JP2003243683A - 太陽電池用透明電極およびこれを用いた太陽電池 - Google Patents

太陽電池用透明電極およびこれを用いた太陽電池

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Shozo Yanagida
祥三 柳田
Shogo Ito
省吾 伊藤
Mizuho Matsuda
瑞穂 松田
Masato Sugiyama
真人 杉山
Akimasa Katayama
晶雅 片山
Tetsuya Takeuchi
哲也 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価で低抵抗である太陽電池用透明電極および
これを用いた太陽電池を提供する。 【解決手段】金属薄膜2の両面に、それぞれ高屈折率材
料からなる薄膜1,3が積層されてなる太陽電池用透明
電極である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価で低抵抗であ
る太陽電池用透明電極およびこれを用いた太陽電池に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、太陽電池では、電力を発生させる
層(電力発生層)を2つの電極でサンドイッチ状に挟み
込んだ構造になっており、電力発生層に光を取り込むた
めには、2つの電極のうちどちらか一方を透明な電極に
する必要がある。現在は、導電性、透明性の点から、硝
子基板上に酸化インジウム錫(ITO)膜や酸化錫(S
nO2 )膜を形成することにより透明電極として用いて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、太陽電
池の透明電極に使用している酸化インジウム錫(IT
O)膜や酸化錫(SnO2 )膜は、一般的に非常に高価
であるため、太陽電池の普及の妨げとなっている。ま
た、酸化インジウム錫(ITO)膜や酸化錫(Sn
2 )膜からなる透明電極は、抵抗値が高く、太陽電池
用透明電極として実用レベルの導電性を得るためには、
酸化インジウム錫(ITO)膜や酸化錫(SnO2)膜
の厚膜化を行う必要があり、酸化インジウム錫(IT
O)膜や酸化錫(SnO2 )膜の作製に時間がかかるた
め、製造コストが高くなり、太陽電池の低価格化の妨げ
となっている。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、安価で低抵抗である太陽電池用透明電極および
これを用いた太陽電池の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、金属薄膜の両面にそれぞれ高屈折率材料
からなる薄膜が積層されてなる太陽電池用透明電極を第
1の要旨とし、この太陽電池用透明電極を用いてなる太
陽電池を第2の要旨とする。
【0006】すなわち、本発明者らは、安価で低抵抗で
ある太陽電池用透明電極を得るべく鋭意研究を重ねた。
その結果、金属薄膜の両面にそれぞれ高屈折率材料から
なる薄膜を積層して透明電極を形成すると、低抵抗とな
り、膜の厚膜化が必要ないため、低コストであることを
見いだし、本発明に到達した。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を説
明する。
【0008】本発明の太陽電池用透明電極としては、例
えば、図1に示すように、金属薄膜2の両面にそれぞれ
高屈折率材料からなる薄膜1,3が積層されてなる透明
電極4があげられる。
【0009】上記高屈折率材料からなる薄膜1,3の間
に挟まれた金属薄膜2用材料としては、透明で高導電な
材料であれば特に限定はないが、例えば、銀、銅、金、
白金、パラジウム、アルミニウム、チタン、ニッケルも
しくはこれらの合金等があげられる。これらのなかで
も、低抵抗化が容易で、高透明性があり、蒸着速度も速
くコストを抑えられる点で、銀系合金が好適に用いられ
る。
【0010】上記金属薄膜2の厚みは1〜50nmの範
囲が好ましく、特に好ましくは5〜30nmである。
【0011】上記金属薄膜2の両面に積層される高屈折
率材料からなる薄膜1,3用材料としては、透明性を有
する材料であれば特に限定はないが、金属酸化物を主成
分とする高屈折率材料が好適に用いられる。
【0012】なお、本発明において、上記高屈折率材料
が金属酸化物を主成分とするとは、上記高屈折率材料が
金属酸化物のみからなる場合も含む趣旨である。
【0013】上記金属酸化物としては、例えば、酸化チ
タン(TiO2 )、酸化錫(SnO 2 )、酸化インジウ
ム錫(ITO)、酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸
化インジウム(In2 3 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化シリコン(酸化ケイ
素:SiO2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )等があ
げられる。なお、上記金属酸化物としては、例えば、金
属アルコキシド系化合物、金属アシレート系化合物およ
び金属キレート系化合物からなる群から選ばれた少なく
とも一つに由来する有機成分を含有する金属酸化物を用
いることも可能である。このように、金属アルコキシド
系化合物等に由来する有機成分を含有する金属酸化物を
用いると、例えば、ウエットコーティングにより薄膜を
形成する際に、金属アルコキシド系化合物等の加水分解
および熱分解により、金属酸化物薄膜中に有機成分(ア
ルキル基等)を残存させることができるため、スパッタ
蒸着法により薄膜を形成する場合に比べて、金属薄膜と
の接着性が向上するとともに、コストが安くなるため好
ましい。また、有機成分を含有しない通常の金属酸化物
薄膜(例えば、酸化チタン薄膜)はセラミック膜である
ため曲げにくく柔軟性がやや劣る傾向がみられるが、有
機成分を含有する金属酸化物薄膜はセラミック膜でない
ため曲げやすく、柔軟性に優れるという利点もある。
【0014】なお、上記金属薄膜2の両面に積層される
高屈折率材料からなる薄膜1,3は、それぞれ異なる材
料で形成してもよく、例えば、日射側に位置する高屈折
率材料からなる薄膜は、透明性があれば足り、導電性は
特に必要ないため、透明性に優れたTiO2 を用いて形
成する一方、日射側と反対側に位置する高屈折率材料か
らなる薄膜は、発生した電子を金属薄膜2に導出する必
要があり、導電性が必要であるため、導電性に優れたI
TOやSnO2 を用いて形成することも可能である。
【0015】上記日射側と反対側に位置する高屈折率材
料からなる薄膜の厚みは、5〜350nmの範囲が好ま
しく、特に好ましくは10〜200nmである。また、
上記日射側に位置する高屈折率材料からなる薄膜の厚み
は、5〜350nmの範囲が好ましく、特に好ましくは
10〜200nmである。
【0016】そして、本発明の透明電極4の厚み(高屈
折率材料からなる薄膜1の厚み+金属薄膜2の厚み+高
屈折率材料からなる薄膜3の厚み)は、10〜400n
mの範囲が好ましく、特に好ましくは20〜200nm
である。
【0017】本発明の太陽電池用透明電極を用いた太陽
電池としては、例えば、図2に示すように、透明基板5
上に上記本発明の透明電極4が形成され、その表面に多
孔質層8が形成され、その表面に電解質層9が形成さ
れ、さらにその表面に背面電極10が形成された色素増
感型太陽電池があげられる。
【0018】上記透明基板5としては、例えば、ガラス
基板が用いられる。なお、上記透明基板5としては、柔
軟性に優れる点で、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(P
C)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチ
レンナフタレート(PEN)、ポリアリレート等からな
る樹脂フィルム基板を用いることも可能である。
【0019】上記透明基板5の厚みは、通常、0.00
3〜10mmであり、好ましくは0.025〜5mmで
ある。
【0020】また、上記透明電極4上に形成される多孔
質層8は、多数の微粒子6からなる多孔質の隙間に色素
7を染み込ませてなるものである。上記微粒子6として
は、例えば、チタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジル
コニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、
セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオ
ブもしくはタンタルの酸化物等があげられる。上記微粒
子6の平均粒径は、通常、5〜200nmの範囲であ
る。また、上記色素7としては、例えば、ポリビリジル
化合物のルテニウム錯体や、カルボキシル基を有するフ
タロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、鉄遷移
金属錯体等があげられる。
【0021】上記多孔質層8の厚みは、通常、0.1〜
100μmであり、好ましくは0.5〜30μmであ
る。
【0022】上記多孔質層8上に形成される電解質層9
用材料としては、例えば、ヨウ素/ヨウ素溶液、臭素/
