JP2003255592A - 負帯電性トナー - Google Patents

負帯電性トナー

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JP2003255592A
JP2003255592A JP2002057124A JP2002057124A JP2003255592A JP 2003255592 A JP2003255592 A JP 2003255592A JP 2002057124 A JP2002057124 A JP 2002057124A JP 2002057124 A JP2002057124 A JP 2002057124A JP 2003255592 A JP2003255592 A JP 2003255592A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カブリトナーおよび逆転写トナーを可及的に少
なくして転写効率を向上し、更にトナーの中抜けやチリ
を防止する負帯電性トナーを提供する。 【解決手段】負帯電性トナー8は、疎水性の負帯電性シ
リカ15a,15bの仕事関数がトナー母粒子8a、ア
ルミナーシリカ複合酸化物微粒子13、および金属酸化
物微粒子14より小さいので、負帯電性シリカ15a,
15bがトナー母粒子8aに付着し、次いで負帯電性シ
リカ15a,15bに、仕事関数がこれらの負帯電性シ
リカ15a,15bより大きいアルミナーシリカ複合酸
化物微粒子13および金属酸化物微粒子14が接触する
形でトナー母粒子8aに付着している。アルミナーシリ
カ複合酸化物微粒子13と金属酸化物微粒子14を混合
使用することで、チリが防止され、かつ、線画像の中心
部におけるトナーの中抜けが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法等によ
り画像形成を行う画像形成装置に用いられ、この画像形
成装置の潜像担持体上の静電潜像を現像するための一成
分非磁性トナーの技術分野に属し、特に、トナー母粒子
に対して疎水性の外添剤が少なくとも添加されてなる一
成分非磁性トナーである負帯電性トナーの技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成装置に用いられるトナー
としては、一般的には二成分トナーが知られ、比較的安
定した現像を可能とするが、現像剤と磁性キャリアとの
混合比の変動が発生しやすく、その維持管理をする必要
がある。そのため、一成分非磁性トナーが開発されてい
る。この一成分非磁性トナーとしては、一成分磁性トナ
ーが開発されているものの、磁性材料の不透明性から鮮
明なカラー画像を得られないという問題がある。そこ
で、従来、カラートナーとして一成分非磁性トナーであ
る負帯電性トナーが開発されている。
【0003】ところで、画像形成装置に用いられるトナ
ーにおいては、帯電安定性、流動性、耐久安定性等を向
上させることを目的として、従来、トナー母粒子に外添
剤の微粒子を外添させる表面処理が行われている。
【0004】従来、トナー用の外添剤として、トナー母
粒子に負極性を付与する負帯電性を有する二酸化ケイ素
(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)および酸化
チタン(チタニア)を単独または複数種組み合わせて使
用することが知られている。この場合、それぞれの外添
剤はそれらの有する特徴を活かすために、単独よりも複
数種組み合わせて使用するのが一般的である。
【0005】しかし、このように複数種の外添剤を単に
組み合わせて使用したトナーであっても、次のような問
題がある。すなわち、 トナーに粒度分布がある関係で、トナーの帯電量分
布が存在し、負帯電性トナーであっても正帯電したトナ
ーが含有することは避けられなかった。その結果、特に
負帯電反転現像で作像する画像形成装置では、潜像担持
体(感光体)の非画像部にトナーが付着するため、実質
的なトナーの使用量が増えると同時に感光体のクリーニ
ング負荷が増大するという問題がある。 これに伴い、感光体や中間転写媒体の転写後の残留
トナーをクリーニングすることで回収されるクリーニン
グトナーを収容する大きな容器を別途設ける必要があ
る。しかも、トナー使用量が増える結果、消耗品のラン
ニングコストが高くなってしまう。 トナーの劣化防止のために、シリカを多量に添加し
てトナーの流動性を維持しようとすると、流動性は改善
されるが、定着性が低下してしまう。 シリカを増やすと、トナーの負帯電能力が高くなり
過ぎて印字画像濃度が低下するため、比較的低電気抵抗
のチタニアやアルミナを添加しているが、一般にチタニ
アやアルミナは一次粒子径が小さいため、印字枚数が増
えるとトナー母粒子中に埋没し、それらの効果が発揮で
きなくなってしまう。 良好なフルカラートナーを得るために、逆転写トナ
ーの発生を可能な限り抑制することが求められる。
【0006】そこで、アナターゼ型酸化チタンを含有
し、シランカップリング剤で処理されている処理層を有
するルチル型酸化チタンを外添剤として用い、紡錘形状
のルチル型酸化チタンでトナー母粒子に付着した酸化チ
タンがこのトナー母粒子内に埋没しないようにし、また
シランカップリング剤との親和性がよいアナターゼ型酸
化チタンでトナー母粒子にシランカップリング剤の均一
な被膜を得ることにより、帯電分布が均一で、摩擦帯電
性を低下させることなくかつ過帯電を防止して安定した
帯電特性を得るとともに、環境依存性、流動性および耐
ケーキング性を向上させることが特開2000−128
534号公報において提案されている。この公開公報に
開示されているトナーによれば、前述の諸問題〜が
ある程度解決することができる。
【0007】また、トナーの外添剤として疎水性シリカ
にルチル/アナターゼ混晶型酸化チタンを添加すること
により、フルカラー画像において、色再現性、透明性を
損なうことなく、トナーの流動性を高め、温度・湿度の
環境に左右されずに安定した摩擦帯電性を得るととも
に、トナー飛散を防止して非画像部へのトナーのカブリ
を防止することが特開2001−83732号公報にお
いて提案されている。この公開公報に開示されているト
ナーによっても、前述の諸問題〜がある程度解決す
ることができる。
【0008】一方、特許第2533067号公報にはア
ルミナ−シリカ複合酸化物微粒子をトナーに用いること
が開示されており、このアルミナ−シリカ複合酸化物微
粒子はトナーの凝集性を高める機能を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のルチ
ル/アナターゼ型酸化チタンを外添剤として用いた場合
には、トナーの帯電特性およびトナーの流動性を向上さ
せることができるので、トナー規制部材によるトナーの
均一な薄層および均一な帯電が可能となるが、ルチル/
アナターゼ型酸化チタンを単に用いたのでは、次のよう
な問題がある。すなわち、 線画像を印字転写した場合に、図9に示すように線
画像における中心部のトナーが転写されずにトナーが薄
くなる、いわゆるトナーの中抜け現象が生じ、印字品質
が低下するという問題がある。この中抜け現象は、トナ
ーの流動性と凝集力のバランスがくずれるために、感光
体上の現像された線画像を形成するトナーの中心部が感
光体上に残り、両縁部が転写される結果生じる現象であ
る。この中抜け現象は、非接触現像方式でACバイアス
によるジャンピング現像において特に発生しやすい。
【0010】一方、前述のアルミナ−シリカ複合酸化物
微粒子を単に用いたのでは、そのトナー凝集性により次
のような問題がある。すなわち、 逆転写トナーが多く、かつトナーの平均帯電量が小
さい場合には、図9に示すように転写画像の周辺部にチ
リが発生することが考えられる。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的はカブリトナーおよび逆転写ト
ナーを可及的に少なくできるとともに転写効率を更に向
上でき、しかも、トナーの中抜けやトナーのチリを防止
できる負帯電性トナーを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明の負帯電性トナーは、トナー母粒
子に対して疎水性の外添剤が少なくとも外添処理されて
なる負帯電性トナーにおいて、前記外添剤として、少な
くとも、疎水性の酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合
酸化物粒子と、この酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複
合酸化物粒子の仕事関数よりも大きな仕事関数を有する
疎水性の金属酸化物微粒子とが用いられていることを特
徴としている。
【0013】また、請求項2の発明は、前記金属酸化物
微粒子が、ルチルアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸
化チタン、アナターゼ型酸化チタン、チタン酸ストロン
チウム(TiO3Sr)のいずれか1つであることを特
徴としている。
【0014】更に、請求項3の発明は、前記酸化アルミ
ニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の量は、トナー母
粒子に対して、重量比で0.1重量%から3重量%以下
に設定されていることを特徴としている。
【0015】更に、請求項4の発明は、前記外添剤とし
て、更に、粒径の異なる2種類の疎水性で負帯電性の二
酸化ケイ素が用いられており、この2種類の二酸化ケイ
素の平均一次粒子径がいずれも前記酸化アルミニウム−
二酸化ケイ素複合酸化物粒子の粒度分布よりも小さく、
かつ前記金属酸化物微粒子の短軸径を含む平均一次粒子
径が前記2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径の間に
くるように設定されているとともに、2種類の二酸化ケ
イ素の仕事関数がいずれも前記酸化アルミニウム−二酸
化ケイ素複合酸化物粒子の仕事関数および前記金属酸化
物微粒子の仕事関数よりも小さく設定されていることを
特徴としている。
【0016】更に、請求項5の発明は、前記2種類の二
酸化ケイ素の添加量(重量)が前記酸化アルミニウム−
二酸化ケイ素複合酸化物粒子と前記金属酸化物微粒子と
の合計添加量(重量)より多く設定されていることを特
徴としている。更に、請求項6の発明は、前記トナー母
粒子が粉砕法または重合法で製造されていることを特徴
としている。
【0017】更に、請求項7の発明は、円形度が0.9
1(FPIAー2100測定値)以上に設定されている
ことを特徴としている。更に、請求項8の発明は、個数
基準の50%径(D50)が9μm以下に設定されている
ことを特徴としている
【0018】
【作用】このように構成された本発明の負帯電性トナー
においては、疎水性の金属酸化物の有するトナーの負の
過帯電防止機能およびトナーの流動性の向上機能という
固有の特性と、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子の有
するトナーの凝集性向上機能という固有の特性とが相乗
された機能がトナー母粒子に付与されるようになる。
【0019】これにより、負帯電性トナーの流動性低下
が防止されるとともに、トナーの負の過帯電が防止され
ることから、より良好な負帯電特性が得られ、その結
果、逆転写トナーの発生およびカブリが効果的に抑制さ
れるようになる。また、トナーの流動性が向上して線画
像の境目にチリが発生することが防止され、画像のシャ
ープ性が向上するとともに、トナーの凝集性が向上して
中抜けが線画像の中心部に発生することが抑制される。
特に、この中抜けは非接触現像方式でACバイアスによ
るジャンピング現像において特に効果的に防止されるよ
うになる。
【0020】したがって、負帯電性トナーはその負帯電
がより一層長期にわたり安定して、シャープ性を有する
画像が作製されるとともに、連続印字における安定した
画像品質が得られるようになる。しかも、トナーの流動
性が向上することで、トナー規制部材によりトナーの均
一な薄層が形成されるようになる。
【0021】また、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複
合酸化物粒子が広い粒度分布(例えば、平均一次粒子径
