JP2003253437A - 半導体デバイス電極/配線及び半導体デバイス電極用膜/配線用膜並びにAl合金薄膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents

半導体デバイス電極/配線及び半導体デバイス電極用膜/配線用膜並びにAl合金薄膜形成用スパッタリングターゲット

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JP2003253437A JP2002050355A JP2002050355A JP2003253437A JP 2003253437 A JP2003253437 A JP 2003253437A JP 2002050355 A JP2002050355 A JP 2002050355A JP 2002050355 A JP2002050355 A JP 2002050355A JP 2003253437 A JP2003253437 A JP 2003253437A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライエッチング処理して半導体デバイスの
電極(薄膜状の電極および配線)を形成するのに最適な、
Al合金薄膜を有する半導体デバイス電極用膜/配線用
膜を提供する。 【解決手段】 Alをベースとし、合金成分がY:0.
05at%以上0.3at%未満、IVa族元素:合計で
0.2at%以上含み、かつ下記式(1)を満たすスパ
ッタリングターゲットを用いてドライエッチング処理に
供する半導体デバイス電極用膜/配線用膜中のAl合金
薄膜を形成する。 0.3[Y]+3[IVa]≦2 …(1) {式中[Y]はYの含有量(at%)を示し、[IVa]
はIVa族元素の含有量(at%)を示す}

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体デバイス電極
/配線に関するものであって、特に、ドライエッチング
処理を施して、薄膜トランジスタ型液晶ディスプレイ等
の半導体デバイスの薄膜状の電極および配線を形成する
のに好適なAl合金薄膜を有する半導体デバイス電極用
膜/配線用膜、およびこの様な電極用膜/配線用膜を用
いて得られる半導体デバイス電極/配線、更には該Al
合金薄膜を形成するのに有用なスパッタリングターゲッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの一つである液晶ディス
プレイ(Liquid Cristal Display;以下、LCDと略す)
は、従来の表示機器であるブラウン管よりも薄型化・軽
量化・低消費電力化を図ることができ、しかも高解像度
を達成することができることから、ブラウン管に取って
代わる表示機器として広まりつつある。特にLCDの中
でも、画素のスイッチング素子として薄膜トランジスタ
(Thin Film Transistor;以下、TFTと略す)を組み込
んだ薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(ThinFilm Tra
nsistor- Liquid Cristal Display;以下TFT−LC
Dと略す)が主流になりつつある。
【0003】ここでTFTとは、半導体薄膜に金属薄膜
よりなる電極および配線が接続された能動素子をいい、
半導体デバイス電極とは、該TFTの一部として使用さ
れる電極(薄膜状の電極および配線)と定義される。
【0004】上記半導体デバイス電極において電極/配
線を構成する薄膜には様々な特性が要求され、低電気抵
抗率の他、次のような特性が要求される。即ち、LCD
製造段階におけるSi半導体層の形成工程等で300〜
400℃程度の熱履歴を受けるが、薄膜の耐熱性が乏し
い場合には、基板と薄膜との熱膨張係数の違いに起因す
る圧縮応力が駆動力となって突起物(ヒロック)が発生
し、配線間で短絡や断線を引き起こす原因となる。従っ
て熱履歴を受けた場合でも前記ヒロックを発生しない、
優れたヒロック耐性が求められる。同様に、熱履歴を受
けた場合に基板と薄膜との熱膨張係数の違いに起因する
引張応力が駆動力となって生ずるくぼみ(ボイド)につ
いても抑制された、優れたボイド耐性を有することが求
められている。更に薄膜は、蒸着形成後のフォトリソグ
ラフィー工程でフォトレジスト現像液等のアルカリ性溶
液に曝されるが、この様なアルカリ性溶液による腐食は
電極形状の精度を劣化させ、結果として電気的な短絡や
断線を引き起こす原因となる。従って前記薄膜には、上
記アルカリ性溶液等に対して優れた耐食性を有するもの
でなければならない。
【0005】本発明者らは、この様なLCDの電極/配
線に用いる薄膜の特性改善についてかねてより研究を進
めており、その一環として先に特開2001-2834
8号を提案した。この発明は、Alをベースとし、合金
成分としてYを0.3at%以上含有させるとともに、IV
a族元素(Ti, Zr, Hf)のうち、1種または2種以
上:合計で0.2at%以上含有せしめ、かつこれら合金
元素の含有量が「0.3CY+3CIVa≦2(ただし、CYは
Yの含有量、CIVaはIVa族元素の含有量を示すものであ
る)」を満たすように成分調整することで、低電気抵抗
率、ヒロック耐性、ボイド耐性および耐食性を満足させ
ることに成功したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年、T
FT−LCDの高画質化、高精細化とともに、Al薄膜
電極用配線の線幅微細化が進められており、配線形成の
方法として従来汎用されてきたウェットエッチング法
(薬液によるエッチングによって配線パターニングを行
