JP2003255095A - 放射線画像変換パネル - Google Patents

放射線画像変換パネル

Info

Publication number
JP2003255095A
JP2003255095A JP2002053364A JP2002053364A JP2003255095A JP 2003255095 A JP2003255095 A JP 2003255095A JP 2002053364 A JP2002053364 A JP 2002053364A JP 2002053364 A JP2002053364 A JP 2002053364A JP 2003255095 A JP2003255095 A JP 2003255095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image conversion
conversion panel
radiation image
support
phosphor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002053364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4114369B2 (ja
Inventor
Kuniaki Nakano
中野  邦昭
Akihiro Maezawa
明弘 前澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002053364A priority Critical patent/JP4114369B2/ja
Publication of JP2003255095A publication Critical patent/JP2003255095A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4114369B2 publication Critical patent/JP4114369B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体上に気相堆積法により形成された輝尽
性蛍光体の支持体との剥離耐久性が良好で、高感度で鮮
鋭性に優れた放射線画像変換パネルを提供する。 【解決手段】 支持体、蛍光体層、保護層からなり、蛍
光体層が気相堆積法により形成された放射線画像変換パ
ネルにおいて、蛍光体層が結晶構造の異なる複数の層か
ら構成されることを特徴とする放射線画像変換パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は輝尽性蛍光体を用い
た放射線画像変換パネルに関するものであり、更に詳し
くはコントラスト及び鮮鋭性の向上した気相堆積法によ
り形成された放射線画像変換パネルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、輝尽性蛍光体を利用した放射線画
像変換パネルにより放射線像を画像化する方法が用いら
れるようになってきた。
【0003】これは例えば米国特許第3,859,52
7号及び特開昭55−12144号等に開示された様に
支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した放射線画像変換パ
ネルを使用するものである。この放射線画像変換パネル
の輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線をあてて被
写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを
輝尽性蛍光体層に蓄積させて潜像(蓄積像)を形成し、
この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光(レーザ光が用いられ
る)で走査することによって各部に蓄積された放射線エ
ネルギーを放射させて光に変換し、この光の強弱を読み
とって画像を得る。この画像はCRT等各種のディスプ
レイ上に再生してもよいし、又ハードコピーとして再生
してもよい。
【0004】この放射線像変換方法に用いられる放射線
画像変換パネルの輝尽性蛍光体層には、放射線吸収率及
び光変換率が高いこと、画像の粒状性がよく、高鮮鋭性
であることが要求される。
【0005】通常、放射線感度を高くするには輝尽性蛍
光体層の膜厚を厚くする必要があるが、余り厚くなりす
ぎると、輝尽性蛍光体粒子間での輝尽発光の散乱のため
発光が外部に出てこなくなる現象があり限界がある。
【0006】又鮮鋭性については、輝尽性蛍光体層を薄
層化するほど向上するが、薄すぎると感度の減少が大き
くなる。
【0007】又粒状性についても画像の粒状性は放射線
量子数の場所的ゆらぎ(量子モトル)或いは放射線画像
変換パネルの輝尽性蛍光体層の構造的乱れ(構造モト
ル)等によって決定されるので、輝尽性蛍光体層の層厚
が薄くなると輝尽性蛍光体層に吸収される放射線量子数
が減少してモトルが増加したり、構造的乱れが顕在化し
て構造モトルが増加したりして画質の低下を生ずる。従
って画像の粒状性を向上させるためには輝尽性蛍光体層
の層厚が厚い必要があった。
【0008】この様に様々な要因から放射線画像変換パ
ネルを用いた放射線像変換方法の画質及び感度は決定さ
れる。これらの感度や画質に関する複数の因子を調整し
て感度、画質を改良するため、これまで様々な検討がさ
れてきた。
【0009】それらの内放射線画像の鮮鋭性改善の為の
手段として、例えば形成される輝尽性蛍光体の形状その
ものをコントロールし感度及び鮮鋭性の改良を図る試み
がされている。
【0010】これらの試みの1つとして、例えば特開昭
61−142497号等において行われている様な、微
細な凹凸パターンを有する支持体上に輝尽性蛍光体を堆
積させ形成した微細な擬柱状ブロックからなる輝尽性蛍
光体層を用いる方法がある。
【0011】又、特開昭61−142500号に記載の
ように微細なパターンを有する支持体上に、輝尽性蛍光
体を堆積させて得た柱状ブロック間のクラックをショッ
ク処理を施して更に発達させた輝尽性蛍光体層を有する
放射線画像変換パネルを用いる方法、更には、特開昭6
2−39737号に記載されたような、支持体の面に形
成された輝尽性蛍光体層にその表面側から亀裂を生じさ
せ擬柱状とした放射線画像変換パネルを用いる方法、更
には、特開昭62−110200号に記載のように、支
持体の上面に蒸着により空洞を有する輝尽性蛍光体層を
形成した後、加熱処理によって空洞を成長させ亀裂を設
ける方法等も提案されている。
【0012】最近では、特開昭62−157600号に
記載のように、支持体上に輝尽性蛍光体層を気相堆積法
を用いての作製時、輝尽性蛍光体成分の蒸気流の流線と
支持体面との交角を特定の範囲に調節しながら、輝尽性
蛍光体層を所定の厚みに形成する方法が開示され、特許
第2899812号には、気相堆積法によって支持体上
