JP2003246924A - ポリアリレート組成物、ポリアリレートシート及びそれから成る電子材料 - Google Patents

ポリアリレート組成物、ポリアリレートシート及びそれから成る電子材料

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JP2003246924A
JP2003246924A JP2002049598A JP2002049598A JP2003246924A JP 2003246924 A JP2003246924 A JP 2003246924A JP 2002049598 A JP2002049598 A JP 2002049598A JP 2002049598 A JP2002049598 A JP 2002049598A JP 2003246924 A JP2003246924 A JP 2003246924A
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polyarylate
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sheet
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JP2002049598A
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English (en)
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Fumihiko Maekawa
文彦 前川
Satoshi Demura
智 出村
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低誘電率や低誘電正接等の低誘電性を示し、
かつ線熱膨張係数が低く寸法安定性に優れた、ポリアリ
レート組成物を提供すること。 【解決手段】 イソフタル酸等のジカルボン酸残基とビ
フェノール構造及び/又はアルキル置換基を有しないフ
ルオレン構造を有する2価フェノール残基から構成され
るポリアリレートと、ホウ酸アルミニウムウィスカーと
を含むことを特徴とするポリアリレート組成物、前記ポ
リアリレート組成物から成り、線熱膨張係数が35pp
m/℃以下で、かつ1GHzにおける誘電正接が2.0
×10 以下であるポリアリレートシート、前記ポリ
アリレートシートの片面、または両面に金属層を有する
電子材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定構造を有する
ポリアリレートとホウ酸アルミニウムウィスカーとを含
むポリアリレート組成物、該ポリアリレート組成物から
成るポリアリレートシートおよび電子材料に関する。本
発明のポリアリレート組成物は、低誘電率、低誘電正接
といった低誘電性で、かつ線熱膨張係数が低く寸法安定
性に優れることから、プリント配線基板等の電子材料に
好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】最近、膨大な情報量を伝達・処理するた
めに、MHz〜GHz帯の高周波域が情報伝達手段に用
いられるようになっており、低誘電性、特に低誘電損失
の絶縁体が重要となっている。これらは例えば積層板と
して使用され、優れた寸法安定性や機械的強度が求めら
れている。
【0003】例えば、2価フェノールと芳香族ジカルボ
ン酸の縮合型ポリマーであるポリアリレートは、機械的
特性に優れることが知られている。しかし、銅張積層板
の作成時に、ポリアリレートシートと銅箔を重ねて熱圧
着等の熱履歴を加えると、冷却時にシートにひずみが生
じ、導体パターニング後に波打ちやねじれ、反り等を生
じる欠点があった。この問題はポリアリレートの線熱膨
張係数が銅箔より大きいことに起因する。
【0004】ポリアリレートシートの線熱膨張係数を低
下させる方法として、たとえば特開昭49−34946
号公報にはポリアリレートにガラス繊維を分散させるこ
とが示されているが、この方法では本発明の比較例で示
すとおり未だ十分な低誘電率、低誘電正接が得られな
い。
【0005】また特公平6−4765号公報には、ホウ
酸アルミニウムウィスカーを配合した熱可塑性ポリエス
テル樹脂組成物の記載があるが、該公報記載の樹脂組成
物は、引っ張り強度や引っ張り弾性率等の機械的強度の
向上を目的とした樹脂組成物であり、使用されるカップ
リング剤はシリコン系、チタン系、アルミニウム系等の
いずれでもよく、低誘電性の樹脂組成物を見出す試みは
なされていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、低誘電率や低誘電正接等の低誘電性を示
