JP2003253316A - 製鋼用精錬剤及び製鋼方法 - Google Patents
製鋼用精錬剤及び製鋼方法Info
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Abstract
効率的に熱付加若しくはスラグの還元を行うことができ
る製鋼用精錬剤並びに製鋼方法を提供する。 【解決手段】 炭素及び水素を主体とするプラスチック
と金属又は金属酸化物を含有する物質との混合物を押出
し成形して得た成形体を、製鋼精錬工程における精錬中
に製鋼用精錬剤として精錬容器内に投入する。又、溶銑
の脱炭精錬中に前記製鋼用精錬剤を、脱炭反応が酸素供
給律速から炭素移動律速に変わった時点以降に投入して
スラグを還元する。この場合、成形体のプラスチック配
合量を50mass%以上とする、金属酸化物として、鉄鉱
石、ミルスケール、製鉄ダスト、Mn鉱石、Cr鉱石、
Ni鉱石等を用いる、成形体の密度を1100kg/m
3 以上とする、成形体の形状を円柱体又は角柱体とす
る、及び、成形体1個の質量を20g以上とすることに
より、熱付加及び還元を効率良く行うことができる。
Description
製鋼用精錬剤及びそれを用いた製鋼方法に関し、詳しく
は、プラスチックの含有する炭化水素を熱源若しくは還
元剤として利用した製鋼用精錬剤及び製鋼方法に関する
ものである。
溶融状態に保持するために莫大な熱を付与するだけでな
く、製鋼精錬工程の効率化のためにも、又、高品質鋼を
製造するためにも、熱的に余裕のある状態を維持するこ
とが望ましい。例えば、溶銑中に精錬剤を吹き込む場
合、吹き込みガスが溶銑の顕熱を奪うために溶銑の温度
降下が避けられず、処理時間及び精錬剤の使用量につい
て制約を受けることが多い。又、転炉からの出鋼温度を
制御する場合でも、溶銑温度が低い場合や十分な炭素が
溶銑に含まれていない場合には、温度調整のために通常
より多くの酸素を使用して昇温させる必要があるが、そ
の場合には溶鋼中の溶存酸素量が増加し、結果として鋼
の品質を下げることになる。
クス粉等の炭素源をインジェクションして加炭する方法
(例えば特許文献1参照)や、廃プラスチック及び廃ゴ
ムを溶銑中にインジェクションし、廃プラスチック及び
廃ゴムの燃焼熱を利用する方法(例えば特許文献2参
照)が提案されている。
られる炭素源である石炭、コークス、黒鉛には、硫黄、
燐、窒素等の不純物が混入しているため、使用量を制限
せざるを得ない。つまり、これらを大量に使用して多大
な熱付加を行う場合には、不可避的に混入した硫黄、
燐、窒素の除去工程を設ける必要があり、製造コストの
上昇につながる。更に、炭素源を単体で溶銑や溶鋼に投
入するか、あるいはインジェクションにより付加しよう
とした場合、炭素源の飛散、溶解残等が発生するため、
炭素付加における歩留は上がらない。加えて、脱炭工程
に先立ってこれらの炭素付加処理を行った場合には、溶
銑中への炭素溶解度上限に近い条件で加炭処理を行うこ
とになることから、加炭歩留は更に低下する。又、廃プ
ラスチックや廃ゴムの燃焼熱を利用する方法は、未だ具
体的な手法が確立されておらず、十分に有効利用されて
いないのが現状である。
炉を用いた溶銑の脱炭精錬では、上吹きランスから超音
速ジェットの酸素を吹き付けて行っているが、通常、一
つのランスを用いて精錬初期から末期までの全域を精錬
するため、精錬の全域に亘っては、必ずしも最適な条件
で送酸されてはいない。すなわち、上吹きランス先端の
ノズルチップ形状を、広い送酸条件の全てに最適化する
ことが不可能であり、やむを得ず脱炭最盛期に最適な形
状としているため、送酸量を低減する吹錬末期において
は最適な送酸条件が得られない。
脱炭反応が炭素の移動律速となる脱炭精錬末期には、送
酸条件を適正にすることができず、結果として溶鉄表面
に過剰な鉄酸化物を生成させたり、あるいは溶鉄中の合
金成分であるMnやCrを酸化させてしまう。この現象
は、鉄歩留まりの低下をもたらすのみならず、溶鉄から
の合金成分のロスを意味し、後工程で高価な合金鉄を使
用せざるを得ない。
上吹きランス形状のハード面を適正化し、更に、上吹き
ランスの先端と浴面との距離(以下「ランス高さ」と記
す)や送酸速度等の操業条件を制御した対策が多数提案
されている。
状を適正化すると共に、送酸速度及びランス高さをラバ
ールノズルの形状に合わせた適正範囲内に制御した吹錬
方法が開示されている。しかし、特許文献3のように、
高流量化した際の鉄飛散やダストを抑制する目的でラバ
ールノズルの構造やランス高さの変更を行う場合には、
上吹きランスから噴出される酸素ジェットの軌跡及び幾
何学的形状は大きく変化するので、不必要な二次燃焼が
生じたり、反応界面積の変動に起因して反応効率が悪化
するという二次的な悪影響が発生する。
ロート径と送酸速度とで決定されるラバールノズルの適
正膨張出口径Dに対し、高炭素域では0.85D〜0.
