JP2003257221A - 車両用前照灯 - Google Patents

車両用前照灯

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JP2003257221A
JP2003257221A JP2002056763A JP2002056763A JP2003257221A JP 2003257221 A JP2003257221 A JP 2003257221A JP 2002056763 A JP2002056763 A JP 2002056763A JP 2002056763 A JP2002056763 A JP 2002056763A JP 2003257221 A JP2003257221 A JP 2003257221A
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optical axis
lamp
reflecting
light source
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Takeshi Horiba
健 堀場
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Koito Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シェードを備えた車両用前照灯において、リ
フレクタの反射面における灯具光軸の側方領域が複数の
反射素子で構成されている場合であっても、反射光の利
用効率を向上させるとともに、車両前方路面に光ムラを
形成したり対向車ドライバにグレアを与えてしまうおそ
れを最小限に抑える。 【解決手段】 リフレクタ26の反射面26aにおけ
る、光軸Ax2の左側の側方領域A1を構成する複数の
反射素子26sにより、放電バルブ28からの光を左右
方向に拡散偏向反射させる。側方領域A1において光軸
Ax2に最も近い反射素子26s1の水平断面形状は、
その光軸Ax2寄りの部位s1Aが凹で反光軸寄りの部
位s1Bが凸の波形曲線で構成する。これにより反射素
子26s1における最も光軸Ax2寄りの部位で反射し
た光を光軸Ax2とは反対側へ向かわせ、該反射素子2
6s1からの反射光がシェード30によって遮蔽されて
しまうのを効果的に抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、シェードを備え
た車両用前照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の車両用前照灯においては、リフレ
クタの反射面の全領域または一部領域を複数の反射素子
で構成することにより、光源バルブからの光を前方へ拡
散偏向反射させるように構成されたものが多い。また、
車両用前照灯においては、光源バルブの前方に、光源バ
ルブから前方へ向かう直射光を遮蔽するシェードが配置
されることが多い。
【0003】なお本願明細書において、「拡散偏向反射
させる」とは、反射光が拡散するように反射させる態
様、反射光が偏向するように反射させる態様、反射光が
偏向しつつ拡散するように反射させる態様、のいずれか
であることを意味するものとする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなシェードを
備えた車両用前照灯において、反射面における灯具光軸
の側方領域が複数の反射素子で構成されている場合に
は、次のような問題がある。
【0005】すなわち、灯具光軸の側方領域を構成する
各反射素子は、光源バルブからの光を左右方向に拡散偏
向反射させるように構成されることが多いが、これら各
反射素子は、該反射素子の曲面形状を形成する際の加工
容易性等の観点から、その水平断面形状が凸曲線で構成
されるのが一般的である。
【0006】その際、図5に示すように、リフレクタ2
の反射面2aにおける灯具光軸Ax´の側方領域A1´
を構成する複数の反射素子2sのうち、灯具光軸に最も
近い反射素子2s1についても、その水平断面形状が凸
曲線で構成されているので、該反射素子2s1からの反
射光は左右方向に広がる発散光となる。このため、この
反射素子2s1の灯具光軸Ax´寄りの部位で反射した
光は灯具光軸Ax´側に広がり、その一部はシェード4
によって遮蔽されて灯具前方には照射されなくなってし
まう。
【0007】そして、このように反射素子2s1からの
