JP2003253181A - 孔版印刷用油中水滴型エマルションインク - Google Patents

孔版印刷用油中水滴型エマルションインク

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JP2003253181A
JP2003253181A JP2002051637A JP2002051637A JP2003253181A JP 2003253181 A JP2003253181 A JP 2003253181A JP 2002051637 A JP2002051637 A JP 2002051637A JP 2002051637 A JP2002051637 A JP 2002051637A JP 2003253181 A JP2003253181 A JP 2003253181A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンブラックを取り扱う環境をよくし、
かつ、定着性や裏移り、安定性が良好な孔版印刷用W/
O型エマルションインクを提供すること。 【解決手段】 油相約10〜90重量%と水相90〜1
0重量%によって構成される油中水滴型エマルションイ
ンクにおいて、着色剤として添加されるカーボンブラッ
クの少なくとも一部がみかけ比重(測定 ASTM;D
1513)が400g/l〜500g/lの物性値を備
えていることを特徴とする孔版印刷用油中水滴型エマル
ションインク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は孔版印刷用エマルシ
ョンインクに関するものであり、より詳細には、職場環
境の汚濁を防ぎ、また被印刷物への定着性に優れるとと
もに裏移りがなく、良質の印刷物が得られる孔版印刷用
油中水滴型エマルションインクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷用エマルションインクを油相あ
るいは水相中の着色剤の分散工程から製造することは、
コスト及びインク処方への迅速な対応が可能になるなど
メリットが多い。しかし、着色剤としてカーボンブラッ
クを使用する場合、カーボンブラックを扱う職場はカー
ボン飛散による環境汚染が重要な問題となる。
【0003】カーボンブラックの飛散による環境汚染を
防ぐために、カーボンブラックをフレコンバックに詰め
たものを納入し、フレコンバックからプレミキシング釜
へのカーボンブラックの移送を完全密閉とし、カーボン
ブラックを減圧にてプレミキシング釜に吸引したりする
などの努力が成されてきた。ところが、この方法ではフ
レコンバック開封時にカーボンブラックが飛散するな
ど、職場環境の汚濁防止は満足のいくものとはなってい
ない。更にはフレコンバックコスト、完全密閉型カーボ
ン移送〜プレミキシング設備が高価でありコスト面で不
利となる。またカーボンブラック量の計測は、フレコン
バッグよりプレミキシング釜へ減圧によって移送する際
の移送量によるもので、カーボンブラック計量のバラツ
キが大きい。このため、インク中に占めるカーボンブラ
ック量が変動してインキの品質にも影響する可能性があ
る。
【0004】一方、孔版印刷用エマルションインクに求
められる画像品質として定着性と裏移りがある。孔版印
刷は他の印刷方法と比較して紙へのインク付着量が多
く、また乾燥はインクの紙への浸透乾燥のみであるの
で、特に定着性と裏移りが課題となる。定着性が低くな
ると印刷物を整理したり移動させたりする際に、紙同士
やあるいは指での摩擦により画像からインクが剥離して
しまい、画像品質が劣化する。あるいは画像上のインク
が印刷機より排紙された次の画像裏面を汚してしまう、
いわゆる裏移りが発生する場合がある。
【0005】上記の定着性、裏移りの問題はともに孔版
印刷用エマルションインクの油相あるいは水相中カーボ
ンの分散性が悪く、印刷後の紙上に粗大カーボン粒子が
多く残ってしまうことが主要因であると考えられてい
る。また、油相あるいは水相中における着色剤の分散性
は、孔版印刷用油中水滴型エマルションインクの安定性
にも影響しており、着色剤の分散が悪いと油分離等の不
具合を引き起こすことが知られている。
【0006】そうしたことから、インクに分散剤を添加
して紙などの被印刷物への着色剤の浸透性を高めること
が試みられている〔高分子学会編、印刷適正 P.23
4印刷学会出版部発行(1970);その他〕。また、
特公平5−62628号公報には、水相重量の5重量%
以上の高沸点非水溶性溶剤を含む孔版印刷用エマルショ
ンインクが提案され、特開平6−172691号公報に
は0.5〜5重量%のワックスを含む孔版印刷用エマル
ションインクが提案されている。さらに、特開平5−1
17564号公報や特開平4−372671号公報等に
は、定着性を高める等の目的でゲル化剤を含む孔版印刷
用エマルションインクが提案されている。しかし、これ
らの従来技術によって充分に裏移りを防止し、良好な定
着性を得るのは困難であり、より優れた裏移り防止技術
の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、職場環境を
良好に保持し、且つ定着性にすぐれ、裏移り減少を生じ
ないで、安定性が良好な孔版印刷用油中水滴型エマルシ
ョンインクを提供することをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は着色用カーボ
ンブラックの物性によってカーボンブラックの取り扱い
作業環境が良くも悪くもなり、また印刷後のインクの乾
燥性や定着性が大きく変動すると考え、改めてカーボン
ブラックについて検討を行なった。カーボンブラックの
みかけ比重の値が低いものは、見かけ粒度が小さくかさ
高く、空中に飛散し易いため、カーボンブラック取り扱
い作業環境を著しく悪化させる。また、カーボンブラッ
クのみかけ比重の値が高いと見かけ粒度は大きく、空中
への飛散は著しく改善される。しかし、見かけ比重が高
いと一般にカーボンブラック粒は硬くなるので、孔版印