94Dの出口径を有する上吹きランスを用い、低炭素域
では0.96D〜1.15Dの出口径を有する上吹きラ
ンスを用いた転炉吹錬方法が開示されている。しかしな
がら、この吹錬方法では、精錬の制御を確実に行うため
には形状の異なる2種類以上の上吹きランスを使用しな
ければならず、設備上並びに操業上の煩雑さが無視でき
ない。
情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的とす
るところは、精錬容器を用いた製鋼精錬工程において、
溶銑や溶鋼等の溶湯を汚染することなく、且つ効率的に
熱付加を行うことができる製鋼用精錬剤並びに製鋼方法
を提供することであり、その第2の目的とするところ
は、転炉内に存在するスラグの鉄酸化物濃度を低く抑
え、すなわち炉内スラグの酸素ポテンシャルを低く抑
え、鉄歩留まりやMn及びCr等の合金成分の歩留まり
を高めることが可能な製鋼方法を提供することである。
の第1の発明の係る製鋼用精錬剤は、炭素及び水素を主
体とするプラスチックと金属又は金属酸化物を含有する
物質との混合物が、押出し成形されて製造される成形体
からなることを特徴とするものである。
発明において、前記成形体のプラスチック配合量は、5
0mass%以上であることを特徴とするものである。
は第2の発明において、前記金属酸化物を含有する物質
は、鉄鉱石、ミルスケール、製鉄ダスト、Mn鉱石、C
r鉱石、Ni鉱石のうちの少なくとも1種であることを
特徴とするものである。
いし第3の発明の何れかにおいて、前記成形体単体の見
掛け密度は、1100kg/m3 以上であることを特徴
とするものである。
いし第4の発明の何れかにおいて、前記成形体の形状
は、実質的に円柱体又は角柱体であることを特徴とする
ものである。
いし第5の発明の何れかにおいて、前記成形体1個の質
量は、20g以上であることを特徴とするものである。
用いた製鋼精錬工程において、第1ないし第6の発明の
何れかに記載の製鋼用精錬剤を、当該精錬容器における
精錬中に精錬容器の上部から精錬容器内に投入すること
を特徴とするものである。
化鉄を用いて精錬容器内の溶銑に対して脱炭処理を施す
際に、脱炭反応が酸素供給律速から炭素移動律速に変わ
った時点以降に、請求項1ないし請求項6の何れかに記
載の製鋼用精錬剤を、前記精錬容器の上部から精錬容器
内に投入して、精錬容器内のスラグ若しくは溶湯成分の
酸化物を還元することを特徴とするものである。
において、前記精錬容器が転炉であることを特徴とする
ものである。
第9の発明において、溶銑中の炭素を除去する際に、合
金成分の金属酸化物を精錬容器内に添加し、当該金属酸
化物を溶銑中の炭素によって還元することを特徴とする
ものである。
発明において、前記金属酸化物は、Mn酸化物又はCr
酸化物であることを特徴とするものである。
し第11の発明の何れかにおいて、前記精錬容器から排
出される排ガスの成分分析に基づいて、脱炭反応が酸素
供給律速から炭素移動律速に変わった時点を把握するこ
とを特徴とするものである。
クス等に代えて炭素及び水素を主体とするプラスチック
を用いており、このようなプラスチックは従来の炭素源
のような硫黄や窒素等の不純物成分が少ないものを選択
することができるため、溶湯を汚染することがなく、こ
れらの除去工程を不要とすることができる。
一般的に密度が小さく、ガス発生量が多いプロセスにお
いては単体では溶湯面やスラグ面に到達させることが困
難であり、加炭材・着熱材として有効に機能する分は多
くはなく、形状によっては投入量の半分以上は排ガス流
により系外に排出されるが、上述のように、プラスチッ
クと金属又は金属酸化物を含有する物質とを混合し、こ
の混合物を押出し成形して製造した成形体として投入す
ることにより、見掛け密度が大きくなり、精錬容器下部
から吹き上げる上昇流に流されることなく、有効に炭素
及び水素を主体とするプラスチックを溶湯面又はスラグ
面に到達させることができる。従って、効率的に熱付加
を行うことができる。
物質は、成形体の密度調整用原料としての機能を有する
ことになる。金属酸化物を含有する物質としては、鉄鉱
石、ミルスケール、製鉄ダスト、Mn鉱石、Cr鉱石、
Ni鉱石のうちの少なくとも1種を用いることができ
る。
有する物質とから成形体を成形する方法として、これら
を混合して強い押出し力で多孔ダイスあるいは金網等か
ら押出して成形する押出し成形方法、これらを混合して
一定の容器内で強く圧縮して成形する圧縮成形方法、こ
れらの混合物を加熱してプラスチックを溶融して成形す
る溶融成形方法等がある。
れる圧縮成形方法では、プラスチックはバインダーとし
て作用し、従って、プラスチックの配合量を多くし過ぎ
ると成形することができず、本発明者等の経験では、プ
ラスチックの配合量はその上限値が5mass%前後である
ことを確認している。そのため、大量のプラスチックを
投入しようとすると、付随的に大量の金属又は金属酸化
物を添加しなければならず、一方、金属又は金属酸化物
の添加量には自ずと制限があり、そのため、製鋼精錬工
