JP2003251184A - 複合酸化物触媒の製造方法 - Google Patents

複合酸化物触媒の製造方法

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JP2003251184A
JP2003251184A JP2002333883A JP2002333883A JP2003251184A JP 2003251184 A JP2003251184 A JP 2003251184A JP 2002333883 A JP2002333883 A JP 2002333883A JP 2002333883 A JP2002333883 A JP 2002333883A JP 2003251184 A JP2003251184 A JP 2003251184A
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oxide catalyst
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Tsutomu Teshigawara
力 勅使河原
Hisao Kinoshita
久夫 木下
Tomoatsu Iwakura
具敦 岩倉
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Mitsubishi Chemical Corp
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクロレインの気相接触酸化反応を比較的に
低温の条件でも効率よく行なえる複合酸化物触媒であ
り、ホットスポットの発生を抑制することなどにより、
反応成績(アクロレイン転化率やアクリル酸収率)が経
時的に低下しにくい複合酸化物触媒を製造することを目
的とする。 【解決手段】 所定の元素を有する複合酸化物触媒を元
素供給源の一体化及び加熱処理によって製造する方法に
おいて、前記複合酸化物触媒におけるSb及びNiの供
給源として熱処理されたSb−Ni−O又はSb−Ni
−X−O(ただし、XはSi及びAlから選ばれる少な
くとも一種の元素である)で示される複合酸化物を用い
ると共に、この複合酸化物におけるNiの供給源の少な
くとも一部として塩基性炭酸ニッケル化合物を用い、か
つ、Sbの供給源化合物の少なくとも一部として等軸晶
系のSb23を使用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、不飽和アルデヒ
ドを原料にして不飽和酸を製造する工程で使用される複
合酸化物触媒の製造方法に関し、詳しくはアクロレイン
やメタクロレインを分子状酸素で気相接触酸化してアク
リル酸又はメタクリル酸を製造する場合に適用される複
合酸化物触媒の製造方法及びその触媒を用いたアクリル
酸又はメタクリル酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和アルデヒドを気相接触酸化して不
飽和酸を製造する工程で用いる触媒は、化学工業におい
て極めて重要なものであり、広範な研究が行われてき
た。例えば、モリブデン、バナジウムを基本成分とし
て、さらに修飾成分などを含有する多成分系の複合酸化
物触媒が特許公報に開示されている。
【0003】アクロレインを気相接触酸化してアクリル
酸を製造する触媒に関する技術は、特許文献1〜7等に
記載されている。
【0004】このようなアクリル酸の製造技術では、分
子状酸素の存在下に気相接触酸化反応を行う工程で、目
的生成物の一部が更に酸化されて付加価値の低いものに
変わるという好ましくない逐次反応を伴う場合が多い。
【0005】この逐次反応を極力抑制するためには、触
媒の有効係数を向上させるのが効果的であるが、これは
反応物の拡散抵抗支配を極力低減させることに同じであ
る。
【0006】触媒の有効係数に関し、触媒形状と細孔分
布とが最も支配的な因子となることはよく知られてお
り、例えば非特許文献1には触媒形状と有効係数の関係
が論じられており、また非特許文献2には、細孔分布と
有効係数の関係が論じられている。
【0007】また、本願の発明者らの先の出願に係る特
許文献8〜9には、アンチモン・ニッケル等の複合酸化
物を添加した触媒を用い、細孔径を制御することによっ
て高収率の触媒が得られるとの記載がある。そして、ア
ンチモン・ニッケル複合体を製造する際には、ニッケル
原料源として炭酸ニッケルを使用し、シリカやアルミナ
を存在させることによって細孔の制御が有効であり、選
択性の改良がなされている。
【0008】
【特許文献1】特公昭41−1775号公報
【特許文献2】特公昭44−12129号公報
【特許文献3】特公昭44−26287号公報
【特許文献4】特公昭44−12886号公報
【特許文献5】特公昭49−11371号公報
【特許文献6】特公昭55−7414号公報
【特許文献7】特公昭56−97号公報
【特許文献8】特公平6−9658号公報
【特許文献9】特公平6−38918号公報
