JP2003255568A - 感光体ドラムの製造方法、製造装置及び電子写真感光体 - Google Patents

感光体ドラムの製造方法、製造装置及び電子写真感光体

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JP2003255568A JP2002060197A JP2002060197A JP2003255568A JP 2003255568 A JP2003255568 A JP 2003255568A JP 2002060197 A JP2002060197 A JP 2002060197A JP 2002060197 A JP2002060197 A JP 2002060197A JP 2003255568 A JP2003255568 A JP 2003255568A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数本の感光体ドラムの余剰塗布層をテープ
で同時除去し、使用済のテープから除去に再使用可能な
領域を見つけて再度塗布層除去に供することを可能にし
て、テープを無駄なく効率よく使用してコストダウン、
省資源、ゴミの排出量低減化した環境に優しい感光体ド
ラムの製造方法と製造装置、及び高耐久性と高画質性を
有する電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 感光層を含む塗布層の形成された感光体
ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部表面に
おける塗布層の除去を行う工程を有する感光体ドラムの
製造方法であって、前記塗布層の除去は複数の感光体ド
ラムを同時に行うものであり、前記塗布層の除去と前記
テープの搬送はタイミング調整手段からの情報に基づい
て行うことを特徴とする感光体ドラムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置で使用
される電子写真感光体(以下、簡単に感光体、感光体ド
ラムともいう)の製造方法、製造装置、及び該製造方法
や製造装置により作製される電子写真感光体に関するも
ので、詳しくは感光体基体上の不要な塗布層を除去する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体ドラムを製造する場合、円筒状導
電性基体を感光層液あるいは中間層液、表面の保護層液
等の塗布液中に浸漬して引き上げることにより、ドラム
の表面に塗布層を形成するのが一般的である。この場
合、円筒状導電性基体をドラム基材を感光体塗布液中に
浸漬するため、ドラム基材表面全体に感光層の塗布層が
形成されることになる。ドラム基材表面全体に感光層の
塗布層の形成された感光体ドラムを電子写真装置に組み
込むと、用紙を搬送するローラ等との接触により感光体
ドラム端部の塗布層が剥離して、用紙の精密な搬送がで
きなくなる。また、感光体ドラム上にはアース用の接点
を設ける必要のあることから、感光体ドラムの両端部の
塗布層を除去する必要がある。
【0003】感光体ドラムの両端部の塗布層を除去する
技術として、テープ状の繊維布(以下拭き取りテープ、
除去テープ、テープともいう)を用いて塗布層の除去を
行うことが挙げられる。例えば熱融着型不織布からなる
テープを順次巻出し、このテープに溶剤を供給後、テー
プを感光ドラムに接触させて除去する方法(特公平4−
65376号公報)や、溶剤を含浸した綾織物からなる
テープを巻出した後、このテープを感光ドラムに接触さ
せて除去する方法(特開平6−138670号公報)が
知られているが、これらの文献ではテープの供給形態ま
で言及されていなかった。
【0004】現実の生産工程で使用される形態であるル
ープタイミングテープの形態でテープ供給を行うものと
して、特開平9−281725号公報には少なくとも片
面が凹凸構造を有する不繊布からなる感光ドラム用余剰
塗膜除去テープを用いる方法が開示され、特開平10−
83039号公報には十分な長さの軸のバイアス状に復
列巻きした除去テープ供給ロールを使用して感光体膜の
除去を行う技術が開示されている。
【0005】しかしながら、上記の文献に開示された技
術は1本の感光体ドラムで塗布層の除去を行うもので、
現実の生産工程に即応したものではなかった。すなわ
ち、実際の生産工程では複数本の感光体ドラムに対して
塗布層の除去を同時に行うもので、1本の感光体ドラム
のみで行ったこれらの文献に開示された結果を単純にス
ケールアップして実際の生産工程に即応した塗布層除去
技術を容易に確立できるものではない。
【0006】また、感光体ドラム上の不要な領域の塗布
層の除去を一定時間内で行うと、除去開始直後はテープ
上に大量の塗布層構成物が汚れとして付着するが、除去
の進行に伴ってテープ上の汚れは徐々に減少し、感光体
上から不要な塗布層の除去が完了する頃にはテープ上に
汚れは殆ど付着していない。この様な汚れの少ない再使
用の可能な領域を安易に廃棄することは、実際の生産工
程ではいたずらに生産コストの上昇を招くことになる。
【0007】また、複数の感光体ドラムに対して同時に
塗布層の除去を行うと除去終了時にはテープ上に汚れの
付着した領域とあまり汚れていない領域とが不連続に形
成されてしまう。この様にテープ上に不連続に存在する
再使用可能な領域を確実に再使用することは、テープ消
費量の抑制による生産コストの低減や省資源化、ゴミの
発生量を減らし環境保護の視点からとても重要な技術課
題となるが、テープ上の汚れた領域に当たらずに、確実
にきれいな領域だけを取り出して、テープを無駄なく使
用することはとても難しい。また、テープ使用量を低減
させ過ぎると、塗布層の除去がうまく行われないため
に、塗布層が残存してしまう。塗布層の残存した電子写
真感光体を使用した画像形成装置では、黒ポチ等の画質
に問題を発生する。また、テープ使用量が少ないと拭取
精度が低く、塗布層の除去が十分になされていないた
め、感光体ドラム上の塗布層除去を行った領域と感光層
とで形成される境界は直線状にはならずに凹凸状になっ
てしまう。この様な凹凸状の境界を有する電子写真感光
体を画像形成装置に使用すると、境界領域にかかる負荷
により感光層にひびが入ったり、感光層の剥離を発生さ
せてしまい、良好な画像形成ができなくなる問題を有し
ている。
