JP2003241318A - 画像転写装置 - Google Patents

画像転写装置

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JP2003241318A
JP2003241318A JP2002339806A JP2002339806A JP2003241318A JP 2003241318 A JP2003241318 A JP 2003241318A JP 2002339806 A JP2002339806 A JP 2002339806A JP 2002339806 A JP2002339806 A JP 2002339806A JP 2003241318 A JP2003241318 A JP 2003241318A
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JP2002339806A
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English (en)
Inventor
Naoyoshi Chino
直義 千野
Yasunori Tanaka
康則 田中
Ko Aosaki
耕 青崎
Yasuto Hiraki
靖人 平木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄型化したコンパクトな装置構成で、真に小型
軽量化、低消費電力化および低コスト化を実現でき、携
帯化可能な画像転写装置を提供する。 【解決手段】透過光によって画像表示面に表示画像を形
成する透過型の画像表示手段と、画像表示面に平行に光
を射出する線状光源と、この線状光源からの射出光を略
平行光とする平行光生成素子と、この平行光生成素子か
らの略平行光を画像表示面に対して略垂直に透過させる
ように反射する反射手段と、線状光源、平行光生成素子
および反射手段を、画像表示手段に対して相対的に、か
つ画像表示面に平行に移動させて、感光性記録媒体に走
査露光を行う移動手段とを備え、画像表示面を透過した
透過光を用いて感光性記録媒体を露光して、画像表示面
の表示画像を転写することにより、上記課題を解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルスチルカ
メラ(DSC)、ビデオカメラ、パソコン(パーソナル
コンピュータ)等によりデジタル記録された画像を液晶
表示デバイス等の透過型の画像表示手段に表示し、表示
された画像を用いて、光により発色するインスタント写
真フィルムのような感光性記録媒体に転写(画像形成)
する転写装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、デジタル記録された画像を記
録媒体に転写(あるいは印写)もしくは記録する方法と
して、点状印字ヘッドを有するインクジェット方式、レ
ーザ記録方式、感熱記録方式等の種々の方式が知られて
いる。ここで、インクジェット方式等の印字方式では、
印字に時間がかかるし、インクが詰まり易いし、精密な
印字を行うと印字した紙がインクにより湿ってしまうな
どの問題がある。また、レーザ記録方式では、レンズな
どの高価な光学部品が必要であるため、機器のコストが
高価となり、また、レーザ記録方式、感熱記録方式で
は、消費電力が大きく、携帯には、不向きであるという
問題がある。これらの方式による転写装置は、一般に、
特に、インクジェット方式では、精密にすればするほ
ど、駆動機構、制御機構が複雑で、装置も大型・高価な
ものになり、印刷にも時間がかかってしまうという問題
があった。 【0003】これに対し、特許文献1および特許文献2
には、液晶表示装置を用いて、表示画像をインスタント
フィルムのような感光性記録媒体に形成することによ
り、構造を簡略化し、コストを低減させた転写装置が開
示されている。まず、特許文献1に開示された電子プリ
ンタは、液晶ディスプレイの表示画面を光感応性媒体に
コピーして写真品質のハードコピーを生成することがで
きる。しかしながら、この電子プリンタは、液晶ディス
プレイの表示画面を光感応性媒体にコピーするために、
液晶ディスプレイの表示画面と光感応性媒体との間に、
ロッドレンズアレイなどの光学部品を用いるものであ
り、両者の間に所定の間隔(総共役長)が必要であり、
図示例では15.1mmが必要であり、光学部材が高価
であるという問題がある。 【0004】一方、特許文献2に開示された印写装置
は、レンズなどの高価な光学部品を用いたり、適当な長
さの焦点距離を確保することを不要として、従来の転写
装置に比べ、一層の小型軽量化、低消費電力化および低
コスト化を可能にするというもので、図16に示すよう
に、透過型の液晶ディスプレイ(以下、LCDという)
300の表示面に感光フィルム400を密着させ、LC
D300の感光フィルム400のある側とは反対側に設
けた光源(バックライト100)を点灯する、すなわち
蛍光灯101を点灯してバックライトを点灯することに
より、このLCD300に表示される画像を感光フィル
ム400に印写するものである。 【0005】また、特許文献2には、別の実施例とし
て、図17に示すように、バックライト100とLCD
300との間に格子200を設けることにより、バック
ライト100からの光の拡散を抑制するようにして、す
なわち、平行光に近づけ、さらに、格子200とLCD
300との間に矩形状の中空の筒からなるスペーサ20
1を設けることにより、格子200の枠組の形の像(枠
組による影)が感光フィルム400に写り込むのを防止
して、光学部品を設けたり、適当な長さの焦点距離を確
保したりすることなく、感光フィルム400上に形成さ
れる画像の鮮明度を、実用上問題のない程度まで向上さ
せるようにしたものが開示されている。 【0006】さらに、特許文献2には、LCD300の
厚み、すなわち図16に示すように、表示面側の偏光板
301、ガラス基板302、液晶層303、ガラス基板
304およびバックライト100側の偏光板305まで
の合計厚みが2.8mmであり、ドットサイズが0.5
mmで表示されたLCD300の画面を感光フィルム4
00に印写する印写装置の例が示されており、また、図
17に示すように、LCD300から発した光の拡散を
防ぐために、厚みが10mmの5mm角の格子200を
配し、この格子200とLCD300との間に20mm
のスペーサ201を配置し、さらにLCD300と感光
フィルム400とは密着させて、画像のボケ(不鮮明
化)を防止して、印写することが示されている。この場
合には、元々のドットサイズが0.5mmで表示された
画像が、最大で0.67mmに拡大転写されるが、これ
は片側について見れば、約0.09mm拡大されたこと
にはなるにもかかわらず、充分実用に耐える画像である
としている。このような転写装置は、実用的なものとす
るためには、コンパクトで簡素であり、かつ、低コスト
の装置構成であることが必要である。 【0007】ところで、近年、LCDの精細画面化が進
んできており、より画素数の多い、従ってよりドットサ
イズの小さいLCDが製品化されつつある。例えば、低
温ポリシリコン型TFTのLCDでは、UXGA(1
0.4インチ、1200×1600画素)や、XGA
(6.3および4インチ、1024×768画素)など
が市販されてきている。 【0008】このような精細画面を持つLCDを、特許
文献2に開示された印写装置に適用しようとしても、U
XGAでは、RGB各画素のドットサイズは、その短辺
側で約0.04mmであり、特許文献2に開示の印写装
置のようなドットサイズの拡大が生じる状況では、この
ような微小なドットサイズのLCD画像を、個々のRG
B各画素のドットを明確に識別可能な状態で、感光フィ
ルムに鮮明度よく転写することは不可能になってきてい
るという問題がある。 【0009】また、特許文献2では、感光フィルム40
0に印写される画像がボケることなく鮮明度を維持する
ために、バックライト100とLCD300を離間させ
ることが必要であるため、上記精細画面を持つLCDの
場合、バックライト100との離間距離を増大しなけれ
ばならない。例えば、図17に示すような印写装置で
は、バックライト100とLCD300との間に設ける
格子200およびスペーサ201の厚さを厚くする必要
がある。そのため、印写装置を薄型化したコンパクトな
装置構成を実現することはできない。 【0010】 【特許文献1】特開平10−309829号公報 【特許文献2】特開平11−242298号公報 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解消し、薄型化したコンパクトな装
置構成で、真に小型軽量化、低消費電力化および低コス
ト化を実現でき、携帯型にもすることができる画像転写
装置を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、上記目的に加え、大表示画面の透過型の画像表示手
段を用いた場合でも、散乱光成分が除去され、より平行
光に近い成分のみの所定方向に均一な線状略平行光とし
て、画像表示手段に垂直に入射させることができ、それ
により、画像表示手段を透過して表示画面に表示画像を
形成する光によって、感光性記録媒体に高い鮮明度を持
つ高精細画像を転写(画像形成)することができ、高い
鮮明度を持つ高精細転写画像を得ることができる低コス
トの画像転写装置を提供することにある。 【0012】また、本発明のさらに他の目的は、これら
の目的に加え、導光板(体)、反射シート、レンズシー
ト、プリズムシート、拡散シート等の、面全体で均一な
光を射出させるための多くの部材を必要とし、それ自体
が高価である面状光源(バックライト)を用いる必要が
なく、あるいは用いるにしても小面積であるため、光源
自体のコストも低減できる低コストの画像転写装置を提
供することにある。また、本発明の他の目的は、さら
に、上記目的に加え、透過型画像表示手段として、白黒
パネル等の白黒画像表示手段を用い、R、G、Bの独立
した光源で、3回露光することにより、高精細で、かつ
