(または1綴りず
つ)、シート搬送経路28を経てプラテン21の前方へ
供給可能とされる。
【0044】また、排出ユニット13の排出ローラ29
の回転により、後述のごとく、記録ヘッド18により文
字等が記録された連続紙または単票紙は、シート搬送機
構部23のプラテン21から矢印β方向に引き出され
る。これにより、連続紙または単票紙は、キャリッジ1
9の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
【0045】キャリッジ19は、図示しないキャリッジ
駆動モータの正転または逆転により、タイミングベルト
30(図2)を介しキャリッジガイド軸24に案内され
て、主走査方向における図1における左方向または右方
向に走行される。
【0046】記録ヘッド18はキャリッジ19と共に主
走査方向に走行する間に、記録ワイヤ35を突出動作さ
せてインクリボン31に打ち当て、インクリボン31の
インクを、プラテン21とインクリボン31との間に搬
送されるシートS(連続紙または単票紙)に付着させ
て、このシートSに文字を含む画像を記録する。
【0047】記録ヘッド18によるこの記録動作は、キ
ャリッジ19が主走査方向(図1における左方向あるい
は右方向)に走行する間に、記録ワイヤ35により一行
分の記録がなされる。そして、記録ヘッド18による一
行分の記録がなされる度に、シートSが連続紙の場合に
は、図2に示すシート搬送機構部23のプラテン21、
プッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13が
シートSを所定量(通常行間分)搬送させる。同様に、
シートSが単票紙の場合には、シート搬送機構部23の
プラテン21、ピンチローラ25及び排出ユニット13
がそれぞれシートSを所定量(通常行間分)搬送させ
る。
【0048】これらの動作が繰り返される結果、シート
Sには、所望の画像(文字を含む)が印字されることと
なる。
【0049】ここで、本発明に係る記録ヘッドである記
録ヘッド18について詳細に説明する。
【0050】図3は記録ヘッドの断面図である。
【0051】記録ヘッド18は、大別すると、図3に示
すように、ヘッド本体40、ノーズ部41および放熱器
42を備えている。
【0052】ヘッド本体40は、大別すると、電磁コイ
ル43、フレーム45、ワイヤレバー部46、ピン4
7、復帰ばね48および記録ワイヤ35を備えている。
【0053】このヘッド本体40は、記録ワイヤ35の
進退方向に複数段(例えば、2段)積み重ねられて、ヘ
ッド本体結合体として配置さすることも可能である。た
だし、図3では、一つのヘッド本体40のみを示してい
る。
【0054】電磁コイル43は、駆動コイルとしてコア
44Aあるいはコア44B(図4または図5参照)に巻
き付けられている。
【0055】図4はフレーム45の上面図である。ま
た、図5は、フレーム45の外観斜視図である。
【0056】フレーム45は、図4および図5に示すよ
うに、コア44Aおよびコア44Bが、周方向に所定間
隔で複数個一体成形されている。図4および図5は、9
ピン型の記録ヘッドの場合のフレームである。図4にお
いて、1番ピンおよび9番ピンに対応するコアは、平面
視した場合に断面積の大きいコア44Aとして構成され
ている。また、2番ピン〜8番ピンに対応するコアは平
面視した場合に断面積の小さいコア44Bとして構成さ
れている。このように、1番ピンおよび9番ピン(上端
ピンおよび下端ピン)は、プラテン21が円筒形状を有
しており、ノーズ部41の表面からノーズ部41に対向
するプラテン21までの距離が最も離れているため、記
録ワイヤ35の駆動力を増加し、記録ワイヤ35の突出
距離を確保するためである。
【0057】また、復帰ばね48は、ワイヤレバー部4
6を、ピン47を支点にコア44から離れる方向に付勢
する。
【0058】記録ワイヤ35は、ワイヤレバー46Aの
先端に一体に結合されており、ワイヤレバー46がコア
44に吸着されると、ノーズ部41から突出して印字を
行う。
【0059】ノーズ部41は、ヘッド本体40に連設さ
れており、記録ワイヤ35の突出動作を含む進退動作を
案内する。
【0060】ノーズ部41は、中間ガイド49および先
端ガイド50を備えている。
【0061】中間ガイド49は、ノーズ部41内部に複
数個配置されている。
【0062】先端ガイド50は、ノーズ部41の先端部
に配置されている。
【0063】そして、複数本(上述の例の場合、9本)
の記録ワイヤ35は、これら中間ガイド49及び先端ガ
イド50を貫通して進退動作が案内される。図3におい
ては、図示の簡略化のため、中間ガイド49及び先端ガ
イド50に1本の記録ワイヤ35が貫通する場合を示
し、他の記録ワイヤ35については図示を省略してい
る。
【0064】放熱器42は、図3に示すように略筒形状
に構成され、外側に複数枚のフィン51が一体に設けら
れる。この放熱器42は、ヘッド本体結合体における各
ヘッド本体40を覆うように各ヘッド本体40の外周部
に配置されている。
【0065】放熱器42は、各ヘッド本体40の電磁石
コイル43へ通電を行うと、電磁石コイル43が発熱体
となって発熱した場合に、この発熱による各ヘッド本体
40の熱をフィン51を介して放熱させることにより、
ヘッド本体40を冷却することとなる。