程において大量のプラスチックを投入できないという問
題点、すなわち、従来の昇熱用炭素源の代替として有効
に利用できないという問題点が生じる。又、圧縮成形方
法は、基本的にバッチ処理であるために生産性が低い上
に、成形体の周囲に所謂バリが発生し、歩留まり(60
%程度)が低いという問題点がある。更に、成形前にプ
ラスチックと金属又は金属酸化物を含有する物質とを、
プラスチックが溶融若しくは半溶融する程度に、加熱し
なければならないという問題点がある。
る必要があり、生産性が低いという問題点がある。又、
単にプラスチックを溶融しただけでは成形体のサイズが
不揃いであり、使用の際に添加シュートに詰まる等の問
題点もある。
チックと、密度調整用原料としての金属又は金属酸化物
を含有する物質とを混合したものを連続的に押出し成形
することが可能であるために生産性が高く、且つ、成形
体の外径サイズが一定にそろっており、高歩留まり(8
0%程度)で成形することができる。この場合、成形体
の外径サイズは、多孔ダイスあるいは金網等のサイズを
変更することにより任意に選択することができる。
表面に位置するプラスチックのみを溶融若しくは半溶融
させることにより、成形体の形状を維持させることがで
きるので、外部から熱を加える場合には、少ない加熱量
で成形することができ、又、外部から加熱しなくても押
出し成形時の摩擦熱のみで成形することもできる。すな
わち、プラスチックの全量を溶融しなくても成形するこ
とができるので、極めて低い熱コストで成形体を製造す
ることができる。
以上であれば任意の配合量で押出し成形することが可能
であり、従って、成形体中のプラスチックの含有量を高
くすることにより、溶銑又は溶鋼を昇熱させるためのプ
ラスチックを大量に投入することができる。尚、プラス
チックの配合量が40mass%未満の場合には、成形体の
外周部の一部がプラスチックで覆われず、成形体の形状
を維持できなくなることが発生し、成形体を安定して製
造することができない。この場合には、混合した金属及
び金属酸化物を含有する物質が剥離して脱落することが
発生する。
を含有する物質は、その顕熱や潜熱及び還元熱等により
溶銑や溶鋼から熱を奪い、製鋼精錬工程に添加された際
には冷却剤となり、一方、プラスチックは昇熱剤として
機能する。従って、プラスチックの含有量に依存して、
成形体は冷却剤となったり、昇熱剤となったりする。金
属又は金属酸化物を含有する物質による冷却効果と、プ
ラスチックの燃焼熱による昇熱効果とがバランスする質
量比を調査した結果、密度調整用原料の種類によっても
差が生ずるものの、成形体において50mass%のプラス
チック配合量が確保されていれば、少なくとも昇熱剤と
して作用することが分かった。従って、プラスチックの
燃焼熱により溶銑又は溶鋼を昇熱させる観点からみた場
合、成形体中のプラスチックの配合量を50mass%以上
とすることが好ましく、溶銑又は溶鋼を効率的に昇熱す
る場合には、プラスチックの配合量を70mass%以上、
更には80mass%以上とすることが望ましい。
上昇流に流されることなく、成形体を確実に溶湯面又は
スラグ面に到達させるために、成形体単体の見掛け密度
を1100kg/m3 以上とすること、成形体の形状を
実質的に円柱体又は角柱体とすること、及び、成形体の
質量を20g以上とすることが好ましい。
元効果のある炭素、水素及び炭化水素等が生成される。
すなわち、プラスチックを転炉脱炭精錬等の高温下に投
入すると、分解して還元効果のある炭素、水素ガス、及
び炭化水素ガス等が発生するため、プラスチックは、製
鋼精錬工程においては熱源のみならず、還元剤としても
利用することができる。
反応界面で余剰となった酸素は必然的に溶湯を構成する
鉄、Mn、Cr等の成分元素と反応し、これら成分を酸
化させ、スラグ中若しくは溶湯表面にこれら成分の酸化
物を形成させるが、炭素及び水素を主体とするプラスチ
ックと金属又は金属酸化物を含有する物質との混合物か
ら成形された製鋼用精錬剤を、スラグ中の鉄酸化物濃度
が上昇する脱炭反応の末期、すなわち、脱炭反応が酸素
供給律速から炭素移動律速に変わった時点以降に脱炭精
錬容器内に添加することで、生成した鉄酸化物、更には
Mn酸化物及びCr酸化物等が効率的に還元され、スラ
グの酸素ポテンシャルの上昇が抑制される。その結果、
鉄歩留まりやMn及びCr等の合金成分の歩留まりを高
めることが可能となる。
リプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニ
ルアセチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフ
タレート、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブダ
ジエン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレ
ン−プロピレン弾性物質(EPM、EPDM)、ブチル
