JP2003244864A - 充電装置 - Google Patents

充電装置

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JP2003244864A JP2002042701A JP2002042701A JP2003244864A JP 2003244864 A JP2003244864 A JP 2003244864A JP 2002042701 A JP2002042701 A JP 2002042701A JP 2002042701 A JP2002042701 A JP 2002042701A JP 2003244864 A JP2003244864 A JP 2003244864A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用オールタネータを高効率化、高信頼化
することにある。 【解決手段】 整流出力端子502に高電圧が印加され
る過電圧状態(Vr1(Vmax)<V1)になると、
配線F1によりパワーMOSFET駆動回路16a〜1
6c、26a〜26cに伝達し、この結果、前記駆動回
路は、通常状態とは逆位相でパワーMOSFET21a
〜21c、11a〜11cを駆動する。即ち、Vas〜
Vcsが正となる(発電機200からブリッジ回路に電
流が流れる)場合には、交流出力端子506〜508に
接続された下アームトランジスタはオン制御する。この
時、対となる逆アームの上アームトランジスタは発電機
からの電流を低減するために、オフ制御する。また、V
as、Vbs、Vcsが負となる(発電機にブリッジ回
路から電流が流れる)場合には、上アーム用トランジス
タはオン制御する。この時、対となる逆アームの下アー
ムトランジスタは、オフ制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用交流発電機
の交流電流を整流し、バッテリを充電する充電装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用交流発電機の交流電流を整
流し、バッテリに充電する充電回路において、複数のM
OSFETからなる整流ブリッジ回路と、このFETの
いずれかにバッテリの両端電圧より高い逆ドレイン・ソ
ース電圧が印加されたときにMOSFETにゲート電圧
を印加する制御手段とを備える充電回路が特開平4-1
38030号公報に開示されている。また、MOSFE
Tとしてソース領域またはドレイン領域とウエル領域と
の間のどちらか一方の内蔵ダイオードと並列に高抵抗体
を設け、界磁巻線電流制御を行わない車両用交流発電機
が特開平7ー163149号公報に、また、ソース電極
とウエル領域とを高抵抗体で接続する車両用交流発電機
が特開平7ー170746号公報に、また、MOSFE
TとしてSiCを使用した場合の制御方法が特開平8ー
336238号公報に開示されている。さらに、特開平
9−219938号公報には、電機子巻線に生じる発電
電圧が規定電圧以上かどうかを検出し、異常電圧発生時
にはトランジスタを導通させて発電電圧を抑圧する短絡
回路部とを備える車両用発電装置が開示され、また、ロ
ーサイド素子をなすMOSトランジスタのドレイン・ゲ
ート間に定電圧降下素子を設け、電機子巻線に生じる発
電電圧に異常電圧が発生した時にトランジスタをオンさ
せる方法も開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開平9−2
19938号公報には、電機子巻線に生じる発電電圧が
規定電圧以上かどうかを検出し、異常電圧が発生したト
ランジスタをオンさせる方法が開示されているが、この
とき異常電圧が発生したトランジスタと対になる逆アー
ム側に配置されているトランジスタや他の相のトランジ
スタを異常電圧発生に対応させて最適に制御し、高信頼
化する方法に関しては十分な検討がなされていない。ま
た、特開平9−219938号公報には、MOSFET
の内蔵ダイオードを整流素子として使用し、過電圧発生
時のみにMOSFETのゲート・ドレイン間に設けた定
電圧ダイオードでオンさせて保護する方法が記載されて
いるが、同期整流制御による低損失化も同時に満たした
高効率な回路構成の検討は十分になされていない。ま
た、同期整流を用いたオールタネータ回路を実現するた
めの通常状態の制御方法や過電圧状態での制御方法やこ
れらの制御方法における具体的な過電圧保護を実現する
ために必要な制御情報の検出方法やその後の制御方法に
関して十分な検討がなされていない。
【0004】本発明の課題は、上記事情に鑑み、充電装
置、特に車両用オールタネータを高効率化、高信頼化す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発電機の交流出力端子から出入りする電流を整流
し、基準電圧端子と整流出力端子との間に整流出力電圧
を発生させ、バッテリを充電する充電装置において、整
流に用いる一方向性素子としてパワーMOSFETを使
用し、整流出力電圧が規定電圧以上になった場合に、整
流出力電圧を低減するようにパワーMOSFETのう
ち、ソースからドレインに電流が流れていたパワーMO
SFETをオフ制御し、オフ制御されていたパワーMO
SFETをオン制御する。ここで、この制御は、上アー
ム側パワーMOSFETと下アーム側パワーMOSFE
Tのゲート制御回路に、発電機の相電流とその向きを検
出する相電流検出回路、または、発電機が発生する相電
圧を検出し、上アーム側パワーMOSFETと下アーム
側パワーMOSFETのドレイン・ソース間電圧を求
め、該電圧と基準電圧とを比較する比較回路、または、
上アーム側パワーMOSFETと下アーム側パワーMO
SFETに流れる電流を検出する相電流検出回路を設け
ることにより行う。また、一方向性素子として使用する
パワーMOSFETのドレイン・ゲート間に電圧クラン
プ素子を接続し、整流出力電圧が規定電圧以上になった
場合に、パワーMOSFETの内部ゲート電圧が増加
し、上アーム側パワーMOSFETと下アーム側パワー
MOSFETに適切に電圧が印加されるように制御す
る。または、整流の入力となる相電流が規定値以上に増
加した場合に、規定値以上の過大な相電流が一方向性素
子として使用するオン状態のパワーMOSFETに全て
流れないように、前記オン状態のパワーMOSFETと
対で結線されている逆アーム側に配置されたオフ状態の
パワーMOSFETをオンさせて相電流をバイパスさせ
るように制御する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形
態を示す充電装置の回路図であり、図2(a)は、本実
施形態の通常状態における駆動表、図2(b)は、本実
施形態が過負荷状態になった場合を含む駆動表、図3
は、本実施形態の動作フローチャート図、図4は、本実
施形態の通常状態における主要電流の流れ、図5は、本
実施形態の過負荷状態における主要電流の流れを示す。
図1には、ステータのコイル1a、1b、1cとフィー
ルドコイル1xを有する発電機200の交流出力端子
(U相:506,V相:507,W相:508)から出
入りする電流を上アームトランジスタ21a、21b、
21cと下アームトランジスタ11a、11b、11c
からなるブリッジ回路で整流し、基準電圧端子500と
整流出力端子502との間に整流出力電圧V1を出力