が7nm〜80nm)を有していることから、この酸化
アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子はトナー母
粒子内に埋没し難くなり、トナー母粒子に確実に付着す
るようになる。これにより、転写効率が向上する。更
に、金属酸化物としてルチルアナターゼ型酸化チタンを
用いた場合にも、このルチルアナターゼ型酸化チタンは
紡錘形状を有していることから同様にトナー母粒子内に
埋没し難くなり、トナー母粒子に確実に付着して、転写
効率がより一層向上する。
【0022】更に、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複
合酸化物粒子より粒度分布が小さく、金属酸化物粒子の
短軸径を含む平均一次粒子径が2種類の疎水性の二酸化
ケイ素の平均一次粒子径の間にくるように設定され、か
つ仕事関数がともに小さい2種類の疎水性の二酸化ケイ
素が併用されることから、これらの2種類の二酸化ケイ
素がトナー母粒子の表面に固着し、次いで酸化アルミニ
ウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子および金属酸化物粒
子がトナー母粒子に付着した疎水性の二酸化ケイ素に付
着する形でトナー母粒子の表面に付着するようになる。
【0023】したがって、前述の酸化アルミニウム−二
酸化ケイ素複合酸化物粒子の固有の特性と金属酸化物粒
子の固有の特性とに、疎水性の負帯電性二酸化ケイ素の
有する負帯電機能および流動性向上機能という固有の特
性が相乗された機能がトナー母粒子に付与される。これ
により、負帯電性トナーはその流動性低下が防止される
とともに、負の過帯電が防止されることからより良好な
負帯電特性を有するようになり、その結果、逆転写トナ
ーの発生およびカブリが更に効果的に抑制される。
【0024】また、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複
合酸化物粒子の仕事関数に屈曲点が存在することで、酸
化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子は、正と
負の摩擦サイトを有している。トナー母粒子が正の摩擦
サイトに接触するとトナー母粒子が負に確実に帯電し、
また負の摩擦サイトに接触するとトナー母粒子が正に帯
電するので過剰に負に帯電したトナー母粒子の電荷を適
切な値に調整されるようになる。
【0025】このようにして、本発明の負帯電性トナー
は、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の
正の摩擦サイトと負帯電性二酸化ケイ素とにより負に帯
電し、更に、トナー規制部材とトナー担持体表面とによ
り、より一層確実に負に摩擦帯電されるようになる。
【0026】その場合、電荷放出が少なく負帯電がし易
い低温低湿下はもちろん、電荷が放出しがちになり負帯
電がし難い高温高湿下においても、酸化アルミニウム−
二酸化ケイ素複合酸化物粒子によりトナー母粒子が負に
帯電することからトナーは安定した負帯電特性を維持
し、また、連続印字においても同様に安定した帯電特性
を維持するので、印字品質が環境にあまり影響されずに
長期間にわたって変わらないものとなる。
【0027】更に、2種類の二酸化ケイ素の添加量(重
量)が酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子
と金属酸化物微粒子との合計添加量(重量)より多いこ
とから、仮に二酸化ケイ素の一部がトナー母粒子に埋没
しても、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒
子と金属酸化物微粒子はそれらの各仕事関数が2種類の
二酸化ケイ素の仕事関数より大きいので、これらの2種
類の二酸化ケイ素を介してトナー母粒子に確実に固着
し、トナー母粒子から遊離することが少なくなる。した
がって、本発明の負帯電トナーは長期にわたって帯電が
安定するようになる。
【0028】更に、粉砕法トナーおよび重合法トナーを
問わず、トナー粒子径を小さくするとトナー層を均一に
帯電することは困難であり、その結果、逆極性のトナー
の発生をもたらしてカブリや逆転写トナーの発生の原因
となるが、2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径より
大きな粒子径の正と負の摩擦サイトを有する酸化アルミ
ニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子を共存させること
で、規制トナー層を均一に帯電でき、逆極性である正帯
電のトナー量が減少するようになる。
【0029】これにより、感光体上のカブリトナーや逆
転写トナー量が減り、転写効率がより一層向上する。そ
して、転写効率が向上することで、感光体や中間転写媒
体上のクリーニングされるトナー量が少なくなるので、
クリーニングが簡単になり、かつクリーニングトナーの
回収容器が小さい容器で済むようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかる負帯電性
トナーの実施の形態の一例を模式的に示す図である。図
1に示すように、この例の負帯電性トナー8は一成分非
磁性トナーであり、トナー母粒子8aに外添剤12が外
添されて構成されている。外添剤12には、焔内加水分
解法により得られる疎水性の酸化アルミニウム(アルミ
ナ;Al23)ー二酸化ケイ素(シリカ;SiO2)複
合酸化物粒子(以下、アルミナーシリカ複合酸化物微粒
子という)13と、トナー母粒子8aおよびアルミナー
シリカ複合酸化物微粒子13の仕事関数よりも大きな仕
事関数を有する、疎水性の金属酸化物微粒子14(図1
には、金属酸化物微粒子14として疎水性のルチルアナ
ターゼ型酸化チタンを用いた場合を示す)と、平均一次
粒子径がこれらのアルミナーシリカ複合酸化物微粒子1
3および金属酸化物微粒子14より小さく、仕事関数が
トナー母粒子8a、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子
13および金属酸化物微粒子14のいずれよりも小さい
2種類の疎水性の負帯電性二酸化ケイ素(負帯電性シリ
カ;SiO2)15a,15bとがそれぞれ使用されてい
る。
【0031】そして、疎水性の負帯電性シリカ15a,
15bの仕事関数がトナー母粒子8a、アルミナーシリ
カ複合酸化物微粒子13、および金属酸化物微粒子14
より小さいので、図1に示すように負帯電性シリカ15
a,15bがトナー母粒子8aに付着し、次いで負帯電
性シリカ15a,15bに、平均一次粒子径がこれらの
負帯電性シリカ15a,15bより大きいアルミナーシ
リカ複合酸化物微粒子13および金属酸化物微粒子14
が接触する形でトナー母粒子8aに付着している。
【0032】この例の負帯電トナー8では、トナー母粒
子8aの仕事関数より小さい仕事関数を有する疎水性の
負帯電性シリカ15a,15bによりトナー母粒子8a
は負の帯電性が付与されている。また、トナー母粒子8
aの仕事関数より大きいかあるいはトナー母粒子8aの
仕事関数と略同一(仕事関数差が0.25eV以内)で
ある仕事関数を有する金属酸化物微粒子14を混合使用
することにより、トナー母粒子8aの過帯電が防止され
ているとともに、トナーの流動性を向上させて線画像の
境目に比較的小さいマイナスの負帯電トナーが付着する
ことで発生するチリが防止されている。更に、アルミナ
ーシリカ複合酸化物微粒子13を混合使用することで、
トナーの凝集性を向上させて線画像の中心部におけるト
ナーが転写されないことで発生する中抜けが防止されて
いる。
【0033】仕事関数(Φ)は、表面分析装置{AC−
2型、理研計器(株)製}により、照射光量500nW
で測定されるものであり、その物質から電子を取り出す
ために必要なエネルギーであり、仕事関数が小さいほど
電子を出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのた
め、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させる
と、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物
質は負に帯電するものであるが、仕事関数自体としては
その物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)
として数値化されるものである。
【0034】このように構成されたこの例の負帯電性ト
ナー8に用いられるトナー母粒子8aは粉砕法および重
合法のいずれの方法でも作製することができるが、フル
カラーに使用されるトナー母粒子は好ましくは重合法で
作成するのがよい。以下、トナー母粒子8aの作製につ
いて説明する。
【0035】まず、粉砕法によるトナー母粒子8aを用
いた負帯電性トナー(以下、粉砕法トナーという)8の
作製について説明する。粉砕法トナー8は、樹脂バイン
ダーに顔料(着色剤)、離型剤、荷電制御剤をヘンシェ
ルミキサーで均一混合した後、2軸押し出し機で熔融・
混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処
理されて得られたトナー母粒子8aに、さらに、外添剤
12が外添されて負帯電トナー8とされる。
【0036】バインダー樹脂としては、公知のトナー用
樹脂が使用可能であり、例えば、ポリスチレン、ポリ−
α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−
クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビ
ニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレ
ン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重
合体等のスチレン系樹脂でスチレン又はスチレン置換体
を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、シリコーン変成
エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸
樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テル
ペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素
樹脂等が単独又は混合して使用できる。特に本発明にお
いては、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレ
ン−メタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂が好ましい。本発明にあってはバインダー
樹脂としてはガラス転移温度が50℃〜75℃、フロー
軟化温度が70℃〜120℃の範囲が好ましい。
【0037】着色剤としては、公知のトナー用着色剤が
使用可能である。例えば、カーボンブラック、ランプブ
ラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロ
ー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フ
タロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン
6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジン
イエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレー
キ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド4
8:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.
ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レ
ッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.
