JP2005337724A - 放射線画像変換パネル及びその製造方法 - Google Patents

放射線画像変換パネル及びその製造方法 Download PDF

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真史 近藤
Yoshitami Kasai
惠民 笠井
Kuniaki Nakano
中野  邦昭
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Abstract

【課題】 鮮鋭性に優れた放射線画像変換パネル及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 支持体上に、輝尽性蛍光体またはその原料を含む蒸発源を加熱することにより発生する物質を蒸着し、輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造方法において、該蒸着を蒸着雰囲気圧力に対し蒸発源分圧が50%以上の蒸着雰囲気中で行うことを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鮮鋭性に優れた放射線画像変換パネル及びその製造方法に関する。
従来、放射線画像を得るために銀塩を使用した、いわゆる放射線写真法が利用されているが、銀塩を使用しないで放射線像を画像化する方法が開発されている。即ち、被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収させ、しかる後この蛍光体をある種のエネルギーで励起してこの蛍光体が蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射させ、この蛍光を検出して画像化する方法が開示されている。
具体的な方法としては、支持体上に輝尽性蛍光体層を儲けたパネルを用い、励起エネルギーとして可視光線及び赤外線の一方または両方を用いる放射線画像変換方法が知られている(米国特許第3,859,527号参照)。
より高輝度、高感度の輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換方法として、例えば特開昭59−75200号等に記載されているBaFX:Eu2+系(X:Cl、Br、I)蛍光体を用いた放射線画像変換方法、同61−72087号等に記載されているアルカリハライド蛍光体を用いた放射線画像変換方法、同61−73786号、61−73787号等に記載のように、共賦活剤としてTl+及びCe3+、Sm3+、Eu3+、Y3+、Ag+、Mg2+、Pb2+、In3+の金属を含有するアルカリハライド蛍光体が開発されている。
さらに近年、診断画像の解析においてより高鮮鋭性の放射線画像変換パネルが要求されている。鮮鋭性改善のための手段として、例えば形成される輝尽性蛍光体の形状そのものをコントロールし感度及び鮮鋭性の改良を図る試みがされている。
これらの試みの1つとして、例えば特開昭61−142497号等において行われているような、微細な凹凸パターンを有する支持体上に輝尽性蛍光体を堆積させ、形成した微細な擬柱状ブロックからなる輝尽性蛍光体層を用いる方法がある。
また、特許文献1に記載のように微細なパターンを有する支持体上に、輝尽性蛍光体を堆積させて得た柱状ブロック間のクラックにショック処理を施してさらに発達させた輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルを用いる方法、さらには、特許文献2に記載されたような支持体の面に形成された輝尽性蛍光体層にその表面側から亀裂を生じさせ擬柱状とした放射線像変換パネルを用いる方法、さらには、特開昭62−110200号に記載のように支持体の上面に蒸着により空洞を有する輝尽性蛍光体層を形成した後、加熱処理によって空洞を成長させ亀裂を設ける方法等も提案されている。
さらに、特許文献3においては、気相堆積法によって支持体上に、支持体の法線方向に対し一定の傾きをもった細長い柱状結晶を形成した輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルが提案されている。
これらの輝尽性蛍光体層の形状をコントロールする試みにおいては、いずれも輝尽性蛍光体層を柱状とすることで、輝尽励起光(または輝尽発光)の横方向への拡散を抑える(クラック(柱状結晶)界面において反射を繰り返しながら支持体面まで到達する)ことができるため、輝尽発光による画像の鮮鋭性を著しく増大させることができるという特徴がある。
しかしながら、これらの気相成長(堆積)により形成した輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいても、市場から要求される鮮鋭性の改善は十分ではなく、さらなる改良が求められていた。
特許文献4には酸素分圧、特許文献5には水分圧を特定の値以下で蒸着を行い、感度を向上する技術が開示されているが、蒸発源の分圧については記載がなく、また、鮮鋭性については触れていない。
最近、輝尽性蛍光体の励起波長として680nm付近の波長を有する高出力半導体レーザが装置ユニットが小さくて済むため、市場でよく使用されているが、上記記載の技術を適用した放射線画像変換パネルでは、前記波長での透過率が低く、そのため、励起光が輝尽性蛍光体層内で散乱しやすくなるため、特に鮮鋭性に問題があった。
特開昭61−142500号公報 特開昭62−39737号公報 特開平2−58000号公報 特開2003−307595号公報 特開2003−156597号公報
