JP2003252832A - (メタ)アクリル酸エステル製造時の副生物の分解方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステル製造時の副生物の分解方法

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JP2003252832A JP2002356973A JP2002356973A JP2003252832A JP 2003252832 A JP2003252832 A JP 2003252832A JP 2002356973 A JP2002356973 A JP 2002356973A JP 2002356973 A JP2002356973 A JP 2002356973A JP 2003252832 A JP2003252832 A JP 2003252832A
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Shuhei Yada
修平 矢田
Kenji Takasaki
研二 高崎
Yasuyuki Ogawa
寧之 小川
Yoshiro Suzuki
芳郎 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (メタ)アクリル酸エステルの製造工程で副
生するミカエル付加反応生成物の分解を行い、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルおよびアルコ
ールを回収する方法において、オレフィン類の副生が抑
制できる方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 炭素数3以上の分岐鎖を有するアルコー
ルを用いた(メタ)アクリル酸エステル製造時の副生物
を熱分解する方法であって、分解反応を無触媒で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素数3以上の分
岐鎖を有するアルコールを用いた(メタ)アクリル酸エ
ステル製造時の副生物を分解して(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸エステル及びアルコール等を回収す
るための(メタ)アクリル酸エステル製造時の副生物の
分解方法に関する。
【0002】なお、本明細書において、(メタ)アクリ
ル酸は、アクリル酸とメタクリル酸との総称であり、そ
のいずれか一方でもよく双方でもよい。
【0003】
【従来の技術】周知の通り、アクリル酸エステルを製造
するためのアクリル酸生成反応として、プロピレンの気
相酸化法がある。このプロピレンを酸化してアクリル酸
を得る方法には、アクロレインまでの酸化と次の段階の
アクリル酸までの酸化の条件が異なるため、それぞれを
別の反応器で行う二段酸化プロセスと、一段酸化で直接
アクリル酸まで酸化するプロセスとがある。
【0004】図1は二段酸化によりアクリル酸を生成さ
せ、次いでエステル化反応させてアクリル酸エステルを
製造する工程図の一例であり、プロピレン、水蒸気及び
空気がモリブデン系触媒等が充填された第一反応器及び
第二反応器を経て二段酸化されてアクリル酸含有ガスと
なる。このアクリル酸含有ガスを凝縮塔にて水と接触さ
せてアクリル酸水溶液とし、これに適当な抽出溶剤を加
えて抽出塔にて抽出し、溶剤分離塔にて該抽出溶剤を分
離する。次いで、酢酸分離塔にて酢酸を分離して粗アク
リル酸とし、この粗アクリル酸から精留塔にて副生物を
分離することによりアクリル酸精製物が得られる。この
アクリル酸(精製物)がエステル化反応塔にてエステル
化反応した後、抽出塔及び軽質分離塔を経て粗アクリル
酸エステルとされ、この粗アクリル酸エステルが精留塔
にて副生物(高沸点物)が分離されてアクリル酸エステ
ル精製物となる。
【0005】なお、近年では、上記のアクリル酸水溶液
からのアクリル酸の回収を、抽出溶剤を用いて行う溶剤
抽出法の代りに、水と共沸溶剤を用いて蒸留し、共沸分
離塔の塔頂からは水と共沸溶剤との共沸混合物を留出さ
せ、塔底からアクリル酸を回収する共沸分離法も行われ
ている。
【0006】メタクリル酸エステルの合成の場合は、プ
ロピレンの代りにイソブチレンもしくはt−ブチルアル
