JP2003251439A - 連続鋳造用鋳型、その短辺鋳型の交換方法およびそれを用いた鋳片の幅変更方法 - Google Patents

連続鋳造用鋳型、その短辺鋳型の交換方法およびそれを用いた鋳片の幅変更方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オンラインで短辺鋳型を交換した後、連続鋳
造機を再稼動させるまでの停止時間を短くすることが可
能で、適正なクランプ力で移動側長辺鋳型によりクラン
プすることができる構造が簡単な連続鋳造用鋳型、その
短辺鋳型の交換方法およびそれを用いた鋳片の幅変更方
法を提供する。 【解決手段】 移動側長辺鋳型を前進、後退させる長辺
鋳型移動機構をウオームジャッキ方式とし、ウオームジ
ャッキを駆動する油圧モーターを位置切換弁と減圧弁を
有する油供給装置に接続した連続鋳造用鋳型、その短辺
鋳型の交換方法およびそれを用いた鋳片の幅変更方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オンラインで短辺
鋳型の交換を行うことが可能な組立式の連続鋳造用鋳
型、その短辺鋳型の交換方法およびそれを用いた鋳片の
幅変更方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳片を連続的に鋳造する連続鋳造用鋳型
としては、例えば、図5に示すような組立式の鋳型が用
いられていた。この組立式の鋳型は、長辺鋳型1、2と
に挟まれた一対の短辺鋳型3を有し、鋳片の幅変更時、
クランプ力発生装置5のクランプ力を小さくした状態
(以下、クランプ力キャンセル状態ともいう)で一対の
短辺鋳型3の間隔を変えることができるように構成され
ている。
【0003】なお、通常の操業では、クランプ力発生装
置5をクランプ力発生状態とし、鋳片の鋳造を行ってい
る。図中符号、5aは作動油配管であって、作動油配管5a
内を流れる圧油の方向を油圧ユニット5bにより切換、ク
ランプ力発生装置5の状態を切換ている。また、Bは移
動側長辺バックフレーム1bの幅、Hは移動側長辺バック
フレーム1bの高さである。この鋳型は、長辺バックフレ
ーム1b、2bにそれぞれ長辺銅板1a、2aを取り付けて長辺
鋳型1、2となし、同様に短辺バックフレーム3bに短辺
銅板3aを取り付けて一対の短辺鋳型3をなし、長辺鋳型
1、2で短辺鋳型3を挟込み、長辺バックフレーム1b、
2b間に差し渡された支持ロッド4に引張り力が働くよう
にするクランプ力発生装置5を有し、移動側長辺鋳型1
により短辺鋳型3をクランプするように構成されてい
る。
【0004】上述した鋳型は、短辺鋳型3の交換時間が
極めて長いため、短辺鋳型3の厚み毎に専用の鋳型を保
有し、使用していた。一方、オンラインで短辺鋳型の交
換を行うことが可能な組立式の連続鋳造用鋳型として、
図6に示すような長辺鋳型移動機構を設けたものが知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記組立式の鋳型は、
長辺鋳型移動機構として、回転検出器11と、ウオームジ
ャッキ6を減速器8を介して駆動する油圧モーター9
と、油圧モーター9の回転数を制御する位置演算制御装
置12とを有し、ウオームジャッキ6のウオーム軸7に接
続された回転検出器11の信号に基づいて、移動側長辺鋳
型1の停止位置を制御している。
【0006】この鋳型の停止位置制御は、短辺鋳型3を
交換した後、移動側長辺鋳型1と短辺鋳型3間のすき間
Gが目標すき間G0 となるように、目標すき間G0 およ
び交換後に使用する短辺鋳型3の長さCとから計算され
る目標停止位置に移動側長辺鋳型1を移動するようにし
ている。目標すき間G0 は、たとえば、熱膨張量を見込
んで0.3mm 程度である。
【0007】しかしながら、目標停止位置に移動側長辺
鋳型1を位置決めする方法では、回転検出器11が高温環
境下で使用されるため、作動が不安定となってしまう場
