JP2003254252A - 空気圧縮機 - Google Patents
空気圧縮機Info
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Abstract
軽減すると共に、電源スイッチのオン操作を自動的に行
うことを課題とする。 【解決手段】 空気圧縮機10は、空気圧縮部を駆動す
るモータ68と、モータ68の回転数を検出する回転セ
ンサ102と、回転数が予め設定された所定値以下に減
速されると、モータ68への電源供給をオフにした後、
所定時間が経過すると、モータ68への電源供給を再開
する制御部94を備えてなる。そのため、制御部94
は、延長コードに接続された他の電動工具が同時に使用
されて一時的に低電圧状態になってもモータ68への電
源供給をオフにした後、所定時間が経過すると、モータ
68への電源供給を再開することでモータ68の負担を
軽減してモータ68の寿命を延ばすと共に、自動的にモ
ータ68の運転を再開して作業者が電源スイッチを操作
する必要がないので、作業者の負担を軽減しうる。
Description
特に工場などで種々の電動工具が使用される環境に用い
られる空気圧縮機に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、建築現場などでは、圧縮空気の
圧力で釘を木材などに打ち込む釘打ち機を使用してい
る。このように、屋外で使用される釘打ち機は、搬送可
能な空気圧縮機で生成された圧縮空気を供給されて釘装
填部に装填された釘を空気圧力で打ち込むように構成さ
れている。 【0003】この種の空気圧縮機は、空気を吸い込んで
圧縮するピストン・シリンダ部(空気圧縮部)と、ピス
トンを駆動するモータ(駆動部)と、ピストン・シリン
ダ部及びモータを覆うカバーと、圧縮空気を貯留するタ
ンクとを備えてなる。 【0004】また、空気圧縮機に搭載された制御部は、
タンクの圧力を監視しており、タンク内の圧力が上限圧
力値に達するまでモータを駆動させて圧縮空気をタンク
に充填し、タンク内の圧力が上限圧力値に達すると、モ
ータを一時的に停止させ、タンク内の圧力が下限圧力値
に低下すると、再びモータを起動させてタンクへ圧縮空
気を充填する。 【0005】また、建築現場では、コンセントの数が限
られており、延長コードを使用して釘打機を使用場所で
の電源を確保している。ところが、コンセントの位置か
ら釘打機の使用場所までの距離が長い場合には、複数の
延長コードを直列に接続する場合もある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところが、延長コード
には、釘打機以外にも他の電動工具(例えば、電動ドリ
ルや電動ノコギリなど)が接続される場合がある。この
ように、延長コードに複数の電動工具のコードが接続さ
れた状態で同時に使用されると、各電動工具及び空気圧
縮機へ供給される電圧が低下することがある。 【0007】その場合、空気圧縮機では、モータやピス
トン・シリンダ部を冷却するためのファンが内部で回転
しているため、電圧低下が生じてモータの回転数が下が
ったり、あるいはモータがトルク不足で停止してしまう
と、ファンの回転数も減速されて十分な冷却効果が得ら
れず、モータやピストン・シリンダ部の温度が上昇して
寿命が短くなるという問題が生じる。 【0008】このような問題を解消する手段としては、
電圧が所定値以下に低下した場合、電源スイッチをオフ
状態に切り替えて停止状態とすることでモータにかかる
負荷を取り除くことが考えられている。 【0009】しかしながら、この方法では、電圧低下が
生じる度に作業者が空気圧縮機の場所に移動して電源ス
イッチをオンに操作しなければならないので、操作が面
倒であるといった問題が生じるおそれがある。 【0010】特に空気圧縮機が常時運転状態であるのに
対し、その他の電動工具(電動ドリルや電動ノコギリな
ど)は、常時使用されるものではなく、比較的短時間の
駆動が断続的に行われるケースが多い。そのため、その
他の電動工具が使用されているときに、空気圧縮機がモ
ータを停止させる待機状態からモータ駆動による圧縮運
転状態に切り替わると、一時的に電圧低下が生じてモー
タが停止してしまう。 【0011】そして、作業者は、その他の電動工具が使
用される度に空気圧縮機の電源スイッチをオンに操作す
ることになる。 【0012】そこで、本発明は上記課題を解決した空気
圧縮機を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、以下のような特徴を有する。本発明は、空気
