JP2002196425A - 転写装置 - Google Patents

転写装置

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JP2002196425A
JP2002196425A JP2001311326A JP2001311326A JP2002196425A JP 2002196425 A JP2002196425 A JP 2002196425A JP 2001311326 A JP2001311326 A JP 2001311326A JP 2001311326 A JP2001311326 A JP 2001311326A JP 2002196425 A JP2002196425 A JP 2002196425A
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直義 千野
Yasunori Tanaka
康則 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成で、真に小型軽量化、低消費電力化
および低コスト化を実現でき、携帯型にもすることがで
きる転写装置を提供する。 【解決手段】光源と、略平行光生成素子と、透過型の画
像表示手段と、感光性記録媒体とを光源の進行方向に沿
って直列に配置し、略平行光生成素子を複数の貫通孔が
設けられた多孔板で構成し、この多孔板の厚みを貫通孔
の直径あるいは相当直径の3倍以上として、画像表示手
段から通過した表示画像を感光性記録媒体に転写するこ
とにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルスチルカ
メラ(DSC)、ビデオカメラ、パソコン(パーソナル
コンピュータ)等によりデジタル記録された画像を液晶
表示デバイス(LCD)等の透過型の画像表示手段に表
示し、表示された画像を用いて、光により発色するイン
スタント写真フィルムのような感光性記録媒体に転写
(画像形成)する転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、デジタル記録された画像を感
光性記録媒体に転写(あるいは印写)もしくは記録する
方法として、点状印字ヘッドを有するインクジェット方
式、レーザ記録方式、感熱記録方式等の種々の方式が知
られている。ここで、インクジェット方式等の印字方式
では、印字に時間がかかるし、インクが詰まり易いし、
精密な印字を行うと印字した紙がインクにより湿ってし
まうなどの問題がある。また、レーザ記録方式では、レ
ンズなどの高価な光学部品が必要であるため、機器のコ
ストが高価となり、また、レーザ記録方式、感熱記録方
式では、消費電力が大きく、携帯には、不向きであると
いう問題がある。このように、これらの方式による転写
装置は、一般に、特に、インクジェット方式では、精密
にすればするほど、駆動機構、制御機構が複雑で、装置
も大型・高価なものになり、印刷にも時間がかかってし
まうという問題があった。
【0003】これに対し、特開平10−309829号
公報および同11- 242298号公報には、液晶表示
装置を用いて、表示画像をインスタントフィルムのよう
な感光性記録媒体に形成することにより、構造を簡略化
し、コストを低減させた転写装置が開示されている。ま
ず、特開平10−309829号公報に開示された電子
プリンタは、液晶ディスプレイの表示画面を光感応性媒
体にコピーして写真品質のハードコピーを生成すること
ができる。しかしながら、この電子プリンタは、液晶デ
ィスプレイの表示画面を光感応性媒体にコピーするため
に、液晶ディスプレイの表示画面と光感応性媒体との間
に、ロッドレンズアレイなどの光学部品を用いるもので
あり、両者の間に所定の間隔(総共役長)が必要であ
り、図示例では15.1mmが必要であり、光学部材が
高価であるという問題がある。
【0004】一方、特開平11−242298号公報に
開示された印写装置は、レンズなどの高価な光学部品を
用いたり、適当な長さの焦点距離を確保することを不要
として、従来の転写装置に比べ、一層の小型軽量化、低
消費電力化および低コスト化を可能にするというもの
で、図8に示すように、透過型の液晶ディスプレイ(以
下、LCDという)300の表示面に感光フィルム40
0を密着させ、LCD300の感光フィルム400のあ
る側とは反対側に設けた光源(バックライト100)を
点灯する、すなわち蛍光灯101を点灯してバックライ
トを点灯することにより、このLCD300に表示され
る画像を感光フィルム400に印写するものである。
【0005】また、同公報には、別の実施例として、図
9に示すように、バックライト100とLCD300と
の間に格子200を設けることにより、バックライト1
00からの光の拡散を抑制するようにして、すなわち平
行光に近づけ、さらに、格子200とLCD300との
間に矩形状の中空の筒からなるスペーサ201を設ける
ことにより、格子200の枠組の形の像(枠組による
影)が感光フィルム400に写り込むのを防止して、光
学部品を設けたり、適当な長さの焦点距離を確保したり
することなしに、感光フィルム400上に形成される画
像の鮮明度を、実用上問題のない程度まで向上させるよ
うにしたものが開示されている。
【0006】さらに、同公報には、LCD300の厚
み、すなわち、図8に示すように、表示面側の偏光板3
01、ガラス基板302、液晶層303、ガラス基板3
04およびバックライト100側の偏光板305までの
合計厚みが2.8mmであり、ドットサイズが0.5m
mで表示されたLCD300の画面を感光フィルム40
0に印写する印写装置の例が示されており、LCD30
0から発した光の拡散を防ぐために、厚みが10mmの
5mm格子200を配し、この格子200とLCD30
0との間に20mmのスペーサ201を配置し、さらに
