JP2003255095A - 放射線画像変換パネル - Google Patents
放射線画像変換パネルInfo
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- JP2003255095A JP2003255095A JP2002053364A JP2002053364A JP2003255095A JP 2003255095 A JP2003255095 A JP 2003255095A JP 2002053364 A JP2002053364 A JP 2002053364A JP 2002053364 A JP2002053364 A JP 2002053364A JP 2003255095 A JP2003255095 A JP 2003255095A
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Abstract
性蛍光体の支持体との剥離耐久性が良好で、高感度で鮮
鋭性に優れた放射線画像変換パネルを提供する。 【解決手段】 支持体、蛍光体層、保護層からなり、蛍
光体層が気相堆積法により形成された放射線画像変換パ
ネルにおいて、蛍光体層が結晶構造の異なる複数の層か
ら構成されることを特徴とする放射線画像変換パネル。
Description
た放射線画像変換パネルに関するものであり、更に詳し
くはコントラスト及び鮮鋭性の向上した気相堆積法によ
り形成された放射線画像変換パネルに関するものであ
る。
像変換パネルにより放射線像を画像化する方法が用いら
れるようになってきた。
7号及び特開昭55−12144号等に開示された様に
支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した放射線画像変換パ
ネルを使用するものである。この放射線画像変換パネル
の輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線をあてて被
写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを
輝尽性蛍光体層に蓄積させて潜像(蓄積像)を形成し、
この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光(レーザ光が用いられ
る)で走査することによって各部に蓄積された放射線エ
ネルギーを放射させて光に変換し、この光の強弱を読み
とって画像を得る。この画像はCRT等各種のディスプ
レイ上に再生してもよいし、又ハードコピーとして再生
してもよい。
画像変換パネルの輝尽性蛍光体層には、放射線吸収率及
び光変換率が高いこと、画像の粒状性がよく、高鮮鋭性
であることが要求される。
光体層の膜厚を厚くする必要があるが、余り厚くなりす
ぎると、輝尽性蛍光体粒子間での輝尽発光の散乱のため
発光が外部に出てこなくなる現象があり限界がある。
層化するほど向上するが、薄すぎると感度の減少が大き
くなる。
量子数の場所的ゆらぎ(量子モトル)或いは放射線画像
変換パネルの輝尽性蛍光体層の構造的乱れ(構造モト
ル)等によって決定されるので、輝尽性蛍光体層の層厚
が薄くなると輝尽性蛍光体層に吸収される放射線量子数
が減少してモトルが増加したり、構造的乱れが顕在化し
て構造モトルが増加したりして画質の低下を生ずる。従
って画像の粒状性を向上させるためには輝尽性蛍光体層
の層厚が厚い必要があった。
ネルを用いた放射線像変換方法の画質及び感度は決定さ
れる。これらの感度や画質に関する複数の因子を調整し
て感度、画質を改良するため、これまで様々な検討がさ
れてきた。
手段として、例えば形成される輝尽性蛍光体の形状その
ものをコントロールし感度及び鮮鋭性の改良を図る試み
がされている。
61−142497号等において行われている様な、微
細な凹凸パターンを有する支持体上に輝尽性蛍光体を堆
積させ形成した微細な擬柱状ブロックからなる輝尽性蛍
光体層を用いる方法がある。
ように微細なパターンを有する支持体上に、輝尽性蛍光
体を堆積させて得た柱状ブロック間のクラックをショッ
ク処理を施して更に発達させた輝尽性蛍光体層を有する
放射線画像変換パネルを用いる方法、更には、特開昭6
2−39737号に記載されたような、支持体の面に形
成された輝尽性蛍光体層にその表面側から亀裂を生じさ
せ擬柱状とした放射線画像変換パネルを用いる方法、更
には、特開昭62−110200号に記載のように、支
持体の上面に蒸着により空洞を有する輝尽性蛍光体層を
形成した後、加熱処理によって空洞を成長させ亀裂を設
ける方法等も提案されている。
記載のように、支持体上に輝尽性蛍光体層を気相堆積法
を用いての作製時、輝尽性蛍光体成分の蒸気流の流線と
支持体面との交角を特定の範囲に調節しながら、輝尽性
蛍光体層を所定の厚みに形成する方法が開示され、特許
第2899812号には、気相堆積法によって支持体上
に、支持体の法線方向に対し一定の傾きをもった細長い
柱状結晶が形成された輝尽性蛍光体層を有する放射線画
像変換パネルが提案されている。
る試みにおいては、蛍光体層を柱状結晶構造にすること
により、画質向上を目途としている。特に、柱状にする
ことにより、輝尽励起光(又は輝尽発光)の横方向への
拡散を抑える(クラック(柱状結晶)界面において反射
を繰り返しながら支持体面まで到達する)ことができる