反射光の一部がシェード4によって遮蔽されることによ
り、その分だけ反射光の利用効率が低下してしまう、と
いう問題がある。特に、この反射素子2s1は、灯具光
軸Ax´に最も近い位置にあり、その反射光束はかなり
大きなものとなるので、その一部を損失するだけでも反
射光利用効率が大幅に低下してしまう。
【0008】また、図6(a)に示すように、反射素子
2s1からの反射光によって形成される配光パターンP
a´は、該反射素子2s1からの反射光の一部がシェー
ド4によって遮蔽されるため、その水平方向の光度分布
が、同図(b)に示すように、途中で急激に変化するこ
ととなり、これにより車両前方路面に光ムラを形成して
しまう、という問題がある。なお、仮に反射素子2s1
からの反射光の一部がシェード4によって遮蔽されない
とした場合には、配光パターンPa´およびその水平方
向の光度分布は、同図(a)、(b)において破線で示
すようになる。また、同図(a)において2点鎖線で示
す配光パターンP(L)´は、一般的なロービーム配光
パターンである。
【0009】さらに、図5に示すように、反射素子2s
1からの反射光の一部がシェード4の表面で反射して迷
光として前方へ照射されるため、これにより車両前方路
面に光ムラを形成したり対向車ドライバにグレアを与え
てしまうおそれがある。
【0010】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、シェードを備えた車両用前照灯にお
いて、リフレクタの反射面における灯具光軸の側方領域
が複数の反射素子で構成されている場合であっても、反
射光の利用効率を向上させることができるとともに、車
両前方路面に光ムラを形成したり対向車ドライバにグレ
アを与えてしまうおそれを最小限に抑えることができる
車両用前照灯を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明は、灯具光軸に
最も近い反射素子の水平断面形状に工夫を施すことによ
り、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0012】すなわち、本願発明に係る車両用前照灯
は、灯具光軸上に配置された光源バルブと、この光源バ
ルブからの光を前方へ反射させるリフレクタと、上記光
源バルブの前方に配置され、該光源バルブから前方へ向
かう直射光を遮蔽するシェードと、を備えてなる車両用
前照灯において、上記リフレクタの反射面における少な
くとも上記灯具光軸の左右いずれか一方の側方領域が、
所定の回転放物面を基準面とする複数の反射素子で構成
されており、上記側方領域を構成する複数の反射素子の
うち上記灯具光軸に最も近い反射素子が、上記光源バル
ブからの光を左右方向に拡散反射させるように構成され
るとともに、この反射素子の水平断面形状が、該反射素
子における灯具光軸寄りの部位が凹で反灯具光軸寄りの
部位が凸の波形曲線で構成されている、ことを特徴とす
るものである。
【0013】上記「光源バルブ」は、灯具光軸上に配置
されたものであれば、その種類は特に限定されるもので
はなく、例えば、各種のハロゲンバルブや放電バルブ等
が採用可能である。
【0014】上記「シェード」は、光源バルブから前方
へ向かう直射光を遮蔽するものであれば、その形状、大
きさ等の具体的構成は特に限定されるものではなく、光
源バルブから前方へ向かう直射光のみを遮蔽するように
構成されたものであってもよいし、前方へ向かう直射光
だけでなくリフレクタの反射面の周辺領域へ入射する光
をも遮蔽するように構成されたものであってもよい。
【0015】上記「側方領域」とは、反射面において、
灯具光軸を含む平面と交差または接触する反射領域を意
味するものである。
【0016】上記反射面における「側方領域」以外の反
射領域については、その具体的構成は特に限定されるも
のではない。
【0017】上記「凹」、「凸」とは、平面に対して
凹、凸ではなく、上記基準面(所定の回転放物面)に対
して凹、凸であることを意味するものである。
【0018】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に
係る車両用前照灯は、リフレクタにより光源バルブから
の光を前方へ反射させるとともに、光源バルブの前方に
配置されたシェードにより光源バルブから前方へ向かう
直射光を遮蔽するように構成されているが、リフレクタ
の反射面における少なくとも灯具光軸の左右いずれか一
方の側方領域が複数の反射素子で構成されており、これ