LCD300と感光フィルム400とは密着させて、画
像のボケ(不鮮明化)を防止して、印写することが示さ
れている。この場合には、元々のドットサイズが0.5
mmで表示された画像が、最大で0.67mmに拡大転
写されるが、これは片側について見れば、約0.09m
m拡大されたことにはなるものの、充分実用に耐える画
像であるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平11
−242298号公報に開示された印写装置では、液晶
ディスプレイ(LCD)と感光フィルムとを密着させて
印写することにより、画像のボケ(不鮮明化)を防止し
て、実用に耐える画像を得ているが、LCDの表示画像
の感光フィルムへの密着露光には、以下のような問題点
がある。まず、第1に、図8に示すように、LCD30
0の最外表面には、フィルム状の偏光板301が配置さ
れており、露光時に感光フィルム400をこの偏光板3
01に密着させると、その後の処理を行うために感光フ
ィルム400を移動させる場合に、感光フィルム400
と偏光板301とが擦れて、フィルム状の偏光板301
に傷がつき、偏光板301に生じた傷が感光フィルム4
00に転写され、また、この傷で光が散乱されて画質を
悪化させるという問題がある。
【0008】これに対し、露光時には両者を密着させて
おき、感光フィルムの移動時には感光フィルムと偏光板
とをわずかに離間させることも考えられるが、このため
には感光フィルムの移動機構の他に、感光フィルムの密
着・離間を行うための新たな機構が必要になり、コスト
ダウン、小型化に逆行するという問題が生じる。また、
一般に、感光フィルム、例えば、最も利用しやすいイン
スタントフィルムは、印写装置に装填されるまで遮光ケ
ースに収納されており、この遮光ケースには、フィルム
のサイズより幾分大きな開口枠が設けられているため、
感光フィルムと偏光板とを密着させるためには、以下の
ような手順が必要になる。
【0009】露光前に、まず、遮光ケースから感光フィ
ルムを1枚単独で取り出して、これをLCD表面の偏光
板面に密着させる。この状態で露光を行い、露光終了
後、感光フィルムを偏光板面から離間させ、処理のため
の移動(この際、インスタントフィルムの場合は、フィ
ルムシート内にセットされている処理液チューブを押し
破る)させる。このような手順を、感光フィルム1枚毎
に繰り返すことが必要であり、特に、密着している感光
フィルムを偏光板面から離間させることは、自動化(ま
たは機械化)にはなじまないという問題も生じる。
【0010】ところで、近年、LCDの精細画面化が進
んできており、より画素数の多い、従ってよりドットサ
イズの小さいLCDが製品化されつつある。例えば、低
温ポリシリコン型TFTのLCDでは、UXGA(1
0.4インチ、1200×1600画素)や、XGA
(6.3および4インチ、1024×768画素)など
が市販されてきている。このような精細画面を持つLC
Dを、特開平11−242298号公報に開示された印
写装置に適用しようとしても、UXGAでは、RGB各
画素のドットサイズは、その短辺側で約0.04mmで
あり、同公報に開示の印写装置のようなドットサイズの
拡大が生じる状況では、このような微小なドットサイズ
のLCD画像を、個々のRGB各画素のドットを明確に
識別可能な状態で、感光フィルムに鮮明度よく転写する
ことは不可能になってきているという問題もある。
【0011】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、簡単な構成で、真に小型軽量化、低消費電力化
および低コスト化を実現でき、携帯型にもすることがで
きる転写装置を提供することにある。また、本発明の他
の目的は、上記目的に加え、透過型の画像表示手段に入
射する光の散乱光成分を除去し、より平行光に近い成分
のみとして、画像表示手段に垂直に入射させることがで
き、それにより、画像表示手段を通過した表示画像を担
持する光によって、感光性記録媒体に高い鮮明度の画像
を転写(画像形成)することができ、高い鮮明度の転写
画像を得ることができる転写装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、高い鮮明度の転写画像を得ることがで
きる、より実用性の高く、液晶ディスプレイ等の透過型
の画像表示手段を用いることができる転写装置につい
て、鋭意研究を重ねた結果、簡単な構成で、実用性のあ
る装置構成において、画像のボケ(不鮮明度)を防止し
て、高い鮮明度の転写画像を得るためには、略平行光生
成素子によって、画像表示手段に入射する光の散乱光成
分を除去し、より平行光に近い成分のみとして、画像表
示手段に垂直に入射させることが必要であり、そのため
には、略平行光生成素子を複数の貫通孔が設けられた多
孔板で構成し、この多孔板の厚みと貫通孔の直径あるい
は相当直径との比を所定範囲内の値に設定する必要があ
ることを知見し、本発明に到ったものである。
【0013】すなわち、本発明は、光源と、略平行光生
成素子と、透過型の画像表示手段と、感光性記録媒体
と、を前記光源の光の進行方向に沿って直列に配置し、
前記透過型の画像表示手段から通過した表示画像を前記
感光性記録媒体に転写する転写装置であって、前記略平
行光生成素子が、複数の貫通孔が設けられた多孔板で構
成され、この多孔板の厚みが、前記貫通孔の直径あるい
は相当直径の3倍以上であることを特徴とする転写装置
を提供するものである。
【0014】ここで、前記多孔板の表面の内、少なくと
も前記貫通孔の内面が、反射率2%以下の面であるのが
好ましい。また、前記多孔板の断面形状が、円形または
多角形状であるのが好ましい。また、前記画像表示手段
に表示された画像のサイズと、前記感光フィルムに転写
される画像のサイズとが実質的に同一であるのが好まし
い。また、前記画像表示手段の各画素の大きさが、0.
