JP2004170922A - 転写装置 - Google Patents

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Atsushi Uejima
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Abstract

【課題】装置構成を簡便にし、かつ透過型の画像表示装置のR、G、B各単色の色純度を向上させ、その表示画面を感光性記録媒体に転写する際、色再現性に優れ、特にグレイの色調をきちんと出すことができ、高品質の画像が転写されたプリントを得ることができる転写装置を提供する。
【解決手段】透過型の画像表示装置で用いられる赤、緑、および青のカラーフィルタの分光透過率曲線が互いに重なる領域における最大透過率を所定値よりも小さくする、もしくは感光性記録媒体の赤、緑、青のうち少なくとも2つの各分光感度が重なる領域に、所定の大きさ以上の発光ピークが存在しないように光源を構成する、もしくは画像表示装置を通過してくる光の波長及び光量のいずれか一方または両方を制御して、感光性記録媒体に記録されるグレイの色調を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デジタルスチルカメラ(DSC)、ビデオカメラまたはパソコン(パーソナルコンピュータ)等によりデジタル記録された画像を液晶表示デバイス(以下、LCDという)等により構成される透過型の画像表示装置に表示し、表示された画像を用いて、光により発色するインスタント写真フィルム等の感光性記録媒体に転写(画像形成)する転写装置に関する。
従来より、デジタル記録された画像を記録媒体に転写もしくは印写、または記録する方法として、点状印字ヘッドを有するインクジェット方式、レーザ記録方式または感熱記録方式等の種々の方式が知られている。
上記インクジェット方式等の印字方式は、印字に時間がかかり、インクが詰まり易く、精密な印字を行うと印字した紙がインクにより湿ってしまうなどの問題点がある。また、レーザ記録方式はレンズなどの高価な光学部品が必要であるため、機器のコストが嵩むという問題点がある。また、レーザ記録方式または感熱記録方式は消費電力が大きく、携帯には不向きであるという問題点がある。
このように、上記記録方式による転写装置においては、一般的なことであるが、特に、インクジェット方式では精密な印字にすればするほど、駆動機構および制御機構が複雑になり、装置も大型かつ高価なものになる。さらに、印刷にも時間がかかってしまうという問題点があった。
これに対して、LCDを用いて表示画像をインスタントフィルム等の感光性記録媒体に形成することにより、装置構造を簡略化し、コストを低減した転写装置が提案されている。(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1に開示された電子プリンタ(転写装置)は液晶ディスプレイの表示画面を光感応性媒体にコピーして写真品質のハードコピーを生成することができるものである。一方、特許文献2に開示された印写装置は、レンズなどの高価な光学部品を用いたり、適当な長さの焦点距離を確保することを不要として、従来の転写装置に比べ、より一層の小型軽量化、低消費電力化および低コスト化を可能にするというものである。
図22(a)は特許文献2に開示された印写装置を示す側面図、図22(b)は図22(a)のD部拡大図である。図22(a)に示すように、透過型のLCD300の表示面に感光フィルム400を密着させ、LCD300の感光フィルム400のある側とは反対側に設けた光源(バックライト100)を点灯する。すなわち、蛍光灯101を点灯してバックライト100を点灯することにより、このLCD300に表示される画像を感光フィルム400に印写するものである。図22(b)に示すように、LCD300は、表示面側の偏光板301、ガラス基板302、液晶層303、ガラス基板304およびバックライト100側の偏光板305により構成されており、偏光板301から偏光板305までの合計厚さが2.8mmである。
図23は、特許文献2の他の実施形態の印写装置を示す斜視図である。特許文献2の他の実施形態においては、図23に示すように、バックライト100とLCD300との間に格子200を設けることにより、バックライト100からの光の拡散を抑制するようにしている。すなわち、バックライト100からの光を平行光に近づけている。さらに、格子200とLCD300との間に矩形状の中空の筒からなるスペーサ201を設けることにより、格子200の枠組の形の像(枠組による影)が感光フィルム400に写り込むのを防止して、光学部品を設けたり、適当な長さの焦点距離を確保したりすることなしに、感光フィルム400上に形成される画像の鮮明度を実用上問題のない程度まで向上させたものが開示されている。
また、特許文献2には、図22(b)に示すように、LCD300の合計厚さが2.8mmであり、ドットサイズが0.5mmで表示されたLCD300の画面を感光フィルム400に印写する印写装置の例が示されている。LCD300から発した光の拡散を防ぐために、厚さが10mmで、貫通孔の大きさが5mm角である格子200を配し、この格子200とLCD300との間に長さが20mmのスペーサ201を配置し、さらにLCD300と感光フィルム400とを密着させて、画像のボケ(不鮮明化)を防止して、印写することが示されている。
また、簡単な構成で、小型軽量化、低消費電力化及び低コスト化を実現し、携帯型にもすることのできるようにした転写装置として、例えば、光源と、線状光化手段と、透過型の画像表示手段と、感光性記録媒体とを光源からの光の進行方向に沿って配置し、線状光化手段によって、光源からの光を線状略平行光として、画像表示手段の表示面に垂直に入射させ、線状略平行光によって画像表示手段を相対的に走査して、画像表示手段から通過した表示画像を感光性記録媒体に転写するようにした転写装置が知られている(例えば、特許文献3、特許文献4あるいは特許文献5等参照)。
特開平10−309829号公報 特開平11−242298号公報 特開2002−196424号公報 特開2002−196425号公報 特開2002−196426号公報
しかしながら、特許文献1に開示された転写装置は、液晶ディスプレイの表示画面を光感応性媒体にコピーするために、液晶ディスプレイの表示画面と光感応性媒体との間に、ロッドレンズアレイなどの光学部品を用いるものであり、光学部材が高価であるという問題点がある。また、液晶ディスプレイと光感応性媒体との間に所定の間隔(総共役長)が必要であり、装置の小型化にも限界がある。特許文献1においては、例えば、総共役長が15.1mm必要である。
また、特許文献2に開示された印写装置は、LCDと感光フィルムとを密着させて印写することにより画像を得ているが、この場合にも、例えば、いくつかの色が混じってしまい、中々正確な色を再現することができず、感光フィルムに転写された画像の画質が劣化するという問題点がある。これは、以下に示す理由によるものである。
すなわち、まず通常カラーLCDは、人が見て、美しく、明るくあるようにという目的のため、カラーLCDに使用される赤(以下、Rという)、緑(以下、Gという)、および青(以下、Bという)の各色のカラーフィルタは、透過率が高く、かつ透過波長領域が広く作られている。
図5は、縦軸に透過率をとり、横軸に波長をとって、R、G、およびBの各色のカラーフィルタの分光透過率曲線を示すグラフである。図5に示す各色のカラーフィルタの分光透過率曲線R1 ,G1 ,B1 は、LCDのカラーフィルタの一例を示すものである。例えば、図5に示すように、LCDの各色のカラーフィルタは、各色のカラーフィルタとも透過波長領域が広く作られているため、波長が600nm付近では、R光とG光の透過領域が重なっており、また、波長が500nm付近では、B光とG光の透過領域が重なっており、それぞれの重なった領域では各両方の色の光が透過してしまう。
また、LCDのバックライト光源として用いられる冷陰極管も、光量を多くするため、なるべく発光領域の幅の広い蛍光物質が使われている。さらに、人の目に明るく見えるようにするため、G光を強くしてあるのが一般的である。
図24は、縦軸に光強度をとり、横軸に波長をとって、LCDのバックライト光源のスペクトル波形を示すグラフである。図24に示す光源のスペクトル波形は、いわゆる三波長型の冷陰極管のスペクトル波形である。図24に示すように、波長550nm付近のG光を最も大きなピークとして、更に、波長580nmや波長490nm付近にも大きなピークを有している。
また、画像が転写される感光フィルムも、それぞれR光、G光およびB光により発色する範囲は、R光、G光およびB光それぞれの光の波長でかなりのピークを有してはいるが、R光とG光とで発色する境界、およびG光とB光とで発色する境界において重なりを有している。
例えば、感光フィルムの例として、富士写真フイルム社製インスタントフィルム「チェキ」の分光感度分布を図25に示す。図25は、縦軸に感度をとり、横軸に波長をとって、感光フィルムのR光、G光、およびB光における分光感度特性を示すグラフである。図25に示すように、「チェキ」の場合でも、R光とG光との境界570〜600nm、及びG光とB光の境界480〜510nmにおいて、わずかではあるが重なっている。
従って、この境界領域(混色領域)の波長の光(580nm付近および480nm付近のピークの光)は、R光とG光とで発色する境界(混色領域)においては、感光フィルムでは、RとGとの両方が発色し、またG光とB光とで発色する境界(混色領域)においては、GとBとの両方が発色してしまう。その結果、得られた画像において、混色が生じてしまい画質が劣化する。
上述の如く、光源がR光、G光およびB光の全ての光を含んでいる場合について説明したが、LCDに表示される色がR、G、またはBの単色であり、各単色により感光フィルムが露光される場合にも、他の色が混じることを、以下、Gの場合を例にとって説明する。
LCDには、Gのみを表示する。それには、LCDのGのカラーフィルタのみのドットで光が透過でき、R及びBのカラーフィルタのドットは、光が透過しないようにする。このように、LCDにGのみを表示した状態で、図24に示したような三波長型冷陰極管を必要な時間点灯させる。なお、このとき、三波長型冷陰極管からは、発光できるすべての波長の光が出ている。この光は、LCDのGのカラーフィルタを透過して、感光フィルムに達する。従って、感光フィルムに到達できる光は、LCDのGのカラーフィルタの光の波長に対して、Gのカラーフィルタの透過率を乗じたものとなる。
図26は、縦軸に光強度をとり、横軸に波長をとって、LCDのGのカラーフィルタを透過した光の分光強度特性を示すグラフである。図26に示すように、Gのカラーフィルタ透過後の光の強度分布は、440〜480nm位まで、だらだらとしたB領域の透過光があり、さらに、490nm付近に小さい山(ピーク)の透過光がある。また、Rの方向(長波長側)では、580nm付近に山、さらに、610nm付近に小さい山の透過光がある。このうち、特に、490nmの透過光は、フィルムのB領域の光が出ていることになる。
その結果、光源として図24に示すような分光波長特性を有する光源を用いてLCDにGの色を表示させて、感光フィルムを露光しても、感光フィルムに転写された画像の色は、殆どGの色に近い色ではあるが、Bの色も少し混じった色となってしまう。
図28に、以上のようにして感光フィルムを露光した結果を示す。図28は、横軸に階調、縦軸に濃度をとって、R、G、B各色の発色の様子を示したものである。図28では、縦軸の濃度は下へ行く程濃度が小さく、つまり明るくなって、よく発色していることを示す。図28に示すように、Gだけでなく、Bのグラフも下へ降り、Bも少し発色している。例えば、階調120において、Gの濃度が1.0程度である場合に、Bの濃度が1.74と、Gに対しBが少し混じっていることがわかる。
また、前記インスタントフィルム等の感光性記録媒体は、通常は、その分光感度特性を、昼光やストロボ光に合わせてあるのが普通であり、液晶ディスプレイの光源である冷陰極管の光源スペクトルに前記感光性記録媒体の分光感度特性が合わないため、グレイの色調がきちんと出ないという問題がある。また、液晶ディスプレイにグレイを表示させても、液晶ディスプレイに使われているカラーフィルタの特性により、感光性記録媒体の分光感度特性と更に合わなくなり、例えば感光性記録媒体に形成された画像が青っぽくなってしまう。