I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・
イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、
C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベ
ント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー
5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料
および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
【0038】離型剤としては、公知のトナー用離型剤が
使用可能である。例えば、パラフィンワックス、マイク
ロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリ
ラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モ
ンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリ
プロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレ
ンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワッ
クス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
【0039】荷電調整剤としては、公知のトナー用荷電
調整剤が使用可能である。例えば、オイルブラック、オ
イルブラックBY、ボントロンS−22(オリエント化
学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化
学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリ
エント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フ
タロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラ
ックTRH(保土ヶ谷化学工業(株)製)、カリックス
アレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アン
モニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロ
キシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金
属錯体、多糖類等が挙げられる。中でもカラートナー用
には無色ないしは白色のものが好ましい。
【0040】粉砕法トナー8における成分比(重量比)
を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示すとおり、バインダー樹脂100
重量部に対して、着色剤は0.5重量部〜15重量部、
好ましくは1重量部〜10重量部であり、また、離型剤
は1重量部〜10重量部、好ましくは2.5重量部〜8
重量部であり、更に、荷電制御剤は0.1重量部〜7重
量部、好ましくは0.5重量部〜5重量部である。
【0043】この例の粉砕法トナー8にあっては、転写
効率の向上を目的として、球形化処理により円形度がア
ップされている。粉砕法トナー8の円形度をアップさせ
るためには、(A) 粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可
能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミ
ル(川崎重工(株)製)を使用すれば円形度は0.93
まで可能である。または、(B) 粉砕したトナーを市販の
熱風球形化装置サーフュージングシステムSFS−3型
(日本ニューマチック工業(株)製)を使用すれば円形
度は1.00まで可能である。
【0044】この例の粉砕法トナー8の望ましい円形度
(球状化係数)は0.91以上であり、これにより良好
な転写効率が得られる。そして、円形度は0.97まで
はクリーニングブレードにより、それ以上ではブラシク
リーニングを併用することでクリーニングすることがで
きる。
【0045】また、このようにして得られる粉砕法トナ
ー8としては、個数基準の50%径である平均粒径(D
50)が9μm以下、好ましくは4.5μm〜8μmに設
定される。これにより、粉砕法トナー8の粒子径が比較
的小粒子径となり、この小粒子径トナーに外添剤として
疎水性の負帯電性シリカ15a,15bと疎水性のアル
ミナーシリカ複合酸化物微粒子13および疎水性の金属
酸化物14とを併用することで、疎水性の負帯電性シリ
カの量を、従来のシリカ微粒子を単独用いた場合の疎水
性の負帯電性シリカの量よりも少なくすることができる
ので、定着性が向上する。なお、本発明におけるトナー
粒子等における平均粒径と円形度は、シスメックス株式
会社製のFPIA2100で測定する値である。
【0046】更に、この粉砕法トナー8にあっては、外
添剤12の総量(重量)がトナー母粒子8aの重量に対
して0.5重量%(wt%)以上4.0重量%以下に設定
されるが、好ましくは、1.0重量%から3.5重量%の
範囲に設定するのがよい。これにより、粉砕法トナー8
をフルカラートナーとして使用したときに逆転写トナー
の発生を抑える効果を発現することができる。なお、外
添剤12を総量で4.0重量%以上添加すると、トナー
表面より遊離したり、定着性を悪化させる要因となる。
【0047】次に、重合法によるトナー母粒子8aを用
いた負帯電性トナー(以下、重合法トナーという)8の
作製について説明する。重合法トナー8としては、懸濁
重合法、乳化重合法、分散重合法等がある。懸濁重合法
においては、重合性単量体(モノマー)、着色顔料、離
型剤とを、必要により更に、染料、重合開始剤、架橋
剤、荷電制御剤、その他の添加剤を添加した混合物を溶
解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性
高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に攪拌しなが
ら添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有す
る着色重合トナー粒子を形成することができる。
【0048】また、乳化重合法においては、単量体と離
型剤を必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性
剤)などを水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過
程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加す
ることによって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒
子を形成することができる。重合法トナー作製に用いら
れる材料において、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動
性改良剤に関しては、上記の粉砕トナーと同様の材料が
使用できる。
【0049】重合性単量体(モノマー)としては、公知
のビニル系モノマーが使用可能であり、例えば、スチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−
ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、
エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレ
イン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化
ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニ
ル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、
ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられ
る。なお、フッ素含有モノマーとしては例えば2,2,
2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3
−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリ
デン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレン、トリフル
オロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効で
あるので使用が可能である。
【0050】乳化剤(界面活性剤)としては公知のもの
が使用可能である。例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリ
ウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸
ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナト
リウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロ
ライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルト
リメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウ
ムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブ
ロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキ
サデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオ
キシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリ
オキシエチレンエーテル等がある。
【0051】重合開始剤としては、公知のものが使用可
能である。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾ
ビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチ
ロニトリル等がある。
【0052】凝集剤(電解質)としては、公知のものが
使用可能である。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫
酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アル
ミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
【0053】乳化重合法トナー8における成分比(重
量)を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2に示すとおり、重合性モノマー100
重量部に対して、重合開始剤は0.03重量部〜2重量
部、好ましくは0.1重量部〜1重量部であり、また、
界面活性剤0.01重量部〜0.1重量部であり、更に、
離型剤は1重量部〜40重量部、好ましくは2重量部〜
35重量部であり、更に、荷電制御剤は0.1重量部〜
7重量部、好ましくは0.5重量部〜5重量部であり、
着色剤は1重量部〜20重量部、好ましくは3重量部〜
10重量部であり、更に、凝集剤(電解質)は0.05
重量部〜5重量部、好ましくは0.1重量部〜2重量部
である。
【0056】この例の重合法トナー8にあっても、転写
効率の向上を目的として、球形化処理により円形度がア
ップされている。重合法トナー8の円形度の調節法とし
ては、(A) 乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時
間を制御することで、円形度を自由に変えることがで
き、その範囲は0.94〜1.00である。また、(B) 懸
濁重合法では、真球のトナーが可能であるため、円形度
は0.98〜1.00の範囲となる。また、円形度を調節
するためにトナーのTg温度以上で加熱変形させること
で、円形度を0.94〜0.98まで自由に調節すること
が可能となる。
【0057】重合法トナー8は上記の方法以外の分散重
合法でも作ることができ、例えば特開平63−3040
02号公報に開示されている方法でも作製できる。この
場合には、形状が真球に近い形となるため、形状を制御
するには、例えばトナーのTg温度以上で加圧し、所望
のトナー形状にすることができる。
【0058】前述の粉砕法トナー8の場合と同様に、こ
の例の重合法トナー8の望ましい円形度(球状化係数)
は0.95以上であり、円形度が0.97まではクリーニ
ングブレードにより、それ以上ではブラシクリーニング
を併用することでクリーニングすることができる。
【0059】このようにして得られる重合法トナー8に
おいても、個数基準の50%径である平均粒径(D50
が9μm以下、好ましくは4.5μm〜8μmに設定さ
れる。これにより、重合法トナー8の粒子径が比較的小
粒子径となり、この小粒子径トナーに外添剤12として
疎水性の負帯電性シリカ15a,15bと疎水性金属酸
化物14とアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13とを
併用することで、疎水性の負帯電性シリカ15a,15
bの量を、従来のシリカ微粒子を単独用いた場合の疎水
性の負帯電性シリカの量よりも少なくすることができる
ので、定着性が向上する。なお、この重合法トナー8の
場合にも、トナー粒子等における平均粒径と円形度は、
シスメックス株式会社製のFPIA2100で測定する
値である。
【0060】更に、この重合法トナー8にあっても、前
述の粉砕法トナーと同様に、外添剤12の総量(重量)
がトナー母粒子8aの重量に対して0.5重量%以上4.
0重量%以下に設定されるが、好ましくは、1.0重量
%から3.5重量%の範囲に設定するのがよい。これに
より、重合法トナー8をフルカラートナーとして使用し
たときに逆転写トナーの発生を抑える効果を発現するこ
とができる。なお、外添剤12を総量で4.0重量%以
上添加すると、トナー表面より飛散したり、定着性を悪
化させる要因となる。
【0061】外添剤12であるアルミナーシリカ複合酸
化物微粒子13は、乾式トナーにおける帯電特性の安定
化、流動性改良を目的として用いられるものである。こ
のアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13は、例えば特
許第2533067号公報に開示されているケイ素ーア
ルミニウム複合酸化物微粉末の製法等により作成するこ
とができる。以下に、この特許公報に開示の製法におけ
る作製工程について示す。 (1) ケイ素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化
物を蒸発させ、それぞれの蒸気をキャリアガスとともに
複合ユニット中で空気、酸素および水素と均一複合す
る。 (2) 次いで、得られた複合蒸気をバーナーに供給し、燃
焼室内で焔内反応させ、得られたガスおよび固体を熱交
換ユニット中で冷却する。 (3) ガスを固体から分離し、生成物に付着しているハロ
ゲン化物残分を湿った空気を用いた熱処理により除去
し、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13が得られ
る。
【0062】図2は、前述の特許第2533067号公
報に開示されているアルミナーシリカ複合酸化物微粒子
を製造するためのバーナー装置である。図中、101は
燃焼室、102は二重ジャケット管、103は環状ダイ
ヤフラム、104は内側管、105は外側管、106は
水冷焔管である。
【0063】燃焼室101には二重ジャケット管102
が突出させられ、二重ジャケット管102の内側管10
4からは水素1.4Nm3/h、空気5.5Nm3/hおよ
び予め蒸発させたガス状SiCl41.30kg/hの割
合で混合した200℃の熱混合蒸気が導入され、次い
で、この熱混合蒸気に予め300℃で蒸発させたガス状
AlCl32.34kg/hの割合で付加供給されて焔管
中に導入されるとともに付加的に空気12Nm3/hが
供給されて燃焼させられる。この際、燃焼室101には
空気が導入され、また、環状ダイヤフラム103から付
