JP2003258924A - ジッタ検出回路及びそれを含む受信回路並びに通信システム - Google Patents

ジッタ検出回路及びそれを含む受信回路並びに通信システム

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JP2003258924A JP2002055136A JP2002055136A JP2003258924A JP 2003258924 A JP2003258924 A JP 2003258924A JP 2002055136 A JP2002055136 A JP 2002055136A JP 2002055136 A JP2002055136 A JP 2002055136A JP 2003258924 A JP2003258924 A JP 2003258924A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信信号品質を表すパラメータとして受信信
号を2値変換して得られる2値化等化データ信号のジッ
タ量を用いて光受信回路の受信感度を決定する受信感度
制御パラメータを自動的に最適位置に追従させる制御方
法の提供。 【解決手段】 リミッタアンプ4から出力された2値化
等化データ信号と、クロック抽出回路6で抽出されたク
ロックとはジッタ検出回路7に入力される。ジッタ検出
回路7は2値化等化データ信号のジッタ量に対応する電
圧を出力する。制御回路8はジッタ検出回路7の出力を
受けて、DSP などを用いて演算処理を行ない、2値化等
化データ信号のジッタ量(ジッタ検出回路7の出力)が
最小になるように、リミッタアンプ4の識別電圧Vth9
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジッタ検出回路及び
それを含む受信回路並びに通信システムに関し、特に受
信感度最適化のためのジッタ検出回路及びそれを含む受
信回路並びに通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光受信回路の受信感度を決定す
る受信感度制御パラメータは光受信レベル毎に最適値が
存在する。この受信感度制御パラメータは、受信回路自
体の受信感度向上のパラメータとして受信信号の識別レ
ベル(識別電圧)、識別位相、増倍作用をもつ受光素子
(APD:Avalanche Photo Diode) の増倍率、リミッタアン
プなどの増幅回路の周波数特性等があり、伝送路の信号
波形劣化補償手段(受信回路に入力する光受信波形の最
適化)のパラメータとして分散補償器、送信端でのプリ
エンファシス回路等がある。
【0003】従来は便宜的にこれらの受信感度制御パラ
メータを、ある一点において最適になるように調整して
運用していた。図13は従来の光受信回路の一例の構成
図である。同図を参照すると、従来の光受信回路の一例
は受光素子101と、プリアンプ102と、リミッタア
ンプ103と、D−FF(Dフリップフロップ)104
と、クロック抽出回路(PLL回路)105とから構成
されていた。
【0004】そして、受光素子101からの受信信号は
プリアンプ102で増幅された後、リミッタアンプ10
3に入力される。次に、リミッタアンプ103にてその
信号レベルが一定の識別電圧Vth106と比較され、
“0”か“1”かの判別がなされる。次に、クロック抽
出回路105にてその判別結果である2値化等化データ
信号からクロックが抽出される。次に、D−FF104
にその2値化等化データ信号とクロックが入力され、出
力データが得られる。
【0005】このように、識別電圧Vth106が一定で
あっても、S/N (信号対雑音比)劣化要因がほぼ伝送路
の損失だけであったため、実用上十分であった。
【0006】しかしながら、昨今の、光アンプやWDM
(波長多重伝送)を含む高速、長距離伝送においては、
従来の光伝送系に比べて、光受信信号のS/N を劣化させ
る要因が増えたため、例えば、光ファイバアンプが発生
するASE (amplified spontaneous emission)雑音、光
ファイバの分散や非線形効果による波形劣化、波長多重
