JP2003257765A - 樹脂磁石およびその製造方法、樹脂磁石を用いたモータ - Google Patents

樹脂磁石およびその製造方法、樹脂磁石を用いたモータ

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JP2003257765A
JP2003257765A JP2002060366A JP2002060366A JP2003257765A JP 2003257765 A JP2003257765 A JP 2003257765A JP 2002060366 A JP2002060366 A JP 2002060366A JP 2002060366 A JP2002060366 A JP 2002060366A JP 2003257765 A JP2003257765 A JP 2003257765A
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resin magnet
resin
magnet
magnetic
magnetic field
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JP2002060366A
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English (en)
Inventor
Eiji Fukuda
鋭士 福田
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Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏洩磁束を少なくした異方性磁化を有する樹
脂磁石、およびそれを用いたモータを提供する。 【解決手段】 強磁性粉末を結合樹脂で結合した樹脂磁
石において、外径が3mm以下の円筒状の形状であり、
軸と直角方向の一方向の異方性磁化を有するとともに、
外径10mm、高さ7mmで軸方向に配向した測定用樹
脂磁石の残留磁束密度(Br)が0.7T以上である樹
脂磁石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂磁石およびそ
の製造方法に関するものであり、磁束密度が大きな小型
の樹脂磁石に関するものであり、また、樹脂磁石を用い
たモータに関するものであり、特に直径が小さな円筒状
樹脂磁石を用いたモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コアレスモータは、瞬時の停止、起動が
可能である効率的なモータとして、各種の機器の駆動用
のモータとして広く用いられている。特に、小型のコア
レスモータは、携帯電話の受信を振動で知らせるぺジャ
ー用モータとして用いられている。ペジャー用モータ
は、携帯電話の小型化に対応して更なる小型化が要求さ
れている。コアレスモータは、一般に中央部に永久磁石
が配置され、永久磁石の外側には、回転軸に結合して回
転するコイルが配置されており、コイルの外側には、中
央部の永久磁石からの磁力線の磁気回路を形成するヨー
クを兼ねたモータケースが配置されている。そして、永
久磁石から発生する磁界が可動コイルと交わり、コイル
に電流が流れるとコイルが回転し、コイルに結合されて
いるモータ軸から外部に出力が取り出されていた。
【0003】例えば、樹脂磁石を用いたコアレスモータ
が特開平11−329814号公報において提案されて
いる。この樹脂磁石では、樹脂磁石の表面の少なくとも
一部に磁石粉末を含まない樹脂層を一体的に形成し、該
樹脂層が摺動部として機能するように構成することが記
載されている。しかしながら、樹脂磁石を扁平状の形状
のものとすることが例示されているものの、径が小さな
小型のコアレスモータに適用する点については開示され
ていない。一方、特開昭62−196057号公報に
は、多極着磁した筒状の永久磁石を外径25mm以下、
密度5.0g/cm3 以上に成形した樹脂磁石で構成し
た永久磁石型モータが記載されているが、より小型の焼
結磁石を利用したモータにおける問題点とその課題を解
決するための手段については開示されていない。
【0004】また、コアレスモータを小型化するために
は、モータケースの外径を縮小すると共に、このケース
自体の厚みを薄くする必要があった。従来、使用されて
いた磁力が強力な希土類焼結磁石では、径が小さくなる
と焼結磁石の寸法精度の確保が困難となるために、径が
小さな焼結磁石では焼結後に切削加工等を施して所望の
大きさとすることが必要であり、製造工程が複雑なもの
となった。
【0005】特に、希土類焼結磁石では、一般に希土
類、鉄系の金属が含まれているので、経時的な変化を防
止するために、希土類焼結磁石の表面にニッケル、アル
ミニウム等のめっき層等を形成して防錆処理を行うこと
が不可欠であった。このため、径が小さな希土類焼結磁
石においては、製造工程が複雑であるとともに、めっき
層の形成によって実質的に磁石の有効磁束が減少すると
いう問題点もあった。特に、直径5mm以下の小型モー