2mm以下であるのが好ましい。また、前記画像表示手
段が、液晶ディスプレイであるのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る転写装置を添付の図
面に示す好適実施形態に基づいて、以下に詳細に説明す
る。図1は、本発明に係る転写装置の一実施例の模式的
側断面図であり、図2は、図1に示す転写装置の概念を
説明するための要部側断面図である。
【0016】これらの図に示すように、本発明の転写装
置は、光源となるバックライトユニット1と、略平行光
生成用の多孔板2と、デジタル記録された画像を表示す
る液晶ディスプレイデバイス(LCD)3と、感光フィ
ルム4を収納するフィルムケース51と、これらのバッ
クライトユニット1、多孔板2、LCD3およびフィル
ムケース51を内包する本体ケース6とから構成され
る。ここで、多孔板2と、LCD3と、感光フィルム4
とは、バックライトユニット1からの光の進行方向に沿
って、直列に、好ましくは、少なくともLCD3と感光
フィルム4とは非接触状態で、配置されるのが良い。
【0017】光源となるバックライトユニット1は、L
CD3の背後からその全面に均一な光を照射するための
もので、LCD3の表示画面と略同一の光射出面(発光
面)を持つ面状光源であって、冷陰極線管等の棒状ラン
プ11と、棒状ランプ11から射出された光を所定方向
に導入する導光板(図示せず)、導光板に導入された光
を略直交する方向に反射させる反射シート(図示せず)
および反射シートで反射された光を均一化する拡散シー
ト(図示せず)やプリズムシート等を有するバックライ
トアセンブリとからなる。
【0018】本発明に用いられるバックライトユニット
1は、特に制限的ではなく、冷陰極線管11が発光する
光を、導光板、反射シート、拡散シートおよびプリズム
シートなどからなるバックライトアセンブリを用いて均
一に拡散させるようにした面状光源であればよく、従来
公知のLCD用バックライトユニットを用いることがで
きる。ここで、図示例では、発光面(光射出面)の大き
さは、LCD3の表示画面または感光フィルム4の感光
面の大きさと同一の大きさに構成することができるが、
必ずしもこれに限定されるものではなく、LCD3の表
示画面または感光フィルム4の感光面の大きさより若干
大きくても良い。本発明に用いられるバックライトユニ
ット1は、所要の光強度の光を射出できる面状光源であ
れば、LEDアレイ光源や有機ELパネルや無機ELパ
ネル等を用いる光源なども利用可能である。
【0019】本発明に用いられる多孔板2は、バックラ
イトユニット1とLCD3との間に配置されて、バック
ライトユニット1からの光を平行光にし、LCD3に入
射する光をなるべく平行にするための略平行光生成素子
であって、図3(a)、(b)および(c)に示すよう
に、所定厚みの矩形板に所定のサイズの貫通孔21を所
定ピッチで多数設けたものである。なお、本発明におい
ては、略平行光生成素子としては、製作が容易な点も考
慮し、多孔板が用いられる。また、本発明においては、
多孔板2とLCD3との間隔を、好ましくは、0.05
mm〜10mm、より好ましくは0.1mm〜5mmと
するのが良い。これは、多孔板2に代表される略平行光
生成素子の貫通孔21のパターンが拡散光による「影」
の形で現われるのを防止するためのものである。なお、
ここで設定している上記間隔は、上述の「影」は防止で
きるが、転写画像の鮮明度は低下させない条件である。
【0020】ここで、多孔板2の材質としては、特に制
限的ではないが、例えば所定の厚みを有するアルミニウ
ム板等の金属板や樹脂板やカーボン材料板等を用いるこ
とができる。なお、多孔板2の厚みも、特に制限的では
なく、要求される転写画像の鮮明度に応じて、あるい
は、LCD3の表示画面や感光フィルム4の感光面の大
きさに合わせて、適宜選択すれば良い。また、多孔板2
の製作方法としては、多孔シートを積層する方法や、樹
脂によるモールド(成形)方法などが実用的であるが、
加工が可能であれば、特に制限的ではなく、機械的に孔
加工する方法等を含め、どのような加工法を用いても良
い。また、多孔板2に設ける複数の貫通孔21の配列形
状や配列ピッチは、貫通孔21が均一に配置されるもの
であれば、どのようなものでも良い。例えば、配列形状
は、碁盤目状、千鳥状(最密状)であって良く、好まし
くは千鳥状が良い。また、配列ピッチは、なるべく細か
い方が良く、貫通孔と貫通孔との間は、0.05〜0.
5mm、好ましくは0.05〜0.3mmが良い。
【0021】また、多孔板2に設ける貫通孔21の形状
は、特に制限的ではなく、例えば円筒形、楕円筒形、多
角筒形などにすることができる。すなわち、貫通孔21
の断面形状は、特に制限的ではなく、例えば、図3
(a)に示す円形、楕円形、図3(b)に示す正方形、
または図3(c)に示す正六角形などの多角形等にする
ことができるが、製作が容易にするために、円形または
多角形とすることが好ましい。また、貫通孔21は、多
孔板2の厚み方向には、平行な貫通孔であるのが好まし
いが、略平行であると見なせるものであれば良い。ま
た、貫通孔21のサイズも、特に制限的ではないが、多
孔板2の貫通孔21の直径(円の場合)あるいは相当直
径(楕円や多角形等の場合)は、5mm以下とするのが
好ましく、この多孔板2の厚さは、貫通孔2の直径ある
いは相当直径の3倍以上、好ましくは5倍以上、さらに
好ましくは7倍以上であるのが好ましい。なお、上述の
相当直径とは、「4×面積/総辺長(または全周長)」
で表わされる長さである。多孔板2の貫通孔21の直径
あるいは相当直径を5mm以下とし、この多孔板2の厚
さが貫通孔2の直径あるいは相当直径の3倍以上とする
のは、これらの条件が、多孔板2によって平行光を得る
ために有効な条件であるからである。
【0022】また、多孔板2の全表面の内、少なくとも
貫通孔21の内面を低反射率面で構成することが好まし
く、より好ましくは、多孔板2の全表面を低反射率面で
構成するのが良い。ここで、低反射率面とは、例えば、
黒色化された面、粗面化された面等のように、入射する
光の反射率を低下させている面をいう。黒色化面を形成
する方法としては、特に制限はないが、例えば、多孔板
2を構成する素材自体が黒色のものを用いる方法や、表