ため、輝尽発光による画像の鮮鋭性を著しく増大させる
ことができるという特徴があるとされている。
rを母体とする輝尽性蛍光体層を蒸着法(気相堆積法)
により形成し、非常に高感度の輝尽性蛍光体が得られ、
高感度の放射線画像変換パネルが得られることが開示さ
れており、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネル
の更なる高感度化、高画質化の要望がますます強くなっ
てきている。
合、CsBrの熱膨張係数が大きいために、支持体より
剥離し易いことがわかり、その改善が望まれていた。
の問題を解消するためになされたものであり、支持体上
に気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体の支持体と
の剥離耐久性が良好で、高感度で鮮鋭性に優れた放射線
画像変換パネルを提供することにある。
により解決することができた。
り、蛍光体層が気相堆積法により形成された放射線画像
変換パネルにおいて、蛍光体層が結晶構造の異なる複数
の層から構成されることを特徴とする放射線画像変換パ
ネル。
目以降が柱状結晶構造を呈していることを特徴とする
(1)記載の放射線画像変換パネル。
1/5以下であることを特徴とする(1)又は(2)記
載の放射線画像変換パネル。
1/10〜1/20であることを特徴とする(3)記載
の放射線画像変換パネル。
行わず、第2層目以降の堆積時は支持体温度を150〜
350℃に加熱することを特徴とする(1)〜(4)の
いずれか1項記載の放射線画像変換パネル。
される輝尽性蛍光体を含有することを特徴とする(1)
〜(5)のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネ
ル。
K、RbおよびCsからなる群から選ばれる少なくとも
一種のアルカリ金属であることを特徴とする(6)に記
載の放射線画像変換パネル。
およびIから選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
ことを特徴とする(6)又は(7)に記載の放射線画像
変換パネル。
e、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくと
も一種の二価金属であることを特徴とする(6)〜
(8)のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
Y、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga
およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種の三
価金属であることを特徴とする(6)〜(9)のいずれ
か1項に記載の放射線画像変換パネル。
≦b≦10-2であることを特徴とする(6)〜(10)
のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
Eu、Ce、Sm、Tl及びNaからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の金属であることを特徴とする(6)
〜(11)のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネ
ル。
性蛍光体が前記一般式(2)で表されることを特徴とす
る(6)に記載の放射線画像変換パネル。
の第1層目の蒸着条件と第2層目の蒸着条件を変更する
ことによって結晶構造を変えることにより、特に第2層
目以降の結晶を柱状結晶構造とすることにより、感度及
び鮮鋭性の劣化をほとんど引き起こすことなく、輝尽性
蛍光体と支持体との接着性を改良することができたもの
である。
に、気相堆積法による輝尽性蛍光体層の形成について説
明する。
は蒸着法、スパッタ法及びCVD法等がある。
後、装置内を排気して1.33×10-4Pa程度の真空
とし、次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵抗加
熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させ
て支持体表面に輝尽性蛍光体層を所望の厚みに堆積させ
る。この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形
成される。
スパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して
1.33×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッ
タ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内に
導入して1.33×10-1Pa程度のガス圧とする。次
に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、スパッタリ
ングすることにより支持体表面に輝尽性蛍光体層を所望
の厚さに堆積させる。
をターゲットとして用い、これを同時或いは順次スパッ
タリングして、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体層を
