JP2003248907A - 薄膜磁気ヘッド用基板およびその製造方法 - Google Patents
薄膜磁気ヘッド用基板およびその製造方法Info
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Abstract
おいて、TPTR、静電破壊および絶縁破壊を防止し、
装置の信頼性の高めるために好適に用いられる薄膜磁気
ヘッド用の基板を提供する。 【解決手段】 本発明の薄膜磁気ヘッド用基板は、セラ
ミックス基板1とセラミックス基板1上に形成された非
晶質SiCからなるアンダーコート膜2とを備える。
Description
ライブ装置の薄膜磁気ヘッドスライダーに用いられる薄
膜磁気ヘッド用基板およびその製造方法に関する。
て、コンピュータで扱える情報量が飛躍的に増大してき
ている。特に、従来ではアナログ信号としてのみ扱うこ
とが可能であった音声や音楽、画像などの情報もデジタ
ル信号に変換してパーソナルコンピュータで処理できる
ようになってきている。このような音楽や画像などのマ
ルチメディアデータは、多くの情報を含むため、パーソ
ナルコンピュータなどに用いられる情報記録装置の容量
を大きくすることが求められている。
ルコンピュータなどに従来より用いられている典型的な
情報記録装置である。上述した要求に応えるため、ハー
ドディスクドライブの容量をより大きくし、また、装置
を小型化することが求められている。
の薄膜磁気ヘッドスライダー部分の断面を模式的に示し
ている。図に示すように、ジンバル10により保持され
た、基板12の側面にはアンダーコート膜13が形成さ
れている。アンダーコート膜13上には、記録および再
生ヘッドである読み込み・書き込み素子14’が設けら
れている。通常ジンバル10によって保持される基板1
2および読み込み・書き込み素子14’を含むユニット
をヘッドスライダー、あるいは単にスライダーと呼ぶ。
料から形成されており、リングの一部が切り取られた形
状をしている。リングの内部にコイル15が巻かれてお
り、記録信号をコイル15に与えることによって読み込
み・書き込み素子14’に磁界が発生し、磁気記録媒体
17にデータを書き込む。また、磁気記録媒体17に記
録されている磁場の変化を電気信号に変換する。
ダーを示している。図8の薄膜磁気ヘッドスライダーで
は読み込みの性能を向上させるために、記録ヘッドと再
生ヘッドとを分離している。書き込み素子14は、図7
における読み込み・書き込み素子14’と同様の構造を
備えており、磁気記録媒体17へのデータの書き込みの
みを行う。
は、磁場の変化を電気抵抗の変化に変換する磁気抵抗効
果素子(MR、あるいはGMR)であり、磁気記録媒体
17に記録されている磁気の変化を読み取って、電気信
号に変換する。
き込み素子14および読み込み素子16を保持する基板
12は、従来よりAl2O3−TiC系のセラミックス焼
結体から形成されている。これは、熱特性、機械特性、
および加工性の点で、Al2O3−TiC(以下AlTi
Cと略す)がバランス良く優れているためである。しか
し、AlTiCは、電気的に良導体であるため、読み込
み・書き込み素子14’や書き込み素子14をそのよう
な導体に接するように配置すると、読み込み・書き込み
素子14’や書き込み素子14が短絡されてしまい、正
しく動作しない。また、AlTiCからなる基板は、そ
の表面にポアを有しており、表面の平滑性があまりよく
なかった。このため、読み込み・書き込み素子14’や
書き込み素子14と基板12との間の絶縁を高め、基板
12の表面を滑らかなものにするために、Al2O3から
形成されるアンダーコート膜13が基板12の側面上に
設けられていた。Al2O3は、絶縁特性に優れ、また、
表面の平滑性に優れるからである。
密度を更に高め、装置をより小型化することが求められ
るなかで、スライダーの構造が従来とは異なるものが提
案されている。提案されている構造では、図9(a)に
示すように、書き込み素子14および読み込み素子16
の配置が入れ替わっている。つまり、アンダーコート膜
13に隣接して、まず、読み込み素子16が配置され、
書き込み素子14は基板12から離れて配置される。
る新しい構造のスライダーを備えたハードディスクドラ
イブを実現するためには種々の解決すべき問題がある。
化が求められるにつれ、スライダーのサイズもより小さ
くする必要がある。このためには、図9(b)に示すよ
うに、書き込み素子14のコイル15が占める面積を小
さくしなければならない。具体的には、コイル15の内
径を小さくし、また、巻き線もできるだけ重ならないよ
うにしなければならない。しかし、このようにコイルの
面積を小さくすると、端子18を介してコイル15に電
流が流れたとき、単位面積あたりに発生する熱量が大き
くなってしまう。
に用いられていたAl2O3は熱伝導性があまりよくな
い。このため、コイル15に信号を流すことにより発生
した熱が、Al2O3からなるアンダーコート膜13に遮