面の黒色化処理する方法が挙げられる。なお、黒色素材
としては、例えば、カーボンブラック粉末を1%以上
(好ましくは3%以上)含有する材料、カーボン粉末を
固めた材料などが挙げられる。黒色化処理の例として
は、例えば、塗装,化学的処理(メッキ、酸化、電解な
ど) が挙げられる。一方、粗面化処理に関しても、特に
制限はないが、例えば、穴を加工する際に同時に粗面化
する方法、サンドブラストなどの機械的処理方法やエッ
チングなどの化学的処理による方法等の後加工により粗
面化する方法などを任意に用いることが可能である。こ
の場合、粗面化の程度としては、例えば、Ra粗さで1
μm〜20μm程度が有効な範囲である。
【0023】なお、本発明においては、多孔板2の少な
くとも貫通孔21の内面は、より好ましくは、多孔板2
の全表面を構成する低反射率面の反射率は、2%以下が
好ましい。これは、反射率が2%以下であれば、バック
ライトユニット1から入射した、平行光以外の散乱光を
効率良く吸収でき、バックライトユニット1から略平行
光(平行光を含む)のみを効率良く射出させて、LCD
3に入射させることができるからである。なお、反射率
は、例えば、(株)島津製作所製MPC3100型分光
反射率測定機を用い、波長550nmで測定することが
できる。
【0024】LCD3は、デジタル記録された画像を表
示するための透過型の画像表示手段である。本発明にお
いて透過型の画像表示手段としては、特に制限的ではな
く、デジタルスチルカメラや、デジタルビデオカメラ、
パーソナルコンピュータなどのデジタル画像データ供給
部に接続され、供給されるデジタル画像データに応じて
表示画像を透過像として表示するものであれば、LCD
3をはじめとする各種の透過型の電子的な画像表示手段
を含み、また、これ以外にも、画像が形成された写真フ
ィルムのような透過型の画像担持手段をも含むものとす
るが、LCDであるのが好ましい。なお、LCD3に接
続されているデジタルカメラなどのデジタル画像データ
供給部では、予め用意されている画像の内から、任意の
画像を選択して供給できるように構成されている。な
お、LCD3に供給されるデジタル画像データとして
は、上述の場合の他、スキャナ等によって透過原稿や反
射原稿から読み取られたものであっても良い。また、L
CD3は、透過像として画像を表示できれば、どのよう
なものでも良く、デジタル画像データではなくても、通
常のビデオカメラで撮影された画像のアナログ画像デー
タに基いて画像を表示するものであっても良い。なお、
このLCD3と、多孔板2との間には、所定の間隙を設
けているが、この間隙は、上述したように、好ましく
は、0.05mm〜10mm、より好ましくは0.1m
m〜5mmであるが、任意の寸法に調整可能に構成され
ているのが好ましい。
【0025】LCD3は、図4に示すように、感光フィ
ルム4の側から多孔板2側(バックライトユニット1
側)に向かって、フィルム状偏光板(以下、偏光フィル
ムともいう)31と、ガラス基板32と、電極33と、
液晶層34と、電極35と、ガラス基板36と、フィル
ム状偏光板37とを積層し、液晶層34をその両側から
ガラス基板32、36および偏光板31、37で挟持す
る構造を有するものであるが、周知のように、この他、
図示しないが、ブラックマトリックスやRGBカラーフ
ィルタや配向膜等を有しているのはいうまでもない。こ
こで、例えば、TFT型LCDの場合、電極33は、共
通電極であり、ガラス基板32との間にブラックマトリ
ックスやRGBカラーフィルタが配置され、電極34
は、表示電極およびゲート電極等からなる。なお、ガラ
ス基板32および36の代りに、樹脂基板等を用いても
よい。また、LCD3の構造は、透過画像表示が可能で
あれば特に制限的ではなく、例えば従来公知の液晶表示
モードを持ち、従来公知の駆動方式のLCDを用いるこ
とができ、例えば、液晶表示モードとしては、TNモー
ド、STNモードや、CSHモードや、FLC、OCB
モードなどの偏光板を用いる液晶表示モードを挙げるこ
とができ、駆動方式としては、TFT型やダイオード型
などのアクティブマトリックス駆動方式の他、XYのス
トライプ電極からなるダイレクトマトリックス駆動方式
等を挙げることもできる。
【0026】また、LCD3のサイズには、制限はな
く、どのようなサイズでも良いが、感光フィルムのサイ
ズに合わせて、適宜選択すれば良い。また、LCD3の
RGB各画素のドットサイズは、特に制限はないが、よ
り鮮明な高画質の写真画像を得るためには、各画素の少
なくとも短辺側の大きさは、0.2mm以下であるのが
好ましい。これは、0.2mm以下では、より鮮明な転
写画像を得ることができるからである。なお、LCD3
の画素数(あるいは画素密度)も、特に制限的ではない
が、高精細・高鮮明度の高画質画像を転写して得るため
には、近年市販されている、RGB各画素のドットサイ
ズの小さい高精細画面を持つLCDを用いるのが好まし
い。このようなLCDとしては、例えば、UXGA(1
0.4インチ、1200×1600画素)や、XGA
(6.3および4インチ、1024×768画素)など
のTFT型LCDを挙げることができる。
【0027】本発明に用いられるLCD3においては、
すくなくとも、感光フィルム4側の基板32と偏光フィ
ルム31とを合わせた合計厚みtは、できるだけ薄いの
が良く、1.0mm以下、好ましくは0.8mm以下、
より好ましくは0.6mm以下とするのが良い。なお、
さらに好ましくは、バックライトユニット1(多孔板
2)側の基板36と偏光フィルム37とを合わせた合計
厚みも、小さい方が良く、1.0mm以下、好ましくは
0.8mm以下、より好ましくは0.6mm以下とする
のが良い。また、下限値は、特に制限的ではないが、例
えばガラス基板32では、それ自体の厚みを薄くするの
は0.5mm程度が限界と考えられることから、0.5
mm以上としても良い。なお、この合計厚みは、これら
に限定されることはなく、上記条件を実現するための構
成として、ガラス基板の代りに、樹脂基板の使用を考慮
することも有効であり、0.5mm程度の下限値をさら
に小さくすることができる。
【0028】本発明において、感光フィルム4側の基板
32と偏光フィルム31とを合わせた合計厚みtを1.