し、バッテリ3を充電する自動車用オルタネータ回路を
示す。ブリッジ回路を構成するトランジスタ21a、2
1b、21c、11a、11b、11cは、パワーMO
SFETでソースからドレインへ低損失で電流を同期整
流ダイオードとして動作させる。同期整流ダイオードと
して動作させるということは、パワーMOSFETのソ
ースからドレイン方向を順方向電流とし、順方向電流が
流れる場合にはゲートに電圧を印加して低損失なMOS
FET電流を流し、ドレインからソース方向の逆方向電
流は流れないようにパワーMOSFETをオフ駆動する
ことである。ここで、11aと21a、11bと21
b、11cと21cはブリッジ回路において対となるパ
ワーMOSFETである。図1において、エンジン停止
時にイグニッションスイッチ5をオンすると、0V判別
回路33の動作によりトランジスタ9がオンし、チャー
ジランプ6を点灯させる。一方、エンジンが始動し、発
電機200が回転し始めると、フィールドコイル1xに
十分な電流が流れ、ステータコイル1a〜1cに交流電
圧が誘起される。また、ステータコイル1a〜1cの電
圧が上昇すると、トランジスタ9がオフし、チャージラ
ンプ6が消灯し、発電状態であることを示す。ダイオー
ド32は、トランジスタ11eがオフになったときに、
フィールドコイル1xに電流を流し続けさせるために設
けてある。また、本実施形態ではトランジスタ9、11
eをMOSFETの例で示したため、MOSFETのド
レイン・ソース間に存在する内蔵ダイオード10、12
eも示してある。
【0007】本実施形態の充電装置では、同期整流用パ
ワーMOSFETを制御するために、相電流検出抵抗5
11,512,513に発生する電圧Vas、Vbs、
Vcsから判断される相電流の向きに応じ、パワーMO
SFET駆動回路(ゲート制御回路)16a、16b、
16c、26a、26b、26cの出力電圧を図2の駆
動表並びに図3の動作フローチャート図に従い制御する
ことに特徴がある。整流出力端子502の整流出力電圧
V1は、基準電圧回路(Ref1)35で生成される電
圧Vr1(Vmin,Vmax)と制御回路31で比較
し、その結果により過電圧状態かどうかを配線F1によ
りパワーMOSFET駆動回路16a〜16c、26a
〜26cに伝達する。基準電圧Vr2は基準電圧回路
(Rref2)36で生成されるが、本実施形態の場合
にはVr2を0Vとして構わない。このため、基準電圧
端子500から直接配線を延ばすだけでも構わない。ま
ず、バッテリ3の電圧が低く、整流出力電圧V1がVm
in(例えば、9V)未満の場合にはパワーMOSFE
T駆動回路16a〜16c、26a〜26cの出力電圧
はL状態にしておく。これはボルテージレギュレータ3
0へ供給する電源端子505が低い場合には、同期整流
用パワーMOSFETを駆動するための電力を節約する
ためである。パワーMOSFET駆動回路16a〜16
c、26a〜26cの出力電圧を低電圧状態(L状態)
にしている時、パワーMOSFETはオフ状態である
が、内蔵ダイオード12a〜12c、22a〜22cが
存在するため、従来のダイオードを用いた充電回路とし
て動作する。バッテリ3の電圧がVmin以上となる
と、相電流の値により同期整流用パワーMOSFETを
同期整流駆動する。相電流検出回路15a〜15cは、
相電流をモニタするために電圧Vas、Vbs、Vcs
を検出し、基準電圧Vr2と比較する。一方、制御回路
31は、整流出力端子502の整流出力電圧V1と基準
電圧回路(Ref1)35で生成される電圧Vr1(=
Vmax)を比較し、V1が規定の最大電圧Vmax以
下であるかどうかを判断する。その結果により過電圧状
態かどうかを配線F1によりパワーMOSFET駆動回
路16a〜16c、26a〜26cに伝達する。
【0008】本実施形態の通常状態(Vmin≦V1≦
Vmax)では、パワーMOSFET駆動回路16a〜
16c、26a〜26cの出力電圧は、図2(a)に示
すように駆動することが特徴である。相電流の値により
同期整流用パワーMOSFETを同期整流駆動する。相
電流検出回路15a〜15cは、相電流をモニタするた
めに電圧Vas、Vbs、Vcsを検出し、基準電圧V
r2と比較する。すなわち、この結果、Vas、Vb
s、Vcsが正となる(発電機からブリッジ回路に電流
が流れる)場合には、交流出力端子506,507、5
08に接続された上アームトランジスタはオン制御また
はオンするデューティを増加し、対となる逆アームに配
置された下アームトランジスタはオフ制御またはオフす
るデューティを増加して制御する。また、Vas、Vb
s、Vcsが負となる(発電機にブリッジ回路から電流
が流れる)場合には、交流出力端子506,507、5
08に接続された下アーム用トランジスタはオン制御ま
たはオンするデューティを増加し、対となる逆アームに
配置された上アームトランジスタはオフ制御またはオフ
するデューティを増加して制御する。本実施形態の場合
には、従来のようにトランジスタ11eのオンするデュ
ーティを制御させて発電機のフィールド電流を制御して
整流出力電圧を制御する方法を併用させることにより、
更に高速に整流出力電圧を制御できるため、信頼性が向
上する。あるいは、従来のようにトランジスタ11eを
なくし、フィールド電流の制御をせずに整流出力電圧を
適正値に制御することも可能であり、この場合にはシス
テムの低コスト化が図れる。本実施形態において、12
Vバッテリシステムの場合、同期整流ダイオードとして
使用されるパワーMOSFETのドレイン耐圧の最大定
格は30V程度、175℃におけるオン抵抗は5mΩ以
下であることが望ましい。このように、高温でも低オン
抵抗のパワーMOSFETを使用することにより、例え
ば100Aの電流が流れても0.5Vの電圧ドロップに
抑えられる。従って、整流素子としてダイオードを使用
した従来の場合に比べ、オルタネータ回路を高効率化で
きるという効果がある。ここで、ダイオード12a、1
2b、12c、22a、22b、22cは、各々パワー
MOSFET11a、11b、11c、21a、21
b、21cのドレイン・ソース間に存在する内蔵ダイオ
ードである。また、電圧Vas、Vbs、Vcsは発電
機200からブリッジ回路に電流が流れる場合を正にと
ってある。
【0009】次に、ロードダンプ不良のように整流出力
端子502とバッテリ側端子503との間のワイヤが切
断し、整流出力端子502に高電圧が印加される過電圧
状態の場合の動作を説明する。従来回路と同様に制御回
路31は、整流出力電圧(配線F0を用いて伝達)が設
定電圧以上(例えば、20V以上)に上昇した場合に
は、トランジスタ11eをオフまたはオフするデューテ
ィを増加することによりフィールド電流を低減し、フィ
ールドコイル1xに流れる電流を低下させるだけではな
く、本実施形態では、ブリッジ回路を構成するパワーM
OSFET駆動回路16a〜16c、26a〜26cに
整流出力電圧が設定電圧以上に上昇したことを配線F1
を用いて伝達し、パワーMOSFET駆動回路16a〜
16c、26a〜26cの制御モードを逆位相に変え
る。すなわち、この条件の場合、パワーMOSFET
は、同期整流ダイオードとしての動作ではなく、ドレイ
ンからソースへ電流を流すように動作する。本実施形態
では、過電圧状態(Vmax<V1)になると、配線F
1により過電圧状態となったことをパワーMOSFET