し、かつ線熱膨張係数が低く寸法安定性に優れた、ポリ
アリレート組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、特定の構造を持つポリアリレートと特定のホウ
酸アルミニウムウィスカーとを含有したポリアリレート
組成物が、低誘電性を示し、かつ優れた寸法安定性を示
すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、繰り返し単位〔−(A)−
(B)−〕から成り、構造単位(A)が、一般式(I)
【0009】
【化4】
【0010】で示されるフタロイル基、イソフタロイル
基、およびテレフタロイル基からなる群から選ばれる一
種以上で、かつテレフタロイル基成分が構造単位(A)
の40質量%未満である芳香族ジカルボン酸残基成分で
あり、
【0011】構造単位(B)が、一般式(II)
【0012】
【化5】
【0013】[式中、Xは単結合、-S-、-O-、-(SO
2)-、-(CO)-または構造式(III)
【0014】
【化6】
【0015】で表される2価の結合基であり、Qおよび
Rは各々炭素原子数1〜4のアルキル基またはアルコキ
シル基、又はハロゲンであり、mおよびnが各々0〜4
の整数である]で示される芳香族ジオール残基成分であ
るポリアリレートに、ホウ酸アルミニウムウィスカーを
含有することを特徴とするポリアリレート組成物を提供
するものである。
【0016】さらに本発明は、前記ポリアリレートから
成り、線熱膨張係数が35ppm/℃以下で、かつ1G
Hzにおける誘電正接が2.0×10−3以下であるポ
リアリレートシート、さらに該シートの片面、または両
面に金属層を有する電子材料を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明のホウ酸アルミニウムウィスカーを含有した
ポリアリレート組成物(以下ポリアリレート組成物と略
記する)に用いるポリアリレートは、繰り返し単位〔−
(A)−(B)−〕から成る。構造単位(A)は、一般
式(I)
【0018】
【化7】
【0019】で示され、フタロイル基、イソフタロイル
基、およびテレフタロイル基からなる群から選ばれる一
種以上を含み、かつテレフタロイル基成分が構造単位
(A)の40質量%未満の単位である。
【0020】テレフタロイル基成分が構造単位(A)の
40質量%を越えると、ポリアリレート分子鎖中のパラ
位で連結される芳香族環の割合が高くなり、分子鎖が屈
曲性でなく剛直性になり、NMPなどの高い溶解力を有
する有機溶媒への溶解性も得られなくなる。
【0021】構造単位(B)は一般式(II)
【0022】
【化8】
【0023】(式中、Xは、単結合、又は-S-、-O-、
-(SO2)-、-(CO)-或いは
【0024】
【化9】
【0025】から選ばれる一種以上の2価の結合基であ
り、QおよびRは各々炭素原子数1〜4のアルキル基、
アルコキシル基、又はハロゲンであり、mおよびnは各
々0〜4の整数である)で示される2価フェノール残基
である。
【0026】ただし、QおよびRの炭素原子数1〜4の
アルキル基としては、それぞれ独立に、直鎖および鎖状
のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル
基、sec−ブチル基又はn−ブチル基等が挙げられ
る。また、QおよびRのアルコキシル基としては、それ
ぞれ独立に、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基が挙げられる。また、QおよびRのハロゲンとして
は、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子、フッ素原子
が挙げられる。
【0027】本発明に用いるポリアリレート中の構造単
位(A)および構造単位(B)の含有量は、本発明の低
誘電性や寸法安定性を達成できる範囲であれば特に制限
されないが、好ましくは構造単位(A)および構造単位
(B)合計で80質量%以上であり、より好ましくは9
1質量%以上である。
【0028】構造単位(A)以外の構造成分としては、
例えば、芳香族環に各々炭素原子数1〜4のアルキル
基、アルコキシル基、フェニル基、ニトロ基、ハロゲン
を有するイソ又はテレフタロイルやナフタレンジカルボ
ン酸、また構造単位(B)以外の構造成分としては、例
えば、芳香族環ビスフェノールA、ビスフェノールF
や、4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジオー
ル、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビナフトール、