タにおいて使用される直径が3mm以下の希土類焼結磁
石においては、径が小さくなると最大表面磁束が急激に
減少し、希土類焼結磁石が本来有している大きな残留磁
束密度を有効に活用することができなかった。
【0006】すなわち、磁石形成用組成物の組成を変え
て作製した、外径10mm、高さ7mmであって軸方向
に配向した測定用磁石で測定した残留磁束密度(Br)
とモータ回転数の関係を図12に示すように、直径3m
mの焼結磁石を使用した小型モータの場合には残留磁束
密度(Br)を0.7T以上に大きくしても、モータ回
転数は実際には増加させることができなかった。これ
は、漏洩磁束、および焼結磁石に不可欠なめっき厚によ
る空隙の増加による磁束の低下が原因と考えられる。し
たがって、残留磁束密度が大きな磁石を用いた場合で
も、モータを小型化すれば有効な表面磁束は減少すると
いう問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、径が小さな
コアレスモータ等に使用される径が小さな円筒状の樹脂
磁石を提供することを課題とするものであり、特に直径
が5mm以下のモータに使用することができる直径が3
mm以下の円筒状の樹脂磁石を提供することを課題とす
るものであり、モータ等の磁石使用機器への装着の際に
は、所定の磁化方向を配置させた正確な装着が可能な樹
脂磁石を提供することを課題とするものである。また、
径が小さく、薄型の機器等にも装着可能なモータを提供
することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、強磁性
粉末を結合樹脂で結合した樹脂磁石において、外径が3
mm以下の円筒状の形状であり、軸と直角方向の一方向
の異方性磁化を有するとともに、外径10mm、高さ7
mmで軸方向に配向した測定用樹脂磁石の残留磁束密度
(Br)が0.7T以上である樹脂磁石によって解決す
ることができる。軸に垂直な面での表面磁束が回転角度
に対して正弦波よりも頂点が鋭角である前記の樹脂磁石
である。成形型への強磁性粉末と結合樹脂を含有する組
成物を注入する注入口によって形成される注入口跡が、
樹脂磁石の軸を通る磁化方向面と樹脂磁石の端面とが交
わる点、もしくは該磁化方向面と直角の位置にある前記
の樹脂磁石である。強磁性粉末は、少なくともSm−F
e−N系磁性粉末を含有する前記の樹脂磁石である。ま
た、保磁力(bHc)が6×105A/m以上である前
記の樹脂磁石である。
【0009】また、樹脂磁石の製造方法において、成形
型内の成形空間に強磁性粉末と結合樹脂との組成物を注
入する注入口の位置を、成形される樹脂磁石の軸を通過
する磁化方向面と成形される樹脂磁石の端面とが交わる
点、もしくは該磁化方向面と直角の位置の成形型内の成
形空間の壁面に設けて磁場配向状態で成形する樹脂磁石
の製造方法である。樹脂磁石の製造方法において、成形
型内に非磁性体からなる円柱もしくは円筒を配置して成
形型内に結合樹脂と強磁性粉末を含有する組成物を充填
して磁場成形を行なう際に、非磁性円柱もしくは円筒の
軸である中心軸に垂直な断面が上底の長さL、高さAの
台形であって、上底が中心軸に面するととともに中心軸
に対称な四角柱であり、上底面と下底面とを結ぶ面が上
底面に垂直な面とがなす傾斜面の角度θが5°ないし4
5°であり、上底の長さLは、非磁性円柱の直径D1の
1/3以上であって成形する樹脂磁石の外径D2の2倍
以下であり、高さAは非磁性体の直径D1の1/3以
上、10倍以下である磁場配向手段を用いて配向磁場を
与える樹脂磁石の製造方法である。
【0010】配向磁場付与手段が永久磁石である前記の
樹脂磁石の製造方法である。配向磁場付与手段とその背
後のコイルによる配向磁場発生手段とを一体に結合した
電磁石のヨークからなる前記の樹脂磁石の製造方法であ
る。また、前記の樹脂磁石からなる永久磁石とそれに対
向するコイルからなるモータである。
【0011】樹脂磁石と対向するコイルとの空隙が0.
2mm以下である前記のモータである。コアレスモータ
である前記のモータである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、希土類焼結磁石を使用
した場合には提供することができなかった小型のモータ
を異方性磁化を有する樹脂磁石によって実現することが
可能であることを見出したものである。すなわち、希土
類焼結磁石では不可欠である表面へのめっき処理等の表
面処理によって、モータに組み入れた場合には実質的に
空隙が大きくなり、充分な特性のモータを得ることはで
きなかったという問題点を表面の被覆処理が不要な樹脂
磁石によって解決するものである。
【0013】しかも、樹脂磁石を射出成形等によって成
形する際に同時に配向磁場を与えて、異方性磁化を形成
した樹脂磁石は所定の形状および大きさのものを得るこ
とが可能であるので、焼結体磁石のように焼結後に切削
加工等を行って大きさを調整する等の必要もないので、
製造工程が簡単となるという特徴も有している。
【0014】図1は、本発明の樹脂磁石の一実施例を説
明する図である。本発明の樹脂磁石1は、希土類磁石粉