また、グレイは基本的には、光源の光のR、G、B成分が均等に混じり合えばグレイ(黒〜白)になるのであるが、上述したように感光性記録媒体の分光感度特性が光源スペクトルとは合っていないため、感光性記録媒体の分光感度特性の違いにより、例えば光源を調整する等して、液晶ディスプレイを通過してくる光を制御する必要がある。
このように、従来の転写装置においては、どうしても混色が生じ、適正な色の画像を得ることができず、画質が低下するという問題点がある。このため、単に、LCDに表示された画像を転写するのみでなく、色の再現性を向上させて、高画質な画像を得ることが望まれている。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、装置構成を簡便にし、かつ透過型の画像表示装置のR、G、B各単色の色純度を向上させ、その表示画面を感光性記録媒体に転写する際、色再現性に優れ、特にグレイの色調をきちんと出すことができ、高品質の画像が転写されたプリントを得ることができる転写装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、光源と、液晶層をその両側から基板で挟持する構造の透過型の画像表示装置と、感光性記録媒体とを、前記画像表示装置の画像表示面と前記感光性記録媒体の記録面とを対向させて前記光源の光の進行方向に沿って直列に配置し、前記透過型の画像表示装置から通過した表示画像を前記感光性記録媒体の前記記録面に転写する転写装置であって、前記透過型の画像表示装置には、赤、緑、および青のカラーフィルタが設けられており、前記各カラーフィルタの分光透過率曲線が互いに重なる領域における最大透過率を所定値よりも小さくしたことを特徴とする転写装置を提供するものである。
ここで、前記各カラーフィルタは、そのピークの透過率を所定値よりも低くするのが好ましい。また、前記各カラーフィルタは、前記各カラーフィルタの分光透過率曲線のうち少なくとも2つが重なる領域の波長の透過率を所定値より下げる物質を含有するのが好ましい。
また、前記光源と前記画像表示素子との間に配置されており、複数の貫通孔が開孔され、前記光源からの光を略平行光として前記画像表示装置に入射させる略平行光生成素子を備えるのが好ましい。
また、前記略平行光生成素子は、前記画像表示装置の画像表示領域全面に設けられているのが好ましい。もしくは、前記略平行光生成素子は、前記画像表示装置の画像表示領域の一辺に沿って設けられており、前記画像表示装置の画像表示領域の一辺と直交する辺に沿って前記略平行光生成素子を移動させる移動手段と、前記略平行光生成素子の移動方向の前後に設けられ、前記略平行光生成素子の貫通孔以外からの光を遮光する遮光マスクとを備えるのが好ましい。
また、本発明は、光源と、透過型の画像表示装置と、感光性記録媒体とを、前記光源の光の進行方向に沿って直列に配置し、前記透過型の画像表示装置から通過した表示画像を直接あるいは画像投影手段を介して前記感光性記録媒体に転写する転写装置であって、前記感光性記録媒体の赤、緑、青のうち少なくとも2つの各分光感度が重なる領域に、所定の大きさ以上の発光ピークが存在しないように前記光源を構成したことを特徴とする転写装置を提供する。
ここで、前記光源は、前記感光性記録媒体の赤、緑、青のうち少なくとも2つの各分光感度が重なる領域において、当該光源から照射される赤光、緑光、青光のうちの1つだけが発光するように構成されているのが好ましい。もしくは、前記光源は、前記感光性記録媒体の赤、緑、青のうち少なくとも2つの各分光感度が重なる領域以外の領域にのみ当該光源の光が存在するように構成されているのが好ましい。
また、本発明は、光源と、透過型の画像表示装置と、感光性記録媒体とを、前記光源の光の進行方向に沿って直列に配置し、前記透過型の画像表示装置から通過した光により前記感光性記録媒体を露光することにより、前記画像表示装置の表示画像を前記感光性記録媒体に転写する転写装置であって、前記画像表示装置を通過してくる光の波長及び光量のいずれか一方または両方を制御することにより、前記感光性記録媒体に記録されるグレイの色調を制御する手段を備えることを特徴とする転写装置を提供する。
ここで、前記画像表示装置のカラーフィルタの透過特性を変えることによって、当該画像表示装置を通過してくる光の波長及び光量のいずれか一方または両方の制御を行う手段を備えるのが好ましい。
また、前記光源と前記感光性記録媒体との間の位置に配置され、前記光源からの所定波長帯域の光を吸収することによって、前記画像表示装置を通過してくる光の波長及び光量のいずれか一方または両方の制御を行う吸収フィルタを備えるのが好ましい。また、前記吸収フィルタは、ダイクロイックミラーであるのが好ましい。
また、前記画像表示装置を通過してくる光の強度あるいは前記感光性記録媒体を露光する露光時間を制御することによって、前記光量の制御を行う手段を備えるのが好ましい。
また、前記画像表示装置に表示される画像の画像データを変更することによって、前記画像表示装置を通過してくる光の強度の制御を行う手段を備えるのが好ましい。
また、前記光源は、赤、緑、青の光を個別に点灯制御可能なものであり、当該光源の赤、緑、青の光の各点灯時間を制御することによって、前記感光性記録媒体を露光する露光時間の制御を行う手段を備えるのが好ましい。もしくは、前記光源は、白色光を照射するものであり、当該光源の光路上に赤、緑、青のカラーフィルタを配置し、このカラーフィルタの赤、緑、青を切り換える時間を制御することによって、前記感光性記録媒体を露光する露光時間の制御を行う手段を備えるのが好ましい。
本発明によれば、画像表示装置に表示された画像を感光性記録媒体に転写する際に混色を防止することができ、赤、緑、青の各単色の純色を出すことができる。このため、色再現性に優れた画像を得ることができ、特にグレイの色調をきちんと出すことが可能となり、高品位な画質を有する仕上がりプリントを得ることができる。また、本発明においては、簡単な構成で、真に小型軽量化、低消費電力化および低コスト化を可能にする転写装置を実現することが可能である。さらに、本発明によれば、高い画素密度の高精細画面を持つ液晶ディスプレイの使用を可能として、より鮮明度の高い高精細な転写画像まで、混色が少ない転写画像を得ることができる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の転写装置を詳細に説明する。
まず、本発明の第1の態様の転写装置について説明する。
図1は、本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置を示す模式的側断面図であり、図2は、本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の要部を示す模式的断面図である。なお、図2において、フィルムケース51は省略している。
図1および図2に示すように、本実施形態の転写装置は、光源となるバックライトユニット1と、略平行光生成用の多孔板2と、デジタル記録された画像を表示する液晶表示デバイス(以下、LCDという)3と、取り付け取り外し自在なフィルムケース51に複数枚の感光性記録媒体である感光フィルム4を収納しているフィルムパック5と、LCD3のバックライトユニット1、多孔板2、LCD3およびフィルムパック5を内包する本体ケース6とから構成される。なお、LCD3は本発明における画像表示装置に対応するものである。フィルムケース51は感光フィルム4の長手方向の一方の側面に取出口53が設けられている。また、フィルムケース51のLCD3と対向する面に開口部54が形成されている。
ここで、多孔板2と、LCD3と、感光フィルム4とは、バックライトユニット1からの光の進行方向に沿って直列に配置されている。LCD3の画像表示面3a(表示画面)と感光フィルム4の感光面4aとは非接触状態で対向して配置されていることが好ましいが、本願発明にいう所の色純度という点では、接触(密着)状態でも構わない。LCD3を通過した表示画像で感光フィルム4を短時間で露光でき、バックライトユニット1から必要とされる画像鮮鋭度に対して十分な強度の平行光を射出することができれば、多孔板2を配置しなくても良い。また、LCD画像をレンズ等の投影手段を介して転写し、多孔板2をなくしても良い。LCD3とフィルムケース51とはその周縁部が密着している。
光源となるバックライトユニット1は、LCD3の背後からその全面に均一な光を照射するためのもので、LCD3の画像表示面3aと略同一の光射出面(発光面)を持つ面状光源であって、冷陰極線管等の棒状ランプ11と、棒状ランプ11から射出された光を所定方向に導入する導光板(図示せず)、導光板に導入された光を略直交する方向に反射させる反射シート(図示せず)および反射シートで反射された光を均一化する拡散シート(図示せず)およびプリズムシート等を有するバックライトアセンブリとからなる。
本実施形態に用いられるバックライトユニット1は、特に限定されるものではなく、棒状ランプ11が発光する光を、導光板、反射シート、拡散シートおよびプリズムシートなどからなるバックライトアセンブリを用いて均一に拡散させるようにした面状光源であればよく、従来公知のLCD用バックライトユニットを用いることができる。また、本実施形態に用いられるバックライトユニット1は、所要の光強度の光を射出できる面状光源であれば、LEDアレイ光源、有機ELパネルまたは無機ELパネル等を用いる光源なども利用可能である。
図3(a)は本実施形態の転写装置に使用される多孔板の一部を拡大して示す正面図、(b)は本実施形態の転写装置に使用される多孔板の第1の変形例を示す正面図、(c)は本実施形態の転写装置に使用される多孔板の第2の変形例を示す正面図である。本実施形態に用いられる多孔板2は、必要に応じて、バックライトユニット1とLCD3との間に配置されて、バックライトユニット1からの光を略平行光(平行光を含む)にし、LCD3に入射する光をなるべく平行にするための略平行光生成素子であって、所定厚さの矩形板に所定の形状およびサイズの貫通孔21を所定ピッチで多数設けたものである。図3(a)に示すように、本実施形態においては、正三角形の頂点の位置に貫通孔21の中心が配置されるようにして千鳥状に貫通孔21が複数形成されている。各貫通孔21は縁部間の距離が0.1mmである。
また、貫通孔21のサイズは、特に限定されるものではないが、多孔板2の貫通孔21の直径(円の場合)または相当直径(楕円または多角形等の場合)は、5mm以下とすることが好ましく、この多孔板2の厚さが貫通孔2の直径または相当直径の3倍以上であることが好ましい。なお、上述の相当直径とは、「4×面積/総辺長(または全周長)」で表わされる長さのことである。多孔板2の貫通孔21の直径または相当直径を5mm以下とし、この多孔板2の厚さが貫通孔21の直径または相当直径の3倍以上とするのは、これらの条件が、多孔板2によって平行光を得るために有効な条件であるからである。特に、多孔板2の厚さが貫通孔21の直径または相当直径に対して5倍以上、さらに好ましくは7倍〜25倍とするのがよい。
また、多孔板2に設ける貫通孔21の形状は、特に限定されるものではなく、例えば円筒形、楕円筒形または多角筒形などにすることができる。すなわち、貫通孔21の平面形状は、特に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形または多角形等にすることができるが、製作を容易にするために、円形または多角形とすることが好ましい。また、貫通孔21は、多孔板2の厚さ方向には、平行な貫通孔であることが好ましいが、略平行であると見なせるものであれば良い。
なお、本実施形態において用いられる略平行光生成素子としては、同様の機能を有するものであれば、特に限定されるものではなく、図3(a)に示す多孔板2に限定されるものではない。この場合、例えば、図3(b)に示す4角形格子21a、図3(c)に示す6角形格子21b等を用いることができる。しかし、製作が容易な点も考慮して、例えば、図3(a)に示されるような多孔板2とすることが好ましい。
また、本実施形態においては、多孔板2とLCD3との間隔は、好ましくは、0.05mm〜10mmとし、より好ましくは0.1mm〜5mmとすることが良い。これは、多孔板2に代表される略平行光生成素子の貫通孔21のパターンが拡散光による「影」の形で現われるのを防止するためである。なお、ここで設定している上記間隔は、上述の「影」を防止するとともに、転写画像の鮮明度が低下しないための条件でもある。