う方法)から、ドライエッチング法(反応性プラズマによ
るエッチングによって配線パターニングを行う方法)へ
移行しつつある。ウェットエッチング法では、薬液がパ
ターニングのマスクであるレジストの下側にまわって配
線側壁をエッチングするサイドエッチングと呼ばれる現
象が発生することから、配線寸法・形状の精密な制御が
難しい。これに対しドライエッチング法は、精密なエッ
チングを行うことができるので配線加工の制御性に優れ
ており、特に線幅が2μm以下になるとドライエッチン
グでしか対応できないとされている。前記ドライエッチ
ングでは、真空容器内に載置した基板上にハロゲンガス
であるCl2等を含む原料ガスを高周波電力によってプ
ラズマ化し、他方で、基板(被エッチング材)を載置し
ているサセプタに別の高周波電力を印加することで、基
板上にプラズマ中のイオンを引き込み、反応性プラズマ
とのイオンアシスト反応によって異方性のパターニング
を行う方法が一般に用いられている。
【0007】この様なドライエッチングにおいては、エ
ッチング残渣(ドライエッチング中に発生するエッチン
グ残り)が多量に生じないことが重要となってくる。残
渣が多量に残留すると、画素部での残渣による開口不良
や配線間ショート、あるいは次工程での成膜不良などの
問題が生じるからである。前記エッチング残渣量は、上
記Cl2プラズマによるドライエッチングの場合、生成
する合金元素とのハロゲン化物、例えばXCln(X: A
l合金に含まれる元素)の蒸気圧および含有量に影響を
受け、前記公報に開示したAl-Y-(Ti, Zr, Hf)
系合金の場合には、Y塩化物やY酸化物がエッチング残
渣として残存することがあるので、高精細な配線を形成
すべくドライエッチング処理を適用するにあたっては、
更なる検討を有するものと考えられる。即ち、従来の電
極用配線の材料においては、上述の如く低電気抵抗率、
高ヒロック耐性、高ボイド耐性、高耐食性といった特性
を満足させるべく検討が行われてきたが、これらに加え
て良好なドライエッチング特性、詳細には、 エッチング後の残渣発生量が抑制されていること、 高エッチングレートであること、 高レジスト選択性であること等が要求される。 ここでエッチングレートとは、ドライエッチングにおけ
るプラズマとAl合金薄膜との反応速度の指標であり、
このエッチングレートが高いほど、ドライエッチング処
理に要する時間を短縮させることができ、結果として生
産性を向上させることができる。また、Al合金薄膜の
エッチングレートとマスクとなるレジストのエッチング
レートの比を「レジスト選択比」といい、このレジスト
選択比が高い(高レジスト選択性である)こととは、マ
スクとなるレジストがエッチングされずに、下地のAl
合金薄膜が良好にエッチングされることをいう。
【0008】本発明はこのような事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、これまで要求されている
低電気抵抗率、高ヒロック耐性、高ボイド耐性、高耐食
性を維持しつつ、前記ドライエッチング特性においても
優れた性質を発揮するAl合金薄膜を有する半導体デバ
イス電極用膜/配線用膜を提供し、更には該電極用膜/
配線用膜にドライエッチングを施して得られる半導体デ
バイス電極/配線、更に加えて該Al合金薄膜を形成す
るのに有用なスパッタリングターゲットを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るAl合金薄
膜形成用スパッタリングターゲットとは、合金成分とし
て、Y:0.05at%以上0.3at%未満、IVa族
元素:合計で0.2at%以上を含み、かつ下記式
(1)を満たすところに特徴を有するものであり、前記
IVa族元素として特に好ましいのはZr及び/又はHf
である。更に前記ターゲットは、スプレーフォーミング
法にて製造されたものであることが好ましい。 0.3[Y]+3[IVa]≦2 …(1) {式中[Y]はYの含有量(at%)を示し、[IVa]
はIVa族元素の含有量(at%)を示す}
【0010】本発明に係る半導体デバイス電極用膜/配
線用膜は、上記スパッタリングターゲット(以下、単に
ターゲットということがある)を用いて形成されたAl
合金薄膜を有するところに特徴があり、該Al合金薄膜
の少なくとも片面に、Mo,Cr,Ti,WおよびTa
よりなる群から選択される1種の単体金属または2種以
上の合金よりなる薄膜が積層されているものを好ましい
形態とする。
【0011】更に本発明は、上記半導体デバイス電極用
膜/配線用膜にドライエッチング処理を施すことによっ
て得られる半導体デバイス電極/配線も含むものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上述の通り、ドラ
イエッチング処理を行って半導体デバイス電極における
積層配線を形成するのに好適で、かつ低電気抵抗率で、
優れたヒロック耐性、ボイド耐性および耐食性を有する
電極用膜/配線用膜を得るべく検討を進めたところ、該
電極用膜/配線用膜の電極/配線部分を構成するAl合
金薄膜の合金成分組成を制御すればよいことを見出し
た。そこで、Alに様々な合金元素を添加したAl合金
ターゲットを製作し、該ターゲットを使用してスパッタ
リング法により種々の合金組成を有するAl合金薄膜を
形成し、前記特性の評価実験を行った。
【0013】その結果、Al−Y−IVa族元素系のAl
合金薄膜(以下、単に「Al−Y−IVa薄膜」というこ
とがある)を基本とし、本発明で定める合金成分組成に
調整すれば、良好なドライエッチング特性が得られるだ
けでなく、薄膜形成後の工程で繰り返し熱履歴を受けた
場合であっても、ヒロック又はボイドを生じることのな