形成するものであり、必要に応じてO2、H2等のガスを
導入して反応性スパッタを行ってもよい。更に、スパッ
タ法においては、スパッタ時必要に応じて被蒸着物を冷
却或いは加熱してもよい。また、スパッタ終了後に輝尽
性蛍光体層を加熱処理してもよい。
輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周
波電力等のエネルギーで分解することにより、支持体上
に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を得るものであ
り、いずれも輝尽性蛍光体層を支持体の法線方向に対し
て特定の傾きをもって独立した細長い結晶に気相成長さ
せることが可能である。
り複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成するが、第1層
目の輝尽性蛍光体層の膜厚を全体膜厚の1/5以下とす
ることが好ましく、更には第1層目の輝尽性蛍光体層の
膜厚を全体膜厚のを1/10〜1/20とすることがよ
り好ましい。
(常温〜100℃程度)で形成し、その後150〜35
0℃の高温で残りの輝尽性蛍光体層を形成することが好
ましい。また、第1層目の輝尽性蛍光体層の結晶構造と
第2層目以降の結晶構造を変化させる方法としては、比
較的低真空度で第1層目を形成し、その後高真空度で残
りの輝尽性蛍光体層を形成する方法も好ましく用いられ
る。
結晶構造と第2層目以降の結晶構造を変化させる方法と
しては、輝尽性蛍光体の組成を変えてもよく、その結
果、結晶構造が変化し、支持体との剥離耐性(接着性)
を向上させることができる。
法が好ましく用いられる。以下、蒸着法による輝尽性蛍
光体層の形成について詳しく説明する。なお、以下にお
いては柱状結晶を成長させる場合について説明する。第
1層目の蛍光体層作製においては、前記の条件以外は特
に制限されるものではない。
方法としては、支持体上に特定の入射角で輝尽性蛍光体
の蒸気または該原料を供給し、結晶を気相成長(気相堆
積法と呼ぶ)させる方法によって独立した細長い柱状結
晶構造を有する輝尽性蛍光体層を得ることが出きる。ま
た、蒸着時の輝尽性蛍光体の蒸気流の入射角に対し約半
分の成長角で柱状結晶を結晶成長させることができる。
気流を支持体面に対しある入射角をつけて供給する方法
には、支持体を蒸発源を仕込んだ坩堝に対し互いに傾斜
させる配置を取る、或いは、支持体と坩堝を互いに平行
に設置し、蒸発源を仕込んだ坩堝の蒸発面からスリット
等により斜め成分のみ支持体上に蒸着させる様規制する
等の方法をとることができる。
最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね
10cm〜60cmに設置するのが好ましい。
において変調伝達関数(MTF)をよくするためには、
柱状結晶の大きさ(柱状結晶を支持体と平行な面から観
察したときの各柱状結晶の断面積の円換算した直径の平
均値であり、少なくとも100個以上の柱状結晶を視野
中に含む顕微鏡写真から計算する)は1μm〜50μm
程度がよく、更に好ましくは、1μm〜30μmであ
る。即ち、柱状結晶が1μmより細い場合は、柱状結晶
により輝尽励起光が散乱される為にMTFが低下する
し、柱状結晶が50μm以上の場合も輝尽励起光の指向
性が低下し、MTFは低下する。
以下がよく、更に好ましくは5μm以下がよい。即ち、
間隙が30μmを越える場合は蛍光体層中の蛍光体の充
填率が低くなり、感度が低下してしまう。
長角は0°より大きく、90°より小であれば特に問わ
ないが、10〜70°がよく、好ましくは20°〜55
°である。成長角を10〜70°にするには、入射角を
20〜80°にすればよく20〜55°にするには入射
角を40〜70°にすればよい。成長角が大きいと支持
体に対して柱状結晶が倒れすぎ、膜が脆くなる。
膜厚は目的とする放射線画像変換パネルの放射線に対す
る感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、10
μm〜1000μmの範囲が好ましく、更に好ましく
は、20μm〜800μmの範囲である。
性蛍光体層の作製時、蒸発源となる輝尽性蛍光体は、均
一に溶解させるか、プレス、ホットプレスによって成形
して坩堝に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うこと
が好ましい。蒸発源から輝尽性蛍光体を蒸発させる方法
は電子銃により発した電子ビームの走査により行われる
が、これ以外の方法にて蒸発させることもできる。
る必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであっ
てもよい。
stance)に対して賦活剤(actibator)
を混合したものを蒸着してもよいし、母体のみを蒸着し
た後、あとから賦活剤をドープしてもよい。例えば、母
体であるRbBrのみを蒸着した後、例えば賦活剤であ
るTlをドープしてもよい。即ち、結晶が独立している
ため、膜が厚くとも充分にドープ可能であるし、結晶成
長が起こりにくいので、MTFは低下しないからであ
る。
にドーピング剤(賦活剤)を熱拡散、イオン注入法によ
って行うことができる。
充填してもよく、輝尽性蛍光体層の補強となる。又高光
