JP2003259806A - 緑茶飲料の製造法 - Google Patents
緑茶飲料の製造法Info
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Abstract
し、茶殻を除去した後で緑茶抽出液と緑茶抽出液の濃縮
物を45℃〜95℃の高い温度で混合し、得られた溶液
を−5℃〜18℃の温度に冷却後、濾過することを特徴
とする非重合体カテキン類を0.05%以上含有する殺
菌処理を施した緑茶飲料の製造法。 【効果】 加熱殺菌後に生成するオリの発生が抑制さ
れ、外観が改善された高濃度のカテキン類を含有し、飲
み易い緑茶飲料が効率良く得られる。
Description
含有し殺菌処理を施した緑茶飲料の製造法であって、加
熱殺菌後のオリ生成が低減された緑茶飲料の製造法及び
この製造法により得られる緑茶飲料に関する。
ロール上昇抑制作用(特許第1620943号)やαア
ミラーゼ活性阻害作用(特開平3−133928)等を
有することが知られている。お茶を飲むことにより、こ
のようなカテキン類の生理効果を得るためには、成人で
一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要(食品工
業、35(14)、26−30 1992)である。そ
こで、より簡便にカテキン類を大量に摂取できる、カテ
キン高濃度含有飲料の開発が望まれていた。
するには二つの方法が考えられる。ひとつは、粉砕した
茶葉を添加する方法(特開平10−234301号)で
ある。しかしながら、粉砕物を高濃度配合した場合、飲
料としては、飲用時、有効成分である粉砕した茶葉が底
に沈んでいたり、上面に浮遊していたりすることとな
る。特に、ペットボトル等の透明容器を使用した場合、
このような沈殿等の存在する状態は外観上商品価値を大
きく損なうことになる。また、生理的効果を訴求する飲
料においては沈殿物が生成していてもよいが、飲用の
際、全体を振ったり撹拌する等の、粉砕した茶葉を均一
に分散する操作が必要になる。
販のカテキン製剤を添加して溶解状態でカテキン類を増
量する方法である。しかし、濃厚な茶抽出液や精製を行
っていないカテキン製剤を用いる場合、加熱殺菌後の
“オリ”生成が顕著となり、外観上好ましくない問題が
発生する。
る方法として、例えば、特開2001-204386においては透
明容器入り緑茶飲料の濁りや沈殿を防止するために、リ
ゾレシチンを配合するという方法が開示されている。ま
た、特開平4-311348号においては透明容器に詰めるのに
良好な緑茶飲料の製造方法として、緑茶を約40〜10
0℃の温水で約1〜10分抽出し、この抽出液のpHを4
〜5の酸性域に調整し、次いでこれを約20℃以下に急
冷して各種高分子化合物を取り込みつつ濁りやオリの形
成を促進させ、その後、遠心分離によってオリを除去
し、最後にケイソウ土濾過をする方法が開示されてい
る。しかしながら前者の方法においてはリゾレシチンを
添加しなければならず、また後者の方法においては本来
pH6以上の飲料を酸性域に調整するという操作が必要と
なるだけでなく、生理効果を有するまたカテキン類も除
去されてしまう。
に対して10〜40重量%のポリビニルポリピロリドン
を添加し、混濁や沈殿の原因となるカテキン類の濃度を
減少させる方法が開示されている。また予めカリウムイ
オンを結合させた陽イオン交換樹脂で抽出液を処理する
茶の製造方法などが開示されている。しかしながらこれ
らの方法においては、生理効果上の有効成分であるカテ
キン類までも除去されてしまい、カテキン高濃度含有飲
料は得られない。
キンを高濃度に含有する殺菌処理を施した緑茶飲料の製
造法において、加熱殺菌後のオリ生成を低減する緑茶飲
料の製造法及びこの製造法により得られる緑茶飲料を提
供することにある。
飲料の製造工程について検討した結果、緑茶葉から抽出
を行い、この抽出液に対して緑茶抽出液の濃縮物を添加
後、45℃以上の高い温度で混合させ、これによって得
られた混合抽出液を18℃以下の温度で濾過することに
より、高濃度にカテキン類を含有し、加熱殺菌後のオリ
生成が抑制された緑茶飲料が得られることを見出した。
いて、緑茶を抽出し、茶殻を除去した後で緑茶抽出液と
緑茶抽出液の濃縮物を45℃〜95℃で混合し、得られ
た溶液を−5℃〜18℃の温度まで冷却し、濾過するこ
とを特徴とする非重合カテキン類を0.05重量%以上
含有する緑茶飲料の製造法、及び当該方法により得られ
た緑茶飲料を提供するものである。
Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica及び、やぶ
きた種、又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶さ
れた、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜入り茶等が挙げら