に、支持体の法線方向に対し一定の傾きをもった細長い
柱状結晶が形成された輝尽性蛍光体層を有する放射線画
像変換パネルが提案されている。
【0013】これらの蛍光体層の形状をコントロールす
る試みにおいては、蛍光体層を柱状結晶構造にすること
により、画質向上を目途としている。特に、柱状にする
ことにより、輝尽励起光(又は輝尽発光)の横方向への
拡散を抑える(クラック(柱状結晶)界面において反射
を繰り返しながら支持体面まで到達する)ことができる
ため、輝尽発光による画像の鮮鋭性を著しく増大させる
ことができるという特徴があるとされている。
【0014】特開2001−249198には、CsB
rを母体とする輝尽性蛍光体層を蒸着法(気相堆積法)
により形成し、非常に高感度の輝尽性蛍光体が得られ、
高感度の放射線画像変換パネルが得られることが開示さ
れており、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネル
の更なる高感度化、高画質化の要望がますます強くなっ
てきている。
【0015】このCsBrを気相堆積法で形成する場
合、CsBrの熱膨張係数が大きいために、支持体より
剥離し易いことがわかり、その改善が望まれていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題を解消するためになされたものであり、支持体上
に気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体の支持体と
の剥離耐久性が良好で、高感度で鮮鋭性に優れた放射線
画像変換パネルを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の構成
により解決することができた。
【0018】(1)支持体、蛍光体層、保護層からな
り、蛍光体層が気相堆積法により形成された放射線画像
変換パネルにおいて、蛍光体層が結晶構造の異なる複数
の層から構成されることを特徴とする放射線画像変換パ
ネル。
【0019】(2)支持体上に形成された結晶の第2層
目以降が柱状結晶構造を呈していることを特徴とする
(1)記載の放射線画像変換パネル。
【0020】(3)第1層目の膜厚が全蛍光体層膜厚の
1/5以下であることを特徴とする(1)又は(2)記
載の放射線画像変換パネル。
【0021】(4)第1層目の膜厚が全蛍光体層膜厚の
1/10〜1/20であることを特徴とする(3)記載
の放射線画像変換パネル。
【0022】(5)第1層目の堆積時は支持体の加熱は
行わず、第2層目以降の堆積時は支持体温度を150〜
350℃に加熱することを特徴とする(1)〜(4)の
いずれか1項記載の放射線画像変換パネル。
【0023】(6)蛍光体層が、前記一般式(1)で表
される輝尽性蛍光体を含有することを特徴とする(1)
〜(5)のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネ
ル。
【0024】(7)前記一般式(1)におけるM1
K、RbおよびCsからなる群から選ばれる少なくとも
一種のアルカリ金属であることを特徴とする(6)に記
載の放射線画像変換パネル。
【0025】(8)前記一般式(1)におけるXがBr
およびIから選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
ことを特徴とする(6)又は(7)に記載の放射線画像
変換パネル。
【0026】(9)前記一般式(1)におけるM2がB
e、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくと
も一種の二価金属であることを特徴とする(6)〜
(8)のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0027】(10)前記一般式(1)におけるM3
Y、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga
およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種の三
価金属であることを特徴とする(6)〜(9)のいずれ
か1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0028】(11)前記一般式(1)におけるbが0
≦b≦10-2であることを特徴とする(6)〜(10)
のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0029】(12)前記一般式(1)におけるAが、
Eu、Ce、Sm、Tl及びNaからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の金属であることを特徴とする(6)
〜(11)のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネ
ル。
【0030】(13)前記一般式(1)で表される輝尽
性蛍光体が前記一般式(2)で表されることを特徴とす
る(6)に記載の放射線画像変換パネル。
【0031】即ち、支持体上に形成する輝尽性蛍光体層
の第1層目の蒸着条件と第2層目の蒸着条件を変更する
ことによって結晶構造を変えることにより、特に第2層
目以降の結晶を柱状結晶構造とすることにより、感度及
び鮮鋭性の劣化をほとんど引き起こすことなく、輝尽性
蛍光体と支持体との接着性を改良することができたもの
である。
【0032】以下、本発明を詳細に説明する。はじめ
に、気相堆積法による輝尽性蛍光体層の形成について説
明する。
【0033】輝尽性蛍光体を気相堆積させる方法として
は蒸着法、スパッタ法及びCVD法等がある。
【0034】蒸着法は、支持体を蒸着装置内に設置した
後、装置内を排気して1.33×10-4Pa程度の真空
とし、次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵抗加
熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させ
て支持体表面に輝尽性蛍光体層を所望の厚みに堆積させ
る。この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形
成される。
【0035】スパッタ法は前記蒸着法と同様に支持体を
スパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して
1.33×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッ
タ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内に
導入して1.33×10-1Pa程度のガス圧とする。次
に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、スパッタリ
ングすることにより支持体表面に輝尽性蛍光体層を所望