コールを用い、同様の酸化プロセス及びその後のエステ
ル化プロセスを経てメタクリル酸エステル精製物が得ら
れる。
【0007】なお、(メタ)アクリル酸エステル(アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル)を生成させる
方法としては、低級アルコールの(メタ)アクリル酸エ
ステルと高級アルコールとを酸等を触媒としてトランス
エステル化反応させ、高級アルコールの(メタ)アクリ
ル酸エステルを製造する方法も行われている。このトラ
ンスエステル化反応で得られた粗(メタ)アクリル酸エ
ステルは、触媒分離、濃縮、精留等の工程を経て精製
(メタ)アクリル酸エステルとされる。
【0008】上記の粗アクリル酸エステル、粗メタクリ
ル酸エステルを蒸留精製して分離された留分中には、ミ
カエル付加物などの有用な副生物が含まれているので、
これを分解して(メタ)アクリル酸やそのエステル、原
料アルコール等を回収することが行われている。
【0009】アクリル酸エステルのミカエル付加物の分
解方法としては、ルイス酸もしくはルイス塩基の存在下
に加熱して分解する方法が採用されている(特開昭49
−55614号公報、特開平9−110791号公
報)。
【0010】
【特許文献1】特開昭49−55614号公報
【特許文献2】特開平9−110791号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】(メタ)アクリル酸エ
ステルの製造工程で副生するミカエル付加反応生成物
を、ルイス酸やルイス塩基を触媒として分解反応を行
い、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル
およびアルコールを回収する方法にあっては、エステル
のアルコール残基が枝分れを有している場合、分解反応
時にオレフィン類が副生し、運転上の障害となってい
た。即ち、この反応で生じるオレフィンは一般に沸点が
低く、分解反応器や凝縮器で凝縮しにくいものであるた
め、真空系の反応器や蒸留塔での適正操作を妨害した
り、反応成績や分離能力に悪影響を及ぼすなどの問題が
あった。
【0012】オレフィン類の副生の問題点を、具体的に
アクリル酸イソブチルエステル製造時およびアクリル酸
2−エチルヘキシルエステル製造時について詳述する。
【0013】アクリル酸イソブチルエステル製造時のミ
カエル付加物の分解工程では、オレフィンとして、イソ
ブチルアルコール由来のイソブチレンが副生する。この
副生イソブチレンは、標準沸点が266.1Kと極めて
低く、減圧系で操作される分解反応器自身や回収先の蒸
留塔の凝縮器で凝縮しにくい。そのため、イソブチレン
の副生量が増大すると真空系の制御を妨害し、適正な圧
力条件での分解反応や蒸留が困難となり、反応や分離操
作に悪影響を及ぼす。
【0014】アクリル酸2−エチルヘキシルエステル製
造時のミカエル付加物の分解工程では、2−エチルヘキ
シルアルコール由来の2−エチル−1−ヘキセン並びに
その異性体が副生する。この炭素数が8のオレフィン類
を含む留分を反応系に回収した場合、これらのオレフィ
ン類が水と共沸するだけではなく、原料のアクリル酸と
も共沸混合物を形成するため、アクリル酸が損失すると
いう重大な問題が生じる。一般的に、エステル化反応
は、反応中に生成する水を系外に除去することで反応の
平衡をずらし、高転化率を得る反応蒸留方式で行なう場
合と、反応後に未反応アクリル酸、水、アルコール、アク
リル酸エステルを抽出や蒸留で分離する場合がある。こ
れらいずれの方式においても、塔頂留分の水相中にアク
リル酸が溶解し損失する。ミカエル付加物の分解工程で
回収されたオレフィン類を含むアクリル酸、2−エチル
ヘキシルアルコール、アクリル酸2−エチルヘキシルエ
ステルを精製系に回収した場合でも、精製系の蒸留系で
上記と同様なアクリル酸の損失が起きる。仮にアクリル
酸や水を含まない蒸留系に回収した場合は、軽質分とし
て2−エチルヘキシルアルコールなどと共に結局は反応
系にリサイクルされ、上記のアクリル酸の損失が起る。
【0015】本発明は、上記従来の問題点を解決し、炭
素数3以上の分岐鎖を有するアルコールを用いた(メ
タ)アクリル酸エステルの製造工程で副生するミカエル