末と結合樹脂とを混練した組成物を射出成形時に、軸と
直角方向への一方向のみの異方性磁化2を形成したもの
である。特に、本発明の樹脂磁石においては、樹脂磁石
を成形金型で成形する際に、結合剤の合成樹脂と強磁性
粉末を含有する組成物の成形金型への注入口によって形
成される注入口跡3を、樹脂磁石の軸を通過する磁化の
最も大きな面である磁化方向面と、樹脂磁石の端面とが
交わる線上、あるいは樹脂磁石の軸において磁化方向面
に直角に交わる平面と樹脂磁石の端面とが交わる線上等
に配置し、明瞭に磁化方向面を確認することが可能とし
たことを特徴としている。その結果、自動組立装置によ
って樹脂磁石を取り扱う場合にも、注入口跡によって磁
化方向を正確に把握することが可能となり、モータを組
み立てる際には、磁化方向を所望の方向に設定して組み
立てることが可能となり、所定の磁気特性を有するモー
タ等の機器を作製することができる。
【0015】図1においては、中心軸において磁化方向
面に直角に交わる面と樹脂磁石の端面のとが交わる線上
に注入口跡3を有する樹脂磁石を示したが、磁化方向面
と端面とが交わる直線上に配置したものであっても良
い。また、複数個の注入口跡3を設けたものでも良く、
注入口跡3を周囲よりも高さが低い凹部としたものであ
っても良く、注入口跡3に着色等を行なっても良い。
【0016】本発明の樹脂磁石1は、強磁性粉末と結合
樹脂を含有する組成物を成形する際に所望の磁場配向パ
ターンを形成することを特徴としており、特に成形型内
の中心部に非磁性材料からなる円柱状部材を配置し、特
定の形状および大きさの配向用磁石あるいはヨークから
なる磁場配向手段を使用して配向磁場を与えることによ
って所望の配向パターンを形成している。その結果、得
られた樹脂磁石の磁束は、モータに用いた場合には漏れ
磁束が少ないことを特徴としている。
【0017】本発明の樹脂磁石は、軸に直角の方向に一
方向のみに磁化されているので、樹脂磁石の表面に磁気
センサを設置し、樹脂磁石を軸を中心に回転させて表面
磁束を測定した場合には、角度に対して表面磁束が正弦
波状となるものの、正弦波形とは異なることを特徴とし
ている。
【0018】図2に、表面磁束密度と角度との関係を示
すように、本発明の樹脂磁石は表面磁束の大きさが立ち
上がる部分が急な傾斜を有するとともに、正弦波形10
よりもピークが鋭角な形状の表面磁束曲線を有してい
る。これは、磁場成形の際に配向用磁石または電磁石か
ら与えられた磁束は、磁石円周に沿って集中し、結果と
して中心部の非磁性材料部をそれて磁路が長くなり、こ
れによってパーミアンス係数の大きい配向パターンが形
成され、一様な樹脂磁石を形成する場合に比べて中心部
の表面磁束を大きくし、中心から離れた部分の表面磁束
を小さくすることができるものと考えられる。この結
果、モータに用いた場合には漏れ磁束が小さな効率的な
モータを得ることができる。
【0019】この点は、以下の実施例の図6においても
示されている。すなわち、樹脂磁石としては、外径10
mm、高さ7mmで軸方向に配向した測定用樹脂磁石の
残留磁束密度(Br)が0.74Tである樹脂磁石形成
用組成物を使用した直径が異なる樹脂磁石の最大磁束密
度の値は、外径に対して比例関係にあるが、外径10m
m、高さ7mmで軸方向に配向した測定用磁石で測定し
た残留磁束密度(Br)が1.2Tの材料を用いて作製
した希土類焼結磁石の直径と残留磁束密度の間には比例
関係は成立せず、外径が小さくなると磁石形成用組成物
として残留磁束密度が小さな材料を使用した樹脂磁石の
方が、残留磁束密度が大きな材料を使用した希土類焼結
磁石よりも表面磁束密度が大きくなるという効果が得ら
れる。
【0020】これは、樹脂磁石は表面に実質的に磁束密
度を減少させる原因となるめっき層等を設ける必要がな
く、しかも成形時の磁場配向によってパーミアンス係数
の大きい優れた配向パターンが形成されているのに対し
て、希土類焼結磁石においては、めっき層の形成が不可
欠であると共に、強磁性粉末を結合材によって成形する
際に磁場配向を行っても、焼結時の高温によって配向性
が変化することは避けられず、パーミアンス係数の大き
い配向パターンの形成は困難であることに起因するもの
と考えられる。
【0021】このように、本発明の樹脂磁石は、外径1
0mm、高さ7mmで軸方向に配向した測定用樹脂磁石
の残留磁束密度(Br)が0.7T以上の樹脂磁石形成
用組成物を用いるとともに、外径が3mm以下の小径の
磁石においてモータに期待される表面磁束密度を得るこ
とができる。
【0022】更に、図12に示したように、測定用樹脂
磁石によって測定した残留磁束密度が0.7Tよりも大
きな材料を用いて製造した外径3mm以下の希土類焼結
磁石では、モータ回転数は計算値に比べて大幅に小さな
ものしか得ることができないが、残留磁束密度が0.7
T以上の樹脂磁石を用いた場合には、希土類焼結磁石で
は得ることが実現することができなかった回転数を有す
る小型のモータを得ることが可能となる。
【0023】また、本発明の樹脂磁石においては、上記
したように測定用磁石によって測定した残留磁束密度が