合があり、回転検出器11が使用できなくなることがあっ
た。また、鋼板の摩耗による影響もあるため、結局はす
き間の目視確認が必要で、このため、短辺鋳型3を交換
した後、移動側長辺鋳型1と短辺鋳型3間に目標すき間
0 を超えるすき間Gがある状態で移動側長辺鋳型1を
一旦停止させた後、移動側長辺鋳型1の寸動、停止を繰
り返し、すき間ゲージによる測定を行うことになり、目
標すき間G0 とするのに時間を要するという問題があっ
た。
【0008】また、目標停止位置に移動側長辺鋳型1を
位置決めする鋳型は、回転検出器11をウオーム軸7に取
り付け、検出した信号を取り出し、位置演算制御装置12
により位置制御を行う必要があるため、構造が複雑とな
り、鋳型が高価となるという問題があった。ところで、
実開昭61-185548 号公報には、図7に示すように、移動
側長辺鋳型1にロッド22を介して取り付けられた油圧シ
リンダー21によって、鋳片Sの厚み方向に移動側長辺鋳
型1を移動する長辺鋳型移動機構を有する組立鋳型が示
されている。図中符号、23はパルスモータであって、長
辺鋳型移動機構は、パルスモータ23の信号に基づき、制
御装置24により油圧ユニット25を操作し、油圧シリンダ
ー21の位置を制御するように構成されている。
【0009】しかしながら、油圧シリンダー21により移
動側長辺鋳型1を移動する長辺鋳型移動機構を用いた場
合、油圧シリンダー21を鋳片の凝固、収縮及び静鉄圧等
を考慮し、4箇所に設けた油圧シリンダーにより高精度
な位置制御を行わなければならず、構造が複雑となり、
鋳型のコストが高くなるという欠点がある。また、油圧
シリンダー21により鋳片Sの厚み方向に移動側長辺鋳型
1を移動する長辺鋳型移動機構を有する鋳型は、油圧シ
リンダー21を設置するスペースが必要であり、図6に示
したウオームジャッキ方式の既設組立式鋳型に採用する
のは困難である。
【0010】なお、26は鋳型支持フレームである。そこ
で、本発明は、上記従来技術の問題点を解消することに
あり、オンラインで短辺鋳型を交換した後、連続鋳造機
を再稼動させるまでの停止時間を短くすることが可能
で、適正なクランプ力で移動側長辺鋳型によりクランプ
することができる構造が簡単な連続鋳造用鋳型、その短
辺鋳型の交換方法およびそれを用いた鋳片の幅変更方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のとおり
である。 1. 移動側長辺鋳型と固定側長辺鋳型とで短辺鋳型を
挟込み、クランプ力発生装置によって支持ロッドに引張
り力が働くようにし、前記移動側長辺鋳型により短辺鋳
型をクランプするように構成された連続鋳造用鋳型にお
いて、前記移動側長辺鋳型を前進、後退させる長辺鋳型
移動機構をウオームジャッキ方式とし、ウオームジャッ
キを駆動する油圧モーターを位置切換弁と減圧弁を有す
る油供給装置に接続したことを特徴とする連続鋳造用鋳
型。 2. 前記減圧弁をパイロット作動形減圧弁とすること
を特徴とする上記1.に記載の連続鋳造用鋳型。 3. 前記クランプ力発生装置は、クランプ力発生状態
とした場合、クランプ力が10,000〜90,000Nの範囲内と
なりかつクランプ力キャンセル状態とした場合、クラン
プ力発生状態の1/5 〜1/50のクランプ力となるように構
成されていることを特徴とする上記1.または2.に記
載の連続鋳造用鋳型。 4. 移動側長辺鋳型と固定側長辺鋳型とで短辺鋳型を
挟込み、クランプ力発生装置によって支持ロッドに引張
り力が働くようにし、前記移動側長辺鋳型により短辺鋳
型をクランプするように構成された連続鋳造用鋳型にお
ける短辺鋳型の交換方法であって、前記連続鋳造用鋳型
を連続鋳造機に組み込んだ状態で、前記短辺鋳型を交換
した後、前記クランプ力発生装置をクランプ力キャンセ
ル状態とし、前記移動側長辺鋳型を前記短辺鋳型に当接
させ、次いで、前記クランプ力発生装置をクランプ力発
生状態とし、前記移動側長辺鋳型により前記短辺鋳型を