駆動回路16a〜16c、26a〜26cに伝達する。
この結果、パワーMOSFET駆動回路16a〜16
c、26a〜26cの出力電圧は、図2(b)に示すよ
うに、過電圧状態では通常状態とは逆位相でパワーMO
SFETを駆動する。すなわち、Vas、Vbs、Vc
sが正となる(発電機からブリッジ回路に電流が流れ
る)場合には、交流出力端子506,507、508に
接続された下アームトランジスタはオン制御またはオン
するデューティを増加する。この時、対となる逆アーム
に配置された上アームトランジスタもオン駆動またはオ
ンするデューティを増加する駆動のままでも構わない
が、発電機200から整流出力電圧端子502に流れる
電流を低減するためには、オフ制御またはオフするデュ
ーティを増加して制御することが望ましい。また、Va
s、Vbs、Vcsが負となる(発電機にブリッジ回路
から電流が流れる)場合には、交流出力端子に接続され
た上アーム用トランジスタはオン制御またはオンするデ
ューティを増加する。この時、対となる逆アームに配置
された下アームトランジスタもオン駆動またはオンする
デューティを増加する駆動のままでも構わないが、基準
電圧端子500から発電機200に流れる電流を低減す
るためには、オフ制御またはオフするデューティを増加
して制御することが望ましい。
【0010】以上の動作を更に詳しく説明すると、以下
のとおりである。図2(a)の通常状態の駆動表に示す3
T/6から6T/6までの主要電流の流れを図4に、ま
た、図2(b)に示す過電圧負荷状態の3T/6から6
T/6までの主要電流の流れを図5に示す。本実施形態
では、通常状態にはソースからドレインに電流が流れる
パワーMOSFETについてはオン制御またはオンする
デューティを増加してソースからドレインに同期整流ダ
イオードとして低損失に電流を流すが、パワーMOSF
ETが過電圧状態になると、オフ制御またはオフするデ
ューティを増加する制御にする。これにより、パワーM
OSFETに流れていた電流は、MOSFET電流では
なく、内蔵ダイオード12a〜12c、22a〜12c
に電流が移る。このため、パワーMOSFETに流れる
全電流(MOSFET電流と内蔵ダイオードに流れる電
流の合計)の絶対値は減少する。これに対し、前記パワ
ーMOSFETと対になって配置されている逆アーム側
にあるパワーMOSFETは、対となるパワーMOSF
ETと逆位相で制御する。すなわち、通常状態ではオフ
制御またはオフするデューティを増加する制御にする
が、過電圧状態ではオン制御またはオンするデューティ
を増加する制御にする。これにより、整流出力電圧V1
が過電圧になった時に、ドレイン・ソース間の電圧も抑
制でき、さらに整流出力電圧V1からグランド側に電流
を戻すことにより、整流出力電圧V1を通常の電圧に抑
制させることができる。上記動作内容をフローチャート
図で示すと、図3となる。これにより、整流出力電圧端
子502から基準電圧端子500側に電流を流すことに
より、整流出力電圧端子502と基準電圧端子500と
の間に発生する整流出力電圧が規定電圧より過度に高い
電圧となることが防止できる。
【0011】さらに、本実施形態では、一方向性素子と
して使用するパワーMOSFETのドレイン・ゲート間
に電圧クランプ素子として使用する電圧クランプ素子用
ダイオード13a、13b、13c、23a、23b、
23cを接続することにより、整流出力電圧が規定電圧
以上になった場合に、パワーMOSFETの内部ゲート
電圧が増加し、パワーMOSFETをアクティブクラン
プさせる。これにより、パワーMOSFETのドレイン
・ソース間には定格電圧以上の電圧が印加されることを
防止できるため、パワーMOSFETの破壊を防止でき
る。ここで、アクティブクランプ動作を開始する整流出
力電圧の値は、パワーMOSFETが同期整流ダイオー
ドとして動作しなくなるときの整流出力電圧の値より高
くすることが望ましい。また、ゲート抵抗14a〜14
c、24a〜24cは、パワーMOSFET駆動回路1
6a〜16c、26a〜26cの出力端子と電圧クラン
プ素子用ダイオード13a〜13c、23a〜23cの
間に配置する。例えば、パワーMOSFET駆動回路1
6a〜16c、26a〜26cの出力端子がパワーMO
SFET11a〜11c、21a〜21cのゲート・ソ
ース間電圧を下げてパワーMOSFET11a〜11
c、21a〜21cをオフに駆動しているときにも、パ
ワーMOSFET11a〜11c、21a〜21cのド
レイン・ゲート間に設定電圧以上の過電圧が印加される
と、電圧クランプ素子用ダイオード13a〜13c、2
3a〜23cによりパワーMOSFET11a〜11
c、21a〜21cのゲート・ソース間に電圧を印加し
てドレイン電流を流し、パワーMOSFET11a〜1
1c、21a〜21cのドレイン・ソース間に過電圧が
印加されないように保護する。ここで、ゲート抵抗14
a〜14c、24a〜24cは、トランジスタを抵抗性
素子として使用してもよい。また、ゲート抵抗は回路構
成上パワーMOSFET駆動回路の中に配置しても構わ
ない。なお、本実施形態では、ゲート抵抗14a〜14
c、24a〜24cを用いてパワーMOSFET11a
〜11c、21a〜21cを保護する例を示したが、パ
ワーMOSFET駆動回路16a〜16c、26a〜2
6cの電流吸込み能力を抑えても同様の効果がある。す
なわち、パワーMOSFETのゲート電圧を下げている
(オフ駆動をしている)ときでも、パワーMOSFET
のドレイン・ゲート間に設けた電圧クランプ素子用ダイ
オード13a〜13c、23a〜23cにクランプ電圧
以上の電圧が印加されようとすると、パワーMOSFE
T駆動回路16a〜16c、26a〜26cでは、パワ
ーMOSFETのゲート電圧を0Vにできなくなる。こ
のため、パワーMOSFET11a〜11c、21a〜
21cのゲート・ソース間電圧が上昇し、パワーMOS
FET11a〜11c、21a〜21cがオンすること
により、過電圧が印加されないようにできる。
【0012】なお、図1では、紙面の都合上、前記トラ
ンジスタのゲート・ドレイン間に配置するダイオードの
数は、ゲートに対してドレイン電圧をクランプするため
に2個を直列接続し、ドレインに対してゲート電圧をク
ランプするために2個を直列接続しているが、例えば1
2Vバッテリシステムや36Vバッテリシステムの場合
では、前記トランジスタのクランプ電圧は、ゲートに対
してドレイン電圧をクランプする電圧は、整流出力電圧
の上限値との関係で決まり、20V以上(12Vバッテ
リシステムならば25V程度)である。また、ドレイン
に対してゲート電圧をクランプする電圧は、ゲート酸化
膜の保護の目的とゲート電圧が変化してもゲートからド
レインへのリーク電流が流れないようにする必要がある
ことから、5V以上30V以下(例えば、20V程度)
であることが望ましい。また、このダイオードは、パワ
ーMOSFETと同一チップ上に形成される多結晶シリ
コンダイオードを使用することにより、低コスト化と小
型化を図ることができる。例えば、前記トランジスタの
ゲート・ドレイン間に配置するダイオードは、耐圧が約
6Vの多結晶シリコンダイオードとし、ゲートに対して
ドレイン電圧をクランプするために4個(2個以上8個
以下)を直列接続し、ドレインに対してゲート電圧をク
ランプするために3個(1個以上3個以下)を直列接続
することにより実現できる。ここで、ゲートに対してド