い、優れたヒロック耐性および高いボイド耐性を有し、
更に6μΩ・cm以下の低電気抵抗率で、アルカリ性溶液
に対して優れた耐食性を示すものとなることを見出し、
本発明に想到した。
【0014】尚、本発明に係る電極用膜/配線用膜は、
ドライエッチング処理に供され、ゲート電極、ソース/
ドレイン電極、反射電極等として用いられるものであ
る。以下の説明では、特に上記特性に大きな影響を与え
るAl合金薄膜に重点を置いて説明する。
【0015】<ドライエッチング特性について>ドライ
エッチングにおいては、主として使用されるCl2ガス
がプラズマによって解離され、Clラジカルを生成す
る。このClラジカルは反応性が高く、被エッチング物
であるAl合金薄膜に吸着し、該Al合金薄膜表面にハ
ロゲン化物を生成する。Al合金薄膜が形成された基板
には、高周波バイアスが印加されるので、プラズマ中の
イオンが加速されてAl合金薄膜表面に入射し、このイ
オンボンバード効果によって、ハロゲン化物は蒸発し、
基板が載置されている真空容器外へと排気されるのであ
る。
【0016】ここでドライエッチングを効率良く行うに
は、前記ハロゲン化物が蒸気圧の比較的高いものである
ことを要する。蒸気圧が高ければ、Al合金薄膜の表面
温度やイオンボンバードの物理的なアシストによって前
記ハロゲン化物を蒸発させることができるが、ハロゲン
化物の蒸気圧が低い場合には、表面にハロゲン化物が生
成したまま蒸発せずに、エッチング残渣として残留して
しまうからである。
【0017】本発明に係るAl-Y-IVa薄膜の場合、形
成され得る塩化物であるAlCl3は高い蒸気圧を示
し、またIVa族元素については、TiCl4が136℃の
沸点を有し、HfCl4が317℃の昇華点を有し、Z
rCl4が331℃の昇華点を有するなど、いずれも上
記状況下にて容易に蒸発しうる高い蒸気圧を有している
ことが分かる。これに対して、Yのハロゲン化物である
YCl3は融点が709℃の高融点化合物で蒸気圧も低
いため、難エッチング材料(元素)と位置付けられる。一
般に、難エッチング材料の場合には、ドライエッチング
方法としてハロゲンとの反応性を利用する方法ではな
く、イオンボンバードによる物理的なエッチング、いわ
ゆるスパッタエッチングが適用される。
【0018】しかしながら、特に、Al合金薄膜をゲー
ト電極とソース/ドレイン電極に用いるボトムゲート型
のTFT-LCDのソース/ドレイン電極(配線)形成に、
前記物理的なスパッタエッチングを適用する場合、既に
下地にTFTが形成されているため、高基板バイアスを
印加して該物理的スパッタリングによるエッチングを行
うと、下地トランジスタにプラズマダメージを与えた
り、下地絶縁膜がエッチングされるなどの問題が生じて
しまう。従って、種々の形態のTFT-LCDに適用さ
せるべく、低基板バイアスを印加してハロゲンとAl合
金薄膜との反応性を利用するプラズマエッチングを行う
にあたっては、Al-Y-IVa薄膜におけるY含有量を以
下の様に制御する必要があることを見出した。
【0019】即ち、後述する実施例2に示す通り、0.
4at%のYが含まれている場合には、エッチング後の残
渣が鎖状に残留するのに対し、Y含有量が0.2at%に
なると、残渣が点在する程度にまで低減することから、
Al合金薄膜の合金成分として添加するY含有量を0.
3at%未満に抑えることとした。Y含有量は、好ましく
は0.2at%以下、より好ましくは0.15at%以下で
ある。
【0020】この様にY含有量を0.3at%未満とする
ことによって、ボトムゲート型のTFT-LCDにおけ
るソース/ドレイン電極(配線)形成に適用する場合で
あっても、残渣の発生を極力抑えつつ低バイアス印加で
のドライエッチングが可能となるのである。
【0021】更に本発明では、Y含有量を0.3at%未
満とすることによって、エッチング時における難エッチ
ング性化合物の生成も抑えられるので、後述する図3に
示す如くエッチングレートを高めることができ、結果と
して、半導体デバイス電極の生産性を向上させることが
できるのである。エッチングレートは、500nm/m
in以上とすることが好ましい。
【0022】尚、本発明は、上記プラズマエッチングの
実施条件まで規定するものではなく、例えば、真空容器
内にCl2を含む原料ガスを導入し、高周波電力を該真
空容器内へ導入することによって、該原料ガスをプラズ
マ状態とし、真空容器内のサセプタ上に載置された基板
にサセプタを介して高周波基板バイアスを印加してエッ
チングを行う方法等が挙げられる。
【0023】本発明は、この様に優れたドライエッチン
グ特性を確保しつつ、低電気抵抗率で、優れたヒロック
耐性、ボイド耐性および耐食性を発揮する電極用膜/配
線用膜を得るべく検討を行ったものである。以下では、
低電気抵抗率、高ヒロック耐性、高ボイド耐性および高
耐食性を確保するための要件を規定した理由について説
明する。
【0024】<電気抵抗性について>本発明に係るAl
合金薄膜について、高精細LCDの電極用配線に要求さ
れる6μΩ・cm以下の低電気抵抗率を達成させるべく検
討した。
【0025】図1は、Al合金薄膜中のY含有量および
Hf含有量と電気抵抗率との関係を示すグラフであり、
実験は次の様にして行った。即ち、YとHfを所定量含
有するAl合金よりなるスパッタリングターゲットをス
プレーフォーミング法により製造し、該ターゲットを用
いて、DCマグネトロンスパッタリング法によって、直径
6インチ、厚さ0.5mmのバリウム硼珪酸ガラス基板
(コーニング社製♯1737ガラス)上に、厚さ350
nmのAl合金薄膜(Al-Y-Hf合金薄膜)を蒸着して形
成した。前記Al合金薄膜は、Y含有量を0.1〜5.