ら複数の反射素子のうち灯具光軸に最も近い反射素子
が、光源バルブからの光を左右方向に拡散反射させるよ
うに構成されるとともに、その水平断面形状が該反射素
子における灯具光軸寄りの部位が凹で反灯具光軸寄りの
部位が凸の波形曲線で構成されているので、次のような
作用効果を得ることができる。
【0019】すなわち、灯具光軸に最も近い反射素子に
おける灯具光軸寄りの部位は、その水平断面形状が凹曲
線で構成されているので、該部位からの反射光は左右方
向に関しては収束光となる。したがって、この反射素子
における最も灯具光軸寄りの部位で反射した光について
は、これを灯具光軸とは反対側へ向かわせることがで
き、これにより該反射素子からの反射光がシェードによ
って遮蔽されてしまうのを効果的に抑制することができ
る。
【0020】したがって、従来のように灯具光軸に最も
近い反射素子の水平断面形状が凸曲線で構成されている
場合に比して、反射光の利用効率を高めることができ
る。特に、この反射素子は、灯具光軸に最も近い位置に
あり、その反射光束はかなり大きなものとなるので、反
射光利用効率を大幅に高めることができる。
【0021】また、灯具光軸に最も近い反射素子からの
反射光がシェードによってほどんど遮蔽されなくなるこ
とにより、該反射素子からの反射光によって形成される
配光パターンの水平方向の光度分布が途中で急激に変化
することもなくなる。したがって、この配光パターンに
よって車両前方路面に光ムラを形成してしまうのを未然
に防止することができる。
【0022】さらに、灯具光軸に最も近い反射素子から
の反射光がシェードの表面で反射して上方散乱光等の迷
光として前方へ照射されてしまうこともほとんどなくな
るので、車両前方路面に光ムラを形成したり対向車ドラ
イバにグレアを与えてしまうおそれをなくすことができ
る。
【0023】したがって本願発明によれば、シェードを
備えた車両用前照灯において、リフレクタの反射面にお
ける灯具光軸の側方領域が複数の反射素子で構成されて
いる場合であっても、反射光の利用効率を向上させるこ
とができるとともに、車両前方路面に光ムラを形成した
り対向車ドライバにグレアを与えてしまうおそれを最小
限に抑えることができる。
【0024】上記構成において、反射面における灯具光
軸の側方領域が、該側方領域からの反射光によりロービ
ーム配光パターンの水平カットオフラインを形成する反
射領域として設定されている場合には、次のような作用
効果を得ることができる。
【0025】すなわち、側方領域を構成する各反射素子
からの反射光により形成される配光パターンは、その灯
具光軸に最も近い反射素子からの反射光により形成され
る配光パターンが最も大きい配光パターンとなり、車両
前方路面に光溜まりを形成しやすくなる。このため、ロ
ービーム配光パターンの水平カットオフラインを形成す
る際には、灯具光軸に最も近い反射素子による反射光の
左右拡散角度が最も大きい値に設定されるのが普通であ
る。
【0026】このように反射光の左右拡散角度が大きく
なると、従来のように灯具光軸に最も近い反射素子の水
平断面形状が凸曲線である場合には、該反射素子からの
反射光のうちシェードによって遮蔽されてしまう反射光
の割合が一層大きくなるので、該反射素子の水平断面形
状を本願発明のような波形曲線で構成することが特に効
果的である。
【0027】また、灯具光軸に関して上記側方領域の反
対側に位置する第2の側方領域が、該第2の側方領域か
らの反射光によりロービーム配光パターンの斜めカット
オフラインを形成する反射領域として設定されている場
合には、該第2の側方領域を構成する各反射素子の拡散
偏向反射方向は斜めカットオフラインに沿った斜め方向
になるので、その灯具光軸に最も近い反射素子の斜め方
向拡散角度を大きく設定すると、車両前方路面に光ムラ
を形成しやすくなってしまう。
【0028】そこで、この灯具光軸に最も近い反射素子
については、光源バルブからの光を斜め方向ではなく左
右方向に拡散反射させるように構成するとともに、その
水平断面形状を該反射素子における灯具光軸寄りの部位
が凹で反灯具光軸寄りの部位が凸の波形曲線で構成すれ
ば、この反射素子にも、上記側方領域における灯具光軸
に最も近い反射素子と同様な機能を発揮させることがで
きる。
【0029】上記「光源バルブ」の種類が特に限定され
ないことは上述したとおりであるが、これが放電バルブ
である場合には、その光源光束が非常に大きなものとな
るので、車両前方路面への光ムラ形成抑制効果および対