表示装置も安価にした画像転写装置を提供することにあ
る。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、液晶ディスプレイ等の透過型の画像表
示手段を用い、高い鮮明度の転写画像を得ることができ
る低コストの画像転写装置について、鋭意研究を重ねた
結果、薄型コンパクトで、かつ、簡単な構成の実用性の
ある装置構成において、画像のボケ(不鮮明度)を防止
して、高い鮮明度の転写画像を得るために、散乱光成分
が除去され、より平行光に近い成分からなる帯状の略平
行光を画像表示手段に垂直に入射させることが必要であ
ることを知見した。そのためには、本発明者は、1方向
に複数の貫通孔が設けられた平行光生成素子によって光
源の光を帯状の略平行光とするのがよく、しかもコスト
を低減できることを知見した。さらに、本発明者は、光
源自体を線状光源とすることにより、1方向に均一な光
強度を持つ帯状の略平行光とすることができ、コストを
低減できることを知見し、本発明に到ったものである。 【0014】すなわち、本発明は、その画像表示面を透
過した透過光によって前記画像表示面に表示画像を形成
する透過型の画像表示手段と、前記画像表示手段の前記
画像表示面に平行に光を射出する線状光源と、この線状
光源からの射出光を略平行光とする平行光生成素子と、
この平行光生成素子からの略平行光を前記画像表示面に
対して略垂直に透過させるように反射する反射手段と、
前記線状光源、前記平行光生成素子および前記反射手段
を、前記画像表示手段に対して相対的に、かつ前記画像
表示面に平行に、移動させて、感光性記録媒体に走査露
光を行う移動手段とを備え、前記画像表示手段の前記画
像表示面を透過した前記透過光を用いて前記感光性記録
媒体を露光することにより、前記画像表示面の前記表示
画像を転写することを特徴とする画像転写装置を提供す
るものである。 【0015】ここで、前記反射手段は、前記画像表示面
に対して45°傾けて配置され、前記平行光生成素子か
らの略平行光を前記画像表示面に向けて略垂直に反射さ
せる反射平面を持つ反射板であるのが好ましい。また、
前記反射手段は、前記平行光生成素子からの略平行光を
前記画像表示面に向けて略垂直に反射させる反射曲面を
持つ反射部材であるのが好ましい。また、前記反射曲面
は、2次曲面であるのが好ましく、また、所定曲率を持
つ曲面であるのが好ましい。 【0016】また、前記平行光生成素子は、前記画像表
示手段の画像表示面に沿った方向に向けて貫通する複数
の貫通孔を前記移動手段による移動方向と直交する方向
に配列した貫通孔列を前記画像表示面に対して垂直方向
に少なくとも一段、すなわち1段、あるいは、複数段配
列した多孔板であるのが好ましい。ここで、前記多孔板
は、複数段の貫通孔列を持つのが好ましく、また、偶数
段の貫通孔列を持つのがより好ましい。さらに、前記反
射手段が、前記平行光生成素子からの略平行光を前記画
像表示面に向けて略垂直に反射させる反射曲面を持つ反
射部材である時、前記反射部材は、前記複数の貫通孔列
の各々に対応して設けられる所定曲率を持つ複数の副反
射曲面を持つのが好ましい。 【0017】また、前記移動手段は、前記画像表示手段
と前記感光性記録媒体、あるいは、前記線状光源と前記
平行光生成素子と前記反射手段のいずれか一方を一体と
して移動するのが好ましい。また、前記移動手段は、前
記線状光源、前記平行光生成素子および前記反射手段、
あるいは前記画像表示手段を、この画像表示手段の画像
表示面の一辺に沿った方向に移動するのが好ましい。ま
た、前記画像表示手段は、透過型の液晶ディスプレイで
あるのが好ましく、本発明では、この透過型の液晶ディ
スプレイは、液晶層をガラス基板で両側から挟んだ構成
で、供給された画像データに基づいて画像を表示する透
過型の画像表示板をいう。 【0018】また、前記画像表示手段は、白黒画像表示
手段であり、前記線状光源は、3原色の独立した各色の
光源であり、前記移動手段は、前記線状光源、前記平行
光生成素子および前記反射手段を含む光源ユニットを、
前記線状光源の各色の光源を1色毎に点灯して、前記画
像表示面に対して相対的に移動することを3回繰り返し
て、前記表示画像を転写するのが好ましい。 【0019】 【発明の実施の形態】本発明に係る画像転写装置を添付
の図面に示す好適実施形態に基づいて、以下に詳細に説
明する。図1は、本発明に係る画像転写装置の一実施例
の模式的側断面図である。 【0020】図1に示すように、本発明の画像転写装置
は、線状光源1と、平行生成素子である、貫通孔21を
有する多孔板2と、反射ミラー3と、透過型の画像表示
手段である、デジタル記録された画像を表示する液晶デ
ィスプレイ(LCD)5と、感光性記録媒体である感光
フィルム6を収納するフィルムケース71と、これらの
部材を内包する本体ケース8とを有する。 【0021】ここで、線状光源1と、多孔板2と、反射
ミラー3とは、線状光源1からの光の進行方向に沿っ
て、さらに、LCD5の画像表示面に沿って直列に配さ
れる。線状光源1と多孔板2と反射ミラー3とは一体と
なって筐体41に組み込まれ、光源ユニット4を構成し
ており、光源ユニット4とLCD5と感光フィルム6と
は直列に配され、好ましくは、少なくともLCD5と感
光フィルム6とは非接触状態で配されるのが良い。な
お、光源ユニット4は、移動機構9によって、LCD5
を挟んで感光フィルム6の配置位置と反対側をLCD5
の一辺に沿って移動することができる。すなわち、線状
光源1と多孔板2と反射ミラー3とは、反射ミラー3以
外からの光を遮光するための筐体41内に設けられ、移
動機構9によって一体となってLCD5の幅方向(X方
向)に移動する。 【0022】線状光源1は、冷陰極線管等の棒状ランプ
(直管冷陰極管)10と、棒状ランプ10の周りに配さ
れるリフレクタ等の反射板11と、棒状ランプ10と多
孔板2との間に配される拡散フィルム(拡散板)12
と、を有し、棒状ランプ10からの光を反射板11や拡
散フィルム12などを用いて均一に拡散させるものであ
る。なお、本発明はこれに限定されず、帯状の光が得ら
れれば、どのようなものでも良く、例えば、棒状の光源
や細長い有機ELパネルや無機ELパネル等を組み合せ
て所定長の光源等とスリット板とを用いて帯状のスリッ
ト光とするものであっても良いし、LED等を列状に配
置して列状の点状光を得るものであっても良い。後者の
場合には、LEDと多孔板2の貫通孔21の位置を合わ
せるのが好ましい。特に、LEDは、多孔板2に入射す
る光の均一性が向上することから、有効に線状光源1と
して使用することができる。あるいは、LEDを一定の
距離に設置し、LED上に拡散板を置き、拡散板上で均
一な光とする線状光源1として、多孔板2に入射させて
も良い。さらに、LEDをR、G、B光源とすること
で、線状光源1としても良い。さらにまた、線状光源1
としては、LEDを多孔板に沿った棒状導光板の側面に
配置したものでも良い。線状光源1の射出面は、図1に
示すようにLCD5の画像表示面に平行な方向に向くよ
うに構成される。 【0023】多孔板2は、線状光源1の射出面前面に配
置されて、線状光源1からの光を実質的に帯状の略平行
光にし、LCD5に入射する光をなるべく平行光にする
平行光生成素子であって、線状光源1とともにLCD5
の画像表示面に沿って平行に配列される。多孔板2は、
図2に示すように、LCD5のX方向と直交するY方向
(図1の紙面垂直方向)に、LCD5の画像表示面のサ
イズと同等またはそれより長く伸びた矩形状の柱状の部
材であって、所定のサイズの複数の貫通孔21の開口部
がX方向に向き、所定ピッチでY方向に並列して設けら
れたものである。 【0024】すなわち、平行光生成素子である多孔板2
は、LCD5の画像表示面に沿った方向(X方向)に向
けて貫通した複数の貫通孔21を、移動機構9による移
動方向(X方向)と直交する方向(Y方向)にお互いに
平行に配列した貫通孔列を持つ柱状の多孔板である。従
って、線状光源1と多孔板2とはLCD5の画像表示面
に沿って平行に配されるので、多孔板2によって生成さ
れる略平行光はLCD5の画像表示面に沿って平行な帯
状の光となり、反射ミラー3に入射される。 【0025】なお、平行光生成素子としては、上述の多
孔板2と同様な機能を有するものであれば、どのような
ものでも良いが、製作が容易な点も考慮して、多孔板2
の長手方向(Y方向)に沿って配列された多数の貫通孔
21を有する、貫通孔21に沿って所定の長さを持ち厚
みが薄く細長い(狭幅細長の)、いわゆる「柱状の多孔
板」とするのが好ましい。 【0026】ここで、多孔板2の材質としては、特に制
限的ではないが、例えば所定の長さを有するアルミニウ
ム板等の金属板や樹脂板やカーボン材料板等を用いるこ
とができる。なお、多孔板2の長さも、特に制限的では
なく、要求される転写画像の鮮明度に応じて、あるい
は、LCD5の画像表示面や感光フィルム4の感光面の
大きさに合わせて、適宜選択すれば良い。また、多孔板
2の製作方法としては、多孔シートを積層する方法や、
樹脂によるモールド(成形)方法などが実用的である
が、加工が可能であれば、特に制限的ではなく、機械的
に孔加工する方法等を含め、どのような加工法を用いて
も良い。 【0027】また、多孔板2に設ける貫通孔21の孔の
断面形状は、特に制限的ではなく、例えば円筒形、楕円
筒形、多角筒形などにすることができる。すなわち、貫
通孔21の孔の断面形状は、特に制限的ではなく、例え
ば、円形、楕円形、正方形および正六角形等の多角形等
にすることができるが、製作を容易にするために、円形
または多角形とすることが好ましい。また、貫通孔21
は、多孔板2の厚み方向に平行な貫通孔であるのが好ま
しいが、略平行であると見なせるものであれば良い。ま
た、貫通孔21のサイズも、特に制限的ではないが、多
孔板2の貫通孔21の直径(円の場合)あるいは相当直
径(楕円や多角形等の場合)は、5mm以下とするのが
好ましく、より好ましくは3mm以下、さらに好ましく
は、1.5mm以下とするのが良い。なお、下限値は、
特に制限はないが、製作上の容易性を考慮すると、0.