付加反応生成物等の副生物の分解を行い、(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸エステルおよびアルコール
などを回収する方法において、オレフィンの副生を抑制
しつつ高回収率にて分解することができる方法を提供す
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の(メタ)アクリ
ル酸エステル製造時の副生物の分解方法は、炭素数3以
上の分岐鎖を有するアルコールを用いた(メタ)アクリ
ル酸エステル製造時の副生物を熱分解する方法であっ
て、分解反応を無触媒で行うことを特徴とするものであ
る。
【0017】(メタ)アクリル酸エステルの製造工程で
副生するミカエル付加物の分解工程において、従来は、
回収率を上げるために、酸触媒を使用していた。しか
し、アルコールとして分岐鎖を有するアルコールを用い
たときには、触媒の作用によって未反応アルコールが脱
水反応してオレフィンを生成させる。このオレフィンは
上述の通り、真空系の制御を妨害するという弊害があっ
た。
【0018】本発明者の研究の結果、むしろ、酸触媒を
使用しないことがオレフィンの生成を抑え、生産性を向
上させることが見出された。
【0019】本発明は、かかる知見に基づくものであ
り、本発明によれば炭素数3以上の分岐鎖を有するアル
コールを用いた(メタ)アクリル酸エステル製造時に副
生するミカエル付加物の分解を効率良く行うことができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳しく説
明する。
【0021】本発明の(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、炭素数が3以上好ましくは4以上の分岐鎖を有す
るアルコール、例えば、イソブチルアルコール、2−エ
チルヘキシルアルコール、イソオクチルアルコール、イ
ソノニルアルコール又はイソデシルアルコール等の枝分
かれを有したアルコールから製造される(メタ)アクリ
ル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリ
ル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、等が
好ましい。
【0022】ミカエル付加物は、(メタ)アクリル酸エ
ステルを製造する場合に、反応工程や精製工程で生成す
る副生物であり、これらの製造過程で存在する(メタ)
アクリロイル基を持つ化合物の(メタ)アクリロイル基
のα位もしくはβ位に、(メタ)アクリル酸、またはア
ルコール、または水、または酢酸がミカエル付加した化
合物である。製造過程で存在する(メタ)アクリロイル
基を持つ化合物には、(メタ)アクリル酸およびその
(メタ)アクリル酸に(メタ)アクリル酸がミカエル付
加したβ−アクリロキシプロピオン酸又はβ−メタクリ
ロキシイソ酪酸(以下、ダイマー)、さらにこのダイマ
ーに(メタ)アクリル酸がミカエル付加した(メタ)ア
クリル酸3量体(以下、トリマー)、(メタ)アクリル
酸4量体(以下、テトラマー)等のカルボン酸、およ
び、それらの(メタ)アクリロイル基を有するカルボン
酸が前記アルコールでエステル化された対応する(メ
タ)アクリル酸エステルがある。
【0023】ミカエル付加物として具体的には、β−ア
クリロキシプロピオン酸ならびにβ−メタクリロキシイ
ソ酪酸およびそのエステル、β−アルコキシプロピオン
酸もしくはβ−アルコキシイソ酪酸およびそのエステ
ル、β−ヒドロキシプロピオン酸もしくはイソ酪酸およ
びそのエステルおよびアルデヒド体、さらにはダイマ
ー、トリマー、テトラマー等、およびそれらのエステ
ル、およびそれらのβ−アクリロキシ体、β−アルコキ
シ体、β−ヒドロキシ体などがある。
【0024】本発明において、(メタ)アクリル酸エス
テルを製造するための(メタ)アクリル酸は、好ましく
はプロパン、プロピレン、アクロレイン、イソブチレ
ン、t−ブチルアルコール等の接触気相酸化反応で得ら
れるものであり、ガス状酸化反応生成物を急冷、水でク
エンチ後、水とアクリル酸との分離を、共沸溶媒を用い
る共沸蒸留法、または溶媒を用いる抽出法で行い、さら