本発明の目的は、鮮鋭性に優れた放射線画像変換パネル及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に、輝尽性蛍光体またはその原料を含む蒸発源を加熱することにより発生する物質を蒸着し、輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造方法において、該蒸着を蒸着雰囲気圧力に対し蒸発源分圧が50%以上の蒸着雰囲気中で行うことを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
(請求項2)
前記蒸発源分圧が60%以上であることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
(請求項3)
前記蒸発源分圧が70%以上であることを特徴とする請求項2に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
(請求項4)
前記蒸発源分圧が80%以上であることを特徴とする請求項3に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
(請求項5)
前記蒸発源分圧が90%以上であることを特徴とする請求項4に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
(請求項6)
支持体上に形成される輝尽性蛍光体層が下記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体を含有し、かつ、請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネルの製造方法によって製造されることを特徴とする放射線画像変換パネル。
一般式(1)
1X・aM2X′2・bM3X″3:eA
(式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群から選ばれる少なくとも1種の3価金属であり、X、X′及びX″はF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲンであり、Aは、Eu、Tb、In、Ga、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、ErGd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e<1.0の範囲の数値を表す。)
(請求項7)
一般式(1)におけるM1がK、Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であることを特徴とする請求項6に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項8)
一般式(1)におけるXがBr及びIから選ばれる少なくとも一種のハロゲンであることを特徴とする請求項6または7に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項9)
一般式(1)におけるM2がBe、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれる少なくとも一種の二価金属であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項10)
一般式(1)におけるM3がY、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga及びInからなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項11)
一般式(1)におけるbが0≦b≦10-2であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項12)
一般式(1)におけるAが、Eu、Cs、Sm、Tl及びNaからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項13)
輝尽性蛍光体が柱状結晶を有することを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
(請求項14)
柱状結晶が主成分として下記一般式(2)で表される輝尽性蛍光体を有することを特徴とする請求項13に記載の放射線画像変換パネル。
一般式(2)
CsX:A
(式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、TbまたはCsを表す。)
本発明により、鮮鋭性に優れた放射線画像変換パネル及びその製造方法を提供することができる。