2mm程度以上であるのが好ましい。 【0028】また、上記例における多孔板2は、Y方向
に複数の貫通孔21が配列された貫通後列がZ方向に1
段形成されたものであるが、本発明では、Y方向の複数
の貫通孔21よりなる貫通孔列が図1中のZ方向に複数
段(複数列)設けられてもよい。Y方向の複数の貫通孔
21よりなる貫通孔列を2段以上に配列するときの貫通
孔や貫通孔列の段数や配列形状は、特に制限的ではな
い。例えば、配列形状は、碁盤目状、千鳥状(最密状)
であるのが好ましく、より好ましくは、千鳥状が良い。
また、配列する段の数は、例えば、1段〜数段であって
もよいが、複数段の場合には、特に千鳥配列の場合に
は、偶数段が良い。この理由は、図3(a)に示すよう
に、3段すなわち奇数段配列の貫通孔21を持つ多孔板
2の場合、A行およびC行では第1および3列の2個の
貫通孔21からの光がLCD5を照明するので明るい
が、B行およびD行では第2段の1個の貫通孔21から
の光しかLCD5を照明しないので暗いことから、B行
およびD行では暗いスジができるからである。 【0029】また、多孔板2に設ける複数の貫通孔21
の配列ピッチpは、貫通孔21が均一に配置され、LC
D3の表示画像を鮮明に感光フィルム4に転写できれ
ば、どのようなピッチでも良く、貫通孔21のサイズな
どに応じて設定すれば良い。例えば、配列ピッチpは、
なるべく細かい方が良い。 【0030】なお、本発明においては、貫通孔と貫通孔
との間隔dは、特に制限的ではないが、配列ピッチpや
貫通孔21サイズより重要である。その理由は、この貫
通孔間の間隔dを大きくすると、上述した、貫通孔21
のパターンが拡散光による「影」を消すために、多孔板
2とLCD3との間の距離を離す必要が出てくるからで
ある。従って、この貫通孔間の間隔dは、例えば、長手
方向(Y方向)における間隔yに換算して、1mm以下
とするのが好ましく、より好ましくは、0.5mm以下
で、さらに好ましくは、0.2mm以下であるのが良
い。なお、下限値は、特に制限はないが、製作上の容易
性を考慮すると、0.05mm程度以上であるのが好ま
しい。なお、長手方向における間隔に換算した貫通孔間
の間隔dとは、図3(b)に示すように多孔板2におけ
る貫通孔21の配列が1段である場合や図3(c)に示
すように複数段(図示例では4段)でも最密状である場
合には、最も近接する貫通孔21間の間隔dを言い、図
3(d)に示すように複数段(図示例では2段)でも千
鳥状である場合には、長手方向に直交する方向から投影
した時に最も近接する貫通孔21間の長手方向の間隔y
を言う。なお、図3(d)に示すような千鳥状である場
合の長手方向と直交する方向の間隔xは、上記間隔yよ
りも自由度が大きく、例えば、2mm以下が好ましく、
より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5m
m以下であるのが良い。このように、本発明において用
いられる多孔板2においては、上記間隔xおよびyを同
じ位にする必要がなく、例えば、y=0.2mmであっ
ても、x=0.5mmまたは1mmとしても良いので、
製作上の制限が緩和され、製作が容易となるという重要
な特徴を持つことができる。 【0031】この多孔板2の長さl(図2参照)は、貫
通孔21の直径あるいは相当直径の3倍以上、好ましく
は、5倍以上、さらに好ましくは、7倍以上、さらに
は、10〜25倍程度であるのが好ましい。なお、上述
の相当直径とは、「4×面積/総辺長(または全周
長)」で表わされる長さである。多孔板2の貫通孔21
の直径あるいは相当直径を5mm以下とし、この多孔板
2の長さlが貫通孔21の直径あるいは相当直径の3倍
以上とするのは、これらの条件が、多孔板2によって平
行光を得るために有効な条件であるからである。多孔板
2の寸法としては、長さlが6〜10mm、Y方向の幅
wが67mm、高さhが3mm〜8mm(多数列の場
合)、貫通孔21の直径が0.5mmである場合が一例
として挙げられる。このように多孔板2は、略平行光を
生成するために、長さlは、高さhに比べて長い。 【0032】また、多孔板2の全表面の内、少なくとも
貫通孔21の内面を低反射率面で構成することが好まし
く、より好ましくは、多孔板2の全表面を低反射率面で
構成するのが良い。ここで、低反射率面とは、例えば、
黒色化された面、粗面化された面等のように、入射する
光の反射率を低下させている面をいう。黒色化面を形成
する方法としては、特に制限はないが、例えば、多孔板
2を構成する素材自体が黒色のものを用いる方法や、表
面の黒色化処理する方法が挙げられる。なお、黒色素材
としては、例えば、カーボンブラック粉末を1%以上
(好ましくは3%以上)含有する材料,カーボン粉末を
固めた材料などが挙げられる。黒色化処理の例として
は、例えば、塗装,化学的処理(メッキ,酸化,電解な
ど) が挙げられる。一方、粗面化処理に関しても、特に
制限はないが、例えば、孔を加工する際に同時に粗面化
する方法,サンドブラストなどの機械的処理方法やエッ
チングなどの化学的処理による方法等の後加工により粗
面化する方法などを任意に用いることが可能である。こ
の場合、粗面化の程度としては、例えば、Ra粗さで1
μm〜20μm程度が有効な範囲である。 【0033】なお、本発明においては、多孔板2の少な
くとも貫通孔21の内面、好ましくは、多孔板2の全表
面を構成する低反射率面の反射率は、2%以下が好まし
く、より好ましくは、1%以下が良い。これは、反射率
が2%以下であれば、線状光源1から入射した、平行光
以外の散乱光を効率良く吸収でき、線状光源1から略平
行光(平行光を含む)のみを効率良く射出させて、LC
D5に入射させることができるからである。なお、反射
率は、例えば、(株)島津製作所製MPC3100型分
光反射率測定機を用い、波長550nmで測定すること
ができる。 【0034】反射ミラー3は、図1中のX方向に向いた
貫通孔21の開口部からLCD5の画像表示面に沿って
射出された略平行光をLCD5の画像表示面に向けて垂
直に投影する反射手段である。線状光源1から射出され
た光は貫通孔21を通過することによって、所定の角度
以上で貫通孔21に入射した光が貫通孔21の内面で吸
収され、従って、所定の角度以下で入射した光が貫通孔
21を通過し、拡散成分の少ない略平行光となる。従っ
て、図4に示す光源ユニット4のように、反射ミラー3
で反射した光も貫通孔21を通過した光と同様に僅かに
拡散するが、拡散成分の少ない略平行光となる。なお、
略平行光とは、LCD5の画像表示面から感光フィルム
6のフィルム面までの距離、例えば10数mmの範囲内
における光速の広がりの程度が、画像の鮮明度を低下さ
せる光速の広がりよりも狭いものをいい、画像の鮮明度
を低下させる光速の広がりは、LCD5の解像度に応じ
て設定されるものである。なお、本発明における反射手
段として、反射ミラー3の替わりに、図5に示す光源ユ
ニット4aのように反射プリズム3aを用いてもよい。 【0035】なお、本発明の反射手段として、図4に示
す反射ミラー3および図5に示す反射プリズム3aにお
いては、貫通孔21を通過した略平行光を平面反射面で
反射するものであるが、本発明はこれに限定されず、反