【非特許文献1】「化学工学」第30巻、第2号、第7
3〜79項(1966年科学工学協会発行)
【非特許文献2】「化学工学IV」(藤田重文、東畑平一
郎編:東京化学同人社1963年刊)第32〜37項
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した従来
の複合酸化物からなる触媒が、長時間安定して高いアク
リル酸収率を維持できるか否かという観点からみると、
これらの触媒には未だ改善の余地が残されており、より
収率の高い触媒が要望されている。
【0010】また、近年では、アクロレインを気相接触
酸化してアクリル酸を製造する場合に、触媒の単位容積
当たりのアクロレインの供給量を増やす高負荷反応条件
でアクリル酸の生産性を上げるという、いわゆる高ST
Y(Space−TimeYield)反応条件が求め
られているが、アクロレインの酸化反応は発熱反応であ
り、原料であるアクロレインの供給量を増加させると、
触媒層全体での均一な反応が起きにくくなり、局所的に
高温の発熱領域、いわゆるホットスポットを増加させる
原因になる。
【0011】製造工程で実際に触媒上の微細なホットス
ポットを確認することは困難であるが、触媒性能や触媒
寿命を低下させる要因の1つになっているものと推察さ
れる。そのため、反応時間の経過にともなって反応成績
(アクロレイン転化率やアクリル酸収率)が低下し、経
時的な安定性が不充分であった。
【0012】本願の各請求項に係る発明の課題は、前記
した問題点を解決し、アクロレインの気相接触酸化反応
によってアクリル酸を製造する工程で用いる酸化触媒
を、高収率で長時間安定してアクリル酸を製造できるも
のにすることである。
【0013】すなわち、アクロレインの気相接触酸化反
応を比較的に低温の条件でも効率よく行なえる複合酸化
物触媒であり、ホットスポットの発生を抑制することな
どにより、反応成績(アクロレイン転化率やアクリル酸
収率)が経時的に低下しにくい複合酸化物触媒を製造す
ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願の発明者らは、アン
チモン・ニッケル等のアンチモン酸塩複合酸化物を添加
した触媒において、前記の課題を解決するために、モリ
ブデン、ニオブなどを含有する複合酸化物触媒について
鋭意検討を行った結果、特定の原料を用いて製造された
触媒が、アクロレイン酸化反応において活性が高く、ア
クリル酸の収率が高いことを見い出し、この発明を完成
させたものである。
【0015】すなわち、本願の発明は、下記の式(1)
で示される複合酸化物触媒を元素供給源の一体化及び加
熱処理によって製造する方法において、前記複合酸化物
触媒におけるSb及びNiの供給源として熱処理された
Sb−Ni−O又はSb−Ni−X−O(ただし、Xは
Si及びAlから選ばれる少なくとも一種の元素であ
る)で示される複合酸化物を用いると共に、この複合酸
化物におけるNiの供給源の少なくとも一部として塩基
性炭酸ニッケル化合物を用い、かつ、Sbの供給源化合
物の少なくとも一部として等軸晶系のSb23を使用す
ることを特徴とする複合酸化物触媒の製造方法である。 記 (Sb)a(Mo)b(Nb)c(V)d(Ni)e(X)f(Y)g(O)h (1) (式中、Sb、Mo、Nb、V、Ni、O、Si、A
l、Cu及びWはそれぞれ元素記号であり、XはSi及
びAlから選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Yは
Cu及びWから選ばれる少なくとも一種の元素を示す。
a、b、c、d、e、f、g及びhは各元素の原子比を
表し、aは1〜100、bは1〜100、cは0〜5
0、dは0.1〜50、eは1〜100、fは0〜20
0、gは0.1〜50であり、hは各成分元素の酸化度
によって決まる酸素原子数である。)
【0016】前記したように複合酸化物触媒を、元素供
給源の一体化及び加熱処理によって製造する方法におい
て、複合酸化物触媒におけるSb及びNiの一部又は全
部の供給源として、Sb−Ni−O又はSb−Ni−X
−O(ただし、XはSi及びAlから選ばれる少なくと
も一種の元素である)で示される複合酸化物を用いると
共に、この複合酸化物におけるNiの供給源の少なくと
も一部として塩基性炭酸ニッケル化合物を用い、かつ、
Sbの供給源化合物の少なくとも一部として等軸晶系の
Sb23を使用することにより、元素供給源の一体化及
び加熱処理において活性、すなわち触媒単位量あたりの
アクロレイン転化量が向上し、さらに触媒のアクリル酸
選択率が改良され、比較的低温の条件でもアクロレイン
の気相接触酸化反応を効率よく行なえる複合酸化物触媒
を製造できる。
【0017】このように優れた複合酸化物触媒を効率よ
く製造するために、前記Sb23のX線回折線(対陰極
Cu−Kα)において、2θ=約28.3の強度(a
1)と2θ=約27.6の強度(a2)の比a1/a2
を、0.1以下とすることができる。
【0018】このように優れた複合酸化物触媒を効率よ