【0008】この様に、複数本の感光体ドラムの余剰塗
布層を拭き取りテープにより同時に除去する技術は開発
途上にあり、汚れた領域ときれいな領域の混在するテー
プからきれいな領域を選び出して除去を行って、テープ
の消費量を抑えてコスト削減や省資源、ゴミの排出量低
減による環境への配慮した、複数本の感光体ドラムの余
剰塗布層を同時に除去が可能で、しかも画像形成装置に
装填後は安定した高画質性を有する感光体ドラムの製造
方法は確立されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的
は、複数本の感光体ドラム端部に形成される余剰塗布層
を同時に行う際にテープを無駄なく効率よく使用して、
コストダウン及び省資源、ゴミの排出量の少ない環境に
優しい感光体ドラムの製造方法を提供することである。
【0010】また、本発明の第2の目的は、一度塗布層
の除去に使用した拭き取りテープ上の領域から未使用あ
るいは余り汚れていない再使用可能な領域を積極的に利
用することで、テープを無駄なく使用してコストダウン
及び省資源、ゴミの排出量を低減化させて環境に配慮し
た余剰塗布層の除去を行う手段を有する感光体ドラムの
製造装置を提供することである。
【0011】さらに、本発明の第3の目的は、拭き取り
テープを無駄なく使用する複数本の感光体ドラムの余剰
塗布層を除去する生産工程を経て得られ、しかも拭取精
度が高く感光層の剥離することのない高耐久性と、画像
形成装置に装填して像形成を行うと黒ポチや端部画像ム
ラの発生しない優れた高画質性を有する電子写真感光体
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の研究者らは鋭意
検討を重ねた末に、以下のいずれか1項の構成により、
複数本の感光体ドラムの余剰塗布層を同時に除去しなが
ら、塗布層除去に使用したテープから未使用あるいは余
り汚れていない領域を再度塗布層除去に供することを可
能にすることで、テープを無駄なく使用してコストダウ
ン及び省資源、ゴミの排出量を低減化させて環境に配慮
した感光体ドラムの製造方法と製造装置を見出した。
【0013】〔1〕感光層を含む塗布層の形成された感
光体ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部表
面における塗布層の除去を行う工程を有する感光体ドラ
ムの製造方法であって、前記塗布層の除去は複数の感光
体ドラムを同時に行うものであり、前記塗布層の除去と
前記テープの搬送はタイミング調整手段からの情報に基
づいて行うことを特徴とする感光体ドラムの製造方法。
【0014】〔2〕感光層を含む塗布層の形成された感
光体ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部表
面における塗布層の除去を行う工程を有する感光体ドラ
ムの製造方法であって、前記塗布層の除去は複数本の感
光体ドラムを同時に行うものであり、前記塗布層の除去
を完了した後に前記テープの使用済み領域における汚染
度に基づき次の塗布層の除去を行う前記テープの感光体
ドラム表面への接触位置を設定することを特徴とする感
光体ドラムの製造方法。
【0015】〔3〕感光層を含む塗布層の形成された感
光体ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部表
面における塗布層の除去を行う工程を有する感光体ドラ
ムの製造方法であって、前記塗布層の除去は複数の感光
体ドラムを同時に行うものであり、前記塗布層の除去と
前記テープの搬送はタイミング調整手段からの情報に基
づいて行うとともに、前記塗布層の除去を完了した後に
前記テープの使用済み領域における汚染度に基づいて次
の塗布層の除去を行う前記テープの感光体ドラム表面へ
の接触位置を設定することを特徴とする感光体ドラムの
製造方法。
【0016】〔4〕前記塗布層の除去を完了した後に前
記テープの使用済み領域の濃度を測定して次の塗布層の
除去を行う前記テープの感光ドラム表面への接触位置を
設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の感光
体ドラムの製造方法。
【0017】〔5〕感光層を含む塗布層の形成された複
数の感光体ドラムの端部表面にテープを接触させて前記
端部表面における塗布層の除去を同時に行う塗布層除去
手段を有する感光体ドラムの製造装置であって、前記塗
布層除去手段は、前記テープの搬送と前記感光体ドラム
の前記塗布層の除去の開始を調整するタイミング調整手
段を有することを特徴とする感光体ドラムの製造装置。
【0018】〔6〕感光層を含む塗布層の形成された複
数の感光体ドラムの端部表面にテープを接触させて前記
端部表面における塗布層の除去を同時に行う塗布層除去
手段を有する感光体ドラム製造装置であって、前記塗布
層除去手段は、前記複数の感光体ドラム間に前記テープ
における使用済み領域の汚染度を検出する検出手段を有
することを特徴とする感光体ドラムの製造装置。
【0019】〔7〕感光層を含む塗布層の形成された複
数の感光体ドラムの端部表面にテープを接触させて前記
端部表面における塗布層の除去を同時に行う塗布層除去
手段を有する感光体ドラム製造装置であって、前記塗布
層除去手段は、前記テープの搬送と前記感光体ドラムの
前記塗布層の除去を制御するタイミング調整手段と前記
テープにおける使用済み領域の汚染度を検出する検出手
段とを有することを特徴とする感光体ドラムの製造装
置。
【0020】〔8〕前記テープにおける使用済み領域の
汚染度を検出する検出手段が濃度測定装置であることを
特徴とする上記〔6〕又は〔7〕に記載の感光体ドラム
の製造装置。
【0021】
〔9〕前記テープにおける使用済み領域の
汚染度を検出する検出手段が、時間管理装置であること
を特徴とする上記〔6〕又は〔7〕に記載の感光体ドラ
ムの製造装置。
【0022】また、本発明の研究者らは、以下の構成に
より、テープを無駄なく使用可能な複数本の感光体ドラ
ムの余剰塗布層を除去する生産工程を経て得られ、しか
も拭取精度が高く感光層の剥離しない高耐久性を有し、
画像形成装置に装填して像形成を行うと黒ポチや端部画
像ムラの発生しない優れた高画質複写画像の得られる電
子写真感光体を見出すことを可能にした。
【0023】〔10〕上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1