れる。
程は、従来法によればよい。
〜40重量倍、特に5〜25重量倍が好ましい。抽出時
間は抽出方法及び抽出の際のスケールに依存するが1〜
120分程度が好ましく、より好ましくは1〜100
分、更に好ましくは1〜80分である。使用する水は水
道水、蒸留水、イオン交換水などどれでも良いが、味の
面からイオン交換水が好ましい。また抽出温度は0℃〜
95℃、好ましくは20℃〜80℃、更に好ましくは4
0〜80℃が良い。
り行うことができる。また、カラム中に茶葉を充填し、
これに温水を通過させる方法が、複数回の抽出を行う場
合には効率が良い。また抽出時の水に、あらかじめアス
コルビン酸ナトリウムなどの有機酸又は有機酸塩類を添
加してもよい。また煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガス
を通気して溶存酸素を除去するような非酸化的雰囲気下
で抽出する方法を用いてもよい。
の濃縮物の混合条件は45℃〜95℃であるが、50℃
〜95℃がより好ましく、特に好ましくは60℃〜95
℃である。45℃未満での混合では、緑茶抽出液と緑茶
抽出液の濃縮物の相互作用がうまく進行せず、濾過前の
オリの生成が十分でなく、よって加熱殺菌後の容器詰飲
料中に再びオリが発生してしまう。
体でも液体でもかまわない。当該緑茶抽出液の濃縮物
は、その固形分中に非重合カテキン類を15〜60重量
%含有するのが好ましく、より好ましくは15〜50重
量%、特に好ましくは15〜40重量%含有するのが良
い。固形分中の非重合カテキン類が15重量%未満では
飲料中の非重合体カテキン類濃度を高める為に多量の緑
茶抽出液の濃縮物を配合する必要が生じ、風味の面で好
ましくない。一方、60重量%を超える非重合カテキン
類量ではオリ生成が少なく好ましくない。このような緑
茶抽出液の濃縮物としては、市販品、例えばポリフェノ
ンHG(東京フードテクノ(株))、テアフラン30A
(伊藤園(株))、サンフラボンTLG(太陽化学
(株))、ポリフェノンG(東京フードテクノ(株))
を用いることができる。
と緑茶抽出液の濃縮物中の非重合体カテキン類(B)の
重量比は(A)/(B)=20/1〜1/20であるの
が良い。20/1より大きいとオリ生成がうまく進行せ
ず好ましくない。また1/20未満では緑茶抽出液の濃
縮物が大半を占め、飲料の風味上好ましくない。
濾過されるが、当該濾過温度は、0℃〜15℃がより好
ましく、0℃〜10℃が更に好ましい。濾過時の温度が
18℃以上では濾過前のオリの生成が十分でなく、また
−5℃未満については凍結の防止が困難であり、またエ
ネルギー消費が大きくなる。また濾過方法に特に限定は
なく通常の方法、例えばネル布、セルロース製デプスフ
ィルター(CUNO(株))を用いて行われる。
熱殺菌であればよく、容器等に充填した後に行ってもよ
いし、充填前に行ってもよい。より具体的には、例え
ば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合
にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で行なわれ
る。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できな
いものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、
例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定
の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用され
る。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻
すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻
すなどの操作も可能である。
の非重合体カテキン類を含有しながらも、オリの生成が
少ない緑茶飲料の製造が可能となる。ここで非重合体カ
テキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレ
ート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類及
びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレ
ート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類
をあわせての総称である。本発明の緑茶飲料は非重合体
であって水に溶解状態にあるカテキン類を0.05〜
0.5重量%、好ましくは0.092〜0.5重量%、
より好ましくは0.1〜0.4重量%、更に好ましくは
0.1〜0.3重量%、特に好ましくは0.14〜0.