0mm以下が好ましい理由について以下に説明する。こ
の合計厚みの条件は、バックライトユニット1からLC
D3での区間での光の拡散を押えることに相当し、LC
D3と感光フィルム4とを、厳密には、LCD3の表示
面と感光フィルム4の感光面とを非接触状態にしても、
より鮮明な転写画像を得られるという結果に通じるもの
である。すなわち、本発明に係る転写装置においては、
LCD3の表示面と感光フィルム4の感光面とを、所定
の間隔だけ離間させて、非接触状態にするのが良い。こ
の非接触状態にするという条件は、簡単な構成で、実用
性を挙げた、実際に取り扱い易い転写装置とするために
は必要な条件であるが、LCD3の表示面と感光フィル
ム4の感光面との間での光の拡散を助長し、鮮明な転写
画像を得るという点からはむしろマイナス要因である。
このため、本発明においては、非接触状態条件によるマ
イナス分(光の拡散の増大分)を、上述の合計厚みの条
件によるプラス分(光の抑制分)でカバーするのが好ま
しい。
【0029】ところで、上述したように、図8に示す特
開平11−242298号公報に開示された従来の印写
装置においては、厚みが約2.8mmのLCDが用いら
れている。同図に示すように、LCDは、2枚の偏光板
301、305、2枚の基板302、304およびこれ
らに挟まれる液晶303から構成されている。同公報に
は開示がないが、一般に、液晶そのものの厚みは0.0
05mm程度(カラーTFT液晶ディスプレイ:p20
7、共立出版発行参照)とされているため、片側の基板
301(305)と偏光板302(304)とを合わせ
た厚みは、1.3mm〜1.4mm程度と考えられる。
ここで、光の拡散度合いは距離に比例するため、上述の
厚み1.3mm〜1.4mmが1/2になれば、拡散度
合いも1/2になり、従来技術の項で述べた「片側につ
いて、約0.09mm拡大される」という値もその1/
2、つまり0.04mm〜0.05mm程度に減少する
と推察される。しかしながら、この程度の拡散度合いで
は、従来技術の項で述べたように、最新のUXGAやX
GAなどのような微細なドットサイズを有するLCDに
おいて、隣接するドットの重なり合いが生ずる。
【0030】すなわち、拡散度合いを0.04mm〜
0.05mm程度に減少させただけでは、ドットの重な
り合いが生じ、これに起因する色の滲みが発生して、不
鮮明な画像しか得ることができない。しかし、本発明者
らの研究によって、全く意外なことに、前述したよう
に、片側の、少なくとも感光フィルム4側の基板32と
偏光フィルム31とを合わせた厚みを1.0mm以下と
することにより、UXGAやXGAなどのような微細な
ドットサイズを有するLCD3においても、ドットの重
なり合いに起因する色の滲みが解消して、鮮明な転写画
像が得られることが見出されたのである。この理由は、
LCD3のガラス基板32、偏光フィルム31による散
乱が減じるためと考えられる。
【0031】本発明においては、感光フィルム4の感光
面が、所定の間隙を隔てて、LCD3の表示画面に配置
されるように構成されているのが好ましい。複数枚の感
光フィルム4が、フィルムケース51に収納されてい
る。本発明においては、フィルムケース51は、本体ケ
ース6内に取り付けられ、1セット(パック)の複数枚
の感光フィルム4を装填するものであっても、取り付け
取り外し自在なフィルムケース51に複数枚の感光フィ
ルム4を収納しているフィルムパック5をそのまま本体
ケース6に装填するものであっても良いが、フィルムケ
ース51ごとフィルムパック5、すなわち、複数枚の感
光フィルム4を収納しているフィルムケース51自体を
装填できるように構成しておくのが好ましい。
【0032】感光フィルム4は、本発明の感光性記録媒
体として用いられるものである。本発明の感光性記録媒
体としては、LCD3の透過表示画像の露光焼付によ
り、可視ポジ画像を形成できるものであればどのような
ものでも良く、特に限定されるものではないが、例え
ば、いわゆるインスタント写真フィルム等が好ましい。
このような感光性記録媒体として用いられる感光フィル
ム4としては、モノシートタイプのインスタント写真用
フィルム「インスタックスミニ」や「インスタックス」
(共に富士写真フィルム(株)製)を挙げることができ
る。「 このようなインスタント写真フィルムは、フィ
ルムケースに所定数のフィルムをしたいわゆるフィルム
パックとして市販されている。従って、本発明において
は、感光フィルム4の感光面とLCD3の表示画面との
間隙が、後述する条件を満足するように配置できれば、
図1に示すように、フィルムパック5をそのまま本体ケ
ース6に装填することもできる。
【0033】このようなフィルムパック5の一実施例の
構造を図5に示す。同図に示すような構造を有するフィ
ルムパック5には、そのフィルムケース51の一端部に
フィルムシート4を、フィルムパック5(のフィルムケ
ース51)から取り出すためのクロー部材(爪)が進入
可能な切り欠き52が設けられており、露光の終了した
フィルムシート4は、上記クロー部材によりフィルムパ
ック5のフィルムケース51の取出口53から取り出さ
れ、図示されていない搬送機構により、処理工程に送ら
れる。なお、ここでの処理工程とは、上記フィルムシー
ト4の一端に予め設けられている処理液(現像液)チュ
ーブ(図示せず)を押し破って、現像液をフィルムシー
ト4内全面に均一に行きわたらせることであり、フィル
ムシート4のフィルムパック5からの取り出し・搬送と
実質的に同時に行われるものである。処理工程を経たフ
ィルムシート4は、本体ケース6の取出口62(図1参
照)から装置外部に送り出される。
【0034】周知のように、この種のインスタント写真
用フィルムは、上述の処理工程を経た後、数十秒ほどで
完全な画像を形成し、観賞に供することが可能になる。
従って、本発明の転写装置では、上述の処理工程を施す
までが、必要とされる機能となる。1枚のフィルムシー