く製造するために、前記塩基性炭酸ニッケルに含まれる
炭酸根含量をニッケル含量に対して40〜70重量%と
することができる。
【0019】また、このように優れた複合酸化物触媒を
効率よく製造するために、熱処理されたSb−Ni−X
−Oで示される複合酸化物を、Sb、Ni及びXを含有
する化合物の溶液又は水分散体を混合した後、500〜
900℃で熱処理して得られる複合酸化物とすることが
できる。
【0020】さらにまた、このように優れた複合酸化物
触媒を効率よく製造するために、Nbの供給源として蓚
酸ニオブアンモニウム化合物を用いることができる。
【0021】また、このように優れた複合酸化物触媒
を、より効率よく製造するためには、所要元素の供給源
の一体化及び加熱処理が、下記(a)〜(d)の工程を
順次経ることを含む処理工程であることが好ましい。 記 (a)触媒成分元素を含有する水溶液又はこれらを含有
する化合物の水分散体を混合し、触媒構成成分の前駆体
を調製する工程 (b)工程(a)で得られた触媒構成成分の前駆体を熱処
理する工程 (c)工程(b)で得られた熱処理粉体を必要によりバイ
ンダーと共に成型する工程 (d)工程(c)で得られた成型触媒を不活性ガス中又は
制御された酸素濃度雰囲気下で焼成する工程
【0022】更に、前記した工程(c)のバインダーとし
て、シリカ、グラファイト及び結晶性セルロースからな
る群から選ばれる一種以上のバインダーを用いるのが好
ましい。
【0023】前記の複合酸化物触媒は、アクロレイン及
び/又はメタクロレインを分子状酸素で気相接触酸化し
てアクリル酸及び/又はメタクリル酸を製造するため
に、好適に使用される。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明に用いる触媒は、下記の
(1)式で表わされる金属元素組成の酸化物又は複合酸
化物である。 (Sb)a(Mo)b(Nb)c(V)d(Ni)e(X)f(Y)g(O)h (1)
【0025】前記(1)式中のSb、Mo、Nb、V、
Ni、O、Si、Al、Cu及びWはそれぞれ元素記号
を示す。また、前記Xは、アンチモン酸塩の形で共存さ
せる元素であって、Si及びAlから選ばれる少なくと
も一種の元素、すなわち、Si若しくはAl又は両元素
の併用である。さらに、Yは本触媒系に共存しうる元素
であって、具体的には、CuもしくはW又は両元素の併
用である。
【0026】各元素の組成比は、aは1〜100、bは
1〜100、cは0〜50、dは0.1〜50、eは1
〜100、fは0〜200、gは0.1〜50であり、
hは各成分元素の酸化度によって決まる酸素原子の数で
あるが、より好ましくは、aは10≦a≦100、bは
1≦b≦50、cは1≦c≦40、dは1≦d≦40、
eは10≦e≦100、fは0≦f≦100、gは1≦
g≦40である。
【0027】前記の複合酸化物触媒は、各成分元素を含
有する供給源化合物を水性系で一体化及び加熱、すなわ
ち、式(1)で示した触媒成分を構成する各金属元素又
はその化合物を含有する水溶液(又は水分散液)を調製
・乾燥して粉体とし、これを熱処理した後、成型し、さ
らに焼成処理をして得ることができる。
【0028】この発明でいう一体化は、好ましくは水溶
液又は水分散液からなる水性系において各成分元素を含
んだ供給源化合物を混合し、必要に応じて熟成処理する
ことによって各元素を一体に含むようになることをい
う。
【0029】すなわち、(イ)前記の各供給源化合物を
一括して混合する方法、(ロ)前記の各供給源化合物を
一括して混合し、さらに熟成処理する方法、(ハ)前記
の各供給源化合物を段階的に混合する方法、(ニ)前記
の各供給源化合物を段階的に混合・熟成処理を繰り返す
方法、及び(イ)〜(ニ)を組み合わせた方法は、いず
れも前記各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化
の概念に含まれる。
【0030】ここで、前記の「熟成」は、化学大辞典
(共立出版)にも記載があるように「工業原料又は半製
品を、一定時間、一定温度などの特定条件の下に処理し
て必要とする物理性、化学性の取得、上昇又は所定反応
の進行などを図る操作」のことをいう。なお、前記の一
定時間は、この発明において1分〜24時間の範囲をい
い、前記の一定温度は室温〜200℃の範囲である。
【0031】前記した一体化においては、各元素の供給
源化合物のみならず、アルミナ、シリカ、耐火性酸化物
などの担体材料もそのような一体化の対象として含むも
のである。
【0032】また、前記の加熱とは、前記の各成分元素
の供給源化合物個々の酸化物や複酸化物の形成、一体化
により生じた複合化合物の酸化物や複酸化物の形成、生
成最終複合酸化物の形成等のための熱処理をいう。そし
て、加熱は必ずしも1回には限られない。すなわち、こ
の加熱は前記(イ)〜(二)で示される一体化の各段階
で任意に行うことができ、また一体化後に必要に応じて
追加して行っても構わない。前記の加熱温度は、通常2
00℃〜500℃の範囲である。