項に記載の感光体ドラムの製造方法により、又は上記
〔5〕〜
〔9〕のいずれか1項に記載の感光体ドラムの
製造装置により製造されることを特徴とする電子写真感
光体。
【0024】なお、本発明では、後述の様に拭取精度と
いう用語と使用するが、拭取精度とは、感光体ドラムを
上側より観察した時に、感光体ドラム端部における余剰
塗布層を除去した領域と感光層領域との境界の形状に着
目したもので、両者より構成される境界が凹凸を有する
ことなく、より直線形状に近いものが好ましい。
【0025】すなわち、境界の形状が凹凸の目立たない
直線状に近いものである程、余剰塗布層が確実に除去さ
れて境界付近には不要な塗布層が残存していないもので
ある。この様な感光体を画像形成装置に装填して画像形
成を行うと、画像形成に伴う衝撃が境界付近の感光層に
伝播されにくいため感光層の剥離のない高耐久性を有す
る、また、残存塗布層による黒ポチ等の画質不良の見ら
れない良好な複写画像が得られる。
【0026】逆に、境界の形状が凹凸の目立つ感光体を
画像形成装置に装填して画像形成を行うと、凹凸部に画
像形成に伴う衝撃が伝わって特に凸状にせり出た感光層
領域はひびが入ったり剥離し易い性質を有する。従って
この様な感光体では高耐久性が期待できないばかりか、
剥離した感光層の作用で黒ポチの発生原因となったり、
境界が凹凸形状を有するため端部画像ムラの原因となり
好ましくない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明は、円筒状の導電性基体を感光層液あるいは中間
層液、表面の保護層液等の塗布液中に浸漬して引き上げ
ることにより、ドラム表面に塗布層を形成する塗布手段
や、円筒状の導電性基体を軸方向に連設して該導電性基
体を軸方向に移動し、塗布ヘッドを通過することにより
塗布層を導電性基体ドラム表面に形成する塗布手段によ
り得られた感光体ドラムの端部表面における不要な塗布
層除去を行う手段を有する感光体ドラムの製造装置を使
用して高耐久性及び高画質性を有する電子写真感光体を
製造するものである。
【0028】本発明に係る感光体ドラムの端部表面にお
ける塗布層除去手段を有する感光体ドラム製造装置の一
例を示す模式図を図1に示す。
【0029】図1は本発明に好ましく使用される複数の
感光体端部表面の塗布層除去手段である塗布層除去装置
1の一例である4本の感光体ドラムの端部表面の塗布層
を同時に除去している状態を示す模式図である。図1は
4本の感光体ドラムの端部表面における塗布層除去を同
時に行う装置であるが、本発明は複数本の感光体ドラム
の余剰塗布層を同時に除去するものであるので、同時に
除去を行う感光体ドラムの本数は複数本であればよく、
その本数を限定するものではない。
【0030】図1の上方には4本の感光体ドラム10A
〜10Dが並列配置されることが示されている。本発明
に係る塗布層除去手段では、テープ20を使用して感光
体ドラム10の端部表面100の塗布層の除去を行う。
図1ではテープ20は感光体ドラム1の下部で接触する
様に示されるが、本発明ではテープ20と感光体ドラム
10の端部表面100との除去を行うための接触位置は
特に限定されるものではない。
【0031】テープ20は除去手段の両端に配置される
元巻リール3より供給され、使用済みのテープは巻取り
リール4に回収される。テープ20は感光体ドラムの両
端近傍に配置された複数の加圧ローラ5及び装置下方に
ある複数の可動ロール6に張架されてテープ搬送経路2
を形成し、感光体ドラム10との接触面を形成する。図
中テープ20は除去作業を繰り返すことで、除去作業に
使用されて汚れのひどい除去作業使用不可能領域21と
あるいは殆ど汚れていない除去作業使用可能領域22が
形成される。装置下方に配置される複数の可動ロール6
は感光体ドラム表面にテープ20の汚れのひどい除去作
業使用不可能領域21が接触しない様になされている。
【0032】また、テープ搬送経路の近傍の任意の個所
に、タイミング調整手段7(7A〜7D)、テープ20
の汚染度検出手段である濃度検出手段8(8A〜8D)
が配置されている。タイミング調整手段7と汚染度検出
手段の配置位置は特に限定されるものではない。
【0033】次に、図2は、本発明に係る塗布層除去装
置1によるドラム端部表面の感光層除去手順を示す図で
ある。そして、図3は以下に述べる様に図2で示される
各段階に対応するテープ20上の汚れ個所の変遷を示す
模式図であり、テープ20上で各回に除去作業に使用さ
れるテープ20の領域が区分されて示されている。ま
た、図中A、B、C、Dで示す個所は塗布層除去作業の
開始位置である。
【0034】最初に、図2(A)は塗布層除去作業開始
直前の状態を示すもので、図3(1)に示す様にテープ
20はまだ全く汚れていない。ここで1回目の塗布層除
去を行う感光体ドラムを10A(1)〜10D(1)で
示す。
【0035】次に、図2(B)は1回目の塗布層除去作
業中の状態を示す図である。図2(B)に模式的に示す
様に塗布層の除去によって生ずるテープ20の汚れた領
域である除去作業使用不可能領域21は除去開始直後の
個所が最も汚れていて、その後は徐々に汚れ具合が低下
していく。そして、図2(C)は1回目の塗布層除去作
業の完了直後を示すもので、この時テープ20は図3
(2)にA〜Dで示す汚れのひどい除去作業使用不
可能領域21が形成されている。
【0036】次に、図2(D)は2回目の塗布層除去作
業に供する感光体ドラム10A(2)〜10D(2)を
セット後にテープ送りを行っている時の図である。図3
(3)に示す様に、本発明ではテープ送りにより1回目
の塗布層除去作業で形成されたテープ20の汚れのひど
い除去作業使用不可能領域21を2回目の塗布層除去作
業前に感光体ドラム10の除去作業開始位置よりも前に
送り除去作業に支障のない汚れ具合のテープ領域から2
回目の除去作業を行う。2回目の塗布層除去作業は、テ
ープ送りによってテープ20の除去作業使用可能領域2
2を開始位置とする。除去作業使用可能領域22とは、
テープ上の除去作業に未だ使用されていない領域や一度
除去作業に使用されているがあまり汚れていないので再
度除去作業に使用可能な領域を指し、塗布層除去作業を
行うにあたってはこの除去作業に使用可能な領域を有効
に利用する。