られて、基板12へ十分拡散されず、読み込み素子16
や書き込み素子14に蓄積されてしまう。その結果、読
み込み素子16や書き込み素子14が熱による膨張を起
こし、図9(a)に矢印で示すように、磁気記録媒体1
7側へ飛び出してしまう。読み込み素子16や書き込み
素子14と磁気記録媒体17との間隔は10nm程度し
かないため、膨張を起こした読み込み素子16や書き込
み素子14は、磁気記録媒体17と接触してしまう。
Recession)と呼ばれ、読み込み素子16あるいは書き
込み素子14と磁気記録媒体との物理的な接触によっ
て、磁気記録媒体に損傷を与えたり、読み込み素子16
や書き込み素子14自体が破壊してしまう。その結果、
ハードディスクドライブ装置が機能しなくなってしまう
という重大な故障をもたらす。
子14が磁気記録媒体17と接触しない場合であって
も、読み込み素子16および書き込み素子14の熱膨張
により、磁気記録媒体17と読み込み素子16および書
き込み素子14との間隔が変化してしまう。たとえば、
読み込み素子16および書き込み素子14が数ナノメー
トル膨張すると、磁気記録媒体17と読み込み素子16
および書き込み素子14との間隔は10%以上変化す
る。このため、書き込み特性および読み込み特性が大き
く変化し、磁気記録媒体へ書き込まれる信号や磁気記録
媒体から読み込まれる信号に誤りが生じる可能性があ
る。
ト膜13の厚みを小さくし、基板12へ熱を逃がしやす
くすることが考えられる。しかし、この場合、基板12
の表面に生じているポアの影響が顕著になってしまい、
アンダーコート膜13を設ける目的が損なわれてしま
う。
16や書き込み素子14の外形が小さくなるにつれて、
静電気による静電破壊が問題となってくる。特に、ハー
ドディスクドライブ装置では磁気記録媒体が高速で回転
するため、静電気が発生しやすくなっている。これに対
して、読み込み素子16や書き込み素子14は、電気的
に絶縁性の高いAl2O3からなるアンダーコート膜13
上に形成されているため、読み込み素子16および書き
込み素子14に静電気が蓄積されてしまう。このため、
蓄積される静電気が所定の量を超えると、蓄積された静
電気がいっきに放電されてしまい、読み込み素子16や
書き込み素子14が破壊してしまうという問題がある。
3の厚みを小さくし、アンダーコート膜13の絶縁性を
低くすることが考えられる。しかし、そのような変更を
行えば、蓄積した静電気が、アンダーコート膜13に隣
接したAlTiCからなる基板12へ放電される可能性
があり、その場合、アンダーコート膜13が絶縁破壊を
起こしてしまう。
れたものであって、その目的とするところは、小型で高
記録密度のハードディスクドライブ装置において、上記
問題の発生を防ぎ、装置の信頼性の高めるために好適に
用いられる薄膜磁気ヘッド用の基板およびその製造方法
を提供する。
用基板は、セラミックス基板とセラミックス基板に保持
された非晶質SiCからなるアンダーコート膜とを備え
ている。
コート膜の厚みは、0.1〜10μmである。前記アン
ダーコート膜のみの体積抵抗率は、1×10-1〜1×1
015Ω・cmである。前記アンダーコート膜の表面の平
均粗さは、1nm以下である。
Cは、SiおよびCを主成分とし、Siが全体の20〜
80原子%、Cが全体の20〜80原子%である。前記
非晶質SiCは、さらにOを含んでいてもよく、その含
有率は全体の5〜15原子%である。前記非晶質SiC
は、さらにHおよび/またはArを含んでいてもよい。
また、好ましい実施形態において、前記セラミックス基
板の熱伝導率は、5W/mK以上である。前記セラミッ
クス基板の体積抵抗率は、1×10-5〜1×109Ω・
cmである。前記セラミックス基板の表面の平均粗さ
は、2.5nm以下である。前記セラミックス基板は、
全体の24〜75mol%のα−Al2O3と、全体の2
mol%以下の添加剤とを含むアルミナ系セラミックス
材料が用いられる。残部は導電性、熱伝導性に富み、機
械的強度がアルミナに比べて著しく低いものでなければ
よい。具体的には、前記アルミナ系セラミックス材料
は、さらに全体の24〜75mol%の金属の炭化物ま
たは金属の炭酸窒化物を含む。
記いずれかの薄膜磁気ヘッド用基板と、前記薄膜磁気ヘ
ッド用基板に保持された書き込み素子および読み込み素
子とを備えている。また、本発明のハードディスクドラ
イブ装置は、上記薄膜磁気ヘッドスライダーを備えてい
る。
は、セラミックス基板上に非晶質SiCからなるアンダ
ーコート膜を物理的堆積法により形成する。
ク基板を200〜800℃の温度で保持しながら前記ア
ンダーコート膜を形成する。あるいは、前記セラミック
ス基板上に前記アンダーコート膜を形成後、前記アンダ
ーコート膜を300〜800℃の温度で熱処理する。
〜0.6分圧比のArガス、0.1〜0.9分圧比の炭
化水素ガス、0〜0.5分圧比の水素ガス、および0〜
0.05分圧比の酸素ガスを含む雰囲気下において前記
アンダーコート膜を形成する。 本発明の薄膜磁気ヘッ