に酢酸などの低沸点化合物を分離した後、ミカエル付加
物などの重質分と分離して高純度(メタ)アクリル酸が
製造される。なお、水と酢酸を同時に共沸剤を用いて分
離してもよい。
【0025】本発明において、(メタ)アクリル酸エス
テルを製造する方法としては、(メタ)アクリル酸にア
ルコールをエステル化反応させる方法でもよく、低級ア
ルコールのアクリル酸エステルと炭素数3以上の分岐鎖
を有するアルコールをトランスエステル化反応させ、該
アルコールのアクリル酸エステルを製造する方法でもよ
い。また、製造プロセスとしては回分式、連続式いずれ
も可能である。これらのエステル化、トランスエステル
化の触媒としては酸触媒が一般的に使用される。
【0026】(メタ)アクリル酸エステル製造プロセス
は、好ましくは、反応工程と、この反応工程で得られた
粗アクリル酸エステル液を触媒分離、濃縮・精製等を行
う為の洗浄、抽出、蒸発、蒸留等を行う精製工程よりな
る。反応工程での(メタ)アクリル酸または(メタ)ア
クリル酸エステルとアルコールの原料モル比、反応に用
いる触媒種および量、反応方式、反応条件等は用いるア
ルコールの原料種によって適宜選定される。エステル化
反応工程で主として副生するミカエル付加物は、有効成
分を回収する蒸留塔の塔底に重質分として濃縮される。
【0027】本発明において、ミカエル付加物の分解反
応を実施する反応プロセスには、連続式、回分式、半回
分式あるいは間歇抜き出し方式等いかなる方式も採用さ
れ得るが、連続式が好ましい。反応器形式の形式にも特
に制限はなく、流通式管式反応器、薄膜流下型反応器、
完全混合槽型攪拌槽反応器、循環型完全混合槽反応器等
のいずれの形式も採用できる。分解反応生成物中に含ま
れる有用成分を反応中に蒸発または蒸留で取得する方
法、または分解反応後、蒸発ないしは蒸留で取得する方
法のいずれも採用できるが、高回収率を得るには前者の
反応蒸留方式の方が好ましい。
【0028】反応蒸留方式を採用した場合の反応圧力
は、後述する反応温度に大きく依存し、分解反応で生成
した、および分解反応原料中に含まれるアクリル酸、ア
クリル酸エステル、アルコール等の有用成分の大半が蒸
発するような圧力が採用される。
【0029】本発明では、この分解を無触媒で行う。
【0030】分解反応温度は180〜280℃特に20
0〜250℃が好ましい。抜き出し液基準の液滞留時間
は0.5〜20時間特に1〜10時間が好ましい。な
お、分解反応を連続反応で行う場合、反応時間は抜き出
し液で換算した液滞留時間を反応時間とみなすことがで
きる。例えば、反応器内の液容量が500L、抜き出し
液量が100L/Hの場合、滞留時間は5時間となる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明について、実施例および比較
例を挙げて詳細に説明する。
【0032】実施例1 アクリル酸2−エチルヘキシルエステル製造工程の製品
塔塔底液の分解反応を実施した。塔底液の組成は、アク
リル酸2−エチルヘキシル22重量%、β−2−エチル
ヘキソキシプロピオン酸2−エチルヘキシル48重量
%、β−アクリロキシプロピオン酸2−エチルヘキシル
9重量%、β−ヒドロキシプロピオン酸2−エチルヘキ
シル3重量%、その他重質物18重量%で、3.0kg
/hで分解反応器に供給した。分解反応器は、内径20
0mm、長さ400mm、材質はハステロイCであり、
上部に内径30mm、長さ1000mmでコイルパック
を500mm充填した蒸留塔、および付属のコンデンサ
ー、真空系を設置した。分解反応器は外部ヒーターによ
り反応温度を制御し、液滞留時間は分解反応器内の液面
で制御した。反応圧力80kPa、分解温度230℃、
滞留時間2時間で分解反応を実施した結果、塔底よりア
クリル酸2−エチルヘキシル6重量%、β−2−エチル
ヘキソキシプロピオン酸2−エチルヘキシル44重量
%、β−アクリロキシプロピオン酸2−エチルヘキシル
9重量%、β−ヒドロキシプロピオン酸2−エチルヘキ
シル2重量%、その他39重量%で、1.3kg/hが
反応残渣物として得られた。塔頂からは1.70kg/
hのアクリル酸、アクリル酸2−エチルヘキシル、2−
エチルヘキシルアルコールが主成分の留分が回収され、
2−エチル−1−ヘキセンおよびその異性体は合計0.