【0037】次に、図2(E)は2回目の塗布層除去作
業中の状態を示す図である。2回目の塗布層除去作業
時、各感光体ドラムの端部表面は、前述のテープ送りで
汚れた除去作業使用不可能領域21が先送りされている
ので、塗布層除去作業中にテープ20上の汚れのひどい
除去作業使用不可能領域21に接触しない。そして、図
2(F)は2回目の塗布層除去作業の完了直後を示すも
ので、この時テープ20は図3(4)にA〜Dで示
す様に2回目の除去作業によって生ずる汚れのひどい除
去作業使用不可能領域21が前回の除去作業に使用され
た領域に隣接して形成される。
【0038】以後、図2では省略するが、2回目の塗布
層除去作業後に前回同様テープ送りを行って、図3
(5)に示す様にテープ20上の汚れた領域A〜D
及びA〜Dを3回目の塗布層除去作業を行う感光体
ドラムの除去作業開始位置よりも前に送る。そして、3
回目の塗布層除去作業を開始する。
【0039】この様に、本発明では各回の塗布層除去作
業開始前にテープ20上の汚れのひどい除去作業使用不
可能領域21を感光体ドラムの除去作業開始位置よりも
前まで送り出すことにより、使用済みの汚れた領域が除
去作業中の感光体ドラムに接触することを防ぐことを可
能にするとともにテープを無駄なく使用することを可能
にしている。
【0040】なお、本発明では、4回の塗布層除去作業
を想定して上記説明を行い、図3(8)には4回の繰り
返しでD、C、B、Aで示す様な汚れ領域の形
成されることが示されているが、本発明では除去作業の
繰り返し回数を特定するものではないことは言うまでも
ない。
【0041】また、図4は装置下方の反転ロール6を可
動ロールとした塗布層除去装置の例を示す図である。
(A)は1回目の塗布層除去作業の完了時を示し、
(B)は(A)直後のテープ送りを実施した時の図、
(C)は2回目の塗布層除去作業完了時の図である。
【0042】次に、本発明で使用されるタイミング調整
手段について説明する。本発明に係る塗布層除去装置に
は、例えば複数の感光体ドラム間にきれいなテープを所
定の長さ確保するまで塗布層除去作業終了後もテープ搬
送を継続させるプログラムを設定したり、塗布層除去装
置のテープ搬送経路上に可動式ローラを配置して感光体
ドラム間に確保されるテープの量を自由に調整すること
を可能にするといった、テープ搬送や感光体ドラムの回
転、溶媒のテープへの含浸速度等の塗布層除去を行うた
めの塗布層除去に関連する装置の種々の駆動を塗布層除
去作業の内容に応じて調整するタイミング調整手段を有
するものである。
【0043】本発明に係る塗布層除去装置では、装置内
に設けられたタイミング調整手段からの信号あるいは情
報に基づいて感光体ドラム端部における塗布層除去やテ
ープの搬送が効果的に行われる様に制御される。感光体
ドラム端部における塗布層除去やテープの搬送は、たと
えば、感光体ドラムの回転方向や回転数、テープの搬送
速度やテンション、あるいはテープの搬送形態、感光体
ドラムとテープとの接触長、テープへの溶媒含浸量、テ
ープ押し当てコロの径等といった種々の条件を制御する
ことにより適正な条件が見出される。すなわち、感光体
ドラム端部の不要塗布層の除去は、除去を行う感光層の
種類や感光層の厚み、除去する量、感光層を構成する物
質の物性、あるいは作業実施時の気象や環境等の因子に
より、塗布層除去作業の難易度が変わる。本発明では、
タイミング調整手段によりこれらの因子を時間的に管
理、制御することで、テープを無駄なく効率的に使用し
ながら、高耐久性と高画質性を有する電子写真感光体を
見出した。
【0044】本発明に使用されるタイミング調整手段
は、上記の因子を時間的に制御することの可能なもので
あれば、特に限定されるものではない。例えば、テープ
の搬送を制御するものとしては、テープの元巻きリール
からの取出しや巻き取りリールへの巻き取りを時間差を
設けて制御するアキュームレータや、塗布層除去作業開
始から終了までの間テープへの汚れ付着量は最初多く以
後徐々に少なくなることに応じてテープ搬送速度を段階
的に変化させるタイマーや、塗布層の除去作業開始から
終了までに応じてテープ搬送用のモータの回転数を時間
的に制御する様なプログラムといったものや、塗布層除
去作業時間に応じて感光体ドラムの回転数や回転速度を
変化させるタイマーやプログラム等が挙げられる。
【0045】本発明では、この様なタイミング調整手段
でテープの搬送速度、搬送方向、あるいは感光体ドラム
の回転数や回転方向等を時間的に制御することで、例え
ば、塗布層除去作業開始後からある一定時間後に感光体
ドラムの回転方向を逆方向にしたり、或いは2回目以降
に汚れていない領域で確実に塗布層除去を行うべくテー
プの開始位置を設定する等を行って、確実な塗布層除去
が行われる。
【0046】なお、本発明に係る塗布層除去装置では、
除去作業時のテープを引っ張るテンションは、0.5k
g/20mm幅〜5kg/20mm幅が好ましく、より
好ましくは1kg/20mm幅〜3kg/20mm幅の
テンションである。
【0047】なお、図2に示すものは、各々の感光体ド
ラム10に配置された2つの加圧ローラ5によって、感
光ドラム10の円周の5〜15%にわたって加圧し、
2.5kg/20mm幅のテンションを加えた。
【0048】また、テープに溶媒を含浸させる時に、テ
ープの溶媒含浸時間を制御する等により、テープの溶媒
含浸量を制御することも好ましい。適度に溶媒含浸した
テープは塗布層除去を効率よく行うので、除去作業の高
速化を達成する上で好ましい。また、テープの材質や種
類、テープの幅を制御することで、塗布層除去の作業性
を向上することも可能である。
【0049】次に、本発明に使用されるテープの使用済
み領域の汚染度を検出する検出手段について説明する。
本発明では使用済みのテープの汚れ具合を検知して、一
度塗布層除去に使用されたテープの再使用可能な領域を
検出することで、テープの無駄な消費を抑えている。す
なわち、本発明に係る感光体ドラム製造装置は、塗布層
除去を行うテープの搬送経路上に濃度測定装置を設けて
その測定値の結果から使用可能な汚れであればテープの
搬送を停止させる、あるいはテープ搬送開始後使用可能
な汚れになった時にテープ搬送が停止する様にタイマー
やプログラム等の設定を行う時間管理手段を設けること
で、次の塗布層除去作業でのテープ開始位置を設定す
る。
【0050】これらの汚染度検出手段の具体的な例とし