射面は曲面であっても良い。図6に、本発明の反射手段
として、所定の曲率の曲面で構成される反射面31bを
持つ反射部材3bを用いる光源ユニット4bを示す。図
6に示す光源ユニット4bは、図4に示す光源ユニット
4と、反射ミラー3の代りに反射部材3bを用いている
以外は、全く同様な構成を有するものであるので、主と
して反射部材3bについての説明を行う。 【0036】図6に示す光源ユニット4bに用いられる
反射部材3bは、反射面31bとして、多孔板2のYに
延在する円筒面を持つものである。ここで、仮に、図4
に示す反射ミラー3において、多孔板2の貫通孔21の
長さLが6mm、孔径Dが0.5mmであるとし、貫通
孔21の射出口から反射ミラー3までの距離を無視する
と、貫通孔21から射出され、反射ミラー3で反射され
る光線は、貫通孔21の中心を通過し、反射ミラー3で
90°反射された光線に対して、最大で±約4.8°
(tan-1(0.5/6))拡散することになる。 【0037】これに対し、図6に示す反射部材3bの反
射曲面31bである円筒面の曲率半径が25.4mmで
あり、貫通孔21の中心を通過した光線が90°反射さ
れるように反射部材3bが配置されるとし、上記と同様
に、長さLが6mm、孔径Dが0.5mmである貫通孔
21を持つ多孔板2が用いられている時、貫通孔21の
射出口から反射ミラー3までの距離を無視すると、貫通
孔21から射出され、反射部材3bで反射される光線
は、貫通孔21の中心を通過し反射部材3bで90°反
射された光線に対して、最大で±約1.1°(tan-1
(0.5/25.4))拡散することになり、上述した
反射ミラー3の場合に比べて拡散の度合を1/4にする
ことができる。すなわち、多段の貫通孔列の各列の貫通
孔21を通過する最も拡散する光線の中で、貫通孔21
の入口上端および下端から入射し、それぞれ出口(射出
口)の下端および上端から出射する光線が最も拡散する
ことになるが、その反射部材3bによる反射角は、約8
8.9°および91.1°となる。しかしながら、図6
に示す反射部材3bでは、図4に示す反射ミラー3では
拡散しない貫通孔21の中心線に平行に通過した光線
も、最大で±約0.8°拡散することになるので、概算
で全体の拡散度合は、1/4〜1/2程度になるものと
考えることができる。 【0038】なお、図4に示す反射ミラー3において最
大で±約4.8°(tan-1(0.5/6))拡散する
ことになる光線は、理論上、曲率半径が6mmの円筒面
を持つ反射曲面31bを持つ反射部材3bを用いること
により、貫通孔21の中心を通過して90°反射された
光線と平行な光線とすることができるが、逆に、上述し
たように、本来拡散しない貫通孔21の中心線に平行に
通過した光線が、同様に最大で±約0.8°拡散するこ
とになるので、貫通孔21を通過する全光線の拡散度合
を考慮して、反射部材3bの反射曲面31bの曲率半径
を定めるのが良い。すなわち、貫通孔21を通過する全
光束とその光強度について拡散度を考慮して、反射部材
3bの反射曲面31bの曲率を決めるのが良く、反射曲
面31bの断面曲線として、円、楕円、放物線などの2
次曲線として、すなわち2次曲面として求めるのが好ま
しい。 【0039】また、図7に示す光源ユニット4cのよう
に、多孔板2の貫通孔21の列(貫通孔列)が多列(多
段)である場合には、反射部材3cのように、多孔板2
の貫通孔21の各貫通孔列に応じて各副反射曲面32c
を多段に少しずつずらして配列した反射曲面31cとす
るのが好ましく、例えば略45°傾けた線にそって多列
に配列した反射曲面31cするのが好ましい。なお、反
射部材3cの各副反射曲面32cは、多段の貫通孔列の
各段の貫通孔21のサイズに対応するように設けられる
が、各段の貫通孔21を通過する最も拡散する光線の中
では、貫通孔21の入口上端および下端から入射し、そ
れぞれ出口(射出口)の下端および上端から出射する光
線(上方に傾斜する光線と下方に傾斜する光線)が最も
拡散することになるので、隣接する段の貫通孔21間の
距離によっては、最も拡散する光線が、異なる段(隣接
する段)の貫通孔21に対応して設けられた副反射曲面
32cに入射する、例えば、上段の列の貫通孔21を通
過する光線(下方に傾斜する光線)と下段の列の貫通孔
21を通過する光線(上方に傾斜する光線)とが干渉す
ることになる。 【0040】この場合には、両者の干渉ができるだけ小
さくなるように、あるいは拡散の度合が各段で平均化す
るように反射部材3cの各副反射曲面32cを配置する
のが好ましい。もちろん、線状光源1の光量(光強度)
が十分に大きい場合には、隣接する段の貫通孔21間の
距離を大きくして、両者の干渉を小さくすることも可能
であるが、隣接する段の貫通孔21間の距離を大きくす
ると、走査ヘッドとなる光源ユニットの大きさが増すの
で、全体の装置の寸法と、干渉による画像の「質」で決
めるのが良い。図6および図7に示す光源ユニット4b
および4cは、図4に示す光源ユニット4の代りに、す
なわち、それぞれ反射曲面31bおよび31cを持つ反
射部材3bおよび3cは、反射ミラー3の代りに用いる
ことができる。 【0041】再び、図1に示すように、線状光源1、多
孔板2および反射ミラー3は、筐体41に収められて光
源ユニット4としてユニット化され、移動機構9によっ
て一体となって、LCD5と感光フィルム6に対して図
1中のX方向、すなわち、LCD5の画像表示面の一辺
に沿った方向に移動し、LCD5の画像表示面を走査し
て感光フィルム6を走査露光する。移動機構9は、図1
中の線状光源1の右端側に配置されるモータ9aと、モ
ータ9aに取り付けれるプーリ9cと、図1中の線状光
源1の左端側に配置されるプーリ9dと、これらのプー
リ9c、9dに張架される筐体41のY方向の端部が取
り付けられる無端ベルト9bとを有する。なお、この移
動機構9としては、無端ベルト9bおよびこれを張架す
るプーリ9c,9dからなるセットを、筐体41のY方
向の両端側にそれぞれ取り付け、両無端ベルト9b(一
端側のみ図示)を同期させて、連続駆動するのが好まし
い。 【0042】なお、本発明に用いられる移動機構9は、
上述のように筐体41のY方向の端部を無端ベルト9b
に取り付け、この無端ベルト9bを駆動するという方式
のみに限定されるわけではなく、トラベリングナットに
筐体41を固定し、トラベリングナットと螺合するドラ
イブスクリュを駆動する方式、ワイヤの一端に筐体41
を固定し、ワイヤを巻き取る方式など、従来公知の移動
方法であれば、どのような方法を用いても良い。本実施
例における移動機構9は、光源ユニット4を移動するこ
とで、LCD5に対して相対的に移動する構成である
が、本発明においては、静止した光源ユニット4に対し
てLCD5を移動することで、光源ユニット4をLCD
5に対して相対的に移動する構成としてもよい。この場
合、感光フィルム6をLCD5と一体として移動させる
必要がある。本発明においては、簡素かつコンパクトな
装置構成とする点から、光源ユニット4を移動する移動
機構とする装置構成が好ましい。 【0043】また、本発明においては、反射ミラー3を
介して形成される多孔板2とLCD5との間隔は、好ま
しくは、0.1mm〜0.5mm、より好ましくは0.