の厚さに堆積させる。
【0036】スパッタ法では、複数の輝尽性蛍光体原料
をターゲットとして用い、これを同時或いは順次スパッ
タリングして、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体層を
形成するものであり、必要に応じてO2、H2等のガスを
導入して反応性スパッタを行ってもよい。更に、スパッ
タ法においては、スパッタ時必要に応じて被蒸着物を冷
却或いは加熱してもよい。また、スパッタ終了後に輝尽
性蛍光体層を加熱処理してもよい。
【0037】CVD法は目的とする輝尽性蛍光体或いは
輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周
波電力等のエネルギーで分解することにより、支持体上
に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を得るものであ
り、いずれも輝尽性蛍光体層を支持体の法線方向に対し
て特定の傾きをもって独立した細長い結晶に気相成長さ
せることが可能である。
【0038】本発明においては、これら気相堆積法によ
り複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成するが、第1層
目の輝尽性蛍光体層の膜厚を全体膜厚の1/5以下とす
ることが好ましく、更には第1層目の輝尽性蛍光体層の
膜厚を全体膜厚のを1/10〜1/20とすることがよ
り好ましい。
【0039】また、気相堆積法により第1層目は低温
(常温〜100℃程度)で形成し、その後150〜35
0℃の高温で残りの輝尽性蛍光体層を形成することが好
ましい。また、第1層目の輝尽性蛍光体層の結晶構造と
第2層目以降の結晶構造を変化させる方法としては、比
較的低真空度で第1層目を形成し、その後高真空度で残
りの輝尽性蛍光体層を形成する方法も好ましく用いられ
る。
【0040】又、本発明の第1層目の輝尽性蛍光体層の
結晶構造と第2層目以降の結晶構造を変化させる方法と
しては、輝尽性蛍光体の組成を変えてもよく、その結
果、結晶構造が変化し、支持体との剥離耐性(接着性)
を向上させることができる。
【0041】本発明においては、気相堆積法として蒸着
法が好ましく用いられる。以下、蒸着法による輝尽性蛍
光体層の形成について詳しく説明する。なお、以下にお
いては柱状結晶を成長させる場合について説明する。第
1層目の蛍光体層作製においては、前記の条件以外は特
に制限されるものではない。
【0042】蒸着法によって輝尽性蛍光体層を形成する
方法としては、支持体上に特定の入射角で輝尽性蛍光体
の蒸気または該原料を供給し、結晶を気相成長(気相堆
積法と呼ぶ)させる方法によって独立した細長い柱状結
晶構造を有する輝尽性蛍光体層を得ることが出きる。ま
た、蒸着時の輝尽性蛍光体の蒸気流の入射角に対し約半
分の成長角で柱状結晶を結晶成長させることができる。
【0043】輝尽性蛍光体または輝尽性蛍光体原料の蒸
気流を支持体面に対しある入射角をつけて供給する方法
には、支持体を蒸発源を仕込んだ坩堝に対し互いに傾斜
させる配置を取る、或いは、支持体と坩堝を互いに平行
に設置し、蒸発源を仕込んだ坩堝の蒸発面からスリット
等により斜め成分のみ支持体上に蒸着させる様規制する
等の方法をとることができる。
【0044】これらの場合において、支持体と坩堝との
最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね
10cm〜60cmに設置するのが好ましい。
【0045】これらの柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層
において変調伝達関数(MTF)をよくするためには、
柱状結晶の大きさ(柱状結晶を支持体と平行な面から観
察したときの各柱状結晶の断面積の円換算した直径の平
均値であり、少なくとも100個以上の柱状結晶を視野
中に含む顕微鏡写真から計算する)は1μm〜50μm
程度がよく、更に好ましくは、1μm〜30μmであ
る。即ち、柱状結晶が1μmより細い場合は、柱状結晶
により輝尽励起光が散乱される為にMTFが低下する
し、柱状結晶が50μm以上の場合も輝尽励起光の指向
性が低下し、MTFは低下する。
【0046】又各柱状結晶間の間隙の大きさは30μm
以下がよく、更に好ましくは5μm以下がよい。即ち、
間隙が30μmを越える場合は蛍光体層中の蛍光体の充
填率が低くなり、感度が低下してしまう。
【0047】又、前記輝尽性蛍光体の斜め柱状結晶の成
長角は0°より大きく、90°より小であれば特に問わ
ないが、10〜70°がよく、好ましくは20°〜55
°である。成長角を10〜70°にするには、入射角を
20〜80°にすればよく20〜55°にするには入射
角を40〜70°にすればよい。成長角が大きいと支持
体に対して柱状結晶が倒れすぎ、膜が脆くなる。
【0048】上記方法により形成した輝尽性蛍光体層の
膜厚は目的とする放射線画像変換パネルの放射線に対す
る感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、10
μm〜1000μmの範囲が好ましく、更に好ましく
は、20μm〜800μmの範囲である。
【0049】また、上記記載の気相堆積法を用いて輝尽
性蛍光体層の作製時、蒸発源となる輝尽性蛍光体は、均
一に溶解させるか、プレス、ホットプレスによって成形
して坩堝に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うこと
が好ましい。蒸発源から輝尽性蛍光体を蒸発させる方法
は電子銃により発した電子ビームの走査により行われる
が、これ以外の方法にて蒸発させることもできる。
【0050】また、蒸発源は必ずしも輝尽性蛍光体であ
る必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであっ
てもよい。
【0051】また、賦活剤は母体(basic sub
stance)に対して賦活剤(actibator)
を混合したものを蒸着してもよいし、母体のみを蒸着し
た後、あとから賦活剤をドープしてもよい。例えば、母
体であるRbBrのみを蒸着した後、例えば賦活剤であ
るTlをドープしてもよい。即ち、結晶が独立している
ため、膜が厚くとも充分にドープ可能であるし、結晶成
長が起こりにくいので、MTFは低下しないからであ
る。
【0052】ドーピングは形成された蛍光体の母体層中
にドーピング剤(賦活剤)を熱拡散、イオン注入法によ
って行うことができる。
【0053】又、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物を
充填してもよく、輝尽性蛍光体層の補強となる。又高光
吸収率の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい。
これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体