レイン電圧をクランプする電圧は、上述のパワーMOS
FET駆動回路16a〜16c、26a〜26cが過電
圧状態と判断する最大整流出力電圧Vmaxより高く設
定することが望ましい。このように、ドレイン・ゲート
間にダイオードのクランプ電圧を設定することにより、
整流出力電圧が上昇した場合、まず、フィールド電流を
低減させ、ゲート駆動方法も変えて、それでも整流出力
電圧が抑えられない場合にパワーMOSFETを保護す
るためにアクティブクランプが動作し、パワーMOSF
ETを保護するように設定できる。以上の構成により、
本実施形態では、オールタネータの高効率化と信頼性向
上が図れるという効果がある。
【0013】図6は、本発明の第2の実施形態として、
第1の実施形態を示す充電装置(図1の回路図)におい
て、過電圧状態でパワーMOSFETの外部ゲート電圧
(パワーMOSFET駆動回路26a〜26c、16a
〜16cの出力電圧)を全てL状態に駆動する場合の駆
動表を示し、図7は、その動作フローチャート図を示
す。本実施形態では、図1の回路図において、過電圧状
態で全てのパワーMOSFETのゲート電圧を下げ(図
6、図7のL状態)、全てのパワーMOSFETをオフ
駆動する。この時、パワーMOSFET21a〜21
c、11a〜11cのドレイン・ゲート間に印加される
電圧がクランプダイオード23a〜23c、13a〜1
3cのクランプ電圧より高くなる場合がある。この場合
には、パワーMOSFETのドレイン・ゲート間電圧
は、一定電圧に保とうとするため、ゲート・ソース間電
圧が増加し、パワーMOSFET21a〜21c、11
a〜11cは自動的にオンする。したがって、パワーM
OSFETのドレイン・ソース間には規定以上の電圧が
印加されないため、パワーMOSFETは、破壊せず、
保護されることになる。さらに、パワーMOSFET2
1a〜21c、11a〜11cが自動的にオンすること
により、同時に整流出力電圧端子502からの電流を基
準電圧端子500側にバイパスさせる。このため、整流
出力電圧端子502と基準電圧端子500との間に発生
する整流出力電圧が過大にならないように制御される。
なお、本実施形態の場合も、第1の実施形態で述べたよ
うに、ゲート抵抗14a〜14c、24a〜24cを用
いるか、パワーMOSFET駆動回路16a〜16c、
26a〜26cの電流吸込み能力を抑えておくことが必
要である。本実施形態でも、過電圧保護の応答速度はや
や低減するものの、第1の実施形態と同様にオールタネ
ータの高効率化と信頼性向上が図れるという効果があ
る。
【0014】図8は、本発明の第3の実施形態を示す充
電装置の回路図であり、図9は、本実施形態の動作フロ
ーチャート図である。本実施形態では、発電機200の
交流出力端子506,507,508に発生する相電圧
Va、Vb、Vcをモニタすることにより、過電圧状態
を検出し、保護動作することが特徴である。本実施形態
の場合にも、第1の実施形態の場合と同様に、過負荷保
護のためにはパワーMOSFETを通常状態とは逆位相
でゲート駆動するが、保護動作をかける場合の判断を相
電圧Va、Vb、Vcの値を利用して判断することが特
徴である。すなわち、ブリッジ回路に使われるパワーM
OSFETのドレイン・ソース間電圧Va、Vb、V
c、V1−Va、V1−Vb、V1−Vcを基準電圧
(Vr2)36、基準電圧(Vr3)37と比較するこ
とにより実現する。基準電圧Vr2、Vr3はゼロ電圧
とすることが望ましい。
【0015】本実施形態の通常状態(Vmin≦V1≦
Vmax)では、パワーMOSFETのソースからドレ
イン方向に電流が流れる時、すなわち、パワーMOSF
ETのドレイン・ソース間電圧がゼロ電圧以下になると
きには、パワーMOSFET駆動回路16a〜16c、
26a〜26cの出力電圧はH(高電位)にしてパワー
MOSFETをオン制御して低損失に電流を導通させ
る。また、逆アーム側のパワーMOSFETのドレイン
・ソース間電圧は正電圧となっているため、パワーMO
SFET駆動回路16a〜16c、26a〜26cの出
力電圧はL(低電位)にしてパワーMOSFETをオフ
制御させる。このような同期整流ダイオード動作により
低損失駆動できる。なお、整流出力電圧を目標電圧に設
定するために、パワーMOSFETのドレイン・ソース
間電圧がゼロ電圧以下になるときに、パワーMOSFE
Tをオン制御するものの、整流出力電圧の値によりオン
制御するデューティを調整して駆動し、逆アーム側のパ
ワーMOSFETには逆位相の電圧を印加させて駆動し
ても構わない。過電圧状態(Vmax<V1)になる
と、配線F1により過電圧状態となったことをパワーM
OSFET駆動回路16a〜16c、26a〜26cに
伝達する。この時、本実施形態では、パワーMOSFE
T駆動回路16a〜16c、26a〜26cの出力電圧
は、ドレイン・ソース間電圧が0Vまたは負電圧となる
トランジスタと対になるアームのトランジスタをオンま
たはオンするデューティが増加する制御をする。これに
より、過電圧が印加されているパワーMOSFETのド
レイン・ソース間電圧を低減でき、さらに、整流出力電
圧V1からグランド側に電流を戻すことにより、整流出
力電圧V1を通常の電圧に抑制させることができる。な
お、相電圧は、ゲート電圧を印加することより大きく変
化してしまうため、相電圧(ドレイン・ソース間電圧)
の検出は、トランジスタをオフさせたときに実行するこ
とが望ましい。以上の構成により、本実施形態でも第1
の実施形態と同様にオールタネータの高効率化と信頼性
向上が図れるという効果がある。また、本実施形態で
は、上アーム用MOSFETも下アーム用MOSFET
もそれぞれ独立してドレイン・ソース間電圧をモニタし
て制御する方法を示したが、例えば下アーム用MOSF
ETのドレイン・ソース間電圧だけを基準電圧Vr2と
比較して、上アーム用MOSFETは対となる下アーム
用MOSFETと逆位相で制御するようにしても同様の
効果がえられる。また、本実施形態では、整流出力電圧
V1が規定電圧以上かどうかで過電圧保護をかける場合
を示したが、発電機の相電圧Va、Vb、Vcのいずれ
かが規定電圧以上になった場合に、図9に示した駆動方
法により、規定電圧以上にならない相も含め、ブリッジ
回路を構成する全てのパワーMOSFETの駆動方法を
変えて駆動することにより、過負荷保護動作させてもよ
い。この場合には、電流出力端子から基準電圧端子への
電流パスが増加するため、規定電圧以上にならない相も
含め、ブリッジ回路を構成する全てのパワーMOSFE
Tの駆動方法を変えて過電圧保護動作すると、過電圧保
護を迅速に実行できるという効果がある。
【0016】図10は、本発明の第4の実施形態とし
て、第3の実施形態を示す充電装置(図8の回路図)に
おいて、過電圧状態になった場合に、保護動作のために
パワーMOSFETを駆動する条件が異なる場合の動作
フローチャート図を示す。本実施形態では、発電機20
0の相電圧をモニタすることにより、過負荷状態を検出
するという点では第3の実施形態と同じであるが、過電
圧状態になった場合に、保護動作のためにパワーMOS
FETを駆動する条件が少し異なる。すなわち、本実施
形態では、過負荷保護のために、上アーム用MOSFE
Tと下アーム用MOSFETのうちドレイン・ソース間
電圧が高い方のパワーMOSFETをオン制御するため
に、相電圧Va、Vb,Vcが整流出力電圧V1の1/