トが送り出された後には、次のフィルムシートが現わ
れ、次の露光(転写)が可能な準備状態が実現される。
なお、上述した、このフィルムパックの取り扱い方法に
ついては、先に本出願人の出願に係る特開平4−194
832号公報に開示されたインスタント写真用フィルム
を用いるインスタントカメラを参照することができる。
【0035】図5において、符号54は、フィルムパッ
ク5のフィルムケース51の縁(段付き部)の高さを示
しており、この縁の高さ54を所望の寸法に設定するこ
とによって、LCD3の表示面と感光フィルム4の感光
面との間の離間間隔を後述する所定の値に設定すること
が可能である。従って、本発明においては、この縁の高
さ54が所望の寸法に調整されている点を除けば、従来
公知のインスタント写真フィルムのフィルムパックを適
用することができる。なお、フィルムケース51を本体
ケース6に取り付けておき、1セットの感光フィルム4
のみをフィルムケース51に装填する場合にも、この縁
の高さ54を所望の寸法に設定することにより、LCD
3の表示面と感光フィルム4の感光面との間の離間間隔
を後述の所定範囲に設定することができる。なお、図1
に示す例においては、フィルムケース51は、感光フィ
ルム4の画像の有効範囲外でLCD3の表示面と直接接
触しているが、本発明はこれに限定されず、フィルムケ
ース51の縁の高さ54が、低い場合には、フィルムケ
ース51をLCD3の表示面から所定間隔だけ離間させ
て取り付ける、または装填するようにしても良い。さら
に、本発明においては、フィルムケース51をLCD3
の表示面をその外側で保持する保持パネルに接触させる
ようにしても良いが、後述する条件を満たするようにす
るのが好ましい。
【0036】ところで、本発明の転写装置においては、
前述したように、実際に取り扱い易い装置とするために
必要な条件から、LCD3と感光フィルム4とを非接触
状態で、厳密には、LCD3の表示面と感光フィルム4
の感光面とを非接触状態で、所定の間隔だけ離間させる
のが良い。本発明では、鮮明な転写画像を得るという点
おいて、これによって生じる光拡散の増大というマイナ
ス要因を、上述したLCD3の感光フィルム4側のガラ
ス基板32と偏光フィルム31の合計厚みtを所定寸法
以下にすることにより生じる光拡散の抑制というプラス
要因でカバーするのが好ましい。
【0037】なお、LCD3と感光フィルム4とが非接
触状態で配置されるとは、LCD3の表示面と感光フィ
ルム4の感光面との間に所定の離間間隙が存在し、所定
の距離だけ離間し、両者が直接接触していないことを意
味する。実際には、上述したように、フィルムパック5
のフィルムケース51が感光フィルム4の画像の有効範
囲外でLCDと接触しているが、感光フィルム4の感光
面とLCD3の表示面との間には空間があるというもの
でもよい。また、これとは異なり、LCD3の表示面と
感光フィルム4の感光面とは、その間に所定の厚みの透
明なガラスやフィルムなどを介して接触しているが、そ
れらが直接的には接触しておらず、両者間に、実質的に
所定の距離が保たれている場合も含まれる。
【0038】本発明に係る転写装置においては、LCD
3(の表示面)と感光フィルム4(の感光面)との間の
離間間隔は、0.01mm〜3mmであるのが好まし
く、より好ましくは0.1mm〜3mmであるのが良
い。これは、上述したように、鮮明な転写画像を得ると
いう点からはむしろマイナス要因ではあるが、実際に取
り扱い易い装置とするためには必要な条件であり、これ
によるマイナス分は、上述したLCD3の感光フィルム
4側のガラス基板32と偏光フィルム31の合計厚みt
を所定寸法以下にすることにより生じる光拡散の抑制と
いうプラス要因でカバーできるからである。
【0039】本発明の転写装置においては、LCD3に
表示された画像のサイズと、感光フィルム4に転写され
る画像のサイズとを、実質的に同一とするのが好まし
い。これは、本発明においては、レンズ系を用いた拡大
・縮小を行うことなく、直接転写方式とすることで、装
置の小型化、軽量化などを実現することができるからで
ある。
【0040】本体ケース6は、上述した本発明の各構成
要素、すなわちバックライトユニット1、多孔板2、L
CD3、フィルムパック5(またはフィルムケース5
1)をおよび露光済みフィルムの送り出し兼処理液展開
ローラ対61等を内部に収納するケースである。本体ケ
ース6においては、露光済みフィルムの送り出し兼処理
液展開ローラ対61は、装填されたフィルムパック5
(またはフィルムケース51)の露光済フィルムの取出
口53に臨む位置に取り付けられている。また、本体ケ
ース6には、このローラ対61を臨む位置に、露光済み
フィルム4の本体ケース6からの取出口62が開口され
ている。また、本体ケース6には、露光済みフィルムパ
ック5の裏側の開口から挿入されて、フィルムシート4
をフィルムケース51の前縁に、すなわち、LCD3側
に押し付けるためのバックアップ用押圧ピン63が設け
られている。
【0041】なお、図示しないが、本発明の転写装置
は、ローラ対61を駆動するための駆動源(モータ)
や、これを駆動したり、バックライトユニット1の棒状
光源11を点灯するための電源や、これらを制御するた
めの電装品や、LCD3に画像を表示させるためにデジ
タル画像データ供給部からデジタル画像データを受信
し、LCD表示用画像データに変換するデータ処理装
置、制御装置などを有しているのはもちろんである。本
発明に係る転写装置は、基本的に以上のように構成され
る。
【0042】
【実施例】以下に、本発明に係る転写装置を実施例に基
づいて、具体的に説明する。以上のように構成される図
2に示す転写装置を用いて、主として多孔板2の貫通孔
21の径と多孔板2の厚み等の各寸法および貫通孔21
の内面の反射率を変化させて、感光フィルム4にLCD
3に表示されたデジタル記録された画像を記録して、記
録画像を得た。なお、LCD3は、表示画面サイズ3.