を吸い込んで圧縮する空気圧縮部と、空気圧縮部を駆動
するモータと、空気圧縮部により生成された圧縮空気を
貯留するタンクと、モータの回転数を検出する回転検出
手段と、回転検出手段により検出された回転数が予め設
定された所定値以下に減速されたとき、モータに供給さ
れる電圧値が低下したことを判別する低電圧判別手段
と、低電圧判別手段によりモータに供給される電圧値が
低下したものと判別されたとき、モータへの電源供給を
オフにする運転停止手段と、運転停止手段によるモータ
への電源供給をオフにした後、所定時間が経過すると、
モータへの電源供給を再開する運転再開手段と、を備え
たものであり、延長コードに接続された他の電動工具が
同時に使用されて一時的に低電圧状態になってもモータ
への電源供給をオフにした後、所定時間が経過すると、
モータへの電源供給を再開することでモータの負担を軽
減してモータの寿命を延ばすと共に、自動的にモータの
運転を再開して作業者が電源スイッチを操作する必要が
ないので、作業者の負担を軽減しうる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の一実施
例について説明する。図1は本発明になる空気圧縮機の
一実施例を示す斜視図である。図2はカバー22を外し
た状態を示す斜視図である。図3は空気圧縮機の側面図
である。図4は空気圧縮機の平面図である。図5は空気
圧縮機の正面図である。図6は空気圧縮機の背面図であ
る。 【0015】図1乃至図6に示されるように、空気圧縮
機10は、例えば、建築現場などの屋外において、空圧
式の釘打ち機(図示せず)に圧縮空気を供給するように
構成された小型コンプレッサである。 【0016】また、空気圧縮機10は、フレーム12に
円筒形状に形成された一対のタンク14,16が平行に
支持されており、タンク14,16の上部には圧縮空気
を生成する空気圧縮部18と、空気圧縮部18を駆動す
る駆動部20とが搭載されている。さらに、タンク1
4,16の上部には、空気圧縮部18及び駆動部20を
覆うように一体成型された樹脂製のカバー22が取り付
けられている。 【0017】また、タンク14,16の両端下部には、
脚部24〜27が設けられている。さらに、フレーム1
2の両端部には、コ字状に形成された把持部28,30
が固着されている。空気圧縮機10は、把持部28,3
0を把持されて搬送される。 【0018】また、空気圧縮機10は、空気圧縮部18
の両側に空気吐出部32,34が設けられている。空気
吐出部32,34は、タンク14,16の取り出し管路
(図示せず)に接続された圧力調整弁36,38と、圧
力調整弁36,38により調整された吐出圧力値を表示
する圧力計40,42と、圧力調整弁36,38により
調整された圧力の圧縮空気を吐出する吐出口44〜47
とを有する。 【0019】圧力調整弁36,38は、ハンドル36
a,38aが回わされて吐出圧力を調整する。また、吐
出口44〜47は、釘打ち機に接続されたホース(図示
せず)が接続されるクイックカプラが設けられている。 【0020】さらに、カバー22の上部には、操作パネ
ル48が設けられている。この操作パネル48には、電
源スイッチ及び各種表示ランプが設けられているが、物
が置かれても電源オフにならないようにカバー22の凹
部23内に設けられている。 【0021】図2に示されるように、カバー22は、着
脱自在に取り付けられており、空気圧縮部18及び駆動
部20のメンテナンス時にはフレーム12から外され
る。このように、カバー22が外されると、タンク1
4,16の上部に設けられた空気圧縮部18及び駆動部
20の他に圧力調整弁36,38、圧力計40,42、
吐出口44〜47が露出された状態になる。 【0022】ここで、圧縮部18及び駆動部20の構成
について説明する。図7は圧縮部18及び駆動部20の
内部構成を示す横断面図である。 【0023】図7に示されるように、圧縮部18は、ケ
ーシング60の両側に配置されたピストン・シリンダ機
構62,64を有する。このピストン・シリンダ機構6
2,64は、180°異なる向きに形成されている。 【0024】ピストン・シリンダ機構62,64は、ピ
ストン62a,64aと、シリンダ62b,64bと、
連接棒62c,64cと、シリンダヘッド62d,64
dとを有する。尚、図7において、ピストン64aは、
隠れて見えない。 【0025】また、ケーシング60は、圧縮部18の回
転部分を収納する第1の部屋60aと、圧縮用空気の導
入経路に設けられたフィルタ66を収納する第2の部屋