ゴム、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニル
アセテート、セルロイド、ナイロン等のエンジニアリン
グプラスティックに分類されるプラスティック等、炭素
及び水素を主体としたプラスチックであれば特に制限は
なく、又、製品プラスチックであっても廃プラスチック
でもよく、必要に応じてこれらを粉状に加工したものを
用いることができるが、コスト面及び産業廃棄物の有効
利用を図る観点から廃プラスチックを利用することが好
ましい。
での製造・加工時に生じる屑や不良品を含み、更に、一
般家庭から発生する所謂ゴミとしての廃棄物たるプラス
チック類であり、その性質上プラスチック以外の異物
(金属、紙、その他の無機物及び有機物)が付着若しく
は混入しているプラスチック類を含むものである。この
ような廃プラスチックの具体例としては、プラスチック
ボトル、プラスチック袋、プラスチック包み、プラスチ
ックフィルム、プラスチックトレイ、プラスチックカッ
プ、磁気カード、磁気テープ、ICカード、フレキシブ
ルコンテナ、プリント基板、プリントシート、電線被覆
材、事務機器又は家電製品用ボディー及びフレーム、化
粧合板、パイプ、ホース、合成繊維及び衣料、プラスチ
ック成型ペレット、ウレタン材、梱包用シート、梱包用
バンド、梱包用クッション材、電気用部品、玩具、文房
具、トナー、自動車用部品(例えば、内装品、バンパ
ー)、自動車又は家電製品等のシュレッダーダスト、イ
オン交換樹脂、合成紙、合成樹脂接着樹剤、合成樹脂塗
料、固形化燃料(廃棄プラスチック減容物)、映画フィ
ルム、高分子吸収体、農業用ポリエチレン、農業用プラ
スティック等が例示され、これらを廃棄物としての状態
のまま、あるいは必要に応じて所定の処理を施したもの
を利用することができる。又、これら廃プラスチックと
製品プラスチックとの混合物を利用してもよい。
する。本発明では、精錬容器内に収納された溶銑又は溶
鋼を処理する製鋼精錬工程において、炭素及び水素を主
体とするプラスチックと、金属又は金属酸化物を含有す
る物質とを押出し成形して製造した成形体を製鋼用精錬
剤として、当該精錬容器における精錬中に精錬容器の上
部から精錬容器内に投入する。
て行われる脱硫・脱燐等の溶銑予備処理工程、転炉にお
ける脱炭工程、転炉吹錬の後に行われる二次精錬等が挙
げられ、これらの何れか、又は2つ以上の工程において
上記処理が行われる。又、本発明の製鋼方法とは、転炉
における溶銑の脱炭吹錬による溶鋼の製造方法のみなら
ず、転炉に装入する前段階である溶銑の脱硫・脱燐等の
予備処理による予備処理溶銑の製造方法及び転炉出鋼後
の二次精錬における精錬反応による溶鋼の製造方法の何
れか又は2つ以上の方法である。
は、熱付加のための熱源又は鉄酸化物等の還元剤として
使用するものであり、このようなプラスチックとして
は、上述したようにポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリビニルアセチレン、ポリビニルアルコ
ール、ポリカーボネートなどほとんどの炭素及び水素を
主体とするプラスチックを挙げることができ、2種類以
上のプラスチックを混合して使用することも可能であ
る。又、このような炭素及び水素を主体とするプラスチ
ックを含有する物質として、上述したように廃プラスチ
ックを好適に用いることができるが、もちろんバージン
であっても構わない。但し、上述したように、硫黄、
燐、窒素などを多量に含む場合には溶鋼汚染源となり好
ましくなく、珪素、アルミニウムなどを多量に含む場合
にもスラグの増大につながるため好ましくない。従っ
て、炭素及び水素を主体とするプラスチックとしては、
これらの少ないものを選択する。
を、溶湯面又はスラグ面に有効に到達させるための密度
調整用の原料としては、金属及び金属酸化物を含有する
物質の何れか、又は両方を用いることができる。
スラグを磁力選別して回収した磁選粉、機械工場で発生
する鋼の切削屑、チョッパー屑のような小型の鉄スクラ
ップ、及び、成分調整用の各種合金鉄等のうちの少なく
とも1種を用いることができる。このような金属を用い
ることにより、単に密度調整のみならず、鉄源の回収や
溶鋼の成分調整を行うことができる。又、このような金
属を添加することにより、顕熱及び潜熱により従来法で
は熱を奪い熱ロスが生じるが、本発明ではプラスチック
の発熱によってその熱ロスを補償することができる。
素源又は金属源として用いるものであり、鉄鉱石、ミル
スケール、製鉄ダスト、Mn鉱石、Cr鉱石、Ni鉱石
のうちの少なくとも1種を好適に用いることができる。
このような金属酸化物を含有する物質を用いることによ
り、単に密度調整のみならず、不純物を酸化させて除去
したり、還元することにより金属成分として回収したり
することができる。但し、硫黄分などを多く含む酸化鉄
源等は溶湯の汚染の原因となるため好ましくない。金属
酸化物を還元する際には還元剤が必要であるが、プラス
チックからは炭素のみならず還元性の高い水素ガスや炭