【0033】さらに、前記の一体化及び加熱において
は、これら以外に、例えば、乾燥、粉砕、成形、等をそ
の前後や途中に実施してもよい。
【0034】また、前記の成分元素の供給源化合物と
は、前記複合酸化物触媒を構成する成分元素のうち、1
つ又は2つ以上の元素を含有し、かつ、水溶液又は水懸
濁液とすることのできる化合物、すなわち、製造原料と
して用いる触媒構成元素の化合物をいう。したがって、
前記供給源化合物は、焼成によって酸化物になる化合物
であればよい。
【0035】前記供給源化合物としては、次のものが具
体例としてあげることができる。Moの供給源化合物と
してはモリブデン化合物等があげられ、Cuの供給源化
合物としては銅化合物があげられる。また、Wの供給源
化合物としてはタングステン化合物等が、Sbの供給源
化合物としては、金属アンチモンやアンチモン化合物
が、Nbの供給源化合物としてはニオブ化合物等が、V
の供給源化合物としては、バナジウム化合物等が、Ni
の供給源化合物としてはニッケル化合物等が、Alの供
給源化合物としてはアルミニウム化合物等が挙げられ
る。
【0036】そして、前記の各化合物の例としては、触
媒活性元素のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、アンモニ
ウム塩、酸化物、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウ
ム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、水素酸、アセチルア
セトナート、アルコキシド等がその例として挙げられ
る。
【0037】また、Siの供給源化合物としては、粉体
状シリカ、粒状シリカ、コロイダルシリカ等のシリカが
挙げられる。
【0038】これら供給源化合物は単独で使用してもよ
いし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0039】前記モリブデン化合物の具体例としては、
パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モ
リブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリ
ブデン酸等があげられる。
【0040】前記銅化合物の具体例としては、塩化第一
銅、硫酸銅等があげられる。前記タングステン化合物の
具体例としては、パラタングステン酸アンモニウム、タ
ングステン酸等があげられる。
【0041】前記ニオブ化合物の具体例としては、水酸
化ニオブ、蓚酸ニオブ、蓚酸ニオブアンモニウム化合
物、ニオブアンモニウム等をあげることができるが、こ
の中でも、蓚酸ニオブアンモニウム化合物を用いると、
得られる複合酸化物触媒の前記反応における原料転化率
や選択率の触媒性能がより向上する。
【0042】前記バナジウム化合物の具体例としては、
メタバナジン酸アンモニウム、酸化バナジウム等があげ
られる。前記アルミニウム化合物の具体例としては、ア
ルミナ等があげられる。前記ニッケル化合物の具体例と
しては、塩基性炭酸ニッケル等の炭酸ニッケル化合物、
硝酸ニッケル、後記するNiを含有するSb含有複合酸
化物等があげられる。
【0043】前記アンチモン化合物の具体例としては、
五酸化アンチモン、三酸化アンチモン等の酸化アンチモ
ンや、所定のSbを含有する複合酸化物(以下、「Sb
含有複合酸化物」と称する。)があげられる。このう
ち、所定のSb含有複合酸化物をSbの供給源化合物の
少なくとも一部として用いることにより、得られる複合
酸化物触媒の前記反応における原料転化率や選択率の触
媒性能が向上する。
【0044】前記の所定のSb含有複合酸化物は、Sb
−Ni−O又はSb−Ni−X−O(ただし、XはSi
及びAlから選ばれる少なくとも一種の元素である。)
の少なくとも一方の式で示される酸化物である。
【0045】前記のSb含有複合酸化物の原子比、すな
わち、前記の式をまとめて、Sbw−Nix−Xy−Oz
組成式で表したときのw〜zは下記の通りであることが
好ましい。 w:1〜40、好ましくは1〜20 x:1〜20、好ましくは1〜10 y:0〜10、好ましくは0〜5 z:各成分の酸化度によって決まる数
【0046】前記のSb含有複合酸化物を構成するSb
の供給源化合物としては、等軸晶系のSb23を用い
る。これを用いることにより、結晶性が高く、かつ粒子
径が大きいアンチモン酸塩を得ることができる。
【0047】なお、Sb23には、等軸晶系(X線回折
線(対陰極Cu−Kα)において、2θ=27.6度にメ
インピークを持つ。)と、斜方晶系(X線回折線(対陰
極Cu−Kα)において、2θ=28.3度にメインピ
ークを持つ。)とがあり、混合物として存在することが
あるが、その場合、前記2θ=約28.3の強度(a
1)と、2θ=約27.6の強度(a2)との比a1/
a2は、0.1以下の混合物であれば、この発明におい
て等軸晶系のSb23と同様にして用いることができ