0at%、Hf含有量を0.1〜0.7at%の範囲内で変
化させた。次にフォトリソグラフィーとウェットエッチ
ングにより電気抵抗率測定用パターンに加工し、その
後、300℃で30分間保持する真空熱処理(真空度
2.0×10-6Torr)を施した。この様にして得られた
薄膜を用い、室温で直流四探針法により電気抵抗率を測
定した。
【0026】この図1中の直線(点線)は、次式:0.
3[Y]+3[IVa]=2{式中[Y]はYの含有量
(at%)を示し、[IVa]はIVa族元素の含有量(at
%)を示す}で表される。
【0027】この図1から明らかな様に、点線よりも上
方の領域(0.3[Y]+3[IVa]>2の領域)で
は、図中に×印で示される通り、電気抵抗率は6μΩ・
cm超となるが、上記点線よりも下の領域(0.3
[Y]+3[IVa]≦2の領域)では、図中に○印で示
される通り6μΩ・cm以下の低い電気抵抗率を示して
いる。
【0028】従って本発明では、6μΩ・cm以下の低
電気抵抗率を達成すべく、下記式(1)を満たすことを
要件とした。 0.3[Y]+3[IVa]≦2 …(1) {式中[Y]はYの含有量(at%)を示し、[IVa]
はIVa族元素の含有量(at%)を示す}
【0029】この様に、電気抵抗率増加の原因となり得
る合金成分であるYとIVa族元素を添加した場合であっ
ても、上記範囲内で6μΩ・cm以下といった低電気抵
抗率を達成することができた理由は、次の様に考えられ
る。即ち、一般に、スパッタリング法により蒸着するこ
とによって得られるAl合金薄膜において、合金元素は
母相であるAl中に固溶した状態にあり、伝導電子が該
固溶元素に散乱されるため、Al合金薄膜は高い電気抵
抗率を示す。本発明に係るAl-Y-IVa合金薄膜につい
ても、合金成分であるYおよびIVa族元素がAl中へ固
溶することで電気抵抗率の増加を引き起こすことが考え
られる。ところが、Al合金薄膜形成後に加熱されるこ
とによって、上記合金成分がAlとの金属間化合物とし
てAl合金中の粒界/粒内に析出するため、伝導電子の
妨害とならずに6μΩ・cm以下といった低い電気抵抗
率を達成できたものと考えられる。
【0030】ところで、後述する図7は、熱処理温度と
熱処理後における電気抵抗率との関係を、Al-Y-Hf
合金薄膜中のY含有量別に示したグラフである。この図
7より、約250℃以上の加熱温度では、Y含有量の少
ないAl-0.1at%Y-Hfの方が、電気抵抗率がやや
高めとなっている。従って本発明では、6μΩ・cm以下
の低電気抵抗率を実現するための要件として、Y含有量
を0.05at%以上とすることも定めた。好ましくは
0.1at%以上である。
【0031】<ヒロック耐性およびボイド耐性について
>本発明では、ヒロック耐性およびボイド耐性を確保す
るため、IVa族元素を合計で0.2at%以上含有させ
ねばならない。好ましくは合計で0.3at%以上であ
る。
【0032】IVa族元素の種類は特に限定されるもので
はないが、Zr、Hfのどちらか1種、または2種を併
せて用いることが、前述した電気抵抗率の低下に加え、
ヒロック耐性およびボイド耐性の向上にも有効であるこ
とから好ましく、特にZrよりもHfを含有させる方
が、前記特性を更に確保し易くなることから望ましい。
Hfを含有させる場合、Hf含有量を0.3〜0.5at
%の範囲内とするとともに、Y含有量を0.1〜0.2
at%にすれば、優れたヒロック耐性と低電気抵抗化を同
時に実現できるので望ましい。
【0033】この様に、本発明に係るAl-Y-IVa薄膜
中のIVa族合金元素量を制御することによって、繰り返
し受ける熱履歴に対し高いヒロック耐性と高いボイド耐
性を確保できた理由を以下に示す。
【0034】即ち、スパッタリング法によって得られた
Al-Y-IVa薄膜において、合金元素であるYおよびIVa
族元素は母相であるAl中に固溶しており、特に含有量
の比較的多いIVa族元素の固溶強化によって、本発明に
係るAl-Y-IVa合金薄膜は高い降伏応力を示す。ま
た、IVa族元素を含有させることでAlの結晶粒が微細
化され、この結晶粒微細化による結晶粒界強化によって
もAl-Y-IVa薄膜の降伏応力は高くなる。従って、A
l-Y-IVa薄膜が最初の熱履歴を受ける際には、固溶強
化と結晶粒強化による高い降伏抗力を示すため、塑性変
形の一種であるヒロックおよびボイドの発生が抑制され
るのである。そして、一度熱履歴を受けたAl-Y-IVa
薄膜中では、IVa族元素の一部または全部がAlとの金
属間化合物として析出するため、これらの金属間化合物
による析出強化によってもAl-Y-IVa薄膜の高い降伏
応力が維持し、ヒロックやボイドの発生を未然に防ぐこ
とができるのである。
【0035】更に、本発明に係るAl-Y-IVa薄膜の少