60bと、駆動部20のモータ68を収納する第3の部
屋60cとを有する。 【0026】モータ68は、ロータの回転速度(回転
数)を検出するための回転検出センサを必要とするモー
タであり、例えば、直流ブラシレスモータ(DCBLモ
ータ)、あるいはスイッチリラクタンスモータ(SRモ
ータ)、あるいはシンクロナスリラクタンスモータなど
インバータ制御により駆動されるモータ等から構成され
ている。 【0027】この圧縮部18は、2段圧縮方式で空気を
高圧に圧縮しており、第1段のピストン・シリンダ機構
62で空気導入口22mから導入された空気を圧縮した
後、第2段のピストン・シリンダ機構64でさらに圧縮
してタンク14,16に貯留する。尚、タンク14,1
6は、互いに連通されているので、同じ圧力に保持され
ている。 【0028】また、第1段のピストン・シリンダ機構6
2と第2段のピストン・シリンダ機構64との間は、連
通管(図示せず)を介して接続されている。 【0029】連接棒62c,64cは、一端がピストン
62a,64aと一体に形成されており、他端が軸受7
0,72を介して回転軸74に支持されている。この回
転軸74は、ケーシング60の隔壁60dに保持された
軸受76と、モータカバー79の内部に保持された軸受
78とにより回転自在に軸承されている。 【0030】回転軸74の一端74aには、圧縮用空気
を第1の空気導入口22mから吸い込むための第1のフ
ァン(羽根車)80が固着されている。また、回転軸7
4の他端74bには、モータ冷却用の空気を空気導入口
22nから吸い込むための第2のファン(羽根車)82
が固着されている。 【0031】第1のファン80により空気導入口22m
から吸い込まれた空気は、ケーシング60及びピストン
・シリンダ機構62,64の表面に吹き付けられて冷却
すると共に、その一部がフィルタ66を通過してろ過さ
れた後に第1段のシリンダ62bで圧縮された後、第2
段のシリンダ64bに供給されて更に圧縮される。 【0032】また、第2のファン82は、モータカバー
79の入り口79aに設けられており、モータ68を冷
却するための空気を吸い込んでモータ68の周囲に送風
する。モータ68は、回転軸74に固定されたマグネッ
ト(ロータ)68aと、マグネット68aの外周に配置
されたステータ68bと、ステータ68bの内部に巻回
されたコイル68cから構成されている。このモータ6
8は、小型化及び軽量化されており、回転軸74を介し
てピストン62a,64aを往復動させると共に、ファ
ン80,82を回転駆動する。 【0033】また、駆動部20は、円筒状のモータカバ
ー78の内部にファン82とモータ68が収納されてい
るので、このファン82の回転によって空気導入口22
nから外部の空気を吸い込み、モータカバー79の内部
を通過して複数の排気孔22sから排気される。モータ
カバー79の内部では、図8中矢印で示すように、ファ
ン82の回転によって生じた空気流の流速が高まり、こ
の空気流がモータ68の発熱を効率良く奪ってモータ6
8を冷却される。 【0034】ここで、操作パネル48の構成について説
明する。図8は操作パネル48の構成を示す平面図であ
る。図8に示されるように、操作パネル48は、電源O
Nスイッチ90と、電源OFFスイッチ92と、タンク
14,16内の圧力変化を6段階(0.5MPaずつ
0.5MPa〜3.0MPa)に表示する圧力表示用赤
色LED881〜88 6(〜)と、通電の有無を表
示する通電表示用赤色LED887()と、運転状態
を表示する運転状態表示用緑色LED888()とで
構成されている。 【0035】電源ONスイッチ90及び電源OFFスイ
ッチ92は、押圧操作されたときにオフからオンに切り
替わるメンブレンスイッチからなり、押圧操作されない
状態では、オフのままである。 【0036】上記LED881〜888(〜)は、
操作パネル48の下方に配置された基板(図示せず)上
に半田付けされた発光ダイオードからなり、操作パネル
48には、長方形状のレンズが露出されている。尚、赤
色LED881〜886(〜)は、タンク14,1
6内の圧力変化に応じて段階的に点灯または消灯される
ため、点灯数によってタンク14,16内の圧力値を表
示する。 【0037】また、圧力表示用赤色LED881〜88
6(〜)は、一斉に点滅することで電圧低下により
モータ68が停止したことを表示する報知手段としても
機能する。また、通電表示用赤色LED887()及
び運転状態表示用緑色LED888()は、温度上昇
によりモータ68が停止したことを表示する報知手段と
しても機能する。 【0038】図9は空気圧縮機10に設けられた各電気