クランプすることを特徴とする短辺鋳型の交換方法。 5. 前記移動側長辺鋳型を前記短辺鋳型に当接させる
直前に、前記油圧モーターを駆動する油圧を前記移動側
長辺鋳型を移動させるのに必要な最小限の圧力に減圧す
ることを特徴とする請求項4に記載の短辺鋳型の交換方
法。 6. 前記連続鋳造用鋳型を連続鋳造機に組み込み、幅
変更に際して、前記クランプ力発生装置をクランプ力キ
ャンセル状態とし、前記短辺鋳型を移動させ、鋳片の幅
変更を行うことを特徴とする鋳片の幅変更方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1〜3を用い、本発明に
係る連続鋳造鋳型(以下、単に鋳型ともいう)について
説明する。図1は本発明に係る鋳型の概略構成図であ
り、図2、図3は、本発明に用いて好適なクランプ力発
生装置の概略断面図であって、図2はクランプ力発生状
態、図3はクランプ力キャンセル状態である。なお、図
6に示した鋳型と同じものについては同一符号を付し説
明を省略する。
【0013】本発明に係る鋳型は、移動側長辺鋳型1を
前進、後退させるウオームジャッキ方式の長辺鋳型移動
機構を有する。長辺鋳型移動機構は、ウオームジャッキ
6と、ウオームジャッキ6を駆動する油圧モーター9
と、油圧モーター9に圧油を供給する油供給装置14とを
備え、油圧モーター9は、油圧配管10a 、10b を介して
油供給装置14に接続されている。本発明においては、油
供給装置14として、位置切換弁14a 、減圧弁14b 、ポン
プPおよびタンクTを設け、油圧ユニットとした。
【0014】本発明に係る鋳型では、移動側長辺鋳型1
の前進、停止、後退の切換は、位置切換弁14a によって
行われる。また、減圧弁14b としてパイロット作動形減
圧弁を用いた。上記の移動側長辺鋳型1は、油圧モータ
ー9に供給される圧油により、減速器8、ウオームジャ
ッキ6および支持ロッド4を介して前進、後退するよう
に構成されている。油圧モーター9からの駆動トルク
は、減速器8を介し、ウオーム軸7に取り付けたウオー
ムと、支持ロッド4に取り付けたウオームホイールを介
して支持ロッド4に伝達される。移動側長辺鋳型1を前
進、後退させる油圧モーター9の設置台数は、移動側長
辺鋳型1を移動させるに要する駆動トルクに応じて1
台、もしくは複数台とすることができる。鋳型の幅方向
に2箇所、鋳型の高さ方向に2箇所に設けてあるウオー
ムジャッキ6は、連動して当距離の移動とするため、同
調軸によりメカニカルに連結するのが望ましい。
【0015】以上説明したように本発明に係る鋳型は、
回転検出器11および位置演算制御装置12等からなる移動
側長辺鋳型1の位置を制御する位置制御装置(図6参
照)を設けず、移動側長辺鋳型1の移動を行うようにし
たので構造が簡単な鋳型とすることができた。ここで、
図1中符号5aはクランプ力発生装置5に接続された作動
油配管であり、クランプ力発生装置5は、作動油配管5a
を介して油圧ユニット5bに接続されている。
【0016】図1は、短辺鋳型3を交換した後、位置切
換弁14a を図中に示す位置とし、移動側長辺鋳型1を前
進させ、移動側長辺鋳型1と短辺鋳型3間のすき間Gを
減少させている場合である。その際、クランプ力発生装
置5には、作動油配管5aを介して油圧ユニット5bから作
動油が送られ、クランプ力発生装置5はクランプ力キャ
ンセル状態とされている。
【0017】本発明に用いて好適なクランプ力発生装置
5の構造を図2、図3を用いて説明する。図2はクラン
プ力発生状態であり、図3はクランプ力キャンセル状態
である。図中矢印58、59は作動油の流出、流入方向をそ
れぞれ示す。本発明に用いて好適なクランプ力発生装置
5は、クランプケース51の一端部が移動側長辺バックフ
レーム1bに取り付けてある。クランプケース51の他端部
には、油室52が設けてあり、ピストン53が装着されてい
る。また、クランプケース51内には、座金55に挟まれた