臭素溶液、ハイドロキノン溶液、遷移金属錯体溶液等の
レドックス系の電解液があげられる。そして、上記電解
液に使用される溶媒としては、例えば、水、アルコー
ル、3−メチル−(2−オキサゾリジノン)、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、プロピレンカーボネ
ート、エチレンカーボネート、テトラヒドロフラン(T
HF)、ジメチルスルホキシド、ジクロロエタン、アセ
トニトリル等のニトリル系有機溶媒、1−メチル−2−
ピロリドン、イミダゾリウム塩等の有機常温溶融塩や、
これらの相溶性混合物等があげられる。
【0023】上記電解質層9の厚みは、通常、500μ
m以下であり、好ましくは20μm以下である。
【0024】上記電解質層9上に形成される背面電極1
0としては、例えば、白金等の金属もしくは導電性酸化
物等があげられる。
【0025】上記背面電極10の厚みは、通常、5μm
以下であり、好ましくは5nm〜3μmである。
【0026】そして、前記図2に示した本発明の色素増
感型太陽電池は、例えば、つぎのようにして作製するこ
とができる。まず、所定の厚みの透明基板5を準備し、
その表面に前記図1に示した本発明の透明電極4を形成
する。すなわち、金属アルコキシド系化合物等に由来す
る有機成分を含有する金属酸化物液を準備し、これを上
記透明基板5の表面にスピンコート法やグラビアコート
法により塗布し、乾燥、加水分解、熱分解させることに
より有機金属酸化物薄膜を成膜し、高屈折率材料からな
る薄膜1(図1参照)を形成する(ウエットコーティン
グ法)。つぎに、この高屈折率材料からなる薄膜1の表
面に、金属のスパッタ蒸着によって金属薄膜2(図1参
照)を成膜する。続いて、この金属薄膜2の表面に上記
と同様のウエットコーティング法により、有機金属酸化
物薄膜を成膜し、高屈折率材料からなる薄膜3(図1参
照)を形成する。このようにして、透明基板5上に、高
屈折率材料からなる薄膜1と金属薄膜2と高屈折率材料
からなる薄膜3とからなる透明電極4を形成する。続い
て、微粒子6を上記透明電極4上に塗布し、400〜5
00℃で焼成する。すると、多孔質の隙間ができ、この
隙間に色素7を化学的に吸着させることにより多孔質層
8を形成する。そして、この多孔質層8と背面電極10
との間に電解質層9を封入する。このようにして、前記
図2に示したような色素増感型太陽電池を得ることがで
きる。
【0027】このような色素増感型太陽電池は、多孔質
層8の隙間に吸着させた色素7が太陽光を吸収して電荷
を発生させ、正孔は電解質層9(p型半導体に相当)を
通じて背面電極10に運ばれ、電子は多孔質層8中の微
粒子6(n型半導体に相当)を経由して透明電極4側に
移動することで、光電変換サイクルが効率的に進行す
る。
【0028】なお、上記背面電極10に代えて、本発明
の透明電極4を用いることも可能である。そして、多孔
質層8および電解質層9の材料をそれぞれ透明性のある
材料で構成すると、窓等への貼付が可能な透明太陽電池
を作製することができる。
【0029】また、本発明の太陽電池用透明電極を用い
た太陽電池の他の例としては、図3に示すように、透明
基板5の表面に前記本発明の透明電極4が形成され、そ
の表面にp型半導体11、i型半導体12、n型半導体
13からなるアモルファス(非晶質)シリコンが形成さ
れ、さらにその表面に背面電極10が形成されたアモル
ファスシリコン型太陽電池があげられる。
【0030】そして、上記図3に示したアモルファスシ
リコン型太陽電池は、本発明の透明電極4を用いて、従
来と同様の方法により作製することができる。
【0031】このようなアモルファスシリコン型太陽電
池は、i型半導体12で電荷を発生し、正孔はp型半導
体11へ、電子はn型半導体13へそれぞれ拡散してい
き、正孔と電子が両電極4,10へ集まり、電力を取り
出すことができる。
【0032】なお、本発明の太陽電池としては、前記図
2および図3に示したものに限定されるものではなく、
例えば、シリコン結晶型太陽電池、化合物半導体太陽電
池等があげられる。
【0033】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0034】
【実施例1】まず、ジ−i−プロポキシ−ビス(アセチ
ルアセトナト)チタン(日本曹達社製のT−50)を、
イソプロピルアルコールとn−ヘキサンの混合溶媒に溶
解した溶液を調製し、これを透明ガラス基板(大きさ2
5mm×75mm、厚み1mm)の表面にスピンコート
法により塗布し、乾燥、加水分解、熱分解させることに
より有機金属酸化物薄膜(厚み20nm)を成膜し、高