る。
【0048】前記のSb含有複合酸化物を構成するSi
やAlの供給源化合物としては、前記のものと同様のも
のがあげられる。
【0049】前記のSb含有複合酸化物を構成するNi
の供給源化合物としては、前記のものと同様のものがあ
げられる。この中でも、得られる複合酸化物触媒の前記
反応における原料転化率や選択率の触媒性能を向上させ
るためには、前記塩基性炭酸ニッケルをNiの供給源化
合物の少なくとも一部として用いるのがよい。前記Ni
の供給源化合物中の塩基性炭酸ニッケルの使用割合は、
25〜100重量%がよく、50〜100重量%が好ま
しい。25重量%より少ないと、所望の触媒性能が得ら
れないことがある。
【0050】前記塩基性炭酸ニッケルの炭酸根含量は、
ニッケル含量に対して40〜70重量%がよく、45〜
60重量%が好ましい。40重量%より少なくてもよい
が、少なくとも40重量%用いた方が、触媒性能がより
向上する。一方、70重量%より多いと、所期の触媒性
能が得られない場合がある。
【0051】前記のSb含有複合酸化物は、前記の各供
給源化合物を水性系で一体化及び加熱することで得られ
る。このときの加熱温度は、600〜900℃がよく、
650〜850℃が好ましい。得られるSb含有複合酸
化物が前記加熱温度の履歴を有さないと、所望の触媒性
能が得られないことがある。
【0052】前記のSb含有複合酸化物は、他のSbの
供給源化合物を含む各成分元素の供給源化合物と一緒に
水性系で一体化及び加熱されて、この発明にかかる複合
酸化物触媒が得られる。このとき、得られる複合酸化物
触媒に含まれるSbの少なくとも25%、好ましくは5
0%〜100%が前記の複合酸化物で供給することが好
ましい。25%より少ないと、所望の触媒性能が得られ
ないことがある。
【0053】次に、この発明にかかる複合酸化物触媒の
製造工程を順に説明する。まず前記した触媒構成元素、
成分又はそれらの化合物、すなわち、各成分の供給源化
合物の水溶液又は水分散体を調製する。以下、特に断ら
ない限りこれらの水溶液又は水分散体をスラリー溶液と
いう。
【0054】このスラリー溶液は、各構成成分の化合物
と水とを均一に混合して得ることができる。この発明に
おいては、スラリー溶液が水溶液であることが好まし
い。スラリー溶液における各構成成分の化合物の使用割
合は、各触媒構成元素の原子比が前記した範囲であれば
よい。
【0055】前記水の使用量は、化合物の全量を完全に
溶解又は均一に混合できる量であれば特に限定されない
が、下記の熱処理の方法や温度等を勘案して適宜に決定
すればよい。通常、化合物の合計重量100重量部に対
して100〜2000重量部である。水の量が前記所定
量未満の少量では化合物を完全に溶解できず、又は均一
に混合できないことがある。また、水の量が前記所定量
を越えて多量であれば、熱処理時のエネルギーコストが
かさむという問題が生じる。
【0056】次いで前記工程で得られたスラリー溶液を
乾燥するのが好ましい。乾燥方法は、スラリー溶液が完
全に乾燥でき、かつ粉体が得られる方法であれば特に制
限はなく、例えばドラム乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が
好ましい方法として挙げられる。
【0057】噴霧乾燥は、スラリー溶液状態から短時間
に均質な粉末状態に乾燥することができるので、この発
明に好ましく適用できる方法である。乾燥温度は、スラ
リー溶液の濃度や送液の速度等によって異なるが、乾燥
機の出口の温度で90〜150℃が適当である。また、
乾燥粉体の粒径が10〜200μmとなるように乾燥さ
せることが好ましい。このようにして、触媒構成成分を
含む前駆体が得られる。
【0058】次に、前記のようにして得られた触媒構成
成分を含む前駆体を周知の方法で熱処理する。熱処理の
温度は、通常、160〜450℃で行ない、好ましくは
160〜350℃で行なう。熱処理の時間は、通常では
1〜20時間であり、2〜10時間がより好ましい。こ
のような熱処理工程を経て得られる粉体は、粒径や品質
が均一で粉化の少ない触媒になる。
【0059】この発明の製造方法によって得られる複合
酸化物触媒は、前記の熱処理後の粉体を成型して得るこ
ともできる。成型方法に特に制限はなく、必要によりバ
インダーと混合した熱処理粉体を(A)打錠成型、
(B)シリカゲル、珪藻土、アルミナ粉末等の成型助剤
と混合し球状やリング状に押出成型、(C)球状担体上
に被覆担持成型などの適当な方法を採用できる。
【0060】なお、熱処理された粉体を打錠成型する際
には、シリカ、グラファイト、結晶性セルロース等のバ
インダーなどの成型助剤を、熱処理粉体100重量部に
対して約1〜50重量部程度使用することもできる。ま
た、必要によりセラミックス繊維、ウイスカー等の無機
繊維を強度向上材として用いれば、触媒の機械的強度を
向上させることができる。
【0061】しかし、チタン酸カリウムウイスカーや塩
基性炭酸マグネシウムウイスカーの様な触媒成分と反応