複数の皿バネ54が支持ロッド4の一端側に挿通され、ね
じに螺合させた六角ナット56により止められた状態で支
持ロッド4の一端側に配置されている。なお、クランプ
ケース51の他端部内側には、ピストン53のストロークが
aとなるように、所定位置にリング状の係止部57が設け
てあり、作動油配管5aから作動油が油室52内へ送られた
場合(図3参照)、ピストン53が前進し、上記のリング
状の係止部57により係止され、一方、作動油配管5aから
油室52内の作動油が戻された場合(図2参照)、ピスト
ン53が後退し、六角ナット56が上記のリング状の係止部
57により係止される。すなわち、クランプ力キャンセル
状態では、図3に示すように複数の皿バネ54がL=aと
なるようにピストン53により圧縮されている一方、クラ
ンプ力発生状態では、図2に示すようにピストン53によ
る複数の皿バネ54の圧縮がなくなり、複数の皿バネ54が
L=a+Δaとされている。
【0018】次ぎに、クランプ力発生装置5の作用につ
いて簡単に説明する。短辺鋳型3を交換した後、支持ロ
ッド4を短辺鋳型方向(図で上方)に引きつける際に
は、図3に示すようにクランプ力キャンセル状態とし、
Δaだけ圧縮された複数の皿バネ54を介して移動側長辺
バックフレーム1bを短辺鋳型方向に向けて前進させ、移
動側長辺鋳型1を短辺鋳型3に当接させる。
【0019】次いで、図2に示すようにクランプ力発生
状態とし、圧縮された複数の皿バネ54により、所定の範
囲内の引張り力を支持ロッド4に働かせる。そして、移
動側長辺鋳型1により短辺鋳型3をクランプする(図4
(a)参照)。なお、本発明に係る鋳型では、クランプ
力発生装置5をクランプ力発生状態とした場合、クラン
プ力が10,000〜90,000Nとなる。一方、クランプ力発生
装置5をクランプ力キャンセル状態とした場合、クラン
プ力発生状態の力に対し1/5 〜1/50のクランプ力が働く
ように構成されている。クランプ力とは、移動側長辺鋳
型1の短辺鋳型3に対する押し付け力であり、キャンセ
ル状態におけるクランプ力は、移動側長辺鋳型1と短辺
鋳型3間、および短辺鋳型3と固定側長辺鋳型2間の両
方において、すき間が生じない程度の押し付け力とす
る。
【0020】このように、本発明に係る短辺鋳型の交換
方法は、短辺鋳型3を交換した後、移動側長辺鋳型1に
より短辺鋳型3をクランプするので、短辺鋳型3を交換
した後、0.3mm 程度の目標すき間G0 に微調整する必要
がない。また本発明に係る短辺鋳型の交換方法によれ
ば、移動側長辺鋳型1を一旦停止させた後、移動側長辺
鋳型1の寸動、停止を繰り返し行うこともないため、す
き間調整時間をなくすことができる。この結果、オンラ
インで短辺鋳型3を交換した後、連続鋳造機を再稼動さ
せるまでの停止時間を短くすることができる。また、本
発明に係る短辺鋳型の交換方法では、幅変更を行ってい
ない時、クランプ力発生装置5をクランプ力発生状態と
しているので、ブレークアウトの発生を抑制することが
できる。
【0021】本発明に用いる減圧弁14a はパイロット減
圧弁とするのが好ましい。パイロット減圧弁は、移動側
長辺鋳型1を前進させる際、パイロット圧により圧力を
変更可能であって、移動側長辺鋳型1が短辺鋳型3に当
接する直前に、油圧モーター9を駆動する圧油の圧力を
移動側長辺鋳型1を移動させるのに必要な最小限の圧力
に減圧することができる。このため、パイロット減圧弁
を有する鋳型では、クランプ力発生装置5をクランプ力
発生状態としたとき、支持ロッド4に所定の引張り力が
働くようにでき、目標とするクランプ力で移動側長辺鋳
型1により短辺鋳型3をクランプすることができる。
【0022】ここで、図4(a)は、幅変更を行ってい
ない鋳造時の鋳型の状態を説明する図であり、クランプ
力発生装置5は、クランプ力発生状態(クランプ力発生
装置5から作動油が流出した状態)とされている。鋳片
の鋳造時には、位置切換弁14a の位置は、図4(a)に
示すように移動側長辺鋳型1を短辺鋳型3に向けて前進