本発明者は鋭意研究の結果、支持体上に、輝尽性蛍光体またはその原料を含む蒸発源を加熱することにより発生する物質を蒸着し、輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造方法において、該蒸着を蒸着雰囲気圧力に対し蒸発源分圧が50%以上の蒸着雰囲気中で行うことにより、鮮鋭性に優れた放射線画像変換パネルが得られることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の放射線画像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体としては、例えば、特開昭48−80487号に記載されているBaSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80488号記載のMgSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80489号に記載されているSrSO4:Axで表される蛍光体、特開昭51−29889号に記載されているNa2SO4、CaSO4及びBaSO4等にMn、Dy及びTbの中少なくとも1種を添加した蛍光体、特開昭52−30487号に記載されているBeO、LiF、MgSO4及びCaF2等の蛍光体、特開昭53−39277号に記載されているLi247:Cu,Ag等の蛍光体、特開昭54−47883号に記載されているLi2O・(Be22)x:Cu,Ag等の蛍光体、米国特許第3,859,527号に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、La22S:Eu,Sm及び(Zn,Cd)S:Mnxで表される蛍光体が挙げられる。また、特開昭55−12142号に記載されているZnS:Cu,Pb蛍光体、一般式がBaO・xAl23:Euで表されるアルミン酸バリウム蛍光体、及び、一般式がM(II)O・xSiO2:Aで表されるアルカリ土類金属珪酸塩系蛍光体が挙げられる。
また、特開昭55−12143号に記載されている一般式が(Ba1-x-yMgxCay)Fx:Eu2+で表されるアルカリ土類フッ化ハロゲン化物蛍光体、特開昭55−12144号に記載されている一般式がLnOX:xAで表される蛍光体、特開昭55−12145号に記載されている一般式が(Ba1-xM(II)x)Fx:yAで表される蛍光体、特開昭55−84389号に記載されている一般式がBaFX:xCe,yAで表される蛍光体、特開昭55−160078号に記載されている一般式がM(II)FX・xA:yLnで表される希土類元素賦活二価金属フルオロハライド蛍光体、一般式ZnS:A、CdS:A、(Zn,Cd)S:A,Xで表される蛍光体、特開昭59−38278号に記載されている下記いずれかの一般式
xM3(PO42・NX2:yA
xM3(PO42:yA
で表される蛍光体、特開昭59−155487号に記載されている下記いずれかの一般式
nReX3・mAX′2:xEu
nReX3・mAX′2:xEu,ySm
で表される蛍光体等、また、特開昭61−228400号に記載されている一般式M(I)X:xBiで表されるビスマス賦活アルカリハライド蛍光体等が挙げられる。
しかしながら、特に、特開昭61−72087号、特開平2−58000号等に記載されたような、下記一般式(1)で表されるアルカリハライド系輝尽性蛍光体が好ましい。
一般式(1)
1X・aM2X′2・bM3X″3:eA
式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsから選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群から選ばれる少なくとも1種の3価金属であり、X、X′及びX″はF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲンであり、AはEu、Tb、In、Ga、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、また、a、b及びcは、それぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e<1.0の範囲の数値を表す。
これら一般式(1)において、M1はK、Rb及びCsからなる群から選ばれることが好ましく、XはBr及びIからなる群から選ばれることが好ましい。
また、M2はBe、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選ばれることが好ましく、M3はY、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga及びInからなる群から選ばれることが好ましい。さらに、bとしては0≦b≦0.01であることが好ましく、AはEu、Cs、Sm、Tl及びNaからなる群から選ばれることが好ましい。
これらのアルカリハライド系輝尽性蛍光体は気相堆積法により支持体上に成膜することで、支持体の法線方向に対し一定の傾きをもった(もちろん、傾きがなく、支持体面に対して垂直でもよいが)細長い柱状結晶を形成する。このような柱状結晶の形成により、輝尽励起光(また輝尽発光)の横方向への拡散を抑えることができるため、輝尽発光による画像の鮮鋭性がよいことがこれらの蛍光体を用いたときの特徴である。アルカリハライド系輝尽性蛍光体のなかでもRbBr及びCsBr系蛍光体が高輝度、高画質であり好ましい。
本発明において、特に好ましいのはこれらの中でも下記一般式(2)で表される蛍光体である。
一般式(2)
CsX:A
式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、GaまたはCeを表す。
中でもCsBr系蛍光体が特に輝度が高く高画質であり、好ましい。
本発明において好ましい、これらの輝尽性蛍光体を用いて得られる柱状結晶、即ち各々の結晶がある間隙をおいて柱状に成長している結晶は、前記、特開平2−58000号に記載された方法により得ることができる。