5inのものを用意した。また、バックライトユニット
1は、LCD3の表示画面サイズ3.5in相当のもの
を用意し、その棒状ランプ11は、長さ70mmの冷陰
極管単管を用いた。バックライトユニット1の中央での
明るさは、直流電圧6.5Vの電源を用いて冷陰極管を
点灯し、点灯からの1分後の明るさで2500Lvであ
り、また、光源の色は、色度座標上で、x=y=0.2
97であった(ミノルタ(株)製分光放射輝度計CS1
000にて測定)。
【0043】(実施例1)まず、多孔板2として、貫通
孔21の形状を円形とし、最密状態にピッチ(ここで
は、隔壁の厚みで表示している、図6参照)0.1mm
で設けたものを用意した。なお、多孔板2の貫通孔21
の直径と多孔板2の厚みについては、それぞれ複数段階
のものを用意した。その結果、後述する「多孔板の厚み
/多孔板の貫通孔の寸法」を、7水準実現した。
【0044】また、入射側と感光フィルム4側の基板3
2と偏光フィルム31との合計厚みtは、1.3mmと
0.93mmの2水準とし、多孔板2の出口側(上面)
からLCD3までの距離(スペーサ厚み)は2mmとし
た。なお、感光フィルム4として、モノシートタイプの
インスタント写真用フィルム「インスタックスミニ」
(富士写真フィルム(株)製)のフィルムパック(画像
サイズ3in(対角線長さ))を用いた。この構成で、
LCD3のドットの寸法(短辺側)を0.13mm,
0.08mmの2水準とし、LCD3と感光フィルム4
との距離(1mmと2mmと3mmとの3水準)を変え
て、転写テストを行った。
【0045】(比較例1)多孔板2の貫通孔21の断面
形状を直径5mmおよび1.5mm(2水準)の円形と
し、厚みを10mmおよび7.5mm(2水準)とし
た。なお、多孔板2の出口側(上面)からLCD3まで
の距離(スペーサ厚み)は、実施例1と同じとし、LC
D3の基板32と偏光フィルム31との合計厚みtは、
1.3mmおよび0.93mm(2水準)とした。この
構成で、LCD3のドットの寸法(短辺側)を変えたも
の(2水準)を用い、LCD3と感光フィルム4との距
離(1mmと5mmとの2水準)を変えて、転写テスト
を行った。
【0046】(実施例2)多孔板2として、その貫通孔
21の形状を円形,貫通孔21の直径を0.5mmと
し、最密状態にピッチ0.1mmで設けたものを用意し
た。多孔板2の厚み(貫通孔21の長さ)は、4水準に
変更した。また、多孔板2の出口側(上面)からLCD
3までの距離(スペーサ厚み)は、実施例1と同じと
し、感光フィルム4として、実施例1と同様に、「イン
スタックスミニ」フィルムパックを用いた。さらに、多
孔板2の材質および貫通孔21の内面の加工状態につい
て、(1)アルミニウム板で構成し、黒色無光沢メッキ
処理(反射率については多水準とした)したもの、
(2)カーボン電極素材((株)KHS扱いグラファイ
ト電極材料)で構成したものを用意した。
【0047】この構成で、LCD3のドットの寸法(短
辺側)が0.08mmのものを用いて、転写テストを行
った。ここで、入射側と感光フィルム4側の基板32と
偏光フィルム31との合計厚みtは、0.93mmであ
った。 (比較例2)実施例2と同様の条件で、多孔板2の貫通
孔21の内面に黒色化処理が施されていないものを用意
して、転写テストを行った。
【0048】なお、上記各転写テストにおいては、得ら
れる転写画像の濃度がほぼ同一になるように光源の点灯
時間を調整して行った。評価については、転写画像を1
0倍の顕微鏡で観察して、RGBのドットの鮮鋭度を表
1のテーブルに示す基準に従って、5段階評価した。実
施例1および比較例1の結果をまとめて表2に、実施例
2および比較例2の結果をまとめて表3に、テーブル化
して示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】(結果の検討)まず、表2に示すように、
実施例1と比較例1とを比較すると、「多孔板2の厚み
/貫通孔21の直径」の値が大きくなると、転写画像の
鮮鋭度が格段に向上することが分かる。この値を大きく
取るためには、多孔板2の厚みを増やさないためにも、
貫通孔21の直径を小さくするのが好ましいといえる。
具体的には、多孔板2の貫通孔21の直径を5mm以下
としたとき、上述の多孔板2の「厚み/貫通孔21の直
径」の値を3以上とするのがよく、好ましくは5以上、
さらに好ましくは7以上とすることが望ましいといえ
る。
【0053】実際に、実施例1中の、多孔板2の「厚み
/貫通孔の直径」の値が7以上の場合(実施例1−9〜
実施例1−12,実施例1−14〜実施例1−16参
照)には、得られる転写画像は、コリメータを通して得
たほぼ完全な平行光を用いた転写テストの結果に匹敵す
る、高い鮮鋭度のものであった。また、上述の「多孔板
2の厚み/貫通孔21の直径」の値が大きくなると、L
CD3と感光フィルム4との距離は、転写画像の鮮鋭度
にほとんど影響しなくなる点、特に3mm以下であれば
影響しなくなる点も、装置を製作する上で有利になる点
である。
【0054】この実施例1によれば、多孔板2の厚みに
ついては、多孔板2に設ける貫通孔21の寸法との関係
から、多孔板2の「厚み/貫通孔の寸法」を1つの係数
として、これをある値以上に大きくとるようにすると、
効果が大きいことが判る。従って、上述の値は、多孔板
2を通過する光が平行光に近づく度合いを示していると
いえる。この多孔板2の「厚み/貫通孔の寸法」を大き
く取るためには、具体的には、貫通孔21の寸法を小さ
くすること、あるいは、多孔板2の厚みを厚くすること
が有効であるということであるが、装置全体を薄くする
ためには、前者がよいといえる。また、貫通孔21の寸
法は、製作上の制約から、0.2mm位が限界であり、
実用上は0.5mm〜2mm位がよい。厚みの方は、3
mm〜20mm位が実用的であるといえる。
【0055】次に、表3に示すように、実施例2と比較
例2では、多孔板2の貫通孔21の内面の黒色化処理の
有無で、転写画像の鮮明度に大きな差が認められた。ま
た、多孔板2の貫通孔21の内面の黒色化処理の結果と
して得られる、多孔板2の貫通孔21の内面の反射率の
値が2%以下となると、転写画像の鮮明度に、3%以上
とは大きな差異が認められたことは、特筆に価する。な
お、ここに示した多孔板2の貫通孔21の内面の反射率
は、直接の測定が困難なことから、同一の処理条件で処
理した平板材料について、(株)島津製作所製MPC3
100型分光反射率測定機により、波長550nmで測
定した値を用いた。
【0056】この実施例2によれば、厚みが貫通孔21
の直径(または相当直径)の3倍以上あり、かつ、少な