ハイドロキノン、レゾルシノール、ジフェニルヒドロキ
シフェニルフルオレン、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキ
シナフトエ酸、およびこれらの芳香族環の水素を炭素原
子数1〜4のアルキル基、アルコキシル基、フェニル
基、ニトロ基、又はハロゲン原子に置換した成分等が挙
げられる。
【0029】本発明に用いるポリアリレートは、上述し
たような特定の構造の屈曲性ポリマーであり、有機溶媒
へ溶解した状態から薄膜化できる点で他の溶媒溶解性の
乏しいポリアリレートに比べて著しく有利である。
【0030】本発明に用いるポリアリレートの分子量は
特に限定されないが、機械的強度や溶媒への溶解性、溶
液の塗工性を得るためには適切な分子量範囲のものが好
ましい。具体的には、クロロホルム溶液でのインヘレン
ト粘度値が0.6〜3.2dL/gであることが好まし
い。インヘレント粘度値が0.6dL/g以上であれば
機械的強度の向上、化学的安定性、および十分な耐熱性
が得られる。また3.2dL/g以下であれば有機溶媒
への溶解性に優れ、薄膜化に適したポリマーが得られ
る。
【0031】ポリアリレートの合成法としては、界面重
合法、溶液重合法等が知られているが、本発明に用いる
ポリアリレートの製造方法としては、得られるポリアリ
レートの純度が高く、誘電正接が低いものが容易に得ら
れることから、界面重合法が好ましい。
【0032】界面重合法では、ジカルボン酸ハロゲン化
物を溶解させた有機溶媒溶液と2価フェノール化合物の
水溶液とを接触させ、界面重縮合させることでポリアリ
レートを得ることができる。より具体的には、ジカルボ
ン酸ハロゲン化物をトルエンや塩化メチレン等の有機溶
媒に溶解させ、また、2価フェノールをアルカリ金属の
水溶液に各々0.1〜2モル/Lの範囲で溶解させ、そ
れら2液を接触させることにより、ジカルボン酸ハロゲ
ン化物と、2価フェノールを界面重縮合させてポリアリ
レートを得る例が挙げられる。この際、相間移動触媒や
界面活性剤が添加されてもよい。
【0033】本発明に用いる特定構造のポリアリレート
は、本来誘電率が低い特性を有するものであるが、界面
重合の際に使用するアルカリ金属やそれに含まれるアル
カリ土類金属、また原料中に混在するアルカリ金属やア
ルカリ土類金属がポリアリレートに不純物として混入す
る可能性がある。また、残留モノマーの除去にアルカリ
性の水溶液を用いて洗浄する場合にもアルカリ金属やア
ルカリ土類金属が混入する。また、未反応のカルボン酸
塩化物、副生物であるアルカリ金属またはアルカリ土類
金属のハロゲン化物や塩酸、相間移動触媒、界面活性剤
由来の遊離ハロゲン等も混入する可能性がある。
【0034】これらの不純物はいずれも誘電率を上昇せ
しめる悪影響を与える。そこで、ポリアリレートを反応
溶媒のまま、もしくは他の有機溶媒に溶解した有機溶媒
溶液をポリアリレートの貧溶媒に接触させてポリアリレ
ートを微細な沈殿として得る沈殿精製操作、および該ポ
リアリレートの沈殿を水および水性溶媒の一種以上によ
り洗浄する洗浄精製操作を組み合わせて行うことによ
り、これらの不純物を低減させることが重要である。
【0035】本発明に用いるポリアリレートは、ポリア
リレート中のアルカリ金属、アルカリ土類金属および遊
離ハロゲンの含有率の合計を250ppm以下に抑える
必要があり、好ましくは150ppm以下、更に好まし
くは50ppm以下、最も好ましくは20ppm以下で
ある。低誘電正接は、ポリアリレートを電子材料として
使用する際に、伝送損失を低減できる点で、最も重用な
特性であり、この値が低いほど伝送損失の少ない好適な
電子材料となる。
【0036】更に詳述すると、アルカリ金属とアルカリ
土類金属の含有率は100ppm以下がより好ましく、
30ppm以下がさらに好ましく、10ppm以下が最
も好ましい。またポリアリレート中の遊離ハロゲンの含
有量は100ppm以下が好ましく、30ppm以下が
より好ましく、10ppm以下が最も好ましい。これら
金属と遊離ハロゲンの低減は、高温・高湿環境下での酷
使に耐えうる安定した低誘電正接を得る点でも重要であ
る。
【0037】さらに優れた低誘電性電子材料を得るため
には、ポリアリレート中の原料モノマーに由来するフェ
ノール性水酸基の含有量を200ppm以下に抑えるこ
とが好ましく、100ppm以下がより好ましく、30
ppm以下がさらに好ましく、10ppm以下が最も好
ましい。
【0038】これらの2つの条件、すなわち、上述した
特定の構造を有するポリアリレートで、そのアルカリ金
属、アルカリ土類金属および遊離ハロゲンの含有率の合
計が250ppm以下であるポリアリレートを用いるこ
とにより、1GHzにおける誘電正接が2.0×10