ては、濃度測定装置としては例えばCCDカメラを内蔵
した画像認識センサーや、濃度計や分光光度計あるいは
光沢度計に使用される光学手段を応用した濃度測定手段
が挙げられる。
【0051】また、時間管理方式の汚染度検出手段とし
ては、例えば塗布層の除去開始後テープの搬送が所定長
になった時にテープの搬送を停止するもの、除去開始後
から所定時間後にテープ搬送を停止するもの、あるいは
感光体ドラムの回転開始後から所定時間経過後にテープ
搬送を停止する等の操作を行う様に設定したプログラム
やタイマー等が挙げられる。なお、時間管理方式の汚染
度検出手段は、テープ上の汚染度を時間管理によって制
御すると同時に前述した各塗布層除去工程を時間で管理
するタイミング調整手段としての機能を併せて有するも
のであってもよい。この様に汚染度検出と塗布層除去の
2つの作業を1つの検知手段で対応することは高価な検
出手段の節約になり装置のコストダウンや装置の小型化
が促進されることが期待される。
【0052】また、本発明では、上記の濃度測定装置と
時間管理装置とを併用してテープ上の汚染度を検出する
ものであってもよく、2種類の濃度検出手段を併用する
ことで厳密なテープ汚染度のチェックを可能にするの
で、使用可能な領域を確実に見つけ出すと共に除去作業
に使用されるテープが汚れた領域が絶対に使用されない
ことを確実にする上で有効である。
【0053】次に、本発明の感光ドラムの端部塗布層の
除去装置に使用されるテープ(以下「除去テープ」とも
いう。)について説明する。本発明に好ましく使用され
る除去テープの布地としては、溶媒を適度に含浸し膨潤
するものであって、とともに拭き取り時にテープにかか
る荷重に対して十分な耐久性を有するものであれば、特
に限定されるものではない。具体的には、特開昭64−
99056号公報に記載の熱融着型不繊布、特開平6−
138670号公報に記載のアクリル繊維、特開平8−
114935号公報に記載のバーンレス法の不繊布、特
開平9−62015号公報に記載のスパンレース法の不
繊布、特開平9−281725号公報に記載の少なくと
も片面が凹凸構造を有する不織布等の他に、2方向より
繊維糸を交錯させて形成した平織り、綾織り、斜文織、
朱子織等の織布、あるい繊維集合体からなる平膜状又は
網状構造を有するウエブ等の繊維材料が挙げられる。
【0054】上記各繊維材料はそれぞれ優れた面を有し
ており、不織布やウエブでは高度な溶媒の含浸性が期待
され、また織布では毛羽が出ないことや大きなテンショ
ンが付与可能な強度と耐久性を有している。
【0055】本発明では、感光体ドラムの外径等の大き
さや種類等に応じて、また、前記塗布層除去装置のテー
プ搬送速度やテンション等の設定条件、あるいは使用溶
媒等の条件に応じて最適な上記各種布の選択が可能であ
る。テープ用の最適な布を選択することでテープの拭き
取り界面や幅、あるいは拭き取り感度の精度の好ましい
塗布層除去が可能である。
【0056】本発明に使用されるテープは、その幅が1
0〜40mm、好ましくは20〜30mmであり、その
厚さは0.3〜3mm、好ましくは0.5〜1.5mm
の布が好ましく使用される。
【0057】また、本発明に好ましく使用されるテープ
を構成する繊維としては、例えば、6ナイロン繊維、6
6ナイロン繊維などのポリアミド系繊維、ポリエチレン
テレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維
などのポリエステル系繊維、アクリル繊維、ビニロン繊
維、ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、フッ素繊維、
芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピ
レン繊維などのポリオレフィン系繊維などの合成繊維、
レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半
合成繊維、炭素繊維などの無機繊維、綿繊維、麻繊維な
どの植物繊維、羊毛などの動物繊維などを使用できる。
なお、感光ドラムの感光塗膜層を除去する場合、感光塗
膜層を除去しやすいように、感光塗膜層を溶解可能な溶
剤をテープ材に含ませた状態で使用するのが好ましいた
め、耐溶剤性に優れたポリアミド系繊維、ポリエステル
系繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、フッ素繊維、芳
香族ポリアミド繊維、ポリオレフィン系繊維、再生繊
維、あるいは植物繊維を好適に使用できる。
【0058】本発明に使用される除去テープは、余剰の
感光塗膜層を効率的に除去する様にテープ材を塗布層に
接触させて使用する。また、より効果的な塗膜層の除去
を行うために、溶解可能な溶剤を除去テープに含ませて
回転する感光ドラムの感光塗膜層の端部にテープを接触
させて塗布層の除去を行う。
【0059】この溶剤としては、感光塗膜層の種類によ
って異なるが、例えば、テトラヒドロフラン、メタノー
ル、クロロホルム、メチレンクロライド、MEK、アセ
トンなどのエーテル系溶剤、アルコール系溶剤、塩素系
溶剤、ケトン系溶剤及びこれらの混合溶剤が好ましく用
いられる。
【0060】
【実施例】以下に本発明に係る除去テープについて、実
施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様
はこれに限定されるものではない。なお、文中「部」と
は「質量部」を表す。使用除去テープ及び感光体につい
て説明する。 〈除去テープ〉 (テープ1)スパンレース法アクリル繊維不織布(商品
名シャレリア:旭化成製)のテープ。 (テープ2)NBC工業社製PS−13949(139
メッシュ、朱子織)のテープ。 (テープ3)線密度0.56mg/m、繊維長38mm
の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維40mass
%と、線密度0.17mg/m、繊維長38mmの延伸
ポリエチレンテレフタレート繊維60mass%とを混
綿し、カーディングした一方向性繊維ウエブと、この一
方向性繊維ウエブと同様に形成した一方向性繊維ウエブ
をクロスレイヤーにより交差させた交差繊維ウエブと
を、1:4の質量比で積層して、面密度60g/m2