向車ドライバに対するグレア抑制効果が得られる本願発
明の構成を採用することが特に効果的である。
【0030】なお、上記「シェード」の具体的構成が特
に限定されないことも上述したとおりであるが、該シェ
ードの内面に反射面を形成し、該反射面により光源バル
ブからの直射光をリフレクタの反射面へ向けて反射さ
せ、これを灯具配光用として利用するように構成された
特殊なシェードも知られている。このようなシェードを
用いた場合、光源バルブから直接シェードの内面に入射
した光については該シェードの反射面により適切に反射
制御することが可能であるが、光源バルブから一旦リフ
レクタの反射面に入射し、該反射面からの反射光として
シェードの内面に入射した光については該シェードの反
射面により適切に反射制御することはできず、グレア光
等を発生させてしまうおそれがある。その際、本願発明
のように、灯具光軸に最も近い反射素子の水平断面形状
を上記波形曲線に設定し、該反射素子からの反射光をシ
ェードの内面に極力入射させないようにすれば、グレア
光等の発生を効果的に抑制することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の
実施の形態について説明する。
【0032】図1は、本願発明の一実施形態に係る車両
用前照灯を示す平断面図である。
【0033】図示のように、本実施形態に係る車両用前
照灯10は、車両前端部に設けられる左右1対の4灯式
前照灯のうち、左側に位置する灯具である。なお、右側
に位置する灯具も同様の構成である。
【0034】この車両用前照灯10は、素通し状の透光
カバー12とランプボディ14とで形成される灯室内
に、左右方向に隣接配置されたハイビーム用灯具ユニッ
ト16とロービーム用灯具ユニット18とが、1つの傾
動ユニット20として上下および左右方向に傾動可能に
設けられてなっている。そして、この車両用前照灯10
は、ロービーム用灯具ユニット18の点灯によりロービ
ーム照射を行うとともに、両灯具ユニット16、18の
同時点灯によりハイビーム照射を行うようになってい
る。
【0035】ハイビーム用灯具ユニット16は、車両前
後方向に延びる光軸Ax1を有するパラボラ型のリフレ
クタ22と、単一のフィラメント24aを有するハロゲ
ンバルブ24とを備えてなっている。
【0036】ハロゲンバルブ24は、そのフィラメント
24aを光軸Ax1上に位置させるようにしてリフレク
タ22に支持されている。リフレクタ22は、光軸Ax
1を中心軸とする回転放物面上に複数の反射素子22s
が形成されてなる反射面22aを有しており、フィラメ
ント24aからの光を前方へ向けて左右方向に拡散反射
させるようになっている。
【0037】一方、ロービーム用灯具ユニット18は、
車両前後方向に延びる光軸Ax2(灯具光軸)を有する
パラボラ型のリフレクタ26と、放電発光部28a(光
源)を有する放電バルブ28(光源バルブ)と、シェー
ド30とを備えてなっている。
【0038】放電バルブ28は、その放電発光部28a
を光軸Ax2上に位置させるようにして、バルブ支持部
材38を介してリフレクタ26に支持されている。リフ
レクタ26は、光軸Ax2を中心軸とするとともに放電
発光部28aの中心位置を焦点とする回転放物面P(図
3参照)上に複数の反射素子26sが形成されてなる反
射面26aを有しており、放電発光部28aからの光を
前方へ向けて拡散偏向反射させるようになっている。シ
ェード30は、放電バルブ28の前方に配置され、その
放電発光部28aから前方へ向かう直射光を遮蔽するよ
うになっている。このシェード30は、リフレクタ26
に支持されている。
【0039】ハイビーム用灯具ユニット16のリフレク
タ22とロービーム用灯具ユニット18のリフレクタ2
6とは、傾動ユニットパネル20aを介して一体的に形
成されており、これにより上記傾動ユニット20を構成
している。この傾動ユニット20は、その左右上端部に
おいてエイミング機構32、34を介してランプボディ
14に支持されるとともに、その中央下端部においてレ
ベリング機構36を介してランプボディ14に支持され
ている。
【0040】図4は、本実施形態に係る車両用前照灯1
0からのビーム照射により灯具前方25mの位置に配置
された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターン
を透視的に示す図である。
【0041】車両用前照灯10は、ロービーム照射時に