伝送における隣接チャネルからのクロストーク等、受信
感度制御パラメータの最適位置からのずれに対する許容
度が低くなってきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような高速、長距
離伝送系においては、上記のような受信感度制御パラメ
ータを固定的に与える方法では必要な受信感度が確保で
きず、このため伝送距離が制限されるなどの欠点があっ
た。また、受信感度制御パラメータが最適位置からずれ
ることによってエラーレート特性の曲がり(フロア)が
生じることもあった。このフロアはダイナミックレンジ
を狭め、最悪の場合エラーフリーとなる領域が無くなる
ことがある。
【0008】ところで、受信感度に関係するものとして
受信信号を2値変換して得られる2値化等化データ信号
のジッタ(jitter)がある。以下、受信感度を示すビット
エラーレ−ト(Bit Error Rate :BER) とジッタとの相関
について図14を参照しながら簡単に説明する。図14
は受信電力(Input Power) とビットエラーレ−トとジッ
タとの相関関係の一例を示す図である。同図は横軸が受
信電力を、上方向縦軸がビットエラーレ−トを、下方向
縦軸がジッタ量を夫々示している。同図に示すように、
受信電力が減少するとそれに伴いビットエラーレ−トが
大きくなり、ジッタ量も増加する。従って、ビットエラ
ーレ−トが大きくなるとジッタ量が増加することにな
る。一方、受信電力が増加するとそれに伴いビットエラ
ーレ−トが小さくなり、ジッタ量も減少する。従って、
ビットエラーレ−トが小さくなるとジッタ量も減少す
る。このように、ビットエラーレ−トとジッタ量は一意
に対応するため、ジッタ量を測定することで受信感度を
測定することが可能となる。
【0009】そこで本発明の目的は、受信信号品質を表
すパラメータとして受信信号を2値変換して得られる2
値化等化データ信号のジッタ量を用いて光受信回路の受
信感度を決定する受信感度制御パラメータを自動的に最
適位置に追従させることが可能なジッタ検出回路及びそ
れを含む受信回路並びに通信システムを提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明によるジッタ検出回路は、同期クロックを含む
2値化等化データ信号からジッタを検出するジッタ検出
回路であって、その回路は前記クロックの位相を所定量
遅延させる位相遅延手段と、前記位相遅延手段で遅延さ
れたクロックを前記2値化等化データ信号の立ち上がり
又は立ち下がりエッジでサンプリングするフリップフロ
ップ手段と、前記フリップフロップ手段の出力の平均値
を検出して出力する平均値検出手段とを含むことを特徴
とする。
【0011】又、本発明による受信回路は、受信信号を
2値変換して得られる2値化等化データ信号から検出し
たジッタ量に基づき受信感度制御パラメータの任意の1
つ又は複数を制御する制御手段を含むことを特徴とす
る。
【0012】又、本発明による通信システムは、上記受
信回路を含む受信装置と、前記受信装置と対向する送信
装置と、前記受信装置及び送信装置を接続する伝送路と
を含むことを特徴とする。
【0013】本発明によれば、上記構成により受信信号
を2値変換して得られる2値化等化データ信号のジッタ
量を用いて光受信回路の受信感度を決定する受信感度制
御パラメータを自動的に最適位置に追従させることが可
能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照しながら説明する。まず、第1の実施
の形態について説明する。図1は本発明に係る光受信回
路の第1の実施の形態の構成図である。同図を参照する
と、本発明に係る光受信回路は、バイアス回路1と、受
光素子2と、プリアンプ3と、リミッタアンプ4と、D
−FF(Dフリップフロップ)5と、クロック抽出回路
(PLL回路)6と、ジッタ検出回路7と、制御回路8
とを含んで構成される。
【0015】バイアス回路1は受光素子2に所定のバイ
アス電圧を供給する。受光素子2は受信した光信号を電
気信号に変換する。プリアンプ3は受光素子2からの電