刷用油中水滴型エマルションインクの油相、あるいは水
相中での分散を見かけ比重の値が低いカーボンブラック
と同等にまで分散することは困難となる。
【0009】そこで孔版印刷用油中水滴型エマルション
インクの系で鋭意、研究の結果、カーボンブラックの見
かけ比重(測定 ASTM;D1513)が400g/
l〜500g/lで作業環境、画像品質、及び安定性が
良好な孔版印刷用油中水滴型エマルションを得ることが
できた。さらにカーボンブラックのpH価を5以下(測
定ASTM;D1512)にすることで更なる改善を達
成することを見出した。カーボンのpH価が低いとカー
ボン表面の官能基が(−COOH、−OH基)が豊富で
あり、バインダーとの相性が良く、分散がさらに良好に
なるものと思われる。
【0010】従って、本発明によれば、第一に、油相約
10〜90重量%と水相90〜10重量%によって構成
される油中水滴型エマルションインクにおいて、着色剤
として添加されるカーボンブラックの少なくとも一部が
みかけ比重(測定 ASTM;D1513)が400g
/l〜500g/l、好ましくは450g/l〜480
g/lの物性値を備えていることを特徴とする孔版印刷
用油中水滴型エマルションインクが提供される。
【0011】第二に、カーボンブラックのpH価(AS
TM;D1512)が5以下、好ましくは3.5以下で
あることを特徴とする上記第一記載の孔版印刷用油中水
滴型エマルションインクが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。上記のように、本発明のインクに添加されている
カーボンブラックは、みかけ比重(測定ASTM;D1
513)が400g/l〜500g/lであり、好まし
くは450g/lから480g/lである。またpH価
が5以下(ASTM;D1512)であり、好ましくは
3.5以下である。このカーボンブラックの粒子径は1
5〜45nm、好ましくは20〜30nmであるのが有
利である。(ASTM;D3849)
【0013】本発明のインクに添加されるカーボンブラ
ックは、前記物性値を備えていれば単一品でも2種以上
混合物であっても良い。また、着色剤には前記物性値を
持つカーボンブラックと別の着色剤とを混ぜて使うこと
もできるが、この場合は前記物性値のカーボンブラック
を着色剤全重量の70%重量以上、好ましくは85重量
%以上とするのが望ましい。そして、インク内への着色
剤添加量は1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%
とするのが良い。
【0014】本発明のインクに前記物性値のカーボンブ
ラックと共に添加することのできる着色剤を例示する
と、前記とは物性値の異なるカーボンブラック;アゾ系
顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ
系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料、塩基性染料
系顔料、酸性染料系顔料及び天然染料系顔料等の顔料;
ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料;等
が挙げられる。これらの染顔料類は、単独でも2種以上
混合して添加しても良い。
【0015】本発明の孔版印刷用油中水滴型エマルショ
ンインクは、油相約10〜90重量%と水相約90〜1
0重量%によって構成されるエマルションインクであ
り、インク内には上記カーボンブラックのほか、少なく
とも油、水及び乳化剤を含有させることが必要である。
【0016】そして、ここで使われる水は清浄であれば
良く、具体的には水道水、イオン交換水、蒸留水等を使
えば良い。
【0017】インク製造用の油は公知の鉱物油や植物油
等であり、具体的には石油系溶剤、スピンドル油、流動
パラフィン、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑
油、モーター油等の鉱物油;あまに油、トール油、大豆
油、とうもろこし油、オリーブ油、なたね油、ひまし
油、脱水ひまし油等の植物油;等が例示される。また、
ポリイソブチレン類、水素化ポリデセン類、トリメチロ
ールプロパンエステル類、ネオペンチルエステル類、ペ
ンタエリスリトールエステル類、シロキサン類、シリコ
ーン類、フロロカーボン類、アルキル置換ジフェニルエ
ーテル類、フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の
合成油も使用可能である。なお、石油系溶剤としてはエ
クソン社のアイソパーや日本石油社の日石ソルベント等
の混合溶剤を使っても良い。そして、これらの油は単独
でも2種以上混合して使っても良い。
【0018】乳化剤には非イオン界面活性剤を使うのが
望ましく、具体的にはグリセリン脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひ
まし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸
アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムア
ルデヒド縮合物等が例示される。これらは単独又は2種
以上混合してインクに添加すれば良く、添加量はインク
重量の1〜8重量%、好ましくは2〜5.5重量%とす
れば良い。
【0019】以上のほか、油相にはエマルションの形成
を妨害しない範囲で樹脂、着色剤の分散剤、ゲル化剤及
び酸化防止剤等を添加することができる。なお、前記し
た着色剤や乳化剤も油相に含まれる。また、水相にはエ
マルションの形成を妨害しない範囲で水溶性高分子、防
腐・防かび剤、水の蒸発抑制剤、凍結防止剤、pH調整
剤、電解質を添加することができる。
【0020】油相に添加される樹脂は、着色剤と被印刷
物との固着、着色剤の分散及びインクの経時安定性向上
等のために従来から添加されているバインダー樹脂であ
る。従って、従来から添加されている樹脂を添加すれば