系統の構成を示すブロック図である。図9に示されるよ
うに、空気圧縮機10の制御部94には、上記LED8
81〜888(〜)、モータ68、電源ONスイッ
チ90、電源OFFスイッチ92の他に圧力センサ9
8、温度センサ100、モータ回転検出センサ(回転検
出手段)102と接続されている。 【0039】圧力センサ98は、タンク14,16内の
圧力を検出するための圧力検出手段であり、圧力の変化
に応じた信号(電圧)を出力するように構成されてい
る。また、温度センサ100は、モータ68に設けられ
ており、モータ68の温度が設定された温度に達すると
信号を出力する。 【0040】制御部94には、後述するように圧力セン
サ98により検出された圧力値に応じてモータ68のオ
ン・オフ制御を行う制御と、モータ回転検出センサ10
2により検出された回転数が予め設定された所定値以下
になったならば、モータに供給される電圧値が低下した
ことを判別する制御(低電圧判別手段)と、モータ68
に供給される電圧値がモータ68の回転可能な電圧に達
していないものと判別されたとき、モータ68への電源
供給をオフにする制御(電源停止手段)と、モータ68
への電源供給をオフにした後、所定時間が経過するとモ
ータ68への電源供給を再開する制御(電源供給再開手
段)とを行う。 【0041】図10(A)〜(H)はタンク内圧力変化
及び圧力表示用赤色LED881〜886(〜)及
びモータ68の制御動作例を示すタイミングチャートで
ある。尚、本実施例では、タンク14,16に充填され
る圧力の上限圧力値を3.0MPaとし、モータ68の
再起動を行うタンク圧力の下限圧力値を2.5MPaと
する。図10(A)に示されるように、空気圧縮機10
の運転開始(時間T1)によりタンク14,16内の圧
力が徐々に上昇し、タンク14,16内の圧力が予め設
定された上限圧力3.0MPaに達すると(時間T
7)、図10(H)に示されるように、モータ68がオ
フ(待機状態)になり、その間にタンク14,16内の
圧縮空気が釘打機(図示せず)等により消費されてタン
ク圧力が降下する。 【0042】そして、図10(A)に示されるように、
タンク14,16内の圧力が予め設定された下限圧力
2.5MPaに低下すると(時間T8)、図10(H)
に示されるように、モータ68の運転が再開されてタン
ク14,16への圧縮空気の供給が行われる。これによ
り、タンク14,16内の圧力は、圧縮空気の供給に伴
って徐々に上昇する。 【0043】その後、タンク14,16内の圧力が上限
圧力3.0MPaに上昇すると(時間T9)、モータ6
8が再び停止して待機状態になる。このように、空気圧
縮機10は、通常の運転モードにおいて、圧縮運転状態
と待機状態とが交互に行われる。 【0044】図10(B)に示されるように、圧力表示
用赤色LED881()は、圧力センサ98により検
出された圧力値が第1段圧力0.5MPaに達すると
(時間T2)、点灯してタンク14,16内の圧力値が
0.5MPaに達したことを表示する。 【0045】図10(C)に示されるように、圧力表示
用赤色LED882()は、圧力センサ98により検
出された圧力値が第2段圧力1.0MPaに達すると
(時間T3)、点灯してタンク14,16内の圧力値が
1.0MPaに達したことを表示する。 【0046】図10(D)に示されるように、圧力表示
用赤色LED883()は、圧力センサ98により検
出された圧力値が第3段圧力1.5MPaに達すると
(時間T4)、点灯してタンク14,16内の圧力値が
1.5MPaに達したことを表示する。 【0047】図10(E)に示されるように、圧力表示
用赤色LED884()は、圧力センサ98により検
出された圧力値が第4段圧力2.0MPaに達すると
(時間T5)、点灯してタンク14,16内の圧力値が
2.0MPaに達したことを表示する。 【0048】図10(F)に示されるように、圧力表示
用赤色LED885()は、圧力センサ98により検
出された圧力値が第5段圧力2.5MPaに達すると
(時間T6)、点灯してタンク14,16内の圧力値が
2.5MPaに達したことを表示する。 【0049】図10(G)に示されるように、圧力表示
用赤色LED886()は、圧力センサ98により検
出された圧力値が第6段圧力3.0MPaに達すると
(時間T7)、点灯してタンク14,16内の圧力値が
3.0MPaに達したことを表示する。また、圧力表示
用赤色LED886()は、圧力センサ98により検
出された圧力値が2.5MPa以下に低下すると(時間
T8)、消灯してタンク14,16内の圧力値が第5段