は、ロービーム用灯具ユニット18からのビーム照射に
より、同図(a)に示すような左配光のロービーム配光
パターンP(L)を形成する一方、ハイビーム照射時に
は、両灯具ユニット16、18からのビーム照射によ
り、同図(b)に示すような上記ロービーム配光パター
ンP(L)にハイビーム配光パターンP(H)を重畳さ
せた配光パターンを形成するようになっている。
【0042】ロービーム配光パターンP(L)は、その
上端縁に水平カットオフラインCL1および斜めカット
オフラインCL2からなるカットオフラインを有してい
る。水平カットオフラインCL1は、灯具正面方向(H
−V)に対して対向車線側に形成されており、一方、斜
めカットオフラインCL2は、水平カットオフラインC
L1から自車線側に斜めに立ち上がる(例えば15°で
立ち上がる)ように形成されている。
【0043】図2は、ロービーム用灯具ユニット18を
詳細に示す、図1のII方向矢視詳細図であり、図3は、
図2のIII-III 線断面詳細図である。
【0044】これらの図に示すように、リフレクタ26
の反射面26aを構成する複数の反射素子26sのう
ち、光軸Ax2の左側の側方領域A1を構成する複数の
反射素子26sは、ロービーム配光パターンP(L)の
水平カットオフラインCL1を形成する反射領域であ
り、一方、光軸Ax2の右側の側方領域A2(第2の側
方領域)を構成する複数の反射素子26sは、ロービー
ム配光パターンP(L)の斜めカットオフラインCL2
を形成する反射領域である。
【0045】側方領域A1を構成する各反射素子26s
は、いずれも放電発光部28aからの光を左右方向に拡
散偏向反射させるように構成されている。その際、側方
領域A1を構成する各反射素子26sの大半は、その水
平断面形状が凸曲線で構成されているが、光軸Ax2に
最も近い反射素子26s1の水平断面形状は、該反射素
子26s1における光軸Ax2寄りの部位s1Aが凹で
反光軸Ax2寄りの部位s1Bが凸の波形曲線で構成さ
れている。そして、この反射素子26s1からの反射光
は、図4(a)に2点鎖線で示すように、水平カットオ
フラインCL1に沿った配光パターンPaを形成するよ
うになっている。なお、光軸Ax2に最も近い位置にあ
る反射素子26s1は、側方領域A1を構成する各反射
素子26sのうち最も大きい配光パターンを形成する反
射素子であるので、その反射光の左右拡散角度も最も大
きい値に設定されている。
【0046】一方、側方領域A2を構成する複数の反射
素子26sのうち、光軸Ax2に最も近い反射素子26
s2以外の反射素子26sは、放電発光部28aからの
光を斜め方向(斜めカットオフラインCL2の斜め立上
がり方向)に拡散偏向反射させるように構成されてい
る。そして、これら各反射素子26sは、その斜め方向
に沿った断面形状が凸曲線で構成されている。これに対
し、反射素子26s2は、放電発光部28aからの光を
左右方向に拡散反射させるように構成されている。その
際、この反射素子26s2の水平断面形状は、該反射素
子26s2における光軸Ax2寄りの部位s2Aが凹で
反光軸寄りの部位s2Bが凸の波形曲線で構成されてい
る。そして、この反射素子26s2からの反射光は、図
4(a)に2点鎖線で示すように、斜めカットオフライ
ンCL2の下方近傍において左右方向に広がる配光パタ
ーンPbを形成するようになっている。
【0047】なお、反射面26aにおける側方領域A
1、A2以外の反射領域を構成する複数の反射素子26
sは、いずれもその水平断面形状が凸曲線で構成されて
いる。
【0048】次に、本実施形態の作用効果について説明
する。
【0049】本実施形態に係る車両用前照灯10は、リ
フレクタ26の反射面26aを構成する複数の反射素子
26sにより放電バルブ28からの光を前方へ拡散偏向
反射させるとともに、放電バルブ28の前方に配置され
たシェード30により放電バルブ28から前方へ向かう
直射光を遮蔽するように構成されているが、反射面26
aにおける光軸Ax2の左側の側方領域A1において光
軸Ax2に最も近い反射素子26s1は、放電バルブ2
8からの光を左右方向に拡散反射させるように構成され
るとともに、その水平断面形状が該反射素子26s1に
おける光軸Ax2寄りの部位s1Aが凹で反光軸寄りの
部位s1Bが凸の波形曲線で構成されているので、次の
ような作用効果を得ることができる。
【0050】すなわち、図3に示すように、反射素子2
6s1における光軸Ax2寄りの部位s1Aの水平断面