する繊維は好ましくない。強度向上材としては、セラミ
ックス繊維が特に好ましい。これらの繊維の使用量は、
熱処理粉体100重量部に対して通常1〜30重量部で
ある。前記成型助剤及び強度向上材は、通常熱処理粉体
と混合して用いられる。
【0062】このようにして熱処理粉体をペレット状や
リング状に打錠成型すると、成形品が得られ、成型品を
焼成して目的の複合酸化物触媒を得ることができる。焼
成温度は、通常250〜600℃を採用でき、好ましく
は300〜420℃であり、焼成時間は1〜50時間で
ある。焼成は、不活性ガス又は分子状酸素の共存下の雰
囲気で行うことが好ましい。
【0063】なお、打錠成型以外の成型方法を採用した
場合の焼成は、通常250〜500℃で1〜50時間程
度の条件で行なう。
【0064】得られる複合酸化物触媒の大部分の細孔径
は、5000Å以上がよい。5000Åより小さいと、
酸化反応が過度に進行し、目的生成物への選択率が低下
し、収量が少なくなる場合がある。
【0065】このように得られた複合酸化物触媒は、前
記のSb含有複合酸化物を用いずに得られた従来触媒に
比較しての平均細孔径が1000Å以上マクロ側にシフ
トした。なお、「平均細孔径」とは水銀圧入法によるポ
ロシメーターにより測られたものであり、微分曲線の最
大位置を示すものとする。
【0066】この発明にかかる複合酸化物触媒は、気相
接触酸化反応に使用して高選択性で目的化合物を与え
る。なお、この場合の気相接触酸化反応がアンモ酸化お
よび酸化的脱水素を包含する広い意味を持つものであ
る。
【0067】この発明にかかる複合酸化物触媒の好まし
い用途の一つは、不飽和アルデヒド、例えばアクロレイ
ン及び/又はメタクロレインを分子状酸素で気相接触酸
化して対応する不飽和カルボン酸すなわちアクリル酸及
び/又はメタクリル酸を製造する場合への触媒としての
使用である。すなわち、オレフィン、例えばプロピレン
及び/又はイソブテンの気相接触酸化によりアクリル酸
及び/又はメタクリル酸を製造する工程をオレフィンの
酸化による不飽和アルデヒドの製造及びその酸化による
不飽和カルボン酸の製造の二工程に分割して実施する場
合の後段反応が本発明触媒の最も典型的な使用対象であ
る。
【0068】なおこの場合の前段工程の気相接触酸化反
応に用いられる触媒としてはMo−Bi系の複合酸化物
触媒が良く知られており、工業的に広く用いられてい
る。また、これらMo−Bi系の複合酸化物触媒はアン
モ酸化および酸化的脱水素反応に対し極めて有用である
ことも良く知られている。
【0069】
【実施例】以下に、実施例によりこの発明を詳細に説明
する。なお、この発明はその主旨を越えない限り以下の
実施例に限定されるものではない。
【0070】アクロレイン転化率、アクリル酸選択率、
アクリル酸収率は、下記の式(2)〜(4)のように定
義する。 (2) アクロレイン転化率(モル%)=100×(反
応したアクロレインのモル数)/(供給したアクロレイ
ンのモル数) (3) アクリル酸選択率(モル%)=100×(生成
したアクリル酸モル数)/(転化したアクロレインモル
数) (4) アクリル酸収率(モル%)=100×(生成し
たアクリル酸モル数)/(供給したアクロレインモル
数)
【0071】(実施例1)炭酸根のNiに対しての含量
が55重量%である塩基性炭酸ニッケル(Ni含有量4
3重量%)60gを純水300mlに分散させた。これ
にシリカ(塩野義製薬(株)製;カープレックス#6
7)50gおよび等軸晶系三酸化アンチモン(X線回折
線(対陰極Cu−Kα)において、2θ=約28.3の
強度(a1)と、2θ=約27.6の強度(a2)との
比a1/a2=0.05)150gを加えて充分に攪拌
した。このスラリー液を加熱濃縮し、乾燥した。次に、
得られた固体をマッフル炉にて800℃で3時間焼成し
た。これを粉砕して、60メッシュ以下とし、Sb−N
i−Si−Oの複合酸化物粉末を得た。純水540ml
を約80℃に加熱し、パラタングステン酸アンモニウム
8.1g、パラモリブデン酸アンモニウム63.9g、
メタバナジン酸アンモニウム8.4g、及び塩化第一銅
3.1gを攪拌しながら順次加えて溶解した。次に、前
記Sb−Ni−Si−Oの複合酸化物粉末をこの溶液に
加えて、充分に攪拌混合した。このスラリーを80℃〜
100℃に加熱し、濃縮乾燥する。この乾燥品を粉砕し
て24メッシュ以下とし、1.5重量%のグラファイト
を添加混合した。次に、小型打錠成型機にて5φ×4h
mmに成型した。これをマッフル炉にて400℃で5時
間焼成して、複合酸化物触媒を得た。得られた複合酸化
物触媒の組成は、原子比で表1に示す通りである。
【0072】得られた複合酸化物触媒40mlを内径2
0mm、長さ500mmのステンレス鋼製ナイタージャ
ケット付反応管に充填し、プロピレンをモリブデン−ビ
スマス酸化物系多元触媒の存在下に接触酸化して得られ
た表1に示す組成を有する混合ガスを導入し、0℃基準
の空間速度1200h-1でこの反応管に流通した。この
ときの反応温度255℃とした。その結果を表1に示