圧力2.5MPaに低下したことを表示する。 【0050】さらに、圧力表示用赤色LED88
6()は、モータ68のオン・オフに連動しており、
タンク14,16内の圧力が第6段圧力3.0MPa
(時間T9)に達してモータ68の運転が停止されると
共に、点灯する。また、圧力表示用赤色LED88
6()は、タンク14,16内の圧力が第5段圧力
2.5MPa以下に低下してモータ68の運転が再開さ
れると共に、消灯する。 【0051】このように、圧力表示用赤色LED886
()をモータ68のオン・オフに連動して消灯または
点灯させるため、モータ68のオン・オフを作業者は、
視覚で確認でき、故障してモータ68が停止したのでは
ないことを一目で分かるようにした。また、タンク圧力
が上限圧力値3.0MPa付近で温度変化等により変動
したとしてもモータ68の運転が再開されるまで圧力表
示用赤色LED886()が点灯した状態が継続され
るので、圧力表示用赤色LED886()の表示が安
定することになり、作業者に安心感を与えることが可能
になる。 【0052】図11(A)(B)はモータ68の特性の
一例を示すグラフである。図11(A)に示されるよう
に、本実施例のモータ68は、例えば、無負荷状態であ
れば100Vの電圧が印加されると、2400rpmで
回転する性能を有している。そして、タンク14,16
の圧力が上昇するのに連れて負荷が次第に増大するた
め、電流一定で入力電圧を一定に制御した状態でタンク
14,16の圧力が3MPaに達したときには、モータ
68の回転数は2000rpmに下がっている。 【0053】図11(B)に示されるように、モータ6
8は、タンク14,16の圧力が3MPaであるとき
に、印加電圧が100Vであるときは、2000rpm
で回転している。また、モータ68は、タンク14,1
6の圧力が3MPaであるときに、印加電圧が65Vま
で下がると、回転数は1000rpmに下がってしま
う。但し、この回転数と電圧との関係は、一例であり、
モータ出力やタンク圧力などの条件によって変化するの
は言うまでもない。 【0054】このことから、モータ68への印加電圧
は、80V〜100Vであれば回転数1500rpm以
上でモータ68がピストン・シリンダ機構62,64を
駆動することが可能になる。従って、空気圧縮機10
は、モータ68への印加電圧が65V以下に低下した場
合には、回転数は1500rpm以下に下がってピスト
ン・シリンダ機構62,64の負荷が相対的に増大して
圧縮空気の生成量が低下するばかりか、モータ68、ピ
ストン・シリンダ機構62,64を冷却するためのファ
ン80,84の回転数が減速して冷却効率が大きく低下
することになる。その場合、モータ68やピストン・シ
リンダ機構62,64の温度上昇が問題になる。 【0055】ここで、低電圧時に制御部94が実行する
モータ制御処理について説明する。図12は低電圧時に
制御部94が実行するモータ制御処理を示すフローチャ
ートである。図12において、制御部94は、ステップ
S11(以下「ステップ」を省略する)で空気圧縮機1
0の電源コード(図示せず)のプラグがAC100Vの
コンセントに差し込まれた後、電源ONスイッチ90が
オンに操作されると、S12に進み、モータ68への通
電がオン状態かどうかをチェックする。S12におい
て、モータ68への通電がオン状態でないときは、S1
3に進み、電源OFFスイッチ92が押圧操作されたか
どうかをチェックする。そして、S13において、電源
OFFスイッチ92が押圧操作された場合には、今回の
処理を終了する。また、S13において、電源OFFス
イッチ92が押圧操作されていなければ、S12に戻
る。 【0056】上記S12において、モータ68への通電
がオン状態であるときは、S14に進み、モータ68を
駆動してピストン・シリンダ機構62,64による圧縮
運転を開始させる。 【0057】次のS15では、モータ回転検出センサ1
02により検出されたモータ68の回転数Nが予め設定
された所定値Na(例えば、Na=1900rpm)以
下に減速されたかどうかをチェックする(低電圧判別手
段)。S15において、モータ68の回転数Nが予め設
定された所定値Na以下でないときは、S16に進み、
後述する警告処理をオフにする。続いて、S17では、
カウンタ値nをn=0にリセットする。 【0058】そして、S18では、タンク14,16内
の圧力変化に応じて赤色LED88 1〜886(〜
)を段階的に点灯または消灯し、LED点灯数によっ
てタンク14,16内の圧力値を表示する。その後、S