させる位置(図1における位置切換弁14a の位置と同
じ)としている。
【0023】上述した本発明に係る鋳型を用い、鋳片の
鋳造時、幅変更を行っていない図4(a)に示す状態か
ら、鋳片の幅変更を行う状態に変更するには、クランプ
力発生装置5をクランプ力キャンセル状態とし、短辺鋳
型3を移動させ、鋳片の幅変更を行うようにすればよ
い。このようにすることにより、上述したとおり、クラ
ンプ力発生装置5をクランプ力キャンセル状態としたと
きには、移動側長辺鋳型1と短辺鋳型3間、および短辺
鋳型3と固定側長辺鋳型2間の両方においてすき間が生
じず、好ましくは、移動側長辺鋳型1により短辺鋳型3
がクランプ力発生状態の力に対し1/5 〜1/50のクランプ
力でクランプされている。このため、長辺銅板1aまたは
2aに擦り疵80が発生せず、またブレークアウトの発生を
抑制でき、安定した鋳片の鋳造を行うことができる。
【0024】なお、本発明の鋳型では、クランプ力発生
装置5がクランプ力キャンセル状態の場合でないと、移
動側長辺鋳型1が短辺鋳型3に向けて前進するような位
置に位置切換弁14a が切り替わらないようインターロッ
クを設けるのが望ましい。この理由は、クランプ力発生
状態(図2に示す状態)では、ピストン53による複数の
皿バネ54の圧縮がなく、複数の皿バネ54の長さがL=a
+Δaとなっているため、このような状態で移動側長辺
鋳型1が短辺鋳型3に当接すると、クランプ力にバラツ
キが発生するからである。また、鋳片の鋳造中に、図4
(b)に示すような位置に位置切換弁14a を操作する操
作ミス(移動側長辺鋳型1が短辺鋳型3から離隔する操
作)に対しては、手動弁を作動油の供給ラインに設ける
ようにするのが望ましい。
【0025】
【発明の効果】本発明の連続鋳造用鋳型は、構造が簡単
であり、オンラインで短辺鋳型を交換した後、連続鋳造
機を再稼動させるまでの停止時間を短くすることがで
き、かつ適正な範囲のクランプ力で移動側長辺鋳型によ
り短辺鋳型をクランプすることができる。
【0026】また、本発明の上記鋳型の短辺交換方法、
鋳片の幅変更方法によれば、鋳片の鋳造時、長辺銅板に
擦り疵が発生することもなく、またブレークアウトの発
生を抑制することができ、安定して鋳片の鋳造を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る鋳型の概略構成図である。
【図2】図2は本発明に用いて好適なクランプ力発生装
置のクランプ力発生状態での概略断面図である。
【図3】図3は図2に示したクランプ力発生装置のクラ
ンプ力キャンセル状態での概略断面図である。
【図4】図4(a)は鋳造時の鋳型の状態の説明図であ
り、図4(b)は移動側長辺鋳型を後退させる場合の位
置切換弁の状態の説明図である。
【図5】図5は、従来の鋳型の概略図であって、(a)
は平面図、(b)は正面図である。
【図6】図6は、従来の長辺鋳型移動機構を有する鋳型
の概略構成図である。
【図7】図7は、従来の他の長辺鋳型移動機構を有する
鋳型の概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は
A−A断面図である。
【図8】図8は、長辺鋳型に発生した擦り疵を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 移動側長辺鋳型 2 固定側長辺鋳型 3 短辺鋳型 4 支持ロッド 5 クランプ力発生装置 5a 作動油配管 5b 油圧ユニット 6 ウオームジャッキ 7 ウオーム軸 8 減速器 9 油圧モーター 10a 、10b 油圧配管 11 回転検出器 12 位置演算制御装置 13、14 油圧ユニット(油供給装置) 14a 位置切換弁 14b 減圧弁 51 クランプケース 52 油室 53 ピストン 54 皿バネ 55 座金 56 六角ナット 57 係止部 58、59 矢印 1a、2a 長辺銅板 1b、2b 長辺バックフレーム 3a 短辺銅板 3b 短辺バックフレーム C 短辺鋳型長さ G 移動側長辺鋳型と短辺鋳型間のすき間 B 移動側長辺バックフレームの幅 H 移動側長辺バックフレームの高さ S 鋳片 21 油圧シリンダ 22 ピストンロッド 23 パルスモータ 24 油圧ユニット 25 移動制御装置 26 モールド支持フレーム 80 擦り疵