1mm〜0.2mmとするように、多孔板2、反射ミラ
ー3およびLCD5を配するのが良い。これは、柱状の
多孔板2に代表される多孔板2の貫通孔21のパターン
が拡散光による「影」の形で現われるのを防止するため
のものである。なお、ここで設定している多孔板2とL
CD5との間隔は、上述の「影」を防止できるが、転写
画像の鮮明度を低下させない条件である。 【0044】また、移動機構9による光源ユニット4の
移動速度は、線状光源1の明るさや多孔板2の貫通孔2
1の大きさ(直径もしくは相当直径)あるいは配列ピッ
チあるいは貫通孔21の段数などにより異なるが、毎秒
数mm〜数百mm程度にするのが好ましい。貫通孔21
の段数を図3(c)または図3(d)に示すように複数
段設けることで、感光フィルム6を露光するための露光
時間を短縮することができ、光源ユニット4をより高速
に移動することができる。例えば、直径2mmの冷陰極
線管に7.5Vの印加電圧を与えて照度17600cd
/m2 (ミノルタ(株)製分光放射輝度計CS1000
による測定)の条件では、移動速度を20〜30mm/
秒としなければならない1段の貫通孔21の場合、図3
(c)に示すように4段にすることで、移動速度を15
0〜200mm/秒とすることができ、走査露光による
露光時間を6〜7倍早めることができる。 【0045】このように、線状光源1、多孔板2、反射
ミラー3を光源ユニット4としてユニット化して組み込
んだ筐体41において、線状光源1と多孔板2がLCD
5の画像表示面に沿って配され、多孔板2の貫通孔21
が、LCD5の画像表示面に平行な方向に設けられ、さ
らに、貫通孔21を通過した略平行光を反射ミラー3を
用いて、LCD5の画像表示面に対して垂直方向に入射
させる構成となっているので、図17に示す装置のよう
に、平行光生成素子として作用する格子200やスペー
サ201やバックライト100を、LCD300の感光
フィルム6の側と反対側に直列的に重ねて配する必要が
なく、画像転写装置を薄型化し、コンパクトな装置構成
とすることができる。 【0046】例えば、図8に示すように、線状光源1a
と多孔板2aとをLCD5aの画像表示面に対して縦置
きして直列的に重ねて配した場合、多孔板2aによって
略平行光を生成させるために、高さhaを長くしなけれ
ばならず、そのため、線状光源1aと多孔板2aとを画
像表示面に対して直列的に重ねて配する分、画像転写装
置は厚くなる。例えば、多孔板2aの高さhaは6〜1
0mm、線状光源の高さは2〜4mmとすると、この部
分の厚さは8〜14mmとなるのに対し、図1のよう
に、線状光源1と多孔板2とをLCD5の画像表示面に
沿って横向きに配列することで、この部分の厚さは、多
孔板2の高さh分、例えば3mmで済み、画像転写装置
の薄型化が実現できる。 【0047】本発明において用いられる平行光生成素子
は、上述した柱状の多孔板2に限定されず、図9に示す
ような多孔板2Aを用いることもできる。図9には、多
孔板2Aの断面が示されるが、多孔板2Aは、1列に配
置された貫通孔21の上に連続する凹み21aを設け、
この凹み21aにロッドレンズ22をセットしたもので
ある。この多孔板2Aにおいて、ロッドレンズ22の役
目により、多孔板2の貫通孔21から出射する光を、よ
り略平行光にすることができる。さらに、本発明におい
ては、多孔板の代りに、帯状のスリット光を得ることの
できるスリットを持つスリット板を用いることもできる
が、スリット板は、その長手方向の光の散乱を多孔板ほ
ど低減できないので、スリット板よりも図2に示す多孔
板2および図9に示す多孔板2Aの方が好ましいが、線
状光源1からの光の拡散成分が少ない場合や、鮮明度に
対する要求が高くない場合には、スリット板を用いても
良い。 【0048】LCD5は、デジタル記録された画像を表
示するための透過型の画像表示手段である。本発明にお
いて透過型の画像表示手段としては、特に制限的ではな
く、デジタルスチルカメラや、デジタルビデオカメラ、
パーソナルコンピュータなどのデジタル画像データ供給
部に接続され、供給されるデジタル画像データに応じて
表示画像を透過像として表示するものであれば、LCD
5をはじめとする各種の透過型の電子的な画像表示手段
を含み、また、これ以外にも、画像が形成された写真フ
ィルムのような透過型の画像担持手段をも含むものとす
るが、LCDであるのが好ましい。なお、LCD5に接
続されているデジタルカメラなどのデジタル画像データ
供給部では、予め用意されている画像の内から、任意の
画像を選択して供給できるように構成されている。な
お、LCD5に供給されるデジタル画像データとして
は、上述の場合の他、スキャナ等によって透過原稿や反
射原稿から読み取られたものであっても良い。また、L
CD5は、透過像として画像を表示できれば、どのよう
なものでも良く、デジタル画像データではなくても、通
常のビデオカメラで撮影された画像のアナログ画像デー
タに基いて画像を表示するものであっても良い。なお、
このLCD5と、多孔板2との間には、所定の間隙を設
けているが、この間隙は、上述したように、好ましく
は、0.1mm〜5mm、より好ましくは0.1mm〜
3mmであるが、任意の寸法に調整可能に構成されてい
るのが好ましい。 【0049】LCD5は、図10に示すように、感光フ
ィルム6の側から光源ユニット4の側に向かって、フィ
ルム状偏光板(以下、偏光フィルムともいう)51と、
ガラス基板52と、電極53と、液晶層54と、電極5
5と、ガラス基板56と、フィルム状偏光板57とを積
層し、液晶層54を、その両側からガラス基板52、5
6および偏光板51、57で挟持する構造を有するもの
であるが、周知のように、この他、図示しないが、ブラ
ックマトリックスやRGBカラーフィルタや配向膜等を
有しているのはいうまでもない。ここで、例えば、TF
T型LCDの場合、電極53は、共通電極であり、ガラ
ス基板52との間にブラックマトリックスやRGBカラ
ーフィルタが配置され、電極54は、表示電極およびゲ
ート電極等からなる。なお、ガラス基板52および56
の代りに、樹脂基板等を用いてもよい。 【0050】また、LCD5の構造は、透過画像表示が
可能であれば特に制限的ではなく、例えば従来公知の液
晶表示モードを持ち、従来公知の駆動方式のLCDを用
いることができ、例えば、液晶表示モードとしては、T
Nモード、STNモードや、CSHモードや、FLC、
OCBモードなどの偏光板を用いる液晶表示モードを挙
げることができ、駆動方式としては、TFT型やダイオ
ード型などのアクティブマトリックス駆動方式の他、X
Yのストライプ電極からなるダイレクトマトリックス駆
動方式等を挙げることもできる。さらに、LCD5は、
カラーである必要はなく、下記するR、G、B光源と組
み合わせることにより、白黒表示パネル等の白黒表示L
CDで、カラー画像を転写することも可能である。 【0051】また、LCD5のサイズには、制限はな
く、どのようなサイズでも良いが、感光フィルムのサイ
ズに合わせて、適宜選択すれば良い。また、LCD5の
RGB各画素のドットサイズは、特に制限はないが、よ
り鮮明な高画質の写真画像を得るためには、各画素の少
なくとも短辺側の大きさは、0.2mm以下であるのが
好ましい。これは、0.2mm以下では、より鮮明な転
写画像を得ることができるからである。なお、LCD5
の画素数(あるいは画素密度)も、特に制限的ではない
が、高精細・高鮮明度の高画質画像を転写して得るため
には、近年市販されている、RGB各画素のドットサイ
ズの小さい高精細画面を持つLCDを用いるのが好まし
い。このようなLCDとしては、例えば、UXGA(1
0.4インチ、1200×1600画素)や、XGA
(6.3および4インチ、1024×768画素)など
のTFT型LCDを挙げることができる。 【0052】本発明に用いられるLCD5においては、
少なくとも、感光フィルム6側のガラス基板52と偏光
フィルム51とを合わせた合計厚みt2 は、できるだけ
薄いのが良く、1.0mm以下が好ましくは、より好ま
しくは、0.8mm以下、さらに好ましくは、0.6m
m以下とするのが良い。なお、さらに好ましくは、光源
ユニット4側のガラス基板56と偏光フィルム57とを
合わせた合計厚みも、小さい方が良く、1.0mm以
下、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.6
mm以下とするのが良い。また、下限値は、特に制限的
ではないが、例えばガラス基板32では、それ自体の厚
みを薄くするのは0.5mm程度が限界と考えられるこ
とから、0.5mm以上としても良い。なお、この合計
厚みは、これらに限定されることはなく、上記条件を実