12に戻り、S12以降の処理を行う。 【0059】また、上記S15において、モータ68の
回転数Nが予め設定された所定値Na以下であるとき
は、例えば、延長コードに接続された複数の電動工具が
同時に使用されて電圧が65V以下に低下したものと判
断してS19に進み、モータ68への通電をオフにして
モータ68を停止させる(運転停止手段)。続いて、S
20に進み、電圧低下が生じたことを警告する。本実施
例の警告方法としては、例えば、6個の赤色LED88
1〜886(〜)を一斉に点滅させてモータ68が
電圧低下により停止状態であることを報知する。 【0060】次のS21では、カウンタ値nをインクリ
メントしてn=1とする。続いて、S22に進み、カウ
ンタ値nがn=4かどうかをチェックする。S22にお
いて、n<4であるときは、S23に進み、予め設定さ
れた所定時間T(例えば、T=5秒)が経過するまで待
機する。 【0061】S23において、所定時間Tが経過する
と、S24に進み、モータ68への通電をオンに切り替
える(運転再開手段)。これにより、ピストン・シリン
ダ機構62,64による圧縮運転が再開される。この
後、上記S14に戻り、S14以降の処理を繰り返す。
このとき、モータ回転検出センサ102により検出され
たモータ68の回転数Nが所定値Na以上であるとき
は、通常運転が可能であるので、前述したS16,S1
7,S18の処理を実行する。 【0062】また、上記S15において、モータ68の
回転数Nが予め設定された所定値Na(例えば、Na=
1000rpm)以下であるときは、例えば、延長コー
ドに接続された複数の電動工具が同時に使用されて電圧
が65V以下に低下したものと判断してS19〜S22
の処理を再度実行する。そして、上記S19〜S22の
処理が3回繰り返されると、S22において、カウンタ
値nがn=4になるので、S25に進み、電源ONスイ
ッチ90がオンに操作されたかどうかをチェックする。 【0063】S25において、電源ONスイッチ90が
オンに操作されたときは、S26に進み、電圧低下の警
告をオフにする。すなわち、6個の赤色LED881〜
88 6(〜)を一斉に消灯させる。さらに、S27
に進み、カウンタ値nをn=0にリセットする。その
後、S18で赤色LED881〜886(〜)を圧
力表示に切り替えた後、S12に戻り、再度、S12以
降の処理を実行する。 【0064】また、S25において、電源ONスイッチ
90がオンでないときは、S28に進み、電源OFFス
イッチ92がオンに操作されたかどうかをチェックす
る。S28において、電源OFFスイッチ92がオンに
操作されないときは、上記S25の処理に戻る。 【0065】そして、S28において、電源OFFスイ
ッチ92がオンに操作されたときは、S29に進み、電
圧低下の警告をオフにする。すなわち、6個の赤色LE
D881〜886(〜)を一斉に消灯させてタンク
14,16内の圧力表示に切り替える。さらに、S30
に進み、カウンタ値nをn=0にリセットする。その
後、今回の処理を終了する。 【0066】このように、モータ68の回転数Nが予め
設定された所定値Na以下であるときは、電圧が65V
以下に低下したものと判断してモータ68を停止させ、
所定時間が経過するのを待ってモータ68への通電をオ
ンに切り替えることにより、モータ68の負担を軽減し
てモータ68の寿命を延ばすと共に、自動的にモータ6
8の運転を再開して作業者が、電源ONスイッチ90を
操作する必要がないので、作業者の負担を軽減しうる。 【0067】尚、本実施例では、ロータの回転速度(回
転数)を検出するための回転検出センサ102を必要と
するモータ68を使用しているので、モータ68の回転
数Nにより低電圧を検出するため、電圧変化を検出する
ための回路が不要であり、その分電気回路の構成を簡略
化することが可能になっている。 【0068】また、本実施例では、モータ68を停止さ
せて、所定時間待機した後にモータ68への通電を3回
までリトライするようにしたが、この回数は3回未満で
も良いし、あるいは4回以上繰り返すようにしても良
い。 【0069】尚、低電圧でモータ68を運転させている
範囲でのモータ駆動が長時間継続し、ファンが低回転し
ている状況が続くか、または空気圧縮機10の排気孔2
2sが荷物などにより塞がれている場合には、温度セン
サ100からの検出信号により空気圧縮機10を停止さ
せる。 【0070】温度センサ100は、モータ68や制御基
板(図示せず)等に設けられており、予め設定された温
度に達すると、検出信号を出力する。この検出信号は、