0.7T以上であると共に、保磁力が6×105A/m
以上の樹脂形成用材料を用いることによって、使用過程
での減磁量が小さく、従来の希土類磁石では得ることが
できなかった小径で表面磁束密度が優れた円筒状樹脂磁
石を得ることができる。
【0024】次に、本発明の樹脂磁石の磁場配向方法を
説明する。図3に、本発明の配向用の磁石の配置を説明
する図を示す。成形型20内において、中央部に円柱
状、または円筒状の非磁性体21が配置されており、非
磁性体21の軸である中心軸22に対して対称に一対の
配向用磁石23が配置されている。配向用磁石23の中
心軸22に垂直な面で切断した断面が、上底の長さL、
高さAの台形であり、上底を中心軸側に面した中心軸に
対称な四角柱形である。樹脂磁石1に面する上底面24
は反対側の下底面25に比べて面積が小さく、中心軸2
2の軸を含む平面と直角に配置されていることを特徴と
している。
【0025】そして、配向用磁石23の成形型20に面
する上底面24と傾斜面26がなす角度θは、5°ない
し45°が好ましく、10°ないし20°がより好まし
い。また、θが5°よりも小さい場合には、配向に必要
な磁場を発生させた場合に、漏洩磁束が多くなり、磁束
が金型へ集中されず、目的とする配向パターンが形成で
きないため好ましくない。また、θが45°よりも大き
い場合には、配向用磁石は扁平状となり、配向に必要な
磁力を発生させることが困難となり、目的とする磁気特
性を有する樹脂磁石を得ることができず好ましくない。
【0026】また、配向用磁石23の成形型20に面す
る上底面24の長さLは、非磁性体21の外径D1の1
/3以上であって、成形する樹脂磁石の外径D2の2倍
よりも小さいことが好ましく、外径D1の2/3よりも
大きく、外径D2の3/2より小さいことがより好まし
い。長さLが、非磁性体21の直径D1の1/3よりも
小さい場合には、樹脂磁石の表面磁束が小さくなるので
好ましくなく、成形する樹脂磁石1の外径D2の2倍よ
りも大きい場合には、波形が台形状になるため好ましく
ない。
【0027】配向用磁石23の配向磁化方向の長さ、す
なわち台形の高さAは、非磁性体21の外径D1の1/
3ないし10倍以下が好ましい。このとき目的とする磁
力を効率よく発生させることができ、所望の配向パター
ンを形成できる。高さAが、非磁性体21の外径D1の
1/3よりも小さいとき配向用磁石23は扁平状とな
り、パーミアンス係数が小さくなり目的とする磁力が得
られにくく好ましくない。高さAが、非磁性体21の直
径D1の10倍よりも大きいとき、成形型に対して配向
用磁石が大きくなり、射出成形機に設置することが困難
となり好ましくない。以上のような構成の磁場配向装置
よって、円筒状樹脂磁石に対して軸に垂直な一方向のみ
の配向用磁場を与えることができる。
【0028】また、強磁性粉末と結合樹脂を含有する組
成物を注入する注入口26は、磁化方向面と成形型20
の端面とが交わる線上、又は磁化方向面に垂直で成形型
20の軸を通る面が成形型20の端面とが交わる線上に
ある成形型の成形空間の壁面に配置することが好まし
い。これにより成形された樹脂磁石には、注入口跡が、
樹脂磁石の軸を通る磁化方向面と樹脂磁石の端面とが交
わる線上、又は磁化方向面に垂直で軸を通る平面と樹脂
磁石の端面とが交わる線上に形成される。
【0029】このため磁場配向の方向を注入口跡から測
定機器を用いることなく知ることが可能となり、樹脂磁
石の着磁、あるいは得られた樹脂磁石をモータ等の磁石
使用機器に組み込む際には、確実な作業を容易に行うこ
とが可能となる。樹脂磁石の配向時に金型の中心部に配
置する非磁性体としては樹脂磁石の成形用金型等として
用いられている非磁性の金属材料、例えばHMP75
(日立金属)、非磁性ステンレス鋼等を用いることがで
きる。
【0030】また、配向用磁石は、成形用金型上から配
向用磁場を印加するため、最大エネルギー積(B
max)は、159kJm-3 以上であることが好まし
く、また金型温度が結合剤樹脂の溶融温度に上昇するた
めに、温度上昇の場合にも磁力の低下が小さなサマリウ
ム−コバルト系の希土類焼結磁石を用いることが好まし
い。
【0031】以上の説明では、配向磁場を磁石で形成す
る例について述べたが、電磁石によって、配向用磁界を
与えてもよい。図4は、本発明の磁場配向用手段が電磁
石のヨークである場合について説明する図である。成形
型20内において、中央部に円柱状または円筒状の非磁
性体21が配置されており、非磁性体21の軸である中
心軸22に対して対称に一対の配向磁場付与ヨーク23
Aが配置されている。配向磁場付与ヨーク23Aは、配
向用磁場発生用電磁石23Bと一体に形成されている。
配向磁場付与ヨーク23Aの中心軸22に垂直な面で切
断した断面が、上底の長さL、高さAの台形であり、上
底を中心軸側に面した中心軸に対称な四角柱形である。
樹脂磁石1に面する上底面24は反対側の下底面25に
比べて面積が小さく、中心軸22の軸を含む平面と直角
に配置されていることを特徴としている。
【0032】そして、配向磁場付与ヨーク23Aの成形