ここで、多孔板2の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば所定の厚さを有するアルミニウム板等の金属板、樹脂板またはカーボン材料板等を用いることができる。なお、多孔板2の厚さも、特に限定されるものではなく、要求される転写画像の鮮明度に応じて、または、LCD3の画像表示面3aまたは感光フィルム4の感光面4aの大きさに合わせて、適宜選択すれば良い。また、多孔板2の製作方法としては、多孔シートを積層する方法または樹脂によるモールド(成形)方法などが実用的であるが、加工が可能であれば、特に限定されるものではなく、機械的に孔加工する方法等を含め、どのような加工法を用いても良い。
また、多孔板2に設ける複数の貫通孔21の配列形状および配列ピッチは、貫通孔21が均一に配置されるものであれば、どのようなものでも良い。例えば、貫通孔21の配列形状は、碁盤目状または千鳥状(最密状)であって良く、好ましくは千鳥状が良い。また、例えば、特許文献2に示すような多数の貫通孔を格子状に形成した格子のようなものでもよいし、あるいは特許文献3に記載されているような、長手方向に沿って1列(または複数列)に配列された多数の貫通孔を有し、所定厚みを持ち、幅が狭く細長い柱状の多孔板を、バックライトの長手方向に、その移動方向前後を遮光しながら移動させるように構成されたもの等でもよい。また、貫通孔21の配列ピッチは、なるべく細かい方が良く、貫通孔21と貫通孔21との間(貫通孔21の縁部間の距離)は、0.05〜0.5mmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3mmが良い。
また、貫通孔21の内面を含めて、多孔板2の全表面に対して反射防止膜を設けることが好ましい。反射防止膜としては、その反射率が所定値以下であれば、特に限定されるものではないが、例えば、黒色メッキ膜、黒色化処理膜または黒色塗装被膜などを挙げることができる。本発明においては、反射率は、2%以下であることが好ましい。これは、反射率が2%以下であれば、バックライトユニット1から入射した、平行光以外の散乱光を効率良く吸収でき、バックライトユニット1から略平行光(平行光を含む)のみを効率良く射出させて、LCD3に入射させることができるからである。なお、反射率は、例えば、(株)島津製作所製MPC3100型分光反射率測定機を用い、波長550nmで測定することができる。
LCD3は、デジタル記録された画像を表示するための透過型の画像表示装置であって、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラまたはパーソナルコンピュータなどのデジタル画像データ供給部に接続され、供給されるデジタル画像データに応じて表示画像を透過像として表示するものである。なお、LCD3に接続されているデジタルカメラ等のデジタル画像データ供給部では、予め用意されている画像の内から、任意の画像を選択して供給できるように構成されている。なお、LCD3に供給されるデジタル画像データとしては、上述の場合の他、スキャナ等によって透過原稿または反射原稿から読み取られたものであっても良い。また、LCD3は、透過像として画像を表示できれば、どのようなものでも良く、デジタル画像データではなくても、通常のビデオカメラで撮影された画像のアナログ画像データに基いて画像を表示するものであっても良い。
なお、このLCD3と、多孔板2との間には、所定の間隙を設けているが、この間隙は、上述したように、好ましくは0.05mm〜10mmであり、より好ましくは0.1mm〜5mmである。しかし、任意の寸法に調整可能に構成されていることが好ましい。
図4は本実施形態の転写装置に使用される透過型の液晶表示素子の構造を示す断面図である。LCD3は、図4に示すように、感光フィルム4の側から多孔板2側(バックライトユニット1側)に向かって、フィルム状偏光板(以下、偏光フィルムともいう)31と、ガラス基板32と、電極33と、液晶層34と、電極35と、ガラス基板36と、フィルム状偏光板37とを積層し、液晶層34をその両側からガラス基板32、36および偏光板31、37で挟持する構造を有するものである。ガラス基板32と電極33との間にはR、GおよびBの各色のカラーフィルタ38が設けられている。カラーフィルタ38は、R、G、およびBの各色のカラーフィルタ38R、38G、38B、およびブラックマトリックス39によって構成されている。周知のように、LCD3は、この他、配向膜(図示せず)等を有しているのはいうまでもない。ここで、例えば、TFT型LCDの場合、電極33は、共通電極であり、電極35は、表示電極およびゲート電極等である。なお、ガラス基板32および36の代りに樹脂基板等を用いてもよい。
本実施形態のLCD3においては、R、G、およびBの各色のカラーフィルタ38R、38G、38Bの分光透過率曲線が相互に重なる領域における透過率の最大値が所定値よりも小さいものを用いる。これにより、3原色(R、G、およびB)の各色との混色が減少し、LCD3の各色の色純度が向上し、高品位なプリントを得ることができる。
以下、各色のカラーフィルタ38R、38G、38Bの分光透過率曲線が相互に重なる領域における透過率の最大値を所定値よりも小さくすることについて、具体的に説明する。
図5に、縦軸に透過率をとり、横軸に波長をとって、R、G、およびBの各色のカラーフィルタの分光透過率を示す。図5に示す分光透過率曲線R1 ,G1 ,B1 は、LCDのカラーフィルタの一例を示すものである。例えば、図5に示すように、LCDのカラーフィルタは、いずれのカラーフィルタとも透過波長領域が広く作られているため、波長が600nm付近では、R光とG光の透過領域が重なっており、また、波長500nm付近では、B光とG光の透過領域が重なっており、それぞれの領域では各両方の光が透過してしまう。この場合、分光透過率曲線B1と分光透過率曲線G1 とが重なる領域における透過率の最大値は、約55%であり、分光透過率曲線R1 と分光透過率曲線G1とが重なる領域における透過率の最大値は、約40%である。
本態様は、分光透過率曲線R1 ,G1 ,B1 が相互に重なる領域における透過率の最大値を所定値よりも小さくするものであり、具体的には、この透過率の最大値を50%以下とするものである。また、この透過率の最大値は、30%以下とすることが好ましく、更に好ましくは、透過率の最大値は20%以下であることが望ましい。なお、理想的には、この相互に重なる領域における透過率の最大値は0%である。このように、分光透過率曲線R1,G1 ,B1 が相互に重なる領域における透過率の最大値を50%以下に規制することにより、LCDから射出される各色の色純度が向上するので、高品位の画像を有する仕上がりプリントを得ることができる。
また、各色のカラーフィルタの分光透過特性は、感光材料の分光感度特性にも依存する。このため、感光材料の分光感度特性に合わせてLCD3のカラーフィルタの分光透過率特性を調整する必要がある。図25に示す感光材料において、B光およびG光の分光感度曲線が重なる波長域は、460〜510nmであり、R光およびG光の分光感度曲線が重なる波長域は、570〜600nmである。この場合、LCD3のカラーフィルタは、460〜510nmおよび570〜600nmの波長域における透過率を低くする必要がある。
本実施形態においては、各色のカラーフィルタの濃度を高くすることにより、各色のカラーフィルタの透過率を全波長域において小さくする。これにより、分光透過率曲線が重なる領域における透過率の最大値も下がる。従って、各色のカラーフィルタの分光透過率特性を変更することなく、各色のカラーフィルタの分光透過率曲線が重なる領域における透過率の最大値を所定値よりも小さくすることができる。例えば、図5に示すように、分光透過特性が分光透過率曲線R1 ,G1 ,B1 で示される各色のカラーフィルタの濃度をそれぞれ2倍にすることにより、全波長域における透過率が半分になる。この場合、各色のカラーフィルタの分光透過特性は、それぞれ分光透過率曲線R2,G2 ,B2 のように示される。
濃度を2倍にすることにより、BのカラーフィルタとGのカラーフィルタとが重なる領域における透過率の最大値を約55%から約30%とすることができ、一方、GのカラーフィルタとRのカラーフィルタとが重なる領域における透過率の最大値を約40%から約20%とすることができる。このように、本実施形態においては、カラーフィルタの濃度を2倍にすることにより、分光透過率曲線R2 ,G2 ,B2 が相互に重なる領域における透過率の最大値を30%以下にすることができる。
棒状ランプ11に、例えば、図24に示す分光強度特性を有するものを用いて、例えば、図25に示す分光感度特性を有する感光フィルム4に露光した場合、Rの濃度は0.46であり、Gの濃度は0.37であり、Bの濃度は0.32であった。また、さらにLCD3のカラーフィルタに、例えば、図5に示す分光透過率特性を有するものを用いて、LCD3にグレーを表示させて、感光フィルム4を露光した場合、感光フィルム4に形成されたグレーのRの濃度は0.91であり、Gの濃度は0.58であり、Bの濃度は0.39であった。このようにして得られたグレーは、3原色(R、G、B)のバランスが崩れており、青味が非常に強いグレーであった。この場合、Bのカラーフィルタの透過率を一番大きく下げ、次に、Gのカラーフィルタの透過率を下げることにより、R、GおよびBの混色を下げるとともに、グレーの色味を調整することが好ましい。
また、図4に示すように、LCD3の構造は、後述する感光フィルム4の側の偏光フィルム31およびガラス基板32の合計厚さを除いて、画像表示が可能であれば、従来公知の液晶表示モードを持ち、従来公知の駆動方式のLCDを用いることができる。例えば液晶表示モードとしては、TNモード、STNモード、CSHモード、FLCおよびOCBモードなどの偏光板を用いる液晶表示モードを挙げることができる。駆動方式としては、TFT型およびダイオード型などのアクティブマトリックス駆動方式の他、XYのストライプ電極からなるダイレクトマトリックス駆動方式等を挙げることもできる。
また、LCD3のサイズは、特に限定されるものではなく、どのようなサイズでも良く、感光フィルムのサイズに合わせて適宜選択すれば良い。また、LCD3のRGB各画素のドットサイズも、特に限定されるものではないが、より鮮明な高画質の写真画像を得るためには、各画素の少なくとも短辺側の大きさは、0.2mm以下であることが好ましい。これは、各画素の少なくとも短辺側の大きさが0.2mm以下では、より鮮明な転写画像を得ることができるからである。
なお、LCD3の画素数または画素密度も、特に限定されるものではないが、高精細・高鮮明度の高画質画像を転写して得るためには、近年市販されているRGB各画素のドットサイズが小さい高精細画面を持つLCDを用いることが好ましい。このようなLCDとしては、例えば、UXGA(10.4インチ、1200×1600画素)またはXGA(6.3および4インチ、1024×768画素)などのTFT型LCDを挙げることができる。
本実施形態に用いられるLCD3においては、少なくとも、感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた合計厚さtは、できるだけ薄いことが良く、1.0mm以下が好ましい。さらに好ましくは0.8mm以下、さらにより好ましくは0.6mm以下とすることが良い。
なお、より一層好ましくは、バックライトユニット1(多孔板2)側の基板36と偏光フィルム37とを合わせた合計厚さは、薄い方が良く、1.0mm以下が好ましい。さらに好ましくは0.8mm以下であり、さらにより好ましくは0.6mm以下とすることが良い。また、合計厚さの下限値も、特に限定されるものではないが、例えばガラス基板32では、それ自体の厚さを薄くするのは0.5mm程度が限界と考えられることから、0.5mm以上としても良い。なお、この合計厚さは、これらに限定されることはなく、上記条件を実現するための構成として、ガラス基板の代りに、樹脂基板の使用を考慮することも有効であり、これにより0.5mm程度の合計厚さの下限値をさらに小さくすることができる。
以下、本実施形態において、感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた合計厚さtを1.0mm以下とする理由について説明する。