加的に空気が導入される。焔中では、生成する水と塩化
物との急激な反応が生じ、アルミナーシリカ複合酸化物
微粒子が形成される。焔管通過後に、生じた粉末はフィ
ルターまたはサイクロンを使用して分離され、また、粉
末に付着した塩酸分が除去される。得られるアルミナー
シリカ複合酸化物微粒子の組成はAl2365重量%、
SiO235重量%であり、一次平均粒子径は14n
m、BET比表面積74m2/g、体積抵抗率1012Ω
・cmである。得られたアルミナーシリカ複合酸化物微
粒子はジメチルシラン(DMS)により疎水化処理され
る。
【0064】このアルミナーシリカ複合酸化物微粒子1
3中のアルミナ(Al23)とシリカ(SiO2)との
割合は、ケイ素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲ
ン化物の供給量、水素供給量、ケイ素ハロゲン化物およ
びアルミニウムハロゲン化物の供給量、水素供給量、空
気供給量等の反応条件により適宜調整される。
【0065】アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13に
おけるAl23とSiO2との重量比は、Al23の含
有量が55重量%〜85重量%、SiO2の含有量が4
5重量%〜15重量%の範囲にできる。また、アルミナ
ーシリカ複合酸化物微粒子13は焔内中で粒子化される
ことにより非晶質構造で、十分な微粒子状性を有し、B
ET法による比表面積が20m2/g〜200m2/gの
ものとなる。更に、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子
3の一次粒子径は7nm〜80nm、好ましくは10n
m〜40nmであり、個数基準で20nm以上が30%
以上である。更に、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子
13は重量比でトナー母粒子8aの量に対して、0.1
重量%〜3重量%、好ましくは0.2重量%〜2重量%
の割合で添加するとよい。アルミナーシリカ複合酸化物
微粒子13はブロードな粒径分布を有するので、少量の
添加でも連続印字における外添剤12粒子のトナー母粒
子8a中への埋没を生じ難いものとすることができる。
また、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の大粒子
径部分により転写効率を向上させることができ、また、
その大粒子径部分は大きすぎることがないので、像担持
体表面の異常な偏摩耗を防止できる。
【0066】また、この例の負帯電性トナー8のアルミ
ナーシリカ複合酸化物微粒子13は、5.0eV〜5.4
eVの範囲の第1の仕事関数と5.4eV〜5.7eVの
範囲の第2の仕事関数の2種類の仕事関数を示すととも
に、トナー母粒子8aの仕事関数が5.3eV〜5.65
eVであって、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13
の第1の仕事関数より大きく、また第2の仕事関数より
小さく設定されている。
【0067】このアルミナーシリカ複合酸化物微粒子1
3の仕事関数の一例について、前述の表面分析装置を用
いて測定して得られたデータにより説明する。表面分析
装置による測定で得られたアルミナーシリカ複合酸化物
微粒子13に関するデータを図3および図4に示す。
【0068】前述の表面分析装置においては、単色光の
励起エネルギーについて低い方から高い方にスキャン
し、光電子の放出が始まるエネルギー(仕事関数)を測
定するものであり、仕事関数のデータは、横軸にとった
励起エネルギー(Photon Energy)と縦軸にとった規格
化光電子収率(Emmission Yield)との関係から得られ
る。
【0069】すなわち、アルミナーシリカ複合酸化物微
粒子13は、その仕事関数が、励起エネルギーと規格化
光電子収率との関係において、図3に示すように屈曲点
(A)における励起エネルギー5.18eVと図4に示
すように屈曲点(B)における励起エネルギー5.62
eVであり、2種類の仕事関数を有することがわかる。
そして、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13はアル
ミナとシリカとの単なる混合酸化物粒子に比して仕事関
数の差が大きく、トナー母粒子8aに外添されると正と
負の2つの摩擦帯電サイトを与えやすいものであること
が判明した。その詳細な理由は不明であるが、アルミナ
ーシリカ複合酸化物微粒子13がSiO 2粒子とAl2
3粒子との単なる混合物ではないことに起因するものと
考えられる。
【0070】このようなアルミナーシリカ複合酸化物微
粒子13における正の摩擦帯電サイトにトナー母粒子8
aが接触すると、単なる混合物粒子に比してトナー粒子
を確実に負に帯電して正帯電トナーを減少させることが
できる。また、負の摩擦帯電サイトにトナー母粒子8a
が接触すると、トナー粒子の過剰な負帯電性を抑制でき
るので、安定した負帯電性トナーとすることができる。
【0071】アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13
は、ケイ素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化
物のそれぞれの蒸発量を目的に応じて変化させて、前述
のようにキャリアガスと一緒に混合ユニット中で空気、
酸素および水素と均一に混合し、焔内加水分解すること
により得られるが、その製造条件を制御することにより
第1と第2の仕事関数を制御でき、前述のような5.0
eV〜5.4eVの範囲の第1の仕事関数と5.4eV〜
5.7eVの範囲の第2の仕事関数の種類の仕事関数を
示すものにすることができる。
【0072】また、この例の負帯電性トナー13は、前
述のように外添剤12としてアルミナーシリカ複合酸化
物微粒子13とともにこのアルミナーシリカ複合酸化物
微粒子13の仕事関数より大きくかつトナー母粒子8a
の仕事関数と同一かあるいは略同一の仕事関数を有する
疎水性の金属酸化物微粒子14が用いられる。この金属
酸化物微粒子14としては、ルチルアナターゼ型酸化チ
タン(仕事関数5.64eV)、ルチル型酸化チタン
(仕事関数5.61eV)、アナターゼ型酸化チタン
(仕事関数5.64eV)、チタン酸ストロンチウム
(TiO3Sr;仕事関数5.62eV)等を用いること
ができる。その場合、トナーの流動性を向上してチリを
なくすとともに現像装置のトナー規制部材による均一な
薄層を形成するため、特に、疎水性のルチルアナターゼ
型酸化チタンが好ましい。
【0073】このルチルアナターゼ型酸化チタンはルチ
ル型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンとが所定の混
晶比で用いられており、例えば前述の特開2000−1
28534号公報に開示されている製造方法により製造
することができる。この疎水性ルチルアナターゼ型酸化
チタン(図1に符号14で示す)は紡錘形状を呈してお
り、その長軸径が0.02μm〜0.10μmであるとと
もに、長軸と短軸との軸径比が2〜8に設定されてい
る。このルチルアナターゼ型酸化チタンの場合、負帯電
性シリカ15a,15bの平均一次粒子径がアルミナー
シリカ複合酸化物微粒子13の短軸径より小さく設定さ
れる。
【0074】このように、アルミナーシリカ複合酸化物
微粒子13より大きな仕事関数を有する金属酸化物微粒
子14をこのアルミナーシリカ複合酸化物微粒子13と
ともに用いることにより、トナー母粒子8aに帯電した
電荷を逃して帯電調整し、過帯電を防止することができ
る。すなわち、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13
を入れすぎると、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子の
シリカ成分が負帯電サイトとして機能することからトナ
ーが負に過帯電して画像濃度が低下するようになるが、
金属酸化物微粒子14をアルミナーシリカ複合酸化物微
粒子13とともに添加することにより、トナー母粒子8
aの過帯電を防止できる。
【0075】更に、外添剤12として用いられる2種類
の疎水性の負帯電性シリカ15a,15bのうち、一方
の負帯電性シリカ15aの平均一次粒子径は20nm以
下、好ましくは7nm〜16nmであり、また、他方の
負帯電性シリカ15bの平均一次粒子径は30nm以
上、好ましくは40nm〜50nmに設定されている。
【0076】更に、本発明の負帯電性トナー8は、外添
剤12として、前述のアルミナーシリカ複合酸化物微粒
子13および前述の金属酸化物微粒子14の他に、必要
に応じて他の外添剤を添加することもできる。例えば、
他の外添剤として、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、
炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ
素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、マグネタイト、二
硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム、チタン酸バリウム、ケイ素金属塩の各微粒子
を使用することができる。その他の樹脂微粒子の例とし
ては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等があ
る。
【0077】外添剤12の粒子は、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオ
イル等で疎水化処理して使用することが好ましい。疎水
化処理剤としては、例えば、ジメチルジクロルシラン、
オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザ
ン、シリコーンオイル、オクチルートリクロシラン、デ
シルートリクロルシラン、ノニルートリクロシラン、
(4−iso−プロピルフェニル)−トリクロルシラ
ン、ジヘキシルジクロシラン、(4−t−ブチルフェニ
ル)−トリクロシラン、ジペンチルージクロルシラン、
ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシ
ラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロル
シラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ
−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘ
キシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、
トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロ
ルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−
iso−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン等
が例示される。
【0078】本発明の負帯電性トナー8にあっては、前
述のようにトナー母粒子8aに対するアルミナーシリカ
複合酸化物微粒子13の添加量は、0.1重量%〜3重
量%、好ましくは0.2重量%〜2重量%である。ま
た、トナー母粒子8aに対する金属酸化物微粒子14の
添加量は0.1重量%〜2重量%、好ましくは0.2重量
%〜1.5重量%である。また、トナー母粒子8aに対
する全外添剤12粒子の添加量は、0.5重量%〜5重
量%、好ましくは1重量%〜4重量%の割合とするとよ
い。
【0079】更に、本発明の負帯電性トナー8は、アル
ミナーシリカ複合酸化物微粒子13を外添したトナー粒
子において、トナー母粒子8aをその仕事関数が5.3
eV〜5.65eV、好ましくは5.35eV〜5.6e
Vのものとし、かつ、トナー母粒子8aの仕事関数がア
ルミナーシリカ複合酸化物微粒子13の第1の仕事関数
より大きく、また、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子
13の第2の仕事関数より小さいものと設定することを
特徴としている。これにより、カブリをより低減でき、
転写効率をより向上させることができることが判明し
た。トナー母粒子8aの仕事関数がこのアルミナーシリ
カ複合酸化物微粒子13の2種類の仕事関数の間にない
と、本発明のような2種類の仕事関数の間にある場合と
比較して、クリーニングトナーが増大する。
【0080】トナー母粒子8aと外添剤12とは、前述
のヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、反転ミキサ
ー、ハイスピードミキサ、サイクロミックス、アキシャ
ルミキサー等の公知の複合機に投入されて、トナー母粒
子8aに対して外添剤12粒子が付着処理され、本発明
の負帯電性トナー8が得られる。
【0081】このようにして得られる負帯電性トナー8
の仕事関数は5.3eV〜5.7eVであり、好ましくは
5.4eV〜5.65eVである。なお、像担持体表面の
仕事関数より負帯電性トナー8の仕事関数を大きくする
ことにより、カブリをより低減でき、転写効率をより向
上させることができる。また、像担持体面の仕事関数よ
り負帯電性トナー8の仕事関数を小さくすると、トナー
規制部材による現像ローラへのトナー薄層規制に際し
て、帯電量が非常に高くなる「過帯電」の現象を生じる
ことがあるが、本発明のように各仕事関数が設定される
ことで、この「過帯電」の現象を抑制することができ
る。
【0082】また、本発明の負帯電性トナー8は、粉砕
法トナーにあっては、個数基準の平均粒径が5μm〜1
0μm、好ましくは6μm〜9μmであり、また、重合
法トナーにあっては、個数50%粒子径(D50)が、8
μm以下、好ましくは4.5μm〜8μmであり、3μ
m以下が10%以下であり、好ましくは5%以下の粒径
分布を有するものである。
【0083】一般に、粉砕法トナーと重合法トナーとを
問わず、トナー粒子径を小さくすると、シリカ粒子の添
加量を増す必要があり、そのためトナーの帯電量が初期
では大きくなり過ぎるという問題がある。また、印字が
進むにつれ、埋没または飛散によりシリカ粒子の有効表
面量が減少してトナー帯電量が低下し、画像濃度変動や
カブリ量が増大してトナー消費量が増加する傾向にあ
り、トナーとしては使用し難いという問題がある。これ
に対して、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13を外
添剤12として用いると、その粒度分布がブロードであ
り、外添剤12粒子の埋没等の問題を抑制できるもので
あり、また、第1と第2の仕事関数の差を大きくできる
ので、印字期間を通じ安定した負帯電性トナーとするこ
とができる。
【0084】更に、本発明の負帯電性トナー8として
は、粉砕法、重合法のいずれの場合においても、円形度
(球状化係数)を0.94以上とするとよく、望ましく
は、0.95以上である。円形度(球状化係数)0.97
まではクリーニングブレードにより、それ以上ではブラ
シクリーニングを併用するとよい。円形度(球状化係
数)を0.94以上とすることにより、転写効率を向上
させることができる。
【0085】このように構成されたこの例の負帯電性ト
ナー8においては、重合法トナーおよび粉砕法トナーの
いずれでも、小粒子径の疎水性の負帯電性シリカ15
a,15bがトナー母粒子8aに付着する。この疎水性
の負帯電性シリカ13の仕事関数より大きい仕事関数の
疎水性アルミナーシリカ複合酸化物微粒子13および疎
水性金属酸化物14がそれぞれ仕事関数差による接触電
位差でトナー母粒子8aに付着した負帯電性シリカ13
に固着してトナー母粒子8aから遊離することが少なく
なる。したがって、トナー母粒子8aの表面が疎水性ア
ルミナーシリカ複合酸化物微粒子13、疎水性の金属酸
化物微粒子14、および疎水性の負帯電性シリカ15
a,15bによりまんべんなく覆われるようになる。
【0086】したがって、金属酸化物14の有する比較
的低い電気抵抗(例、1×109Ω・cm〜5×1011
Ω・cm)の電荷調整機能をより効果的に活かすことが
できるとともに、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子1
3の有するトナーの凝集機能をより効果的に活かすこと
ができるようになる。すなわり、疎水性の負帯電性シリ
カ15a,15bの有するトナーの負帯電機能およびト
ナーの流動性向上機能という固有の特性と、疎水性の金
属酸化物14の有する負の過帯電防止機能およびトナー