型20に面する上底面24と傾斜面26がなす角度θ
は、5°ないし45°が好ましく、10°ないし20°
がより好ましい。また、θが5°よりも小さい場合に
は、配向に必要な磁場を発生させた場合に、漏洩磁束が
多くなり、磁束が金型へ集中されず、目的とする配向パ
ターンが形成できないため好ましくない。また、θが4
5°よりも大きい場合には、配向用磁石は扁平状とな
り、配向に必要な磁力を発生させることが困難となり、
目的とする磁気特性を有する樹脂磁石を得ることができ
ず好ましくない。
【0033】また、配向磁場付与ヨーク23Aの成形型
20に面する上底面24の長さLは、磁性体21の外径
D1の1/3以上であって、成形する樹脂磁石の外径D
2の2倍よりも小さいことが好ましく、外径D1の2/
3よりも大きく、外径D2の3/2より小さいことがよ
り好ましい。長さLが、非磁性体21の外径D1の1/
3よりも小さい場合には、樹脂磁石の表面磁束が小さく
なるので好ましくなく、成形する樹脂磁石1の外径D2
の2倍よりも大きい場合には、波形が台形状になるため
好ましくない。
【0034】配向用磁石23の配向磁化方向の長さ、す
なわち台形の高さAは、磁性体21の外径D1の1/3
ないし10倍以下が好ましい。このとき目的とする磁力
を効率よく発生させることができ、所望の配向パターン
を形成できる。高さAが、磁性体21の外径D1の1/
3よりも小さいとき配向磁場付与ヨーク23Aは扁平状
となり、パーミアンス係数が小さくなり目的とする磁力
が得られにくく好ましくない。高さAが、磁性体21の
外径D1の10倍よりも大きいとき、成形型に対して配
向磁場付与ヨークが大きくなり、射出成形機に設置する
ことが困難となり好ましくない。以上のような構成の配
向磁場付与ヨーク23Aに対して配向用磁場発生用電磁
石23Bに電源23Cから所定の励磁電流を通電するこ
とによって、円筒状樹脂磁石に対して軸に垂直な一方向
のみの配向用磁場を与えて磁場配向を行うことができ
る。
【0035】本発明の樹脂磁石の使用することができる
強磁性粉末としては、希土類強磁性粉末が好ましく、異
方性強磁性粉末から構成されているものが好ましい。こ
れらには、イットリウムまたはランタノイド系希土類金
属Rと遷移金属TMからなる合金で一般式としてRTM
z(Z=4.6〜8.8)で表わされる合金粉末でSm
−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系、Sm
−Fe−Ti系等をなどを挙げることができ、これらと
の硬磁性材料、軟磁性材料とのナノ複合磁石材料を挙げ
ることができる。ナノ複合磁石材料としては、Nd4
802 0/Fe3B−Fe、Sm7Fe93x/αFe、
Nd4.5Fe73Co3GaB18.5/Fe3B−Fe、Sm8
Zr3Fe85Co4x/αFe、Nd3.5DyFe73Co
3GaB18.5/Fe3B−Fe、Nd9.7Fe84Mo7.8
αFe、Nd5.5Fe66Cr5Co518.5/Fe3B−α
Fe、Nd7.2Fe85Mo7.8x/Fe85Mo7.8x
Nd3.5Fe91Nb23.5/Fe、Sm11.67Co58.33
Fe30/αFe、Nd9Fe856/αFe、SmCo10
/Co、Nd8Fe866/αFe、Nd7.5Fe875.5
/αFe、Nd7Fe894/アモルファスαFe及びア
ルニコ等の粉末が挙げられる。
【0036】異方性希土類磁性粉末としては、異方性S
m−Fe−N系磁性粉末、SmCo5(1−5系)、S
2(Co,Fe,Zr,V)17(2−17系) などの
異方性Sm−Co系磁性粉末、Nd2Fe14B、Nd
2(Fe,Co)14B、(Nd,Dy)2Fe14B など
の異方性Nd−Fe−B系磁性粉末、Nd−Fe−Ti
−N系磁性粉末、Nd−Fe−V−N系磁性粉末などが
挙げられ、これらの構成元素の一部を他の元素で置換し
た系の磁性粉末、又は上記した系の磁性粉末を2種以上
混合した系の異方性希土類磁性粉末などが使用できる。
【0037】本発明では異方性希土類磁性粉末には異方
性Sm−Fe−N系磁性粉末を使用することが好まし
い。異方性Sm−Fe−N系磁性粉末は、保磁力の発現
機構がニュークリェーション型であり、粒子径を2〜3
μmの単磁区粒子径として使用される。このため成形加
工性に優れる。また特に原料粉末の粒度特性、製造条件
などを精度良く制御し、粉砕を前提としない製造方法で
作製された異方性Sm−Fe−N系磁性粉末は、微小粒
子、粗大粒子を含まずほぼ球状である。このため磁場配
向性に優れるので、本発明に好ましく使用できる。異方
性Sm−Fe−N系磁性粉末は、一般式RXFe100-x-y
y(Rは少なくとも一種の希土類金属、xは3〜30
原子%、yは5〜15原子%)で表される。
【0038】希土類金属としてはSmを必ず含有するこ
とが好ましく、Smを含有すると磁気異方性、飽和磁化
が大きくなり、永久磁石材料として優れた磁気特性が得
られる。さらにSm9.1Fe77.313.6 で表される組成
のSm−Fe−N系磁性粉末が最も好ましく、優れた磁
気特性が得られる。また強磁性粉末の平均粒子径は2.