現するための構成として、ガラス基板の代りに、樹脂基
板の使用を考慮することも有効であり、0.5mm程度
の下限値をさらに小さくすることができる。 【0053】本発明において、感光フィルム6側のガラ
ス基板52と偏光フィルム51とを合わせた合計厚みt
2を1.0mm以下とするのが好ましい理由について以
下に説明する。この合計厚みの条件は、線状光源1から
LCD5での区間での光の拡散を押えることに相当し、
LCD5と感光フィルム6とを、厳密には、LCD5の
画像表示面と感光フィルム6の感光面とを非接触状態に
しても、より鮮明な転写画像を得られるという結果に通
じるものである。すなわち、本発明に係る画像転写装置
においては、LCD5の画像表示面と感光フィルム6の
感光面とを、所定の間隔だけ離間させて、非接触状態に
するのが良い。この非接触状態にするという条件は、簡
単な構成で、実用性を挙げた、実際に取り扱い易い画像
転写装置とするためには好ましい条件であるが、LCD
5の表示面と感光フィルム6の感光面との間での光の拡
散を助長し、鮮明な転写画像を得るという点からはむし
ろマイナス要因である。このため、本発明においては、
非接触状態条件によるマイナス分(光の拡散の増大分)
を、上述の合計厚みの条件によるプラス分、および、多
孔板2の長さl(図2参照)を貫通孔21の直径あるい
は相当直径の3倍以上とする条件によるプラス分(光の
拡散の抑制分)でカバーするのが好ましい。本実施例
は、LCD5の画像表示面と感光フィルム6の感光面と
を非接触状態にして表示画像を転写するが、本発明に
は、LCD5の画像表示面と感光フィルム6の感光面と
を密着させて光の拡散を抑制した状態で画像を転写させ
るものも含まれる。 【0054】ところで、上述したように、図16に示す
特許文献2に開示された従来の印写装置においては、厚
みが約2.8mmのLCDが用いられている。同図に示
すように、LCDは、2枚の偏光板301、305、2
枚の基板302、304およびこれらに挟まれる液晶3
03から構成されている。特許文献2には開示がない
が、一般に、液晶そのものの厚みは0.005mm程度
(カラーTFT液晶ディスプレイ:p207、共立出版
発行参照)であるとされているため、片側の基板301
(305)と偏光板302(304)とを合わせた厚み
は、1.3mm〜1.4mm程度と考えられる。ここ
で、光の拡散度合いは距離に比例するため、上述の厚み
1.3mm〜1.4mmが1/2になれば、拡散度合い
も1/2になり、従来技術の項で述べた「片側につい
て、約0.09mm拡大される」という値もその1/
2、つまり0.04mm〜0.05mm程度に減少する
と推察される。しかしながら、この程度の拡散度合いで
は、従来技術の項で述べたように、最新のUXGAやX
GAなどのような微細なドットサイズを有するLCDに
おいて、隣接するドットの重なり合いが生ずる。 【0055】すなわち、拡散度合いを0.04mm〜
0.05mm程度に減少させただけでは、ドットの重な
り合いが生じ、これに起因する色の滲みが発生して、不
鮮明な画像しか得ることができない。しかし、本発明者
らの研究によって、全く意外なことに、前述したよう
に、片側の、少なくとも感光フィルム6側のガラス基板
32と偏光フィルム31とを合わせた厚みを1.0mm
以下とすることにより、UXGAやXGAなどのような
微細なドットサイズを有するLCD3においても、ドッ
トの重なり合いに起因する色の滲みを解消し、鮮明な転
写画像を得ることができる。この理由は、LCD3のガ
ラス基板32、偏光フィルム31による散乱が減じるた
めと考えられる。 【0056】本実施例においては、実際の取り扱い易さ
の点から、感光フィルム6の感光面が、所定の間隙を隔
ててLCD5の画像表示面に配置されるように構成され
ている。図1に示すように、複数枚の感光フィルム6が
フィルムケース71に収納されている。本発明において
は、フィルムケース71は、本体ケース8内に取り付け
られ、1セット(パック)の複数枚の感光フィルム6を
装填するものであっても良いし、取り付け取り外し自在
なフィルムケース71に複数枚の感光フィルム6を収納
しているフィルムパック7をそのまま本体ケース8に装
填するものであっても良いが、フィルムケース71ごと
フィルムパック7、すなわち、複数枚の感光フィルム6
を収納しているフィルムケース71自体を装填できるよ
うに構成しておくのが好ましい。 【0057】感光フィルム6は、本発明の画像転写装置
における感光性記録媒体として用いられるものである。
感光性記録媒体としては、LCD5の透過表示画像の露
光焼付により、可視ポジ画像を形成できるものであれ
ば、どのようなものでも良く、特に限定されるものでは
ないが、例えば、いわゆるインスタント写真フィルム等
が好ましい。このような感光性記録媒体として用いられ
る感光フィルム6としては、モノシートタイプのインス
タント写真用フィルム「インスタックスミニ」や「イン
スタックス」(共に富士写真フイルム(株)製)などを
挙げることができる。このようなインスタント写真フィ
ルムは、フィルムケースに所定数のフィルムをしたいわ
ゆるフィルムパックとして市販されている。従って、本
発明においては、感光フィルム6の感光面とLCD5の
画像表示画面との間隙が、後述する緒条件を満足するよ
うに配置できれば、図1に示すように、フィルムパック
7をそのまま本体ケース8に装填することもできる。 【0058】このようなフィルムパック7の一実施例の
構造を図11に示す。同図に示すような構造を有するフ
ィルムパック7には、そのフィルムケース71の一端部
に感光フィルム6を、フィルムケース71内のフィルム
パック7から取り出すためのクロー部材(爪)が進入可
能な切り欠き72が設けられており、露光の終了した感
光フィルム6は、上記クロー部材によりフィルムパック
7のフィルムケース71の取出口73から取り出され、
図示されていない搬送機構により、処理工程に送られ
る。なお、ここでの処理工程とは、上記感光フィルム6
の一端に予め設けられている処理液(現像液)チューブ
(図示せず)を押し破って、現像液を感光フィルム6内
全面に均一に行きわたらせることであり、感光フィルム
6のフィルムパック7からの取り出し・搬送と実質的に
同時に行われるものである。処理工程を経た感光フィル
ム6は、本体ケース8の取出口82(図1参照)から装
置外部に送り出される。 【0059】周知のように、この種のインスタント写真
用フィルムは、上述の処理工程を経た後、数十秒ほどで
完全な画像を形成し、観賞に供することが可能になる。
従って、本発明の転写装置では、上述の処理工程を施す
までが、必要とされる機能となる。1枚のフィルムシー
トが送り出された後には、次のフィルムシートが現わ
れ、次の露光(転写)が可能な準備状態が実現される。
なお、上述した、このフィルムパックの取り扱い方法に
ついては、先に本出願人の出願に係る特開平4−194
832号公報に開示されたインスタント写真用フィルム
を用いるインスタントカメラを参照することができる。 【0060】図11において、符号74は、フィルムパ
ック7のフィルムケース71の縁(段付き部)の高さを
示しており、この縁の高さ74を所望の寸法に設定する
ことによって、LCD5の画像表示面と感光フィルム6
の感光面との間の離間間隔を後述する所定の値に設定す
ることが可能である。従って、本発明においては、この
縁の高さ74が所望の寸法に調整されている点を除け
ば、従来公知のインスタント写真フィルムのフィルムパ
ックを適用することができる。なお、フィルムケース7
1を本体ケース8に取り付けておき、1セットの感光フ
ィルム6のみをフィルムケース71に装填する場合に
も、この縁の高さ74を所望の寸法に設定することによ
り、LCD5の画像表示面と感光フィルム6の感光面と
の間の離間間隔を後述の所定範囲に設定することができ
る。なお、図1に示す例においては、フィルムケース7
1は、感光フィルム6の画像の有効範囲外でLCD5の
画像表示面と直接接触しているが、本発明はこれに限定
されず、フィルムケース71の縁の高さ74が低い場合
には、フィルムケース71をLCD5の表示面から所定
間隔だけ離間させて取り付ける、または装填するように
しても良い。さらに、本発明においては、フィルムケー
ス71をLCD5の画像表示面をその外側で保持する保
持パネルに接触させるようにしても良いが、後述する条
件を満たすようにするのが好ましい。 【0061】ところで、本発明の画像転写装置において
は、前述したように、LCD5(の画像表示面)と感光
フィルム4(の感光面)とは密着してもよいし、離間し
てもよいが、実際に取り扱い易い装置とするために必要
な条件から、LCD5と感光フィルム6とを非接触状態