割り込み処理により最優先される。 【0071】ここで、温度上昇時に制御部94が実行す
るモータ制御処理について説明する。図13は温度上昇
時に制御部94が実行するモータ制御処理を示すフロー
チャートである。図13において、制御部94が実行す
る制御処理S41〜S44は、上記S11〜S14の制
御処理と同様であるので、その説明は省略する。 【0072】モータ68や制御基板(図示せず)などの
発熱部分に設けられた温度センサ100は、予め設定さ
れた温度に達すると、検出信号を出力する。 【0073】S45において、温度センサ100からの
検出信号がオフのときは、S46,S47の処理を実行
する。また、S45において、温度センサ100からの
検出信号がオンのときは、S48以降の処理を実行す
る。 【0074】すなわち、モータ68や制御基板の温度T
が上限温度Ta以上に上昇して温度センサ100からの
検出信号がオンになった場合には、S48でモータ68
への通電をオフにする。続いて、S49に進み、モータ
68や制御基板の温度Tが上限温度Ta以上に上昇した
ことを警告する。 【0075】本実施例の警告方法としては、通電表示用
赤色LED887()と、運転状態表示用緑色LED
888()を同時に点滅させてモータ68が電圧低下
により停止状態であることを報知する。 【0076】また、S50において、電源OFFスイッ
チ92がオンに操作された場合は、S51に進み、上記
警告をオフにして今回の処理を終了する。また、S50
において、電源OFFスイッチ92がオンに操作されて
いない場合は、上記S44に戻り、S44以降の処理を
繰り返す。 【0077】このように、モータ68やピストン・シリ
ンダ機構62,64の温度Tが上限温度Ta以上に上昇
して温度センサ100からの検出信号がオンになった場
合にも前述した電圧低下の場合と同様にモータ68を停
止させることにより、モータ68の負担を軽減してモー
タ68の寿命を延ばすことが可能になる。 【0078】尚、上記実施例では、低電圧によりモータ
68を停止させて警告をオンする際、圧力表示用赤色L
ED881〜886(〜)を一斉に点滅する方法を
用いたが、これに限らず、他の方法(例えば、アラーム
で報知する方法)でも良い。 【0079】また、上記実施例では、ピストン・シリン
ダ機構62,64により2段圧縮する構成を一例として
挙げたが、これに限らず、ピストン・シリンダ機構を一
つあるいは3つ以上設けた構成のものでも良い。 【0080】また、上記実施例では、一対のタンク1
4,16を有する構成を一例として挙げたが、これに限
らず、タンクを一つあるいは3つ以上設けた構成のもの
でも良い。 【0081】 【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、空気を吸
い込んで圧縮する空気圧縮部と、空気圧縮部を駆動する
モータと、空気圧縮部により生成された圧縮空気を貯留
するタンクと、モータの回転数を検出する回転検出手段
と、回転検出手段により検出された回転数が予め設定さ
れた所定値以下に減速されたとき、モータに供給される
電圧値が低下したことを判別する低電圧判別手段と、低
電圧判別手段によりモータに供給される電圧値が低下し
たものと判別されたとき、モータへの電源供給をオフに
する運転停止手段と、運転停止手段によるモータへの電
源供給をオフにした後、所定時間が経過すると、モータ
への電源供給を再開する運転再開手段と、を備えたた
め、延長コードに接続された他の電動工具が同時に使用
されて一時的に低電圧状態になってもモータへの電源供
給をオフにした後、所定時間が経過すると、モータへの
電源供給を再開することでモータの負担を軽減してモー
タの寿命を延ばすと共に、自動的にモータの運転が再開
するため、作業者が電源スイッチを操作する必要がない
ので、作業者の負担を軽減しうる。
図である。 【図2】空気圧縮機のカバー22を外した状態を示す斜
視図である。 【図3】空気圧縮機の側面図である。 【図4】空気圧縮機の平面図である。 【図5】空気圧縮機の正面図である。 【図6】空気圧縮機の背面図である。 【図7】圧縮部18及び駆動部20の内部構成を示す横
断面図である。 【図8】操作パネル48の構成を示す平面図である。 【図9】空気圧縮機10に設けられた各電気系統の構成
を示すブロック図である。 【図10】タンク内圧力変化及び圧力表示用赤色LED
881〜886(〜)及びモータ68の制御動作例
を示すタイミングチャートである。 【図11】モータ68の特性の一例を示すグラフであ
る。 【図12】低電圧時に制御部94が実行するモータ制御