の流動性向上機能という固有の特性と、アルミナーシリ
カ複合酸化物微粒子13の有するトナーの凝集性向上機
能という固有の特性とが相乗された機能をトナー母粒子
8aに付与することができる。
【0087】これにより、負帯電性トナー8の流動性低
下を防止できるとともに負の過帯電を防止できることか
ら、より良好な負帯電特性を得ることができるようにな
り、その結果、逆転写トナーの発生およびカブリを効果
的に抑制することができる。また、トナーの流動性を向
上させて線画像の境目に発生する前述のチリを防止で
き、画像のシャープ性を向上できるとともに、トナーの
凝集性を向上させて線画像の中心部に発生する前述の中
抜けを防止することができる。したがって、負帯電性ト
ナー8はその負帯電がより一層長期にわたり安定し、中
抜けを生じなくシャープ性を有する、連続印字における
安定した画像品質を与えることができるようになる。
【0088】図5は、この例の負帯電性トナー8を用い
た非接触一成分現像方式の一例を模式的に示す図であ
り、図6は、この例の負帯電性トナー8を用いた接触一
成分現像方式の一例を模式的に示す図である。図5およ
び図6中、1は像担持体である有機感光体、2はコロナ
帯電器、3は露光、4はクリーニングブレード、5は転
写ローラ、6は供給ローラ、7は規制ブレード、8は負
帯電性トナー、9は転写材、10は現像器、11は現像
ローラであり、Lは非接触一成分現像プロセスにおける
現像ギャップである。
【0089】有機感光体1としては、有機感光層が単層
の有機単層型でもよいし、有機感光層が多層の有機積層
型でもよい。有機積層型感光体1は、図7(a)に示す
ように導電性支持体1a上に、下引き層1bを介して、
電荷発生層1cおよび電荷輸送層1dからなる感光層を
順次積層したものである。
【0090】導電性支持体1aとしては、公知の導電性
支持体が使用可能であり、例えば体積抵抗1010Ω・c
m以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム合金に
切削等の加工を施した管状物やポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上にアルミニウムを蒸着あるいは導電性塗
料により導電性を付与した管状物、導電性ポリイミド樹
脂を形成してなる管状物とから形成することができる。
なお、他の形状例としては、ベルト状、板状、シート状
支持体等が例示でき、また、他の材料、形状例として、
ニッケル電鋳管やステンレス管などをシームレスにした
金属ベルト等も好適に使用することができる。
【0091】導電性支持体1a上に設けられる下引き層
1bとしては公知の下引き層が使用可能である。例え
ば、下引き層1bは接着性を向上させ、モワレを防止
し、上層の電荷発生層1cの塗工性を改良、露光時の残
留電位を低減させるなどの目的で設けられる。下引き層
1bに使用する樹脂はその上に電荷発生層1cを有する
感光層を塗工する関係上、感光層に使用する溶剤に対し
て耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。使用可能
な樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポ
リアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、酢酸ビニル、
共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコ
ール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂等であり、単独または2種以上の組み合わせで使
用することができる。また、これらの樹脂に二酸化チタ
ン、酸化亜鉛等の金属酸化物を含有させてもよい。
【0092】電荷発生層1cにおける電荷発生顔料とし
ては、公知の材料が使用可能である。例えば、金属フタ
ロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニ
ン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチ
ン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェ
ニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨
格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有する
アゾ顔料、フルオレン骨格を有するアゾ顔料、オキサジ
アゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を
有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有
するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するア
ゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環
キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン
およびトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよび
ナフトキノン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系顔
料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔
料などが挙げられる。これらの電荷発生顔料は、単独ま
たは2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0093】電荷発生層1cにおけるバインダー樹脂と
しては、ポリビニルブチラール樹脂、部分アセタール化
ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
バインダー樹脂と前記電荷発生物質の構成比は、重量比
でバインダー樹脂100重量部に対して、10重量部〜
1000重量部の範囲で用いられる。
【0094】電荷輸送層1dを構成する電荷輸送物質と
しては公知の材料が使用可能であり、電子輸送物質と正
孔輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばク
ロルアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、パラジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、
ナフトキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられ
る。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の組
み合わせで使用することができる。
【0095】正孔輸送物質としては、オキサゾール化合
物、オキサジアゾール化合物、イミダゾール化合物、ト
リフェニルアミン化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾ
ン化合物、スチルベン化合物、フェナジン化合物、ベン
ゾフラン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン化合
物、スチリル化合物およびこれらの化合物の誘導体が挙
げられる。これらの電子供与性物質は単独または2種以
上の組み合わせで使用することができる。
【0096】電荷輸送層1d中には、これらの物質の劣
化防止のために酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤
などを含有することもできる。電荷輸送層1dにおける
バインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリビニルブチ
ラール、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂
などを用いることができるが、電荷輸送物質との相溶
性、膜強度、溶解性、塗料としての安定性の点でポリカ
ーボネートが好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質
の構成比は、重量比でバインダー樹脂100重量部に対
して25重量部〜300重量部の範囲で用いられる。
【0097】電荷発生層1c、電荷輸送層1dを形成す
るためには、塗布液を使用するとよく、溶剤はバインダ
ー樹脂の種類によって異なるが、例えばメタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル類等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエス
テル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレ
ン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲ
ン化炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、モノクロルベンゼン等の芳香族類等を用いることが
できる。また、電荷発生顔料の分散には、サンドミル、
ボールミル、アトライター、遊星式ミル等の機械式の方
法を用いて分散と混合を行うとよい。
【0098】下引き層1b、電荷発生層1cおよび電荷
輸送層1dの塗工法としては、浸漬コーティング法、リ
ングコーティング法、スプレーコーティング法、ワイヤ
ーバーコーティング法、スピンコーティング法、ブレー
ドコーティング法、ローラーコーティング法、エアナイ
フコーティング法等の方法を用いる。また、塗工後の乾
燥は常温乾燥後、30℃〜200℃の温度で30から1
20分間加熱乾燥することが好ましい。これらの乾燥後
の膜厚は電荷発生層1cでは、0.05μm〜10μm
の範囲、好ましくは0.1μm〜3μmである。また、
電荷輸送層1dでは5μm〜50μmの範囲、好ましく
は10μm〜40μmである。
【0099】また、有機単層型感光体1は、図7(b)
に示すように上述した有機積層型感光体1において説明
した導電性支持体1a上に、同様の下引き層1bを介し
て、電荷発生剤、電荷輸送剤、増感剤等とバインダー、
溶媒等からなる単層有機感光層1eを塗布形成すること
により作製される。有機負帯電単層型感光体について
は、例えば特開2000−19746号公報に開示され
ている方法に準じて作製するとよい。
【0100】単層有機感光層1eにおける電荷発生剤と
してはフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔
料、ペリレン系顔料、キノシアトン系顔料、インジゴ系
顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系
顔料が挙げられ、好ましくはフタロシアニン系顔料、ア
ゾ系顔料である。電荷輸送剤としてはヒドラゾン系、ス
チルベン系、フェニルアミン系、アリールアミン系、ジ
フェニルブタジエン系、オキサゾール系等の有機正孔輸
送化合物が例示され、また、増感剤としては各種の電子
吸引性有機化合物であって電子輸送剤としても知られて
いるパラジフェノキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、
クロラニル等が例示される。バインダーとしてはポリカ
ーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹
脂等の熱可塑性樹脂が例示される。
【0101】各成分の組成比は、バインダー40重量%
〜75重量%、電荷発生剤0.5重量%〜20重量%、
電荷輸送剤10重量%〜50重量%、増感剤0.5重量
%〜30重量%であり、好ましくはバインダー45重量
%〜65重量%、電荷発生剤1重量%〜20重量%、電
荷輸送剤20重量%〜40重量%、増感剤2重量%〜2
5重量%である。溶剤としては、下引き層に対して、溶
解性を有しない溶媒が好ましく、トルエン、メチルエチ
ルケトン、テトラヒドロフラン等が例示される。
【0102】各成分は、ホモミキサー、ボールミル、サ
ンドミル、アトライター、ペイントコンディショナー等
の攪拌装置で粉砕・分散混合され、塗布液とされる。塗
布液は、下引き層上にディップコート、リングコート、
スプレーコート等により乾燥後の膜厚15μm〜40μ
m、好ましくは20μm〜35μmで塗布・乾燥されて
単層有機感光体層1eとされる。
【0103】そして、このように構成された有機感光体
1は直径24mm〜86mmで表面速度60mm/s〜
300mm/sで回転する感光体ドラムであり、コロナ
帯電器2等の帯電部材によりその表面が均一に負帯電さ
れた後、記録すべき情報に応じた露光3が行なわれるこ
とにより、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成され
る。
【0104】現像ローラ11を有する現像器10は、一
成分現像器10であり、有機感光体1上に負帯電性トナ
ー8を供給することで有機感光体1における静電潜像を
反転現像し、可視像化するものである。現像器10に
は、負帯電性トナー8が収納されており、図6に示すよ
うに反時計方向で回転する供給ローラ6によりトナーを
現像ローラ11に供給する。現像ローラ11は図示のご
とく反時計方向に回転し、供給ローラ6により搬送され
たトナー8をその表面に吸着した状態で、時計方向に回
転する有機感光体1との接触部に搬送し、有機感光体1
上の静電潜像を可視像化する。
【0105】現像ローラ11は、例えば直径16mm〜
24mmで、金属製のパイプにメッキやブラスト処理し
たローラ、あるいは中心軸周面にNBR、SBR、EP
DM、ウレタンゴム、シリコンゴム等からなる体積抵抗
値104 Ω・cm〜108 Ω・cm、硬度が400°〜
70°(アスカーA硬度)の導電性弾性体層が形成され
たもので、このパイプのシャフトや中心軸を介して、図
示していない電源より現像バイアス電圧が印加される。
【0106】規制ブレード7としてはSUS、リン青
銅、ゴム板、金属薄板にゴムチップの貼り合わせたもの
等が使用されるが、現像ローラ11に対して図示しない
スプリング等の付勢手段により、あるいは弾性体として
の反発力を利用して線圧20gf/cm〜60gf/c
mで押圧され、現像ローラ11上のトナー層厚を5μm
〜20μm、好ましくは6μm〜15μm、トナー粒子
の積層形態としては略1層〜2層、好ましくは1層〜
1.8層とされるとよい。
【0107】図5に示す非接触現像方式の画像形成装置
では、現像ローラ11と有機感光体1とを現像ギャップ
Lを介して対向させるものであるが、現像ギャップLと
しては100μm〜350μmとするとよく、また、図
示しないが直流電圧(DC)の現像バイアスとしては−
200V〜−500Vであり、これに重畳する交流電圧
(AC)としては1.5kHz〜3.5kHz、P−P電
圧1000V〜1800Vの条件とするとよい。また、
非接触現像方式にあって、反時計方向に回転する現像ロ
ーラ11の周速としては、時計方向に回転する有機感光
体1に対して1.0〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の
周速比とするとよい。
【0108】現像ローラ11は図示のごとく反時計方向
に回転し、供給ローラ6により搬送された負帯電性トナ
ー8をその表面に吸着した状態で有機感光体1との対向
部に負帯電性トナー8を搬送するが、有機感光体1と現
像ローラ11との対向部において、交流電圧を重畳して
印加することにより、負帯電性トナー8は現像ローラ1
1表面と有機感光体1表面との間で振動することにより
現像される。本発明にあっては、交流電圧の印加により
現像ローラ11表面と有機感光体1表面との間でトナー
8が振動する間にトナー粒子と現像ローラ11表面とが
接触させることができるので、これによっても、小粒子
径の正帯電トナーを負帯電させることができ、カブリト
ナーを減少させることができるものと考えられる。
【0109】また、紙等の転写材9や中間転写媒体(図
5には不図示;後述する図8に図示)は可視像化された
有機感光体1と転写ローラ5との間に送られるが、転写
ローラ5による有機感光体1への押し圧荷重を、接触現
像方式と同程度の20gf/cm〜70gf/cm、好
ましくは25gf/cm〜50gf/cmとするとよ
い。
【0110】図5に示す非接触現像プロセスおよび図6
に示す接触現像プロセスを、それぞれイエローY、シア
ンC、マゼンタM、ブラックKからなる4色のトナー
(現像剤)による現像器と感光体1を組み合わせれば、