3重量%含有する。この範囲にあると多量の非重合体カ
テキン類を摂取し易く、本発明の製造法にて製造するこ
とで強烈な苦味・渋味、強い収斂性が緩和される。ま
た、これらの非重合体カテキン類の45〜65重量%、
更に45〜60重量%、特に45〜55重量%がカテキ
ンの没食子酸エステルであるのが、苦味防止及び生理効
果の点で好ましい。ここで当該カテキンの没食子酸エス
テル含有率(ガレート体率)とはカテキンガレート、ガ
ロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロ
カテキンガレートの総量を上記の8種のカテキン類の総
量で除した値である。
香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸
類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、
調味料、甘味料、苦味調整剤、酸味料、pH調整剤、品質
安定剤等の添加剤を単独、あるいは併用して配合しても
良い。
果糖、異性化液糖、グリチルリチン、ステビア、アスパ
ラテーム、スクラロース、フラクトオリゴ糖、ガラクト
オリゴ糖が挙げられる。苦味調整剤としては、シクロデ
キストリンに代表される環状デキストリンが挙げられ
る。環状デキストリンとしては、α−、β−、γ−シク
ロデキストリン及び、分岐のα−、β−、γ−シクロデ
キストリンが使用できる。環状デキストリンは、本発明
の緑茶飲料中に0.05〜0.3重量%、特に0.05
〜0.2重量%含有するのが好ましい。酸味料として
は、天然成分から抽出した果汁類のほか、クエン酸、酒
石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸が挙げられ
る。無機酸類、無機酸塩類としてはリン酸、リン酸二ナ
トリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウ
ム等が、有機酸類、有機酸塩類としてはクエン酸、コハ
ク酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム等が
挙げられる。
アスコルビン酸又はその塩を抽出工程で又は抽出後に添
加することができる。緑茶飲料中におけるアスコルビン
酸又はその塩の濃度は、抗酸化効果及び味の点から0.
01〜0.2重量%が好ましく、より好ましくは0.0
2〜0.15重量%、更に好ましくは0.03〜0.1
重量%である。
好ましく、容器詰飲料に使用される容器としては、一般
の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分と
する成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属
箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶など
が挙げられる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲
用できるものをいう。
料におけるオリの発生が抑制され外観が改善した高濃度
のカテキン類を含有し飲み易い緑茶飲料が効率良く得ら
れる。これらの効果の発現メカニズムについては明らか
ではないが、以下のように考えられる。本飲料は緑茶葉
の抽出液と緑茶抽出液の濃縮物を室温で混合しても、混
合液中でのオリの生成は少ない。それに対して、高温状
態での両者の混合の方がむしろオリの生成が多いことか
ら、緑茶葉の抽出液と緑茶抽出液の濃縮物との間でなん
らかの相互作用が進行していると考えられる。したがっ
て、高温下での処理によってオリ生成速度を高めてや
り、その後、冷却、濾過をすることで、加熱殺菌という
高温下においても既にオリ前駆体は除去されていること
から、オリの生成が抑制されたものと考えられる。
所製、高速液体クロマトグラフ(形式SCL−10AV
P)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用
パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mm
Φ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)
を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行
った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留
水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニ
トリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波