気信号を増幅する。リミッタアンプ4は識別電圧Vth9
を用いてプリアンプ3からの電気信号を2値識別する。
D−FF5以下については後述する。
【0016】受光素子2で電気信号に変換されたデータ
信号からクロックを抽出して識別再生する光受信回路
(本実施形態では、バイアス回路1、プリアンプ3、リ
ミッタアンプ4、D-FF5、クロック抽出回路6から構成
されている)において、ジッタ検出回路7はリミッタア
ンプ4において、"1" 又は"0" に識別された2値化等化
データ信号と、クロック抽出回路6からのクロックを入
力して2値化等化データ信号のジッタに対応する電圧を
出力する。
【0017】制御回路8はジッタ検出回路7の出力を受
けて、DSP (Digital Signal Processor)などを用いて演
算処理を行ない、2値化等化データ信号のジッタ量(本
実施形態では、ジッタ検出回路7の出力)が最小になる
ように、リミッタアンプ4の識別電圧Vth9を制御す
る。
【0018】次に、光受信回路の動作について説明す
る。受光素子2とプリアンプ3とで電気信号に変換され
た光データ信号は、リミッタアンプ4のもう一方の端子
に入力される識別電圧Vth9との比較により"1" 又は"
0" の2値化等化データ信号に変換される。D-FF5は、
リミッタアンプ4の出力である2値化等化データ信号
を、2値化等化データ信号からクロック抽出回路6で抽
出されたクロックのタイミングで読み込むことによりジ
ッタのないデータ信号を再生する。
【0019】このリミッタアンプ4により2値化等化デ
ータ信号は振幅方向の雑音は除去されるものの、データ
の立ち上がり部や立下り部に重畳された雑音がジッタと
して現れる。
【0020】そこで、受信信号を2値変換して得られる
2値化等化データ信号のジッタ量(時間軸方向の幅)を
測定し、ジッタ量が最小になるように、光受信回路の受
信感度を決定する受信感度制御パラメータ(識別位置や
受光素子の増倍率等)を制御する。
【0021】リミッタアンプ4から出力される2値化等
化データ信号と、クロック抽出回路6で抽出されたクロ
ックとはジッタ検出回路7に入力され、ジッタ検出回路
7から2値化等化データ信号のジッタ量に対応する電圧
が出力される。制御回路8はジッタ検出回路7の出力を
受けて、DSP などを用いて演算処理を行ない、2値化等
化データ信号のジッタ量(本実施形態では、ジッタ検出
回路7の出力)が最小になるように、リミッタアンプ4
の識別電圧Vth9を制御する。
【0022】次に、リミッタアンプ4に入力されるデー
タ信号に重畳される雑音について説明する。図2はリミ
ッタアンプ4に入力されるデータ信号の雑音と識別電圧
Vthとの関係を示す図である。同図(A)はリミッタ
アンプ4に入力されるデータ信号S1と、このデータ信
号S1に重畳される雑音S2との関係を示す図で、横軸
は時間(秒)を、縦軸はレベル(V)を夫々示してい
る。又、同図(B)は同図(A)に示す信号を識別電圧
Vthで2値化した2値化等化データ信号のジッタ量
と、識別電圧Vthとの関係を示す図で、横軸はジッタ
量を、縦軸は識別電圧Vth(V)を夫々示している。
【0023】同図(A)を参照すると、破線で示すデー
タ信号S1のレベルが高い部分がデータ“1”を表し、
レベルが低い部分がデータ“0”を表している。雑音S
2はデータ信号S1に重畳される雑音で、斜線の部分の
振幅を有する。
【0024】同図(A)に示すように、データ信号S1
に重畳される雑音S2は、一例として光アンプを含む系
ではASE 雑音等の影響により、“0”に重畳される雑音
よりも“1”に重畳される雑音の方が大きく、また、デ
ータの立ち上がり時間と立ち下り時間が有限であるの
で、“0”近傍におけるデータの立ち上がり及び立下り
は裾を引いている。リミッタアンプ4に入力されるデー
タ信号S1に重畳される雑音S2は、リミッタアンプ4
の出力である2値化等化データ信号の立ち上がり及び立
ち下り部分においてはジッタとして現れ、アイ開口部H
の中間付近で識別するのがもっともジッタ量が少なくな
る。同図(B)は識別電圧Vthが“2”の時にジッタ
量が最小となることを示している。