即ち、支持体上に輝尽性蛍光体の蒸気または原料を供給し、蒸着等の気相成長(堆積)させる方法によって独立した細長い柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層を得ることができる。例えば、蒸着時の輝尽性蛍光体の蒸気流を支持体に垂直な方向に対し0〜5度の範囲で入射させることにより、支持体面に対してほぼ垂直柱状の結晶を得ることができる。これらの場合において、支持体とルツボとの最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね10〜60cmに設置するのが適当である。
蒸発源となる輝尽性蛍光体は、均一に溶解させるか、プレス、ホットプレスによって成形してルツボに仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うことが好ましい。蒸発源から輝尽性蛍光体を蒸発させる方法は電子銃により発した電子ビームの走査により行われるが、これ以外の方法にて蒸発させることもできる。
また、蒸発源は必ずしも輝尽性蛍光体である必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであってもよい。
また、賦活剤は母体(basic substance)に対して賦活剤(actibator)を混合したものを蒸着してもよいし、母体のみを蒸着した後、あとから賦活剤をドープしてもよい。例えば、母体をCsBrとした場合、CsBrのみを蒸着した後、例えば賦活剤であるInをドープしてもよい。即ち、結晶が独立しているため、膜が厚くとも充分にドープ可能であるし、結晶成長が起こりにくいので、MTFは低下しないからである。ドーピングは形成された蛍光体の母体層中にドーピング剤(賦活剤)を熱拡散、イオン注入法によって行うことができる。
これらの方法により形成した柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層の層厚は目的とする放射線画像変換パネルの放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、50〜1000μmが好ましく、50〜800μmがより好ましい。
これらの柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層において変調伝達関数(MTF)をよくするためには、柱状結晶の大きさ(柱状結晶を支持体と平行な面から観察したときの各柱状結晶の断面積の円換算した直径の平均値であり、少なくとも100個以上の柱状結晶を視野中に含む顕微鏡写真から計算する)は0.5〜50μm程度がよく、さらに好ましくは、0.5〜20μmである。即ち、柱状結晶が0.5μmより細い場合は、柱状結晶により輝尽励起光が散乱されるためにMTFが低下するし、柱状結晶が50μm以上の場合も輝尽励起光の指向性が低下し、MTFは低下する。
また、本発明に係る輝尽性蛍光体層は気相成長法(気相堆積法ともいう)によって形成される。
輝尽性蛍光体の気相成長法としては蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、その他を用いることができる。
第1の方法としての蒸着法においては、まず支持体を蒸着装置内に設置した後装置内を排気して1.33×10-4Pa程度の真空度とする。次いで、前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体またはその原料を含む蒸発源を抵抗加熱法、エレクトロンビーム法等の方法で加熱蒸発させて前記支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに成長させる。
この際、蒸着雰囲気圧力に対し蒸発源分圧が50%以上の蒸着雰囲気中で行うことが本発明の特徴である。蒸発源分圧は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が最も好ましい。蒸着する際の雰囲気からは空気、水分、その他のガスをできるだけ除去して蒸発源分圧を高めることが好ましいが、微量のAr、ネオン、窒素等の不活性ガスが存在してもかまわない。不活性ガスと一般式(1)で表される輝尽性蛍光体またはその原料を含む蒸発源(蒸気)共存下で加熱処理する際の雰囲気中の蒸発源の分圧は、輝尽性蛍光体の種類、形成する輝尽性蛍光体の柱状結晶の大きさ、形状等により調整することが好ましい。蒸発源の分圧は、蒸発源を入れたルツボの加熱温度、共存ガス濃度、真空度により調製することができる。蒸発源の分圧は、質量分析法により測定し算出することができる。
この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形成されるが、前記蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロンビームを用いて共蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。
蒸着終了後、必要に応じて前記輝尽性蛍光体層の支持体側とは反対の側に保護層を設けることにより放射線画像変換パネルが製造される。なお、保護層上に輝尽性蛍光体層を形成した後、支持体を設ける手順をとってもよい。
さらに前記蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて被蒸着物(支持体あるいは保護層)を冷却あるいは加熱してもよい。また、蒸着終了後輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。また、前記蒸着法に於いては必要に応じてO2、H2等のガスを導入して反応性蒸着を行ってもよい。