積層繊維ウエブを形成したテープ。 〈感光体〉 感光体1の作製 引き抜き加工より得られたドラム径30mmの円筒状ア
ルミニウム基体上に、下記分散物を作製し、塗布を行
い、乾燥膜厚15μmの導電層を形成した。 <導電層(PCL)組成液> フェノール樹脂 160g 導電性酸化チタン 200g メチルセロソルブ 100ml 次に下記中間層塗布液を調製し、この塗布液を上記導電
層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚1.0μmの中間層を
形成した。 <中間層(UCL)組成液> ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml 1−ブタノール 400ml 次に、下記塗布組成液を混合し、サンドミルを用いて1
0時間分散して電荷発生層塗布液を調製した。この塗布
液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2
μmの電荷発生層を形成した。 <電荷発生層(CGL)組成液> Y型チタニルフタロシアニン 60g シリコーン樹脂溶液 (KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml 更に、下記塗布組成液を混合し、溶解して電荷輸送層塗
布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸
漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成
し、感光体1を作製した。 <電荷輸送層(CTL)組成液> 電荷輸送物質(D1) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート (ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml 感光体2の作製 ドラム径30mmの円筒状アルミニウム基体上に、下記
中間層組成液を浸漬塗布し、150℃30分間乾燥し、
厚さ1.0μmの中間層を形成した。 <中間層(UCL)組成液> ジルコニウムキレート化合物 ZC−540(松本製薬(株))200g シランカップリング剤 KBM−903(信越化学(株)) 100g メタノール 700ml エタノール 300ml 下記塗布組成液を混合し、サンンドミルを用いて10時
間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を
前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μm
の電荷発生層を形成した。 <電荷発生層(CGL)組成液> Y型チタニルフタロシアニン 60g シリコーン樹脂溶液 (KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml 下記塗布組成液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を
調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布
法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光
体2を作製した。 <電荷輸送層(CTL)組成液> 電荷輸送物質(D1) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社 製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml 感光体3の作製 下記塗布組成液を混合し、溶解して保護層塗布組成物を
調製し、感光体2のCTL上に塗布した。 <保護層(OCL)組成液>メチルシロキサン単位80
モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%か
らなるポリシロキサン樹脂10質量部にモレキュラーシ
ーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この
樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリ
メトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2
質量部を加え均一な溶液にした。これにジヒドロキシメ
チルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6質量部
を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの保護層と
して塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い、感
光体3を作製した。 感光体4の作製 ドラム径30mmの円筒状アルミニウム基体上に、下記
中間層組成液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚2μmの
中間層を形成した。<中間層(UCL)組成液>下記中
間層分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置
後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフ
ィルター公称濾過精度:5μm、圧力;.9×104
a)し、中間層組成液を作製した。 (中間層分散液の作製) ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部 酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製;表面処理は、シリカ処理、アル ミナ処理、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理) 3.0部 メタノール 10部 分散機としてサンドミルを使用し、バッチ式にて10時
間分散を行い、中間層分散液を作製した。
【0061】下記組成液を混合し、サンドミルを用いて
分散し、電荷発生層組成液を調製した。この組成液を浸
漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μ