ドスライダーの製造方法は、セラミックス基板と、前記
セラミックス基板に保持された非晶質SiCからなるア
ンダーコート膜とを備えた、請求項1から15のいずれ
かに記載の薄膜磁気ヘッド用基板を用意する工程と、前
記アンダーコート膜上に書き込み素子および読み取り素
子を配置する工程とを包含する。
には、絶縁破壊の防止に有効であり、かつ、熱伝導性に
優れた材料を用いてアンダーコート膜を形成することが
重要である。本願発明者がこの点について検討した結
果、読み込み素子がアンダーコート膜に隣接する新しい
構造のスライダーでは、アンダーコート膜が必ずしも高
絶縁性を備えている必要がないことに気がついた。なぜ
なら、MRあるいはGMRなどの読み込み素子はその特
性上、素子自体が絶縁構造になっているからである。し
たがって、絶縁破壊を防止するためには、アンダーコー
ト膜に適度な導電性を与え、電荷が蓄積する前に、アン
ダーコート膜を介して基板へ電荷を逃がしてやることが
重要である。また、従来の構造を備えたスライダーにお
いても、ある程度の絶縁性は要求されるものの、アルミ
ナほどの高い絶縁性は必要ないことが分かった。
結果、本願発明者は、SiCが熱伝導性に優れる半導電
性材料(適度な導電性を有する)として適当であること
を見出した。SiCは、従来より、半導体材料あるい
は、切削工具等のコーティング材料として知られてお
り、単結晶や多結晶状態のものが主として用いられてい
る。また、特許文献3には、CVD(Chemical Vapor D
eposition)法によって多結晶SiCを基板の上に形成
し、薄膜磁気ヘッドに用いることが開示されている。
ところ、単結晶や多結晶のSiCは脆性が高く、切断加
工の際にクラックの発生が顕著にみられ、その結果、チ
ッピングが多く見られることが分かった。切削によって
SiC膜にチッピングが生じた基板を用い、薄膜磁気ヘ
ッドスライダーを製造した場合、ハードディスクドライ
ブ装置内で、更にチッピングが拡大し、SiCの破片が
磁気記録媒体の上に落下したり、ハードディスクドライ
ブ装置内に散乱する可能性がある。このような破片は、
高速で回転する磁気記録媒体に対して微小な間隔で保持
されている薄膜磁気ヘッドスライダーを備えたハードデ
ィスクドライブ装置に対して深刻な故障を引き起こすこ
ととなる。
ところ、SiCを非晶質構造に形成することによって、
SiCの脆性を改善し、上記課題を解決しうる優れた薄
膜磁気ヘッド用の基板を提供し得ることを発見した。し
かも、非晶質構造をとっても、SiCは、上記課題を解
決する上では十分な熱伝導性および適度な導電性を備え
ていることが分かった。
C膜に要求される導電性(体積抵抗率)は異なるが、以
下の方法によって所望の体積抵抗率に制御できることが
分かった。すなわち、非晶質のSiC膜を形成する際の
基板の加熱温度によって、SiC膜の体積抵抗率が変化
すること、および、SiC膜形成後の熱処理によっても
SiC膜の体積抵抗率を変えることができることを見出
した。実験結果によれば、基板加熱温度あるいは熱処理
温度が高くなるにしたがって、SiC膜の体積抵抗率も
高くなる。この特徴を利用して、SiC膜の体積抵抗率
を制御することが可能となる。さらに本願発明者は、非
晶質SiC膜を形成する際の成膜雰囲気を制御し、Si
C膜中に含まれる水素やアルゴンの量を変えることによ
って、体積抵抗率などのSiC膜の物性を調節できるこ
とが分かった。この方法によってもSiC膜の体積抵抗
率を制御することが可能となる。
する。
ド用基板は、セラミックス基板1とセラミックス基板1
に保持されたアンダーコート膜2とを備えている。な
お、図1に示す薄膜磁気ヘッド用基板をセラミックス基
板1に対して垂直な方向に切断したチップが、図9
(a)に示す基板12およびアンダーコート膜13とし
て用いられる。
スは、静電破壊を防ぐために、静電気が蓄積しないよう
な範囲の体積抵抗率を備えていることが好ましい。具体
的には、体積抵抗率は、1×109Ω・cm以下である
ことが好ましい。この値は、半導通材料と呼ばれる材料
の体積抵抗率の上限値でもある。一方、静電気が蓄積し
にくいという観点では、セラミックスの体積抵抗率は、
低いほど好ましい。しかし、あまり体積抵抗率が低い
と、セラミックスが金属結合性を帯びてきて、切断抵抗
性が高くなり、トライボロジー特性が悪くなる。したが
って、体積抵抗率は、1×10-5Ω・cm以上であるこ
とが好ましい。以上の理由からセラミックス基板の体積
抵抗率は、1×10-5〜1×109Ω・cmの範囲にあ
ることが好ましい。
高い材料から構成されることが好ましい。読み取り素子
や書き込み素子において発生した熱を蓄積させないで、
アンダーコート膜2を介してセラミックス基板1内へ効
率よく拡散させるためには、熱伝導率が5W/mK以上
であることが好ましく、15W/mK以上であることが
より好ましい。
と、アンダーコート膜2の面粗さが粗くなり、研磨工程
においてアンダーコート膜2の面粗さを後述する所定の