―3以下である低誘電性のポリアリレートを得ることが
できる。
【0039】本発明のポリアリレート組成物に含有され
るホウ酸アルミニウムウィスカーは、その組成がnAl
・mB(m,nは自然数)で表され、例え
ば9Al・2B、2Al・B
、Al・Bなどが挙げられる。これ
らのホウ酸アルミニウムウィスカーをポリアリレートに
含有させることで、ポリアリレートの低誘電性を損なう
ことなく、得られるポリアリレート組成物の寸法安定
性、および機械的強度を向上させることができる。
【0040】本発明に用いるホウ酸アルミニウムウィス
カーは、ホウ酸アルミニウムウィスカー、あるいはその
表面をカップリング剤で表面処理したものを用いてもよ
く、カップリング剤の具体例としては、アミノシラン系
カップリング剤、アクリルシラン系カップリング剤、ア
ルキルシラン系カップリング剤等の極性基を有さないカ
ップリング剤であれば、ポリアリレートの低誘電性を損
なうことなく寸法安定性を向上させることができ、機械
的特性をより向上させることができるため好ましい。エ
ポキシシラン系カップリング剤のような極性基を有する
カップリング剤は誘電正接を増大させるため好ましくな
い。
【0041】優れた寸法安定性を有するポリアリレート
組成物を得るためには、ホウ酸アルミニウムウィスカー
の含有量をポリアリレート100質量部に対し、10〜
50質量部にすることが好ましく、15〜40質量部で
あればより好ましい。ホウ酸アルミニウムウィスカーの
含有量が10〜50質量部の範囲であれば、得られるポ
リアリレート組成物は、線熱膨張係数が35ppm以下
の良好な寸法安定性、および十分な機械的強度を示す。
【0042】ホウ酸アルミニウムウィスカーの繊維径、
および繊維長は特に限定されないが、繊維径は0.05
〜3.0μmの範囲内であれば、また、繊維長は3〜5
0μmの範囲内であればポリアリレート組成物がもろく
なることなく、表面の平滑性、および寸法安定性が得ら
れるため好ましい。
【0043】本発明のポリアリレート組成物は、例えば
ポリアリレートを溶媒に溶解させて溶液とし、その後ホ
ウ酸アルミニウムウィスカーを該溶液に添加し撹拌混合
することで調製したワニスから溶媒を揮散させることで
得ることができる。また、流延法、ナイフコーティング
法、ダイコーティング法、スピンコーティング法等の公
知の方法で該ワニスを基材上に塗工した後に、溶媒を揮
散させ除去することでシート状物への形成が可能であ
る。
【0044】上記で使用される溶媒としては、クロロホ
ルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、クロロベン
ゼン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、N
-メチルピロリジノン、アニソール、ジオキソラン、シ
クロヘキサノンなどが挙げられ、これらは2種以上混合
して使用されて良い。また、ワニスを流延する基材は特
に限定されないが、例えばワニスの溶媒に侵されないフ
ィルム、スチールベルト、ガラス板等が挙げられる。
【0045】本発明のポリアリレートシートは単独で用
いてもよいが、複数枚積層し加熱加圧成形して、所望の
厚みの積層板として用いることもできる。また、本発明
のポリアリレートシートとプリント配線基板等を積層成
形し、接着させることも可能で、高周波通信用の多層配
線基板の製造にも有用である。
【0046】本発明のポリアリレートシートは、その両
面、あるいは片面に金、銅、アルミ等の金属箔を積層
し、金属箔張りの積層体とすることも可能である。
【0047】本発明のポリアリレートシート、および金
属箔付きのポリアリレートシートの積層方法としては、
例えば250〜350℃、好ましくは280〜350℃
の温度で圧着させる方法が挙げられる。この時の圧力は
特に限定されないが、1〜40MPaの範囲で行うこと
が好ましい。また、減圧下で行うと空隙の発生率を低下
させることができ好ましい。
【0048】得られた積層体は、優れた寸法安定性と低
誘電正接を活かし、熱に対する変形や金属との剥離がな
い高周波用プリント配線基板等に好適に用いられる。
【0049】
【実施例】以下に、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明の範囲はこれに限定されない。用いた測定法
は以下の通りである。
【0050】<線熱膨張係数の測定法>セイコー電子工
業製TMA/SS120を用いて、加重20g/c
、昇温速度10℃/分の条件で、室温から200℃
まで温度を上昇させた際の寸法変化量を測定し、線熱膨
張係数を算出した。
【0051】<ガラス転移温度(Tg)の測定法>セイ
コー電子工業製DMS200を用いて、1Hz、5℃/