す。
【0073】(実施例2)塩基性炭酸ニッケル(NiC
3・2Ni(OH)2・4H2O)233gを純水70
0mlに分散させ、これにシリカ(塩野義製薬社製:カ
ープレックス#67)50g及び等軸晶系三酸化アンチ
モン151gを加えて充分に攪拌した。このスラリー状
液を加熱して濃縮し、乾燥した。次いで、得られた乾燥
物をマッフル炉にて800℃で3時間焼成し、生成した
固体を粉砕して、60メッシュ篩通過の粉末とした(S
b−Ni−Si−O粉末)。これを純水540mlを約8
0℃に加熱して、パラタングステン酸アンモニウム8.
1g、パラモリブデン酸アンモニウム64g、メタバナ
ジン酸アンモニウム6.1g、蓚酸ニオブアンモニウム
4.8g及び硫酸銅7.8gを攪拌しながら順次加えて
溶解させた。次に、前記Sb−Ni−Si−O粉末を、
この溶液に攪拌しながら徐々に加えて充分に撹拌混合
し、得られたスラリーを80〜100℃に加熱して濃縮
し、乾燥した。この乾燥品を200℃で加熱処理した
後、粉砕して、24メッシュ篩を通過させた。これに
1.5重量%のグラファイトを添加混合し、小型打錠成
型機にて5×4hm/mの円柱状に成型し、これを焼成
炉にて400℃で5時間焼成して、触媒とした。得られ
た触媒の組成は、表1に示すとおりである。
【0074】このようにして得られた触媒を評価するた
めに、20〜28メッシユに粉砕してから整粒し、触媒
0.45gを内径4mmのU字型反応管に充填した。加
熱したナイター浴に前記反応管をセットし、このナイタ
ー浴温度を280℃とし、表1に示す組成を有する混合
ガスを導入し、SV(空間速度;単位時間当たりの原料
ガスの流量/充填した触媒の見かけ容積)を9900/
hrとして反応を行なった。因みに、ナイター浴は、ア
ルカリ金属の硝酸塩からなる熱媒体に反応管を入れて反
応させる塩浴をいい、この熱媒体は200℃以上で溶融
し、400℃まで使用可能で除熱効率がよいので、発熱
量の大きな酸化反応に適した反応浴である。反応の結果
を表1に示す。
【0075】(実施例3)実施例2で得られた触媒を用
い、ナイター浴温度を285℃とした以外は実施例2と
同様にして、反応をした。その結果を表1に示す。
【0076】(実施例4)実施例2において、ニオブ原
料として水酸化ニオブ4.1gに変更したことのみを異
なる条件として、他の条件は全く同様にして実施例2と
同一組成の触媒を製造し、同一の反応条件にて反応性を
評価した。なお、ナイター浴温度を300℃とした。そ
の結果を表1に示す。
【0077】(実施例5)実施例4と同様にして実施例
4と同一組成の触媒を製造し、ナイター浴温度を305
℃とした以外は、同一の反応条件にて反応性を評価し
た。その結果を表1に示す。
【0078】(比較例1)実施例5でSb−Ni−Si
−Oを製造するに際して、Sbの原料として、等軸晶系
とならない三酸化アンチモン(X線回折線(対陰極Cu
−Kα)において、2θ=約28.3の強度(a1)
と、2θ=約27.6の強度(a2)との比a1/a2
=0.15)を用いたこと以外は同じ条件にして、実施
例5と同一組成の触媒を製造し、同一の反応条件下にて
反応性の評価を実施した。その結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、複合
酸化物触媒を、元素供給源の一体化及び加熱処理によっ
て製造する方法において、複合酸化物触媒におけるSb
及びNiの一部又は全部の供給源として、Sb−Ni−
O又はSb−Ni−X−O(ただし、XはSi及びAl
から選ばれる少なくとも一種の元素である。)で示され
る複合酸化物を用いると共に、この複合酸化物における
Niの供給源の少なくとも一部として塩基性炭酸ニッケ
ル化合物を用い、かつ、Sbの供給源化合物の少なくと
も一部として等軸晶系のSb23を使用することによ
り、元素供給源の一体化及び加熱処理において活性、す
なわち触媒単位量あたりのアクロレイン転化量が向上
し、さらに触媒のアクリル酸選択率が改良され、比較的
低温の条件でもアクロレインの気相接触酸化反応を効率
よく行なえる複合酸化物触媒を製造できる。
【0081】また、この発明の製造方法で得られる複合
酸化物触媒は、アクロレインの気相接触酸化反応を比較
的に低温の条件でも効率よく行なえるものになるから、
ホットスポットの発生の抑制なども可能となり、経時的
に反応成績(アクロレイン転化率やアクリル酸収率)が
低下しにくく、高負荷反応条件でも長期間安定的に使用