15重量%含有していた。
【0033】比較例1 実施例1と全く同一の原料と装置を用いて分解反応実験
を行った。原料は3.0kg/hで供給し、触媒として
p−トルエンスルホン酸を150g/hで供給した。反
応圧力27kPa、分解温度190℃、滞留時間2時間
で分解反応を実施した結果、塔底よりアクリル酸2−エ
チルヘキシル5重量%、β−2−エチルヘキソキシプロ
ピオン酸2−エチルヘキシル42重量%、β−アクリロ
キシプロピオン酸2−エチルヘキシル8重量%、β−ヒ
ドロキシプロピオン酸2−エチルヘキシル2重量%、p
−トルエンスルホン酸10重量%、その他重質物33重
量%で、1.5kg/hが反応残渣として得られた。分
解反応器上部の蒸留塔塔頂からは1.65kg/hのア
クリル酸、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、2
−エチルヘキシルアルコールが主成分の留分が回収さ
れ、2−エチル−1−ヘキセンおよびその異性体が合計
2.78重量%含有していた。
【0034】実施例2 実施例1と同一の分解反応装置を用い、アクリル酸イソ
ブチルエステル製造プラントの重質分分離塔の塔底液を
原料とし、実施例1と同様な温度、液滞留時間として分
解反応を行った。原料の塔底液の組成はアクリル酸イソ
ブチル19重量%、β−イソブトキシプロピオン酸イソ
ブチル65重量%、β−アクリロキシプロピオン酸イソ
ブチル4重量%、β−ヒドロキシプロピオン酸イソブチ
ル2重量%、その他重質物10重量%で、3.0kg/
hでフィードした。圧力は100kPaで分解を行っ
た。分解反応器上部の蒸留塔塔頂からは、1.85kg
/hの回収液が得られ、回収液中およびアセトン−ドラ
イアイストラップに捕集されたイソブチレンの合計量は
2.7g/hであった。
【0035】比較例2 実施例1と同一の分解反応装置を用い、原料は実施例2
と同じ塔底液を3.0kg/hでフィードした。液滞留
時間は実施例2と同じとし、温度は190℃、圧力は4
0kPaで、p−トルエンスルホン酸を150g/hで
フィードして分解を行った。分解反応器上部の蒸留塔塔
頂からは、1.79kg/hの回収液が得られ、回収液
中およびアセトン−ドライアイストラップに捕集された
イソブチレンの合計量は48g/hであった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
炭素数3以上の分岐鎖を有するアルコールを用いた(メ
タ)アクリル酸エステル製造工程で副生するミカエル付
加反応生成物の分解処理を行い、オレフィンの副生を抑
制しながら(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エ
ステルおよびアルコールを高率にて回収することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクリル酸及びアクリル酸エステルの製造工程
図の一例である。
フロントページの続き (72)発明者 小川 寧之 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 鈴木 芳郎 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD30 BC50 BC51 BD84

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数3以上の分岐鎖を有するアルコー
    ルを用いた(メタ)アクリル酸エステル製造時の副生物
    を熱分解する方法であって、 分解反応を無触媒で行うことを特徴とする(メタ)アク
    リル酸エステル製造時の副生物の分解方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、(メタ)アクリル酸
    エステル製造時の副生物は、(メタ)アクリル酸エステ
    ル製造工程の高沸点物を分離する蒸留塔の塔底液である
    ことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル製造時の
    副生物の分解方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、(メタ)アク
    リル酸エステル生成反応は、(メタ)アクリル酸とアル
    コールとのエステル化反応及び/又は(メタ)アクリル
    酸エステルとアルコールとのトランスエステル化反応で
    あることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル製造
    時の副生物の分解方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、アルコールがイソブ
    チルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソ
    オクチルアルコール、イソノニルアルコール又はイソデ
    シルアルコールであることを特徴とする(メタ)アクリ
    ル酸エステル製造時の副生物の分解方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、前記(メタ)アクリル酸エステル製造時の副生物
    は、ミカエル付加物を含有することを特徴とする(メ
    タ)アクリル酸エステル製造時の副生物の分解方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、ミカエル付加物は
    (メタ)アクリロイル基のα位もしくはβ位に水、アル
    コール、(メタ)アクリル酸又は酢酸が付加した化合物
    であることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル製
    造時の副生物の分解方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
    て、前記分解処理温度が180〜280℃であることを
    特徴とする(メタ)アクリル酸エステル製造時の副生物
    の分解方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
    て、前記分解処理時間が0.5〜20時間であることを
    特徴とする(メタ)アクリル酸エステル製造時の副生物
    の分解方法。
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