なくとも片面に、Mo,Cr,Ti,WおよびTaより
なる群から選択される1種の単体金属または2種以上の
合金よりなる層を積層すれば、前掲の特開2001-2
8348号に開示したAl-Y-IVa合金薄膜なみに優れ
たヒロック耐性とボイド耐性を確保することができる
他、Al合金薄膜をソース/ドレイン電極として用いた
場合に、Al合金とITO透明電極との電気的コンタク
ト、アモルファスシリコンや多結晶シリコンとの電気的
コンタクトが得られるので望ましいことが分かった。
【0036】上記積層する薄膜としては、Mo,Cr,
Ti,WおよびTaよりなる群から選択される1種の単
体金属の金属薄膜として形成することの他、Mo−W、
Ti−W、Ta−W等の2種の合金薄膜等を形成するこ
とが考えられ、クロムフリーとするなど環境に考慮し、
かつ良好にドライエッチングを行うといった観点からは
MoやTiを用いることが好ましい。また積層させる膜
の膜厚は50〜200nmとすることが好ましい。
【0037】上記積層膜はAl合金薄膜の少なくとも片
面に積層されているのがよく、例えば、Mo/Al合金/
Moといった両面積層構にして、TFT-LCDにおけ
るゲート電極もしくはソース/ドレイン電極に用いるこ
とが挙げられる。
【0038】尚、前記積層膜についても、特にその成膜
法を限定するものではなく、Al合金薄膜の形成と同様
に、スパッタリング法や真空蒸着法、イオンプレーティ
ング法、CVD法等によって蒸着形成することが可能であ
る。
【0039】<耐食性について>本発明で定める上記の
合金成分組成とすれば、高レベルの耐食性も確保され
る。通常、Alよりも貴な金属元素、例えばCoやNi
等が合金元素として含有されたAl合金薄膜の場合、強
アルカリ性の有機アルカリ系フォトレジスト現像液に曝
されると著しく腐食され、Al合金薄膜の表面に孔食が
発生する。これに対して本発明のAl-Y-IVa薄膜の場
合には、Al合金薄膜中に含有されている合金成分;Y
およびIVa族元素が、いずれもAlより卑な金属元素で
あるため、強アルカリ性の有機アルカリ系フォトレジス
ト現像液に曝されても腐食することなく、高い耐食性を
発揮するのである。
【0040】本発明に係る前記Al-Y-IVa薄膜は、ス
パッタリング法や、真空蒸着法、イオンプレーティング
法、CVD法によって蒸着形成することが可能である。特
にスパッタリング法で行えば、合金成分:YおよびIVa
族元素の均一性に優れたAl-Y-IVa薄膜を得ることが
できるので好ましい。また、YおよびIVa族元素は、平
衡状態でのAlに対する固溶限が極めて小さいが、該ス
パッタリング法で蒸着形成すれば、YおよびIVa族元素
が、平衡状態での固溶限を超えて多量にAl中に強制固
溶されることから、固溶強化を図ることができ、ヒロッ
ク耐性とボイド耐性をより高めることができるのであ
る。
【0041】本発明では、上記の様なAl合金薄膜を得
る際に用いるスパッタリングターゲットについても検討
を行った。気相コーティング法では、使用するターゲッ
トの成分組成が、形成される皮膜の成分組成を決定付け
ることから、ターゲットの成分組成は、目的とする皮膜
の成分組成と同一であることが好ましい。即ち、ドライ
エッチング特性等に優れた本発明のAl合金薄膜を得る
にあたっては、ターゲットとして、合金成分が、 Y:0.05at%以上0.3at%未満、 IVa族元素:合計で0.2at%以上、かつ 下記式(1)を満たすものを用いるのがよいのである。 0.3[Y]+3[IVa]≦2 …(1) {式中[Y]はYの含有量(at%)を示し、[IVa]
はIVa族元素の含有量(at%)を示す}
【0042】尚、ターゲットの製造に用いる原料あるい
はターゲット製造時の雰囲気が原因で、ターゲット中に
不可避的に混入する不純物は、成膜状態に悪影響を及ぼ
すことから、ターゲット中に含まれる酸素等の不純物元
素は極力抑制するのがよい。
【0043】本発明に係るターゲットは、例えば溶解鋳
造法、スプレーフォーミング法、粉末焼結法等で製造す
ることができるが、その中でもスプレーフォーミング法
で製造されたものが最もよい。その理由は、スプレーフ
ォーミング法で製造すれば、合金成分のYおよびIVa族
元素が、母相であるAl中に均一に固溶ないし分散して
含まれる一体型となって材質が均一化され、かつ酸素等
の不純物の混入も抑えられるからである。
【0044】従って、本発明のターゲットを用いた場合
には、例えばYのチップとIVa族元素のチップをAlス
パッタリングターゲット上に配置したような、単に各元
素成分のチップを組み合わせた分割型スパッタリングタ
ーゲットを使用した場合と比較して、得られるAl合金
薄膜の組成が安定しやすく、Al合金薄膜中の酸素量を
低減できるので好ましい。
【0045】尚、上記溶解鋳造法とは、Al合金溶湯か