形状が凹曲線で構成されているので、該部位s1Aから
の反射光は左右方向に関しては収束光となる。したがっ
て、この反射素子26s1における最も光軸Ax2寄り
の部位で反射した光については、これを光軸Ax2とは
反対側へ向かわせることができ、これにより該反射素子
26s1からの反射光がシェード30によって遮蔽され
てしまうのを効果的に抑制することができる。
【0051】したがって、光軸Ax2に最も近い反射素
子26s1の水平断面形状が従来のように凸曲線で構成
された場合に比して、反射光の利用効率を高めることが
できる。特に、この反射素子26s1は、光軸Ax2に
最も近い位置にあり、その反射光束はかなり大きなもの
となるので、反射光利用効率を大幅に高めることができ
る。
【0052】また、反射素子26s1からの反射光がシ
ェード30によってほどんど遮蔽されなくなることによ
り、該反射素子26s1からの反射光によって形成され
る配光パターンPaの水平方向の光度分布が途中で急激
に変化することもなくなり、これにより車両前方路面に
光ムラを形成してしまうのを未然に防止することができ
る。
【0053】さらに、反射素子26s1からの反射光が
シェード30の表面で反射して上方散乱光等の迷光とし
て前方へ照射されてしまうこともほとんどなくなるの
で、車両前方路面に光ムラを形成したり対向車ドライバ
にグレアを与えてしまうおそれをなくすことができる。
【0054】特に本実施形態においては、側方領域A1
が、該側方領域A1からの反射光によりロービーム配光
パターンP(L)の水平カットオフラインCL1を形成
する反射領域として設定されており、この側方領域A1
において光軸Ax2に最も近い位置にある反射素子26
s1は、その反射光の左右拡散角度が該側方領域A1を
構成する複数の反射素子26sのうちで最も大きい値に
設定されているので、この反射素子26s1の水平断面
形状を本実施形態のような波形曲線で構成することが、
該反射素子26s1からの反射光がシェード30によっ
て遮蔽されないようにする上で一層効果的である。
【0055】また本実施形態においては、反射面26a
における光軸Ax2の右側の側方領域A2が、該側方領
域A2からの反射光によりロービーム配光パターンP
(L)の斜めカットオフラインCL2を形成する反射領
域として設定されており、この側方領域A2を構成する
大半の反射素子26sは、その拡散偏向方向が斜めカッ
トオフラインCL2に沿った斜め方向に設定されてい
る。しかしながら、この側方領域A2において光軸Ax
2に最も近い反射素子26s2については、放電バルブ
28からの光を斜め方向ではなく左右方向に拡散反射さ
せるように構成されるとともに、その水平断面形状が該
反射素子26s2における光軸Ax2寄りの部位が凹で
反光軸寄りの部位が凸の波形曲線で構成されているの
で、この反射素子26s2にも、側方領域A1の反射素
子26s1と同様な機能を発揮させることができる。
【0056】その際、本実施形態においては、反射素子
26s2からの反射光により、斜めカットオフラインC
L2の下方近傍に左右方向に広がる配光パターンPbを
形成するようになっているので、車両前方路面およびそ
の左側の路肩の視認性を高めることができる。なお、こ
の場合において、配光パターンPbが斜めカットオフラ
インCL2よりも上方へ突出してしまうようであれば、
反射素子26s2からの反射光の向きを適宜下向きに設
定するようにすればよい。
【0057】本実施形態においては、ロービーム用灯具
ユニット18の光源バルブが、非常に大きい光源光束を
有する放電バルブ28で構成されているので、車両前方
路面への光ムラ形成抑制効果および対向車ドライバに対
するグレア抑制効果が得られる本実施形態の構成を採用
することが特に効果的である。
【0058】しかも本実施形態においては、各反射素子
26s1、26s2に隣接するすべての反射素子26s
の水平断面形状が凸曲線で構成されているので、これら
各反射素子26s1、26s2の水平断面形状を本実施
形態のように波形曲線で構成することにより、仮にこれ
ら各反射素子26s1、26s2を凹曲線で構成した場
合に比して、反射素子相互間の段差を小さくすることが
できる。そしてこれにより、段差部分からの反射光が迷
光として灯具前方へ照射されてしまうおそれを最小限に
抑えることができる。
【0059】なお本実施形態においては、反射素子26
s1、26s2が、ロービーム専用のロービーム用灯具
ユニット18におけるリフレクタ26の反射面26aに