mの電荷発生層を形成した。 <電荷発生層(CGL)組成液> Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最 大ピーク角度が2θで27.3) 20g ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10g 酢酸t−ブチル 700g 4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300g 下記組成液を混合し、溶解して電荷輸送層組成液を調製
した。この組成液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で
塗布し、膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。 <電荷輸送層(CTL)組成液> 電荷輸送物質(D1) 75g ポリカーボネート樹脂(ユーピロン−Z300;三菱ガス化学社製) 100g 塩化メチレン 750g 上記テープ1〜3及び上記感光体1〜4の4種につい
て、各々4本の感光体を、表1に示す組合せ条件とし
て、図2(A)〜(F)に示す手順で塗布層の除去を行
った。結果を表1に示す。 (感光体ドラムの端部余剰塗布層の除去方法)除去テー
プの一端を、元巻きリール3から巻き取りリール4に巻
き出し、ドラム支持治具で固定され、5〜30rpmで
回転している上記余剰塗布層を有する感光ドラムの端部
から10mmの感光層塗布層に、各混合溶媒を滴下させ
て滲みこませた除去テープを接触させながら、感光ドラ
ムの回転方向とは反対方向に10〜100mm/sec
の移動速度で、図2(A)〜(F)に示す様に、1回目
の塗布層の除去を行い、完了させた(図2(A)〜
(C))。所定の使用可能な汚染度になるまで、テープ
送りをした(図2(D))後に、2回目の塗膜除去を行
い(図2(E))、完了させた(図2(F))。
【0062】
【表1】
【0063】<汚れ検出手段A>図1に示す位置にテー
プの汚染度を検出する濃度式検出器を配置して汚染度を
検出し、所定以下の使用可能な汚染度になった時、押し
当てて塗布層の除去を開始する。 <汚れ検出手段B>所定の使用可能な汚染度となるテー
プ長を搬送させた後に、塗布層の除去を行う様に時間換
算して管理した。 <タイミング調整手段A>図2において、感光体ドラム
間に約600mmのテープ長を確保する様にタイミング
調整を設定した。 <タイミング手段B>図4に示す様な感光体ドラム間で
テープ長の可変可能な可動式ローラを配置してタイミン
グ調整を設定した。
【0064】なお、この様に可変可能な可動式ローラを
配置することは、テープ剥離の難しいドラムが混在する
場合有利である。 評価項目 <拭取精度>除去を行ったドラムを上側より目盛り付の
ルーペを使用して観察し、除去後のドラム端部における
塗布層除去を行った領域と感光層との境界の形状を評価
した。両者の境界が凹凸の無い直線状のものが好まし
く、境界で形成される凹凸差を測定して評価した。凹凸
の差が2mm未満であれば合格とする。
【0065】評価の結果、実施例1〜4のタイミング調
整手段とテープの汚れ検出手段を有する製造装置による
感光体はいずれも凹凸の差は2mm未満で合格であった
が、本発明に係るタイミング調整手段と汚れ検出手段を
有さない比較例1で製造された感光体は凹凸の差が5m
mとなり、本願発明よりも拭取精度の劣るものであるこ
とが確認された。
【0066】また、比較例1で製造された感光体ドラム
は、汚染度の大きな領域で2本目、3本目の感光体ドラ
ムの余剰塗布層の除去を行ってしまい、汚れた領域での
除去を行ったために除去速度が遅くなり、再汚染発生も
見られた。 <画質の評価>次に、上記実施例1〜4及び比較例1の
端部の塗膜除去した感光体を、半導体レ−ザ−光源(7
80nm)によるデジタル像露光方式に改造したコニカ
社製複写機U−BIX4145改造機に装着し、1万回
の像形成テストを行い、画像評価を行った。本実施例で
は、塗膜除去を行ったドラム端部に近い感光層とドラム
中心部における感光層で得られる画像性能の差を評価し
た。具体的には、濃淡ムラ、剥がれ塗膜粉飛散による塗
膜欠陥、黒ポチの発生状況を評価した。
【0067】各評価項目は以下の様に定義する。 (1)端部画像ムラ 感光ドラム端部より20mmの箇所、及びドラム中心部
の各々のハーフトーン濃度値を反射濃度計により測定し
て、両者間の濃度値差ΔHDを評価した。
【0068】 ◎:ΔHDが0.05以下(良好) ○:ΔHDが0.05より大きく0.1未満(実用上問
題ないレベル) ×:ΔHDが0.1以上(実用上問題あり)。 (2)黒ポチ A4の白地複写画像を3枚作成し、直径0.4mm以上
の黒ポチの発生個数を評価した。
【0069】 ◎:全ての複写画像で3個以下/A4以下(良好) ○:4個以上、19個以下の複写画像が1枚以上(実用
上問題ないレベル) ×:20個以上の複写画像が1枚以上(実用上問題あ
り)。 (3)剥がれ 感光層除去領域と感光層領域との境界における感光層の
剥がれ状況を目視で評価した。倍率10倍のルーペを使
用した。
【0070】 ◎:無し(良好) ○:境界に若干の剥がれが見られるが、画像形成領域ま
でかからず。(実用上問題ないレベル) ×:画像形成領域にまでかかるものがある(不可)。
【0071】結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】表2の結果から明らかな様に、実施例1〜
4の本発明に係る感光体ドラム端部の塗布層除去を経て
得られた感光体ドラムを使用すると、いずれも端部塗布
ムラ発生や黒ポチ発生のない、良好な画質の得られるこ
とが確認された。また、感光層除去領域と感光層領域境
界での感光層剥がれの結果から、耐久性及び高画質性の
得られることが確認された。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、テープを使用して複数
の感光体ドラム端部の余剰塗布層の拭き取り除去を同時
に行った時に、テープ上に汚れた領域ときれいな領域と
が不連続に形成されるが、この中から使用可能なきれい
な領域のみを再度余剰塗布層の除去に供することを可能
にした。その結果、テープ上に未使用領域を残すことな
くテープを無駄なく効率的に使用することを可能にし
て、製造時のコストダウン及び省資源、製造に伴うゴミ