0〜3.5μmが好ましい。このとき磁場配向性に優
れ、かつ成形性に優れ、外径が3mm以下であっても優
れた成形精度、加工性、磁気特性が実現できる。
【0039】本発明の樹脂磁石を構成する結合樹脂は、
強磁性粉末と混練し、所定の形状に成形できる結合樹脂
であれば使用でき、ゴム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂
が挙げられる。例えば合成ゴムとして、スチレンブタジ
エンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、シリコーン
ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが使
用できる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、塩素化ポリエチレ
ン、ポリスチレンなどのポリオレフィン系樹脂、塩化ビ
ニル、ポリ酢酸ビニルなどのビニル系樹脂、スチレン系
樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、エチ
レン酢酸ビニル共重合体などが使用可能である。また熱
可塑性エラストマーも使用できる。熱可塑性エラストマ
ーはハードセグメントとソフトセグメントとのブロック
共重合体であり、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリビ
ニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリウレタン、ポリエチレン酢酸ビニル共重合
体などの熱可塑性を有するセグメントを少なくとも1種
構成単位とした熱可塑性エラストマーが使用できる。更
に熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂などが使用でき
る。上記以外の結合樹脂であっても、所定の形状の樹脂
磁石を作製できる材料であれば使用可能である。また2
種以上の結合樹脂を適宜混合してもよい。このように結
合樹脂は成形方法、用途、使用条件に応じて選択でき
る。
【0040】本発明では、まず上記した方法で表面処理
した磁性粉末と結合樹脂とを所定の配合比で調合し、ミ
キサー、混練機を用いて混合、混練した組成物をペレッ
トとする。この配合比は、使用する強磁性粉末と結合樹
脂の種類、作製条件などにもよるが、形成する樹脂磁石
に対する強磁性粉末の割合が40体積%以上となること
が好ましい。これにより磁束密度の高い樹脂磁石を作製
できる。また成形加工性や、成形品の諸特性を改善する
ために、滑剤、可塑剤、酸化防止剤などの添加剤を目的
に応じて適宜使用することが好ましい。
【0041】本発明の樹脂磁石の成形は、強磁性粉末と
結合樹脂とを所定の配合比で混合した後に、溶融させて
射出成形装置に装着した金型内に配向磁場で射出し、十
分可塑化している状態で成形、配向、固化させて配向し
た成形体を得る。次いで、金型および金型内の成形体に
対して脱磁用磁場を印加して金型、および樹脂磁石の成
形体の脱磁処理を行った後に、樹脂磁石の成形体を取り
出した後に所定の強度の異方性磁場を印加して異方性樹
脂磁石を得ることができる。
【0042】以下に、本発明の樹脂磁石を用いたモータ
について説明する。図5は、コアレスモータの一例を説
明する斜視図である。コアレスモータ31は、モータハ
ウジング32内部に樹脂磁石33がモータフランジ34
に固定されており、コアレスの回転コイル35が回転軸
36に結合され、回転コイル35には端板37に結合し
たブラシ38から給電され、モータハウジング32に、
端板37およびモータフランジが一体に結合されてい
る。本発明の樹脂磁石は小径のものが得られるので、従
来にない小径のものを得ることができる。
【0043】特に、本発明の樹脂磁石は、表面に表面処
理層を形成する必要が不要であるので、直径が3mm以
下の径の小さなものの場合にも、希土類焼結磁石に必要
な実質的なめっき層等の表面処理層を有さないので、実
質的な表面磁束が焼結磁石に比べて大きなものとするこ
とができるので、径が小さな樹脂磁石であっても表面磁
束が低下することがない磁石を得ることができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例、比較例を示し本発明を説明す
る。 実施例1および比較例1 (強磁性粉末材料の調製)フィッシャー径が3μm、B
ET値が1.4m2/g の異方性SmFeN系強磁性粉
末(日亜化学工業製Sm:Fe:N=2:17:3)を
アミノ系シランカップリング剤で表面処理した。 (樹脂磁石の調製)表面処理を行った強磁性粉末材料9
0重量部に対して、結合樹脂としてポリイミド−12を
10重量部をヘンシェルミキサーで均一に混合して混合
物を形成した。混合物を二軸連続押出機にて220℃で
混練し、ストランドカッターを用いて結合樹脂中に強磁
性粉末を分散した組成物のペレットを作製した。射出成
形機に非磁性のステンレス鋼のコアピンを用いた金型を
設置し、更に図3の配向装置を配置した。ペレットをこ
の射出成形機にて加熱温度230℃、配向磁界716k
A/mで磁場成形し、外径及び長さが異なる種々の樹脂
磁石の成形体を作製し、成形装置から脱磁後に樹脂磁石
を取り出した後に着磁を行った。
【0045】(組成物の磁気特性の測定)得られたペレ
ットを原料にして、軸方向に磁場配向した直径10m
m、高さ7mmの円柱状の測定用基準品の樹脂磁石を成
形した。次に脱磁し着磁後、BHトレーサ(理研電子、
BHU−6020)で減磁曲線を測定した。残留磁束密
度(Br)は0.74T、保磁力(bHc)は796k
A/m、成形密度は4.759/cm3 であった。
【0046】(表面磁束密度)ガウスメータの測定部を
樹脂磁石の磁極が発生している円筒の側面にあてて、回