分の昇温速度の条件で動的固体粘弾性試験を行い、ta
nδのピーク温度をTgとした。
【0052】<誘電特性の測定法>誘電特性評価器アジ
レントテクノロジー製4291Bを用いて、1GHzの
周波数における誘電率と誘電正接を測定した。
【0053】<引っ張り特性の測定法>ストログラフ
(東洋精機製V1−C)を用いて、10cm×1cmの
短冊状試料の引っ張り強度、引っ張り弾性率および破断
伸び値を、つかみ具間距離5cm、クロスヘッド速度5
mm/minの条件で測定した。
【0054】(合成例)1.031kgの塩化イソフタ
ロイル、0.258kgの塩化テレフタロイル、0.0
17kgの塩化ベンゾイル、0.057kgの塩化メチ
ルトリオクチルアンモニウム、27.3kgの塩化メチ
レンからなる溶液と、0.770kgの3,3’−5,
5’−テトラメチルビフェノール、1.114kgの9
−9、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
0.648kgの水酸化ナトリウム、19.2kgの脱
酸素水からなる溶液とを100L釜のなかにいれ、室温
で60分間、撹拌、接触させた。
【0055】得られた混合液を静置分離後、水相を除去
し、塩化メチレン相を3回繰り返し水で洗浄したのち、
塩化メチレン相を200.0kgのアセトン中で再沈操
作(ポリマー析出)をおこなった。得られたポリマーを
濾材上に捕集し、釜中で90℃の温水で30分洗浄、濾
過を3回繰り返し、その後乾燥してポリアリレートの粉
体を得た。
【0056】得られたポリアリレートの粉体をクロロホ
ルム中(0.1g/dL)30℃で、ウベローデ粘度計
にて決定したインヘレント粘度は1.6dL/gであっ
た。
【0057】(実施例1)合成例で作成したポリアリレ
ート10gにカップリング剤で処理を行っていないホウ
酸アルミニウムウィスカー(四国化成工業製 アルボレ
ックスY)2.5gを143gのテトラヒドロフランに
室温で溶解させて得た溶液を、ブレードコーターを用い
てガラス板上に塗工し、40℃の窒素流下で20分間、
その後240℃の空気流下で10分間静置してテトラヒ
ドロフランを揮散させ、50μm厚みの透明で空隙のな
いポリアリレートシートを得た。該シートの特性評価の
結果を表1に示す。
【0058】上述のポリアリレートシート1枚の両側に
銅箔(福田金属箔粉工業CF−T9の18μm厚)2枚
を銅箔が表層になる様に積層し、310℃、4MPa、
で10分加熱加圧成形して、厚み86μm厚の銅張り積
層板を得た。得られた両面銅張り板の片面をマスクし、
塩化第2鉄水溶液中に5分間浸積してエッチングを行っ
た。エッチング後のシートには湾曲やねじれ等は見られ
ず、また表面は平滑であった。
【0059】(実施例2)合成例のポリアリレート10
gとアルキルシラン系カップリング剤で処理したホウ酸
アルミニウムウィスカー(四国化成工業製 アルボレッ
クスYS10)2.5gを143gのテトラヒドロフラ
ンに室温で溶解させて得た溶液を用いることを除いては
実施例1と同様の方法で50μm厚みの透明で空隙のな
いポリアリレートシートを得た。該シートの特性評価の
結果を表1に示す。
【0060】上述のポリアリレートシート1枚の両側に
実施例1と同様の方法で銅箔を積層し、厚み86μm厚
の銅張り積層板を得た。得られた積層板を実施例1と同
様の方法でエッチングしたところ、エッチング後のシー
トには湾曲やねじれ等は見られず、表面も平滑であっ
た。
【0061】(比較例1)合成例で作成したポリアリレ
ート10gを143gのテトラヒドロフランに室温で溶
解させて得た溶液を用いることを除けば実施例1と同様
の方法で50μm厚みの透明で空隙のないポリアリレー
トシートを得た。該シートの特性評価の結果を表1に示
す。
【0062】上述のポリアリレートシート1枚の両側に
実施例1と同様の方法で銅箔を積層し、厚み86μm厚
の銅張り積層板を得た。得られた積層板を実施例1と同
様の方法でエッチングしたところ、エッチング後のシー
トは大きく湾曲していた。
【0063】(比較例2)合成例のポリアリレート10
gとエポキシシラン系カップリング剤で処理したホウ酸
アルミニウムウィスカー(四国化成工業製 アルボレッ
クスYS2B)2.5gを143gのテトラヒドロフラ
ンに室温で溶解させて得た溶液を用いることを除いては
実施例1と同様の方法で50μm厚みの透明で空隙のな
いポリアリレートのシート状物を得た。該シートの特性
評価の結果を表1に示す。
【0064】上述のポリアリレートシート1枚の両側に
実施例1と同様の方法で銅箔を積層し、厚み86μm厚
の銅張り積層板を得た。得られた積層板を実施例1と同
様の方法でエッチングしたところ、エッチング後のシー