範囲にすることができない。したがって、アンダーコー
ト膜2を形成する前において、セラミックス基板1の表
面の平均粗さ(Ra)は、2.5nm以下であることが
好ましい。
限り、セラミックス基板1の材料として種々の組成のセ
ラミックスを用いることができる。例えば、セラミック
ス基板1は、24〜75mol%のα-Al2O3を含
み、残部は、金属の炭化物もしくは炭酸窒化物および2
mol%以下の焼結助剤から構成されていてもよい。上
述の組成を有する基板材料は、開口ポアが非常に少な
く、高精度の面粗さに仕上げることが可能であるため、
薄膜磁気ヘッドスライダーに用いる基板として適してい
る。特に、上記組成比のAl2O3と24〜75mol%
のTiCと2mol%以下の焼結助剤とを含むセラミッ
クスからなる基板は薄膜磁気ヘッドスライダーに好適に
用いられる。
基板としては、上記のほか、特許文献4や特許文献5に
開示されているSiC−Al2O3系セラミックス材料を
用いた基板、特許文献6や特許文献7に開示されたZr
O2−Al2O3系セラミックス材料を用いた基板、導電
性セラミックス材料として有名なZrO2−SiC系セ
ラミックス材料を用いた基板などを用いることもでき
る。ただし、窒化珪素に代表されるような難加工性材料
であって、トライボロジー特性の悪い材料は、セラミッ
クス基板1には向いていない。
Cから形成されている。上述したように、従来から知ら
れているSiCにはCVD法などの化学的堆積方法が用
いられ、多結晶構造や単結晶構造を備えている。本発明
者は、スパッタ法あるいは蒸着法などの物理的堆積方法
によってSiC膜を形成した。このような方法により形
成されたSiC膜は結晶構造を示さず、非晶質になって
いる。本発明で用いる非晶質のSiC膜は、例えば、単
結晶あるいは、多結晶のSiCをターゲットとして、公
知のスパッタリング装置を用いて形成することができ
る。あるいは、炭素含有ガスを含む雰囲気中において、
Siをターゲットとしてスパッタすることによって形成
してもよい。
単結晶や多結晶などの結晶性の構造をとっているかは、
形成されたSiC膜のX線回折分析により、所定の結晶
方位のピークが検出されるかどうかで判断できる。具体
的には、図2に示すように、X線回折チャートにおい
て、非晶質構造に由来するハローと呼ばれるブロードな
ピークAのみが観測される場合、SiC膜は非晶質構造
をとっている。これに対して2θ=35.8°±3°や
2θ=34.9°±3°など結晶性SiCに由来するピ
ークが観測される箇所にピークBが観測される場合、S
iC膜は結晶性の構造を備えている。
ば、成膜方法は必ずしも前記物理的堆積法に限定される
ものではない。
分とし、20〜80原子%のSiおよび20〜80原子
%のCを含んでいることが好ましい。Cの含有比率が2
0%よりも小さいと、得られる材料は耐腐食性が悪くな
る。また、Cの含有比率が80%よりも大きいと、得ら
れる膜の応力が高くなりすぎる。また、ビッカース硬度
Hvも1600より大きくなり、硬く、脆くなる。Si
C膜はさらにOを含んでいてもよく、その場合、含有率
は、全体の5原子%以上15原子%以下であることが好
ましい。
造の安定性が悪くなる恐れがある。また、Oの含有比率
が15%よりも大きいと、得られる材料はSiO2の性
質を帯びてくる。このため、膜の硬度、熱伝導率、およ
び耐腐食性の点で十分な特性を得ることができなくな
る。このように本実施形態で用いる非晶質SiC膜は前
記の範囲において微量の酸素を含んでいてもよい。
る元素に加えてTi、Al、He、Ne、B、P、S、
Nなどを不可避元素として含んでいてもよい。特に、ア
ンダーコート膜2を形成する下地基板の構成元素は、ア
ンダーコート膜を形成する際に用いるプラズマやイオン
ビームなどの形成条件により、基板から脱離してアンダ
ーコート膜2に取り込まれる可能性がある。このような
元素が微量アンダーコート膜2に含まれていても、得ら
れる膜の特性に実質的な影響はない。
00〜1600のビッカース硬度Hv、3.0〜5.0
の線膨張率α、および150〜300GPaのヤング率
を有する。また、加工能率として結晶性SiCの10倍
以上の研磨加工性を備え、加工性に優れている。非晶質
SiC膜を形成する基板との密着性がよく、セラミック
基板1と非晶質SiC膜との間に密着性を改善するため
の下地膜を形成する必要はない。
アンダーコート膜2として用いる。アンダーコート膜2
の厚みは、0.1〜10μmの範囲の値であることが好
ましい。膜厚が0.1μmよりも小さい場合、セラミッ
クス基板1が潜在的にもっているマイクロポアを完全に
は埋めることができないため、好ましくない。また、厚
みが10μmを超える場合、熱伝導距離が大きくなるこ
とにより、熱伝導性が悪くなってしまい、コイルで発生
した熱を基板へ伝える速度が小さくなってしまう。さら
に好ましい膜厚の範囲は、0.5〜2μmである。膜厚
が0.5μm以上であれば、表面粗さを後述の範囲内の
値に困難なく調整できる。