吸収率の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい。
これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体
層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散をほぼ完全
に防止できる。
0〜900nm、特に600〜800nm)に対する反
射率の高いものをいい、例えばアルミニウム、マグネシ
ウム、銀、インジウムその他の金属など、白色顔料及び
緑色から赤色領域の色材を用いることができる。
る。白色顔料として、TiO2(アナターゼ型、ルチル
型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaS
O4、Al2O3、M(II)FX(但し、M(II)はB
a、Sr及びCaの中の少なくとも一種であり、XはC
l、及びBrのうちの少なくとも一種である。)、Ca
CO 3、ZnO、Sb2O3、SiO2、ZrO2、リトポ
ン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性
珪硫酸鉛、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウムなどが挙げ
られる。これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大
きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽
発光を容易に散乱し、得られる放射線画像変換パネルの
感度を顕著に向上させうる。
カーボン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄など及び
青の色材が用いられる。このうちカーボンは輝尽発光も
吸収する。
ずれでもよい。有機系色材としては、ザボンファースト
ブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルー
N−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナ
ショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学
製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キ
トンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブ
ルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH
(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業
製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学
製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライ
オノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。
又カラーインデクスNo.24411、23160、7
4180、74200、22800、23154、23
155、24401、14830、15050、157
60、15707、17941、74220、1342
5、13361、13420、11836、7414
0、74380、74350、74460等の有機系金
属錯塩色材も挙げられる。無機系色材としては群青、コ
バルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO
2−ZnO−Co−NiO系顔料が挙げられる。
る支持体としては各種のガラス、高分子材料、金属等が
用いられるが、例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強
化ガラスなどの板ガラス、又、セルロースアセテートフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィ
ルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等のプラスチックフィルム、アルミニウムシート、
鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物
の被覆層を有する金属シートが好ましい。これら支持体
の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接
着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて支
持体の表面に予め接着層を設けてもよい。これら支持体
の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般
的には80μm〜2000μmであり、取り扱い上の観
点から、更に好ましいのは80μm〜1000μmであ
る。
性蛍光体層の上に保護層を有していてもよい。
層上に直接塗布して形成してもよいし、あらかじめ別途
形成した保護層を輝尽性蛍光体層上に接着してもよい。