層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散をほぼ完全
に防止できる。
【0054】高光反射率の物質とは、輝尽励起光(50
0〜900nm、特に600〜800nm)に対する反
射率の高いものをいい、例えばアルミニウム、マグネシ
ウム、銀、インジウムその他の金属など、白色顔料及び
緑色から赤色領域の色材を用いることができる。
【0055】白色顔料は輝尽発光も反射することができ
る。白色顔料として、TiO2(アナターゼ型、ルチル
型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaS
4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はB
a、Sr及びCaの中の少なくとも一種であり、XはC
l、及びBrのうちの少なくとも一種である。)、Ca
CO 3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポ
ン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性
珪硫酸鉛、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウムなどが挙げ
られる。これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大
きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽
発光を容易に散乱し、得られる放射線画像変換パネルの
感度を顕著に向上させうる。
【0056】又、高光吸収率の物質としては、例えば、
カーボン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄など及び
青の色材が用いられる。このうちカーボンは輝尽発光も
吸収する。
【0057】又、色材は、有機若しくは無機系色材のい
ずれでもよい。有機系色材としては、ザボンファースト
ブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルー
N−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナ
ショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学
製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キ
トンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブ
ルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH
(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業
製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学
製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライ
オノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。
又カラーインデクスNo.24411、23160、7
4180、74200、22800、23154、23
155、24401、14830、15050、157
60、15707、17941、74220、1342
5、13361、13420、11836、7414
0、74380、74350、74460等の有機系金
属錯塩色材も挙げられる。無機系色材としては群青、コ
バルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO
2−ZnO−Co−NiO系顔料が挙げられる。
【0058】本発明の放射線画像変換パネルに用いられ
る支持体としては各種のガラス、高分子材料、金属等が
用いられるが、例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強
化ガラスなどの板ガラス、又、セルロースアセテートフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィ
ルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等のプラスチックフィルム、アルミニウムシート、
鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物
の被覆層を有する金属シートが好ましい。これら支持体
の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接
着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
【0059】また、本発明においては、支持体と輝尽性
蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて支
持体の表面に予め接着層を設けてもよい。これら支持体
の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般
的には80μm〜2000μmであり、取り扱い上の観
点から、更に好ましいのは80μm〜1000μmであ
る。
【0060】本発明に係る放射線画像変換パネルは輝尽
性蛍光体層の上に保護層を有していてもよい。
【0061】保護層は、保護層用塗布液を輝尽性蛍光体
層上に直接塗布して形成してもよいし、あらかじめ別途
形成した保護層を輝尽性蛍光体層上に接着してもよい。
あるいは別途形成した保護層上に輝尽性蛍光体層を形成
する手順を取ってもよい。保護層の材料としては酢酸セ
ルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロ
ン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレ
ン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、
塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体等の通常の保護層用材料が
用いられる。他に透明なガラス基板を保護層として用い
ることもできる。また、この保護層は蒸着法、スパッタ
リング法等により、SiC、SiO2、SiN、Al2
3などの無機物質を積層して形成してもよい。これらの
保護層の層厚は一般的には0.1μm〜2000μm程
度が好ましい。
【0062】気相堆積法に用いることのできる輝尽性蛍
光体としては、例えば、特開昭48−80487号に記
載されているBaSO4:Axで表される蛍光体、特開