CMP(Chemical Mechanical Polish)などの方法によ
って、1nm以下に調製されていることが好ましい。ア
ンダーコート膜2上に形成されるMR素子またはGMR
素子などの読み取り素子のセンサ部分の厚みは10nm
以下であり、超精密な平坦度が要求されるからである。
み素子や読み取り素子で発生した熱を速やかに伝導させ
るため、おおよそ5W/mK以上であることが好まし
い。本願発明者が確認したところ、アンダーコート膜2
が非晶質SiCから形成されている限り、この条件は満
足される。
ている新しい構造のスライダー(図9参照)のようにア
ンダーコート膜に高絶縁性が要求されない場合は、アン
ダーコート膜2もセラミックス基板1と同様、体積抵抗
率は小さいほうが好ましい。しかし、その値はセラミッ
クス基板1やアンダーコート膜上に載置される素子との
関係から通常1×10-1Ω・cm〜1×108Ω・cm
の範囲にあることが好ましい。すなわち体積抵抗率が1
×10-1Ω・cm未満では、電気抵抗が低すぎるため、
アンダーコート膜2上に載置される絶縁構造を有する素
子とアンダーコート膜2との間で電気抵抗の差が大きく
なりすぎてしまい、この間において、絶縁破壊が生じる
可能性がある。また、体積抵抗率が1×108Ω・cm
を超えると、絶縁性が高くなりすぎてしまい、今度はセ
ラミックス基板1とアンダーコート膜2との間で絶縁破
壊が生じる可能性がある。なお、アンダーコート膜2と
素子との間に導電性シールド膜を配置した構成において
も上記範囲の体積抵抗率を満たしていれば絶縁破壊の問
題は生じない。
7、8参照)のようにアンダーコート膜に絶縁性が要求
される場合には、以下のような方法により体積抵抗率を
調整することができる。まず1番目の方法として、通常
の物理的成膜法によって形成されたSiC膜からなるア
ンダーコート膜2を300℃以上800℃以下の温度
で、1〜12時間熱処理することによって成膜時に示し
ていた体積抵抗率よりも増大させることができる。熱処
理の温度が300℃未満であると、体積抵抗率の変化は
小さく加熱の効果が十分には見られない。一方、800
℃を超える温度で加熱すると、高温により生じる応力の
ため、アンダーコート膜2がセラミックス基板1から剥
離したり、チッピング特性の低下を招く恐れがある。ア
ンダーコート膜の他の特性を実質的に変化させることな
く、体積抵抗率を大きくするためには、300〜600
℃の間の温度で熱処理することがさらに好ましい。この
熱処理による方法を用いることによって、体積抵抗率を
1×1015Ω・cm程度まで増大させることができる。
アンダーコート膜2をセラミック基板1上に形成する
際、セラミックス基板1を加熱あるいは高温で保持する
ことによっても、室温で形成したときにSiC膜が備え
ている体積抵抗率よりも高い値を備えたアンダーコート
膜2を形成することができる。
め所定の温度に加熱してからアンダーコート膜2を堆積
しても良いし、赤外線ランプ等により、アンダーコート
膜2を堆積しながらセラミックス基板1を加熱してもよ
い。成膜時に基板を加熱あるいは高温で保持する場合に
は、基板の温度は200〜800℃の範囲にあることが
好ましい。200℃未満では、体積抵抗率の変化は小さ
く熱処理の効果が十分には見られず、800℃を超える
温度で基板を保持すると、高温により生じる応力のた
め、アンダーコート膜2がセラミックス基板1から剥離
したり、チッピング特性の低下を招く恐れがある。この
成膜時の基板加熱による方法を用いることによって、体
積抵抗率を1×1012Ω・cm程度まで増大させること
ができる。
ート膜2の体積抵抗率を成膜時の基板加熱温度あるいは
成膜後の熱処理温度によって制御できる。したがって、
用途に応じて、任意の体積抵抗率を備えたアンダーコー
ト膜2をセラミック基板1上に形成することができる。
形成されたSiC薄膜の体積抵抗率との関係をあらかじ
め実験などで求めておくことによって、所望の体積抵抗
率を得るのに必要な成膜温度がわかる。したがって、セ
ラミックス基板1をその成膜温度に設定して、アンダー
コート膜2を堆積することにより、所望の体積抵抗率を
有するアンダーコート膜2をセラミックス基板1上に形
成することができる。
際の温度と、熱処理前後のアンダーコート膜2の体積抵
抗率の変化との関係を求めることができる。この関係を
用いて、熱処理によってアンダーコート膜2の体積抵抗
率を所望の値に調整できる。
非晶質SiC中に含まれるHおよび/またはArの含有
量を変化させることによっても調整できる。この場合、
非晶質SiCは、たとえば、RFあるいはDCスパッタ
法により形成する。イオンアシストあるいはバイアス機
構を備えた蒸着法により形成してもよい。スパッタ法の
ターゲットあるいは、蒸着法の蒸着源として金属Siま
たはSiCを用いる。膜形成雰囲気は、0.1〜0.6
分圧比のArガス、0.1〜0.9分圧比の炭化水素ガ
ス、0〜0.5分圧比の水素ガスおよび0〜0.05分
圧比の酸素ガスで構成する。