この合計厚さの条件は、バックライトユニット1からLCD3までの区間での光の拡散を抑えることに相当する。LCD3と感光フィルム4とを、厳密には、LCD3の画像表示面3aと感光フィルム4の感光面4aとを非接触状態にしても、より鮮明な転写画像を得られるという結果に通じるものである。
すなわち、本態様に係る転写装置においては、LCD3の画像表示面3aと感光フィルム4の感光面4aとを、所定の間隔だけ離間させて、非接触状態にしている。この非接触状態にするという条件は、簡単な構成で、実用性を上げ、実際に取り扱い易い転写装置とするためには必要な条件である。しかし、LCD3の画像表示面3aと感光フィルム4の感光面4aとの間での光の拡散を助長し、鮮明な転写画像を得るという点からはむしろマイナス要因である。
このため、本発明においては、後述するように、上記非接触状態によるマイナス分(光の拡散の増大分)を、LCD3のカラーフィルタの分光特性を調整し、LCDから射出される光の分光特性を制御することによってLCD3から射出される光の色純度を上げることにより補い、更に画質を向上させる。さらに、上述の合計厚さの条件、および多孔板2の厚さの貫通孔21の直径または相当直径との比を3倍以上とすることによるプラス分(光の拡散の抑制分)でカバーする。
ところで、上述したように、図22(a)および(b)に示す特許文献2に開示された従来の印写装置においては、厚さが約2.8mmのLCD300が用いられている。図22(b)に示すように、LCD300は、2枚の偏光板301、305、2枚の基板302、304およびこれらに挟まれる液晶層303から構成されている。特許文献2には開示されていないが、一般に、液晶層そのものの厚さは0.005mm程度(カラーTFT液晶ディスプレイ:p207、共立出版発行参照)とされているため、片側の基板301(305)と偏光板302(304)とを合わせた厚さは、1.3mm〜1.4mm程度と考えられる。
ここで、光の拡散度合いは距離に比例するため、上述の厚さ1.3mm〜1.4mmが1/2になれば、拡散度合いも1/2になり、従来技術の項で述べた「片側について、約0.09mm拡大される」という値もその1/2、つまり0.04mm〜0.05mm程度に減少すると推察される。しかしながら、この程度の拡散度合いでは、従来技術の項で述べたように、最新のUXGAまたはXGAなどのような微細なドットサイズを有するLCDにおいて、隣接するドットの重なり合いが生じる。
すなわち、拡散度合いを0.04mm〜0.05mm程度に減少させただけでは、ドットの重なり合いが生じ、これに起因する色の滲みが発生して、不鮮明な画像しか得ることができない。しかし、本願発明者らは特開2002−196426号公報に記載したように、LCD3の片側の少なくとも感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた厚みを1.0mm以下とすることにより、UXGAまたはXGAなどのような微細なドットサイズを有するLCDにおいても、ドットの重なり合いに起因する色の滲みが解消して、鮮明な転写画像が得られることを知見している。さらに、上述したように、カラーフィルタの分光特性を調整することにより、混色を防止する。このため、露光焼付に必要な色の光の成分だけを感光フィルム4に入射させることができる。これらのことから、LCD3と感光フィルム4との間隔が等しいものに比べて、UXGAまたはXGAなどのような微細なドットサイズを有するLCD3においても、色の滲みがさらに一層解消されて鮮明な転写画像が得られる。
本実施形態においては、フィルムケース51は、その内部に複数枚の感光フィルム4が収納され、感光フィルム4の感光面4aが、所定の間隙(好ましくは0.01mm〜3mm)を隔てて、LCD3の画像表示面3aに対向して配置されるように構成されている。本実施形態においては、フィルムケース51は、本体ケース6内に取り付けられ、1セット(パック)の複数枚の感光フィルム4を装填するものであっても、取り付け取り外し自在なフィルムケース51に複数枚の感光フィルム4を収納しているフィルムパック5をそのまま本体ケース6に装填するものであっても良い。しかし、フィルムケース51ごとフィルムパック5、すなわち、複数枚の感光フィルム4を収納しているフィルムケース51自体を装填できるように構成しておくことが好ましい。
感光フィルム4は、本発明の感光性記録媒体として用いられるものである。本発明の感光性記録媒体としては、LCD3の透過表示画像の露光焼付により、可視ポジ画像を形成できるものであればどのようなものでも良く、特に限定されるものではないが、例えば、いわゆるインスタント写真フィルムが好ましい。このような感光性記録媒体として用いられる感光フィルム4としては、モノシートタイプのインスタント写真用フィルム「インスタックスミニ」または「インスタックス」(共に富士写真フイルム(株)製)を挙げることができる。このようなインスタント写真フィルムは、フィルムケースに所定数のフィルムをしたいわゆるフィルムパックとして市販されている。
従って、本発明においては、感光フィルム4の感光面4aとLCD3の画像表示面3aとの間隙が、後述する条件を満足するように配置できれば、図1に示すように、フィルムパック5をそのまま本体ケース6に装填することもできる。
また、本実施形態においては、フィルムパック5を使用する場合には、例えば、感光フィルム4の画像形成領域よりもフィルムケース51の開口部54の開口領域を大きくする。もちろん、LCD3の外形で規定される領域はLCD3の画像表示領域よりも大きい。本実施形態においては、LCDの画像表示領域は感光フィルム4の画像形成領域と同じであることが好ましい。この場合、各部のサイズの大小関係は、感光フィルム4の画像形成領域よりもフィルムケース51の開口部54の開口領域の方が大きい。通常、LCD3の外形で規定される領域がフィルムケース51の開口部54の開口領域よりも大きい。しかし、フィルムケース51の開口部54の開口領域がLCD3の外形で規定される領域よりも大きいことが非常に好ましい。
図6は本実施形態の転写装置に使用されるフィルムパック5の一例の構造を示す斜視図である。図6に示すような構造を有するフィルムパック5には、そのフィルムケース51の一端部に感光フィルム4を、フィルムパック5(のフィルムケース51)から取り出すためのクロー部材(爪)が進入可能な切り欠き52が設けられている。露光の終了した感光フィルム4は、上記クロー部材によりフィルムパック5のフィルムケース51の取出口53から取り出され、搬送機構(図示せず)により、処理工程に送られる。
なお、本実施形態における処理工程とは、上記感光フィルム4の一端に予め設けられている処理液(現像液)チューブ(図示せず)を押し破って、現像液を感光フィルム4内全面に均一に行きわたらせることであり、感光フィルム4のフィルムパック5からの取り出し・搬送と実質的に同時に行われるものである。処理工程を経た感光フィルム4は、本体ケース6の取出口62(図1参照)から装置外部に送り出される。
周知のように、この種のインスタント写真用フィルムは、上述の処理工程を経た後、数十秒ほどで完全な画像を形成し、観賞に供することが可能になる。従って、本発明の転写装置では、上述の処理工程を施すまでが、必要とされる機能となる。1枚の感光フィルム(フィルムシート)が送り出された後には、次の感光フィルムが現われ、次の露光(転写)が可能な準備状態が実現される。
なお、上述した、このフィルムパックの取り扱い方法については、先に本出願人の出願に係る特開平4−194832号公報に開示されたインスタント写真用フィルムを用いるインスタントカメラを参照することができる。
ところで、本態様の転写装置においては、前述したように、実際に取り扱い易い装置とするために必要な条件から、LCD3と感光フィルム4とを非接触状態で、厳密には、LCD3の画像表示面3aと感光フィルム4の感光面4aとを非接触状態で、所定の間隔だけ離間させるようにしている。本態様に係る転写装置においては、図2に示すように、LCD3の画像表示面3aと感光フィルム4の感光面4aとの間の離間間隔は、0.01mm〜3mmであることが好ましく、より好ましくは0.1mm〜3mmであることが良い。
LCD3と感光フィルム4とを離間させることは、上述したように、鮮明な転写画像を得るという点からはむしろマイナス要因ではあるが、感光フィルム4の搬送を容易にし、実際に取り扱い易い装置とするためには必要な条件である。これによるマイナス分は、LCD3の感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた合計厚さtを規制することによって、LCD表面3aから射出される光の拡散を抑制するというプラス要因でカバーできるからである。さらに、多孔板2の貫通孔21の直径または相当直径に対する比を3倍以上とすることによる光拡散の抑制というプラスの要因でもカバーできる。
本実施形態の転写装置においては、LCD3に表示された画像のサイズは、感光フィルム4に転写される画像のサイズと実質的に同一とすることが好ましい。これは、本実施形態においては、レンズ系を用いた拡大または縮小を行うことなく、直接転写方式とすることで、装置の小型化および軽量化などを実現することができるからである。
本体ケース6は、上述の本実施形態の各構成要素、すなわちバックライトユニット1、多孔板2、LCD3、フィルムパック5(またはフィルムケース51)および露光済みフィルムの送り出し兼処理液展開ローラ対61等を内部に収納するケースである。本体ケース6においては、露光済みフィルムの送り出し兼処理液展開ローラ対61は、装填されたフィルムパック5(またはフィルムケース51)の露光済フィルムの取出口53に臨む位置に取り付けられている。また、本体ケース6には、このローラ対61を臨む位置に、露光済みの感光フィルム4の本体ケース6からの取出口62が開口されている。また、本体ケース6には、露光済みフィルムパック5の裏側の開口から挿入されて、感光フィルム4をフィルムケース51の前縁に、すなわち、LCD3側に付勢するためのバックアップ用押圧ピン63が設けられている。
なお、図示はしていないが、本実施形態の転写装置はローラ対61を駆動するための駆動源(モータ)、またはこれを駆動したりバックライトユニット1の棒状光源11を点灯するための電源、これらを制御するための電装品、LCD3に画像を表示させるためにデジタル画像データ供給部からデジタル画像データを受信しLCD表示用画像データに変換するデータ処理装置、および制御装置などを有しているのはもちろんである。本実施形態に係る転写装置は、基本的に以上のように構成される。
本実施形態においては、LCD3にデジタル画像データ供給部から供給された画像を表示する。次いで棒状ランプ11を点灯して多孔板2を経て略平行光をLCD3の画像表示面3aに垂直に入射させる。そして、LCD3に表示された画像が感光フィルム4に露光焼付けされる。これにより、感光フィルム4に転写画像が形成される。
本実施形態の転写装置においては、LCD3の各色のカラーフィルタの分光透過率特性を調整し、各色のカラーフィルタの分光透過率曲線が重なる領域における透過率の最大値を所定値よりも小さくしている。これにより、LCD3から射出される3原色の混色を低下させることができ、3原色の色純度が高くなり、色再現性が優れる。従って、高品位な画質を有する仕上がりプリントを得ることができる。
次に、本発明の第1態様の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態と比較して、カラーフィルタの構成が異なり、それ以外の構成は、第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、本実施形態においては、転写装置の図示は省略する。本実施形態におけるカラーフィルタは、分光透過率曲線における重なる領域を小さくする方法として、第1実施形態に示すように、カラーフィルタの濃度を高くするのではなく、カラーフィルタが相互に重なる波長域の光を吸収する物質を添加したものである。
本実施形態において、相互に重なる波長域の光を吸収する物質を添加する方法としては、例えば、RおよびGのカラーフィルタには、イエローのカラーフィルタとなる物質を添加し、Bのカラーフィルタには、バイオレットのカラーフィルタとなる物質を添加することが考えられる。このようにして所定の物質を添加することにより、透過させる波長域以外の波長域の光を、拡散させるか、または吸収するなどして、重なる領域の波長の光の透過率の最大値を所定値よりも小さくする。