あるいは別途形成した保護層上に輝尽性蛍光体層を形成
する手順を取ってもよい。保護層の材料としては酢酸セ
ルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロ
ン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレ
ン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、
塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体等の通常の保護層用材料が
用いられる。他に透明なガラス基板を保護層として用い
ることもできる。また、この保護層は蒸着法、スパッタ
リング法等により、SiC、SiO2、SiN、Al2O
3などの無機物質を積層して形成してもよい。これらの
保護層の層厚は一般的には0.1μm〜2000μm程
度が好ましい。
光体としては、例えば、特開昭48−80487号に記
載されているBaSO4:Axで表される蛍光体、特開
昭48−80488号記載のMgSO4:Axで表され
る蛍光体、特開昭48−80489号に記載されている
SrSO4:Axで表される蛍光体、特開昭51−29
889号に記載されているNa2SO4、CaSO4及び
BaSO4等にMn、Dy及びTbの中少なくとも1種
を添加した蛍光体、特開昭52−30487号に記載さ
れているBeO、LiF、MgSO4及びCaF2等の蛍
光体、特開昭53−39277号に記載されているLi
2B4O7:Cu,Ag等の蛍光体、特開昭54−478
83号に記載されているLi2O・(Be2O2)x:C
u,Ag等の蛍光体、米国特許第3,859,527号
に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,
Sm、La2O2S:Eu,Sm及び(Zn,Cd)S:
Mnxで表される蛍光体があげられる。又、特開昭55
−12142号に記載されているZnS:Cu,Pb蛍
光体、一般式がBaO・xAl2O3:Euであげられる
アルミン酸バリウム蛍光体、及び、一般式がM(II)O
・xSiO2:Aで表されるアルカリ土類金属珪酸塩系
蛍光体があげられる。
ている一般式が(Ba1-xーyMgxCay)Fx:Eu2+で
表されるアルカリ土類フッ化ハロゲン化物蛍光体、特開
昭55−12144号に記載されている一般式がLnO
X:xAで表される蛍光体、特開昭55−12145号
に記載されている一般式が(Ba1-xM(II)x)Fx:
yAで表される蛍光体、特開昭55−84389号に記
載されている一般式がBaFX:xCe,yAで表され
る蛍光体、特開昭55−160078号に記載されてい
る一般式がM(II)FX・xA:yLnで表される希土
類元素賦活二価金属フルオロハライド蛍光体、一般式Z
nS:A、CdS:A、(Zn,Cd)S:A,Xで表
される蛍光体、特開昭59−38278号に記載されて
いる下記いずれかの一般式 xM3(PO4)2・NX2:yA xM3(PO4)2:yA で表される蛍光体、特開昭59−155487号に記載
されている下記いずれかの一般式 nReX3・mAX′2:xEu nReX3・mAX′2:xEu,ySm で表される蛍光体、特開昭61−72087号に記載さ
れている下記一般式 M(I)X・aM(II)X′2・bM(III)X″3:c
A で表されるアルカリハライド蛍光体、及び特開昭61−
228400号に記載されている一般式M(I)X:x
Biで表されるビスマス賦活アルカリハライド蛍光体等
があげられる。特に、アルカリハライド蛍光体は、蒸
着、スパッタリング等の方法で柱状の輝尽性蛍光体層を
形成させやすく好ましい。
輝尽性蛍光体粒子が好ましい。 一般式(1) M1X・aM2X′2・bM3X″3:eA 一般式(1)において、M1はLi、Na、K、Rbお
よびCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアル
カリ金属であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、B
a、Zn、Cd、CuおよびNiからなる群から選ばれ
る少なくとも一種の二価金属であり、M3はSc、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga
およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種の三
価金属であり、X、X′およびX″は各々F、Cl、B
rおよびIからなる群から選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり、Aは、Eu、Tb、In、Cs、Ce、
Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、L
u、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgからな
る群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、また、
a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.