面に対してプラズマ処理を施してもよい。たとえば、ア
ルゴンを0.5〜1分圧比にし、水素ガスを0〜0.5
分圧比にして、放電を開始させ、非晶質SiC膜を形成
する基板の表面をプラズマに曝す。
ト膜2として用いられるSiC膜は、Si-C-Oを10
0としたとき、それぞれ0〜15%のモル比でHおよび
Arを含んでいると推測される。Hの含有率を変化させ
ることにより、体積抵抗率および膜の硬度を調節するこ
とができる。Hの含有比率が高すぎると、膜が樹脂化し
て十分な硬度が得られなくなる。また、Arの含有率を
変化させることにより、体積抵抗率および膜の応力を調
節することができる。本発明者によれば、Hの含有率を
変化させることの方が体積抵抗率の調整に効果があるこ
とを確認した。なお、HおよびArを含有させることな
く体積抵抗率、膜の硬度および膜の応力が所望の値とな
るのであれば、HおよびArの含有比率はゼロであって
もかまわない。膜形成雰囲気中の各ガスの分圧比を上述
の範囲内で調整することにより、HおよびArの含有比
率を上記範囲内において変化させることができる。
たり、成膜後熱処理をしなくても、体積抵抗率を調節す
ることができるが、前述の2つの方法と組み合わせて用
いることもできる。
抗率の下限はセラミックス基板1の体積抵抗率の上限よ
りも高ければよく、通常、その値は1×10-1Ω・cm
程度である。なお、工業的生産の観点から成膜のしやす
い、1×105Ω・cm以上の膜が得やすい。
を作製した実施例を説明する。
2で示す試料を作成し、種々の特性を測定した。
れる組成の基板上に多結晶SiCをターゲットとしたス
パッタ法によって非晶質SiC膜を形成した。このう
ち、試料1〜8、17については、常温で非晶質SiC
膜を形成し、成膜後、熱処理は行わなかった。試料9〜
12については、常温で非晶質SiC膜を形成した後、
表2に示す温度で熱処理をした。試料13〜16につい
ては、非晶質SiC膜を形成する際、表2に示す温度で
基板を加熱した。
して、多結晶SiC膜をCVD法によって形成した。
をターゲットとし、以下に示す分圧比でAr、CH4、
H2、およびO2ガスを含む雰囲気中で作製した。成膜中
の加熱および成膜後の熱処理は行わなかった。
て求めた。結晶性は、X線回折による回折パターンの有
無により判断した。基板および膜面の表面粗さは触針式
粗度計によって求めた。体積抵抗率は表面抵抗測定装置
によって求めた。チッピング特性は、外周刃切断機で基
板を切断し、切断面を顕微鏡によって100倍に拡大し
て観察し、単位長さあたりに発生した20μm以上のチ
ッピングの個数で評価した。基板のトライボロジー特性
はコンタクトスタート・ストップ時における摩擦抵抗に
よって判断した。熱伝導性はレーザフラッシュ法によっ
て判断した。
かなように、スパッタ法により形成した膜はいずれも非
晶質であり、膜面の表面粗さが1nm以下であり、体積
抵抗率も1×106Ω・cm以上であった(表2)。ま
た、チッピング特性および基板のトライボロジー特性も
優れており、熱伝導性も良好であった。このことから、
試料1〜8の薄膜磁気ヘッド用基板は、導電性および熱
伝導性に優れ、かつ加工性および機械特性も良好である
ことが分かる。
膜の厚さが15μmもあると、熱伝導性が悪くなってし
まう。
9のSiC膜は、結晶質であり、熱伝導性には優れる
が、チッピング特性および基板のトライボロジー特性が
悪く、加工性および機械特性が不良であり、薄膜磁気ヘ
ッド用基板としては適していないことがわかる。
かるように、SiC膜を形成した後に熱処理することに
よって、熱処理温度に応じてSiC膜の体積抵抗率が制
御できる。
果から分かるように、SiC膜を形成する際の基板加熱
温度を制御することによってもSiC膜の体積抵抗率を
制御できる。
に、ArとCH4との分圧比を変化させることにより、
体積抵抗率を変化させることができる。
析したところ、いずれの試料もSiおよびCを主成分と
し、Siの含有率が20〜80原子%でありCの含有率
が20〜80原子%であった。また、Oの含有率は5〜
15原子%であった。試料20〜22は、Si−C−O
を100としArを0〜15mol%含んでいた。ま
た、1000〜1600のビッカース硬度Hv、3.0
〜5.0の線膨張率α、および150〜300GPaの
ヤング率を有していることも確認した。
グ特性を確かめるために、作製した薄膜磁気ヘッド用基
板をダイシングソーで切断し、切断面を光学顕微鏡で観
察した。図3(a)に示すように、セラミックス基板1
上に形成されたアンダーコート膜2を備えた薄膜磁気ヘ
ッド用基板を貼り付け基板3に固定して、テーブル4の
上に保持し、ダイシングソー5で薄膜磁気ヘッド用基板
を切断した。図3(b)に示すように、チッピングは、
ダイシングソー5が薄膜磁気ヘッド用基板のアンダーコ
ート膜2と接する部分において発生する。
薄膜磁気ヘッド用基板の切断個所を上から見た顕微鏡写
真である。図において、ほぼ水平に伸びる境界の下側が