良く、具体的にはロジン;重合ロジン、水素化ロジン、
ロジンエステル、水素化ロジンエステル等のロジン形樹
脂;ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂;フ
ェニール樹脂;石油樹脂;アルキッド樹脂;ゴム誘導
体;重合ひまし油;等を1種又は2種以上混合して添加
すれば良い。また、添加量はインク重量の10重量%以
下、好ましくは1〜7重量%とすれば良い。
【0021】カーボンブラック等の着色剤用分散剤に
は、前記の乳化剤用非イオン界面活性剤を使うことがで
きる。このほか、アルキルアミン系高分子化合物、アル
ミニウムキレート系化合物、スチレン/無水マレイン酸
共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポ
リアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポリ
エーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポ
リカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド、燐酸エステ
ル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オ
レフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩等
も使用可能である。これらの分散剤は単独又は2種以上
混合して添加すれば良く、その添加量は着色剤重量の4
0重量%以下、好ましくは2〜35重量%とすれば良
い。
【0022】ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化
してインクの保存安定性、定着性、流動性等を向上させ
る役割を持ち、本発明のインクに添加されるゲル化剤と
しては油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。
このような化合物を例示すると、Li、Na、K、A
l、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr
等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石
鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニ
ウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナ
フテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸
塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセト
アセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。こ
れらのゲル化剤は、1種又は2種以上を油相に添加すれ
ば良く、その添加量は油相中の樹脂の15重量%以下、
好ましくは5〜10重量%である。
【0023】油相に添加される酸化防止剤は、ジブチル
ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロ
キシアニソール等であり、これらの添加によって油相中
のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインク
粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインク
中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量
%である。なお、酸化防止剤は単独でも2種以上を混合
して使っても良い。
【0024】エマルションインクの水相に添加される水
溶性高分子は、補湿や増粘のために添加されるものであ
り、具体的には下記の天然又は合成高分子が添加され
る。デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタ
ン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキス
トラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲ
ン、カゼイン等の天然高分子;カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カル
ボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合
成高分子;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル
酸樹脂誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子、その
他。これらの水溶性高分子は単独でも2種以上混合して
添加しても良く、インクに含まれる水の25重量%以
下、好ましくは0.5〜15重量%添加される。
【0025】水相に添加される防腐・防かび剤は、エマ
ルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加
され、エマルションを長期間保存する場合は防腐・防か
び剤の添加が普通である。防腐・防かび剤としてはサリ
チル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p
−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物及
びその塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢酸等
が使用され、これらは単独でも2種以上混合して使って
も良い。また、その添加量は、インク中に含まれる水の