5、0<e≦0.2の範囲の数値を表す。
がK、RbおよびCsからなる群から選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属であること、XがBrおよびIか
ら選ばれる少なくとも一種のハロゲンであること、M2
がBe、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少な
くとも一種の二価金属であること、M3がY、Ce、S
m、Eu、Al、La、Gd、Lu、GaおよびInか
らなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属である
こと、bが0≦b≦10-2であること、Aが、Eu、C
s、Sm、Tl及びNaからなる群から選ばれる少なく
とも1種の金属であることが好ましい。
柱状結晶を有することが好ましく、柱状結晶が、主成分
として下記一般式(2)で表される輝尽性蛍光体を有す
ることが好ましい。
Eu、In、TbまたはCeを表す。yは1×10-7〜
1×10-2までの数値を表す。
説明する。
光体層からなる輝尽性蛍光体プレートの断面図である。
10は支持体、11は輝尽性蛍光体層であり、その内、
12は第1層目の輝尽性蛍光体層、13は第1層目の上
に形成された第2層目の輝尽性蛍光体層であり、柱状結
を示している。なお、14は柱状結晶間に形成された間
隙を示している。
層を形成した後、第2層目の輝尽性蛍光体層を蒸着によ
り形成する様子を示す図であるが、輝尽性蛍光体蒸気流
Vの支持体面の法線方向(P)に対する入射角度をθ2
(図では60°で入射している)とすると、形成される
柱状結晶の支持体面の法線方向(P)に対する角度はθ
1(図では30°、経験的には大体半分になる)で表さ
れ、この角度で柱状結晶が形成される。
使用例を示す概略図である。図3において21は放射線
発生装置、22は被写体、23は輝尽性蛍光体を含有す
る可視光ないし赤外光輝尽性蛍光体層を有する放射線画
像変換パネル、24は放射線画像変換パネル23の放射
線潜像を輝尽発光として放出させるための輝尽励起光
源、25は放射線画像変換パネル23より放出された輝
尽発光を検出する光電変換装置、26は光電変換装置2
5で検出された光電変換信号を画像として再生する装
置、27は再生された画像を表示する装置、28は光源
24からの反射光をカットし、放射線画像変換パネル2
3より放出された光のみを透過させるためのフィルタで
ある。尚、図3は被写体の放射線透過像を得る場合の例
であるが、被写体22自体が放射線を放射する場合に
は、前記放射線発生装置21は特に必要ない。また、光
電変換装置25以降は放射線画像変換パネル23からの
光情報を何らかの形で画像として再生できるものであれ
ばよく、前記に限定されない。
換パネル23に使用される輝尽性蛍光体の輝尽励起波長
を含む光源が使用される。特にレーザ光を用いると光学
系が簡単になり、又、輝尽励起光強度を大きくすること
ができるために輝尽発光効率をあげることができ、より
好ましい結果が得られる。
−Cdレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、
N2レーザ、YAGレーザ及びその第2高調波、ルビー
レーザ、半導体レーザ、各種の色素レーザ、銅蒸気レー
ザ等の金属蒸気レーザ等がある。通常はHe−Neレー
ザやArイオンレーザのような連続発振のレーザが望ま
しいが、パネル1画素の走査時間とパルスを同期させれ
ばパルス発振のレーザを用いることもできる。又、フィ
ルタ28を用いずに特開昭59−22046号に示され
るような、発光の遅延を利用して分離する方法によると
きは、連続発振レーザを用いて変調するよりもパルス発
振のレーザを用いる方が好ましい。
ーザは小型で安価であり、しかも変調器が不要であるの
で特に好ましく用いられる。
るが、本発明はそれらに限定されるものではない。
層を有する放射線画像変換パネルを作製した。
化ガラスの表面に、フルウチ化学社製酸化チタンとフル
ウチ化学社製酸化ジルコニウムを用い、400nmでの
反射率が85%、660nmでの反射率が20%となる
ように、蒸着装置を用いて膜形成を行い、光反射層を有
するガラス支持体を作製した。
を示す。上記支持体を図4に示す蒸着装置の真空チャン
バ中に設置し、加熱ランプを用いて240℃に加熱し
た。その後、真空ポンプを用いて真空度を0.0004
Paとした後、支持体の一方の面に、RbBr:0.0
001Tlからなるアルカリハライド蛍光体を支持体表
面の法線方向に対して60°の角度で、アルミニウム製
のスリットを用いて、支持体と蒸発源の距離を60cm
として、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸
着を行ない、400μm厚の柱状結晶構造を有する蛍光
体層を形成し、蛍光体プレート1(比較例1)を作製し
た。
図4に示す蒸着装置の真空チャンバ中に設置し、240
℃に加熱した。その後、真空度を0.0004Paとし
た後、支持体の一方の面に、CsBr:0.001Eu
からなるアルカリハライド蛍光体を支持体表面の法線方
向に対して60°の角度で、アルミニウム製のスリット
を用いて、支持体と蒸発源の距離を60cmとして、支
持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸着を行な
い、400μm厚の柱状構造を有する蛍光体層を形成
し、蛍光体プレート2(比較例2)を作製した。
図4に示す蒸着装置の真空チャンバ中に設置し、支持体
加熱を行わないで(約25℃)で、真空度を0.000
4Paとした後、支持体の一方の面に、CsBr:0.