このように、分光透過率曲線の重なる部分における透過率を所定値よりも小さくすることにより、この領域における透過率の最大値を所定値よりも小さくすることができ、混色を少なくすることができる。
図7は、縦軸に透過率をとり、横軸に波長をとって、Bのカラーフィルタ分光透過特性、およびこのBのカラーフィルタに添加されるカラーフィルタの分光透過特性を示すグラフである。なお、図7に示すBのカラーフィルタの分光透過率曲線B1 は、図5に示す分光透過率曲線B1 と同じである。
例えば、図7に示すように、Bのカラーフィルタに、分光透過率曲線Pで示される分光透過特性を有するカラーフィルタの成分を添加することにより、波長が500〜550nmの領域における透過率が低下する。分光透過率曲線Pにおいては、波長が530nm以下で透過率が高いが、透過率は上記成分の添加割合が掛け算になるため、Bのカラーフィルタにおける緑(G)以上での透過光量の絶対量は小さくなる。
図5に示すように、Bのカラーフィルタにおいて、波長が500〜550nmの領域は、Gのカラーフィルタと重なる領域である。このため、Bのカラーフィルタにおいて、波長が500〜550nmの波長域の透過率の最大値を所定値よりも小さくすることにより、BおよびGのカラーフィルタの分光透過率曲線の重なる領域が小さくなるとともに、この領域における透過率の最大値が小さくなる。これにより、LCDから発光する各色の混色を減らすことができ、色純度が向上する。このような調整をGのカラーフィルタ、およびRのカラーフィルタについても行えばよい。
本実施形態の転写装置においても、第1実施形態と同様に、LCD3の各色のカラーフィルタの分光透過率特性を調整し、各色のカラーフィルタの分光透過率曲線が重なる領域における透過率の最大値を所定値よりも小さくしている。このため、LCD3から射出される3原色の混色を低下させることができ、3原色の色純度を高くし、色再現性を向上させることができる。従って、高品位な画質を有する仕上がりプリントを得ることができる。
なお、上述の第1および第2の実施形態において、転写装置の構成は、特に限定されるものではない。例えば、以下に説明する構成の転写装置とすることもできる。
図8は本発明の第1実施形態に係る転写装置の第1の変形例を示す模式的断面図、図9は図8の転写装置の要部を示す模式的断面図である。なお、本変形例においては、図1乃至6に示す第1実施形態と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
本変形例は、第1実施形態と比較して、多孔板20が画像表示領域全面に設けられておらず、貫通孔22が1列形成された多孔板20であり、多孔板20を貫通孔22の配列方向と直交する方向Aに移動させる移動手段が設けられている点が異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本変形例において、多孔板20は、移動手段8によって、バックライトユニット1の射出面の上側をLCD3の一辺に沿って移動させることができる。この多孔板20の移動方向前後には、多孔板20の貫通孔22以外からの光を遮光するための遮光マスク(フィルム)7aおよび7bが配置されている。また、図8および図9においては、多孔板20とバックライトユニット1とは接触しているが、本変形例では、必ずしも接触している必要はない。なお、本変形例においても、第1および第2の実施形態のカラーフィルタを用いることは言うまでもない。
図10(a)は、本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第1の変形例に使用される多孔板を示す斜視図、(b)は、本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第1の変形例に使用される多孔板の他例を示す模式的断面図である。本変形例に用いられる多孔板20は、バックライトユニット1とLCD3との間に配置されてバックライトユニット1からの光を実質的に線状の平行光にし、LCD3に入射する光をなるべく平行にし、LCD3に垂直に入射させるための線状光化手段である。図10(a)に示すように、所定厚さの矩形板に所定のサイズの貫通孔22を1列所定ピッチで多数設けたものである。なお、貫通孔22は複数列設けてもよい。
図10(b)に示す多孔板20aは、1列に配置された貫通孔22の上に連続する凹み22aを設けて、この凹み22aにロッドレンズ23をセットしたものである。この多孔板20aにおいては、ロッドレンズ23の役目により、多孔板20aの貫通孔22から出射する光を、より平行光化することができる。
さらに、本発明においては、多孔板の代りに、帯状のスリット光を得ることができるスリットを持つスリット板を用いることもできる。しかし、スリットは、その長手方向の光の散乱を多孔板ほど低減できないので、スリット板よりも図10(a)に示す多孔板20および図10(b)に示す多孔板20aの方が好ましい。しかし、光源からの光の拡散成分が少ない場合、または鮮明度に対する要求が高くない場合には、スリット板を用いても良い。
なお、本発明において、線状光化手段とは、光源からの光を線状の実質的な平行光として透過型画像表示装置に直角に入射させる機能を有するものであり、この線状光化手段の移動方向(透過型LCD画面の走査方向)に直交する方向(長手方向)に所定長さを有する線状光を射出するものである。ここで、この線状光化手段としては、上述の機能を有するものであれば、どのようなものでも良いが、製作が容易な点も考慮して、図10(a)に示すように長手方向に沿って少なくとも1列に配列された多数の貫通孔22を有し、所定厚さを持ち幅が狭く細長い(狭幅細長の)、いわゆる「柱状の多孔板」とすることが好ましい。
また、本変形例においては、多孔板20とLCD3との間隔を、好ましくは、0.05mm〜10mmとし、より好ましくは0.1mm〜5mmとすることが良いが、任意の寸法に調整可能に構成されていることが好ましい。これは、柱状の多孔板20に代表される線状光化手段の貫通孔22のパターンが拡散光による「影」の形で現われるのを防止するためのものである。なお、本変形例において設定している上記間隔は、上述の「影」は防止できるが、転写画像の鮮明度は低下させない条件である。
また、多孔板20の材質としては、第1実施形態と同じものを使用することができる。さらに、多孔板20に設ける貫通孔22の形状も、第1実施形態と同じものにすることができる。
図11(a)乃至(d)は、本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第1の変形例に使用される多孔板の貫通孔の配置を示す正面図であって、(a)は貫通孔が3列形成されているものであり、(b)は貫通孔が1列形成されているものであり、(c)は貫通孔が4列形成されているものであり、(d)は貫通孔が2列形成されているものである。また、複数の貫通孔22を2列以上に配列するときの貫通孔の列の数および配列形状は、特に限定されるものではない。例えば、配列形状は、碁盤目状、千鳥状(最密状)であることが好ましく、より好ましくは千鳥状が良い。また、配列数は、例えば、1列乃至数列であってもよいが、複数列のうち、特に千鳥状に配列する場合には、偶数列が良い。この理由は、図11(a)に示すように、3列、すなわち奇数列配列の貫通孔22を持つ多孔板20の場合、α行およびγ行では第1および3列の2個の貫通孔22からの光がLCD3を照明するので明るい。しかし、β行およびδ行では第2列の1個の貫通孔22からの光しかLCD3を照明しないので暗い。このため、β行およびδ行では暗いスジができる。
また、多孔板20に設ける複数の貫通孔22の配列ピッチp(図10(a)参照)は、貫通孔22が均一に配置され、LCD3の表示画像を鮮明に感光フィルム4に転写できれば、どのようなピッチでも良く、貫通孔22のサイズなどに応じて適宜設定すれば良い。例えば、配列ピッチpは、なるべく細かい方が良い。
なお、本変形例においては、貫通孔22と貫通孔22との間隔dは、特に限定されるものではないが、配列ピッチpおよび貫通孔22のサイズより重要である。その理由は、この貫通孔22間の間隔dを大きくすると、上述の貫通孔22のパターンが拡散光による「影」を消すために、多孔板20とLCD3との間の距離を離す必要が出てくるからである。従って、この貫通孔22間の間隔dは、例えば、長手方向(配列方向)における間隔yに換算して、1mm以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5mm以下で、さらに好ましくは、0.2mm以下であることが良い。なお、貫通孔22間の間隔dの下限値は、特に限定されるものではない。しかし、製作上の容易性を考慮すると、間隔dの下限値は、0.05mm程度以上であることが好ましい。
なお、長手方向における間隔に換算した貫通孔22間の間隔dとは、図11(b)に示すように多孔板20における貫通孔22の配列が1列である場合、または図11(c)に示すように複数列(図示例では4列)でも最密状である場合には、最も近接する貫通孔22間の間隔dのことであり、図11(d)に示すように複数列(図示例では2列)でも千鳥状である場合には、長手方向に直交する方向から投影した時に最も近接する貫通孔22間の長手方向の間隔yのことである。なお、図11(d)に示すような千鳥状である場合の長手方向と直交する方向の間隔xは、上記間隔yよりも自由度が大きく、例えば、2mm以下が好ましく、より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下であることが良い。このように、本変形例の転写装置に用いられる多孔板20においては、上記間隔xおよびyを同じ位にする必要がなく、例えば、y=0.2mmであっても、x=0.5mmまたは1mmとしても良いので、製作上の制限が緩和され、製作が容易となるという重要な特徴を有する。
この多孔板20の厚さt1 (図10(a)参照)は、前述した第1実施形態と同様、貫通孔22の直径または相当直径の3倍以上であることが好ましい、より好ましくは5倍以上、さらにより好ましくは7倍以上であることが好ましい。
また、多孔板20の全表面のうち、少なくとも貫通孔22の内面を低反射率面で構成することが好ましく、より好ましくは、多孔板20の全表面を低反射率面で構成することが良い。ここで、低反射率面とは、例えば、黒色化された面または粗面化された面等のように、入射する光の反射率を低下させている面のことをいう。黒色化面を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、多孔板20を構成する素材自体が黒色のものを用いる方法、または表面を黒色化処理する方法が挙げられる。なお、黒色素材としては、例えば、カーボンブラック粉末を1%以上(好ましくは3%以上)含有する材料またはカーボン粉末を固めた材料などが挙げられる。黒色化処理の例としては、例えば、塗装または化学的処理(メッキ、酸化または電解など)が挙げられる。一方、粗面化処理に関しても、特に限定されるものではないが、例えば、穴を加工する際に同時に粗面化する方法、サンドブラストなどの機械的処理方法またはエッチングなどの化学的処理による方法等の後加工により粗面化する方法などを任意に用いることが可能である。この場合、粗面化の程度としては、例えば、中心線平均粗さで1μm〜20μm程度が有効な範囲である。
なお、本変形例においては、多孔板20の少なくとも貫通孔22の内面の反射率は、より好ましくは、多孔板20の全表面を構成する低反射率面の反射率は、2%以下が好ましく、より好ましくは1%以下が良い。これは、反射率が2%以下であれば、バックライトユニット1から入射した、平行光以外の散乱光を効率良く吸収でき、バックライトユニット1から略平行光(平行光を含む)のみを効率良く射出させて、LCD3に入射させることができるからである。なお、反射率は、例えば、(株)島津製作所製MPC3100型分光反射率測定機を用い、波長550nmで測定することができる。
上述したように、多孔板20は、光源であるバックライトユニット1と、LCD3との間に位置し、図8および図9中の左右方向(バックライトユニット1の長手方向)に沿って、その移動方向前後に配置される遮光マスク7aおよび7bと共に移動可能に構成されている。この多孔板20の移動は、面状光源であるバックライトユニット1からの光を、多孔板20の貫通孔22以外からの光を遮光すると共に、線状に区切って線状光として順次LCD3に送るために行われるものである。