転角度と表面磁束密度との関係をガウスメーターにて測
定した。表面磁束密度を回転角度でプロットすることで
表面磁束密度曲線が得られた。表面磁束密度曲線を3次
までのフーリエ級数に相当する正弦波近似曲線A(si
nθ+bsin3θ)にて近似した。本発明の樹脂磁石
は、−0.25≦b<0であり、正弦波よりも頂点が鋭
角であった。また、測定した表面磁束密度曲線の最大値
を最大磁束とし、最大磁束と外径との関係を求め図6に
示した。さらに、試料17、23について、表面磁束密
度と回転角の関係を、正弦波形とともに図7に示す。各
試料の正弦波近似曲線A(sinθ+bsin3θ)で
の係数は表1のとおりであった。
【0047】
【表1】
【0048】また、測定した各試料について最大磁束密
度と、配向用磁石の高さと内径との比、傾斜角度、横幅
と外径との比、外径との関係について表2に示すととも
に、図8ないし11に示した。
【0049】比較例2 焼結磁石作製用組成物(住友特殊金属製 NEOMAX
−35H、残留磁束密度(Br):1.2T、保磁力
(bHc):915kA/m)を原料として、種々の大
きさの焼結磁石を作製し、表面に厚さ30μmのめっき
層を設けて実施例1と同様に表面磁束を測定し、最高表
面磁束を直径に対して図6に示すとともに表2に示し
た。
【0050】
【表2】 配向用磁石 樹脂磁石 試料 θ L横幅 A高さ L/Dl L/D2 A/D1 外径D2 内径D1 最大表面磁束番号(°) (mm) (mm) (mm) (mm) (T) 1 5 1.5 5 3.00 1.50 10.00 1.0 0.5 0.2005 2 15 3 5 6.00 3.00 10.00 1.0 0.5 0.1809 3 15 0.9 5 1.80 0.60 10.00 1.5 0.5 0.2135 4 15 1.2 5 2.40 0.80 10.00 1.5 0.5 0.2130 5 15 3 1 6.00 2.00 2.00 1.5 0.5 0.2103 6 15 3 5 6.00 2.00 10.00 1.5 0.5 0.2129 7 15 3 10 6.00 2.00 20.00 1.5 0.5 0.2003 8 15 5 5 10.00 3.33 10.00 1.5 0.5 0.2031 9 5 1.5 10 1.36 1.00 9.09 1.5 1.1 0.2123 10 15 3 10 2.73 2.00 9.09 1.5 1.1 0.2119 11 30 3 5 2.73 2.00 4.55 1.5 1.1 0.2120 12 45 1.5 10 1.36 1.00 9.09 1.5 1.1 0.2110 13 60 1.5 10 1.36 1.00 9.09 1.5 1.1 0.2004 14 5 1.5 10 1.36 0.75 9.09 2.0 1.1 0.2208 15 15 3 1 2.73 1.50 0.91 2.0 1.1 0.2155 16 15 3 5 2.73 1.50 4.55 2.0 1.1 0.2174 17 15 3 10 2.73 1.50 9.09 2.0 1.1 0.2187 18 5 1.5 10 1.36 0.60 9.09 2.5 1.1 0.2318 19 15 3 10 2.73 1.20 9.09 2.5 1.1 0.2315 20 30 3 5 2.73 1.20 4.55 2.5 1.1 0.2312 21 45 1.5 10 1.36 0.60 9.09 2.5 1.1 0.2300 22 60 1.5 10 1.36 0.60 9.09 2.5 1.1 0.2207 23 5 1.5 10 1.36 0.50 9.09 3.0 1.1 0.2377 24 15 3 10 2.73 1.00 9.09 3.0 1.1 0.2375 25 5 1.5 10 1.00 0.43 6.67 3.5 1.5 0.2498 26 15 3 10 2.00 0.86 6.67 3.5 1.5 0.2494 27 5 1.5 10 0.50 0.38 3.33 4.0 3.0 0.2590 28 15 0.9 5 0.30 0.23 1.67 4.0 3.0 0.2449 29 15 1.2 5 0.40 0.30 1.67 4.0 3.0 0.2533 30 15 3 1 1.00 0.75 0.33 4.0 3.0 0.2541 31 15 3 5 1.00 0.75 1.67 4.0 3.0 0.2570 32 15 3 10 1.00 0.75 3.33 4.0 3.0 0.2585 33 15 5 5 1.67 1.25 1.67 4.0 3.0 0.2561 34 焼結 1.0 0.1489 35 焼結 1.5 0.1656 36 焼結 2.0 0.1783 37 焼結 2.5 0.1995 38 焼結 3.0 0.2462 39 焼結 3.5 0.3014 40 焼結 4.0 0.3991
【0051】
【発明の効果】本発明の異方性樹脂磁石は、小径で強度
が大きなものであり、モータに使用した場合には、焼結
体磁石よりも実質的に表面磁束を大きくすることが可能
であり、直径5mm以下の小型の強力なモータを提供す
ることができる。また、本発明の異方性樹脂磁石は、強
磁性粉末と結合樹脂を含む組成物の注入口を樹脂磁石の
端面であって異方性磁化の方向と特定の位置に配置した
ので、異方性磁化の方向が測定器等を使用することなく
容易に認識することができるので、所定の方向の異方性
磁化を有した磁石使用機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の樹脂磁石の一実施例を説明す
る図である。
【図2】図2は、本発明の樹脂磁石の表面磁束の大きさ
について説明する図である。
【図3】図3は、本発明の配向用の磁石の配置を説明す
る図である。
【図4】図4は、本発明の磁場配向用手段が電磁石のヨ