第2の方法としてのスパッタリング法においては、蒸着法と同様に支持体をスパッタリング装置内に設置した後装置内を一旦排気して1.33×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタリング用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスをスパッタリング装置内に導入して1.33×10-1Pa程度のガス圧とする。次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、スパッタリングすることにより、前記支持体表面に輝尽性蛍光体層を所望の厚さに成長させる。
前記スパッタリング工程では蒸着法と同様に各種の応用処理を用いることができる。
第3の方法としてCVD法がある。また、第4の方法としてイオンプレーティング法がある。第2〜4の方法でも蒸発源分圧を蒸着法と同様に50%以上にすることが必要である。
また、前記気相成長における輝尽性蛍光体層の成長速度は0.05〜300μm/分であることが好ましい。成長速度が0.05μm/分未満の場合には放射線画像変換パネルの生産性が低く好ましくない。また成長速度が300μm/分を越える場合には成長速度のコントロールがむずかしく好ましくない。放射線画像変換パネルを、前述の真空蒸着法、スパッタリイング法等により得る場合には、結着剤が存在しないので輝尽性蛍光体の充填密度を増大でき、感度、解像力の上で好ましい放射線画像変換パネルが得られる。
輝尽性蛍光体層の厚みは、放射線画像変換パネルの使用目的によって、また輝尽性蛍光体の種類により変化するが、本発明に記載の効果を得る観点から50μm以上の膜厚が必要であり、好ましくは50〜300μmであり、さらに好ましくは100〜300μmであり、特に好ましくは150〜300μmである。
上記の気相成長法による輝尽性蛍光体層の作製にあたり、輝尽性蛍光体層が形成される支持体の温度は、100℃以上に設定することが好ましく、さらに好ましくは150℃以上であり、特に好ましくは150℃〜400℃である。
また、高鮮鋭性を示す放射線画像変換パネルを得る観点から、本発明に係る輝尽性蛍光体層の透過率または反射率は20%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。
本発明においては、支持体がガラス基板等のような透明支持体の場合は、輝尽性蛍光体層の透過率を測定し、基板上にアルミニウム等の光を反射するような鏡面処理(例えば、蒸着等)が行われている場合は輝尽性蛍光体層の反射率を測定する。
ここで、透過率または反射率の測定は、下記の測定装置を用い、同様の測定条件にて行うことができる。
装置:HITACHI557型、Spectrophotometer
測定条件
測定光の波長 :680nm
スキャンスピード:120nm/min
繰り返し回数 :10回
レスポンス :Autoに設定
本発明の放射線画像変換パネルに係る輝尽性蛍光体層は、支持体上に前記一般式(1)または前記一般式(2)で表される輝尽性蛍光体を気相成長させて形成されるが、層形成時に該輝尽性蛍光体が柱状結晶を形成することが好ましい。
蒸着、スパッタリング等の方法で柱状の輝尽性蛍光体層を形成するために、前記一般式(1)で表されるような輝尽性蛍光体材料が用いられるが、前記一般式(2)で表される輝尽性蛍光体が好ましく用いられるが、中でも、CsBr系蛍光体が特に好ましく用いられる。
このようにして支持体上に形成した輝尽性蛍光体層は、結着剤を含有していないので、指向性に優れており、輝尽励起光及び輝尽発光の指向性が高く、輝尽性蛍光体を結着剤中に分散した分散型の輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルより層厚を厚くすることができる。さらに輝尽励起光の輝尽性蛍光体層中での散乱が減少することで像の鮮鋭性が向上する。
また、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物を充填してもよく、輝尽性蛍光体層の補強となるほか、高光吸収の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい、これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散の低減に有効である。
高反射率の物質とは、輝尽励起光(500〜900nm、特に600〜800nm)に対する反射率の高いものをいい、例えばアルミニウム、マグネシウム、銀、インジウムその他の金属等、白色顔料及び緑色から赤色領域の色材を用いることができる。
白色顔料は輝尽発光も反射することができる。白色顔料として、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの中の少なくとも一種であり、XはCl、及びBrのうちの少なくとも一種である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸塩、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウム等が挙げられる。これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽発光を容易に散乱し、得られる放射線像変換パネルの感度を顕著に向上させうる。
また、高光吸収率の物質としては、例えば、カーボン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄等及び青の色材が用いられる。このうちカーボンは輝尽発光も吸収する。