【0025】このように、雑音S2が重畳されたデータ
信号S1の”1”又は”0”を識別するための識別電圧
Vth9は、アイ開口部の中間に設定するのが最適である
ため、ジッタ検出回路7の出力が最小になるようにリミ
ッタアンプ4の識別電圧Vth9を制御すればよい。
【0026】次に、ジッタ検出回路7の構成について説
明する。図3はジッタ検出回路7の一例の構成図であ
る。同図を参照すると、ジッタ検出回路7は遅延回路1
1と、D-FF12と、平均値検出回路13とを含んで構成
される。遅延回路11はクロック抽出回路6からのクロ
ックを90度遅延させる。この90度遅延されたクロッ
クを以後“CLK90”と表示する。D-FF12は2値化
等化データ信号の変化点で遅延回路11の出力(CLK
90)を読み込む。平均値検出回路13はD-FF12の出
力の平均値を検出する。
【0027】次に、ジッタ検出回路7の動作について説
明する。図4はジッタ検出回路7の動作を示すタイミン
グチャート、図5は同動作を示す波形図である。図4を
参照すると、同図(A)に2値化等化データ信号S1
が、同図(B)にクロック抽出回路6で抽出されたクロ
ック(CLK)が、同図(C)にCLK90が、同図
(D)にD-FF12の出力が夫々表示されている。
【0028】同図(A)は2値化等化データ信号S1の
立ち上がり部及び立ち下がり部に重畳された雑音がジッ
タとして現れている様子を示している。同図(B)はク
ロックCLKの立ち下がり時に2値化等化データ信号S
1が立ち上がりもしくは立ち下がることを示している。
一般にD-FFのクロック入力と2値化等化データ信号との
位相関係はこのようになる。同図(C)はCLK90は
クロックCLKよりも位相が90度遅延したクロックで
あることを示している。同図(D)は上述したようにD-
FF12の出力である。
【0029】ここで注目すべき点は、CLK90をクロ
ックCLKよりも位相を90度遅延させたことにより、
2値化等化データ信号S1の立ち上がり及び立ち下がり
時点(時間軸T上)がCLK90の“1”レベルの中間
(時間軸T上)に来ることである。
【0030】同図(A)を参照して、2値化等化データ
信号S1のジッタの幅が比較的狭い場合(ジッタ:小)
を考える。この場合、ジッタの幅はCLK90のパルス
幅W1以下であるとする。この場合、D-FF12において
2値化等化データ信号S1のジッタのどの位置でCLK
90をサンプリングしてもD-FF12の出力は“1”レベ
ル一定である。
【0031】一方、2値化等化データ信号S1のジッタ
の幅が比較的広い場合(ジッタ:大)を考えると(同図
(A)参照)、この場合はジッタの幅はCLK90のパ
ルス幅W1より大きいため、そのパルス幅W1を超えた
部分でCLK90を読み込むとD-FF12の出力は“0”
レベルとなる。即ち、ジッタの幅が広くなるにつれてD-
FF12の出力が“0”となる確率が高くなる。従って、
このD-FF12の出力を監視することにより2値化等化デ
ータ信号S1のジッタ量を検出することが可能となる。
【0032】図5はジッタ検出回路7において2値化等
化データ信号S1の立ち上がりエッジの確率分布とD-FF
12の出力の関係を示した図である。即ち、同図を参照
すると、ジッタが小さく、2値化等化データ信号S1の
立上がりエッジの確率分布がCLK90の“1”レベル
の幅以内に納まる場合は、D-FF12の出力は“1”一定
であり、平均値検出回路13の出力も“1”レベル一定
となる。
【0033】一方、ジッタが中もしくは大の場合は2値
化等化データ信号S1の立上がりエッジの確率分布がC
LK90の“1”レベルの幅からはみ出ることになる。
そして、そのはみ出た分についてはD-FF12の出力が
“0”レベルとなる。このように、ジッタの幅が広くな
るにつれてD-FF12の出力が“0”となる確率が高くな
るため、その平均値は低くなり、平均値検出回路13の
出力が低下する。即ち、平均値検出回路13の出力がジ
ッタ量に対応することになる。
【0034】なお、本実施形態ではCLK90をクロッ
クCLKよりも位相を90度遅延させたが、位相遅延は
90度に限定されるものではない。CLK90の位相遅