屈折率材料からなる薄膜を形成した。つぎに、この有機
金属酸化物薄膜の表面に、マグネトロンスパッタ蒸着装
置を用いてAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み10n
m)を成膜した。ついで、この金属薄膜の表面に、上記
と同様にして、有機金属酸化物薄膜(厚み20nm)を
成膜し、高屈折率材料からなる薄膜を形成した。このよ
うにして、上記透明ガラス基板の表面に、高屈折率材料
からなる薄膜(有機金属酸化物薄膜)と金属薄膜と高屈
折率材料からなる薄膜(有機金属酸化物薄膜)とからな
る透明電極(厚み50nm)を形成した。続いて、Ti
2 の微粒子(平均粒径8〜500nm)を上記透明電
極に塗布し、400〜500℃で焼成した後、多孔質の
隙間にフタロシアニン化合物(色素)を染み込ませ、多
孔質層(厚み1μm)を形成した。ついで、この表面に
レドックス系の電解液からなる電解質層を形成し、さら
にその表面に白金電極からなる背面電極(厚み5nm〜
3μm)を形成した。このようにして、色素増感型太陽
電池を作製した(図2参照)。
【0035】
【実施例2】有機金属酸化物のコーティング薄膜からな
る高屈折率材料からなる薄膜に代えて、酸化チタン(T
iO2 )の蒸着膜からなる高屈折率材料からなる薄膜を
用いた。すなわち、透明ガラス基板の表面に、マグネト
ロンスパッタ蒸着装置を用いて、酸化チタン(Ti
2 )を蒸着して金属酸化物薄膜(厚み20nm)を成
膜し、高屈折率材料からなる薄膜を形成した。つぎに、
この金属酸化物薄膜の表面に、マグネトロンスパッタ蒸
着装置を用いてAg系合金を蒸着し金属薄膜(厚み10
nm)を成膜した。ついで、この金属薄膜の表面に、上
記と同様にして、酸化チタン(TiO2 )を蒸着して金
属酸化物薄膜(厚み20nm)を成膜し、高屈折率材料
からなる薄膜を形成した。このようにして、上記透明ガ
ラス基板の表面に、高屈折率材料からなる薄膜(金属酸
化物薄膜)と金属薄膜と高屈折率材料からなる薄膜(金
属酸化物薄膜)とからなる透明電極(厚み50nm)を
形成した。そして、この透明電極を用いて、実施例1と
同様にして、色素増感型太陽電池を作製した。
【0036】
【実施例3】透明電極表層の酸化チタン(TiO2 )に
代えて、酸化錫(SnO2 )を用いる以外は、実施例2
と同様にして、金属酸化物薄膜を成膜し、高屈折率材料
からなる薄膜を形成した。すなわち、透明ガラス基板の
表面に、マグネトロンスパッタ蒸着装置を用いて、酸化
チタン(TiO2 )を蒸着して金属酸化物薄膜(厚み2
0nm)を成膜し、高屈折率材料からなる薄膜を形成し
た。つぎに、この金属酸化物薄膜の表面に、マグネトロ
ンスパッタ蒸着装置を用いてAg系合金を蒸着し金属薄
膜(厚み10nm)を成膜した。ついで、この金属薄膜
の表面に、上記と同様にして、酸化錫(SnO2 )を蒸
着して金属酸化物薄膜(厚み30nm)を成膜し、高屈
折率材料からなる薄膜を形成した。このようにして、上
記透明ガラス基板の表面に、高屈折率材料からなる薄膜
(金属酸化物薄膜)と金属薄膜と高屈折率材料からなる
薄膜(金属酸化物薄膜)とからなる透明電極(厚み60
nm)を形成した。そして、この透明電極を用いて、実
施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を作製した。
【0037】
【比較例】高屈折率材料からなる薄膜と金属膜と高屈折
率材料からなる薄膜とからなる透明電極(厚み100n
m)に代えて、フッ素ドープ酸化錫(FTO)膜のみか
らなる単層構造の透明電極(厚み400nm)を用い
た。すなわち、透明ガラス基板の表面に、マグネトロン
スパッタ蒸着装置を用いて、フッ素ドープ酸化錫(FT
O)を蒸着し、フッ素ドープ酸化錫(FTO)膜のみか
らなる単層構造の透明電極(厚み400nm)を形成し
た。そして、この透明電極を用いて、実施例1と同様に
して、色素増感型太陽電池を作製した。
【0038】このようにして得られた実施例品および比
較例品の太陽電池について、ソーラシュミレーター(1
00mW/cm2 )を用いて電池性能を測定した。これ
らの結果を、下記の表1に併せて示した。
【0039】
【表1】
【0040】上記表の結果から、実施例品は、比較例品
に比べて、透明電極コストが低コストであり、比較例品
と比べて光電変換特性に遜色がないことが明らかとなっ
た。
【0041】これに対して、比較例品は、透明電極がフ
ッ素ドープ酸化錫(FTO)膜の単層構造であるため厚
膜であり、実施例品に比べて透明電極コストが高いこと
がわかる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の太陽電池用透明