昭48−80488号記載のMgSO4:Axで表され
る蛍光体、特開昭48−80489号に記載されている
SrSO4:Axで表される蛍光体、特開昭51−29
889号に記載されているNa2SO4、CaSO4及び
BaSO4等にMn、Dy及びTbの中少なくとも1種
を添加した蛍光体、特開昭52−30487号に記載さ
れているBeO、LiF、MgSO4及びCaF2等の蛍
光体、特開昭53−39277号に記載されているLi
247:Cu,Ag等の蛍光体、特開昭54−478
83号に記載されているLi2O・(Be22)x:C
u,Ag等の蛍光体、米国特許第3,859,527号
に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,
Sm、La22S:Eu,Sm及び(Zn,Cd)S:
Mnxで表される蛍光体があげられる。又、特開昭55
−12142号に記載されているZnS:Cu,Pb蛍
光体、一般式がBaO・xAl23:Euであげられる
アルミン酸バリウム蛍光体、及び、一般式がM(II)O
・xSiO2:Aで表されるアルカリ土類金属珪酸塩系
蛍光体があげられる。
【0063】又、特開昭55−12143号に記載され
ている一般式が(Ba1-xyMgxCay)Fx:Eu2+
表されるアルカリ土類フッ化ハロゲン化物蛍光体、特開
昭55−12144号に記載されている一般式がLnO
X:xAで表される蛍光体、特開昭55−12145号
に記載されている一般式が(Ba1-xM(II)x)Fx
yAで表される蛍光体、特開昭55−84389号に記
載されている一般式がBaFX:xCe,yAで表され
る蛍光体、特開昭55−160078号に記載されてい
る一般式がM(II)FX・xA:yLnで表される希土
類元素賦活二価金属フルオロハライド蛍光体、一般式Z
nS:A、CdS:A、(Zn,Cd)S:A,Xで表
される蛍光体、特開昭59−38278号に記載されて
いる下記いずれかの一般式 xM3(PO42・NX2:yA xM3(PO42:yA で表される蛍光体、特開昭59−155487号に記載
されている下記いずれかの一般式 nReX3・mAX′2:xEu nReX3・mAX′2:xEu,ySm で表される蛍光体、特開昭61−72087号に記載さ
れている下記一般式 M(I)X・aM(II)X′2・bM(III)X″3:c
A で表されるアルカリハライド蛍光体、及び特開昭61−
228400号に記載されている一般式M(I)X:x
Biで表されるビスマス賦活アルカリハライド蛍光体等
があげられる。特に、アルカリハライド蛍光体は、蒸
着、スパッタリング等の方法で柱状の輝尽性蛍光体層を
形成させやすく好ましい。
【0064】本発明では、下記一般式(1)で表される
輝尽性蛍光体粒子が好ましい。 一般式(1) M1X・aM2X′2・bM3X″3:eA 一般式(1)において、M1はLi、Na、K、Rbお
よびCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアル
カリ金属であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、B
a、Zn、Cd、CuおよびNiからなる群から選ばれ
る少なくとも一種の二価金属であり、M3はSc、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga
およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種の三
価金属であり、X、X′およびX″は各々F、Cl、B
rおよびIからなる群から選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり、Aは、Eu、Tb、In、Cs、Ce、
Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、L
u、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgからな
る群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、また、
a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.
5、0<e≦0.2の範囲の数値を表す。
【0065】更に、前記一般式(1)においては、M1
がK、RbおよびCsからなる群から選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属であること、XがBrおよびIか
ら選ばれる少なくとも一種のハロゲンであること、M2
がBe、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少な
くとも一種の二価金属であること、M3がY、Ce、S
m、Eu、Al、La、Gd、Lu、GaおよびInか
らなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属である
こと、bが0≦b≦10-2であること、Aが、Eu、C
s、Sm、Tl及びNaからなる群から選ばれる少なく
とも1種の金属であることが好ましい。
【0066】また、本発明においては、輝尽性蛍光体が
柱状結晶を有することが好ましく、柱状結晶が、主成分
として下記一般式(2)で表される輝尽性蛍光体を有す
ることが好ましい。
【0067】一般式(2) CsX:yA 一般式(2)において、XはBrまたはIを表し、Aは
Eu、In、TbまたはCeを表す。yは1×10-7
1×10-2までの数値を表す。
【0068】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図をもって
説明する。
【0069】図1は支持体上に形成した2層の輝尽性蛍
光体層からなる輝尽性蛍光体プレートの断面図である。
10は支持体、11は輝尽性蛍光体層であり、その内、
12は第1層目の輝尽性蛍光体層、13は第1層目の上
に形成された第2層目の輝尽性蛍光体層であり、柱状結
を示している。なお、14は柱状結晶間に形成された間
隙を示している。
【0070】図2は支持体上に第1層目の輝尽性蛍光体
層を形成した後、第2層目の輝尽性蛍光体層を蒸着によ
り形成する様子を示す図であるが、輝尽性蛍光体蒸気流
Vの支持体面の法線方向(P)に対する入射角度をθ2
(図では60°で入射している)とすると、形成される
柱状結晶の支持体面の法線方向(P)に対する角度はθ
1(図では30°、経験的には大体半分になる)で表さ
れ、この角度で柱状結晶が形成される。
【0071】図3は、本発明の放射線画像変換パネルの
使用例を示す概略図である。図3において21は放射線
発生装置、22は被写体、23は輝尽性蛍光体を含有す
る可視光ないし赤外光輝尽性蛍光体層を有する放射線画
像変換パネル、24は放射線画像変換パネル23の放射
線潜像を輝尽発光として放出させるための輝尽励起光
源、25は放射線画像変換パネル23より放出された輝