001Euからなるアルカリハライド蛍光体を支持体表
面の法線方向に対して60°の角度で、アルミニウム製
のスリットを用いて、支持体と蒸発源の距離を60cm
として、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸
着を行ない、100μm厚の第1層目の蛍光体層を形成
した。次に第1層目の蛍光体層が堆積した支持体を24
0℃に加熱する以外は蛍光体プレート2の作製条件と同
様にして蒸着を行い、第1層目の蛍光体層の上に300
μm厚の柱状構造を有する第2層目の蛍光体層を形成
し、蛍光体プレート3(実施例1)を作製した。
び第1層目及び第2層目の蛍光体層の堆積厚を調整する
以外は、蛍光体プレート3の作製と同様にして、蛍光体
プレート4〜8を作製した。
した各蛍光体プレートを用い、下記のようにして各放射
線画像変換パネルを作製した。
支持体(光反射層を有しない)をガラス保護層として用
い、上記作製した蛍光体プレートの側縁部にスペーサを
介して、堆積した輝尽性蛍光体層の表面と保護層ガラス
板との間に、低屈折率層として空気層が100μmの厚
みになるように、ガラス製の保護層を設けた。なお、ス
ペーサとしてはガラスセラミックス製で、ガラス支持体
及び保護層ガラスの間に輝尽性蛍光体層及び低屈折率層
(空気層)が所定の厚みとなるように厚みを調整したも
のを用い、ガラス支持体及びガラス製の保護層の側縁部
は、エポキシ系接着剤を用いて接着し、各放射線画像変
換パネルを作製した。
持体ガラスとの剥離性(接着性)を下記の方法で評価し
た。
記で得られた各蛍光体プレートから5cm×5cmの試
験サンプルを切り出した。このサンプルの蛍光体表面に
片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で、サン
プルの中央に切り込みを1本入れた。この上に切り込み
を跨いで市販のセロテープ(R)を張り付け、その一端
を手で持って垂直に力強く引っ張って剥がし、切り込み
線からの剥がされた蛍光体層の面積から下記のように評
価した。
に貼り付いていた ×:テープ接着面の殆どの蛍光体層がテープに貼り付い
ていた 又、上記で作製した放射線画像変換パネルの感度及び鮮
鋭性について、下記のようにして評価した。
て、以下に示す方法に従って感度の測定を行った。
ついて、管電圧80kVpのX線を蛍光体シート支持体
の裏面側から照射した後、パネルをHe−Neレーザー
光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射
される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍
管)で受光して、その強度を測定して、これを感度と定
義し、比較例2の感度を1.00とした、相対値で表示
した。
変換パネルについて、変調伝達関数(MTF)を求めて
評価した。
チャートを貼付した後、放射線画像変換パネルに80k
VpのX線を10mR(被写体までの距離:1.5m)
照射した後、100μmφの直径の半導体レーザ(68
0nm:パネル上でのパワー40mW)を用いてCTF
チャート像を走査読み取りして求めた。鮮鋭性は比較例
2の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示した。
に示す蛍光体プレートは感度及び鮮鋭性は良好である
が、蛍光体層と支持体との接着性が悪く、本発明のよう
に第1層目と第2層目との結晶構造を変えることによ
り、感度及び鮮鋭性は比較に較べてほとんど同等であ
り、支持体と輝尽性蛍光体層との接着性が飛躍的に向上
していることが分かる。
ることにより、感度及び鮮鋭性の劣化がほとんど無く、
支持体と輝尽性蛍光体層との接着性を飛躍的に向上する
ことができた。
なる輝尽性蛍光体プレートの断面図である。
た後、第2層目の輝尽性蛍光体層を蒸着により形成する
様子を示す図である。
概略図である。
る光電変換装置 26 画像再生装置 27 画像表示装置 28 フィルタ
Claims (13)
- 【請求項1】 支持体、蛍光体層、保護層からなり、蛍
光体層が気相堆積法により形成された放射線画像変換パ
ネルにおいて、蛍光体層が結晶構造の異なる複数の層か
ら構成されることを特徴とする放射線画像変換パネル。 - 【請求項2】 支持体上に形成された結晶の第2層目以
降が柱状結晶構造を呈していることを特徴とする請求項
1記載の放射線画像変換パネル。 - 【請求項3】 第1層目の膜厚が全蛍光体層膜厚の1/
5以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の放