薄膜磁気ヘッド用基板を示している。図から明らかなよ
うに、切断面にはほとんどチッピングがなく、本発明の
薄膜磁気ヘッド用基板は良好なチッピング特性を備えて
いるのが分かる。
は、CVD法により形成した多結晶SiC膜をアンダー
コート膜として有する薄膜磁気ヘッド用基板の切断個所
を示している。これらの図においても、図中の境界の下
側が薄膜磁気ヘッド用基板を示している。図5(a)お
よび(b)から明らかなように、多結晶CVD法による
SiC膜は脆性が高く、チッピングが著しい。
れば、アンダーコート膜として非晶質SiC膜を用いる
ことによって、高密度記録ハードディスクドライブ装置
の薄膜磁気ヘッドスライダーに要求される熱伝導性、電
気伝導性、加工特性および機械特性を達成し、優れた薄
膜磁気ヘッド用基板が得られる。これらの要求をすべて
満たす材料は知られておらず、例えば結晶性のSiC膜
では、これらの要求を同時には満たしえなかった。
により形成すれば、ガス圧や膜の堆積速度、バイアス電
圧等を調整することによって、薄膜磁気ヘッド用基板の
応力も制御しうる。したがって、用途に応じてより最適
な薄膜磁気ヘッド用基板を提供することができる。
記録ハードディスクドライブ装置の薄膜磁気ヘッドスラ
イダーに好適に用いられる。また、そのような薄膜磁気
ヘッドスライダーを用いることによって、信頼性の高い
高密度記録ハードディスクドライブ装置を得ることがで
きる。薄膜磁気ヘッド用基板を用いて、薄膜磁気ヘッド
スライダーおよびハードディスクドライブ装置を製造す
る方法は、例えば特許文献1および特許文献2に開示さ
れている。
ダーの実施形態の一例を説明する。
主要部を示す斜視図である。図6には薄膜磁気ヘッドス
ライダー80のジンバルは示されていないが、図9と同
様、図6に示す主要部がジンバルに取り付けられてい
る。
クス基板1と、セラミックス基板1上に堆積されたアン
ダーコート膜2と、アンダーコート膜2上に堆積された
シールド膜85とを備えている。本実施形態ではアンダ
ーコート膜として上述の組成を有し、厚さ2〜3μmの
非晶質SiC膜をDCスパッタ法により形成する。
ギャップ86が設けられており、そのギャップ86内に
再生用のGMR素子87が配置されている。GMR素子
87は不図示の電極やGMR膜を有する公知の構成を備
えている。ギャップ86は、GMR素子87を覆うよう
にしてシールド膜85上に堆積されたアルミナなどの絶
縁膜から形成されている。GMR素子87の厚さは、例
えば0.1μm程度である。なお、シールド膜85上に
形成される磁気素子(再生素子)は、GMR素子に限定
されない。MR素子やTMR素子など他のタイプの素子
であってもよい。
ールド膜88が堆積されている。シールド膜85および
88は、例えばパーマロイなどの軟磁性材料から形成さ
れており、磁気シールド膜としての機能も発揮する。シ
ールド膜88上には、0.4〜0.6μmの書き込みギ
ャップ89を介してトップポール(厚さ:2〜3μm)
90が形成されている。シールド膜88とトップポール
90との間には、厚さ5μm程度のCu膜をパターニン
グすることによって形成したコイルパターン91が設け
られている。コイルパターン91は、その周囲が有機絶
縁膜で覆われている。ボトムポール88、コイルパター
ン91およびトップポール90等によって記録ヘッド部
が構成されている。コイルパターン91に通電すること
によって書き込みギャップ89近傍に磁界が形成され、
不図示の記録媒体へのデータの書き込み(記録)が実行
される。記録ヘッド部はオーバーコート(厚さ:例えば
40μm)によって覆われている。これらの積層構造
は、通常の薄膜堆積技術やリソグラフィ技術によって製
造される。図6に示すヘッド部が完成したあとヘッド部
をジンバルに取り付け、薄膜磁気ヘッドスライダーが完
成する。
が熱伝導性および適度な導電性を備えているため、読み
取り素子あるいは書き込み素子から発生する熱によって
素子自体が膨張し、磁気記録媒体と接触するという問題
を防ぐことができ、また、薄膜磁気ヘッドスライダーの
静電破壊や絶縁破壊も防止しうるともに、加工性および
機械性に優れ、高密度記録ハードディスクドライブ装置
に適した薄膜磁気ヘッドスライダーが得られる。
ート膜はセラミックス基板の上に直接形成されていた。
しかし、アンダーコート膜は必ずしもセラミックス基板
に直接形成されている必要はなく、例えば、電気導電性
および熱伝導性のよい薄膜をアンダーコート膜とセラミ
ックス基板の間に設けてもよい。
ダーの読み取り素子あるいは書き込み素子から発生する
熱によって素子自体が膨張し、磁気記録媒体と接触する
という問題を防ぐことができ、また、薄膜磁気ヘッドス
ライダーの静電破壊や絶縁破壊も防止しうるともに、加
工性および機械性に優れ、高密度記録ハードディスクド
ライブ装置に適した薄膜磁気ヘッド用基板が得られる。
ことにより、信頼性の高い薄膜磁気ヘッドスライダーお
よびハードディスクドライブ装置が得られる。
す断面図である。
トである。
ーで切断する工程を模式的に示す側面図であり、(b)
はその上面図である。
の上面顕微鏡写真である。
たアンダーコート膜を有する薄膜磁気ヘッド用基板を切
断した部分の上面顕微鏡写真である。
示す斜視図である。
す断面図である。
に示す断面図である。
式的に示す断面図であり、(b)は書き込み素子が形成
された面からみた側面図である。
Claims (19)
- 【請求項1】 セラミックス基板と、前記セラミックス
基板に保持された非晶質SiCからなるアンダーコート
膜とを備えた薄膜磁気ヘッド用基板。 - 【請求項2】 前記アンダーコート膜の厚みが0.1〜
10μmである請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド用基
板。 - 【請求項3】 前記アンダーコート膜の体積抵抗率が1
×10-1〜1×1015Ω・cmである請求項1または2
のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用基板。 - 【請求項4】 前記アンダーコート膜の表面の平均粗さ
が1nm以下である請求項1から3のいずれかに記載の
薄膜磁気ヘッド用基板。 - 【請求項5】 前記非晶質SiCは、SiおよびCを主
成分とし、Siが全体の20〜80原子%、Cが全体の
20〜80原子%である請求項1から4のいずれかに記
載の薄膜磁気ヘッド用基板。 - 【請求項6】 前記非晶質SiCは、さらにOを含み、
その含有率は全体の5〜15原子%である請求項5に記
載の薄膜磁気ヘッド用基板。 - 【請求項7】 前記非晶質SiCは、さらにHおよび/
またはArを含む請求項6に記載の薄膜磁気ヘッド用基
板。 - 【請求項8】 前記セラミックス基板の熱伝導率が5W
/mK以上である請求項1から7のいずれかに記載の薄
膜磁気ヘッド用基板。 - 【請求項9】 前記セラミックス基板の体積抵抗率が1
×10-5〜1×109Ω・cmである請求項1から8の
いずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用基板。 - 【請求項10】 前記セラミックス基板の表面の平均粗
さが2.5nm以下である請求項1から9のいずれかに
記載の薄膜磁気ヘッド用基板。 - 【請求項11】 前記セラミックス基板は、全体の24
〜75mol%のα−Al2O3と、全体の2mol%以
下の添加剤とを含むアルミナ系セラミックス材料からな
る請求項1から10のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド
用基板。 - 【請求項12】 前記アルミナ系セラミックス材料は、
さらに全体の24〜75mol%の金属の炭化物または
金属の炭酸窒化物を含む請求項11に記載の薄膜磁気ヘ
ッド用基板。 - 【請求項13】 請求項1から12のいずれかに記載の
薄膜磁気ヘッド用基板と、前記薄膜磁気ヘッド用基板に
保持された書き込み素子および読み込み素子とを備えた
薄膜磁気ヘッドスライダー。 - 【請求項14】 請求項13に記載の薄膜磁気ヘッドス
ライダーを備えるハードディスクドライブ装置。 - 【請求項15】 セラミックス基板上に非晶質SiCか
らなるアンダーコート膜を物理的堆積法により形成する
薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法。 - 【請求項16】 前記セラミック基板を200〜800
℃の温度で保持しながら前記アンダーコート膜を形成す
る請求項15に記載の薄膜磁気ヘッド用基板の製造方
法。 - 【請求項17】 前記セラミックス基板上に前記アンダ
ーコート膜を形成後、前記アンダーコート膜を300〜
800℃の温度で熱処理する請求項15に記載の薄膜磁
気ヘッド用基板の製造方法。 - 【請求項18】 0.1〜0.6分圧比のArガス、
0.1〜0.9分圧比の炭化水素ガス、0〜0.5分圧
比の水素ガス、および0〜0.05分圧比の酸素ガスを
含む雰囲気下において前記アンダーコート膜を形成する
請求項15から17のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド
用基板の製造方法。 - 【請求項19】 セラミックス基板と、前記セラミック
ス基板に保持された非晶質SiCからなるアンダーコー
ト膜とを備えた、請求項1から12のいずれかに記載の
薄膜磁気ヘッド用基板を用意する工程と、 前記アンダーコート膜上に書き込み素子および読み取り
素子を配置する工程と、を包含する薄膜磁気ヘッドスラ
イダーの製造方法。
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-
2002
- 2002-12-12 JP JP2002360893A patent/JP4218335B2/ja not_active Expired - Lifetime
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