の排出量の低減化により、環境に優しい複数本の感光体
ドラムの余剰塗布層除去を同時に行うことの可能な感光
体ドラムの製造方法、及び製造装置の提供を達成した。
【0075】また、拭き取りテープを無駄なく使用する
複数本の感光体ドラムの余剰塗布層を除去する生産工程
を経て得られ、しかも拭取精度が高く感光層が剥離する
ことのない高耐久性を有し、画像形成装置に装填して像
形成を行うと黒ポチや端部画像ムラの発生しない優れた
高画質を有する複写画像の得られる電子写真感光体を提
供することを達成した。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の感光体ドラムの端部表面における塗布層
除去を同時に行う塗布層除去装置を示す模式図である。
【図2】ドラム端部表面における感光層除去手順を示す
模式図である。
【図3】除去に伴うテープ上の汚れ個所の変遷を示す模
式図である。
【図4】装置下方に可動ロールを設けた塗布層除去装置
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 塗布層除去装置 2 テープ搬送経路 3 元巻きリール 4 巻き取りリール 5 加圧ローラ 6 反転ロール(可動ロール) 7 タイミング調整手段 8 濃度検出手段 10 感光体ドラム 20 テープ 21 除去作業使用不可能領域 22 除去作業使用可能領域 100 感光体ドラムの端部表面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光層を含む塗布層の形成された感光体
    ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部表面に
    おける塗布層の除去を行う工程を有する感光体ドラムの
    製造方法であって、前記塗布層の除去は複数の感光体ド
    ラムを同時に行うものであり、前記塗布層の除去と前記
    テープの搬送はタイミング調整手段からの情報に基づい
    て行うことを特徴とする感光体ドラムの製造方法。
  2. 【請求項2】 感光層を含む塗布層の形成された感光体
    ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部表面に
    おける塗布層の除去を行う工程を有する感光体ドラムの
    製造方法であって、前記塗布層の除去は複数本の感光体
    ドラムを同時に行うものであり、前記塗布層の除去を完
    了した後に前記テープの使用済み領域における汚染度に
    基づき次の塗布層の除去を行う前記テープの感光体ドラ
    ム表面への接触位置を設定することを特徴とする感光体
    ドラムの製造方法。
  3. 【請求項3】 感光層を含む塗布層の形成された感光体
    ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部表面に
    おける塗布層の除去を行う工程を有する感光体ドラムの
    製造方法であって、前記塗布層の除去は複数の感光体ド
    ラムを同時に行うものであり、前記塗布層の除去と前記
    テープの搬送はタイミング調整手段からの情報に基づい
    て行うとともに、前記塗布層の除去を完了した後に前記
    テープの使用済み領域における汚染度に基づいて次の塗
    布層の除去を行う前記テープの感光体ドラム表面への接
    触位置を設定することを特徴とする感光体ドラムの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記塗布層の除去を完了した後に前記テ
    ープの使用済み領域の濃度を測定して次の塗布層の除去
    を行う前記テープの感光ドラム表面への接触位置を設定
    することを特徴とする請求項2又は3に記載の感光体ド
    ラムの製造方法。
  5. 【請求項5】 感光層を含む塗布層の形成された複数の
    感光体ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部
    表面における塗布層の除去を同時に行う塗布層除去手段
    を有する感光体ドラムの製造装置であって、前記塗布層
    除去手段は、前記テープの搬送と前記感光体ドラムの前
    記塗布層の除去の開始を調整するタイミング調整手段を
    有することを特徴とする感光体ドラムの製造装置。
  6. 【請求項6】 感光層を含む塗布層の形成された複数の
    感光体ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部
    表面における塗布層の除去を同時に行う塗布層除去手段
    を有する感光体ドラム製造装置であって、前記塗布層除
    去手段は、前記複数の感光体ドラム間に前記テープにお
    ける使用済み領域の汚染度を検出する検出手段を有する
    ことを特徴とする感光体ドラムの製造装置。
  7. 【請求項7】 感光層を含む塗布層の形成された複数の
    感光体ドラムの端部表面にテープを接触させて前記端部
    表面における塗布層の除去を同時に行う塗布層除去手段
    を有する感光体ドラム製造装置であって、前記塗布層除
    去手段は、前記テープの搬送と前記感光体ドラムの前記
    塗布層の除去を制御するタイミング調整手段と前記テー
    プにおける使用済み領域の汚染度を検出する検出手段と
    を有することを特徴とする感光体ドラムの製造装置。
  8. 【請求項8】 前記テープにおける使用済み領域の汚染
    度を検出する検出手段が濃度測定装置であることを特徴
    とする請求項6又は7に記載の感光体ドラムの製造装
    置。
  9. 【請求項9】 前記テープにおける使用済み領域の汚染
    度を検出する検出手段が、時間管理装置であることを特
    徴とする請求項6又は7に記載の感光体ドラムの製造装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    感光体ドラムの製造方法により、又は請求項5〜9のい
    ずれか1項に記載の感光体ドラムの製造装置により製造
    されることを特徴とする電子写真感光体。
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