3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重量%とする
のが良い。
【0026】水の蒸発抑制剤と凍結防止剤は兼用可能で
あり、これらの目的で添加される薬品はエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等
のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価ア
ルコール;グリセリンやソルビトール等の多価アルコー
ル;等である。これらの薬品は1種又は2種以上を添加
すれば良く、その添加量はインク中の水重量の15重量
%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0027】水相に添加されるpH調整剤は、トリエタ
ノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等で
あり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相の
pHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範
囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されて
いる場合にその効果が損なわれるなどの問題がある。
【0028】水相に添加される電解質は、エマルション
の安定性を高めるために添加されるものである。従っ
て、該電解質にはエマルションの安定度向上に有効な離
液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するのが
良い。離液順列が高い陰イオンは、クエン酸イオン、酒
石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液順
列が高い陽イオンはアルカリ金属イオンやアルカリ土類
金属イオンであるから、ここで添加される電解質として
は少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記イオンよ
りなる塩が好ましい。従って、ここで添加される電解質
としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン
酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム等が好ましく、その添加量は水相の
0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%で
ある。
【0029】上記のほか、本発明の孔版印刷用油中水滴
型エマルションインクには、印刷時に印刷用紙と印刷ド
ラムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上
がり防止等のために油相にワックスを添加することがで
きる。また、水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナ
トリウム等を添加して、水溶性高分子添加による高粘度
化を更に増進させることができる。さらに、水相に防錆
剤や消泡剤を添加して印刷の際に印刷機がインクによっ
て錆びたり、インクが泡立つことを防止することができ
る。これらの添加剤は、孔版印刷用インクに添加されて
いる公知品を必要に反して添加すれば良く、その添加量
は従来品の場合と同程度で良い。
【0030】本発明のエマルションインクは、油相及び
水相液を調製し、この両者の公知の乳化機内で乳化させ
てインクとすれば良い。すなわち、着色剤、乳化剤及び
必要に応じて添加される樹脂等の添加物を良く分散させ
た油を常法で調製し、これに防腐・防かび剤や水溶性高
分子等が必要に応じて添加されている水溶液を徐々に添
加して乳化させれば良い。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。なお、以下に記す部は重量部である。
【0032】 実施例1 (油相液組成) 着色剤 カーボンブラック(ラーベン1080、コロンビアン・ カーボン社製、みかけ比重465g/l、pH2.4) 3.0部 油 スピンドル油 15部 樹脂 ロジン変性フェノール樹脂 (ハリマ化成社製:商品名P−140) 5.0部 界面活性剤 ソルビタンセスキオレート (花王社製:商品名レオドールAO−15) 3.7部 ソルビタンモノオレエート (花王社製:商品名レオドールAO−10) 2.3部 酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0033】 (水相液組成) 水 イオン交換水 70.8部 防腐・防かび剤 パラオキシ安息香酸メチル 0.1部
【0034】油相液は、150℃で油に樹脂を溶解さ
せ、この液にカーボンブラックと界面活性剤と酸化防止
剤、油とを混合し、高速ディゾルバにて周速7m/se
c.で30min.攪拌した。(Max.0.5mm程
度の粗大カーボンあり(目視)) その後、ビーズミル(LMZ2、アシザワ社製)にて下
記条件にて分散処理を行い油相を得た。 ジルコニア製ビーズ系;1.5mm 周速;10mm/s 流速;0.7L/min 水相液は、防腐・防かび剤を水に良く溶解させて調製し
た。そして、乳化機として日光ケミカルズ社製の乳化試
験機ET−3A型を使用し、この中に油相液を仕込んで
400r.p.mの速度で液を攪拌しながら、徐々に水
相液を添加してエマルションインクを製造した。なお、
エマルションインク300gを製造する場合に水相液の
添加には15分を要した。
【0035】実施例2 油相液及び水相液の組成を変えた以外は実施例1と同様