くとも貫通孔21の内面が低反射率面に構成された多孔
板2を用いると、転写画像として、かなり鮮明な画像が
得られることが認められた。特に、厚みが貫通孔21の
直径の7倍以上であるものについては、コリメータによ
る平行光の転写画像に匹敵する程度のものが得られてい
ることが分かる。
【0057】図7(a)および(b)に、上述した貫通
孔21の拡大断面図を示す。ここでは、厚みが異なる
(つまり、前述の「厚み/貫通孔の直径」の値が異な
る)2つの多孔板2について、入射光の入射角度を3種
類に変えた場合の貫通孔21の内部での反射のパターン
を示しているが、これらの図から明らかなように、多孔
板2の貫通孔21の直径が同じでも、多孔板2の厚みが
増すと散乱光の除去作用が著しく大きくなる。さらにま
た、貫通孔21の内面を無反射とすることで、反射光成
分が少なくなり、より平行光に近い光が得られることが
判る。
【0058】このような散乱光の除去作用は、転写画像
の鮮明度を向上させる効果が大きいことはいうまでもな
い。この効果を実用的に得るためには、貫通孔21の直
径をある程度小さくするとともに、多孔板2の厚みを増
すことが有効であり、製作上の利点も大きい。なお、上
述のように、貫通孔21の内面は無反射状態(反射防止
加工を施すこと、もしくは、反射率の低い材料を用いる
こと)とすることが必要である。これにより、反射光成
分が少なくなり、より平行光に近い光が得られる。
【0059】実施例2においても、多孔板2の貫通孔2
1の寸法は、実施例1と同様に、製作上の制約から、
0.2mm位が限界であり、実用上は0.5mm〜2m
m位がよい。また、多孔板2の厚みの方は、3mm〜2
0mm位が実用的であることが分かる。なお、反射防止
のための加工方法等は、特に限定されるものではなく、
効果が得られる範囲で、自由に選択してよい。
【0060】以上の結果から、本発明の転写装置により
得られる効果は明らかである。すなわち、本発明にかか
る転写装置では、光源とLCDとの間に配置する略平行
光生成素子としての多孔板の貫通孔の寸法と多孔板の厚
みとを前述のように規定することにより、好ましくは、
貫通孔の内面を低反射率にすることにより、転写画像の
鮮明度を大幅に改善することができることを示してい
る。
【0061】以上、本発明に係る転写装置について種々
の実施形態および実施例を挙げて詳細に説明したが、本
発明は、これらの実施形態および実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、
様々な改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
例えば、光源としてのバックライトユニットや、画像表
示手段としてのLCDなどは、上述のものの他、可能な
範囲で、種々の機能のものを用いることができる。ま
た、本発明に用いられるデジタル記録された画像(デジ
タル画像データ)は、ネガフィルムやリバーサルフィル
ムなどの写真フィルム等の透過原稿、あるいは写真など
の反射原稿からスキャナ等によって読み取られたデジタ
ル記録画像であっても良い。
【0062】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、簡単な構成で、真に小型軽量化、低消費電力化
および低コスト化を可能にする転写装置を実現すること
が可能である。なお、上記基本構成に、前述のような付
加的な条件を加味することにより、さらに効果を高める
ことができるものである。
【0063】また、本発明によれば、透過型の画像表示
手段に入射する光の散乱光成分を除去し、より平行光に
近い成分のみとして、画像表示手段に垂直に入射させる
ことができ、それにより、画像表示手段を通過した表示
画像を担持する光によって、感光性記録媒体に高い鮮明
度の画像を転写(画像形成)することができ、高い鮮明
度の転写画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る転写装置の一実施例の模式的側
断面図である。
【図2】 図1に示す転写装置の概念を説明する要部側
断面図である。
【図3】 (a)、(b)および(c)は、それぞれ図
1に示す転写装置に略平行光生成素子として用いられる
多孔板の一実施例の構造を示す斜視図である。
【図4】 図1に示す転写装置に用いられる透過型の液
晶画像表示デバイスの一実施例の構造を示す斜視図であ
る。
【図5】 図1に示す転写装置に用いられるフィルムパ
ックの一実施例の構造を示す斜視図である。
【図6】 実施例に用いられた多孔板の貫通孔の配置を
説明する図である。
【図7】 (a)および(b)は、多孔板の孔の内部に
おける入射光の反射パターンを模式的に示す図である。
【図8】 従来の印写装置の一例の構成を示す側面図で
ある。
【図9】 従来の印写装置の別の一例の構成を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 光源 2 多孔板 21 多孔板の貫通孔 3 LCD 31,37 偏光板(フィルム) 32,36 基板 33,35 電極 34 液晶層 4 感光フィルム(インスタント写真用フィルム) 5 フィルムパック 51 フィルムケース 52 切り欠き 53 露光済みフィルムの取出口 54 フィルムパックのケースの縁(段付き部)の高さ 6 本体ケース 61 露光済みフィルムの送り出し兼処理液展開ローラ
対 62 露光済みフィルム取出口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、略平行光生成素子と、透過型の画
    像表示手段と、感光性記録媒体とを前記光源の光の進行
    方向に沿って直列に配置し、前記透過型の画像表示手段
    から通過した表示画像を前記感光性記録媒体に転写する
    転写装置であって、 前記略平行光生成素子が、複数の貫通孔が設けられた多
    孔板で構成され、この多孔板の厚みが、前記貫通孔の直
    径あるいは相当直径の3倍以上であることを特徴とする
    転写装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6788327B2 (en) 2002-12-06 2004-09-07 Fuji Photo Film Co., Ltd. Transfer apparatus
US7133020B2 (en) 2002-10-25 2006-11-07 Fuji Photo Film Co., Ltd. Transfer apparatus

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