長は280nmの条件で行った。
入し、攪拌下、5分間抽出を行った。その後、濾過にて
茶殻を除去した。次にここで得られた緑茶抽出液に緑茶
抽出液の濃縮物であるポリフェノンHG(東京フードテ
クノ(株))40gを投入、溶解、混合せしめて、緑茶
抽出液の濃縮物混合緑茶抽出液を得た。(以後、濃縮物
混合溶液と略す)次にオリを濾過するために液温5℃ま
で冷却し、ネル布で濾過後再度ゼータプラス10Cろ紙
(CUNO(株))にて濾過を行った。実施例でいう濾過前
オリ生成量はネル布濾過前の状態である。飲料の配合
は、表1に従い、濾過後の濃縮物混合溶液に、イオン交
換水、アスコルビン酸ナトリウム、サイクロデキストリ
ン等を常温下で加えた。これを缶に充填し、134℃に
て30秒間殺菌を行い実施例1の飲料を得た。飲料中の
非重合体カテキン類濃度は0.176重量%であった。
は実施例1と同様の方法にて飲料を得た。
は実施例1と同様の方法にて飲料を得た。 実施例4 表1に従い、濾過時の温度のみを15℃にした場合以外
は実施例1と同様の方法にて飲料を得た。
入し、攪拌下、5分間抽出を行った。その後、濾過にて
茶殻を除去した。次にオリを濾過するために液温5℃ま
で冷却し、ネル布で濾過後再度ゼータプラス10Cろ紙
(CUNO(株))にて濾過を行った。飲料の配合は、表1
に従い、濾過後の濃縮物混合溶液に、イオン交換水、ア
スコルビン酸ナトリウム、サイクロデキストリン等を常
温下で加えた。これを缶に充填し、134℃にて30秒
間殺菌を行い比較例1の飲料を得た。飲料中の非重量体
カテキン類濃度は0.055重量%であった。
ノンHG(東京フードテクノ(株))40gを投入、溶
解した。次にオリを濾過するために液温5℃まで冷却
し、ネル布で濾過後再度ゼータプラス10Cろ紙(CUNO
(株))にて濾過を行った。飲料の配合は、表1に従
い、濾過後の緑茶抽出液の濃縮物の水溶液に、イオン交
換水、アスコルビン酸ナトリウム、サイクロデキストリ
ン等を常温下で加えた。これを缶に充填し、134℃に
て30秒間殺菌を行い比較例1の飲料を得た。飲料中の
非重量体カテキン類濃度は0.120重量%であった。
施例1と同様の方法にて飲料を得た。
施例1と同様の方法にて飲料を得た。
入し、攪拌下、5分間抽出を行った。その後、濾過にて
茶殻を除去した。次にオリを濾過するために液温5℃ま
で冷却し、ネル布で濾過後再度ゼータプラス10Cろ紙
(CUNO(株))にて濾過を行った。飲料の配合は、表1
に従い、濾過後の濃縮物混合溶液に、イオン交換水、ア
スコルビン酸ナトリウム、サイクロデキストリン等を常
温下で加えた。これを缶に充填し、134℃にて30秒
間殺菌を行い比較例5の飲料を得た。飲料中の非重量体
カテキン類濃度は0.024重量%であった。
ついて、冷却後濾過前でのオリの生成状態と濾過して加
熱殺菌後におけるオリの生成状態について専門パネラー
3名にて本発明の飲料(実施例1、2、3、4)及び比
較の飲料(比較例1、2、3、4、5)の評価を行っ
た。結果を表1に示す。
製造したものである。比較例2は緑茶抽出液の濃縮物の
みから製造したものである。また比較例3,4はそれぞ
れ混合温度条件とオリ濾過時の温度が高い条件である。
濾過前オリ生成量はいずれの場合においてもやや生じる
程度であった。しかしながら殺菌後オリ生成量は緑茶抽
出液の濃縮物を加えた系の生成量が著しく、商品価値を
損うものであった。一方、通常の緑茶抽出液のみの飲料
においてはやや生じるが外観を損うほどでもなかった。
また緑茶抽出液の濃縮物のみからなる飲料についてもや
や生じるが外観を損うほどでもなかったが、本飲料には
緑茶風味がなく風味上適当ではない。
を適切に設定したところ、濾過前オリ生成量が多く得ら
れ、その結果殺菌後オリ生成量は極めて少なくなった。
Claims (4)
- 【請求項1】 緑茶飲料の製造法において、緑茶を抽出
し、茶殻を除去した後で緑茶抽出液と緑茶抽出液の濃縮
物を45℃〜95℃で混合し、得られた溶液を−5℃〜
18℃の温度まで冷却し、濾過することを特徴とする非
重合体カテキン類を0.05重量%以上含有する殺菌処
理を施した緑茶飲料の製造法。 - 【請求項2】 緑茶抽出液の濃縮物が固形分中に非重合
体カテキン類を15〜60重量%含有するものである請
求項1記載の緑茶飲料の製造法。 - 【請求項3】 緑茶抽出液中の非重合体カテキン類
(A)と緑茶抽出液の濃縮物中の非重合体カテキン類
(B)の重量比が(A)/(B)=20/1〜1/20
である請求項1又は2記載の緑茶飲料の製造法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造
法で製造された緑茶飲料。
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