ークである場合について説明する図である。
【図5】図5は、コアレスモータの一例を説明する斜視
図である。
【図6】図6は、本発明の樹脂磁石と焼結体磁石の直径
に対する最大表面磁束密度の関係を説明する図である。
【図7】図7は、表面磁束密度と回転角の関係を説明す
る図である。
【図8】図8は、配向時に装着する非磁性体の径に対す
る配向用磁石の高さの比に対する樹脂磁石の最大表面磁
束密度の関係を説明する図である。
【図9】図9は、配向用磁石の傾斜角度に対する樹脂磁
石の最大表面磁束密度の関係を説明する図である。
【図10】図10は、配向時に装着する非磁性体の径に
対する樹脂磁石の上底の長さの比に対する最大表面磁束
密度の関係を説明する図である。
【図11】図11は、樹脂磁石の径に対する配向時に装
着する非磁性体の外径に対する最大表面磁束密度の関係
を説明する図である。
【図12】図12は、残留磁束密度に対するモータ回転
数の関係を説明する図である。
【符号の説明】
1…樹脂磁石、2…異方性磁化、3…注入口跡、10…
正弦波形、20…成形型、21…非磁性体、22…中心
軸、23…配向用磁石、23A…配向磁場付与ヨーク、
23B…配向用磁場発生用電磁石、23C…電源、24
…上底面、25…下底面、26…注入口、31…コアレ
スモータ、32…モータハウジング、33…樹脂磁石、
34…モータフランジ、35…回転コイル、36…回転
軸、37…端板、38…ブラシ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性粉末を結合樹脂で結合した樹脂磁
    石において、外径が3mm以下の円筒状の形状であり、
    軸と直角方向の一方向の異方性磁化を有するとともに、
    外径10mm、高さ7mmで軸方向に配向した測定用樹
    脂磁石の残留磁束密度(Br)が0.7T以上であるこ
    とを特徴とする樹脂磁石。
  2. 【請求項2】 軸に垂直な面での表面磁束が回転角度に
    対して正弦波よりも頂点が鋭角であることを特徴とする
    請求項1記載の樹脂磁石。
  3. 【請求項3】 成形型への強磁性粉末と結合樹脂を含有
    する組成物を注入する注入口によって形成される注入口
    跡が、樹脂磁石の軸を通る磁化方向面と樹脂磁石の端面
    とが交わる点、もしくは該磁化方向面と直角の位置にあ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂磁石。
  4. 【請求項4】 強磁性粉末は、少なくともSm−Fe−
    N系磁性粉末を含有することを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の樹脂磁石。
  5. 【請求項5】 樹脂磁石の製造方法において、成形型内
    の成形空間に強磁性粉末と結合樹脂との組成物を注入す
    る注入口の位置を、成形される樹脂磁石の軸を通過する
    磁化方向面と成形される樹脂磁石の端面とが交わる点、
    もしくは該磁化方向面と直角の位置の成形型内の成形空
    間の壁面に設けて磁場配向状態で成形することを特徴と
    する樹脂磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂磁石の製造方法において、成形型内
    に非磁性体からなる円柱もしくは円筒を配置して成形型
    内に結合樹脂と強磁性粉末を含有する組成物を充填して
    磁場成形を行なう際に、非磁性円柱もしくは円筒の軸で
    ある中心軸に垂直な断面が上底の長さL、高さAの台形
    であって、上底が中心軸に面するととともに中心軸に対
    称な四角柱であり、上底面と下底面とを結ぶ面が上底面
    に垂直な面とがなす傾斜面の角度θが5°ないし45°
    であり、上底の長さLは、非磁性円柱の直径D1の1/
    3以上であって成形する樹脂磁石の外径D2の2倍以下
    であり、高さAは非磁性体の直径D1の1/3以上、1
    0倍以下である配向磁場付与手段を用いて配向磁場を与
    えることを特徴とする樹脂磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 配向磁場付与手段が永久磁石であること
    を特徴とする請求項6記載の樹脂磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 配向磁場付与手段とその背後のコイルに
    よる配向磁場発生手段とを一体に結合した電磁石のヨー
    クからなることを特徴とする請求項6記載の樹脂磁石の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂磁石の製造方法において、成形型内
    の成形空間に強磁性粉末と結合樹脂との組成物を注入す
    る注入口の位置を、成形される樹脂磁石の軸を通過する
    磁化方向面と成形される樹脂磁石の端面とが交わる点、
    もしくは該磁化方向面と直角の位置の成形型内の成形空
    間の壁面に設けて磁場配向状態で成形することを特徴と
    する請求項6ないし8のいずれか1項に記載の樹脂磁石
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし4に記載の樹脂磁石か
    らなる永久磁石とそれに対向するコイルからなることを
    特徴とするモータ。
  11. 【請求項11】 樹脂磁石と対向するコイルとの空隙が
    0.2mm以下であることを特徴とする請求項10記載
    のモータ。
  12. 【請求項12】 コアレスモータであることを特徴とす
    る請求項10または11記載のモータ。
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