射線画像変換パネル。 - 【請求項4】 第1層目の膜厚が全蛍光体層膜厚の1/
10〜1/20であることを特徴とする請求項3記載の
放射線画像変換パネル。 - 【請求項5】 第1層目の堆積時は支持体の加熱は行わ
ず、第2層目以降の堆積時は支持体温度を150〜35
0℃に加熱することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
か1項記載の放射線画像変換パネル。 - 【請求項6】 蛍光体層が、下記一般式(1)で表され
る輝尽性蛍光体を含有することを特徴とする請求項1〜
5のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。 一般式(1) M1X・aM2X′2・bM3X″3:eA 〔式中、M1はLi、Na、K、RbおよびCsからな
る群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、C
d、CuおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも
一種の二価金属であり、M3はSc、Y、La、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Lu、Al、GaおよびInか
らなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属であ
り、X、X′およびX″は各々F、Cl、BrおよびI
からなる群から選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り、Aは、Eu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、P
r、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、
Tl、Na、Ag、Cu及びMgからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の金属であり、また、a、b、eはそ
れぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.
2の範囲の数値を表す。〕 - 【請求項7】 前記一般式(1)におけるM1がK、R
bおよびCsからなる群から選ばれる少なくとも一種の
アルカリ金属であることを特徴とする請求項6に記載の
放射線画像変換パネル。 - 【請求項8】 前記一般式(1)におけるXがBrおよ
びIから選ばれる少なくとも一種のハロゲンであること
を特徴とする請求項6又は7に記載の放射線画像変換パ
ネル。 - 【請求項9】 前記一般式(1)におけるM2がBe、
Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一
種の二価金属であることを特徴とする請求項6〜8のい
ずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。 - 【請求項10】 前記一般式(1)におけるM3がY、
Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Gaおよ
びInからなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金
属であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項
に記載の放射線画像変換パネル。 - 【請求項11】 前記一般式(1)におけるbが0≦b
≦10-2であることを特徴とする請求項6〜10のいず
れか1項に記載の放射線画像変換パネル。 - 【請求項12】 前記一般式(1)におけるAが、E
u、Ce、Sm、Tl及びNaからなる群から選ばれる
少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項6
〜11のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。 - 【請求項13】 前記一般式(1)で表される輝尽性蛍
光体が下記一般式(2)で表されることを特徴とする請
求項6に記載の放射線画像変換パネル。 一般式(2) CsX:yA 〔式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、T
bまたはCeを表す。yは1×10-7〜1×10-2まで
の数値を表す。〕
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