トは湾曲やねじれ等は見られなかったが、低誘電正接が
得られなかった。
【0065】(比較例3)合成例で作成したポリアリレ
ート10gと市販のガラス繊維2.5g(繊維長約10
μm)を143gのテトラヒドロフランに室温で溶解さ
せて得た溶液を用いることを除けば実施例1と同様の方
法で50μm厚みの透明で空隙のないポリアリレートシ
ートを得た。該シートの特性評価の結果を表1に示す。
【0066】上述のポリアリレートシート1枚の両側に
実施例1と同様の方法で銅箔を積層し、厚み86μm厚
の銅張り積層板を得た。得られた積層板を実施例1と同
様の方法でエッチングしたところ、エッチング後のシー
トには湾曲およびねじれが生じ、表面には細かな凹凸が
みられた。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明は低誘電率、低誘電正接といった
低誘電性を示し、かつ線熱膨張係数が低く寸法安定性に
優れた、ホウ酸アルミニウムウィスカーを含有したポリ
アリレート組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA02B AB01A AB01C AB10B AB17 AB33 AK43B AK43K AL05B BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10C CA23B DE03B GB43 JA02B JG05 JL04 YY00B 4J002 CF161 DK006 FA066 FB096 FB146 FD016 GQ00 GQ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し単位〔−(A)−(B)−〕か
    ら成り、構造単位(A)が、一般式(I) 【化1】 で示されるフタロイル基、イソフタロイル基、およびテ
    レフタロイル基からなる群から選ばれる一種以上で、か
    つテレフタロイル基成分が構造単位(A)の40質量%
    未満である芳香族ジカルボン酸残基成分であり、構造単
    位(B)が、一般式(II) 【化2】 [式中、Xは単結合、-S-、-O-、-(SO2)-、-(CO)
    -または構造式(III) 【化3】 で表される2価の結合基であり、QおよびRは各々炭素
    原子数1〜4のアルキル基またはアルコキシル基、又は
    ハロゲンであり、mおよびnが各々0〜4の整数であ
    る]で示される芳香族ジオール残基成分であるポリアリ
    レートと、ホウ酸アルミニウムウィスカーとを含むポリ
    アリレート組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアリレート100質量部に対し、ホ
    ウ酸アルミニウムウィスカー10〜50質量部を含有す
    る請求項1に記載のポリアリレート組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリアリレート中のアルカリ金属、
    アルカリ土類金属および遊離ハロゲンの含有率の合計が
    250ppm以下である請求項1に記載のポリアリレー
    ト組成物。
  4. 【請求項4】 前記ホウ酸アルミニウムウィスカーが、
    ホウ酸アルミニウムウィスカー、あるいはアミノシラン
    系カップリング剤、アクリルシラン系カップリング剤及
    びアルキルシラン系カップリング剤から選ばれる一種以
    上のシランカップリング剤で表面処理をしたホウ酸アル
    ミニウムウィスカーである請求項1に記載のポリアリレ
    ート組成物。
  5. 【請求項5】 線熱膨張係数が35ppm/℃以下で、
    かつ1GHzにおける誘電正接が2.0×10−3以下
    である請求項1に記載のポリアリレート組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のポリアリレート組成物
    から成り、線熱膨張係数が35ppm/℃以下で、かつ
    1GHzにおける誘電正接が2.0×10−3以下であ
    るポリアリレートシート。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のポリアリレートシート
    の片面、または両面に金属層を有する電子材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113086986A (zh) * 2019-12-23 2021-07-09 中国石油天然气股份有限公司 一种纳米硼酸铝及其制备方法与应用、交联剂及其应用

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