尽発光を検出する光電変換装置、26は光電変換装置2
5で検出された光電変換信号を画像として再生する装
置、27は再生された画像を表示する装置、28は光源
24からの反射光をカットし、放射線画像変換パネル2
3より放出された光のみを透過させるためのフィルタで
ある。尚、図3は被写体の放射線透過像を得る場合の例
であるが、被写体22自体が放射線を放射する場合に
は、前記放射線発生装置21は特に必要ない。また、光
電変換装置25以降は放射線画像変換パネル23からの
光情報を何らかの形で画像として再生できるものであれ
ばよく、前記に限定されない。
【0072】輝尽励起光源24としては、放射線画像変
換パネル23に使用される輝尽性蛍光体の輝尽励起波長
を含む光源が使用される。特にレーザ光を用いると光学
系が簡単になり、又、輝尽励起光強度を大きくすること
ができるために輝尽発光効率をあげることができ、より
好ましい結果が得られる。
【0073】レーザとしては、He−Neレーザ、He
−Cdレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、
2レーザ、YAGレーザ及びその第2高調波、ルビー
レーザ、半導体レーザ、各種の色素レーザ、銅蒸気レー
ザ等の金属蒸気レーザ等がある。通常はHe−Neレー
ザやArイオンレーザのような連続発振のレーザが望ま
しいが、パネル1画素の走査時間とパルスを同期させれ
ばパルス発振のレーザを用いることもできる。又、フィ
ルタ28を用いずに特開昭59−22046号に示され
るような、発光の遅延を利用して分離する方法によると
きは、連続発振レーザを用いて変調するよりもパルス発
振のレーザを用いる方が好ましい。
【0074】上記の各種レーザ光源の中でも、半導体レ
ーザは小型で安価であり、しかも変調器が不要であるの
で特に好ましく用いられる。
【0075】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0076】以下に記載の方法に従って、蒸着型蛍光体
層を有する放射線画像変換パネルを作製した。
【0077】〔支持体の作製〕500μm厚の透明結晶
化ガラスの表面に、フルウチ化学社製酸化チタンとフル
ウチ化学社製酸化ジルコニウムを用い、400nmでの
反射率が85%、660nmでの反射率が20%となる
ように、蒸着装置を用いて膜形成を行い、光反射層を有
するガラス支持体を作製した。
【0078】〔蛍光体層の形成〕 (蛍光体プレート1の作製)図4に蒸着装置の概略構成
を示す。上記支持体を図4に示す蒸着装置の真空チャン
バ中に設置し、加熱ランプを用いて240℃に加熱し
た。その後、真空ポンプを用いて真空度を0.0004
Paとした後、支持体の一方の面に、RbBr:0.0
001Tlからなるアルカリハライド蛍光体を支持体表
面の法線方向に対して60°の角度で、アルミニウム製
のスリットを用いて、支持体と蒸発源の距離を60cm
として、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸
着を行ない、400μm厚の柱状結晶構造を有する蛍光
体層を形成し、蛍光体プレート1(比較例1)を作製し
た。
【0079】(蛍光体プレート2の作製)上記支持体を
図4に示す蒸着装置の真空チャンバ中に設置し、240
℃に加熱した。その後、真空度を0.0004Paとし
た後、支持体の一方の面に、CsBr:0.001Eu
からなるアルカリハライド蛍光体を支持体表面の法線方
向に対して60°の角度で、アルミニウム製のスリット
を用いて、支持体と蒸発源の距離を60cmとして、支
持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸着を行な
い、400μm厚の柱状構造を有する蛍光体層を形成
し、蛍光体プレート2(比較例2)を作製した。
【0080】(蛍光体プレート3の作製)上記支持体を
図4に示す蒸着装置の真空チャンバ中に設置し、支持体
加熱を行わないで(約25℃)で、真空度を0.000
4Paとした後、支持体の一方の面に、CsBr:0.
001Euからなるアルカリハライド蛍光体を支持体表
面の法線方向に対して60°の角度で、アルミニウム製
のスリットを用いて、支持体と蒸発源の距離を60cm
として、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸
着を行ない、100μm厚の第1層目の蛍光体層を形成
した。次に第1層目の蛍光体層が堆積した支持体を24
0℃に加熱する以外は蛍光体プレート2の作製条件と同
様にして蒸着を行い、第1層目の蛍光体層の上に300
μm厚の柱状構造を有する第2層目の蛍光体層を形成
し、蛍光体プレート3(実施例1)を作製した。
【0081】以下、表1に記載の条件、蛍光体の種類及
び第1層目及び第2層目の蛍光体層の堆積厚を調整する
以外は、蛍光体プレート3の作製と同様にして、蛍光体
プレート4〜8を作製した。
【0082】〔放射線画像変換パネルの作製〕上記作製
した各蛍光体プレートを用い、下記のようにして各放射
線画像変換パネルを作製した。
【0083】上記蛍光体プレートの作製に用いたガラス
支持体(光反射層を有しない)をガラス保護層として用
い、上記作製した蛍光体プレートの側縁部にスペーサを
介して、堆積した輝尽性蛍光体層の表面と保護層ガラス
板との間に、低屈折率層として空気層が100μmの厚
みになるように、ガラス製の保護層を設けた。なお、ス
ペーサとしてはガラスセラミックス製で、ガラス支持体
及び保護層ガラスの間に輝尽性蛍光体層及び低屈折率層
(空気層)が所定の厚みとなるように厚みを調整したも
のを用い、ガラス支持体及びガラス製の保護層の側縁部
は、エポキシ系接着剤を用いて接着し、各放射線画像変
換パネルを作製した。
【0084】得られた各蛍光体プレートの蛍光体層と支
持体ガラスとの剥離性(接着性)を下記の方法で評価し
た。
【0085】〈蛍光体層の剥離試験:接着性の評価〉上
記で得られた各蛍光体プレートから5cm×5cmの試
験サンプルを切り出した。このサンプルの蛍光体表面に
片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で、サン
プルの中央に切り込みを1本入れた。この上に切り込み
を跨いで市販のセロテープ(R)を張り付け、その一端
を手で持って垂直に力強く引っ張って剥がし、切り込み
線からの剥がされた蛍光体層の面積から下記のように評
価した。
【0086】 ◎:全く剥離されなかった ○:切り込み線から僅かに剥離がみられた △:テープ接着面の概略半分ぐらいの蛍光体層がテープ
に貼り付いていた ×:テープ接着面の殆どの蛍光体層がテープに貼り付い
ていた 又、上記で作製した放射線画像変換パネルの感度及び鮮
鋭性について、下記のようにして評価した。
【0087】〈感度〉各放射線画像変換パネルについ
て、以下に示す方法に従って感度の測定を行った。
【0088】感度の測定は、各放射線画像変換パネルに