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動側長辺鋳型(1)と固定側長辺鋳型
    (2)とで短辺鋳型(3)を挟込み、クランプ力発生装
    置(5)によって支持ロッド(4)に引張り力が働くよ
    うにし、前記移動側長辺鋳型(1)により前記短辺鋳型
    (3)をクランプするように構成された連続鋳造用鋳型
    において、前記移動側長辺鋳型(1)を前進、後退させ
    る長辺鋳型移動機構をウオームジャッキ方式とし、ウオ
    ームジャッキを駆動する油圧モーター(9)を位置切換
    弁(14a )と減圧弁(14b) を有する油供給装置(14)
    に接続したことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  2. 【請求項2】 前記減圧弁(14b )をパイロット作動形
    減圧弁とすることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳
    造用鋳型。
  3. 【請求項3】 前記クランプ力発生装置(5)は、クラ
    ンプ力発生状態とした場合、クランプ力が10,000〜90,0
    00Nの範囲内となりかつクランプ力キャンセル状態とし
    た場合、クランプ力発生状態の1/5 〜1/50のクランプ力
    となるように構成されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の連続鋳造用鋳型。
  4. 【請求項4】 移動側長辺鋳型(1)と固定側長辺鋳型
    (2)とで短辺鋳型(3)を挟込み、クランプ力発生装
    置(5)によって支持ロッド(4)に引張り力が働くよ
    うにし、前記移動側長辺鋳型(1)により前記短辺鋳型
    (3)をクランプするように構成された連続鋳造用鋳型
    における短辺鋳型の交換方法であって、前記連続鋳造用
    鋳型を連続鋳造機に組み込んだ状態で、前記短辺鋳型
    (3)を交換した後、前記クランプ力発生装置(5)を
    クランプ力キャンセル状態とし、前記移動側長辺鋳型
    (1)を前記短辺鋳型(3)に当接させ、次いで、前記
    クランプ力発生装置(5)をクランプ力発生状態とし、
    前記移動側長辺鋳型(1)により前記短辺鋳型(3)を
    クランプすることを特徴とする短辺鋳型の交換方法。
  5. 【請求項5】 前記移動側長辺鋳型(1)を前記短辺鋳
    型(3)に当接させる直前に、前記油圧モーター(9)
    を駆動する油圧を前記移動側長辺鋳型(1)を移動させ
    るのに必要な最小限の圧力に減圧することを特徴とする
    請求項4に記載の短辺鋳型の交換方法。
  6. 【請求項6】 移動側長辺鋳型(1)と固定側長辺鋳型
    (2)とで短辺鋳型(3)を挟込み、クランプ力発生装
    置(5)によって支持ロッド(4)に引張り力が働くよ
    うにし、前記移動側長辺鋳型(1)により前記短辺鋳型
    (3)をクランプするように構成された組立式の連続鋳
    造用鋳型における鋳片の幅変更方法であって、前記連続
    鋳造用鋳型を連続鋳造機に組み込み、鋳片の幅変更に際
    して前記クランプ力発生装置(5)をクランプ力キャン
    セル状態とし、前記短辺鋳型(3)を移動させ、鋳片の
    幅変更を行うことを特徴とする鋳片の幅変更方法。
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