延を90度未満あるいは90度を超えるように設定した
方がジッタ検出の感度を向上させ得る場合が存在するか
らである。又、同様にCLK90のデュ−ティを変える
ことで、ジッタ検出感度を調整することもできる。
【0035】図6はジッタ検出回路7の一変形例の構成
図である。なお、同図において図3と同様の構成部分に
は同一番号を付し、その説明を省略する。同図を参照す
ると、ジッタ検出回路7の一変形例は平均値検出回路1
3の後段に、特性変換回路14を接続したものである。
このような構成により、ジッタ量と平均値検出回路13
との出力の関係を制御回路8において制御しやすい関係
に変換してもよい。例えば、非線形/線形変換回路を用
いて線形にすることが考えられる。
【0036】次に、図7及び図8を参照しながら制御回
路8の動作について説明する。図7は制御回路8の制御
アルゴリズムの一例を示す図、図8はその制御アルゴリ
ズムの動作の説明図である。制御回路8は2値化等化デ
ータ信号S1のジッタ量(本実施形態では、ジッタ検出
回路7の出力)が最小になるように、リミッタアンプ4
の識別電圧Vth9を制御する。制御方法の一例として、
DSP などを用いて次のようなアルゴリズムで制御すれば
よい。
【0037】いま、識別電圧Vth9の各電圧Vn(n=0,1,
2 …) に対するジッタ量が、ジッタ検出回路7の各出力
( 以下ジッタ量) Jn n=0,1,2…) に対応するものとす
る。
【0038】初期値設定で識別電圧Vの初期値V0(V
a)と1ステップ毎の増加量ΔVを決める(図7のS
1)。次に、識別電圧V0(Va)におけるジッタ量の
初期値J0(Ja)(図8のJ0(Ja))を測定する
(図7のS2)。次に、VをΔVだけ増加(図8のV2
(Vb))させて(図7のS3)、ジッタ量J1(J
b)を測定する(図7のS4)。J0(Ja)とJ1
(Jb)を比較すると、J1(Jb)のジッタ量の方が
少ないので(図7のS5にてyes)、V2(Vc)=
V1+ΔVとして(図7のS3)、ジッタ量J2(J
c)を測定する(図7のS4)。J1(Jb)とJ2
(Jc)を比較するとJ2(Jc)の方がジッタ量が少
ないので(図7のS5にてyes)、V3(Vd)=V
2+ΔVとして(図7のS3)、ジッタ量J3(Jd)
を測定する(図7のS4)。
【0039】J2(Jc)とJ3(Jd)を比較すると
J3(Jd)のジッタ量の方が少ないので(図7のS5
にてyes)、さらにV4(Ve)=V3+ΔVとして
ジッタ量J4(Je)を測定する(図7のS4)。今度
はジッタ量J4(Je)はジッタ量J3(Jd)より大
きくなった(図7のS5にてno)。このことは、最適
位置よりも遠のいたことを意味する。このような場合
は、図7のフローチャートの右側の過程に移り、ΔVの
増減の向きを逆転させる。すなわち、V5=V4(V
e)−ΔV(すなわち、Vdにもどる)にして(図7の
S6)、ジッタ量J5(Jd)を計測して(図7のS
7)、J4(Je)と比較する(図7のS8)。J5
(Jd)とJ4(Je)ではJ5(Jd)の方が小さい
ので(図7のS8にてyes)、V6=V3(Vd)−
ΔV(すなわち、Vcにもどる)として(図7のS
6)、ジッタ量J6(Jc)を測定する(図7のS
7)。J6(Jc)とJ5(Jd)ではJ6(Jc)の
方が大きいので(図7のS8にてno)、再びΔVの増
減の向きを逆転させ、すなわち図5のフローチャートの
左側の過程に移り、V7(Vd)=V6(Vc)+ΔV
として(図7のS3)、ジッタ量J7(Jd)を測定す
る(図7のS4)。
【0040】この結果、Va→Vb→Vc→Vd(最適
位置)→Ve→Vd(最適位置)→Vc→Vd(最適位
置)→Ve→…を繰り返し、常にVの最適位置近傍Vd
に制御される。もちろんVの初期値をVの大きい値Vg
からジッタ量が減少(改善)するごとにΔVづつ減少さ
せ、エラーが増加(悪化)すれば増減の向きを反転させ
てΔVだけ識別電圧Vを増加させる制御を行ってもよ
く、Vのどの値からスタートさせても同じ結果になる。
【0041】次に、第2の実施の形態について説明す
る。図9は第2の実施の形態の構成図である。なお、同
図において図1と同様の構成部分には同一番号を付し、