【0066】次にワイヤーレバー部46の詳細構成につ
いて説明する。
【0067】図6にワイヤレバー部46の外観斜視図を
示す。
【0068】ワイヤレバー部46は、ワイヤーレバー4
6A、アマチュア46Bおよびピン挿入用穴46Cを備
えている。
【0069】アマチュア46Bは、図7に示す1番ピン
および9番ピン用のアマチュア46BXと、図8に示す
2番ピン〜8番ピン用のアマチュア46BYとがある。
【0070】アマチュア46BXと、アマチュア46B
Yとは、図6中、矢印A方向から見た場合の形状は同じ
である。しかしながら、図6中、矢印B方向、すなわ
ち、コア44Aあるいはコア44B側からみた場合の厚
さ(TXあるいはTY)が異なっている。
【0071】すなわち、コア44Aあるいはコア44B
に対向する面(図7および図8中、斜線部分で示す)の
面積が異なっており、アマチュア46BXがコア44A
に対向する面の面積の方が、アマチュア46BYがコア
44Bに対向する面の面積よりも広くなるように構成さ
れている。これも記録ワイヤ35の駆動力を増加し、記
録ワイヤ35の突出距離を確保するためである。ここ
で、アマチュアにおけるコアに対向する面の面積は大き
い方が駆動力の観点からは望ましいが、駆動速度の観点
からは、慣性質量が大きくなるため適当な大きさを選択
する必要がある。
【0072】一般的には、記録ヘッドにおいて、断面積
が互いに異なる複数種類のコアと、対応するコアに対向
する面の面積を当該コアの断面積に応じて異ならせた複
数種類のアーマチュアと、を備えるようにする。
【0073】例えば、記録ヘッドがワイヤを円筒形状を
有する丸プラテンに向けて突出させるものである場合に
は、丸プラテン表面までの突出距離が比較的長いワイヤ
に対応するコアの断面積およびアーマチュアの対向する
面の面積を丸プラテン表面までの突出距離が比較的短い
ワイヤに対応するコアの断面積およびアーマチュアの対
向する面の面積よりも大きく設定するようにする。
【0074】より詳細には、ワイヤを当該記録ヘッドか
ら突出させる距離が所定距離以上となるコア(コア44
Aに相当)の断面積をCA1とし、ワイヤを当該記録ヘ
ッドから突出させる距離が所定距離以上となるコア(コ
ア44Aに相当)に対応するワイヤレバー部を構成する
アーマチュア(アーマチュア46BXに相当)の当該コ
ア(コア44Aに相当)に対向する面の面積をAA1と
し、ワイヤを当該記録ヘッドから突出させる距離が所定
距離未満となるコア(コア44Bに相当)の断面積をC
A2とし、ワイヤを当該記録ヘッドから突出させる距離
が所定距離未満となるコア(コア44Bに相当)に対応
するワイヤレバー部を構成するアーマチュア(アーマチ
ュア46BYに相当)の当該コア(コア44Bに相当)
に対向する面の面積をAA2とした場合に、 CA1>CA2 AA1>AA2 とする。
【0075】この場合に、さらに CA1/AA1≒CA2/AA2 とするのが駆動効率の観点からは望ましいが、慣性質量
を小さくし、駆動速度を重視する場合には、面積AA1
を上記式を満たす場合よりも小さく設定することも可能
である。また、ワイヤを当該記録ヘッドから突出させる
距離が所定距離未満となるコア(コア44Bに相当)お
よびワイヤを当該記録ヘッドから突出させる距離が所定
距離未満となるコア(コア44Bに相当)では、コイル
の巻き数を同一にした場合、断面積の大きなコア(コア
44Bに相当)の方が電気抵抗が大きくなるので、電気
抵抗値に対応させて印加する電圧を増加させる必要があ
る。
【0076】次にワイヤーレバー部46周辺の詳細動作
構成について説明する。
【0077】コイル43に通電がなされると、コイル4
3およびコア44(=コア44Aあるいはコア44B)
により構成される電磁石の周囲に磁気回路が形成され、
コア44が励磁されて吸引力が発生し、ワイヤレバー部
46のアーマチェア部46Bがコア44に吸引される。
これにより、ワイヤレバー部46は、ピン47を支点と
してノーズ部41方向に回動し、記録ワイヤ35をノー
ズ部41の先端ガイド50から突出動作させる。
【0078】コイル43の通電が遮断された時にコア4
4が消磁されて、吸引力が消失する。このとき、ワイヤ
レバー446Aは、復帰ばね48の付勢力(復帰力)に
より、ピン47を支点として、図3中、時計回り方向へ
回動し、元位置に復帰する。
【0079】コイル43およびコア44により構成され
る電磁石の周囲に形成される磁気回路には、図3に示す
メイン磁気回路61がある。
【0080】メイン磁気回路61は、磁束が、コア44
からワイヤレバー部46のアーマチェア46Bを経て、
フレーム45の外壁63からコア44へ循環して流れる
磁気回路である。
【0081】以上の説明のように、本実施形態によれ
ば、ドット抜けを起こしやすいと考えられるワイヤに対
応するコアの断面積およびアマチュアのコアに対向する
部分の面積を増大させることにより、駆動力を増大し、
ドット抜けを回避することが可能となる。この結果、プ
ラテンギャップのばらつきを吸収でき、プラテンギャッ
プ調整精度の低さをカバーすることが可能となる。さら
に通常の機構部品や自動プラテンギャップ調整用の機構
部品等のコストを削減し、あるいは部品点数を削減する
ことが可能となる。
【0082】以上、本発明を上記実施形態に基づいて説
明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0083】例えば、上記実施形態では、コアの断面積