処理を示すフローチャートである。 【図13】温度上昇時に制御部94が実行するモータ制
御処理を示すフローチャートである。 【符号の説明】 10 空気圧縮機 12 フレーム 14,16 タンク 18 空気圧縮部 20 駆動部 22 カバー 24〜27 脚部 28,30 把持部 32,34 空気吐出部 36,38 圧力調整弁 40,42 圧力計 44〜47 吐出口 48 操作パネル 60 ケーシング 62,64 ピストン・シリンダ機構 66 フィルタ 68 モータ 79 モータカバー 80 第1のファン 82 第2のファン 881〜886 圧力表示用赤色LED 887 通電表示用赤色LED 888 運転状態表示用緑色LED 90 電源ONスイッチ 92 電源OFFスイッチ 94 制御部 96 メモリ 98 圧力センサ 100 温度センサ 102 モータ回転センサ(回転検出手段)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 空気を吸い込んで圧縮する空気圧縮部
と、 該空気圧縮部を駆動するモータと、 前記空気圧縮部により生成された圧縮空気を貯留するタ
ンクと、 前記モータの回転数を検出する回転検出手段と、 該回転検出手段により検出された回転数が予め設定され
た所定値以下に減速されたとき、前記モータに供給され
る電圧値が低下したことを判別する低電圧判別手段と、 該低電圧判別手段により前記モータに供給される電圧値
が低下したものと判別されたとき、前記モータへの電源
供給をオフにする運転停止手段と、 該運転停止手段による前記モータへの電源供給をオフに
した後、所定時間が経過すると、前記モータへの電源供
給を再開する運転再開手段と、 を備えたことを特徴とする空気圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002054868A JP2003254252A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 空気圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002054868A JP2003254252A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 空気圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003254252A true JP2003254252A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28665892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002054868A Pending JP2003254252A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 空気圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003254252A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005248899A (ja) * | 2004-03-05 | 2005-09-15 | Ebara Corp | ポンプ装置 |
JP2011220288A (ja) * | 2010-04-14 | 2011-11-04 | Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd | タンク一体式空気圧縮機 |
CN104345642A (zh) * | 2013-07-25 | 2015-02-11 | 南京德朔实业有限公司 | 电动工具及其控制方法 |
KR101529784B1 (ko) * | 2013-10-22 | 2015-06-17 | 주식회사 올레브 | 충전상태에 따른 보조모터 및 에어컴프레셔 동작 제어방법 |
-
2002
- 2002-02-28 JP JP2002054868A patent/JP2003254252A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4504705B2 (ja) * | 2004-03-05 | 2010-07-14 | 株式会社荏原製作所 | ポンプ装置 |
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