電極は、金属薄膜の両面にそれぞれ金属酸化物等からな
る高屈折率材料からなる薄膜を積層して構成されている
ため、低抵抗となり、膜の厚膜化が必要ないため、低コ
ストである。その結果、本発明の太陽電池用透明電極を
用いてなる太陽電池のコストも安くなるため、太陽電池
の普及に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池用透明電極の一例を示す断面
図である。
【図2】本発明の太陽電池の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の太陽電池の他の例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 高屈折率材料からなる薄膜 2 金属薄膜 3 高屈折率材料からなる薄膜 4 透明電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 瑞穂 福岡県遠賀郡岡垣町高陽台1−20−1− 102 (72)発明者 杉山 真人 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 片山 晶雅 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 竹内 哲也 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA05 AA14 DA03 FA02 FA06 FA13 FA17 FA24 FA30 HA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄膜の両面にそれぞれ高屈折率材料
    からなる薄膜が積層されてなることを特徴とする太陽電
    池用透明電極。
  2. 【請求項2】 上記金属薄膜が、銀、銅、金、白金、パ
    ラジウム、アルミニウム、チタンおよびニッケルからな
    る群から選ばれた少なくとも一つの金属を含有してなる
    請求項1記載の太陽電池用透明電極。
  3. 【請求項3】 上記高屈折率材料が、金属酸化物を主成
    分とする材料からなるものである請求項1または2記載
    の太陽電池用透明電極。
  4. 【請求項4】 上記高屈折率材料からなる薄膜の屈折率
    が、1.5以上の範囲に設定されている請求項1〜3の
    いずれか一項に記載の太陽電池用透明電極。
  5. 【請求項5】 上記金属酸化物が、酸化チタン、酸化
    錫、酸化インジウム錫、酸化アルミニウム、酸化インジ
    ウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化シリコンおよ
    び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも
    一つである請求項3または4記載の太陽電池用透明電
    極。
  6. 【請求項6】 上記高屈折率材料からなる薄膜が、金属
    アルコキシド系化合物、金属アシレート系化合物および
    金属キレート系化合物からなる群から選ばれた少なくと
    も一つに由来する有機成分を含有する金属酸化物のコー
    ティング薄膜である請求項1〜5のいずれか一項に記載
    の太陽電池用透明電極。
  7. 【請求項7】 上記金属薄膜の厚みが1〜50nmであ
    る請求項1〜6のいずれか一項に記載の太陽電池用透明
    電極。
  8. 【請求項8】 日射側と反対側に位置する高屈折率材料
    からなる薄膜の厚みが、5〜350nmである請求項1
    〜7のいずれか一項に記載の太陽電池用透明電極。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の太
    陽電池用透明電極を用いてなる太陽電池。
  10. 【請求項10】 上記太陽電池用透明電極を用いてなる
    太陽電池が、色素増感型太陽電池である請求項9記載の
    太陽電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014063633A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Konica Minolta Inc 透明電極、及び電子デバイス
CN111524803A (zh) * 2020-03-19 2020-08-11 浙江大学 一种用于高温传感的多层复合薄膜电极及其制备方法

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