なお、この多孔板20を移動させるための移動手段8は、図中バックライトユニット1の右端側に配置されるモータ8aと、モータ8aに取り付けれるプーリ8cと、図中バックライトユニット1の左端側に配置されるプーリ8cと、これらのプーリ8c、8cに張架される、多孔板20の長手方向の端部が取り付けられる無端ベルト8bとを有する。なお、この移動手段8としては、無端ベルト8bおよびこれを張架するプーリ8c、8cからなるセットを、多孔板20の長手方向の両端側にそれぞれ取り付け、両無端ベルト8b(一端側のみ図示)を同期させて連続駆動することが好ましい。
また、移動手段8による多孔板20の移動速度は、光源であるバックライトユニット1の明るさ、多孔板20の貫通孔22の大きさ(直径または相当直径)またはピッチなどにより異なるが、毎秒数mm〜数百mm程度にすることが好ましい。
なお、本変形例に用いられる移動手段8は、上述のように多孔板20の長手方向の端部を無端ベルト8bに取り付け、この無端ベルト8bを駆動するという方式のみに限定されるものではなく、トラベリングナットに多孔板20を固定し、トラベリングナットと螺合するドライブスクリュを駆動する方式、またはワイヤの一端に多孔板20を固定し、ワイヤを巻き取る方式など、従来公知の移動方法であれば、どのような方法を用いても良い。
本変形例の転写装置においても、本発明に係るカラーフィルタを用いることにより、LCD3から射出される3原色の混色を低下させることができ、3原色の色純度が高く、色再現性が優れる。このため、高品位な画質を有する仕上がりプリントを得ることができる。
なお、本変形例の転写装置においても、上述したように、実際に取り扱い易い装置とするために必要な条件から、LCD3と感光フィルム4とを非接触状態で、厳密には、LCD3の画像表示面3aと感光フィルム4の感光面4aとを非接触状態で、所定の間隔だけ離間させる。本変形例では、鮮明な転写画像を得るという点おいて、これによって生じる光拡散の増大というマイナス要因を、多孔板20の貫通孔22の直径または相当直径に対する比を3倍以上とすることによる光拡散の抑制、加えて、LCD3の感光フィルム4側の基板32と偏光フィルム31とを合わせた合計厚さtを規制することによる光拡散の抑制というプラス要因でカバーすることができる。これにより、LCD3と感光フィルム4とを所定の間隔だけ離間させても、鮮明な転写画像を得ることができる。
次に、本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第2の変形例について説明する。図12は、本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第2の変形例を示す模式的断面図である。なお、本変形例においては、図8乃至図11に示す第1実施形態に係る転写装置の第1の変形例と同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
本変形例は、第1の変形例と比較して、光源および移動手段が異なり、それ以外の構成は第1の変形例と同様である。すなわち、第1の変形例に係る転写装置は、面状光源であるバックライトユニット1を用い、線状光化手段である多孔板20を用いて線状略平行光を生成するものであった。しかし、本変形例は、図12に示すように、線状光源11aである棒状ランプとして、例えば、直管冷陰極管を用いる。なお、本変形例においても、第1および第2の実施形態のカラーフィルタを用いることは言うまでもない。
図12に示す本変形例の転写装置は、線状光源11aと多孔板20とが結合され、線状略平行光生成ユニット1aとして一体化されており、遮光マスク7aおよび7bが備えられていない点が、第1の変形例の転写装置と異なり、それ以外は同じ構成である。
図12に示す転写装置において、線状略平行光生成ユニット1aは、棒状ランプ(例えば、直管冷陰極管)からなる線状光源11aと、線状光化手段としての柱状の多孔板20とを結合して一体化されたユニットとしたもので、線状光源11aからの光を線状の実質的な平行光として透過型のLCD3に直角に入射させる機能を有するものであり、この線状略平行光生成ユニット1aと透過型LCD3との相対的な移動方向(透過型LCD3の画像表示面3aの走査方向)に直交する方向(長手方向)に幅を有する線状光を射出するものである。
本変形例においては、固定されている透過型のLCD3に対して、線状略平行光生成ユニット1a側が移動するものである。なお、本変形例においては、これに限定されるものではなく、固定されている線状略平行光生成ユニット1aに対して、感光フィルム4と一体化されたLCD3側が移動するものとしてもよい。この場合、感光フィルム4の2枚分のスペースが必要となるので、装置構成をコンパクトにできる線状略平行光生成ユニット1a側が移動する方が好ましい。
線状略平行光生成ユニット1aに用いられる線状光源11aは、冷陰極線管等の棒状ランプと、拡散フィルムまたはリフレクタ等の反射板などを有し、棒状ランプからの光を拡散フィルムまたは反射板などを用いて均一に拡散させるようにしたものであるが、本変形例はこれに限定されず、帯状の光が得られれば、どのようなものでも良く、例えば、棒状の光源、細長い有機ELパネルまたは無機ELパネル等を組み合せて所定長の光源等とスリット板とを用いて帯状のスリット光とするものであっても良い。また、LED等を列状に配置して列状の点状光を得るものであっても良い。後者の場合には、LEDと多孔板20の貫通孔22との位置を合わせることが好ましい。
なお、本変形例において、線状略平行光生成ユニット1aに用いられる線状光化手段は、図10(a)および(b)に示す多孔板20および20aを用いることができるのはもちろん、図8に示す第2の変形例の転写装置に適用できるものは、全て適用可能である。
また、本変形例においては、図12に示すように、線状光源1と多孔板20とを一体化した線状略平行光生成ユニット1a自体を移動手段8の無端ベルト8bに取り付けるものであり、線状光化手段(多孔板20)を移動手段8の無端ベルト8bに取り付ける図8に示す第2の変形例の場合とは異なるが、移動手段8の機能および作用ならびに移動手段8による線状光化手段(多孔板)の機能および作用は同様であるのはいうまでもない。
図12に示す本変形例の転写装置では、図8に示す第1の変形例の転写装置と同様に、移動手段8による線状略平行光生成ユニット1aの移動により、線状略平行光生成ユニット1aからの線状の光を順次LCD3に照射して、LCD3上に表示されている画像を走査露光により照明する。この場合でも、混色が少ない、高品位な仕上がりプリントを得ることができる。なお、図12に示す本変形例の転写装置では、図8に示す第1の変形例に係る転写装置に比べ、光源のサイズを小さくできるので、装置構成をさらに小型化できる。
図13は、本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第3の変形例を示す模式図である。なお、図13においては、線状略平行光生成ユニット1a、感光フィルム4およびLCD3のみ示し、他の構成については図示していない。本変形例においては、線状略平行光生成ユニット1aが移動する方向Aと貫通孔22の軸方向とが平行になるように、線状略平行光生成ユニット1aが配置されている。多孔板20の出射側の端面にミラー24が、多孔板20からの出射光をLCD3に入射させるように、方向Aに対して45°の角度で配置されている。本変形例の構成とすれば、第2の変形例と同様の効果を得ることができるとともに、第2の変形例のものよりもさらに小型化することができる。なお、本変形例においても、第1および第2の実施形態のカラーフィルタを用いるものとする。
上述のいずれの実施形態および第1乃至第3の変形例においても、略平行光生成素子として多孔板を使用したが、これに限定されるものではなく、例えばセルフォックレンズなどを使用しても良い。
次に、本発明の第2の態様の転写装置について説明する。
本態様の転写装置は、基本的に、第1の態様の転写装置と同様の構成のものであり、カラー画像表示装置のR、G、Bの各単色の色純度を向上させ、カラー画像表示装置から感光フィルムに転写した画像において、混色が生じないようにして、色の再現性を向上させるものである。そのために、本態様の実施形態では、LCD3の光源の棒状ランプ11のR、G、Bそれぞれの発光スペクトルが混じり合わないようにしたものである。
ここで、R、G、Bそれぞれの発光スペクトルが混じり合わないというのは、例えば、図27にその分光感度分布を示すような、感光フィルム4(例えば、富士写真フイルム社製インスタントフィルム「チェキ」)の混色領域(例えばR/G;570〜600nm、G/B;480〜510nm)の付近における発光を少なくすることである。すなわち、この混色領域に所定以上の大きさの発光のピークを有するような光源では、この混色領域における発光のピークが混色を発生させてしまう。結局、少なくとも混色領域にはその両方の発色層(R及びG、あるいはG及びB)を発色させてしまうような大きさの発光ピークを有さないようにすることが必要である。
そこで、本実施形態においては、棒状ランプ11の蛍光物質を変えて、図14に示すようなスペクトル波形を有するような光源とした。図14に示すように、本実施形態で用いる光源では、R、G、Bの主発光ピークを100nm以上離すようにした。そして、混色領域には、その両方の発色層を発色させるようなある程度の大きさ以上の発光ピークは存在しないようにした。
これに対し、図24に示す従来の光源では、RとGの最大発光ピークの差は、100nm以上あるが、Gの最大ピークである550nmと、480nm付近に存在するピークとの差は、70nmしかない。また、それぞれ610nmと550nmであるRとGの最大発光ピークの差も60nm程度しかない。これでは、主発光ピークのすその部分が感光性記録媒体の分光感度の混り合う領域に発光してしまう。
また、本実施形態では、LCD3として、カシオ社製3.5inch、24万画素のLCDを用い、感光フィルム4としては、富士写真フイルム社製インスタントフィルム「チェキ」を用いた。そして、前述した従来の例と同様にして、LCD3をGの光のみで表示して、感光フィルム4として上記「チェキ」に画像の転写を行った。
図15に、Gフィルタ透過後の分光分布を示す。図15からわかるように、480nm〜490nmの青の発光ピーク、及びそれ以下の波長の発光も極く少なくなっている。なお、赤(R)の領域においても、図24に示す従来例に比べて発光が少なくなっている。
図16に、上記条件の下で「チェキ」に画像を転写した結果を示す。図16は、従来の場合の図28と同様に、横軸に階調、縦軸に濃度を表したものであり、横軸は右へ行くほど階調が大きくなり(明るい画像表示)、縦軸は下へ行くほど濃度が小さく(つまり明るく)なる。図16に示すように、本実施形態の場合、Gのグラフは、階調が大きくなるに従って下へ降り、Gはよく発色しているのに対し、RやBのグラフは略平行で、発色は少ないことがわかる。
このように、図16を図28と比較するとわかるように、従来の図28ではBのグラフが下方にあり、Bが少し発色しているのに対し、本実施形態の図16ではB(及びR)は、濃度2以上のところにのみあり、Bの発光は少なくなっている。すなわち、本実施形態の場合、LCD3のGの発色を「チェキ」に再現した色はGの純色に近づいていることがわかる。
このように、本実施形態では、Gの純色をちきんと出すことができ、これはRやBについても同様であり、R、G、B各単色の純色を得ることができる。従って、本実施形態に示すように、光源の棒状ランプの発光スペクトルが混じり合わないように蛍光物質を選択して光源を構成し、この光源を用いた転写方法を用いることにより、これらR、G、B各単色の純色を出すことができ、他の任意の色はこれを合成することにより出すことが可能となり、転写画像の色再現性を向上させることができる。
また、このようにピーク波長を、例えば100nm以上、離すようにしたため、純色を出すために必要のない色をカットするフィルタを製作し易くなり、またフィルタを構成する層の数を少なくすることができ、安価にフィルタを製作することができる。
また、本発明の光源としては、上で説明したように棒状ランプに限定されるものではなく、LEDを用いてもよい。すなわち、LEDのR、G、B光源を混ぜて白色光源とした場合にも、R、G、Bの発光が混ざらないように、その発光のピークを離すことにより同様の効果を得ることができる。このような場合、カラーLCDを使用せず、白黒LCDを使い、Rの画像を出してLEDRを発光させ、次いでG、Bを順次重ねて露光して、カラー画像とする場合でも、同様に高画質の画像を得ることができることを意味している。