化水素ガスが発生するため、プラスチックが還元剤とし
て有効に作用する。
チックと密度調整用の物質とを混合混練し、円柱体状又
は角柱体状に押出し成形する。その際、プラスチックの
配合量は40mass%以上を確保する必要があり、好まし
くは50mass%以上を確保する。押出し成形機としては
押出しスクリューを用いた通常の押出し成形機を用いる
ことができ、プラスチックと密度調整用物質とを外部か
ら強制的に加熱しなくても、押出し時の摩擦熱により成
形することができる。摩擦熱により、少なくとも成形体
の表面に位置するプラスチックを溶融若しくは半溶融さ
せることができ、成形体の形状を維持させることができ
るからである。当然ではあるが、外部から強制的に加熱
してもよい。押出し成形機による長尺の成形体を所定の
長さに切断して、プラスチックと密度調整用の物質とか
らなる成形体を製鋼用精錬剤として得る。
内に収納された溶銑又は溶鋼を処理する製鋼精錬工程に
おいて、当該精錬容器における精錬中に精錬容器の上部
から精錬容器内に投入する。
傍での排ガスの上昇速度が10〜20m/secと速
く、成形体が溶湯面又はスラグ面に到達する前にプラス
チック分が燃焼したり分解したりして、プラスチックの
燃焼熱が溶湯やスラグに着熱しない場合もあるが、上記
形状への成形の際に、更に、成形体単体の見掛け密度を
1100kg/m3 以上とし、且つ、成形体1個の質量
を20g以上とすることにより、確実に溶湯面又はスラ
グ面に成形体を到達させることができる。
のように限定した理由は以下の通りである。すなわち、
本発明者等は、円柱体状に押出し加工した成形体1個の
質量を約30gに統一し、成形体単体の見掛け密度を8
00kg/m3 、1100kg/m3 及び2200kg
/m3 の3水準に変更して、これら成形体を排ガスの上
昇速度が約20m/secの条件で転炉炉口から炉内に
投入し、その際の着熱量を調査した。調査結果を図1に
示す。
の成形体は排ガスとともに炉口から排出されてしまい、
プラスチックの燃焼熱は溶湯及びスラグには着熱されな
かったが、見掛け密度が1100kg/m3 の成形体で
はプラスチック1kg当たり4600kJの計算熱余剰
(計算熱余剰については実施例で説明する)すなわち着
熱が認められ、見掛け密度が2200kg/m3 の成形
体ではプラスチック1kg当たり5200kJの計算熱
余剰が認められた。このように成形体単体の見掛け密度
が1100kg/m3 以上であれば、成形体を溶湯面又
はスラグ面に到達させることが可能であることが分かっ
た。
の見掛け密度を1100kg/m3に統一し、成形体1
個の質量を10g、20g、30g及び40gの4水準
に変更して、これら成形体を排ガスの上昇速度が約20
m/secの条件で転炉炉口から炉内に投入した。その
結果、成形体1個の質量が10gの成形体ではプラスチ
ック1kg当たり2000kJの計算熱余剰が認められ
たにすぎなかった。すなわち、投入した50%以上の成
形体は排ガスとともに排出されていることが分かった。
一方、成形体1個の質量が20g以上の場合には、プラ
スチック1kg当たり約4600kJの計算熱余剰が認
められた。このように成形体1個の質量が20g以上で
あれば、成形体を溶湯面又はスラグ面に到達させること
が可能であることが分かった。
係数(「形状係数」ともいう)は異なり、空力抵抗係数
が大きい成形体ほど上昇流の影響を受け、炉内から排出
され易くなる。上記の試験で用いた円柱体状の成形体で
は、空力抵抗係数が1.0程度となる。すなわち、空力
抵抗係数が1.0以下の形状であれば、上記の試験と同
等若しくは同等以上の計算熱余剰が期待できる。角柱体
は円柱体と同等の空力抵抗係数であり、従って、成形体
が角柱体の場合には、上記試験と同様に成形体を溶湯面
又はスラグ面に到達させることができる。
て使用する場合には、製鋼精錬工程の処理初期の段階に
添加しても又処理末期の段階に添加しても同等の効果を
発揮するが、還元剤として使用する場合には、添加時期
を還元される対象物が存在する時期に合わせる必要があ
り、自ずと添加時期は決まってくる。この観点から、転
炉を用いた溶銑の脱炭精錬の場合には、脱炭精錬の末期
すなわち脱炭反応が酸素供給律速から炭素移動律速に変
わった時点以降に成形体を添加する。尚、還元剤として
使用した場合も、当然ながら熱源としての効果が発揮さ
れる。
度は、脱炭速度が徐々に増加する第1期、脱炭速度が大
きくて且つ安定している第2期、及び、脱炭速度が徐々
に低下する第3期の3つの期間に大別される。吹錬初期
の第1期は、脱炭速度が時間と共に増大する時期であ
り、吹錬初期の脱炭速度が小さいのは、鉄浴温度が低
く、又、溶銑中のSi等が優先的に酸化するためであ
る。第2期は鉄浴温度が上昇し、火点への浴中炭素の移
動速度が十分大きく、供給される酸素がほぼ100%脱
炭に消費され、供給酸素量に比例して脱炭速度が決定さ
れる時期であり、この第2期が酸素供給律速の時期であ
る。第3期は脱炭が進み、鉄浴中の炭素濃度が低下し
て、火点への浴中炭素の移動速度が反応を律速し、脱炭