ついて、管電圧80kVpのX線を蛍光体シート支持体
の裏面側から照射した後、パネルをHe−Neレーザー
光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射
される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍
管)で受光して、その強度を測定して、これを感度と定
義し、比較例2の感度を1.00とした、相対値で表示
した。
【0089】〈鮮鋭性〉鮮鋭性の測定は、各放射線画像
変換パネルについて、変調伝達関数(MTF)を求めて
評価した。
【0090】MTFは、放射線画像変換パネルにCTF
チャートを貼付した後、放射線画像変換パネルに80k
VpのX線を10mR(被写体までの距離:1.5m)
照射した後、100μmφの直径の半導体レーザ(68
0nm:パネル上でのパワー40mW)を用いてCTF
チャート像を走査読み取りして求めた。鮮鋭性は比較例
2の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示した。
【0091】評価した結果を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】評価結果から分かるように、比較例1、2
に示す蛍光体プレートは感度及び鮮鋭性は良好である
が、蛍光体層と支持体との接着性が悪く、本発明のよう
に第1層目と第2層目との結晶構造を変えることによ
り、感度及び鮮鋭性は比較に較べてほとんど同等であ
り、支持体と輝尽性蛍光体層との接着性が飛躍的に向上
していることが分かる。
【0094】
【発明の効果】第1層目と第2層目との結晶構造を変え
ることにより、感度及び鮮鋭性の劣化がほとんど無く、
支持体と輝尽性蛍光体層との接着性を飛躍的に向上する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持体上に形成した2層の輝尽性蛍光体層から
なる輝尽性蛍光体プレートの断面図である。
【図2】支持体上に第1層目の輝尽性蛍光体層を形成し
た後、第2層目の輝尽性蛍光体層を蒸着により形成する
様子を示す図である。
【図3】本発明の放射線画像変換パネルの使用例を示す
概略図である。
【図4】蒸着装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10 支持体 11 輝尽性蛍光体層 12 第1層目の輝尽性蛍光体層 13 第2層目の輝尽性蛍光体層 14 柱状結晶間に形成された間隙 21 放射線発生装置 22 被写体 23 放射線画像変換パネル 24 輝尽励起光源 25 該変換パネルにより放射された輝尽蛍光を検出す
る光電変換装置 26 画像再生装置 27 画像表示装置 28 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC03 CC07 DD02 DD11 DD14 DD16 EE02 EE03 EE07 4H001 CA08 XA03 XA04 XA09 XA11 XA12 XA13 XA17 XA19 XA20 XA21 XA28 XA29 XA30 XA31 XA35 XA37 XA38 XA39 XA48 XA49 XA53 XA55 XA56 XA57 XA58 XA59 XA60 XA61 XA62 XA63 XA64 XA65 XA66 XA67 XA68 XA69 XA70 XA71 YA11 YA12 YA29 YA39 YA47 YA49 YA58 YA59 YA60 YA62 YA63 YA64 YA65 YA66 YA67 YA68 YA69 YA70 YA71 YA81

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、蛍光体層、保護層からなり、蛍
    光体層が気相堆積法により形成された放射線画像変換パ
    ネルにおいて、蛍光体層が結晶構造の異なる複数の層か
    ら構成されることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  2. 【請求項2】 支持体上に形成された結晶の第2層目以
    降が柱状結晶構造を呈していることを特徴とする請求項
    1記載の放射線画像変換パネル。
  3. 【請求項3】 第1層目の膜厚が全蛍光体層膜厚の1/
    5以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の放
    射線画像変換パネル。
  4. 【請求項4】 第1層目の膜厚が全蛍光体層膜厚の1/
    10〜1/20であることを特徴とする請求項3記載の
    放射線画像変換パネル。
  5. 【請求項5】 第1層目の堆積時は支持体の加熱は行わ
    ず、第2層目以降の堆積時は支持体温度を150〜35
    0℃に加熱することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の放射線画像変換パネル。
  6. 【請求項6】 蛍光体層が、下記一般式(1)で表され
    る輝尽性蛍光体を含有することを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。 一般式(1) M1X・aM2X′2・bM3X″3:eA 〔式中、M1はLi、Na、K、RbおよびCsからな
    る群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
    り、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、C
    d、CuおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも
    一種の二価金属であり、M3はSc、Y、La、Ce、
    Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
    o、Er、Tm、Yb、Lu、Al、GaおよびInか
    らなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属であ
    り、X、X′およびX″は各々F、Cl、BrおよびI
    からなる群から選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
    り、Aは、Eu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、P
    r、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、
    Tl、Na、Ag、Cu及びMgからなる群から選ばれ
    る少なくとも1種の金属であり、また、a、b、eはそ
    れぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.