フルカラー画像を形成することのできるフルカラー画像
形成装置となる。このフルカラー画像形成装置として
は、図8に示す4色の各現像器と回転可能な1つの潜像
担持体からなる4サイクル方式(詳細は後述)、4色の
各現像器と各潜像担持体とを1列に並べたタンデム方
式、および、1つの潜像担持体と4色の回転可能な現像
器を組み合わせたロータリー方式がある。
【0111】次に、本発明の負帯電性トナーの作製例、
およびこの負帯電性トナーを用いた、図5および図6に
示す基本構成を有する図8に示す非接触または接触一成
分現像プロセスによる画像形成装置の有機感光体、転写
媒体の製造例について説明する。なお、図8に示す画像
形成装置は接触一成分現像プロセスを行うこともでき、
後述する作像化試験では、この画像形成装置を用いて接
触一成分現像プロセスによる試験も行った。ただし、以
下の説明においては、基本的にこの画像形成装置は非接
触一成分現像プロセスを行うものとしている。
【0112】次に、本発明の負帯電性トナーの製造例を
示す。その場合、負帯電性トナー(1)ないし(4)は
重合法により製造されたトナーであり、また、負帯電性
トナー(5)ないし(8)は粉砕法で製造されたトナー
の例である。
【0113】[負帯電性トナー(1)の製造例]スチレ
ンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、
およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合物を、 ・水 105重量部 ・ノニオン乳化剤 1重量部 ・アニオン乳化剤 1.5重量部 ・過硫酸カリウム 0.55重量部 からなる水溶性混合物に添加し、窒素気流中下で攪拌し
て70℃で8時間重合を行った。重合反応後冷却し、乳
白色の粒子径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
【0114】 次に、 ・この樹脂エマルジョン 200重量部 ・ポリエチレンワックスエマルジョン{三洋化成工業(株)製} 20重量部 ・フタロシアニンブルー 7重量部 を、界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0.2重量部を含んだ水中へ分散し、ジエチルアミン
を添加してpHを5.5に調整後攪拌しながら電解質の
硫酸アルミニウムを0.3重量部を加え、次いでTKホ
モミキサーで高速攪拌し、分散を行った。
【0115】更に、スチレンモノマー40重量部、アク
リル酸ブチル10重量部、サリチル酸亜鉛5重量部を水
40重量部と共に追加し、窒素気流下で攪拌しながら同
様にして90℃に加熱し、過酸化水素を加えて5時間重
合し、粒子を成長させた。重合停止後、この二次粒子の
会合と造膜結合強度を上げるため、pHを5以上に調整
しながら95℃に昇温し、5時間保持した。その後、得
られた粒子を水洗いし、45℃で真空乾燥を10時間行
ってシアントナーの母粒子を得た。
【0116】得られたシアントナーの母粒子は、前述の
FPIA2100装置で平均粒径および円形度を測定す
るとともに、前述のAC−2型表面分析装置で仕事関数
を測定した結果、平均粒径が6.8μm、円形度が0.9
8のトナーであり、その仕事関数は前述の表面分析装置
により測定した結果、5.57eVであった。このシア
ントナーの母粒子に対し、流動性改良剤である平均一次
粒子径が約12nmでかつ仕事関数が5.22eVの疎
水性シリカを重量比で1%、平均一次粒子径が約40n
mでかつ仕事関数が5.24eVの疎水性シリカを0.5
重量%添加混合して添加混合し、シアントナー(1)を
作製した。得られたシアントナー(1)は前述の各装置
を用いて測定した結果、平均粒径が6.86μm、円形
度が0.983、仕事関数が5.54eVであった。
【0117】[負帯電性トナー(2)の製造例]前述の
シアントナー(1)において、同様にしてフタロシアニ
ンブルーの顔料の代わりに顔料をキナクリドンに変更
し、また二次粒子の会合と造膜結合強度を上げる温度を
90℃のままで行い、マゼンタトナー(2)を同様に作
製した。前述のシアントナー(1)と同様にして、マゼ
ンタトナー(2)の母粒子およびマゼンタトナー(2)
の平均粒径、円形度、および仕事関数を測定した結果、
トナー母粒子の平均粒径が6.9μm、円形度が0.9
7、仕事関数が5.65eV、マゼンタトナー(2)の
平均粒径が6.96μm、円形度が0.975で、仕事関
数が5.61eVであった。
【0118】[負帯電性トナー(3)および(4)の製
造例]前述のマゼンタトナー(2)において、顔料をピ
グメントイエロー180とカーボンブラックとに変えた
以外はマゼンタトナー(2)と同様にして重合を行い、
流動性改良剤を添加し、イエロートナー(3)とブラッ
クトナー(4)とを作製した。このとき、イエロートナ
ー(3)は、トナー母粒子の平均粒径が6.93μm、
円形度が0.968、仕事関数が5.55eV、イエロー
トナー(3)の平均粒径が7.01μm、円形度が0.9
71、仕事関数が5.52eVであった。また、ブラッ
クトナー(4)は、トナー母粒子の平均粒径が6.89
μm、円形度が0.965、仕事関数が5.49eV、ブ
ラックトナー(4)の平均粒径が7.08μm、円形度
が0.975、仕事関数が5.45eVであった。
【0119】[負帯電性トナー(5)の製造例]重縮合
ポリエステル樹脂(三洋化成工業(株)製、ハイマーE
Sー801、非架橋成分と架橋成分の比率45/55)
100重量部に、シアン顔料のフタロシアニンブルー5
重量部、離型剤として融点が152℃、Mwが4000
のポリプロピレン3重量部、および荷電制御剤としての
サリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業
(株)製)4重量部をヘンシェルミキサーを用いて均一
混合した後、内温130℃の二軸押し出し機で混練し、
冷却した。この冷却物を2mm角以下に粗粉砕し、次い
でこの粗粉砕品をターボミルで微粉砕し、ローター回転
による分級装置により分級し、平均一次粒径7.29μ
mで、円形度0.924のシアントナーのトナー母粒子
を得た。また、このトナー母粒子の仕事関数は、測定の
結果、5.39eVであった。
【0120】得られたトナー母粒子に対して、前述のト
ナー(1)で使用した2種類の疎水性シリカのうち、小
粒子径のシリカを平均一次粒子径が約7nm、仕事関数
が5.18eVの疎水性シリカに変えてその量を0.8重
量%にし、大粒子径のシリカを平均一次粒子径が約40
nm、仕事関数が5.24eVの疎水性シリカに変えて
その重量を0.5重量%添加し、更に、一次粒子の粒度
が7nmないし80nmで、平均一次粒子径が約17n
m、第1仕事関数が5.18eV、第2仕事関数が5.6
2eVの疎水性アルミナーシリカ複合酸化微粒子を0.
5重量%、金属酸化物として平均一次粒子径が約20n
m、仕事関数が5.64eVのルチルアナターゼ型酸化
チタンを0.4重量%添加混合し、シアントナー(5)
を作製した。このとき、シアントナー(5)は、平均一
次粒子径が約7.35μm、円形度が0.929、仕事関
数が5.47eVであった。
【0121】[負帯電性トナー(6)、(7)、(8)
の製造例]前述のシアントナー(5)の製造例に従い、
同様にしてマゼンタトナー(6)(マゼンタトナー顔料
としてカーミン6Bを使用)、イエロートナー(7)
(イエロートナー顔料としてピグメントイエロー93を
使用)およびブラックトナー(8)(ブラックトナー顔
料としてカーボンブラックを使用)を作製した。
【0122】このとき、マゼンタトナー(6)は、その
トナー母粒子の平均一次粒子径が約7.28μm、円形
度が0.925、仕事関数が5.42eVであり、マゼン
タトナー(6)の平均一次粒径と円形度がいずれもほぼ
シアントナー(5)とほぼ同じであり、仕事関数が5.
49eVであった。また、イエロートナー(7)は、そ
のトナー母粒子の平均一次粒子径が約7.29μm、円
形度が0.924、仕事関数が5.55eVであり、イエ
ロートナー(7)の平均一次粒径と円形度がいずれもほ
ぼシアントナー(5)とほぼ同じであり、仕事関数が
5.56eVであった。更に、ブラックトナー(8)
は、そのトナー母粒子の平均一次粒子径が約7.27μ
m、円形度が0.925、仕事関数が5.60eVであ
り、ブラックトナー(8)の平均一次粒径と円形度がい
ずれもほぼシアントナー(5)とほぼ同じであり、仕事
関数が5.61eVであった。
【0123】(非接触または接触一成分現像プロセスに
よる画像形成装置の例)図5に示す非接触一成分現像プ
ロセスによる画像形成装置あるいは図6に示す接触一成
分現像プロセスによる画像形成装置として、図8に示す
非接触現像プロセスおよび接触現像プロセスが可能なフ
ルカラープリンタがある。このフルカラープリンタを示
す図8において、100は像担持体ユニットが組み込ま
れた像担持体カートリッジである。この例では、感光体
カートリッジとして構成されていて、感光体と現像部ユ
ニットが個別に装着できるようになっており、本発明の
相対関係にある仕事関数を有する負帯電用電子写真感光
体(以下、単に感光体ともいう)140が図示しない適
宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。
感光体140の周りにはその回転方向に沿って、帯電手
段として帯電ローラ160、現像手段としての現像器1
0(Y、M、C、K)、中間転写装置30、およびクリ
ーニング手段170が配置される。
【0124】帯電ローラ160は、感光体140の外周
面に当接してその外周面を一様に帯電させる。一様に帯
電した感光体140の外周面には露光ユニット40によ
って所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなさ
れ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が
形成される。この静電潜像は現像器10によって現像剤
が付与されて現像される。
【0125】現像器10としてイエロー用の現像器10
Y、マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10
C、およびブラック用の現像器10Kが設けられてい
る。これら現像器10Y、10C、10M、10Kはそ
れぞれ揺動可能に構成されている。そして、選択的に一
つの現像器の現像ローラ(現像剤担持体)11のみが、
非接触現像プロセスの場合は感光体140に対して所定
の現像ギャップLを置いてセットされ、また、接触現像
プロセスの場合は感光体140に圧接し得るようになっ
ている。これらの現像器10は、感光体における仕事関
数と相対関係にある仕事関数を有する負帯電性トナーを
現像ローラ上に保持しているものであり、これらの現像
器10はイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラック
Kのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付
与して感光体140上の静電潜像を現像する。現像ロー
ラ11は硬質のローラ、例えば表面を粗面化した金属ロ
ーラで構成されている。現像されたトナー像は、中間転
写装置30の中間転写ベルト36上に転写される。クリ
ーニング手段170は、上記転写後に感光体140の外
周面に付着しているトナーTを掻き落とすクリーナブレ
ードと、このクリーナブレードによって掻き落とされた
トナーを受けるクリーニングトナー回収部とを備えてい
る。
【0126】中間転写装置30は、駆動ローラ31と、
4本の従動ローラ32、33、34、35と、これら各
ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト36
とを有している。駆動ローラ31は、その端部に固定さ
れた図示しない歯車が感光体140の駆動用歯車とかみ
合っていることによって感光体140と略同一の周速で
回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体
140と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動される
ようになっている。
【0127】従動ローラ35は駆動ローラ31との間で
中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体1
40に圧接される位置に配置されており、感光体140
と中間転写ベルト36との圧接部において、一次転写部
T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベ
ルトの循環方向上流側において一次転写部T1の近くに
配置されている。
【0128】駆動ローラ31には中間転写ベルト36を
介して図示しない電極ローラが配置されており、この電
極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次
転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンション
ローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベ
ルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ3
3は二次転写部T2を形成するバックアップローラであ
る。このバックアップローラ33には中間転写ベルト3
6を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。
二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しな
い接離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能
になっている。従動ローラ34はベルトクリーナ39の
ためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39
は図示しない接離機構により中間転写ベルト36に対し
て接離可能になっている。
【0129】中間転写ベルト36は、導電層と、この導
電層上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層と
を有する複層ベルトで構成されている。導電層は合成樹
脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電
層に前述した電極ローラを介して一次転写電圧が印加さ
れる。なお、ベルト側縁部において、抵抗層が帯状に除
去されることによって導電層が帯状に露出し、この露出
部に電極ローラが接触するようになっている。
【0130】中間転写ベルト36が循環駆動される過程
で、一次転写部T1において、感光体140上のトナー
像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト
36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2におい
て、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等のシ
ート(記録材)Sに転写される。シートSは、給紙装置
50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタ
イミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カ
セット、52はピックアップローラである。
【0131】二次転写部T2で二次転写されたトナー像
が定着器60で定着され、排紙経路70を通って装置本
体のケース80上に形成されたシート受け部81上に排
出される。なお、この画像形成装置は、排紙経路70と
して互いに独立した2つの排紙経路71、72を有して
おり、定着装置60を通ったシートはいずれかの排紙経
路71又は72を通って排出される。また、この排紙経
路71、72はスイッチバック経路をも構成しており、
シートの両面に画像を形成する場合には排紙経路71又
は72に一旦進入したシートが、返送ローラ73を通っ
て再び二次転写部T2に向けて給紙されるようになって
いる。
【0132】次に、画像形成装置の各構成部材の製造例
を説明する。 {有機感光体(OPC1)の製造例}この製造例の有機
感光体(OPC1)1の作製では、まず、アルミ素管の
径85.5mmの導電性支持体1aの周面に、下引き層
1bとして、アルコール可溶性ナイロン{東レ(株)製
「CM8000」}の6重量部とアミノシラン処理され
た酸化チタン微粒子4重量部とをメタノール100重量
部に溶解、分散させてなる塗工液をリングコーティング
法で塗工し、温度100℃で40分乾燥させ、膜厚1.