また、本発明を別の角度から見た場合、より混色が起きないようにするには、以下のように考えてもよいことが分かる。例えば、図17に示すように、感光性記録媒体のR、G、Bの分光感度に対して、図17に符号Dで示す重なり領域以外の、感光性記録媒体の混色の生じないような領域にのみ、光源の光(B光、G光、R光)が存在する場合が最も良い。ここで、光源の光とは、バックライトの光にカラーLCDの透過率を乗じて得られた光、あるいは、白黒パネルの場合には、光源そのものの光を言う。
また、次に良い場合は、感光性記録媒体のRGBの分光感度の重なっている領域に、重なっている光の片方だけが発光を持っている場合であり、またその発光量が所定の割合以下の場合である。例えば、図18に示すように、Gの光(G光)は、BとG及びGとRのそれぞれの重なり領域Dに発光を持っているが、Rの光(R光)はGの領域(RとGの重なり領域D)には発光を持たず、またBの光(B光)もGの領域(BとGの重なり領域D)に発光を持たないような場合である。この場合は、緑(G)の色に赤(R)や青(B)の色が混じるが、赤や青には純色が保たれる。
さらに、次に良い場合は、分光感度の重なる領域(図17あるいは図18に示す重なり領域D)に、B光、G光、R光の発光が、ある一定程度以下の割合で存在する場合である。このとき、この一定程度の発光量あるいは、前述した分光感度の重なる領域に重なる光の片方のみが発光を持っている場合の所定の発光量が、どの程度であればよいかを、以下説明する。
感光性記録媒体が光を受けて明るくなるのは、各波長の光の強さとその波長における分光感度の積の総和によると考えられる。すなわち、各波長の光の強度をI0 、各波長の分光感度をG0 とすると、画像の明るさAは、次の式(1)のように表される。ただし、∝は比例することを表す。
A∝(I0 ×G0 ) ・・・(1)
例えば、青(B)を例にとると、青(B)の画像の明るさAB は、次の式(2)のように表すことができる。
B ∝Σ(IB ×GB ) ・・・(2)
例えば、前述した分光感度の重なり領域に片方の光のみが発光を有する場合の例を考え、I及びGはともに、370あるいは380nmから510nmとする。これに対して、分光感度の重なり領域に発光を有しているということは、感光材料は緑(G)の発色をも有することになる。このGの発色による明るさAG は、次の式(3)のように表される。
G ∝Σ(IG ×GG ) ・・・(3)
ここで、I及びGはともに、480nmからBの光がG領域まで発光している波長までである。
このとき、上記式(2)によって計算されるAB の中における、上記式(3)によって計算されるAG の割合が一定割合より少なければよい。この割合は、多くても50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは15%以下であり、さらに最も好ましくは、10%以下であると考えられる。以上の考え方により、分光感度の重なる領域に発光のピークが存在する場合、あるいは当該領域に発光のピークはないものの、発光のすそのが引いている場合には、その所定の大きさを判断するようにすればよい。
次に、本発明の第3の態様の転写装置について説明する。
本態様の転写装置は、基本的に、第1の態様の転写装置と同様の構成のものであり、カラー画像表示装置(LCD3)に表示された画像を感光性記録媒体(感光フィルム4)に転写する際、グレイの色をきちんと出すようにするものである。本態様の実施形態では、そのためにまず前提として、LCD3の光源の棒状ランプ11のR、G、Bのそれぞれの発光スペクトルが混じり合わないようにして、LCD3のR、G、Bの各単色の色純度を向上させ、感光フィルム4に転写した画像において、混色が生じないようにする。
ここで、R、G、Bそれぞれの発光スペクトルが混じり合わないというのは、本発明の第2の態様の説明で述べた通りであるが、理想的には、図17に示すように、感光フィルム4(「チェキ」)のR、G、Bの分光感度に対して、図17に符号Dで示す重なり領域以外の、感光フィルム4の混色の生じないような領域にのみ、光源の光(B光、G光、R光)が存在する場合が最も好ましい。
このように、混色領域(図17の符号Dで表される領域)に所定以上の大きさの発光ピークを有さないように、あるいは、混色領域以外の領域にのみ発光を有するようにする方法としては、例えば、光源の棒状ランプ11の蛍光物質を変えて(選択して)所定のスペクトル波形を得るようにする方法や、LEDのR、G、Bの光源を用いて白色光源とする場合に、R、G、Bの発光が混じらないように、その各発光ピークを離すようにする方法等が考えられる。
以下説明する本態様の各実施形態は、上に述べたようにR、G、Bの各単色の色純度を向上させることを前提として、感光フィルム4(「チェキ」)にグレイがきちんと表現されるように、グレイの色調をコントロールするものである。
まず、本態様の第1実施形態について説明する。
本実施形態は、LCD3のカラーフィルタ38のRGBの透過特性を変えることにより、感光フィルム4に再現される画像のグレイバランス調整を行うものである。なお、以下の各実施形態をも含めて、ここでいうグレイバランスとは、感光フィルム4(「チェキ」)に画像を転写したときの、転写画像におけるグレイバランスを意味する。従って、それは図25に示す感光フィルム4(「チェキ」)の分光感度特性、及び光源の分光分布特性に依存するものである。
本実施形態では、図4に示すLCD3を構成するカラーフィルタ38の透過特性を、光源であるバックライトユニット1の棒状ランプ11の分光分布特性及び感光フィルム4の分光感度特性に応じて変えるようにする。例えば、感光フィルム4に再現されたグレイが青みがかっている場合には、青の光が強いため、カラーフィルタ38の青(B)のカラーフィルタ38Bの濃度を高くして、青の光(B光)の透過特性を下げるようにして、グレイバランスの調整を行う。
LCD3のカラーフィルタ38を、このように、感光フィルム4及び棒状ランプ11の分光分布特性に応じてその透過特性を変更して設定し、感光フィルム4を収納したフィルムパック5を、本体ケース6にセットする。そして、バックライトユニット1を点灯し、LCD3に所定の画像を表示して、この画像を感光フィルム4に転写する。
感光フィルム4に画像を転写した後、フィルムケース51から、図示しないクロー部材によって露光済の感光フィルム4が取り出され、フィルム送り出し兼処理液展開ローラ対61によって感光フィルム4の一端に設けられている処理液チューブ(図示せず)が押し破られて、処理液を感光フィルム4全面に均一に行き渡らせ、現像を行う処理工程が行われる。このようにして、処理工程の施された感光フィルム4は、本体ケース6の取出口62から装置外部に送り出される。
本実施形態によれば、LCD3のカラーフィルタ38の透過特性を変更することにより、感光フィルム4に転写される画像のグレイバランスを調整するようにしたため、色再現性に優れた画像を得ることができる。
次に本態様の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、光源であるバックライトユニット1の棒状ランプ11の波長スペクトルあるいは強度を変えることにより、感光フィルム4に再現される画像のグレイバランス調整を行うものである。
例えば、感光フィルム4に再現されている画像において、グレイが青みがかっている場合、青の光が強いため、光源の波長を青が低い方向へ波長をずらすようにスペクトル波形を変えることにより、グレイバランスを調整する。このとき、前述した実施形態の前提として行われているR、G、Bの各単色の純色がきちんと出ている範囲内で、波長をずらすようにする。また、このような波長スペクトルの変更は、本実施形態のように光源が棒状ランプ11の場合には、その蛍光物質を変えたり、その混合割合を変えることによって行うことができる。
本実施形態は、このように光源の光のスペクトル波形を変えることにより、感光フィルム4に転写される画像のグレイバランスを調整するようにして、画像の転写をするものであり、光源の波形を調整する以外は、前述した第1実施形態と同様である。
次に本態様の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、前述した第1実施形態と同様に、強い光の成分をフィルタによって吸収して、その光の光量を落とすようにしたものであるが、本実施形態では、カラーフィルタ38はそのままで、これとは別に強い光の成分を吸収するフィルタ(吸収フィルタ)を、バックライトユニット1と感光フィルム4との間に挿入するようにしたものである。
吸収フィルタは、所定の波長帯域の光を吸収するものであり、これにより、グレイバランスを崩す原因となっている光を吸収することにより、グレイバランスを調整するものである。なお、このような強い光の波長帯域が複数の帯域に分散している場合には、吸収フィルタも1つだけでなく、各波長帯域に応じた吸収を有する複数の吸収フィルタを組み合わせて用いてもよい。
吸収フィルタは、所定の波長域の光を選択的に吸収する効果を有するものであれば特に限定はされない。例えば、吸収フィルタとして、ダイクロイックミラーを利用することもできる。ダイクロイックミラーは、光の干渉を利用して、特定波長の光のみを透過させるものである。
また、吸収フィルタを挿入する位置は、バックライトユニット1と感光フィルム4の間であれば、どこでもよく、多孔板2に取り付けても、LCD3に取り付けてもよく、特に限定はされない。本実施形態は、吸収フィルタにより強い光の透過特性を下げるようにしてグレイバランスを調整する点以外は、前記第1実施形態と同様である。
次に本態様の第4実施形態について説明する。
本実施形態は、いままで説明した実施形態のようにフィルタの透過特性を変えたり、光源のスペクトル波形を変えるものとは異なり、LCD3に表示される画像の画像データ(デジタル画像データ)を変更して、強い成分の光強度を下げるようにして、感光フィルム4に再現される画像のグレイバランスを調整しようというものである。
前述したように、LCD3に表示される画像は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラあるいはパーソナルコンピュータなどのデジタル画像データ供給部から供給される。このデジタル画像データを、データ処理装置においてLCD表示用画像データに変換するに際し、制御装置等で変更して、再現画像のグレイバランスに影響を与えるような強い光のデータについては、その強度を小さくして、グレイバランスを調整する。このようにして、光そのものではなく、LCD3に表示される画像データを変更することによっても、グレイバランスを調整することができる。
以上説明した実施形態は、フィルタの光透過特性を変更したり、光源のスペクトル波形を変更することによりグレイバランスを調整するものであったが、これから以後説明する実施形態は、画像露光時間を制御することにより、露光量を制御してグレイバランスを調整するものである。
次に、本態様の第5実施形態について説明する。
図19に、本実施形態の転写装置のバックライトユニット1の概略を示す。図19に示すように、本実施形態におけるバックライトユニット1は、導光板12と、これにR、G、Bの3色の光を導入する光源13とから構成され、光源13は、R、G、B各色光を個別に点灯、制御可能とされている。このとき、R、G、Bの各点灯時間をそれぞれ個別に制御することにより、グレイの色調を制御するようにしてもよいし、R、G、Bを一度に一定時間点灯し、R、G、Bでそれぞれ消灯するタイミングをずらすことにより、グレイに調整するようにしてもよい。
ここで、導光板12に導入する光を発光する光源13としては、特に限定はされず、例えば、R、G、Bをそれぞれ個別に点灯、制御可能なLED光源でもよい。また、点灯時間だけでなく、その発光強度も制御可能であってもよい。その場合には、R、G、Bの各点灯時間及び各光強度を組み合わせて露光量を制御することによりグレイバランスを調整することも可能である。なお、バックライトユニット1以外の構成については、前述した各実施形態におけるものと同様である。
次に、本態様の第6実施形態について説明する。