ら鋳片を製造する方法のことで、上記スプレーフォーミ
ング法とは、不活性ガス雰囲気中のチャンバ内でAl合
金溶湯流に高圧の不活性ガスを吹き付けて粉霧化し、半
凝固状態の粉霧化粒子を受け皿に堆積させてビレットを
製造する方法のことをいう。ターゲットとしては、これ
らの方法で得られた鋳片やビレットをそのまま用いた
り、または適宜形成加工したものを用いることができ
る。
【0046】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0047】実施例1 スプレーフォーミング法により、YとHfを所定量含有
するAl合金よりなるスパッタリングターゲット(F
e:0.005%、Si:0.008%、C:0.00
3%、酸素:0.026%、窒素:0.007%、C
u:0.005%含有、以下製造するターゲットについ
てもほぼ同じ)を製造した。このスパッタリングターゲ
ットを用い、DCマグネトロンスパッタリング法によっ
て、直径6インチ、厚さ0.5mmのバリウム硼珪酸ガラ
ス基板(コーニング社製♯1737ガラス)上に積層さ
せた厚さ200nmのCVDシリコン酸化膜の更に上に、厚
さ300nmのAl合金薄膜(Al-Y-Hf合金薄膜)を蒸
着して形成した。前記Al合金薄膜は、Yの含有量を
0.1〜0.8at%の範囲内で変化させHfを0.4at
%で一定とした、Al−xat%Y−0.4at%Hf(x=
0.1〜0.8)の合金層とした。
【0048】この薄膜表面上にg線のフォトリソグラフ
ィ-によってポジ型フォトレジスト(ノボラック系樹
脂;東京応化工業製のTSMR8900、厚さは1.0μ
m)を線幅2.0μmのストライプ状に形成した。
【0049】次にドライエッチング処理を行うにあたっ
て使用した装置について図2を用いて説明する。図2の
装置において、チャンバ1上部には誘電窓2があり、さ
らに誘電窓上には1ターンのアンテナ3が載置されてい
る。使用したプラズマ発生装置は、誘電窓2が平板タイ
プのいわゆるTCP(Transfer Coupled Plasma)と呼ばれる
ものである。アンテナ3には13.56MHzの高周波電
力4が整合器5を介して導入される。
【0050】チャンバ1にはプロセスガス導入口6があ
り、ここからCl2を含むガスが導入される。基板(被
エッチング材)7はサセプタ8上に載置される。サセプ
タ8は静電チャック9となっており、プラズマから基板
に流入した電荷によって静電力によってチャッキング可
能となっている。サセプタ周辺は石英ガラスのカラー1
0と呼ばれる部材が載置されている。
【0051】チャンバ1内に導入されたCl2を含むプ
ロセスガスは、誘電窓2上にあるアンテナ3に高周波電
力を印加して生じた誘電磁場により、励起状態となりプ
ラズマ化される。
【0052】さらにサセプタ8には整合器11を介して
400kHzの高周波電力12が導入され、サセプタ8に
載置された基板(被エッチング材)7に高周波バイアス
が印加される。この高周波バイアスによってプラズマ中
のイオンが基板に異方性をもって引き込まれ、垂直エッ
チングなどの異方性エッチングが可能となる。
【0053】図3に、前記図2に示す装置を用いてドラ
イエッチング処理を行った場合のエッチングレートに及
ぼすAl-Y-Hf薄膜中のY含有量の影響を示す。この
実験に用いたプロセスガスはCl2/BCl3またはAr/
Cl2/BCl3、アンテナに印可した電力は500W、
基板バイアスは40W、プロセス圧力は13mTorrであ
り、基板温度はサセプタの温度とし、20℃とした。
【0054】この図3から、Al-Y-Hf薄膜のエッチ
ングレートはY含有量に依存し、Yの低含有化とともに
エッチングレートが増加しており、難エッチング材料で
あるY含有量を減少させることで、高反応性を確保でき
ることがわかる。
【0055】実施例2 次に、Al-Y-Hf薄膜中のY含有量がドライエッチン
グ処理で発生する残渣量に与える影響について調べた。
エッチング処理には、前記実施例1と同様にガラス基板
−シリコン酸化膜−Al合金薄膜(Al-Y-Hf薄膜)を
形成させたもので、Al-Y-Hf薄膜中のY含有量が
0.1at%、0.2at%および0.4at%の3種類のも
のを用いた。またプロセスガスとしてCl2/BCl
3(120/60sccm)を用い、高周波RFを500W、基
板バイアスを40W、基板温度を20℃とした。エッチ
ング時間は下地シリコン酸化膜が露出する瞬間までの時
間、いわゆるジャストエッチング時間とした。 (1)エッチング処理後の結果を図4(走査型電子顕微
鏡写真)に示す。図4における上段は上面写真、中段は
その一部拡大写真、下段は斜め上面(断面を含む)写真で
ある。
【0056】この図4から、Yの低含有化とともに残渣
の発生が抑制されており、Y:0.4at%の場合には、