また、色材は、有機または無機系色材のいずれでもよい。有機系色材としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。またカラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材も挙げられる。無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO系顔料が挙げられる。
本発明の放射線像変換パネルに用いられる支持体としては各種のガラス、高分子材料、金属等が用いられるが、例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラス等の板ガラス、また、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シートまたは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートが好ましい。これら支持体の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
また、本発明においては、支持体と輝尽性蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて支持体の表面に予め接着層を設けてもよい。これら支持体の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般的には80〜2000μmであり、取り扱い上の観点から、さらに好ましいのは80〜1000μmである。
また、本発明に係る輝尽性蛍光体層は、保護層を有していてもよい。
保護層は、保護層用塗布液を輝尽性蛍光体層上に直接塗布して形成してもよいし、あらかじめ別途形成した保護層を輝尽性蛍光体層上に接着してもよい。あるいは別途形成した保護層上に輝尽性蛍光体層を形成する手順を取ってもよい。保護層の材料としては酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の通常の保護層用材料が用いられる。他に透明なガラス基板を保護層としてもちいることもできる。また、この保護層は蒸着法、スパッタリング法等により、SiC、SiO2、SiN、Al23等の無機物質を積層して形成してもよい。これらの保護層の層厚は一般的には0.1〜2000μm程度が好ましい。
図1は、本発明の放射線画像変換パネルを用いて被写体の放射線透過像を得るシステムの1例を示す概略図である。
図1において21は放射線発生装置、22は被写体、23は輝尽性蛍光体を含有する可視光ないし赤外光輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネル、24は放射線画像変換パネル23の放射線潜像を輝尽発光として放出させるための輝尽励起光源、25は放射線画像変換パネル23より放出された輝尽発光を検出する光電変換装置、26は光電変換装置25で検出された光電変換信号を画像として再生する装置、27は再生された画像を表示する装置、28は光源24からの反射光をカットし、放射線画像変換パネル23より放出された光のみを透過させるためのフィルタである。なお、図1は被写体の放射線透過像を得る場合の例であるが、被写体12自体が放射線を放射する場合には、前記放射線発生装置21は特に必要ない。また、光電変換装置25以降は放射線画像変換パネル23からの光情報を何らかの形で画像として再生できるものであればよく、前記に限定されない。
図1に示されるように、被写体22を放射線発生装置21と放射線画像変換パネル23の間に配置し放射線Rを照射すると、放射線Rは被写体22の各部の放射線透過率の変化に従って透過し、その透過像RI(すなわち放射線の強弱の像)が放射線画像変換パネル23に入射する。この入射した透過像RIは放射線画像変換パネル23の輝尽性蛍光体層に吸収され、これによって輝尽性蛍光体層中に吸収された放射線量に比例した数の電子及び/または正孔が発生し、これが輝尽性蛍光体のトラップレベルに蓄積される。すなわち放射線透過像のエネルギーを蓄積した潜像が形成される。次にこの潜像を光エネルギーで励起して顕在化する。すなわち可視あるいは赤外領域の光を照射する光源24によって輝尽性蛍光体層に照射してトラップレベルに蓄積された電子及び/または正孔を追い出し、蓄積されたエネルギーを輝尽発光として放出させる。この放出された輝尽発光の強弱は蓄積された電子及び/または正孔の数、すなわち放射線画像変換パネル23の輝尽性蛍光体層に吸収された放射線エネルギーの強弱に比例しており、この光信号を例えば光電子増倍管等の光電変換装置25で電気信号に変換し、画像処理装置26によって画像として再生し、画像表示装置27によってこの画像を表示する。画像処理装置26は単に電気信号を画像信号として再生するのみでなく、いわゆる画像処理や画像の演算、画像の記憶、保存等ができるものを使用するとより有効である。