その説明を省略する。同図を参照すると、第2の実施の
形態の構成が第1の実施の形態(図1参照)と異なる点
は、制御回路8が識別電圧Vth9とともにバイアス回路
1をも制御するように構成した点である。
【0042】第2の実施の形態は受光素子2にAPD など
増倍作用を持つ受光素子を用いる場合で、受光素子2の
増倍率が最適になるように制御する実施例である。APD
など増倍作用を持つ受光素子は、S/N が最適となる増倍
率が存在し、バイアス回路1が与える逆バイアス電圧を
変えることで増倍率を制御することができる。
【0043】従って、2値化等化データ信号のジッタ量
(本実施形態では、ジッタ検出回路7の出力)が最小に
なるように、バイアス回路1を介して逆バイアス電圧を
制御することにより受光素子の増倍率を最適値に制御す
ることができる。なお、本実施形態では、識別電圧Vth
9の制御と併用した場合について述べたが、バイアス回
路1のみを制御するように構成することも可能である。
【0044】次に、第3の実施の形態について説明す
る。図10は第3の実施の形態の構成図である。なお、
同図において図9と同様の構成部分には同一番号を付
し、その説明を省略する。同図を参照すると、第3の実
施の形態の構成が第2の実施の形態(図9参照)と異な
る点は、制御回路8が識別電圧Vth9及びバイアス回路
1とともに新規に設けた分散制御回路10をも制御する
ように構成した点である。同図を参照すると、分散制御
回路10が受光素子2の前段に設けられている。即ち、
入力光信号は分散制御回路10を介して受光素子2へ入
力される。
【0045】第3の実施の形態は光ファイバの分散によ
る波形劣化を補償するよう分散制御回路10の分散量を
制御する実施例である。本実施形態の場合も、識別電圧
Vth9の制御と、バイアス回路1の制御と、分散制御回
路10の制御とを併用した場合について述べたが、分散
制御回路10のみ、又は、分散制御回路10と識別電圧
Vth9、又は、分散制御回路10とバイアス回路1を制
御するように構成することも可能である。
【0046】次に、第4の実施の形態について説明す
る。図11は第4の実施の形態の構成図である。第4の
実施の形態は本発明による光受信回路を含む光受信装置
と、光送信装置と、これら両装置を接続する伝送路とか
ら構成される通信システムに関するものである。同図を
参照すると、通信システムは光送信装置21と、光受信
装置22と、光送信装置21と光受信装置22とを接続
する伝送路23とから構成される。
【0047】そして、光受信装置22には、図1、図
3、図6、図9及び図10に示す光受信回路のいずれか
が含まれている。この通信システムによれば、第1〜第
3の実施の形態と同様に、光受信装置22において受信
信号を2値変換して得られる2値化等化データ信号のジ
ッタ量を用いて光受信回路の受信感度を決定する受信感
度制御パラメータを自動的に最適位置に追従させること
が可能である。
【0048】次に、第5の実施の形態について説明す
る。図12は第5の実施の形態の構成図である。なお、
同図において図10と同様の構成部分には同一番号を付
し、その説明を省略する。第5の実施の形態が第3の実
施の形態(図10参照)と異なる点は、光送信装置21
が送信側において波形を整形するプリエンファシス部3
1を有する場合、受信波形が最適になるようにプリエン
ファシス部31を制御するように構成した点である。も
ちろん、この場合も識別電圧Vth9の制御と、バイアス
回路1の制御と、分散制御回路10の制御のうちの1つ
又は複数と組み合わせて制御してもよい。
【0049】第5の実施の形態では光受信装置22にお
ける受信信号(2値化等化データ信号)のジッタ量が最
小になるように光送信装置21のプリエンファシス部3
1のプリエンファシス量を制御装置8が制御する。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、受信信号を2値変換し
て得られる2値化等化データ信号から検出したジッタ量
に基づき受信感度制御パラメータを制御するため、光受
信回路の受信感度を決定する受信感度制御パラメータを