残渣が鎖状となって多量に残留しているが、Y:0.2
at%では、残渣が点在する程度にまで抑えられているこ
とが分かる。 (2)図5は、エッチング処理時間をジャストエッチン
グ時間の50%追加、いわゆる50%オーバーエッチン
グ時間とし、プロセスガスとしてCl2/BCl3(12
0/60sccm)を用い、それ以外の実験条件を上記図4
と同様としたときの、エッチング処理後の結果を示した
走査型電子顕微鏡写真である。
【0057】この図5と前記図4を比較すると、エッチ
ング処理時間を長くすることで残渣量は減少し、またそ
の密度も低減していることが分かる。 (3)次に、プロセスガスに希ガスであるArを添加し
てイオンアシスト反応を強めたエッチング処理を行っ
た。その結果を図6に示す。図6は、エッチング処理時
間を50%オーバーエッチング時間とし、プロセスガス
としてAr/Cl2/BCl3(120/60sccm)を用
い、それ以外の実験条件を上記図4と同様としたとき
の、エッチング処理後の結果を示した走査型電子顕微鏡
写真である。
【0058】この図6から、プロセスガスに希ガスであ
るArを添加することによって、イオンアシスト反応を
強めることができ、エッチング後の残渣発生を更に抑制
できることがわかる。
【0059】実施例3 次に、熱履歴がAl-Y-Hf薄膜の電気抵抗率に与える
影響について、Al-Y-Hf薄膜のY含有量を変化させ
て調べた。実験は、スプレーフォーミング法でYとHf
を所定量含有するAl合金よりなるスパッタリングター
ゲットを製造し、このスパッタリングターゲットを用い
て、DCマグネトロンスパッタリング法にて、直径2イン
チ、厚さ0.5mmのバリウム硼珪酸ガラス基板(コーニ
ング社製♯1737ガラス)上に、厚さ300nmのAl
-Y-Hf薄膜を形成した。前記Al合金薄膜は、Yの含
有量を0.1at%または0.2at%としHfを0.4at
%で一定とした、Al−xat%Y−0.4at%Hf(x=
0.1or0.2)の合金層とした。
【0060】この薄膜表面上にg線のフォトリソグラフ
ィ-によってポジ型フォトレジスト(ノボラック系樹
脂;東京応化工業製のTSMR8900、厚さは1.0μ
Ω)を線幅2.0μΩのストライプ状に形成した。そし
てウェットエッチングにより線幅100μm、線長10
mmの電気抵抗率測定用パターン状に加工した。ウェッ
トエッチングにはH3PO4:HNO3:H2O=75:5:20の混合
液を用いた。そして熱履歴を与えるため、前記エッチン
グ処理後に、ホットウォール方式の熱処理炉にて、上記
薄膜に加熱温度を200〜450℃の範囲で変化させ、
該温度で30分間保持する真空熱処理(真空度2.0×
10-6Torr以下)を施した。
【0061】この実験結果を、前記熱処理における加熱
温度と電気抵抗率の関係として図7に示す。図7より、
Y0.2at%含有のAl-Y-Hf薄膜は熱処理温度30
0℃で電気抵抗率が5.84μΩ・cmであり、Y0.1
at%含有のAl-Y-Hfは熱処理温度350℃で電気抵
抗率5.82μΩ・cmと、熱履歴を受けることにより6
μΩ・cm以下の低電気抵抗率を実現できることが分かっ
た。
【0062】実施例4 次に、Al-Y-Hf薄膜のY含有量がヒロック密度およ
びボイド密度に与える影響を調べた。
【0063】実験は、スプレーフォーミング法でYとH
fを所定量含有するAl合金よりなるスパッタリングタ
ーゲットを製造し、このスパッタリングターゲットを用
いて、DCマグネトロンスパッタリング法にて、直径2イ
ンチ、厚さ0.5mmのバリウム硼珪酸ガラス基板(コー
ニング社製♯1737ガラス)上に、膜厚200nmの
CVDシリコン酸化膜を形成し、その上に膜厚150n
mのMo金属薄膜をスパッタリングで形成後、膜厚30
0nmのAl-Y-Hf合金薄膜を蒸着形成し、更にその上
に膜厚150nmのMo金属薄膜をスパッタリングで形
成して、構造がMo/Al-Y-Hf/Mo/SiO2/ガラス基
板の積層膜を得た。前記Al合金薄膜は、Yの含有量を
0.1〜0.4at%の範囲内で変化させHfを0.4at
%で一定とした、Al−xat%Y−0.4at%Hf(x=
0.1〜0.4at%)の合金層とした。
【0064】得られた積層膜の表面に、フォトリソグラ
フィ-によってポジ型フォトレジストを線幅100μm
のストライプ状に形成した。そして、ホットウォール方
式の熱処理炉を用い、上記薄膜に熱処理温度300℃で
30分間保持する真空熱処理(真空度2.0×10-6To
rr)を5回繰り返して施し、各熱処理回数後におけるヒ
ロック密度(単位表面積あたりに発生するヒロックの数)
およびボイド密度(単位表面積あたりに発生するボイド
の数)を光学顕微鏡による表面観察で測定して求めた。
【0065】表面観察の結果から、熱処理5回後の0.