速度が低下してくる時期である。この第3期が炭素移動
律速の時期である。本発明においては、第3期即ち脱炭
反応が炭素移動律速になった以降に、上記成形体を転炉
内に投入する。これ以前から投入しても構わないが、ス
ラグや金属酸化物の還元には有効ではない。
される酸素は優先的に溶銑中の炭素と反応するため、鉄
の酸化は抑えられ、スラグ中の鉄酸化物濃度は上昇しな
い。しかし、溶銑中の炭素濃度が低下して脱炭反応が炭
素移動律速の領域になると、供給される酸素が過剰にな
るため、供給された酸素は鉄と反応して酸化鉄が形成さ
れ、スラグ中の鉄酸化物濃度が上昇する。この鉄酸化物
濃度が上昇する時期に合わせて上記成形体を添加するこ
とで、プラスチックによる鉄酸化物の還元反応が効率的
に起こり、スラグ中の鉄酸化物濃度の上昇を抑えること
が可能となり、その結果、鉄歩留まりやMn及びCr等
の合金成分の歩留まりを高めることが達成される。
速に変わる時期は操業条件によって異なるが、例えば、
溶銑中炭素濃度が0.6mass%程度になった時点であ
る。この時点は、種々の方法によって捉えることができ
る。1つの方法として、転炉排ガスの成分を分析するこ
とから把握することができる。炭素移動律速の領域では
脱炭酸素効率(供給した酸素のうちで脱炭に使用された
比率)が低下するため、送酸量に対して生成されるCO
ガス量が低下する。従って、排ガス中のCOガス流量及
びCO2 ガス流量を連続的に捉え、これらから各時点の
脱炭量(モル数)を求め、この脱炭量をその時点の送酸
量(モル数)で除算した数値、すなわち脱炭酸素効率を
連続的に監視することで、反応律速が変わる時点を把握
することができる。具体的には、酸素供給律速の領域で
は、ほぼ100%であった脱炭酸素効率が、炭素移動律
速の領域になると70%程度以下まで低下する。従っ
て、脱炭酸素効率が100%から例えば70%以下に低
下した時点を、反応律速が変わった時点とすることがで
きる。このように、転炉排ガス組成を連続的に分析する
ことにより、反応律速が変わる時点を確実に把握するこ
とができる。
めることができる。酸素供給律速の領域においては、供
給される酸素のほとんど全てが溶銑中の炭素と反応する
ため、精錬開始前に溶銑中の炭素濃度を分析しておき、
溶銑中炭素濃度が0.6mass%程度になるまでの必要酸
素量を求め、この値と積算送酸量が一致する時点を、反
応律速の変更時点とすることができる。具体的には、積
算送酸量が計画した総送酸量(1回の精錬で使用する総
酸素量)の80%程度になった時点であり、更に具体的
に表現すれば、脱炭吹錬終点よりも2分ないしは2分3
0秒程度前の時期である。
MnやCr等の合金成分の金属酸化物を添加することが
好ましい。添加したこれらの金属酸化物は、一部スラグ
中に溶け込み、脱炭精錬中、溶銑中の炭素により還元さ
れ、鉄浴中の合金成分濃度が上昇する。そして、精錬末
期にはプラスチックによってスラグが還元され、スラグ
の酸素ポテンシャルが低く抑えられるので、MnやCr
等の合金成分の還元反応が促進され、高い歩留まりを得
ることができる。その結果、高価な合金剤を削減するこ
とが可能となり、製造コストが大幅に削減される。Mn
酸化物としては、Mn鉱石、Mn焼結鉱、Mnを5mass
%以上含有する製鋼スラグ等、Cr酸化物としてはCr
鉱石を用いることができる。
場合、転炉内のスラグ量が多いとスラグ中に留まる合金
成分量が多くなり、歩留まりが低下する。従って、これ
を抑制するために、転炉内のスラグ量を溶鋼トン当たり
30kg(以下「kg/T」と記す)以下とすることが
好ましい。生石灰等の媒溶剤の添加量を15kg/T以
下に制限することにより、精錬終点における転炉内のス
ラグ量を30kg/T以下に規定することができる。
としてMn鉱石を用いた例について説明する。先ず、M
n鉱石を焼結させてMnの酸化度を低下させたものと、
ポリエチレン及びポリプロピレンの合計が全体の70ma
ss%となるように配合したプラスチックとを混合混練
し、1個の質量が30〜40g、単体の見掛け密度が約
1200kg/m3 の円柱体状の押出し成形体を製造し
た。次いで、この押出し成形体を製鋼用精錬剤として転
炉吹錬中の溶湯上にフィーダーを介して転炉炉口から連
続的に供給し、操業中のMn鉱石歩留と含有させたプラ
スチックの燃焼熱の利用度とを評価した。
物の温度、装入物の量、及び炉内での反応熱を考慮して
終点温度を正確に推定するシステムを用いた。このシス
テムは、本来はプラスチックを配合していないMn鉱石
を用いることを前提として計算するシステムであるた
め、試験に供した押出し成形体中のMn鉱石純分を算出
し、プラスチック等が有効に熱源として作用していれば
終点の温度が高くなり、そのため温度調整用に吹錬末期
に投入する鉄鉱石の量が配合したプラスチックの量に応
じて増加することになる。
をとり、縦軸に温度調整に用いた鉄鉱石の量から換算し
た熱付加量つまり熱余剰をとって、これらの関係を示す
図である。横軸のプラスチックの量は投入したプラスチ
ックの量を転炉に装入した溶銑の量で除した値を用い