また、光エネルギーで励起する際、輝尽励起光の反射光と輝尽性蛍光体層から放出される輝尽発光とを分離する必要があることと、輝尽性蛍光体層から放出される発光を受光する光電変換器は一般に600nm以下の短波長の光エネルギーに対して感度が高くなるという理由から、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光はできるだけ短波長領域にスペクトル分布を持ったものが望ましい。本発明に係わる輝尽性蛍光体の発光波長域は300〜500nmであり、一方輝尽励起波長域は500〜900nmであるので前記の条件を同時に満たすが、最近、診断装置のダウンサイジング化が進み、放射画像変換パネルの画像読み取りに用いられる励起波長は高出力で、かつ、コンパクト化が容易な半導体レーザが好まれ、そのレーザ光の波長は680nmであり、本発明の放射線画像変換パネルに組み込まれた輝尽性蛍光体は、680nmの励起波長を用いた時に、極めて良好な鮮鋭性を示すものである。
すなわち、本発明に係わる輝尽性蛍光体はいずれも500nm以下に主ピークを有する発光を示し、輝尽励起光の分離が容易でしかも受光器の分光感度とよく一致するため、効率よく受光できる結果、受像系の感度を固めることができる。
輝尽励起光源24としては、放射線画像変換パネル23に使用される輝尽性蛍光体の輝尽励起波長を含む光源が使用される。特にレーザ光を用いると光学系が簡単になり、また、輝尽励起光強度を大きくすることができるために輝尽発光効率をあげることができ、より好ましい結果が得られる。
レーザとしては、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、N2レーザ、YAGレーザ及びその第2高調波、ルビーレーザ、半導体レーザ、各種の色素レーザ、銅蒸気レーザ等の金属蒸気レーザ等がある。通常はHe−NeレーザやArイオンレーザのような連続発振のレーザが望ましいが、パネル1画素の走査時間とパルスを同期させればパルス発振のレーザを用いることもできる。また、フィルタ28を用いずに特開昭59−22046号に示されるような、発光の遅延を利用して分離する方法によるときは、連続発振レーザを用いて変調するよりもパルス発振のレーザを用いる方が好ましい。
上記の各種レーザ光源の中でも、半導体レーザは小型で安価であり、しかも変調器が不要であるので特に好ましく用いられる。
フィルタ28としては放射線画像変換パネル23から放射される輝尽発光を透過し、輝尽励起光をカットするものであるから、これは放射線画像変換パネル23に含有する輝尽性蛍光体の輝尽発光波長と輝尽励起光源24の波長の組合わせによって決定される。
例えば、輝尽励起波長が500〜900nmで輝尽発光波長が300〜500nmにあるような実用上好ましい組合わせの場合、フィルタとしては例えば東芝社製C−39、C−40、V−40、V−42、V−44、コーニング社製7−54、7−59、スペクトロフィルム社製BG−1、BG−3、BG−25、BG−37、BG−38等の紫〜青色ガラスフィルタを用いることができる。また、干渉フィルタを用いると、ある程度任意の特性のフィルタを選択して使用できる。光電変換装置25としては、光電管、光電子倍増管、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、光導電素子等光量の変化を電子信号の変化に変換し得るものなら何れでもよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《放射線画像変換パネル1〜8の作製》
1mm厚の結晶化ガラス(日本電気ガラス社製)支持体の表面に図2に示す蒸着装置(但し、θ1=5度、θ2=5度に設定する)を用いて輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)を有する輝尽性蛍光体層を形成した。
図2に示す蒸着装置においては、アルミニウム製のスリットを用い、支持体とスリットとの距離dを60cmとして、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸着を行ない、輝尽性蛍光体層の厚みが300μmになるように調整した。
なお、蒸着にあたっては、前記支持体を蒸着器内に設置し、次いで、蛍光体原料(CsBr:Eu)を蒸着源としてプレス成形し水冷したルツボに入れた。
その後、蒸着器内を一旦排気した後、N2ガスを導入し0.133Paに真空度を調整した後、蒸発源の分圧を、蒸発源を入れたルツボの加熱温度の調整により表1のように変えて、支持体の温度(基板温度ともいう)を約350℃に保持しながら、蒸着した。輝尽性蛍光体層の膜厚が300μmとなったところで蒸着を終了させ、次いで、この蛍光体層を温度400℃で加熱処理した。乾燥空気の雰囲気内で、支持体及び硼珪酸ガラスからなる保護層周縁部を接着剤で封入して、蛍光体層が密閉された構造の放射線画像変換パネル1〜8を得た。
得られた放射線画像変換パネル1〜8について、下記のように鮮鋭性を評価した。
《鮮鋭性評価》
放射線画像変換パネルの鮮鋭性は、変調伝達関数(MTF)を求めて評価した。
MTFは、放射線画像変換パネルにCTFチャートを貼付した後、放射線画像変換パネルに80kVpのX線を10mR(被写体までの距離:1.5m)照射した後、100μmφの直径の半導体レーザ(発振波長780nm)で走査して輝尽励起し、CTFチャート像を輝尽性蛍光体層から放出される輝尽発行として読み取り、光検出器(光電子倍増倍管)を光電変換して画像信号を得た。この信号値により、画像の変調伝達関数(MTF)を調べ、放射線画像変換パネル1の値を100とする相対値で示す。なお、MTFは空間周波数が1サイクル/mmの時の値である。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2005337724
表1から、比較の放射線画像変換パネルと比べて、本発明の放射線画像変換パネルは、鮮鋭性(MTF特性)が良好であることが明らかである。