5μm〜2μmの下引き層1bを形成した。
【0133】次いで、の下引き層1b上に、電荷発生顔
料としてのオキシチタニウムフタロシアニン1重量部
と、ブチラール樹脂{BX−1、積水化学(株)製}1
重量部と、ジクロルエタン100重量部とを、φ1mm
のガラスビーズを用いたサンドミルで8時間分散させて
顔料分散液を得た。得られた顔料の分散液をこの下引き
層1b上に、リングコーティング法で塗工し、80℃で
20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層1cを
形成した。
【0134】この電荷発生層1c上に、下記構造式
(1)のスチリル化合物の電荷輸送物質40重量部とポ
リカーボネート樹脂(パンライトTS、帝人化成(株)
製)60重量部をトルエン400重量部に溶解させ、乾
燥膜厚が22μmになるように浸漬コーティング法で塗
工、乾燥させて電荷輸送層1dを形成し、2層からなる
感光層を有する有機積層型感光体1(OPC1)を作製
した。得られた有機積層型感光体1の一部を切り欠いて
試料片とし、この試料片の仕事関数は前述のAC−2型
表面分析装置を用い、照射光量500nWで測定したと
ころ、5.48eVを示した。
【0135】
【化1】
【0136】{有機感光体(OPC2)の製造例}有機
感光体(OPC1)1において、導電性支持体1aにシ
ームレスの厚さ40μmで直径85.5mmのニッケル
電鋳管を用い、また、電荷発生顔料としてチタニルフタ
ロシアニンを用い、更に、電荷輸送物質に下記構造式
(2)のジスチリル化合物を用い、それ以外は製造例1
と同様にして有機積層型感光体(OPC2)1を作製し
た。この有機積層型感光体の仕事関数を同様に測定する
と、5.50eVであった。
【0137】
【化2】
【0138】(現像ローラ11の作製例)現像ローラ1
1は、直径18mmのアルミパイプ表面にニッケルメッ
キ(厚さ23μm)を施し、表面粗さ(Ra)4μmの
表面を得た。この現像ローラ11表面の一部を切り欠
き、同様にして仕事関数を測定したところ、4.58e
Vであった。
【0139】(トナー規制ブレードの作製例)トナー規
制ブレード7は、厚さ80μmのSUS板に厚さ1.5
mmの導電性ウレタンフゴムチップを導電性接着剤で貼
り付けて作製し、このときにウレタン部の仕事関数は約
5eVとした。
【0140】(中間転写装置の転写媒体の作製例)中間
転写装置30の転写媒体である中間転写ベルト36にお
ける導電層である中間導電性層を、アルミニウムを蒸着
した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート樹脂
フィルム上に、 ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30重量部 ・導電性カーボンブラック 10重量部 ・メチルアルコール 70重量部 からなる均一分散液を、厚さが20μmになるようにロ
ールコーティング法にて塗工乾燥することにより、形成
した。
【0141】次いで、この中間導電性層上に、抵抗層で
ある転写層を、 ・ノニオン系水系ウレタン樹脂(固形分62重量%) 55重量部 ・ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン樹脂(固形分60重量%) 11.6重量部 ・導電性酸化スズ 25重量部 ・ポリテトラフルオロエチレン微粒子(max粒子系0.3μm以下) 34重量部 ・ポリエチレンエマルジョン(固形分35重量%) 5重量部 ・イオン交換水 20重量部 の組成を混合分散してなる塗工液を厚さ10μmとなる
ようにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥して、
形成した。
【0142】そして、この塗工シートを長さ540mm
に裁断し、塗工面を上にして端部を合わせ、超音波溶着
を行うことにより中間転写ベルト36を作製した。この
中間転写ベルト36の体積抵抗は2.5×1010Ω・c
mであった。また、仕事関数は5.37eV、規格化光
電子収率6.90を示した。
【0143】(定着器の作製例)定着器60はヒータロ
ーラおよびプレスローラの二本の加圧ローラ(約38k
gfの荷重)を備えている。ヒータローラはハロゲンラ
ンプ600wを内蔵し、シリコンゴム2.5mm(60
°JISA)上にPFAを厚み50μmに成膜してφ4
0に形成した。また、プレスローラはハロゲンランプ3
00wを内蔵し、シリコンゴム2.5mm(60°JI
SA)上にPFAを厚み50μmに成膜してφ40に形
成した。定着温度は190℃に設定している。
【0144】このように構成されたフルカラープリンタ
の作動の概要は次の通りである。 (i) 図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコン
ピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画
像形成装置の制御部90に入力されると、感光体14
0、現像器10の各ローラ11、および中間転写ベルト
36が回転駆動される。
【0145】(ii) 感光体140の外周面が帯電ローラ
160によって一様に帯電される。 (iii) 一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユ
ニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像
情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の
静電潜像が形成される。
【0146】(iv) 感光体140には、第1色目の例え
ばイエロー用の現像器10Yの現像ローラのみが感光体
140に対して所定の現像ギャップLをおいてセットさ
れるかまたは感光体140に接触し、これによって上記
静電潜像が非接触現像または接触現像され、第1色目の
イエローのトナー像が感光体140上に形成される。 (v) 中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性と
逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形
成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写ベ
ルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ3
8およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36から
離間している。
【0147】(vi) 感光体140上に残留しているトナ
ーがクリーニング手段170によって除去された後、除
去手段41から除電光L2によって感光体140が除電
される。 (vii) 上記(ii)〜(vi)の動作に必要に応じて繰り返され
る。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色目、第
3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信号の内
容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重
ね合わされて形成される。
【0148】(viii) 所定のタイミングで給紙装置50
からシートSが給送され、シートSの先端が二次転写部
T2に達する直前あるいは達した後に(要するにシート
S上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像
が転写されるタイミングで)二次転写ローラ38が中間
転写ベルト36上のトナー像(基本的には4色のトナー
像が重ね合わせられたフルカラー画像)がシートS上に
転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベル
ト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に
残留しているトナーが除去される。
【0149】(ix) シートSが定着装置60を通過する
ことによってシートS上のトナー像が定着し、その後、
シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合には
シート受け部81に向け、両面印刷の場合にはスイッチ
バック経路71または72を経て返送ローラ73に向
け)搬送される。
【0150】次に、本発明の負帯電トナーの実施例につ
いて説明する。 (実施例1)この実施例1で使用した外添剤12の仕事
関数の一覧表を表3に示す。その場合、金属酸化物14
としてこの実施例ではルチルアナターゼ型酸化チタンを
用いている。
【0151】
【表3】
【0152】前述のように、アルミナーシリカ複合酸化
物微粒子13は屈曲点があって2つの仕事関数を有して
おり、表3には、外添剤のアルミナーシリカ複合酸化
物微粒子13の2つの仕事関数が示されている。これら
の仕事関数がそれぞれ前述の正と負の摩擦帯電サイトを
与えると考えられる。
【0153】そこで、この実施例1では、前述のシアン
トナー(1)に対して、ジメチルシラン(DMS)によ
り表面処理された疎水性アルミナ−シリカ複合酸化物微
粒子{かさ密度75g/L、平均粒径17nm、比表面
積110m2/g、シリカ35/アルミナ65の重量構
成比(混晶比)}と、シランカップリング処理された疎
水性ルチルアナターザ型酸化チタン(長軸径および軸比
が、それぞれ、0.02μm〜0.10μmおよび2〜
8、平均粒径20nm、比表面積135m2/g、ルチ
ル含有量10.0%、)とを、表4に示す割合で重量比
で1%添加混合したトナー1ーないし1ーをそれぞ
れ作製した。
【0154】
【表4】
【0155】これらのトナーについて、図5に模式的に
示す非接触現像方式で、前述の有機感光体(OPC1)
1、前述の現像ローラ11、中間転写装置30の中間転
写ベルト36、およびトナー規制部材7を使用した図8
に示すフルカラープリンタを用いて、現像ギャップLを
220μmに設定した非接触現像方式(作像条件:有機
感光体1の暗電位−600V、有機感光体1の明電位−
80V、DC現像バイアス−300V、AC現像バイア
ス(P−P電圧)1320V、AC周波数2.5kH
z)でベタ画像濃度を約1.1になるように作像してト
ナーの帯電特性試験を行った。そして、その時の現像ロ
ーラ11上のトナーの平均帯電量q/m(μc/g)と
正帯電トナー量(wt%)を市販のホソカワミクロン
(株)製の帯電量分布測定器(E−SPARTアナライ
ザEST−3型)で測定した。これらのトナーの帯電特
性測定結果を表4に示す。
【0156】表4に示す測定結果から明らかなように、
ルチルアナターゼ型酸化チタンとアルミナーシリカ複合
酸化物微粒子の混合外添剤を添加するに従い、添加しな
い場合に比し、平均帯電量は大きくなるかあるいはさほ
ど変わらないが、正帯電トナー量は減少することがわか
った。しかも、ルチルアナターゼ型酸化チタンとアルミ
ナーシリカ複合酸化物微粒子との混合比が0.25対0.