た。プラスチックは物質によって燃焼熱が異なるため代
表的な物質の熱量に基準化した量を用いている。又、こ
こではプラスチックの投入がないものとして熱計算を行
ったため、プラスチックの燃焼熱などによって溶鋼の温
度実績が計算による推定値より高くなる。そのため終点
温度を計算通りに下げることが必要であり、その冷却剤
として鉄鉱石を利用したため、その冷却能から熱余剰を
計算によって求めた。この図から、配合したプラスチッ
クの量が増加するに伴って終点での熱余剰すなわち熱的
余裕度が増加し、結果として吹錬末期に鉄鉱石を多く投
入したことが分かる。熱余剰はプラスチック等の投入量
が増加するに伴って増加し、その傾きは計算によって求
めたプラスチックの昇温能力とほぼ一致した。つまり、
この熱余剰は、プラスチックの燃焼熱からプラスチック
の分解熱及び発生ガスへの顕熱ロスなどを除いた熱量と
一致することが確認された。
た、プラスチックの押出し成形体を製鋼用精錬剤として
転炉内に投入することにより、プラスチックが有効に溶
湯面に供給されて熱源として有効に利用することがで
き、且つ、プラスチックによってMn鉱石の還元に必要
な熱を与えることができることが確認された。
質として、所謂OGダストと呼ばれる製鉄ダストを用い
た例について説明する。先ず、製鉄ダストと、ポリエチ
レン及びポリプロピレンの合計が全体の85mass%とな
るように配合したプラスチックとを混合混練し、1個の
質量が50〜55g、見掛け密度が約1100kg/m
3 の円柱体状の押出し成形体を製造した。次いで、この
押出し成形体を製鋼用精錬剤として転炉吹錬中の溶湯上
にフィーダーを介して転炉炉口から連続的に供給し、操
業中のプラスチックの燃焼熱の利用度とを評価した。
の転炉を用い、そして、前述した実施例1と同一方法に
よりプラスチックの燃焼熱による熱余裕を算出した。そ
の結果、プラスチックの燃焼熱による熱余裕は、実施例
1の結果と同等であり、プラスチックを3kg/T投入
した際の熱余裕は42000kJ/Tであった。
した、プラスチックの押出し成形体を製鋼用精錬剤とし
て転炉内に投入することにより、プラスチックが有効に
溶湯面に供給されて熱源として有効に利用することがで
き、且つ、プラスチックによって製鉄ダストの還元に必
要な熱を与えることができることが確認された。
質として製鋼ダスト(OGダスト)を用い、容量が25
0トンの転炉における溶銑の脱炭精錬時に、押出し成形
体の添加時期を変更させて、添加時期とスラグの還元状
況との関係を調査した試験について説明する。先ず、製
鉄ダストと、ポリエチレン及びポリプロピレンの合計が
全体の70mass%となるように配合したプラスチックと
を混合混練し、1個の質量が50〜55g、見掛け密度
が約1200kg/m3 の円柱体状の押出し成形体を製
造した。次いで、この押出し成形体を、投入時期を変更
して、転炉脱炭吹錬中の溶湯上にフィーダーを介して転
炉炉口から投入し、炉内スラグ中の鉄酸化物の還元状況
を調査した。押出し成形体の投入量は全ての試験で1k
g/Tの一定量とし、1分間に亘って炉内に投入した。
添加時期は、積算送酸量が、計画した総送酸量の70%
を越えた時期から100%の範囲、更には、送酸終了後
にも添加した。スラグの還元状況は、出鋼時にスラグを
採取してスラグ中の鉄酸化物濃度(T.Fe濃度)を調
査した。又、全ての試験において転炉内のスラグ量が約
17kg/Tの一定量になるように、造滓剤の添加量を
調整した。
期とし、縦軸をスラグ中のT.Fe濃度指数として両者
の関係を示す図である。横軸の積算送酸量が100%の
時点が送酸終了時点であり、縦軸は、押出し成形体を使
用せずに、その他の条件を同一として精錬した場合(従
来方法)の精錬終了時のスラグ中T.Fe濃度の平均値
を1.0として指数化したものである。
を、積算送酸量が80%よりも以前に投入した場合には
スラグ中のT.Fe濃度は従来方法の場合と大差なく、
スラグは有効には還元されていない。これに対して、積
算送酸量が80%を越えてから投入した場合には、従来
方法の場合に比較して40%もスラグ中のT.Fe濃度
は減少し、効率的に還元されることが分かった。又、送
酸終了後に添加した場合には、スラグは還元されるもの
の、その効果は少ないことが分かった。
量が80%を越えた時点から、脱炭反応は炭素移動律速
になっていることが確認できた。又、押出し成形体を積
算送酸量が80%を越えてから投入した場合には、転炉
内に添加したMn鉱石の歩留まりも、従来方法の場合に
較べて大幅に向上していることが確認できた。
製鋼精錬工程において、熱付加のための熱源又は鉄酸化
物等の還元剤として、炭素及び水素を主体とするプラス
チックを用い、プラスチックと密度調整用物質との混合
物の押出し成形体を製鋼用精錬剤として使用するので、
熱源及び還元剤を不純物の少ないものとすることができ
ると共に、容器下部から吹き上げる上昇流に流されるこ
となく、有効に炭素及び水素を主体とするプラスチック
を溶湯面又はスラグ面に到達させることが可能となり、