で、厳密には、LCD5の画像表示面と感光フィルム6
の感光面とを非接触状態で、所定の間隔だけ離間させる
のが良い。鮮明な転写画像を得るという点において、上
記非接触状態によって生じる光拡散の増大というマイナ
ス要因を、上述したLCD5の感光フィルム6側のガラ
ス基板52と偏光フィルム51の合計厚みt2 を所定寸
法以下にすることにより生じる光拡散の抑制および多孔
板2の長さl(図2参照)を貫通孔21の直径あるいは
相当直径の3倍以上とすることにより生じる光拡散の抑
制でカバーするのが好ましい。 【0062】なお、LCD5と感光フィルム6とが非接
触状態で配置されるとは、LCD5の画像表示面と感光
フィルム6の感光面との間に所定の離間間隙が存在し、
所定の距離だけ離間し、両者が直接接触していないこと
を意味する。実際には、上述したように、フィルムパッ
ク7のフィルムケース71が感光フィルム6の画像の有
効範囲外でLCDと接触しているが、感光フィルム6の
感光面とLCD5の画像表示面との間には空間があると
いうものでもよい。また、この場合とは異なり、LCD
5の画像表示面と感光フィルム4の感光面とは、その間
に所定の厚みの透明なガラスやフィルムなどを介して接
触しているが、それらが直接的には接触しておらず、両
者間に、実質的に所定の距離が保たれている場合も含ま
れる。 【0063】本発明の画像転写装置においては、LCD
5(の画像表示面)と感光フィルム4(の感光面)とが
離間する場合、離間間隔が0.01mm〜3mmである
のが好ましく、より好ましくは0.1mm〜3mmであ
るのが良い。 【0064】本発明の画像転写装置においては、LCD
5に表示された画像のサイズと感光フィルム6に転写さ
れる画像のサイズとを、実質的に同一とするのが好まし
い。これは、本発明においては、レンズ系を用いた拡大
・縮小を行うことなく、直接転写方式とすることで、装
置の小型化、軽量化などを実現することができるからで
ある。 【0065】本体ケース8は、上述した本発明の各構成
要素、すなわち、線状光源1、多孔板2、反射ミラー3
を一体化して筐体41に組み込んだ光源ユニット4と、
LCD5と、フィルムパック7(またはフィルムケース
71)と、移動機構9と、露光済みフィルムの送り出し
兼処理液展開用のローラ対81等とを内部に収納するケ
ースである。本体ケース8においては、ローラ対81
は、装填されたフィルムパック7(またはフィルムケー
ス71)の露光済フィルムの取出口73に臨む位置に取
り付けられている。また、本体ケース8には、このロー
ラ対81を臨む位置に露光済みの感光フィルム6の本体
ケース8からの取出口82が開口されている。また、本
体ケース8には、露光済みフィルムパック7の裏側の開
口から挿入されて、感光フィルム6をフィルムケース7
1の前縁に、すなわち、LCD5側に押し付けるための
バックアップ用押圧ピン83が設けられている。 【0066】なお、図示しないが、本発明の画像転写装
置は、ローラ対81を駆動するための駆動源(モータ)
や、これを駆動したり、線状光源1の棒状ランプ10を
点灯するための電源や、これらを制御するための電装品
や、LCD5に画像を表示させるためにデジタル画像デ
ータ供給部からデジタル画像データを受信し、LCD表
示用画像データに変換するデータ処理装置、制御装置な
どを有しているのはもちろんである。ここで、ローラ対
81を駆動するためのモータとして、多孔板2を含む光
源ユニット4の移動機構9のモータ9aを用いても良
い。本発明に係る画像転写装置は、基本的に以上のよう
に構成される。 【0067】このような画像転写装置では、線状光源1
の光が、反射板を介して多孔板2側に射出され、多孔板
2の貫通孔21に入射される。貫通孔21の内面は低反
射率面となっているので、この内面に当たった光は吸収
される。従って、貫通孔21から射出された光は、多孔
板2の長さlと貫通孔21の直径あるいは相当直径によ
って拡散光成分が規制された略平行光がLCD5の画像
表示面に沿って平行に生成される。貫通孔21から射出
した帯状の略平行光は反射ミラー3に入射され、LCD
5の画像表示面の垂直方向に反射されて、LCD5の画
像表示面を帯状に垂直に投影する。 【0068】一方、線状光源1、多孔板2および反射ミ
ラー3を組み込んだ筐体41は、光源ユニット4を構成
し、移動機構9によって図1中X方向に移動する。光源
ユニット4は、まず、所定の移動開始位置から移動を開
始して、所定の速度へ達し、感光フィルム6の感光面の
端部位置手前で、線状光源1に所定電圧を印加して、点
灯させる。この後、感光フィルム6の他方の端部位置を
通過するまで、点灯を維持し、この端部位置を通過後消
灯させ、移動終了位置において光源ユニット4は停止す
る。このような光源ユニット4の移動は、移動機構9を
駆動するモータの回転によって移動が制御され、あるい
は、移動機構9にリミットスイッチが設けられ、このリ
ミットスイッチによって移動が制御される。光源ユニッ
ト4から照射される光は、LCD5の画像表示面を移動
しながら投影するが、この投影光は帯状の略平行光とな
っているので、LCD5から透過した、表示画像の情報
を担持した帯状の略平行光は、感光フィルム6に到達
し、感光フィルム6を露光する。このようにして、感光
性フィルム6は帯状の略平行光で走査露光されて、LC
D5の表示画像が転写される。なお、光源ユニット4が
移動しながら行われる表示画像の転写が終了すると、光
源ユニット4は上記所定の移動開始位置に、線状光源1
が消灯した状態で速やかに帰還する。 【0069】上記実施例は、光源ユニット4の移動開始
位置から移動終了位置ヘ向かう一方向の移動の際に、表
示画像を感光フィルム6に転写するものであるが、光源
ユニット4が上記移動終了位置から上記移動開始位置に
帰還するまでの移動の際に表示画像を転写するものであ
ってもよい。 【0070】以上のように、線状光源1、多孔板2、反
射ミラー3を筐体41にユニット化して組み込んだ光源
ユニット4において、線状光源1と多孔板2がLCD5
の画像表示面に沿って平行に配され、多孔板2の貫通孔
21が、LCD5の画像表示面に平行な方向に貫通され
て設けられ、さらに、貫通孔21を通過した略平行光を
反射ミラー3を用いて、LCD5の画像表示面の垂直方
向に入射させる構成となっているので、図17に示すよ
うに、平行光生成素子として作用する格子200やスペ
ーサ201やバックライト100を、LCD300に対
して直列に重ねて配する必要がなく、画像転写装置を薄
型化し、コンパクトな装置構成とすることができる。 【0071】また、本発明の画像転写装置は、線状光源
から帯状の略平行光を作成し、この略平行光を用いて走
査露光する方式であるが、面状光源を用いて感光フィル
ムを一度に露光する面露光方式の場合、所定のピッチで
2次元配列した貫通孔を有する多孔板を用いなければな
らない。例えば、上記の「インスタックスミニ」を感光
フィルムとして用いた場合、46mm×62mmのサイ
ズの多孔板を用いなければならず、この多孔板に貫通孔
を約7000〜8000個設けなければならない。この
ような極めて多数の貫通孔を有する多孔板は加工コスト
が極めて高くなるため、画像転写装置の低コスト化を図
ることはできない。しかし、本発明の、走査露光による
画像転写装置では、貫通孔(列)は1段、もしくは、複
数段の場合でもせいぜい4段程度で済み、従って、加工
する貫通孔の数も数100個で済む。従って、多孔板の
加工コストを抑制することができ、低コストの画像転写
装置を実現できる。しかも、軽量化が図られる。さら
に、走査露光の光源として用いる線状光源は、面露光の
光源に比べて光源のサイズを小さくできるので、装置構
成をさらにコンパクトにでき低消費電力化も実現でき
る。 【0072】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、
各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんであ
る。例えば、線状光源や、画像表示手段としてのLCD
などは、可能な範囲で、種々の機能のものを用いること
ができる。また、図9に示したロッドレンズの代わりに
シリンドリカルレンズ、あるいは球状もしくは半球状の
レンズなどを用いることも可能である。 【0073】さらに、図1に示す画像転写装置におい
て、棒状ランプ10を用いる線状光源1の代りに、図1
2に示す画像転写装置のように、R、G、B光源10
R、10G、10Bからなる線状光源1bを用いた場合
について説明する。図12に示す画像転写装置におい
て、LCD5、すなわち表示パネルは、白黒表示パネル
を用い、この白黒表示LCDパネルには、カラー画像を
R、G、Bに分解した色分解画像を表示させ、Rの画像