自動的に最適位置に追従させることが可能となる。
【0051】具体的に説明すると、各受信レベルにおい
て、光受信回路の受信感度制御パラメータが最適位置に
制御されるので受信感度を改善し、伝送距離を伸ばすこ
とができる。又、受信感度制御パラメータが最適位置か
らずれることによって生じるエラーレート特性の曲がり
(フロア)を防ぐことができる。このフロアはダイナミ
ックレンジを狭め、最悪の場合エラーフリーとなる領域
が無くなる。又、人手に頼っていた光受信回路の精密な
調整を自動化できる。又、調整工数を従来よりも削減す
ることができる。又、光受信環境(受信レベル変動、温
度変動等、電源変動等)の変動に追従して受信感度制御
パラメータを最適位置に保つことができる。さらに、大
規模なロジック回路を用いていないので比較的簡単に実
現できる。このため光受信回路のCDR(clock and data r
ecovery circuit)を構成するLSIの中に一体実装するこ
とができる。また、高速(例えばGb/s以上の信号速
度)で動作する回路に用いる場合に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光受信回路の第1の実施の形態の
構成図である。
【図2】リミッタアンプ4に入力されるデータ信号の雑
音と識別電圧Vthで識別した2値化等化データ信号の
ジッタ量との関係を示す図である。
【図3】ジッタ検出回路7の一例の構成図である。
【図4】ジッタ検出回路7の動作を示すタイミングチャ
ートである。
【図5】同動作を示す波形図である。
【図6】ジッタ検出回路7の一変形例の構成図である。
【図7】制御回路8の制御アルゴリズムの一例を示す図
である。
【図8】その制御アルゴリズムの動作の説明図である。
【図9】第2の実施の形態の構成図である。
【図10】第3の実施の形態の構成図である。
【図11】第4の実施の形態の構成図である。
【図12】第5の実施の形態の構成図である。
【図13】従来の光受信回路の一例の構成図である。
【図14】受信電力とビットエラーレ−トとジッタとの
相関関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 バイアス回路 2 受光素子 3 プリアンプ 4 リミッタアンプ 5,12 D-FF 6 クロック抽出回路 7 ジッタ検出回路 8 制御回路 10 分散制御回路 11 遅延回路 13 平均値検出回路 14 特性変換回路 21 光送信装置 22 光受信装置 31 プリエンファシス部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K029 AA02 AA04 CC04 DD12 HH08 JJ01 KK23 LL05 5K102 AA01 AA63 AH23 KA20 MA01 MA02 MB18 MC11 MC26 MC30 MD01 MD03 MD04 MH27 RD01 RD04 RD27

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期クロックを含む2値化等化データ信
    号からジッタを検出するジッタ検出回路であって、 前記クロックの位相を所定量遅延させる位相遅延手段
    と、前記位相遅延手段で遅延されたクロックを前記2値
    化等化データ信号の立ち上がり又は立ち下がりエッジで
    サンプリングするフリップフロップ手段と、前記フリッ
    プフロップ手段の出力の平均値を検出して出力する平均
    値検出手段とを含むことを特徴とするジッタ検出回路。
  2. 【請求項2】 受信信号を2値変換して得られる2値化
    等化データ信号から検出したジッタ量に基づき受信感度
    制御パラメータの任意の1つ又は複数を制御する制御手
    段を含むことを特徴とする受信回路。
  3. 【請求項3】 前記ジッタ量の検出に請求項1記載のジ
    ッタ検出回路を用いることを特徴とする請求項2記載の
    受信回路。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の受信回路を含む受
    信装置と、前記受信装置と対向する送信装置と、前記受