本発明の放射線画像変換パネルを用いて被写体の放射線透過像を得るシステムの1例を示す概略図である。 蒸着により支持体上に輝尽性蛍光体層を作製する方法の一例を示す概略図である。
符号の説明
21 放射線発生装置
22 被写体
23 放射線像変換パネル
24 輝尽励起光源
25 変換パネルにより放射された輝尽蛍光を検出する光電変換装置
26 画像再生装置
27 画像表示装置
28 フィルタ

Claims (14)

  1. 支持体上に、輝尽性蛍光体またはその原料を含む蒸発源を加熱することにより発生する物質を蒸着し、輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造方法において、該蒸着を蒸着雰囲気圧力に対し蒸発源分圧が50%以上の蒸着雰囲気中で行うことを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
  2. 前記蒸発源分圧が60%以上であることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
  3. 前記蒸発源分圧が70%以上であることを特徴とする請求項2に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
  4. 前記蒸発源分圧が80%以上であることを特徴とする請求項3に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
  5. 前記蒸発源分圧が90%以上であることを特徴とする請求項4に記載の放射線画像変換パネルの製造方法。
  6. 支持体上に形成される輝尽性蛍光体層が下記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体を含有し、かつ、請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネルの製造方法によって製造されることを特徴とする放射線画像変換パネル。
    一般式(1)
    1X・aM2X′2・bM3X″3:eA
    (式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属であり、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属であり、M3はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群から選ばれる少なくとも1種の3価金属であり、X、X′及びX″はF、Cl、Br及びIからなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲンであり、Aは、Eu、Tb、In、Ga、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、ErGd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、また、a、b、eはそれぞれ0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e<1.0の範囲の数値を表す。)
  7. 一般式(1)におけるM1がK、Rb及びCsからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であることを特徴とする請求項6に記載の放射線画像変換パネル。
  8. 一般式(1)におけるXがBr及びIから選ばれる少なくとも一種のハロゲンであることを特徴とする請求項6または7に記載の放射線画像変換パネル。
  9. 一般式(1)におけるM2がBe、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれる少なくとも一種の二価金属であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  10. 一般式(1)におけるM3がY、Ce、Sm、Eu、Al、La、Gd、Lu、Ga及びInからなる群から選ばれる少なくとも一種の三価金属であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  11. 一般式(1)におけるbが0≦b≦10-2であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  12. 一般式(1)におけるAが、Eu、Cs、Sm、Tl及びNaからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  13. 輝尽性蛍光体が柱状結晶を有することを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  14. 柱状結晶が主成分として下記一般式(2)で表される輝尽性蛍光体を有することを特徴とする請求項13に記載の放射線画像変換パネル。
    一般式(2)
    CsX:A
    (式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、TbまたはCsを表す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102621574A (zh) * 2011-01-26 2012-08-01 佳能株式会社 闪烁体面板、其制造方法和放射线检测设备

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