効率的に熱付加並びに還元を行うことができる。そし
て、プラスチックを押出し成形体として投入するので、
成形体中のプラスチック含有量を40mass%以上の範囲
で任意に設定することができ、溶湯の昇熱量を幅広く制
御することができる。又、本発明によれば、スラグ中の
鉄酸化物濃度が上昇する脱炭反応の末期に前記製鋼用精
錬剤を添加するので、スラグの酸素ポテンシャルの上昇
が抑制され、鉄歩留まりやMn及びCr等の合金成分の
歩留まりを高めることが可能となる。
係を示す図である。
温度調整に用いた鉄鉱石の量から換算した熱余剰との関
係を示す図である。
ラグ中のT.Feとの関係を示す図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 炭素及び水素を主体とするプラスチック
と金属又は金属酸化物を含有する物質との混合物が、押
出し成形されて製造される成形体からなることを特徴と
する製鋼用精錬剤。 - 【請求項2】 前記成形体のプラスチック配合量は、5
0mass%以上であることを特徴とする請求項1に記載の
製鋼用精錬剤。 - 【請求項3】 前記金属酸化物を含有する物質は、鉄鉱
石、ミルスケール、製鉄ダスト、Mn鉱石、Cr鉱石、
Ni鉱石のうちの少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項1又は請求項2に記載の製鋼用精錬剤。 - 【請求項4】 前記成形体単体の見掛け密度は、110
0kg/m3 以上であることを特徴とする請求項1ない
し請求項3の何れか1つに記載の製鋼用精錬剤。 - 【請求項5】 前記成形体の形状は、実質的に円柱体又
は角柱体であることを特徴とする請求項1ないし請求項
4の何れか1つに記載の製鋼用精錬剤。 - 【請求項6】 前記成形体1個の質量は、20g以上で
あることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか
1つに記載の製鋼用精錬剤。 - 【請求項7】 精錬容器を用いた製鋼精錬工程におい
て、請求項1ないし請求項6の何れかに記載の製鋼用精
錬剤を、当該精錬容器における精錬中に精錬容器の上部
から精錬容器内に投入することを特徴とする製鋼方法。 - 【請求項8】 酸素又は酸化鉄を用いて精錬容器内の溶
銑に対して脱炭処理を施す際に、脱炭反応が酸素供給律
速から炭素移動律速に変わった時点以降に、請求項1な
いし請求項6の何れかに記載の製鋼用精錬剤を、前記精
錬容器の上部から精錬容器内に投入して、精錬容器内の
スラグ若しくは溶湯成分の酸化物を還元することを特徴
とする製鋼方法。 - 【請求項9】 前記精錬容器が転炉であることを特徴と
する請求項8に記載の製鋼方法。 - 【請求項10】 溶銑中の炭素を除去する際に、合金成
分の金属酸化物を精錬容器内に添加し、当該金属酸化物
を溶銑中の炭素によって還元することを特徴とする請求
項8又は請求項9に記載の製鋼方法。 - 【請求項11】 前記金属酸化物は、Mn酸化物又はC
r酸化物であることを特徴とする請求項10に記載の製
鋼方法。 - 【請求項12】 前記精錬容器から排出される排ガスの
成分分析に基づいて、脱炭反応が酸素供給律速から炭素
移動律速に変わった時点を把握することを特徴とする請
求項8ないし請求項11の何れか1つに記載の製鋼方
法。
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JP2002297788A JP4447830B2 (ja) | 2001-10-10 | 2002-10-10 | 製鋼用精錬剤及び製鋼方法 |
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JP2001-312288 | 2001-10-10 | ||
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20110094336A1 (en) * | 2007-12-14 | 2011-04-28 | Salzgitter Flachstahl Gmbh | Method for producing a steel melt containing up to 30% manganese |
KR101277168B1 (ko) | 2007-12-21 | 2013-06-19 | 주식회사 포스코 | 흑연계 승열제 및 이를 이용한 극저린강의 제조방법 |
JP2016008309A (ja) * | 2014-06-20 | 2016-01-18 | 株式会社エコネコル | アルミ系脱酸剤及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-10-10 JP JP2002297788A patent/JP4447830B2/ja not_active Expired - Lifetime
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