    信装置及び送信装置を接続する伝送路とを含むことを特
    徴とする通信システム。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記2値化等化データ
    信号のジッタ量が最小になるように制御することを特徴
    とする請求項2又は3記載の受信回路。
  6. 【請求項6】 前記位相遅延手段は、前記2値化等化デ
    ータ信号の変化点が前記クロックの立ち下がりに一致す
    る場合は、90度位相を遅延させることを特徴とする請
    求項1記載のジッタ検出回路。
  7. 【請求項7】 前記平均値検出手段の出力を後段回路で
    制御しやすい関係に変換する特性変換手段を含むことを
    特徴とする請求項1又は6記載のジッタ検出回路。
  8. 【請求項8】 前記受信感度制御パラメータは受信信号
    の2値識別の基準となる識別電圧又は識別位相であるこ
    とを特徴とする請求項2、3又は5記載の受信回路。
  9. 【請求項9】 前記受信感度制御パラメータは受信した
    光信号を電気信号に変換する受光素子の増倍率であるこ
    とを特徴とする請求項2、3、5又は8記載の受信回
    路。
  10. 【請求項10】 前記受信感度制御パラメータは受信し
    た光信号を電気信号に変換する受光素子の前段に設けら
    れる分散制御回路の分散補償量であることを特徴とする
    請求項2、3、5、8又は9記載の受信回路。
  11. 【請求項11】 前記受信感度制御パラメータは送信装
    置における送信信号のプリエンファシス量であることを
    特徴とする請求項2、3、5、8、9又は10記載の受
    信回路。
  12. 【請求項12】 同期クロックを含む2値化等化データ
    信号からジッタを検出するジッタ検出回路であって、 前記クロックの位相を所定量遅延させる遅延回路と、前
    記遅延回路で遅延されたクロックを前記2値化等化デー
    タ信号の立ち上がり又は立ち下がりエッジでサンプルす
    るフリップフロップと、前記フリップフロップの出力の
    平均値を検出して出力する平均値検出回路とを含むこと
    を特徴とするジッタ検出回路。
  13. 【請求項13】 前記遅延回路は、前記2値化等化デー
    タ信号の変化点が前記クロックの立ち下がりに一致する
    場合は、90度位相を遅延させることを特徴とする請求
    項12記載のジッタ検出回路。
  14. 【請求項14】 前記平均値検出回路の出力を後段回路
    で制御しやすい関係に変換する特性変換回路を含むこと
    を特徴とする請求項12又は13記載のジッタ検出回
    路。
  15. 【請求項15】 受光素子に所定のバイアス電圧を供給
    するバイアス回路と、光信号を電気信号に変換する前記
    受光素子と、前記受光素子からの電気信号を増幅するプ
    リアンプと、識別電圧を用いて前記プリアンプからの電
    気信号を2値識別するリミッタアンプと、前記リミッタ
    アンプの出力とその出力から抽出した同期クロックとを
    用いてジッタを検出するジッタ検出回路と、前記ジッタ
    検出回路の出力が最小となるように前記リミッタアンプ
    の識別電圧を制御する制御回路とを含むことを特徴とす
    る受信回路。
  16. 【請求項16】 前記制御回路は前記バイアス回路を制
    御して受光素子の増倍率も併せて制御することを特徴と
    する請求項15記載の受信回路。
  17. 【請求項17】 さらに前記受光素子の前段に分散制御
    回路が設けられ、前記制御回路は前記分散制御回路も併
    せて制御することを特徴とする請求項15又は16記載
    の受信回路。
  18. 【請求項18】 前記制御回路は前記光信号を送信する
    光送信装置のプリエンファシス部も併せて制御すること
    を特徴とする請求項15から17いずれか記載の受信回
    路。
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