2の電圧より大きいか小さいかを比較することにより実
現することが特徴である。このため、これまでの実施形
態のように通常動作の場合と全く逆位相の駆動をしてい
るわけではない。本実施形態でも、第1の実施形態と同
様にオールタネータの高効率化と信頼性向上が図れると
いう効果がある。
【0017】図11は、本発明の第5の実施形態を示す
充電装置の回路図であり、図12は、本実施形態の動作
フローチャート図である。本実施形態は、本発明の自動
車用オルタネータ回路等の充電装置において、整流に用
いるパワーMOSFETの制御のために、相電流ではな
く、パワーMOSFETに流れる電流を使用することが
特徴である。このために、本実施形態では、パワーMO
SFETのソース側、ドレイン側に接続した抵抗17a
〜17c、27a〜27cで電流検出することが特徴で
ある。本実施形態において、通常状態では、抵抗17a
〜17cの電圧V17a〜V17cがVr2(基準電圧
Vr2は例えば0ボルト)以下になる期間ならびに抵抗
27a〜27cの電圧V27a〜V27cがVr3(基
準電圧Vr3は例えば0ボルト)以下になる期間には、
パワーMOSFET11a〜11c、21a〜21cを
オン制御またはオンするデューティが増加する制御をし
て損失を低減する。このため、16a〜16c、26a
〜26cの出力は高電圧または高電圧にするデューティ
が増加する制御にする。一方、抵抗17a〜17cの電
圧V17a〜V17cがVr2(基準電圧Vr2は例え
ば0ボルト)を超える期間ならびに抵抗27a〜27c
の電圧V27a〜V27cがVr3(基準電圧Vr3は
例えば0ボルト)を超える期間には、パワーMOSFE
T11a〜11c、21a〜21cをオフ制御またはオ
フするデューティが増加する制御をする。このため、1
6a〜16c、26a〜26cの出力は低電圧または低
電圧にするデューティが増加する制御をする。これによ
り、パワーMOSFET11a〜11c、21a〜21
cを低損失な同期整流駆動する。これに対し、本実施形
態は、整流出力電圧が規定電圧以上になった場合には、
上記駆動とは逆位相で駆動して整流出力電圧がが過大と
なることを防止することが特徴である。なお、本実施形
態では、下アーム用MOSFETの電流検出抵抗17a
〜17cと比較に用いる電圧Vr2を発生する基準電圧
36、上アーム用MOSFETの電流検出抵抗27a〜
27cと比較に用いる電圧Vr3を発生する基準電圧3
7を設ける場合を示したが、上アーム用MOSFETを
必ず下アームと逆位相で駆動する場合には、上アーム用
の電流検出抵抗27a〜27cと基準電圧37をなく
し、下アーム側だけで電流検出して可電圧保護をするこ
とも可能である。
【0018】また、本実施形態で示した図11の回路図
で図13に示す動作フローチャートに従い制御すると、
パワーMOSFET21a〜21c、11a〜11cに
過電流が流れることにより、パワーMOSFETが破壊
することを防止する過電流保護を実現できる。すなわ
ち、パワーMOSFET21a〜21c、11a〜11
cに過大電流が流れているかどうかを抵抗27a〜27
c、17a〜17cで検出しながら、図12のフローチ
ャートの通常状態動作と同じように駆動する。図13で
は、パワーMOSFET11aの過電流検出フローだけ
を示すが、他のパワーMOSFETについても同様であ
る。図11の回路図において、仮に、特定のMOSFE
Tに過大電流が流れた場合、例えば、通常状態動作のパ
ワーMOSFET11aだけに過大電流が流れた場合を
考えると、電流検出抵抗17aの電圧V17aの絶対値
が増加する。もしも、電圧V17aの絶対値|V17a
|が規定電圧Vr2maxを超えると、パワーMOSF
ET11aにはソースからドレインに過電流が流れてい
ると判断する。ソースからドレインに流れる電流はゲー
ト・ソース間電圧では適切に制御できないため、この状
態でパワーMOSFET11aに過電流が流れつづけ、
パワーMOSFET11aは熱により破壊する可能性が
ある。そこで、本実施形態では、パワーMOSFET1
1aが過電流状態になった場合には、11aと対になっ
て接続してあるパワーMOSFET21aをオン制御ま
たはオンするデューティが増加する制御をすることが特
徴である。発電機200に流れ込む電流は、発電機内の
コイルに流れる電流であるため、急には低減しないが、
本実施形態では、パワーMOSFET11aを流れる電
流が過電流となった場合には、パワーMOSFET11
aと対になるパワーMOSFET21aからも発電機に
電流が提供されるため、パワーMOSFET11aに流
れる電流を抑制することが可能とある。V17aがVr
2(例えば基準電圧Vr2は0ボルト)より高い電圧と
なった場合には、通常状態動作と同様に16aの出力電
圧は低電圧、26aのの出力電圧は高電圧に制御する。
ここで、パワーMOSFET11a以外のパワーMOS
FET11b、11c21b、21cは過電流となって
いないため、各々V17bとVr2の比較、V17cと
Vr2の比較、V1−V17bとVr3の比較、V1−
V17cとVr3の比較を行い、通常状態動作と同じ駆
動をする(図13では、紙面の都合上V17cとVr2
の比較とV1−V17cとVr3は示してない。)。な
お、パワーMOSFET11が過電流状態のときに、パ
ワーMOSFET11のゲート・ソース間電圧は、通常
状態動作と同じように、高電圧にして電圧降下を抑えて
もよいし、逆に、パワーMOSFET11のゲート・ソ
ース間電圧は、0ボルトにして、パワーMOSFET1
1に流れる電流が減衰する速度を速くするようにしても
構わない。このようにして、同期整流駆動されたパワー
MOSFETの過電流保護動作が可能となる。なお、本
実施形態では、ブリッジを構成するパワーMOSFET
に過大電流が流れる場合の保護として説明したが、ブリ
ッジ回路を構成する個々のパワーMOSFETに温度検
出回路を設け、規定温度以上になるパワーMOSFET
に過大な電流が流れなくなるように、対となるパワーM
OSFETをオンさせて電流を分散するように駆動する
ことにより、パワーMOSFETを保護することも可能
である。ここで、抵抗17a〜17c、27a〜27c
は、配線等の寄生抵抗を使用した場合には低コスト化と
小型化が図れるという効果もある。本実施形態でも、第
1の実施形態と同様にオールタネータの高効率化と信頼
性向上が図れるという効果がある。
【0019】図14は、本発明の第6の実施形態を示す
充電装置の回路図である。本実施形態では、図1の回路
に発電機200のY結線の中点端子501に対して上ア
ーム用パワーMOSFET21dと下アーム用パワーM
OSFET11dを追加することを特徴とする。従来回
路では、中点端子501と基準電圧端子500との間な
らびに中点端子501と整流出力端子502との間には
それぞれダイオードを配置し、効率を向上させていた
が、本実施形態では、その効率向上に用いるダイオード
の代わりにMOSFETを使用し、更に効率向上を図っ
ている。ここで、パワーMOSFET11d、21dの
駆動方法は他のパワーMOSFETと同様である。すな
わち、抵抗514の電圧Vxsを検出し、ソースからド
レインに電流が流れるときにはパワーMOSFETをオ
ン制御し、逆アーム側のパワーMOSFETはオフ制御
するが、過電圧状態では逆位相で駆動させる。さらに、
過電圧保護動作をさせる場合には、ソースからドレイン