にしてエマルションインクを製造した。 (油相液組成) 着色剤 カーボンブラック(ラーベン780、コロンビアン・ カーボン社製、みかけ比重465g/l、pH7.4) 3.0部 油 スピンドル油 15部 樹脂 ロジン変性フェノール樹脂 (ハリマ化成社製:商品名P−140) 5.0部 界面活性剤 ソルビタンセスキオレエート (花王社製:商品名レオドールAO−15) 3.7部 ソルビタンモノオレエート (花王社製:商品名レオドールAO−10) 2.3部 酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0036】 (水相液組成) 水 イオン交換水 70.8部 防腐・防かび剤 パラオキシ安息香酸メチル 0.1部
【0037】比較例1 油相液及び水相液の組成を変えた以外は実施例1と同様
にしてエマルションインクを製造した。 (油相液組成) 着色剤 カーボンブラックBLACK PEARLS−L (キャボット社製、みかけ比重505g/l、pH2.5) 3.0部 油 スピンドル油 15部 樹脂 ロジン変性フェノール樹脂 (ハリマ化成社製:商品名P−140) 5.0部 界面活性剤 ソルビタンセスキオレエート (花王社製:商品名レオドールAO−15) 3.7部 ソルビタンモノオレエート (花王社製:商品名レオドールAO−10) 2.3部 酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0038】 (水相液組成) 水 イオン交換水 70.8部 防腐・防かび剤 パラオキシ安息香酸メチル 0.1部
【0039】比較例2 油相液及び水相液の組成を変えた以外は実施例1と同様
にしてエマルションインクを製造した。 (油相液組成) 着色剤 カーボンブラック(ラーベン460、コロンビアン・ カーボン社製、みかけ比重510g/l、pH 8.0) 3.0部 油 スピンドル油 15部 樹脂 ロジン変性フェノール樹脂 (ハリマ化成社製:商品名P−140) 5.0部 界面活性剤 ソルビタンセスキオレート (花王社製:商品名レオドールAO−15) 3.7部 ソルビタンモノオレエート (花王社製:商品名レオドールAO−10) 2.3部 酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0040】 (水相液組成) 水 イオン交換水 70.8部 防腐・防かび剤 パラオキシ安息香酸メチル 0.1部
【0041】比較例3 油相液及び水相液の組成を変えた以外は実施例1と同様
にしてエマルションインクを製造した。 (油相液組成) 着色剤 カーボンブラック(ラーベン1255、コロンビアン・ カーボン社製、みかけ比重 255g/l、pH2.5) 3.0部 油 スピンドル油 15部 樹脂 ロジン変性フェノール (ハリマ化成社製:商品名P−140) 5.0部 界面活性剤 ソルビタンセスキオレエート (花王社製:商品名レオドールAO−15) 3.7部 ソルビタンモノオレエート (花王社製:商品名レオドールAO−10) 2.3部 酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0042】 (水相液組成) 水 イオン交換水 70.8部 防腐・防かび剤 パラオキシ安息香酸メチル 0.1部
【0043】(作業環境性の評価)実施例1〜2、比較
例1〜3でのインク作成中の作業環境性を下記表1(カ
ーボン取り扱い時の作業環境性)の基準にて評価した。
評価結果を表3に示す。
【表1】
【0044】(エマルションインクの評価)実施例1〜
2及び比較例1〜3のエマルションインクを使用し、リ
コー社製の画像評価用印刷用紙に孔版印刷する方法によ
って、印刷時に起こる裏移りの発生状況及び印刷画像の
定着性について評価した。また、実施例1〜2及び比較
例1〜3のエマルションインクの保存安定について評価
した。これらの評価方法は以下の通りである。なお、評
価用の印刷にはリコー社製印刷機JP5500を使用し
た。評価結果を表3に示す。
【0045】(1)裏移りの発生状況 気温20℃、相対湿度65%の環境下に種の印刷速度で
30枚づつ印刷し、30枚の印刷時に発生する裏移りの
状況を調べた。また、裏移りの発生状況は目視で調べ、
下記表2に示す評価基準に従って用紙1枚毎に点数を付
け、30枚の平均点数を算出した。なお、印刷速度は8
0枚/分で行った。
【0046】
【表2】
【0047】(2)画像の定着性 東洋精機社製クロックメーターで印刷画像を10回こす
り、こする前後の画像濃度をマクベス濃度計RD915
で測定して定着性を百分率で表した。すなわち、定着性
(%)=〔(こすってから測定した画像濃度)/(こす
る前に測定した画像濃度)〕×100で表される。
【0048】(3)インクの保存安定性 密閉容器に入れたインクを50℃の恒温槽内に1ヶ月間
放置し、放置によるインク成分の分離や変質を目視で調
べ、インクの分離や変質が認められない場合を○、イン
クから油又は水が滲み出ている場合を△、インク成分が
完全に分離している場合を×で表した。
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】実施例1〜2及び比較例1〜3の結果か
ら明らかなように、孔版印刷用油中水滴型エマルション
インクに着色剤として添加されるカーボンブラックの見
かけ比重(測定ASTM:D1513)が400〜50
0g/lの範囲にあれば、カーボンブラックの取り扱い
時の作業環境がよくなるだけでなく、印刷画像の定着性
や裏移りの点でも良好な結果が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相約10〜90重量%と水相90〜1
    0重量%によって構成される油中水滴型エマルションイ
    ンクにおいて、着色剤として添加されるカーボンブラッ
    クの少なくとも一部がみかけ比重(測定 ASTM;D
    1513)が400g/l〜500g/lの物性値を備
    えていることを特徴とする孔版印刷用油中水滴型エマル
    ションインク。
  2. 【請求項2】 上記カーボンブラックのpH価(AST
    M;D1512)が5以下であることを特徴とする請求
    項1記載の孔版印刷用油中水滴型エマルションインク。
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