75のときには、それぞれそれらの単独の1.0wt%
添加量のときよりも、正帯電トナー量が最少となること
がわかった。
【0157】(実施例2)前述の実施例1で使用したト
ナー1ーないし1ーを用い、図5に模式的に示す非
接触現像方式と図6に模式的に示す接触現像方式とによ
り、前述の有機感光体(OPC1)1、前述の現像ロー
ラ11、中間転写装置30の中間転写ベルト36、およ
びトナー規制部材7を使用した図8に示すフルカラープ
リンタを用いて、作像試験を行った。このときの作像条
件は、非接触現像方式では、有機感光体1の暗電位−6
00V、有機感光体1の明電位−80V、DC現像バイ
アス−300V、AC現像バイアス(P−P電圧)13
20V、AC周波数2.5kHz)であり、また接触現
像方式では、前述の有機感光体2の暗電位−600V、
有機感光体2の明電位−80V、DC現像バイアス−2
00V、供給ローラと現像ローラが同電位である。この
作像試験の結果を表5および表6にそれぞれ示す。
【0158】
【表5】
【0159】
【表6】
【0160】表6において、△は中抜けあるいはチリが
ある程度発生し、良好なベタ画像が得られなく、また、
○は中抜けあるいはチリがほとんど発生しなく、良好な
ベタ画像が得られた結果を示す。表5および表6に示す
作像試験結果から明らかなように、シリカ単独のトナー
1ーよりも、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子を添
加したトナー1ーやルチルアナターゼ型酸化チタンを
添加したトナー1ーの方がベタ画像濃度が向上するだ
けでなく、カブリ、逆転写トナー、中抜け、チリが少な
くなる。更に、アルミナーシリカ複合酸化物微粒子とル
チルアナターゼ型酸化チタンとの混合物を添加したトナ
ー1ー、1ーおよび1ーは、カブリ、逆転写トナ
ー、中抜け、チリが更に一層少なくなることがわかっ
た。
【0161】なお、各トナーの転写効率は、トナー1ー
が90%〜94%であったのに対して、トナー1ー
〜1ーは98%前後の値を示し、アルミナーシリカ複
合酸化物微粒子およびルチルアナターゼ型酸化チタンを
外添させることで、より良好な転写を行うことができる
ことがわかった。
【0162】また、カブリおよび逆転写トナーのOD値
はテープ転写法で求めた。テープ転写法とは住友3M製
のメンディングテープを感光体上に存在するトナー上に
貼り付けてカブリトナーや逆転写トナーをテープ上に転
写し、次いでこのメンディングテープおよび貼り付け前
のメンディングテープをそれぞれ白紙上に貼り、これら
の反射濃度をマクベスの反射濃度計で測定し、その測定
値よりテープの反射濃度を差し引いた値をカブリおよび
逆転写トナーの各反射濃度としている。また、転写効率
は転写前後の感光体上に存在するトナーに前述のテープ
を貼り付け、剥がしたテープの重量を測定することで、
その重量差により計算し求めた。逆転写トナーは1色目
のベタ画像を作像し、次いで、2色目の白ベタ画像を作
像させたときに、白ベタ画像に相当する非画像部となる
感光体上に逆転写された1色目のシアントナーを逆転写
トナーとして、テープ転写法で求めた値である。
【0163】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の負帯電トナーによれば、アルミナーシリカ複合酸化物
微粒子の有するトナーの凝集性向上機能という固有の特
性と金属酸化物の有するトナーの負の過帯電防止機能お
よびトナーの流動性の向上機能という固有の特性とを相
乗した機能をトナー母粒子に付与しているので、負帯電
性トナーの流動性低下を防止できるとともに、トナーの
負の過帯電を防止できる。これにより、より良好な負帯
電特性を得ることができるので、逆転写トナーの発生お
よびカブリを効果的に抑制できるようになる。また、ト
ナーの流動性を向上できるので、線画像の境目に発生す
るチリを防止でき、画像のシャープ性を向上することが
できるとともに、トナーの凝集性を向上できるので、線
画像の中心部に発生する中抜けを防止できる。
【0164】したがって、負帯電性トナーの負帯電をよ
り一層長期にわたり安定させることができるので、シャ
ープ性を有する画像を作製できるとともに、連続印字に
おける安定した画像品質を得ることができる。しかも、
トナーの流動性を向上できることで、トナー規制部材に
よりトナーの均一な薄層を形成することができるように
なる。
【0165】また、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複
合酸化物粒子が広い粒度分布を有していることから、こ
の酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子をト
ナー母粒子内に確実に付着することができるので、転写
効率を向上することができる。特に、金属酸化物として
ルチルアナターゼ型酸化チタンを用いた場合には、この
ルチルアナターゼ型酸化チタンが紡錘形状を有している
ことからトナー母粒子内に埋没し難くなるので、ルチル
アナターゼ型酸化チタンをトナー母粒子に確実に付着で
き、転写効率をより一層向上することができる。
【0166】更に、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複
合酸化物粒子および金属酸化物粒子より、仕事関数が小
さい2種類の疎水性の二酸化ケイ素を併用しているの
で、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の
前述の固有の特性と金属酸化物粒子の前述の固有の特性
とに、疎水性の負帯電性二酸化ケイ素の有する負帯電機
能および流動性という固有の特性が相乗された機能をト
ナー母粒子に付与できる。これにより、負帯電性トナー
の流動性低下を防止できるとともに、負の過帯電を防止
できることから、負帯電性トナーにより良好な負帯電特
性を持たせることができ、逆転写トナーの発生およびカ
ブリを更に効果的に抑制できる。
【0167】また、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複
合酸化物粒子の仕事関数に屈曲点が存在することで、酸
化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子は、正と
負の摩擦サイトを有している。トナー母粒子が正の摩擦
サイトに接触するとトナー母粒子が負に確実に帯電し、
また負の摩擦サイトに接触するとトナー母粒子が正に帯
電するので過剰に負に帯電したトナー母粒子の電荷を適
切な値に調整されるようになる。
【0168】このようにして、本発明の負帯電性トナー
によれば、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物
粒子の正の摩擦サイトと負帯電性二酸化ケイ素とにより
負に帯電し、更に、トナー規制部材とトナー担持体表面
とにより、より一層確実に負に摩擦帯電することができ
る。
【0169】その場合、負帯電し易い低温低湿下はもち
ろん、負帯電し難い高温高湿下においても、酸化アルミ
ニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子によりトナー母粒
子を負に帯電することができるので、トナーはに安定し
た負帯電特性を維持することができ、また、連続印字に
おいても同様に安定した帯電特性を維持できるので、印
字品質を環境にほとんど影響されずに長期間にわたって
高品質を維持することができる。
【0170】更に、2種類の二酸化ケイ素の添加量(重
量)を酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子
と金属酸化物微粒子との合計添加量(重量)より多くし
ているので、酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化
物粒子と金属酸化物微粒子とをこれらの2種類の二酸化
ケイ素を介してトナー母粒子に確実に固着でき、トナー
母粒子からの遊離を少なくできる。したがって、本発明
の負帯電トナーは長期にわたって帯電を安定させること
ができるようになる。
【0171】更に、2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒
子径より大きな粒子径や広い粒度分布を有し、かつ、正
と負の摩擦サイトを有する酸化アルミニウム−二酸化ケ
イ素複合酸化物粒子を共存させているので、規制トナー
層を均一に帯電でき、逆極性である正帯電のトナー量を
減少することができる。
【0172】これにより、感光体上のカブリトナーや逆
転写トナー量を減らすことができ、転写効率をより一層
向上できる。そして、転写効率を向上できることで、感
光体や中間転写媒体上のクリーニングされるトナー量を
少なくできるので、クリーニングが簡単になり、かつク
リーニングトナーの回収容器を小さい容器にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる負帯電性トナーの実施の形態
の一例を模式的に示す図である。
【図2】 特許第2533067号公報に開示されてい
るアルミナーシリカ複合酸化物微粒子を製造するための
バーナー装置である。
【図3】 表面分析装置による測定で得られたアルミナ
ーシリカ複合酸化物微粒子に関するデータの1つを示す
図である。
【図4】 表面分析装置による測定で得られたアルミナ
ーシリカ複合酸化物微粒子に関するデータの他の1つを
示す図である。
【図5】 本発明にかかる負帯電性トナーが使用される
画像形成装置の非接触現像プロセスの一例を模式的に示
す図である。
【図6】 本発明にかかる負帯電性トナーが使用される
画像形成装置の接触現像プロセスの一例を模式的に示す
図である。
【図7】 図5および図6に示す画像形成装置の有機積
層型感光体を示す図である。
【図8】 本発明の負帯電性トナーによる作像試験に用
いた非接触現像プロセスおよび接触現像プロセスによる
4サイクル方式のフルカラープリンターの一例を示す図
である。
【図9】 従来の負帯電性トナーにおける中抜け現象お
よびチリの発生を示す図である。
【符号の説明】
1,140…有機感光体、2…コロナ帯電器、3…露
光、4…クリーニングブレード、5…転写ローラ、6…
供給ローラ、7…規制ブレード、8…負帯電性トナー
(一成分非磁性トナー)、8a…トナー母粒子、9…転
写材または転写媒体、10…現像器、11…現像ロー
ラ、12…外添剤、13…アルミナーシリカ複合酸化物
微粒子、14…金属酸化物、15a,15b…疎水性の
負帯電性シリカ(SiO2)、L…現像ギャップ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー母粒子に対して疎水性の外添剤が
    少なくとも外添処理されてなる負帯電性トナーにおい
    て、 前記外添剤として、少なくとも、疎水性の酸化アルミニ
    ウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子と、この酸化アルミ
    ニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の仕事関数よりも
    大きな仕事関数を有する疎水性の金属酸化物微粒子とが
    用いられていることを特徴とする負帯電性トナー。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物微粒子は、ルチルアナタ
    ーゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型
    酸化チタン、チタン酸ストロンチウム(TiO3Sr)
    のいずれか1つであることを特徴とする請求項1記載の
    負帯電性トナー。
  3. 【請求項3】 前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複
    合酸化物粒子の量は、トナー母粒子に対して、重量比で
    0.1重量%から3重量%以下に設定されていることを
    特徴とする請求項1または2記載の負帯電性トナー。
  4. 【請求項4】 前記外添剤として、更に、粒径の異なる
    2種類の疎水性で負帯電性の二酸化ケイ素が用いられて
    おり、 この2種類の二酸化ケイ素の平均一次粒子径がいずれも
    前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の
    粒度分布よりも小さく、かつ前記金属酸化物微粒子の短
    軸径を含む平均一次粒子径が前記2種類の二酸化ケイ素
    の平均一次粒子径の間にくるように設定されているとと
    もに、2種類の二酸化ケイ素の仕事関数がいずれも前記
    酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物粒子の仕事
    関数および前記金属酸化物微粒子の仕事関数よりも小さ
    く設定されていることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれか1記載の負帯電性トナー。
  5. 【請求項5】 前記2種類の二酸化ケイ素の添加量(重
    量)が前記酸化アルミニウム−二酸化ケイ素複合酸化物
    粒子と前記金属酸化物微粒子との合計添加量(重量)よ
    り多く設定されていることを特徴とする請求項4記載の
    負帯電性トナー。
  6. 【請求項6】 前記トナー母粒子は粉砕法または重合法
    で製造されていることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれか1記載の負帯電性トナー。
  7. 【請求項7】 円形度が0.91(FPIAー2100
    測定値)以上に設定されていることを特徴とする請求項
    1ないし6のいずれか1記載の負帯電性トナー。
  8. 【請求項8】 個数基準の50%径(D50)が9μm以
    下に設定されていることを特徴とする請求項1ないし7
    のいずれか1記載の負帯電性トナー。
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WO2006070871A1 (ja) * 2004-12-28 2006-07-06 Zeon Corporation 静電荷像現像用トナー
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