では、R光源10Rのみを点灯して光源ユニット4cを
移動して走査し、G、Bの画像についても、同様に、繰
り返せば良い。 【0074】R、G、B光源10R、10G、10Bと
しては、白色光源に対して、カラーフィルタを用いても
良いが、図12および図13に示すように、R、G、B
のLED10R、10G、10Bを使用するのが好まし
い。また、転写画像の混色を防ぐ意味では、LEDの中
心発光スペクトルを以下のものとするのが良い。すなわ
ち、Rは、620〜660nm、Gは、550±20n
m、Bは、400〜460nmのものが良い。これによ
り、どの画素もすべての色を出すことができ、鮮鋭度、
解像度が向上する。 【0075】線状光源1bとしては、図12および図1
3に示すように、棒状多孔板2の光源側にアクリルやポ
リカーボネート(PC)等製の棒状導光板14を配置
し、その側面にR、G、BのLED光源10R、10
G、10Bを設け、棒状多孔板2側を除く3方を反射フ
ィルムなどの反射材13で覆ったものを用いることがで
きる。さらに、図14に示す線状光源1cように、R、
G、BのLED光源10R、10G、10Bを、穴の開
いている横方向に合わせて、R、G、Bの各色毎に1個
ずつあるいは複数個ずつ配置し、拡散板12等で光の強
さを均一化させた後、多孔板2に入射させるようにして
も良い。 【0076】上述した実施例においては、線状光源を構
成するR、G、B光源を単独で点灯させて、画像表示手
段(LCD)として、白黒表示(LCD)パネルを使用
しているが、カラー表示(LCD)パネルを使用して、
R、G、Bの光源をすべて点灯させて、白色光源として
使用しても良い。なお、R、G、B光源を独立した光源
とすることにより、それぞれの光源に点灯のために流す
電流を変えることにより、各光源の発光強度を調整する
ことができるので、グレイバランスが調整しやすくな
る。これが、カラー表示、白黒表示(LCD)パネルに
おいて、R、G、B光源を独立した光源とするメリット
である。さらに、図12、図13および図14に示す線
状光源1b、1cにおいては、R、G、B光源10R、
10G、10Bを個別に配置したが、図15(a)およ
び(b)に示すように、R、G、B光源10R、10
G、10Bが、一つのユニットになっている光源10a
および10bを用いても良い。 【0077】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、線状光源および平行光生成素子をLCD等の画
像表示手段の画像表示面に沿って平行に配列し、平行光
生成素子で生成された略平行光を反射手段で、画像表示
面に対して垂直方向に入射させる構成とするので、従来
のように、平行光生成素子と光源を直列的に配する装置
構成に比べて、薄型化したコンパクトな装置構成で、真
に小型軽量化、低消費電力化および低コスト化を実現で
き、携帯型にもすることができる。 【0078】また、本発明によれば、多孔板等の平行光
生成素子によって、帯状の略平行光として得るので、大
表示画面を有する画像表示手段であっても製作が困難で
コストのかかる大面積(大サイズ)の格子等を用いる必
要がなく、コストを低減することができる。さらに、本
発明によれば、平行光生成素子によって帯状の略平行光
を生成するので、面全体で均一な光を射出させるのは困
難である面状光源(バックライト)を用いる場合に比べ
て、長手方向により均一な光強度を持つ光を容易に得る
ことができるほか、線状光源として蛍光管自体を用いる
ことができるので、導光板(体)、反射シート、レンズ
シート、プリズムシート、拡散シートなどの多くの部材
を必要とする、それ自体が高価である面状光源(バック
ライト)を用いる必要がなく、光源自体のコストも低減
できる。また、レンズシート等を用いる場合でも、使用
面積が少ないので、安価にできる。さらにまた、本発明
において反射手段に反射曲面を持つ反射部材を用いる場
合には、平行光生成素子によって生成される略平行光の
拡散度合を低く抑えることができ、より鮮明度が高く、
高精細の転写画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係る画像転写装置の一実施例の模式
的側断面図である。 【図2】 図1に示す画像転写装置に用いられる多孔板
の一実施例の斜視図である。 【図3】 (a)、(b)、(c)および(d)は、本
発明に用いられる多孔板の貫通孔の配列の一例の示す平
面図である。 【図4】 図1に示す画像転写装置に用いられる光源ユ
ニットの模式的側断面を用いて光源ユニットにおける略
平行光の生成を説明するための図である。 【図5】 本発明に係る画像転写装置に用いられる光源
ユニットの他の実施例の模式的側断面図である。 【図6】 本発明に係る画像転写装置に用いられる光源
ユニットの他の実施例の模式的側断面図である。 【図7】 本発明に係る画像転写装置に用いられる光源
ユニットの他の実施例の模式的側断面図である。 【図8】 本発明の画像転写装置と異なる画像転写装置
の要部を説明する図である。 【図9】 本発明における画像転写装置の平行光生成素
子の他の実施例の構造を示す横断面図である。 【図10】 図1に示す画像転写装置に用いられる透過
型の液晶画像表示ディスプレイの一実施例の構造を示す
斜視図である。 【図11】 図1に示す画像転写装置に用いられるフィ
ルムパックの一実施例の構造を示す斜視図である。 【図12】 本発明の画像転写装置の別の実施例の模式
的側断面図である。 【図13】 図12に示す画像転写装置に用いられる線
状光源および多孔板の一実施例の模式的斜視図である。 【図14】 本発明の画像転写装置に用いられる線状光
源および多孔板の他の実施例の模式的斜視図である。 【図15】 (a)および(b)は、それぞれ本発明の
画像転写装置に用いられる線状光源の他の実施例の模式
的断面図である。 【図16】 従来の印写装置の一例の構成を示す側面図
である。 【図17】 従来の印写装置の別の一例の構成を示す斜
視図である。 【符号の説明】 1,1a,1b,1c 線状光源 10 棒状ランプ 10R,10G,10B,10a,10b (LED)
光源 11 反射板 12 拡散フィルム(拡散板) 13 反射材 14 棒状導光板 2,2A, 2a 多孔板 21 貫通孔 3 反射ミラー 3a プリズム 3b、3c 反射部材 4、4a、4b、4c 光源ユニット 41 筐体 5,5a LCD 51,57 偏光板(フィルム) 52,56 基板 53,55 電極 54 液晶層 6 感光フィルム 7 フィルムパック 71 フィルムケース 72 切り欠き 73 露光済みフィルムの取出口 74 フィルムパックのケースの縁(段付き部)の高さ 8 本体ケース 81 ローラ対 82 取出口 83 押圧ピン 9 移動機構 9a モータ 9b 無端ベルト 9c、9d プーリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青崎 耕 埼玉県朝霞市泉水3丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 平木 靖人 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】その画像表示面を透過した透過光によって
    前記画像表示面に表示画像を形成する透過型の画像表示
    手段と、 前記画像表示手段の前記画像表示面に平行に光を射出す
    る線状光源と、 この線状光源からの射出光を略平行光とする平行光生成
    素子と、 この平行光生成素子からの略平行光を前記画像表示面に
    対して略垂直に透過させるように反射する反射手段と、 前記線状光源、前記平行光生成素子および前記反射手段
    を、前記画像表示手段に対して相対的に、かつ前記画像
    表示面に平行に、移動させて、感光性記録媒体に走査露
    光を行う移動手段とを備え、 前記画像表示手段の前記画像表示面を透過した前記透過
    光を用いて前記感光性記録媒体を露光することにより、
    前記画像表示面の前記表示画像を転写することを特徴と
    する画像転写装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007033677A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Fuji Xerox Co Ltd 光書込装置
CN112147115A (zh) * 2020-08-31 2020-12-29 中国科学院苏州生物医学工程技术研究所 一种荧光采集装置及核酸检测装置

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