適用されている場合について説明したが、ロービーム用
灯具ユニット18の代わりに、ロービームおよびハイビ
ーム兼用の灯具ユニット、あるいはハイビーム専用の灯
具ユニット、さらにはフォグランプ等の灯具ユニットに
おけるリフレクタの反射面に適用した場合においても、
本実施形態と同様の構成を採用することにより本実施形
態と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示
す平断面図
【図2】上記車両用前照灯のロービーム用灯具ユニット
を詳細に示す、図1のII方向矢視詳細図
【図3】図2のIII-III 線断面詳細図
【図4】上記車両用前照灯からのビーム照射により灯具
前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に
形成される配光パターンを透視的に示す図
【図5】従来例を示す、図3と同様の図
【図6】上記従来例の作用を説明するための、配光パタ
ーンおよびその水平方向の光度分布を示す図
【符号の説明】
10 車両用前照灯 12 透明カバー 14 ランプボディ 16 ハイビーム用灯具ユニット 18 ロービーム用灯具ユニット 20 傾動ユニット 22、26 リフレクタ 22a、26a 反射面 22s、26s 反射素子 24 ハロゲンバルブ 24a フィラメント 26s1、26s2 灯具光軸に最も近い反射素子 28 放電バルブ(光源バルブ) 28a 放電発光部 30 シェード 32、34 エイミング機構 36 レベリング機構 38 バルブ支持部材 A1 側方領域 A2 側方領域(第2の側方領域) Ax1 光軸 Ax2 光軸(灯具光軸) CL1 水平カットオフライン CL2 斜めカットオフライン P 回転放物面 P(H) ハイビーム配光パターン P(L) ロービーム配光パターン Pa、Pb 配光パターン s1A、s2A 灯具光軸寄りの部位 s1B、s2B 反灯具光軸寄りの部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F21Y 101:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 灯具光軸上に配置された光源バルブと、
    この光源バルブからの光を前方へ反射させるリフレクタ
    と、上記光源バルブの前方に配置され、該光源バルブか
    ら前方へ向かう直射光を遮蔽するシェードと、を備えて
    なる車両用前照灯において、 上記リフレクタの反射面における少なくとも上記灯具光
    軸の左右いずれか一方の側方領域が、所定の回転放物面
    を基準面とする複数の反射素子で構成されており、 上記側方領域を構成する複数の反射素子のうち上記灯具
    光軸に最も近い反射素子が、上記光源バルブからの光を
    左右方向に拡散反射させるように構成されるとともに、
    この反射素子の水平断面形状が、該反射素子における灯
    具光軸寄りの部位が凹で反灯具光軸寄りの部位が凸の波
    形曲線で構成されている、ことを特徴とする車両用前照
    灯。
  2. 【請求項2】 上記側方領域が、該側方領域からの反射
    光によりロービーム配光パターンの水平カットオフライ
    ンを形成する反射領域として設定されている、ことを特
    徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
  3. 【請求項3】 上記灯具光軸に関して上記側方領域の反
    対側に位置する第2の側方領域が、該第2の側方領域か
    らの反射光によりロービーム配光パターンの斜めカット
    オフラインを形成する反射領域として設定されており、 上記第2の側方領域を構成する複数の反射素子のうち上
    記灯具光軸に最も近い反射素子が、上記光源バルブから
    の光を左右方向に拡散反射させるように構成されるとと
    もに、この反射素子の水平断面形状が、該反射素子にお
    ける灯具光軸寄りの部位が凹で反灯具光軸寄りの部位が
    凸の波形曲線で構成されている、ことを特徴とする請求
    項2記載の車両用前照灯。
  4. 【請求項4】 上記光源バルブが放電バルブである、こ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用前照
    灯。
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