本実施形態は、上記第5実施形態のようにR、G、B各光を発光させるのではなく、発光は白色光で、R、G、Bのフィルタを切り換えることにより、R、G、Bの露光時間を制御するものである。図20に、本実施形態の転写装置のバックライトユニット1の概略を示す。図20に示すように、本実施形態におけるバックライトユニット1は、導光板12に対し、棒状ランプ14から射出された光を、反射板15により集めて導入するように構成され、さらに棒状ランプ14と導光板12との間にR、G、B3色からなるカラーフィルタ16が切り換え可能に設置されている。
カラーフィルタ16は、平面状にR、G、B3色のカラーフィルタを並べて構成したものであり、図に矢印Xで示すように、スライドさせて導光板12にR、G、Bの各色の光が導入されるようにするものである。このとき、矢印X方向にカラーフィルタ16をスライドさせて、R、G、Bを切り換える時間(各R、G、Bを点灯する時間)を個別に制御することにより、R、G、Bの各露光量を制御してグレイバランスを調整するようにする。カラーフィルタ16をスライドさせる移動手段は特に限定はされず、任意の公知の移動手段を用いることができる。
次に、本態様の第7実施形態について説明する。
本実施形態も前記第6実施形態と同様に、棒状ランプと導光板との間にカラーフィルタを配置して、このカラーフィルタを切り換えることにより、R、G、Bの各露光量を制御してグレイバランスを調整するものである。図21に、本実施形態の転写装置のバックライトユニット1の概略を示す。図21に示すように、本実施形態では、棒状ランプ14の周りに円形に(円筒状に)R、G、Bのカラーフィルタ17を配置して、図に矢印Yで示すように、棒状ランプ14の周りにカラーフィルタ17を回転させることにより、R、G、Bを切り換えるようにしている。このように、カラーフィルタ17を棒状ランプ14の周りに回転させてR、G、Bの各露光時間を制御して、前記第6実施形態と同様に、グレイバランスを調整することができる。
なお、以上説明した各実施形態は、それぞれ単独に実施するのみならず、そのいくつかを任意に組み合わせて実施することにより、グレイバランス調整においてより大きな効果をあげることができる。
以上、本発明の転写装置について、各態様の実施形態を例に挙げて詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置を示す模式的側断面図である。 本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の要部を示す模式的断面図である。 (a)は本発明の第1態様の第1実施形態の転写装置に使用される多孔板の一部を拡大して示す正面図、(b)は本発明の第1態様の第1実施形態の転写装置に使用される多孔板の第1の変形例を示す正面図、(c)は本発明の第1態様の第1実施形態の転写装置に使用される多孔板の第2の変形例を示す正面図である。 本発明の第1態様の第1実施形態の転写装置に使用される透過型の液晶表示素子の構造を示す断面図である。 縦軸に透過率をとり、横軸に波長をとって、R、G、およびBの各色のカラーフィルタの分光透過率曲線を示すグラフである。 本発明の第1態様の第1実施形態の転写装置に使用されるフィルムパック5の一例の構造を示す斜視図である。 縦軸に透過率をとり、横軸に波長をとって、Bのカラーフィルタ分光透過特性、およびこのBのカラーフィルタに添加されるカラーフィルタの分光透過特性を示すグラフである。 本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第1の変形例を示す模式的断面図である。 図8の転写装置の要部を示す模式的断面図である。 (a)は本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第1の変形例に使用される多孔板を示す斜視図、(b)は本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第1の変形例に使用される多孔板の他例を示す模式的断面図である。 (a)乃至(d)は本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第1の変形例に使用される多孔板の貫通孔の配置を示す正面図である。 本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第2の変形例を示す模式的断面図である。 本発明の第1態様の第1実施形態に係る転写装置の第3の変形例を示す模式図である。 本発明の第2の態様の実施形態で用いる光源の分光スペクトルを示す線図である。 本発明の第2の態様の実施形態において、Gフィルタ透過後の分光分布波形を示す線図である。 本発明の第2の態様の実施形態において、LCDにGを表示して転写した結果を示す線図である。 感光性記録媒体の分光感度分布に対する光源の発光強度の分布を示す線図である。 感光性記録媒体の分光感度分布に対する光源の発光強度の分布の他の例を示す線図である。 本発明の第3の態様の第5実施形態に係る転写装置のバックライトユニットの概略構成を示す概略斜視図である。 本発明の第3の態様の第6実施形態に係る転写装置のバックライトユニットの概略構成を示す側面図である。 本発明の第3の態様の第7実施形態に係る転写装置のバックライトユニットの概略構成を示す側面図である。 (a)は特許文献2に開示された印写装置を示す側面図、(b)は(a)のD部拡大図である。 特許文献2の他の実施形態の印写装置を示す斜視図である。 縦軸に光強度をとり、横軸に波長をとって、LCDのバックライト光源のスペクトル波形を示すグラフである。 縦軸に感度をとり、横軸に波長をとって、感光フィルムのR光、G光、およびB光における分光感度特性を示すグラフである。 縦軸に光強度をとり、横軸に波長をとって、LCDのGのカラーフィルタを透過した光の分光強度特性を示すグラフである。 LCDのカラーフィルタの分光透過率の一例を示す線図である。 従来の転写装置におけるG光表示による転写の結果を示す線図である。
符号の説明
1 バックライトユニット
1a 線状略平行光生成ユニット
11、14 棒状ランプ
11a 線状光源
12 導光板
13 光源
15 反射板
16、17 カラーフィルタ
2、20、20a 多孔板
21、22 貫通孔
21a 4角形格子
21b 6角形格子
22a 凹み
23 ロッドレンズ
24 ミラー
3 LCD
3a LCDの画像表示面
31、37 偏光板
32、36 基板
33、35 電極
34 液晶層
38、38R、38G、38B カラーフィルタ
39 ブラックマトリックス
4 感光フィルム
4a 感光フィルム4の感光面
5 フィルムパック
51 フィルムケース
52 切り欠き
53 露光済みフィルムの取出口
54 開口部
6 本体ケース
61 露光済みフィルムの送り出し兼処理液展開ローラ対
62 露光済みフィルムの取出口
63 バックアップ用押圧ピン
7a、7b 遮光マスク
8 移動手段
8a モータ
8b 無端ベルト
8c プーリ
1 、G1 、B1 、R2 、G2 、B2 分光透過率曲線

Claims (17)

  1. 光源と、液晶層をその両側から基板で挟持する構造の透過型の画像表示装置と、感光性記録媒体とを、前記画像表示装置の画像表示面と前記感光性記録媒体の記録面とを対向させて前記光源の光の進行方向に沿って直列に配置し、前記透過型の画像表示装置から通過した表示画像を前記感光性記録媒体の前記記録面に転写する転写装置であって、
    前記透過型の画像表示装置には、赤、緑、および青のカラーフィルタが設けられており、前記各カラーフィルタの分光透過率曲線が互いに重なる領域における最大透過率を所定値よりも小さくしたことを特徴とする転写装置。
  2. 前記各カラーフィルタは、そのピークの透過率を所定値よりも低くした請求項1に記載の転写装置。
  3. 前記各カラーフィルタは、前記各カラーフィルタの分光透過率曲線のうち少なくとも2つが重なる領域の波長の透過率を所定値より下げる物質を含有する請求項1または2に記載の転写装置。
  4. 前記光源と前記画像表示素子との間に配置されており、複数の貫通孔が開孔され、前記光源からの光を略平行光として前記画像表示装置に入射させる略平行光生成素子を備える請求項1〜3のいずれかに記載の転写装置。
  5. 前記略平行光生成素子は、前記画像表示装置の画像表示領域全面に設けられている請求項4に記載の転写装置。
  6. 前記略平行光生成素子は、前記画像表示装置の画像表示領域の一辺に沿って設けられており、前記画像表示装置の画像表示領域の一辺と直交する辺に沿って前記略平行光生成素子を移動させる移動手段と、前記略平行光生成素子の移動方向の前後に設けられ、前記略平行光生成素子の貫通孔以外からの光を遮光する遮光マスクとを備える請求項4に記載の転写装置。
  7. 光源と、透過型の画像表示装置と、感光性記録媒体とを、前記光源の光の進行方向に沿って直列に配置し、前記透過型の画像表示装置から通過した表示画像を直接あるいは画像投影手段を介して前記感光性記録媒体に転写する転写装置であって、
    前記感光性記録媒体の赤、緑、青のうち少なくとも2つの各分光感度が重なる領域に、所定の大きさ以上の発光ピークが存在しないように前記光源を構成したことを特徴とする転写装置。
  8. 前記光源は、前記感光性記録媒体の赤、緑、青のうち少なくとも2つの各分光感度が重なる領域において、当該光源から照射される赤光、緑光、青光のうちの1つだけが発光するように構成されている請求項7に記載の転写装置。
  9. 前記光源は、前記感光性記録媒体の赤、緑、青のうち少なくとも2つの各分光感度が重なる領域以外の領域にのみ当該光源の光が存在するように構成されている請求項7に記載の転写装置。
  10. 光源と、透過型の画像表示装置と、感光性記録媒体とを、前記光源の光の進行方向に沿って直列に配置し、前記透過型の画像表示装置から通過した光により前記感光性記録媒体を露光することにより、前記画像表示装置の表示画像を前記感光性記録媒体に転写する転写装置であって、
    前記画像表示装置を通過してくる光の波長及び光量のいずれか一方または両方を制御することにより、前記感光性記録媒体に記録されるグレイの色調を制御する手段を備えることを特徴とする転写装置。
  11. 前記画像表示装置のカラーフィルタの透過特性を変えることによって、当該画像表示装置を通過してくる光の波長及び光量のいずれか一方または両方の制御を行う手段を備える請求項10に記載の転写装置。
  12. 前記光源と前記感光性記録媒体との間の位置に配置され、前記光源からの所定波長帯域の光を吸収することによって、前記画像表示装置を通過してくる光の波長及び光量のいずれか一方または両方の制御を行う吸収フィルタを備える請求項10に記載の転写装置。
  13. 前記吸収フィルタは、ダイクロイックミラーである請求項12に記載の転写装置。
  14. 前記画像表示装置を通過してくる光の強度あるいは前記感光性記録媒体を露光する露光時間を制御することによって、前記光量の制御を行う手段を備える請求項10に記載の転写装置。
  15. 前記画像表示装置に表示される画像の画像データを変更することによって、前記画像表示装置を通過してくる光の強度の制御を行う手段を備える請求項14に記載の転写装置。
  16. 前記光源は、赤、緑、青の光を個別に点灯制御可能なものであり、当該光源の赤、緑、青の光の各点灯時間を制御することによって、前記感光性記録媒体を露光する露光時間の制御を行う手段を備える請求項14に記載の転写装置。
  17. 前記光源は、白色光を照射するものであり、当該光源の光路上に赤、緑、青のカラーフィルタを配置し、このカラーフィルタの赤、緑、青を切り換える時間を制御することによって、前記感光性記録媒体を露光する露光時間の制御を行う手段を備える請求項14に記載の転写装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008133279A1 (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Yoshikawa Kasei Co., Ltd. 光学部品、光学部品の製造方法、照明装置および家具
JP2010214775A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Fuji Xerox Co Ltd 露光ヘッド、カートリッジ及び画像形成装置

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