1at%Y、0.2at%Yおよび0.4at%Y含有のいず
れのAl-Y-Hfにおいても、ヒロック密度は1×10
9- 2以下と実用上問題ないことが分かった。またボイ
ド密度が0.1×109-2以下とボイドについても実
用上問題がないことが分かった。
【0066】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されており、
本発明に係る半導体デバイス電極用膜/配線用膜とし
て、配線パターンの高微細化を図ることのできるドライ
エッチングを施すのに最適で、かつ熱履歴を受けた後に
6μΩ・cm以下もの低電気抵抗率を達成することがで
き、更に該熱履歴を受けた場合であってもヒロックおよ
びボイドが発生し難いといった、優れたヒロック耐性お
よびボイド耐性を発揮できるものが得られた。そして、
この様な優れた特性を有する半導体デバイス電極用膜/
配線用膜の実現によって、より高精細な半導体デバイス
電極/配線が得られることとなった。
【0067】また、本発明のスパッタリングターゲット
は、この様な半導体デバイス電極用膜/配線用膜におけ
るAl合金薄膜の形成をスパッタリング法により行うの
に好適で、形成されるAl合金薄膜の組成が安定し、よ
り前記特性の安定した半導体デバイス電極が得られると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al合金薄膜についてのY含有量およびHf含
有量と電気抵抗率との関係を示すグラフである。
【図2】実施例で用いたドライエッチング用装置の概略
図である。
【図3】実施例1に係るAl-Y-Hf合金薄膜中のY含
有量とドライエッチング処理時のエッチングレートの関
係を示すグラフである。
【図4】実施例2に係るドライエッチング処理後のSEM
写真である。
【図5】実施例2に係るドライエッチング処理後のSEM
写真である。
【図6】実施例2に係るドライエッチング処理後のSEM
写真である。
【図7】実施例3に係る熱処理温度と熱処理後に測定し
た電気抵抗率の関係を、Al-Y-Hf合金薄膜中のY含
有量別に示したグラフである。
【符号の説明】
1 チャンバ 2 誘電窓 3 アンテナ 4 高周波電力(アンテナ側) 5 整合器(アンテナ側) 6 プロセスガス導入口 7 基板(被エッチング材) 8 サセプタ 9 誘電チャック 10 カラー 11 整合器(基板側) 12 高周波電力(基板側)
フロントページの続き (72)発明者 藤井 秀夫 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 高畠 勝 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所内 Fターム(参考) 4K029 AA09 BA01 BA02 BA03 BA07 BA11 BA17 BA23 CA05 DB04 DC34 DC39 5F004 BA20 DA04 DA11 DA23 DB08 EB02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金成分として、 Y:0.05at%以上0.3at%未満、 IVa族元素:合計で0.2at%以上を含み、かつ下記
    式(1)を満たすものであることを特徴とするAl合金
    薄膜形成用スパッタリングターゲット。 0.3[Y]+3[IVa]≦2 …(1) {式中[Y]はYの含有量(at%)を示し、[IVa]
    はIVa族元素の含有量(at%)を示す}
  2. 【請求項2】 前記IVa族元素がZr及び/又はHfで
    ある請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 スプレーフォーミング法により製造され
    る請求項1または2に記載のスパッタリングターゲッ
    ト。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のスパッ
    タリングターゲットを用いて形成されたAl合金薄膜を
    有することを特徴とする半導体デバイス電極用膜または
    半導体デバイス配線用膜。
  5. 【請求項5】 前記Al合金薄膜の少なくとも片面に、
    Mo,Cr,Ti,WおよびTaよりなる群から選択さ
    れる1種の単体金属または2種以上の合金よりなる薄膜
    が積層されている請求項4に記載の半導体デバイス電極
    用膜または半導体デバイス配線用膜。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の半導体デバイ
    ス電極用膜または半導体デバイス配線用膜にドライエッ
    チング処理を施して得られることを特徴とする半導体デ
    バイス電極または半導体デバイス配線。
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