    2の範囲の数値を表す。〕
  7. 【請求項7】 前記一般式(1)におけるM1がK、R
    bおよびCsからなる群から選ばれる少なくとも一種の
    アルカリ金属であることを特徴とする請求項6に記載の
    放射線画像変換パネル。
  8. 【請求項8】 前記一般式(1)におけるXがBrおよ
    びIから選ばれる少なくとも一種のハロゲンであること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の放射線画像変換パ
    ネル。
  9. 【請求項9】 前記一般式(1)におけるM2がBe、
    Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一
    種の二価金属であることを特徴とする請求項6〜8のい
    ずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  10. 【請求項10】 前記一般式(1)におけるM3がY、
    Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Gaおよ
    びInからなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金
    属であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項
    に記載の放射線画像変換パネル。
  11. 【請求項11】 前記一般式(1)におけるbが0≦b
    ≦10-2であることを特徴とする請求項6〜10のいず
    れか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  12. 【請求項12】 前記一般式(1)におけるAが、E
    u、Ce、Sm、Tl及びNaからなる群から選ばれる
    少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項6
    〜11のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  13. 【請求項13】 前記一般式(1)で表される輝尽性蛍
    光体が下記一般式(2)で表されることを特徴とする請
    求項6に記載の放射線画像変換パネル。 一般式(2) CsX:yA 〔式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、T
    bまたはCeを表す。yは1×10-7〜1×10-2まで
    の数値を表す。〕
JP2002053364A 2002-02-28 2002-02-28 放射線画像変換パネル Expired - Fee Related JP4114369B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002053364A JP4114369B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 放射線画像変換パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002053364A JP4114369B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 放射線画像変換パネル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003255095A true JP2003255095A (ja) 2003-09-10
JP4114369B2 JP4114369B2 (ja) 2008-07-09

Family

ID=28664812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002053364A Expired - Fee Related JP4114369B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 放射線画像変換パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4114369B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012141297A (ja) * 2010-12-17 2012-07-26 Fujifilm Corp 放射線撮像装置
EP2866057A4 (en) * 2012-06-21 2015-07-15 Raycan Technology Co Ltd Su Zhou MULTILAYER SCINTILLATION CRYSTAL AND PET DETECTOR

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012141297A (ja) * 2010-12-17 2012-07-26 Fujifilm Corp 放射線撮像装置
EP2866057A4 (en) * 2012-06-21 2015-07-15 Raycan Technology Co Ltd Su Zhou MULTILAYER SCINTILLATION CRYSTAL AND PET DETECTOR
US9395452B2 (en) 2012-06-21 2016-07-19 Raycan Technology Co., Ltd. Multilayer scintilation crystal and pet detector

Also Published As

Publication number Publication date
JP4114369B2 (ja) 2008-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4265139B2 (ja) 放射線画像変換パネル及び放射線画像読み取り装置
JP2003248097A (ja) 放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの製造方法
JP2899812B2 (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
JP2004279086A (ja) 放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの製造方法
JP2003232893A (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
EP1443526A2 (en) Radiographic image conversion panel
JP2004239713A (ja) 放射線画像変換パネル
JP5119572B2 (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
JP4731091B2 (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
US20040155224A1 (en) Radiographic image conversion panel and method for manufacturing the same
JP4114369B2 (ja) 放射線画像変換パネル
JP4321395B2 (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
JP5212449B2 (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
JP4687799B2 (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
JP2002350596A (ja) 放射線像変換パネル
JP2003207862A (ja) 放射線画像変換パネル、画像読取方法及び画像読取装置
JP2003232897A (ja) 放射線画像変換パネルの製造方法
JP3956820B2 (ja) 放射線画像変換パネルおよび製造方法
JP2004198177A (ja) 放射線像変換パネル、該パネルに用いる蛍光体の製造方法及び該パネルの製造方法
JP2007024817A (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
JP2005337724A (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
JP2006064436A (ja) 放射線画像変換パネル及びその製造方法
JP2004177253A (ja) 放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの製造方法
JP2004340913A (ja) 放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの製造方法
JP2004239878A (ja) 放射線画像変換パネルの製造方法及び放射線画像変換パネル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080325

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080407

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4114369

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120425

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140425

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees