JP2003248282A - 放射線撮影用カセッテ - Google Patents

放射線撮影用カセッテ

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JP2003248282A
JP2003248282A JP2002049771A JP2002049771A JP2003248282A JP 2003248282 A JP2003248282 A JP 2003248282A JP 2002049771 A JP2002049771 A JP 2002049771A JP 2002049771 A JP2002049771 A JP 2002049771A JP 2003248282 A JP2003248282 A JP 2003248282A
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phosphor
radiation
stimulable phosphor
cassette
sheet
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JP2002049771A
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English (en)
Inventor
Takehiko Shoji
武彦 庄子
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散乱線による影響を効果的に除去して、放射
線画像の画質を格段に向上させることのできる放射線撮
影用カセッテを提供すること 【解決手段】 輝尽性蛍光体シート20を収納する筐体
11を備える放射線撮影用カセッテ10において、前記
筐体11の前面板11bと前記輝尽性蛍光体シート20
との間に、放射線が照射されることにより瞬時に発光す
る第一の蛍光体を含む蛍光体層13を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線撮影用カセ
ッテに関し、特に、輝尽性蛍光体シートを用いた放射線
画像情報記録再生方式において使用される放射線撮影用
カセッテに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、X線画像に代表される放射線
画像が病気診断用などに広く用いられている。この放射
線画像を得るための方式としては、被写体を透過させた
放射線を増感紙と呼ばれる蛍光体層に照射し、この蛍光
体層から放出された可視光をハロゲン化銀写真感光材料
に照射し、この感光材料に現像処理を施して可視画像を
得る、いわゆる放射線写真方式が提案され、実用化され
ている。また、近年においては、前記した放射線写真方
式に変えて、照射された放射線エネルギーを蓄積し、励
起光を照射すると蓄積された放射線エネルギーに応じて
輝尽発光する「輝尽性蛍光体」を用いた放射線画像記録
再生方式が提案されている。
【0003】この放射線画像記録再生方式は、被写体を
透過させた放射線を輝尽性蛍光体に照射することによっ
て、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネ
ルギー(以下、「画像情報」という)を輝尽性蛍光体に
蓄積させた後、励起光によって輝尽性蛍光体に蓄積され
た放射線エネルギーを輝尽発光させ、この輝尽発光光の
強弱を電気信号に変換し、この電気信号を、感光材料な
どの画像記録材料やCRTなどの画像表示装置を介して
可視像として再生するものである。
【0004】前記した放射線画像記録再生方式で使用さ
れる輝尽性蛍光体は、一般にシート上の支持体に積層さ
れ、放射線撮影用カセッテに収納されて取り扱われるこ
とが多い。放射線撮影用カセッテ(以下、「カセッテ」
という)とは、輝尽性蛍光体シートを収納可能な平たい
筐体であって、搬送時または撮影時における輝尽性蛍光
体の物理的損傷を防止するとともに、撮影後に輝尽性蛍
光体に光が照射されて蓄積された画像情報が消滅するの
を防止するものである。また、シート状支持体および輝
尽性蛍光体からなる輝尽性蛍光体シートは、カセッテに
収納されるが、この際、輝尽性蛍光体を積層した面がカ
セッテの前面板の裏面に対向するように配置される。
【0005】前記した輝尽性蛍光体シートを用いた放射
線画像記録再生方式によると、放射線写真方式と比較し
て極めて少ない被爆線量で情報量の豊富な放射線画像を
得ることができるが、輝尽性蛍光体は感度が高いため、
被写体を透過する際に散乱した低エネルギーの放射線
(散乱線)をも蓄積してしまい、正確な画像情報の蓄積
が妨げられる場合があった。また、X線等の放射線はそ
のエネルギー強度が低いほど、輝尽性蛍光体に吸収され
やすい。このため、散乱線は輝尽性蛍光体シートの表層
部でそのほとんどが吸収されることになり、可視像とし
て再生する際のノイズとなり、診断性能の低下など種々
の弊害を招く場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような散乱線を除
去するための手段として、従来は、放射線吸収率の高い
鉛などからなる放射線吸収層と、放射線吸収率の低いア
ルミニウム、紙、木、合成樹脂などからなる放射線透過
層とを交互に設けた積層体を、放射線吸収率の低いカバ
ー部材などで被覆して構成した「グリッド」が使用され
ており、カセッテの前面板と輝尽性蛍光体シートとの間
にこのグリッドを配置することによって、散乱線を除去
していた。
【0007】しかし、このグリッドを構成するカバー部
材や放射線透過層による散乱や、カセッテ前面板による
散乱により、グリッドを使用するだけでは散乱線の除去
が不十分であった。本発明の課題は、散乱線による影響
を効果的に除去して、放射線画像の画質を格段に向上さ
せることのできる放射線撮影用カセッテを提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、輝尽性蛍光体シートを収納
する筐体を備える放射線撮影用カセッテにおいて、前記
筐体の前面板と前記輝尽性蛍光体シートとの間に、放射
線が照射されることにより瞬時に発光する第一の蛍光体
を含む蛍光体層が設けられていることを特徴とする。
【0009】請求項1記載の発明によれば、放射線撮影
用カセッテにおいて、輝尽性蛍光性シートを収納する筐
体の前面板と輝尽性蛍光体シートとの間に、放射線が照
射されることにより瞬時に発光する第一の蛍光体を含む
蛍光体層が設けらることによって以下に示す作用効果が
得られる。
【0010】輝尽性蛍光体シートに照射される放射線の
うち、散乱線はそのエネルギー強度が極めて低いため輝
尽性蛍光体シートの表層部の輝尽性蛍光体に蓄積されや
すく、被写体を透過した放射線はそのエネルギー強度は
極めて高いため輝尽性蛍光体シートの深層まで到達して
蓄積されている。このような状態において、第一の蛍光
体が放射線の照射によって発光すると、輝尽性蛍光体シ
ートの表層部にある輝尽性蛍光体のみを二次励起するこ
とができる。そして、表層部に蓄積された散乱線のエネ
ルギーは、輝尽性蛍光体の輝尽発光により除去される。
この時、第一の蛍光体の発光する光は微弱であるため、
輝尽性蛍光体シートの深層まで到達して輝尽性蛍光体に
蓄積された画像情報には影響を与えることがない。
【0011】また、蛍光体層に含まれる第一の蛍光体
は、放射線が照射されることにより瞬時発光する。つま
り、照射された放射線のエネルギーの一部を吸収して光
エネルギーとして放出する。したがって、第一の蛍光体
の発光によって被写体を透過した放射線だけではなく、
被写体を透過した際に生じる散乱線のエネルギーの一部
が光エネルギーとして放出される。よって、輝尽性蛍光
体シートに蓄積される散乱線のエネルギーを微少なもの
とすることができる。この時、被写体を透過した放射線
のエネルギーも一部吸収されるが、被写体を透過した放
射線のエネルギーは、被写体を透過する際に生じる散乱
線のエネルギーよりも極めて大きなものであるので、画
像情報には影響を与えない。よって、以上により、散乱
線のみを効果的に除去して、放射線画像の画質を格段に
向上させることができる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の放
射線撮影用カセッテにおいて、前記第一の蛍光体は、4
90nm以上780nm以下の範囲にある波長の光を発
するものであることを特徴とする。
【0013】ここで、放射線が照射されることにより4
90nm以上780nm以下の範囲にある波長の光を発
する第一の蛍光体とは、可視光において青緑色から赤色
の範囲にある光を発する蛍光体であり、例えば、Gd2
2 S:Tb、Gd2 2 S:Pr、Gd2 3 :T
b、Gd3 Ga5 12:Tb、Gd3 Al5 12:T
b、Y2 3 :Tb、Y2 2 S:Tb、Y2 2 S:
Tb,Dy、La2 2 S:Tb、ZnS:Cu、Zn
S:Cu,Au、Zn2 SiO4 :Mn、InBO 3
Tb、MgGa2 4 :Mn、Gd2 2 S:Eu、G
2 3 :Eu、GdBO3 :Eu、Gd3 Al
5 12:Eu、Gd3 Ga5 12:Eu、GdVO 4
Eu、Gd3 Ga5 12:Ce,Cr、Y2 3 :E
u、La2 3 :Eu、La2 2 S:Eu、InBO
3 :Eu、(Y,In)BO3 :Euなどが挙げられ
る。
【0014】請求項2記載の発明によれば、前記第一の
蛍光体は、490nm以上780nmの波長の光を発す
る。輝尽性蛍光体は、可視光によって二次励起されて輝
尽発光を示すので、輝尽性蛍光体シートの表層部に蓄積
された散乱線のエネルギーを消去する。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の放射線撮影用カセッテにおいて、前記第一の蛍光
体は、595nm以上780nm以下の範囲にある波長
の光を発するものであることを特徴とする。
【0016】ここで、放射線が照射されることにより5
95nm以上780nm以下の範囲にある波長の光を発
する第一の蛍光体は、可視光において橙色から赤色の範
囲にある光を発するものであり、例えば、Gd2
2 S:Eu、Gd2 3 :Eu、GdBO3 :Eu、G
3 Al5 12:Eu、Gd3 Ga5 12:Eu、Gd
VO4 :Eu、Gd3 Ga5 12:Ce,Cr、Y2
3 :Eu、La2 3 :Eu、La2 2 S:Eu、I
nBO3 :Eu、(Y,In)BO3 :Euなどが挙げ
られる。
【0017】請求項3記載の発明によれば、前記第一の
蛍光体は、595nm以上780nm以下の範囲にある
波長の光を発する。輝尽性蛍光体は波長が600nm前
後の赤色光によって二次励起されることによって、最も
効果的に輝尽発光を示すものが多い。よって、輝尽性蛍
光体シートの表層部に蓄積された散乱線のエネルギーを
効果的に除去して、放射線画像の画質を格段に向上させ
ることができる。
【0018】請求項4記載の発明は、輝尽性蛍光体シー
トを収納する筐体を備える放射線撮影用カセッテにおい
て、前記筐体の前面板と前記輝尽性蛍光体シートとの間
に、放射線が照射されることにより輝尽性蛍光体が瞬時
に発光する光によって励起されて光を発する第二の蛍光
体を含む蛍光体層が設けられていることを特徴とする。
【0019】請求項4記載の発明によれば、放射線が照
射されることによって輝尽性蛍光体が瞬時に発光する光
によって励起されて光を発する第二の蛍光体が蛍光体層
に含まれているので、次に示す作用効果が得られる。放
射線の照射により輝尽性蛍光体シートに含まれる輝尽性
蛍光体は、照射された放射線強度に等しいエネルギーを
蓄積するとともに、放射線の照射によって瞬時に発光す
る。輝尽性蛍光体によって瞬時に発光される光は、一般
に紫外線領域に近い波長を示す。蛍光体層に含まれる第
二の蛍光体は、輝尽性蛍光体の瞬時発光によって励起さ
れて、入射された波長よりも長い波長の光を発する。こ
のようにして蛍光体が発光する光は可視光領域に入るた
め、輝尽性蛍光体を二次励起することができる。よっ
て、輝尽性蛍光体を二次励起し、シートの表層部に蓄積
される散乱線のエネルギーを除去することができる。以
上より、輝尽性蛍光体シートへの散乱線の影響を効果的
に除去し、放射線画像の画質を格段に向上させることが
できる。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれかに記載の放射線撮影用カセッテにおいて前記蛍光
体層は、前記前面板の裏面に設けられていることを特徴
とする。
【0021】請求項5記載の発明によれば、前記蛍光体
層は筐体の前面板の裏面に設けられているので、前記蛍
光体層が筐体の中に収納された輝尽性蛍光体シートを筐
体から出し入れする際の妨げとならない。
【0022】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載の放射線撮影用カセッテにおいて、前記蛍
光体層の厚みが20μm以下であることを特徴とする。
【0023】請求項6記載の発明によれば、前記蛍光体
層の厚みが20μm以下であるので、蛍光体層の発光に
よって被写体を透過した放射線が吸収されすぎることが
なく、画像情報を有する放射線を吸収して放射線画像に
影響を与えることがない。また、第一の蛍光体または第
二の蛍光体が強く発光して、輝尽性蛍光体シートの深層
部に蓄積された画像情報を消去することがない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の放
射線撮影用カセッテにかかる第一の実施の形態および第
二の実施の形態について詳細に説明する。なお、第一の
実施の形態および第二の実施の形態において、被写体3
0を透過させたX線を輝尽性蛍光体シート20に照射し
て画像情報を蓄積させる「放射線画像情報記録再生方
式」において使用されるカセッテ10について説明する
こととする。
【0025】〈第一の実施の形態〉本実施の形態にかか
るカセッテ10は、図1に示すように平面形状が長方形
状を呈するものである。また、図1および図2に示すよ
うにカセッテ10はケーシング11、スライド板12、
および蛍光体層13を備えている。このカセッテ10
は、撮影時や搬送時において輝尽性蛍光体シート20を
保護するとともに、撮影後に輝尽性蛍光体シート20に
光が照射されて蓄積された画像情報が消滅するのを防止
するものである。
【0026】ケーシング11は、輝尽性蛍光体シート2
0を収納する収納部11aを備え、撮影時や搬送時にお
いて輝尽性蛍光体シート20が損傷するのを防止すると
ともに、撮影後に輝尽性蛍光体シート20に光が照射さ
れることにより、蓄積された画像情報が消滅するのを防
止するものである。
【0027】X線撮影は、この収納部11aに輝尽性蛍
光体シート20を収納した上で、被写体30およびケー
シング11の前面板11bを透過させたX線を輝尽性蛍
光体シート20に照射して行う。このため、ケーシング
11の前面板11bはX線透過率が高い材料で製作され
る。また、X線の透過を阻害しないように、この前面板
11bの厚さは1〜5mmとするのが好ましい。
【0028】また、ケーシング11は、輝尽性蛍光体シ
ート20の物理的損傷を防止する目的で、剛性の高い材
料で製作されるのが好ましい。X線透過率が高く、か
つ、剛性の高い材料としては、アルミニウム、炭素繊維
強化樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド
樹脂、これら樹脂とアルミニウムとの複合材などを挙げ
ることができる。本実施の形態においては、ケーシング
11の材料として炭素繊維強化樹脂を採用している。
【0029】スライド板12は、一方の面に後述する輝
尽性蛍光体シート20を固定した状態で、ケーシング1
1の収納部11a内に収納されるものである。本実施の
形態においては、ケーシング11の側面内側にガイド溝
11cを設け、このガイド溝11cにスライド板12の
端部12aを摺動可能に嵌合させることによって、スラ
イド板12がケーシング11に対して引出・収納可能と
されている。
【0030】スライド板12の材料は輝尽性蛍光体シー
ト20の物理的損傷を防止できる程度の剛性を有するも
のであればいかなるものでもよく、各種金属、合成樹
脂、繊維強化樹脂などをあげることができる。
【0031】蛍光体層13は、X線の照射により瞬時に
緑色発光を示すテルビウム付活酸ガドリニウム(第一の
蛍光体)を結合剤とともに適当量混合し、これらに有機
溶剤を加えて適当な粘度に調整された塗布液を適当な支
持体に塗布、乾燥させて10μmの厚みに形成されたも
のである。そして、ケーシング11の前面板11bの裏
面に両面テープ14を介して接着されている。
【0032】蛍光体塗布液の調整に使用する結合剤とし
ては、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、綿状ポリエステル、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニ
ル−酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アク
リレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロー
スアセテートブチレート、ポリビニルアルコールなどを
使用することができる。
【0033】また、有機溶剤としては、例えば、エタノ
ール、メチルエチルエーテル、酢酸ブチル、酢酸エチ
ル、エチルエーテル、キシレンなどを用いることができ
る。さらに、蛍光体塗布液には必要に応じて、フタル
酸、ステアリン酸などの分散剤や燐酸トリフェニル、フ
タル酸ジエチルなどの可塑剤を添加してもよい。
【0034】また、支持体としては、例えば酢酸セルロ
ース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポ
リイミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカ
ーボネートなどの樹脂をフィルム状に成形したものが用
いられる。
【0035】輝尽性蛍光体シート20は、シート状支持
体21に輝尽性蛍光体22を積層したものである。また
輝尽性蛍光体22は照射されたX線エネルギーを蓄積
し、励起光を照射すると蓄積されたX線エネルギーに応
じて輝尽発光するものである。
【0036】ここで、輝尽性蛍光体22として、米国特
許第3859527号に記載の希土類付活硫化ストロン
チウム系または希土類付活ランタンオキシサルファイド
系蛍光体、米国特許第4236078号に記載されてい
る希土類付活アルカリ土類金属フルオロハライド系蛍光
体、特開昭55−12142号公報に記載されている銅
および/または鉛付活硫化亜鉛系、希土類付活アルミナ
・酸化バリウム系またはシリカ・酸化アルカリ土類金属
系蛍光体などを使用することができる。
【0037】本実施の形態の輝尽性蛍光体シート20
は、図示していない固定手段によってスライド板12に
一時的に固定され、スライド板12のスライド動作に伴
ってケーシング11の収納部11a内に収納される。こ
の輝尽性蛍光体シート20の厚みは蓄積するX線量、輝
尽性蛍光体22の種類、ケーシング11の収納部11a
の高さなどに応じて適宜決めることができる。なお、本
実施の形態においては、固定手段としてX線を吸収する
鉛箔を内在させた両面テープ(図示略)を採用してい
る。また、本実施の形態においては、輝尽性蛍光体シー
ト20は蛍光体層13に対して約4mm隔離した状態で
配置されている。
【0038】本第一の実施の形態によれば、輝尽性蛍光
性シートを収納するカセッテ10のケーシング11の前
面板11bの裏面に、放射線が照射されることにより瞬
時に発光する蛍光体を含む蛍光体層13が設けられてい
る。輝尽性蛍光体シート20に照射される放射線のう
ち、散乱線はそのエネルギー強度が極めて低いため輝尽
性蛍光体シート20の表層部の輝尽性蛍光体22に蓄積
されやすく、被写体30を透過した放射線はそのエネル
ギー強度は極めて高いため輝尽性蛍光体シート20の深
層まで到達して蓄積されている。また、蛍光体の発光す
る光は微弱であるために、輝尽性蛍光体シート20の深
層部までは到達しない。よって、放射線が照射すること
によって蛍光体が発光すると、輝尽性蛍光体シート20
の表層部にある輝尽性蛍光体22のみを二次励起して輝
尽発光させ、輝尽性蛍光体シート20が蓄えた散乱線の
エネルギーのみを除去することができる。
【0039】また、この蛍光体層13に含まれる蛍光体
は、放射線が照射されることにより、照射された放射線
のエネルギーの一部を吸収して光エネルギーとして放出
するものである。このため、被写体30を透過した放射
線と、被写体を透過する際に生じる散乱線のエネルギー
は、蛍光体が発光することにより、そのエネルギーの一
部が吸収されて除去される。この時、被写体30を透過
した放射線のエネルギーに比べると、被写体30を透過
する際に生じる散乱線のエネルギーは極めて微少なもの
である。よって、被写体30を透過した放射線のエネル
ギーに影響を与えずに、散乱線のエネルギーを除去し、
輝尽性蛍光体シート20に散乱線のエネルギーが蓄積さ
れにくくすることができる。よって、以上により散乱線
を効果的に除去するとともに放射線画像の画質を格段に
向上させることができる。
【0040】また、蛍光体層13はケーシング11の前
面板11bの裏面に設けられており、蛍光体層13と輝
尽瀬蛍光体シートとの間には4mmの間隔が設けられて
いる。このように輝尽性蛍光体シート20を蛍光体層1
3から隔離させることによって、スライド板12と一体
的に輝尽性蛍光体シート20をスライドさせる際に、輝
尽性蛍光体22と蛍光体層13とが接触するのを防止す
ることができ、輝尽性蛍光体22と蛍光体の双方の物理
的損傷および光学的劣化を未然に防ぐことができる。
【0041】また、前記蛍光体層13の厚みが10μm
であるので、蛍光体層13の発光によって被写体30を
透過した放射線が吸収されすぎることがなく、画像情報
を有する放射線を吸収して放射線画像に影響を与えるこ
とがない。また、蛍光体が強く発光して、輝尽性蛍光体
シート20の深層部に蓄積された画像情報を消去するこ
とがない。
【0042】〈第二の実施の形態〉次に本発明にかかる
第二の実施の形態について説明する。なお、上述の第一
の実施の形態と同様の構成に関しては、同一符号を付し
て説明を省略し、特徴のある部分について述べる。
【0043】第二の実施の形態において、第一の実施の
形態と異なるのは、前記蛍光体層13に含まれる蛍光体
がX線の入射によって瞬時発光するものではなく、輝尽
性蛍光体22がX線が照射されることによって瞬時発光
する光によって励起されて発光する蛍光体(第二の蛍光
体)であることであり、その他の構成は第一の構成と同
じである。
【0044】X線が照射されることによって輝尽性蛍光
体22が瞬時発光する光は一般に紫外線領域に近い波長
を示す。このため、上記の第二の蛍光体としては、紫外
線もしくは青または青紫色の可視光によって励起されて
蛍光を示す物質を用いることができ、例えば洗剤等に含
まれる蛍光増白剤などをあげることができる。
【0045】第二の実施の形態によれば、放射線の照射
により輝尽性蛍光体シート20に含まれる輝尽性蛍光体
22は、照射された放射線強度に等しいエネルギーを蓄
積するとともに、放射線の照射によって瞬時に発光す
る。蛍光体層13に含まれる蛍光体は、輝尽性蛍光体2
2の瞬時発光によって励起されて入射された波長よりも
長い波長の光を発する。つまり、可視光領域にある蛍光
を発光することになり、この蛍光によって輝尽性蛍光体
22を二次励起することができる。
【0046】よって、被写体30を透過した放射線と、
被写体30を透過する際に生じる散乱線とがカセッテ1
0に照射されることによって、輝尽性蛍光体22が瞬時
発光し、次いで蛍光体層13に含まれる蛍光体が瞬時発
光する。よって、蛍光体の発光によって輝尽性蛍光体2
2が二次励起され、輝尽性蛍光体シート20の表層部に
蓄積される散乱線のエネルギーを除去することができ
る。以上より、輝尽性蛍光体シート20への散乱線の影
響を効果的に除去し、放射線画像の画質を格段に向上さ
せることができる。
【0047】なお、本発明は上述の第一の実施の形態お
よび第二の実施の形態に限定されるものではなく、本発
明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である
のは勿論である。例えば、第一の実施の形態および第二
の実施の形態において、X線を被写体に照射するものと
したが、X線に限らず、α線、β線、γ線、紫外線、電
子線等の放射線を照射するものとしてもよい。
【0048】また、第一の実施の形態において蛍光体層
13に含まれる蛍光体として、テレビウム付活酸硫化ガ
ドリニウムを用いるものとしたがこれに限定されるもの
ではない。テレビウム付活酸硫化ガドリニウムと同じく
緑色発光を示す蛍光体としては、Gd2 2 S:Tb、
Gd2 2 S:Pr、Gd2 3 :Tb、Gd3 Ga 5
12:Tb、Gd3 Al5 12:Tb、Y2 3 :T
b、Y2 2 S:Tb、Y2 2 S:Tb,Dy、La
2 2 S:Tb、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Au、
Zn2 SiO4 :Mn、InBO3 :Tb、MgGa2
4 :Mnなどが挙げられ、これらの蛍光体を用いても
よい。
【0049】また、緑色発光を示す蛍光体以外に赤色発
光を示す蛍光体を使用することができる。赤色発光を示
す蛍光体としては、Gd2 2 S:Eu、Gd2 3
Eu、GdBO3 :Eu、Gd3 Al5 12:Eu、G
3 Ga5 12:Eu、GdVO4 :Eu、Gd3 Ga
5 12:Ce,Cr、Y2 3 :Eu、La2 3 :E
u、La2 2 S:Eu、InBO3 :Eu、(Y,I
n)BO3 :Euなどが挙げられるが、この中でも特に
Gd2 2 S:Eu(ユーロピウム付活酸硫化ガドリニ
ウム)が実用的である。輝尽性蛍光体22は波長が60
0nm前後の赤色光によって二次励起されることで、最
も効果的に輝尽発光を示すものが多い。このため、赤色
発光する蛍光体を用いることによって、輝尽性蛍光体シ
ート20の表層部に蓄積された散乱線のエネルギーをさ
らに効果的に除去して、放射線画像の画質を格段に向上
させることができる。
【0050】また、蛍光体層13の厚みを10μmであ
るとしたが、これに限定されるものではなく、20μm
以内において、適宜厚みを調整することができる。ま
た、蛍光体を結合剤とともに適当量混合し、これらに有
機溶剤を加えて蛍光体塗布液を調整し、これをさらに支
持体に塗布して乾燥させることによって蛍光体層13を
形成するものとしたが、これに限定されるものではな
い。蛍光体塗布液を調整して直接ケーシング11の前面
板11bの裏面に塗布してもよいものであるし、要は、
蛍光体をケーシング11の前面板11bの裏面に適切に
保持することができればそれでよいのである。
【0051】また、蛍光体層13をケーシング11の前
面板11bの裏面に固着させることとしたが、これに限
定されるものではない。このように前面板11bの裏面
に固着させることで、輝尽性蛍光体シート20との間隔
を保つことが容易になるが、本発明の効果を得るために
は、ケーシング11の前面板11bと輝尽性蛍光体シー
ト20との間にこの蛍光体層13が設けられればよい。
また、蛍光体層13と輝尽性蛍光体シート20との間隔
を4mm設けるものとしたがこれに限定されるものでは
なく、3mmであってもよいし、適宜変更可能なもので
ある。
【0052】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、放射線撮
影用カセッテにおいて、輝尽性蛍光性シートを収納する
筐体の前面板と輝尽性蛍光体シートとの間に、放射線が
照射されることにより瞬時に発光する第一の蛍光体を含
む蛍光体層が設けられている。したがって、蛍光体が発
光する蛍光により輝尽性蛍光体を二次励起し、輝尽蛍光
体シートの表層部に蓄えられた散乱線のエネルギーを除
去することができる。さらに、第一の蛍光体は、被写体
を透過した放射線および被写体を透過する際に生じる散
乱線のエネルギーとを一部吸収して発光する。このた
め、第一の蛍光体の発光により、散乱線のエネルギーを
一部除去して輝尽性蛍光体シートに蓄積されにくくする
ことができる。したがって、上記より、散乱線の影響を
効果的に除去できるとともに、放射線画像の画質を格段
に向上させることができる。
【0053】請求項2記載の発明によれば、請求項1と
同様の効果が得られるのは勿論のこと、放射線が照射さ
れることにより瞬時に発光する蛍光体は、490nm以
上780nmの波長の光を発する。輝尽性蛍光体は、可
視光領域の波長を持つ光によって二次励起されて輝尽発
光を示すので、輝尽性蛍光体シートの表層部に蓄積され
た散乱線のエネルギーを消去する。
【0054】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2と同様の効果が得られるのは勿論のこと、放射線
が照射されることにより瞬時に発光する蛍光体は、59
5nm以上780nm以下の範囲にある波長の光を発す
る。輝尽性蛍光体は波長が600nm前後の赤色光によ
って二次励起されることによって、最も効果的に輝尽発
光を示すものが多い。よって、輝尽性蛍光体シートの表
層部に蓄積された散乱線のエネルギーを効果的に除去し
て、放射線画像の画質を格段に向上させることができ
る。
【0055】請求項4記載の発明によれば、蛍光体層
に、放射線の照射によって輝尽性蛍光体が瞬時に発光す
る光によって励起される第二の蛍光体を含んでいる。こ
のため、被写体を透過した放射線および被写体を透過す
る際に生じる散乱線がカセッテに照射されると、輝尽性
蛍光体が瞬時発光し、次いで蛍光体層に含まれる第二の
蛍光体が瞬時発光する。この第二の蛍光体の瞬時発光に
よって、輝尽性蛍光体シートに蓄積した散乱線のエネル
ギーを除去することができる。したがって、散乱線の影
響を効果的に除去することができるとともに、放射線画
像の画質を格段に向上させることができる。
【0056】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜
4のいずれかと同様の効果が得られるのは勿論のこと、
前記蛍光体層は筐体の前面板の裏面に設けられているの
で、前記蛍光体層が筐体の中に収納された輝尽性蛍光体
シートを筐体から出し入れする際の妨げとならない。
【0057】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜
5のいずれかと同様の効果が得られるのは勿論のこと、
前記蛍光体層の厚みが20μm以下であるので、蛍光体
層の発光によって被写体を透過した放射線が吸収されす
ぎることがなく、画像情報を有する放射線を吸収して放
射線画像に影響を与えることがない。また、蛍光体が強
く発光して、輝尽性蛍光体シートの深層部に蓄積された
画像情報を消去することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の放射線撮影用カセッテを示した
概略斜視図である。
【図2】図1におけるA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
10 放射線撮影用カセッテ(カセッテ) 11 筐体(ケーシング) 11b 前面板 13 蛍光体層 20 輝尽性蛍光体シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輝尽性蛍光体シートを収納する筐体を備
    える放射線撮影用カセッテにおいて、前記筐体の前面板
    と前記輝尽性蛍光体シートとの間に、 放射線が照射されることにより瞬時に発光する第一の蛍
    光体を含む蛍光体層が設けられていることを特徴とする
    放射線撮影用カセッテ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射線撮影用カセッテに
    おいて、 前記第一の蛍光体は、490nm以上780nm以下の
    範囲にある波長の光を発するものであることを特徴とす
    る放射線撮影用カセッテ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の放射線撮影用カ
    セッテにおいて、 前記第一の蛍光体は、595nm以上780nm以下の
    範囲にある波長の光を発するものであることを特徴とす
    る放射線撮影用カセッテ。
  4. 【請求項4】 輝尽性蛍光体シートを収納する筐体を備
    える放射線撮影用カセッテにおいて、前記筐体の前面板
    と前記輝尽性蛍光体シートとの間に、 放射線が照射されることにより輝尽性蛍光体が瞬時に発
    光する光によって励起されて光を発する第二の蛍光体を
    含む蛍光体層が設けられていることを特徴とする放射線
    撮影用カセッテ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の放射線
    撮影用カセッテにおいて 前記蛍光体層は、前記前面板の裏面に設けられているこ
    とを特徴とする放射線撮影用カセッテ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の放射線
    撮影用カセッテにおいて、 前記蛍光体層の厚みが20μm以下であることを特徴と
    する放射線撮影カセッテ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015049126A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 株式会社東芝 検出器モジュール製造方法、検出器モジュール及び医用画像診断装置

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