できる複合酸化物触媒を製造できるという利点もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 岩倉 具敦 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA01A BA02A BA02B BA08C BA29C BB06A BB06B BB16C BC16A BC21C BC26A BC26B BC31A BC31B BC54A BC54B BC55A BC55B BC55C BC59A BC59B BC60B BC68A BC68B BC68C BD05A BE17C CB17 DA06 EA02Y EB18Y EC25 FA01 FB09 FB30 FB36 FB40 FB61 FB64 FB67 FC02 FC05 FC07 FC08 4H006 AA02 AC46 BA09 BA12 BA13 BA21 BA30 BA33 BA55 BA81 BE30 BS10 4H039 CA65 CC30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1)で示される複合酸化物触
    媒を元素供給源の一体化及び加熱処理によって製造する
    方法において、 前記複合酸化物触媒におけるSb及びNiの供給源とし
    て熱処理されたSb−Ni−O又はSb−Ni−X−O
    (ただし、XはSi及びAlから選ばれる少なくとも一
    種の元素である)で示される複合酸化物を用いると共
    に、この複合酸化物におけるNiの供給源の少なくとも
    一部として塩基性炭酸ニッケル化合物を用い、かつ、S
    bの供給源化合物の少なくとも一部として等軸晶系のS
    23を使用することを特徴とする複合酸化物触媒の製
    造方法。 記 (Sb)a(Mo)b(Nb)c(V)d(Ni)e(X)f(Y)g(O)h (1) (式中、Sb、Mo、Nb、V、Ni、O、Si、A
    l、Cu及びWはそれぞれ元素記号であり、XはSi及
    びAlから選ばれる少なくとも一種の元素を示し、Yは
    Cu及びWから選ばれる少なくとも一種の元素を示す。
    a、b、c、d、e、f、g及びhは各元素の原子比を
    表し、aは1〜100、bは1〜100、cは0〜5
    0、dは0.1〜50、eは1〜100、fは0〜20
    0、gは0.1〜50であり、hは各成分元素の酸化度
    によって決まる酸素原子数である)
  2. 【請求項2】 前記Sb23のX線回折線(対陰極Cu
    −Kα)において、2θ=約28.3の強度(a1)と
    2θ=約27.6の強度(a2)の比a1/a2が、
    0.1以下であることを特徴とする請求項1に記載の複
    合酸化物触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記塩基性炭酸ニッケルに含まれる炭酸
    根含量がニッケル含量に対して40〜70重量%である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合酸化物触
    媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱処理されたSb−Ni−X−Oで示さ
    れる複合酸化物が、Sb、Ni及びXを含有する化合物
    の溶液又は水分散体を混合した後、500〜900℃で
    熱処理して得られる複合酸化物であることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の複合酸化物触媒の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 Nbの供給源として蓚酸ニオブアンモニ
    ウム化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の複合酸化物触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 所要元素の供給源の一体化及び加熱処理
    が、下記(a)〜(d)の工程を順次経ることを含む処
    理工程であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の複合酸化物触媒の製造方法。 記 (a)触媒成分元素を含有する水溶液又はこれらを含有
    する化合物の水分散体を混合し、触媒構成成分の前駆体
    を調製する工程 (b)工程(a)で得られた触媒構成成分の前駆体を熱
    処理する工程 (c)工程(b)で得られた熱処理粉体を必要によりバ
    インダーと共に成型する工程 (d)工程(c)で得られた成型触媒を不活性ガス中又
    は制御された酸素濃度雰囲気下で焼成する工程
  7. 【請求項7】 工程(c)におけるバインダーが、シリ
    カ、グラファイト及び結晶性セルロースからなる群から
    選ばれる一種以上のバインダーであることを特徴とする
    請求項6に記載の複合酸化物触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の製造
    方法により製造された複合酸化物触媒を用いて、アクロ
    レイン及び/又はメタクロレインを分子状酸素で気相接
    触酸化することを特徴とするアクリル酸及び/又はメタ
    クリル酸の製造方法。
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