に電流が流れるパワーMOSFETと対となるパワーM
OSFETはオン制御またはオンするデューティを増加
する駆動をする。この時、対となる逆アームに配置され
たトランジスタもオン駆動またはオンするデューティを
増加する駆動のままでも構わないが、中点電圧端子50
1から整流出力端子502への電流または基準電圧端子
500から中点電圧端子501に流れる電流を低減する
ために、オフ制御またはオフするデューティを増加して
制御することが望ましい。なお、ダイオード12d、2
2dは、パワーMOSFET11d、21dの内蔵ダイ
オードであり、ダイオード13d、23dと抵抗14
d、24dは、過電圧保護のために設けてある。本実施
形態でも、第1の実施形態と同様にオールタネータの高
効率化と信頼性向上が図れるという効果がある。また、
本実施形態は、相電流を検出する回路に中点端子用のパ
ワーMOSFETを追加した場合であるが、Y結線型の
発電機ならどのような回路にも適用でき、オールタネー
タの高効率化と信頼性向上が図れるという効果がある。
【0020】図15は、本発明の第7の実施形態を示す
充電装置の回路図である。本実施形態は、本発明の自動
車用オルタネータ回路等の充電装置において、発電機2
01としてΔ結線型で回転子磁石2を使用することを特
徴とする。すなわち、本実施形態は、フィールドコイル
を使用せずとも、オールタネータ回路を実現できるよう
にした。発電機201は、UV相のコイル1ab、VW
相のコイル1bc、WU相のコイル1ac、回転子磁石
2からなる。本実施形態の場合には、オールタネータを
低コストに実現できるという効果がある。このため、本
実施形態では、オールタネータの高効率化と信頼性向上
が図られ、さらに低コスト化が図れるという効果があ
る。
【0021】図16は、本発明の第8の実施形態を示す
充電装置の回路図である。本実施形態では、整流出力端
子電圧V1が過大になっても、負荷4に過電圧が印加さ
れないようにスイッチ素子としてパワーMOSFET4
2を追加することを特徴とする。すなわち、本実施形態
では、整流出力電圧V1が規定電圧以上になった場合
に、整流出力端子502とバッテリー側端子503とを
遮断するためのパワーMOSFET42を設ける。通常
は、パワーMOSFET42はオン状態であるが、整流
出力端子502の整流出力電圧V1が過剰に高くなる過
電圧状態の場合には、パワーMOSFET42をオフす
る。これにより、バッテリー側端子503に過剰な電圧
パルスが印加されないため、バッテリー3に接続されて
いる負荷4が過電圧により破壊することを防止できる。
なお、抵抗44とダイオード43はパワーMOSFET
42の他のパワーMOSFETと同様に破壊強度を増加
するために設けてある。従って、本実施形態の場合に
も、オールタネータの高効率化と信頼性向上が図れると
いう効果がある。
【0022】なお、上述した実施形態では対となる上ア
ームトランジスタと下アームトランジスタは同時にオン
することがないように駆動することを原則として述べて
きたが、過電圧保護のため、故意に対となる上アームト
ランジスタと下アームトランジスタを同時にオンさせて
貫通電流を増加させ、整流出力電圧V1が過電圧となら
ないように制御させるようにしても構わない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
充電装置、特に車両用オールタネータの高効率化と信頼
性向上を図ることができ、同時に低コスト化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す充電装置の回路
図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す充電装置の通常
状態(a)と過負荷状態(b)の場合の駆動表である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す充電装置の動作
フロー図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す充電装置の通常
状態における主要電流の流れを示した図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示す充電装置の過負
荷状態における主要電流の流れを示した図である。
【図6】本発明の第2の実施形態として図1に示す充電
回路図の駆動表である。
【図7】本発明の第2の実施形態として図1に示す充電
回路図の動作フロー図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す充電装置の回路
図である。
【図9】本発明の第3の実施形態を示す充電装置の動作
フロー図である。
【図10】本発明の第4の実施形態として図8に示す充
電回路図の動作フロー図である。
【図11】本発明の第5の実施形態を示す充電装置の回
路図である。
【図12】本発明の第5の実施形態を示す充電装置の動
作フロー図である。
【図13】本発明の第5の実施形態を示す充電装置の動
作フロー図である。
【図14】本発明の第6の実施形態を示す充電装置の回
路図である。
【図15】本発明の第7の実施形態を示す充電装置の回
路図である。
【図16】本発明の第8の実施形態を示す充電装置の回
路図である。
【符号の説明】
1a…U相のコイル、1b…V相のコイル、1c…W相
のコイル、1ab…UV相のコイル、1bc…VW相の
コイル、1ac…WU相のコイル、1x…フィールドコ
イル、2…回転子磁石、3…バッテリー、4…負荷、5
…イグニッションスイッチ、6…チャージランプ、11
a〜11c…下アーム用パワーMOSFET、11d…
中点下アーム用パワーMOSFET、12a〜12c…
下アーム用パワーMOSFET、12d…中点下アーム
用パワーMOSFET、13a〜13d、23a〜23
d…電圧クランプ素子用(アクティブクランプ用)ダイ
オード、14a〜14d、24a〜24d…電圧クラン
プ素子用(アクティブクランプ用)抵抗、15a〜15
d…相電流検出回路、16a〜16d、26a〜26d
…パワーMOSFET駆動回路(ゲート制御回路)、1
7a〜17d、27a〜27d…センス抵抗(または、
寄生抵抗)、21a〜21c…上アーム用パワーMOS
FET、21d…中点上アーム用パワーMOSFET、
22a〜22d…パワーMOSFETのドレイン・ソー
ス間ダイオード、30…ボルテージレギュレータ、31
…制御回路、33…0V判別回路、35,36,37…
基準電圧、Va〜Vc…相電流検出電圧端子、502…
整流出力電圧端子、500…基準電圧端子、505…ボ
ルテージレギュレータの電圧端子、503…バッテリ側
高電圧端子、200,201…発電機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩村 将弘 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 桝本 正寿 茨木県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 Fターム(参考) 5G044 AA01 AA03 AC05 BA04 CE04 5G060 AA01 AA20 CA13 DA01 DB08 5H006 AA02 AA05 BB03 CA02 CB01 CB07 DB01 FA01 5H590 AA02 AB01 CA23 CD03 CE05 EB03 FB03 GA02 GA04 HA02 HA04 KK04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上アームトランジスタと下アームトラン
    ジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出力
    端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整流
    出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリを
    充電する充電装置において、 前記発電機の相電流とその向きを検出する相電流検出回
    路を前記上アームトランジスタと下アームトランジスタ
    のゲート制御回路に設け、前記整流出力端子と基準電圧
    端子間に発生する整流出力電圧が規定電圧以上になった
    場合に、発電機に交流出力端子から相電流が流入する状
    態の交流出力端子に接続された前記上アームトランジス
    タはオン制御またはオンするデューティが増加する制御
    をすることを特徴とする充電装置。
  2. 【請求項2】 上アームトランジスタと下アームトラン
    ジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出力
    端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整流
    出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリを
    充電する充電装置において、 前記発電機の相電流と向きを検出する相電流検出回路を
    前記上アームトランジスタと下アームトランジスタのゲ
    ート制御回路に設け、前記整流出力端子と基準電圧端子
    間に発生する整流出力電圧が規定電圧以上になった場合
    に、発電機から交流出力端子に相電流が流出する状態の
    交流出力端子に接続された前記下アーム用トランジスタ
    はオン制御またはオンするデューティが増加する制御を
    することを特徴とする充電装置。
  3. 【請求項3】 上アームトランジスタと下アームトラン
    ジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出力
    端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整流
    出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリを
    充電する充電装置において、 前記発電機の相電流と向きを検出する相電流検出回路を
    前記上アームトランジスタと下アームトランジスタのゲ
    ート制御回路に設け、前記交流出力端子と基準電圧端子
    または整流出力端子との間の電圧が規定電圧以上になっ
    た場合に、通常のゲート駆動電圧制御とは逆位相で駆動
    し、前記基準電圧より低い第2の基準電圧以下ではゲー
    ト・ソース間電圧はしきい電圧以下に抑えて遮断制御を
    することを特徴とする充電装置。
  4. 【請求項4】 上アームトランジスタと下アームトラン
    ジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出力
    端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整流
    出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリを
    充電する充電装置において、 前記発電機が発生する相電圧を検出し、前記上アームト
    ランジスタと下アームトランジスタのドレイン・ソース
    間電圧を求め、該電圧と基準電圧とを比較する比較回路
    を前記上アームトランジスタと下アームトランジスタの
    ゲート制御回路に設け、前記整流出力電圧が規定電圧以
    上になった場合に、前記ドレイン・ソース間電圧が0V
    または負電圧と検出されたトランジスタと対になるトラ
    ンジスタをオンまたはオンするデューティが増加する制
    御をすることを特徴とする充電装置。
  5. 【請求項5】 上アームトランジスタと下アームトラン
    ジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出力
    端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整流
    出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリを
    充電する充電装置において、 前記発電機が発生する相電圧を検出し、前記上アームト
    ランジスタと下アームトランジスタのドレイン・ソース
    間電圧を求め、該電圧と基準電圧とを比較する比較回路
    を前記上アームトランジスタと下アームトランジスタの
    ゲート制御回路に設け、前記整流出力電圧が規定電圧以
    上になった場合に、前記整流出力電圧を低減するように
    前記交流出力端子に接続された対となる2つのトランジ
    スタのうち、ドレイン・ソース間電圧が高いと検出され
    た方のトランジスタをオンまたはオンするデューティが
    増加する制御をすることを特徴とする充電装置。
  6. 【請求項6】上アームトランジスタと下アームトランジ
    スタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出力端
    子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整流出
    力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリを充
    電する充電装置において、 前記発電機が発生する相電圧を検出し、前記上アームト
    ランジスタと下アームトランジスタのドレイン・ソース
    間電圧を求め、該電圧と基準電圧とを比較する比較回路
    を前記上アームトランジスタと下アームトランジスタの
    ゲート制御回路に設け、前記交流出力端子と基準電圧端
    子または整流出力端子との間の電圧が規定電圧以上にな
    った場合に、前記規定電圧以上になった交流出力端子の
    みならず他の交流出力端子においても交流出力端子に接
    続された2つのトランジスタのうち、ドレイン・ソース
    間電圧が負電圧となるトランジスタと対となるトランジ
    スタをオン制御またはオンするデューティが増加する制
    御をすることを特徴とする充電装置。
  7. 【請求項7】 上アームトランジスタと下アームトラン
    ジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出力
    端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整流
    出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリを
    充電する充電装置において、 前記上アームトランジスタと下アームトランジスタに流
    れる電流を検出する相電流検出回路を前記上アームトラ
    ンジスタと下アームトランジスタのゲート制御回路に設
    け、前記整流出力電圧が規定電圧以上になった場合に、
    交流出力端子から前記整流出力端子の方向に電流が流れ
    る上アームトランジスタと対になる下アームトランジス
    タはオン制御またはオンするデューティが増加する制御
    をすることを特徴とする充電装置。
  8. 【請求項8】 上アームトランジスタと下アームトラン
    ジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出力
    端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整流
    出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリを
    充電する充電装置において、 前記上アームトランジスタと下アームトランジスタに流
    れる電流を検出する相電流検出回路を前記上アームトラ
    ンジスタと下アームトランジスタのゲート制御回路に設
    け、前記整流出力電圧が規定電圧以上になった場合に、
    基準電圧端子から交流出力端子の方向に電流が流れる下
    アームトランジスタと対になる上アームトランジスタは
    オン制御またはオンするデューティが増加する制御をす
    ることを特徴とする充電装置。
  9. 【請求項9】 上アームトランジスタと下アームトラン
    ジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出力
    端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整流
    出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリを
    充電する充電装置において、 前記上アームトランジスタと下アームトランジスタに流
    れる電流を検出する相電流検出回路を前記上アームトラ
    ンジスタと下アームトランジスタのゲート制御回路に設
    け、前記トランジスタのソースからドレインに流れる電
    流が規定電流以上になった場合に、そのトランジスタと
    対になるトランジスタをオン制御またはオンするデュー
    ティが増加する制御をすることを特徴とする充電装置。
  10. 【請求項10】 上アームトランジスタと下アームトラ
    ンジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出
    力端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整
    流出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリ
    を充電する充電装置において、 前記整流出力電圧と規定電圧を比較する手段を前記上ア
    ームトランジスタと下アームトランジスタのゲート制御
    回路に設け、前記整流出力電圧が前記規定電圧以上にな
    った場合に、上アームトランジスタから下アームトラン
    ジスタへの貫通電流を増加させる制御をすることを特徴
    とする充電装置。
  11. 【請求項11】 上アームトランジスタと下アームトラ
    ンジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出
    力端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整
    流出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリ
    を充電する充電装置において、 前記トランジスタのドレイン端子とゲート端子の間に双
    方向の電流を規定電圧まで遮断する電圧クランプ素子を
    直列に接続し、前記ゲート端子と前記トランジスタを駆
    動するゲート制御回路との間には抵抗性素子を設け、前
    記トランジスタのドレイン・ゲート間に規定電圧以上の
    正電圧が印加された場合には、前記電圧クランプ素子に
    電流が流れ、前記トランジスタをオンさせることを特徴
    とする充電装置。
  12. 【請求項12】 上アームトランジスタと下アームトラ
    ンジスタからなるブリッジ回路によって発電機の交流出
    力端子から出入りする電流を整流し、基準電圧端子と整
    流出力端子との間に整流出力電圧を発生させ、バッテリ
    を充電する充電装置において、 前記トランジスタのドレイン端子とゲート端子の間に少
    なくとも1組の逆向きの電圧クランプ素子を直列に接続
    し、前記トランジスタのドレイン・ゲート間に規定電圧
    以上の電圧が印加された場合に、前記トランジスタを駆
    動するゲート制御回路用トランジスタの状態に制限され
    ずに前記ブリッジ回路用トランジスタがオン制御するよ
    うに前記ゲート制御回路用トランジスタの吸込み能力を
    前記ドレイン・ゲート電流以下に電流駆動能力を制限す
    ることを特徴とする充電装置。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項12のいずれかに
    おいて、前記発電機200はY結線であり、該Y結線の
    中点端子から前記整流出力端子との間に中点用上アーム
    トランジスタと、該Y結線の中点端子から前記基準電圧
    端子との間に中点用下アームトランジスタを設けること
    を特徴とする充電装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記中点用上ア
    ームトランジスタと前記中点用下アームトランジスタに
    ついてもそれぞれトランジスタのゲート制御回路に前記
    ブリッジ回路と同じく前記発電機200の中点電流とそ
    の向きを検出する相電流検出回路または前記発電機が発
    生する中点電圧を検出し、前記中点用上アームトランジ
    スタと中点用下アームトランジスタのドレイン・ソース
    間電圧を求め、該電圧と基準電圧とを比較する比較回路
    または前記中点用上アームトランジスタと中点用下アー
    ムトランジスタに流れる電流を検出する相電流検出回路
    を設けることを特徴とする充電装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項12のいずれかに
    おいて、前記発電機200はΔ結線であることを特徴と
    する充電装置。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項15のいずれかに
    おいて、前記整流出力端子と負荷側端子間に負荷遮断用
    トランジスタを設け、前記整流出力電圧が規定電圧以上
    になった場合に、前記整流出力端子と負荷側端子とを遮
    断することを特徴とする充電装置。
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