の種類およびアーマチュアの種類を2種類の場合につい
て説明したが、2種類以上の基準距離(所定距離に相
当)を定め、ワイヤを当該記録ヘッドから突出させる距
離を3種類以上に区分し、区分した突出距離範囲に応じ
てそれぞれ、コアおよびアーマチュアの種類、すなわ
ち、コアの断面積およびアーマチュアのコアに対向する
面の面積を定めるように構成することも可能である。
【0084】この場合に、さらに対応するコイルの電圧
を制御するようにしてもよい。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、ドット抜けを起こしや
すい位置に配置されたワイヤの駆動力を増大し、ドット
抜けを回避することが可能となる。この結果、プラテン
ギャップのばらつきを吸収することができ、ユーザが行
う場合のようにプラテンギャップ調整精度の低い場合で
も、調整精度の低さをカバーすることが可能となる。
【0086】この結果、印字品質を高品質に維持するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録装置の一実施の形態が適用さ
れたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜
視図である。
【図2】図1のプリンタ本体を示す側断面図である。
【図3】図1の記録ヘッドを示す断面図である。
【図4】コアが一体に形成されたフレームの外観正面図
である。
【図5】図5のフレームの外観斜視図である。
【図6】ワイヤーレバー部の外観斜視図である。
【図7】コアに対向する面の面積を大きくしたワイヤー
レバーの外観図である。
【図8】通常のワイヤーレバーの外観図である。
【符号の説明】
10 プリンタ 18 記録ヘッド 19 キャリッジ 21 丸プラテン 33 制御基板部(制御装置) 35 記録ワイヤ 40 ヘッド本体 43 コイル 44、44A、44B コア 46 ワイヤレバー部 46A ワイヤレバー 46B、46BX、46BY アーマチュア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアに巻回されたコイルに通電し、前記
    コアに発生する磁気吸引力によってワイヤレバー部を駆
    動し、ワイヤを突出させる記録ヘッドにおいて、 断面積が互いに異なる複数種類の前記コアと、 対応する前記コアに対向する面の面積を当該コアの前記
    断面積に応じて異ならせた複数種類のアーマチュアと、 を備えたことを特徴とする記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録ヘッドにおいて、 当該記録ヘッドは、前記ワイヤを円筒形状を有する丸プ
    ラテンに向けて突出させるものであり、 前記丸プラテン表面までの突出距離が比較的長い前記ワ
    イヤに対応する前記コアの断面積および前記アーマチュ
    アの前記対向する面の面積を前記丸プラテン表面までの
    突出距離が比較的短い前記ワイヤに対応する前記コアの
    断面積および前記アーマチュアの前記対向する面の面積
    よりも大きく設定したことを特徴とする記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 コアに巻回されたコイルに通電し、前記
    コアに発生する磁気吸引力によってワイヤレバー部を駆
    動し、ワイヤを突出させる記録ヘッドにおいて、 複数の前記コアを有し、 前記ワイヤを当該記録ヘッドから突出させる距離が所定
    距離以上となるコアの断面積をCA1とし、前記ワイヤ
    を当該記録ヘッドから突出させる距離が所定距離以上と
    なるコアに対応する前記ワイヤレバー部を構成するアー
    マチュアの当該コアに対向する面の面積をAA1とし、
    前記ワイヤを当該記録ヘッドから突出させる距離が所定
    距離未満となるコアの断面積をCA2とし、前記ワイヤ
    を当該記録ヘッドから突出させる距離が所定距離未満と
    なるコアに対応する前記ワイヤレバー部を構成するアー
    マチュアの当該コアに対向する面の面積をAA2とした
    場合に、 CA1>CA2 AA1>AA2 とすることを特徴とする記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の記録ヘッドにおいて、 CA1/AA1≒CA2/AA2 とすることを特徴とする記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4記載の記録ヘッ
    ドにおいて、 当該記録ヘッドは、円筒形状を有する丸プラテンに対向
    させて用いられるものであり、 前記所定距離は、複数の前記ワイヤのうち少なくとも非
    突出時のワイヤ先端から前記丸プラテンまでの距離が最
    も遠いワイヤに対応させて定めることを特徴とする記録
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項3または請求項4に記載の記録ヘ
    ッドにおいて、 前記所定距離を複数定めることを特徴とする記録ヘッ
    ド。
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